JP4318489B2 - フェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関し、例えば自動車排気系部品などに使われる高Siタイプの高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接に使用され、溶接作業性が良好で、溶接金属の耐溶接割れ性、耐高温酸化性および熱疲労特性に優れた溶接継手が得られるフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
1970年代の排ガス規制強化に伴い、自動車排気系部品にフェライト系ステンレス鋼が使用されるようになった。その背景には、触媒コンバーターによる三元触媒方式を用いた排ガス浄化対策を行うためには排ガス温度を700℃以上にする必要があり、耐酸化性の観点からこれまでのAlめっきやZnめっき鋼では対応できなくなったからである。さらに、1980年代後半になると燃費向上や軽量化の動きの中で、排気マニフォルドは厚肉構造の耐熱鋳物から薄板や薄肉鋼管を利用した溶接構造物へと変遷し、これによりフェライト系ステンレス鋼の使用量が拡大した。また、耐熱材料としてはオーステナイト系ステンレス鋼も候補に挙げられるが、エンジンの始動、停止に伴う繰返し熱サイクルを伴う環境下では、熱膨張係数の小さいフェライト系の方が熱疲労特性や耐酸化性の点で有利であったからである。
【0003】
これまで、フェライト系ステンレス鋼としてはSUH409L(低C−11%Cr−Ti)やSUS430LX(低C−17%Cr−Nb)が用いられていたが、燃費向上と軽量化の要求に対応した排ガス温度の上昇に伴い、耐酸化性や高温強度の改善を図ったCr含有量の多い材質へと移行した。現在は、排ガス温度が900℃程度となっており、低C−18〜19%Cr−Nb系の高級フェライト系ステンレス鋼が適用されている。また、高価なCr量を低減して1%程度のSiを含有させることにより耐酸化性や高温強度の確保を図った新しいタイプの低C−1%Si−13〜15%Cr−Nb系(SUS425、SUS429等)が開発され、この種の低コスト指向のフェライト系ステンレス鋼の適用が急増してきている。
【0004】
ところで、SUH409LやSUS430LX鋼等のフェライト系ステンレス鋼の溶接は、鋼材と同じ熱膨張特性を有する共金系溶接材料が最適であり、SUS430L系の溶接用ワイヤが広く用いられている。溶接方法としては、シールドガスとしてAr−2%O2 やAr−10%CO2 を用いたミグまたはマグ溶接の適用例が多い。図2は従来の一般的なワイヤを使用したときの溶接部のミクロ組織であるが、フェライトの安定化を図ったNb含有SUS430L系溶接用ワイヤを用いたI開先の1パス溶接では、この図に示すように溶接金属がフェライト単相凝固し、母材1の壁面2から中心部に向かって粗大な柱状晶3が発達する。このような場合、ビード中央付近での柱状晶会合部4は平坦となり、またこの柱状晶会合部4ではS等の低融点不純物の濃縮を生じやすいことからも脆弱化し、さらに溶接時の収縮歪みにより開裂してビード中央部での凝固割れ、いわゆる梨形ビード形状割れが発生しやすいことが問題となっている。なお図中5は等軸晶であって、このような従来の一般的なワイヤの場合には最終凝固部にのみ生成する。
【0005】
また、Nbを含まないSUS430L系溶接用ワイヤも適用されているが、炭酸ガスを含むシールドガスを用いたマグ溶接ではシールドガスからのCのピックアップの影響によりフェライト相とその粒界の一部がマルテンサイト変態した二相組織となり、繰返し熱サイクルを伴う環境下では、熱疲労特性にも難があった。また、SUS309L系のオーステナイト系溶接用ワイヤを用いた場合には柱状組織による梨形ビード形状割れの問題は解消できるが、溶接金属は母材希釈によりそのNi量が約半減して、その組織がフェライト/オーステナイトの二相組織を呈するようになり、高温使用中にシグマ相変態を生じ高温脆化の問題があった。つまり、変態温度を挟んで温度変動が上下するような環境では、二相混合組織を有する溶接金属では異常変形や脆化現象を引き起こして熱疲労特性が劣化する場合があり、従ってこのような用途においては単相組織にするのが原則である。
【0006】
フェライト系ステンレス鋼の溶接で梨型ビード形状割れを軽減するために、鋼中のP、S等の低融点不純物を抑制することは周知の事実であるが、その低減には経済的にも限界があり、十分な効果が得られなかった。さらに、従来から種々のフェライト系ステンレス鋼の溶接用ワイヤが提案されている。これらは溶接ワイヤ中に微細化元素の添加を行って、柱状晶の会合部に当たるビード中央付近に等軸晶を晶出させ、いわゆる組織の微細化を図って、力学的あるいはミクロ偏析の見地から梨型ビード形状割れの感受性の低下を図ろうというものである。
【0007】
例えば、特開平9−85491号公報には、フラックス中にTi、Al、Nを意図的に添加させることにより、これら窒化物による組織の微細化を図ったフェライト系ステンレス鋼溶接用のフラックス入りワイヤが開示されている。また、特開2001−219291号公報には、同様にTi、Al、Nを添加させたソリッドワイヤが開示されている。しかしながら、このような微細化元素の添加を行うだけの手法では、梨形ビード形状割れを防止するだけの等軸晶を晶出させる効果は不十分であり、かえって溶接金属の清浄度を悪くさせるだけである。
【0008】
ところで、こうしたフェライト系ステンレス鋼の耐酸化性は、金属表面を緻密なCrの酸化物が保護皮膜となって酸化の進行が阻止されることによっている。Cr酸化物内では酸素の拡散が阻止されるので、地金金属の酸化反応が進行しないからである。さらに、AlやSi添加によりこの酸化皮膜の耐酸化性が強化される。しかしながら上記の技術におけるNの同時添加は耐酸化性に極めて有害である。すなわちNを添加すると窒化アルミ(AlN)が酸化皮膜上に形成する。窒化アルミ自体は耐酸化性の効果を持たないことから、これを起点として酸化が進行し異常酸化現象を生じさせることが知られており、結論として耐酸化性を損なうことになる。
【0009】
また、近年ではエンジン始動直後の排ガス浄化効率を改善するために、排気マニフォルドやフロント管を二重構造にして断熱性を高める傾向になっている。内管用には従来よりも薄肉の部材が使用されるが、このような場合には溶接の際に溶込み深さが大きくなる傾向となり、完全溶け込みとなって裏波ビードが形成されやすくなる。こうした場合、過熱による母材自身の結晶粒粗大化に伴い、その結晶粒を起点としてエピタキシャル成長する溶接金属の粗大化に拍車をかける。また、熱拡散方向の絡みで母材壁面から中心部に向かう柱状晶の成長方向がほぼ真横になり、会合部の引張許容力がさらに低下して裏波ビード側に梨形ビード形状割れが加速されるという問題がある。
【0010】
しかも溶接金属中の化学組成は、上記のように溶込み率の増加に伴う母材希釈の影響度が増加する。低C−1%Si−13〜15%Cr−Nb系のフェライト系ステンレス鋼では従来の鋼材よりもSiが増量されているため、溶接金属中のSi量が高くなる。Siはフェライト安定化傾向の強い元素で柱状晶の粗大化を促進する。また、Siは偏析して粒界を脆弱にする悪影響を及ぼすことから、高温割れ感受性を極めて高める結果となる。すなわち、低C−1%Si−13〜1 5%Cr−Nb系の材質での薄肉化を対象とするフェライト系ステンレス鋼の溶接で、梨形ビード形状割れが阻止でき、同時に耐酸化性と熱疲労特性を確保できる技術は見当たらなかった。
【0011】
【引用文献】
特許文献1:特開平9−85491号公報
特許文献2:特開2001−219291号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はSiを含有する高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接において、溶接作業性が良好で、溶接金属の高温割れを発生し難く、かつ耐高温酸化性および熱疲労特性に優れた溶接継手が得られるフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1)金属外皮内にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、金属外皮およびフラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、Nb:0.5〜1.0%、C:0.01〜0.05%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.10〜0.45%、Cr:13〜20%、Al:0.2〜0.8%、ただし、a=Cr+2Si+0.8Al(各成分は質量%)で14以上、Ti:0.1〜0.8%、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩の1種または2種以上:0.05〜0.25%を含有し、Mo:0〜1.5%、Ni:0〜0.5%、Cu:0〜0.5%、N:0.015%以下で、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
(2)金属外皮内にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、金属外皮およびフラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、Nb:0.2%以上、Zr:0.3%以上、ただし、Nb+Zr:1.0%以下、C:0.01〜0.05%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.10〜0.45%、Cr:13〜20%、Al:0.2〜0.8%、ただし、a=Cr+2Si+0.8Al(各成分は質量%)で14以上、Ti:0.1〜0.8%、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩の1種または2種以上:0.05〜0.25%を含有し、Mo:0〜1.5%、Ni:0〜0.5%、Cu:0〜0.5%、N:0.015%以下で、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
(3)フラックス入りワイヤのb=Cr+2Mo+4Si+0.5(Nb+Zr)(各成分は質量%)で表される値が、溶接するフェライト系ステンレス鋼母材の前記bで表される値より、0.2〜4高いことを特徴とする(1)または(2)記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
(4)フラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、希土類金属(Yを含む)の化合物を希土類金属換算値で0.02〜0.2%含有することを特徴とする(1)ないし(3)記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者等は前記課題を解決するために、溶接凝固現象での等軸晶の生成機構や、溶接金属の耐酸化性および熱疲労特性の解明とフラックス入りワイヤの成分組成が及ぼす影響について鋭意研究を重ねた。その結果、Nbの含有量を調整することにより母材の壁面から成長する柱状晶の成長を抑制し、さらにAlとTiの添加により等軸晶の生成を促進して高温割れ(梨型ビード形状割れ)を防止し得ることを見出した。また、Cr、Si、AlおよびNの含有量を調整することにより耐酸化性を改善し、Cr、Mo、Si、NbおよびZrの含有量を溶接するフェライト系ステンレス鋼母材の成分に応じて調整することによって熱疲労特性を改善できる。さらに、アルカリ金属炭酸塩および/またはアルカリ土類金属炭酸塩を微量含有することによって溶接作業性が良好になることを見出した。
以下、本発明におけるフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ全質量に対する含有成分の組成限定理由について説明する。
【0015】
[Nb:0.5〜1.0質量%]
Nbは、溶接金属のミクロ組織改善と梨型ビード形状割れの抑制に最も効果がある。Nbは例えば0.5質量%(以下、%という。)未満の添加では、かえって高温割れ感受性を高める作用があることはよく知られている。これは低融点のNbCを粒界に形成するためであると考えられている。
【0016】
ところで、図1は本発明のワイヤを使用したときの溶接部のミクロ組織の例であるが、この図に示すようにフェライト単相の溶接凝固過程では、まず溶接熱によって母材1の一部が溶融し、その未溶融の母材の結晶粒を核として母材壁面2から中心に向かって柱状晶3がエピタキシャル成長する。そして、ある条件が揃えば柱状晶3成長の固液界面前方、すなわち溶接金属の中央部で等軸晶5が晶出するようになる。ある条件とは、溶接凝固過程での、Nbによる組成的過冷の程度とこの過冷帯に存在するAl、Ti添加物による核生成触媒の数が関与し、組成的過冷が大きい程また核生成触媒の数が大きいほど等軸晶5が出やすい。さらに詳しくは、このようなフェライト系ステンレス鋼の凝固においては、その凝固速度にもよるが凝固界面に排出されたNbが拡散できずに濃化し、また凝固潜熱を放出することにより柱状晶3の凝固界面の過冷が低減され、その成長が抑制されるようになる。一方、凝固界面より少し前方の位置では大きな過冷が残っており、凝固界面直下より結晶が成長しやすい環境にあり、この過冷帯に核生成触媒が存在すると等軸晶5の生成が促進されるようになる。つまり、組成的過冷と核生成触媒のどちらが欠けても十分な等軸晶5は得られない。
【0017】
Nb添加量が0.5%未満では組成的過冷をほとんど生じずに柱状晶3のみで凝固を終えて柱状晶会合部4を生成する。一方、0.5%以上のNb添加は、その固液界面に過飽和のNbを排出することにより組成的過冷現象が発生し、柱状晶3の成長を抑制する。柱状晶3の成長が抑制された間に、ワイヤ中に添加されたTiやAlが核となり、残留溶液中で等軸晶5の成長を促進させる。その結果、ビード中央部に等軸晶5を存在させることが可能となり、板幅方向に作用する収縮力に対して抵抗性を高め、梨型ビード形状割れを防止できる。
【0018】
すなわち、0.5%以上のNb添加は柱状晶3の成長を抑制する作用を持つと共に、AlとTi添加は等軸晶5の成長を促進させる作用を持ち、これら両者の作用を複合してミクロ組織改善と梨型ビード形状割れの抑制に効果がある。またNbは炭化物や窒化物を生成して耐酸化性に有害なCとNのマトリックス中の濃度を低減し、間接的に耐酸化性改善に効果がある。さらに、高温使用中にもフェライト相の粗大化を阻止、安定化させ、熱疲労特性の改善作用もある。
【0019】
しかし、Nbが1.0%を超えると梨型ビード形状割れの抵抗性はもはや飽和して、Nb自身が割れ感受性を高めて、かえって耐溶接割れ性は劣化する。また、耐酸化性についても排ガス温度が900℃を超える範囲では、Nbの炭化物や窒化物が分解して耐酸化性が劣化するので、後述の通り、Nbの一部をZrに置き換えるのが好ましい。
【0020】
[C:0.01〜0.05%]
Cは、Crと炭化物を形成し、溶接金属の高温酸化性および耐塩害腐食性を低下させる。一方、Cはオーステナイト安定化元素としてフェライトの成長を抑制し、Nbと炭化物を形成して等軸晶の生成に有効で、梨型ビード形状割れの抑制に効果がある。CはCO2 を含有するシールドガスから添加される場合もあるが、CO2 を含まないシールドガスではその効果が期待できない。したがって、フラックス入りワイヤのCを0.01%以上に規定し、等軸晶の生成効果を得る。またマグ溶接においてはCO2 を含有するシールドガスから0.04%程度のCが混入される場合も想定して、フラックス入りワイヤのCの上限を0.05%とした。Cが0.05%を超えると、溶接金属の耐酸化性および耐塩害腐食性を低下させる。
【0021】
[Mn:0.2〜1.0%]
Mnは、オーステナイト生成元素としての作用し、フェライトの成長を抑制する。また高融点のMnSを形成して低融点の硫化物が粒界に晶出するのを防止し、高温割れ抑制に有効である。0.2%未満ではその効果が不十分であり、1.0%を超えると、溶接金属の高温酸化性を劣化させる。
【0022】
[Si:0.10〜0.45%]
Siは、その含有量を抑制することによりミクロ組織改善と梨型ビード形状割れや延性低下による割れの阻止に効果がある。またSiはフェライト安定化元素として溶接金属の柱状組織の粗大化を促進する作用があり、さらに粒界に偏析して脆弱化させる作用も有するため、梨型ビード形状割れと延性低下での割れによる高温割れの感受性を高め、溶接割れに対しては有害な元素である。
【0023】
一方、SiはCrとの共存で耐酸化性を改善する作用がある。酸化物と地金金属の界面、または粒界に沿ってSiO2 を形成し保護皮膜としての作用と、楔止め作用によりCr23 やそのスピネル構造を持つ外層酸化物の密着性改善に効果がある。耐酸化性改善におよぼすSiの効果はCrの2倍である。また、アーク安定性やビード形状を改善する作用も有する。Siが0.10%未満では、溶接金属の耐酸化性およびアーク安定性やビード形状を良化させる作用が不十分である。一方、0.45%を超えると、梨型ビード形状割れが生じるようになる。
【0024】
[Cr:13〜20%]
Crは、耐酸化性を確保する必須元素である。Crは、高温でCr23 主体の酸化物を形成し、緻密で酸素の拡散が阻止できるので、耐酸化性の機能を発揮する。また、高温強度および耐塩害腐食性などの耐食性を確保する上でも、必須である。本発明のように、C、Nの低減およびNb添加、ならびに耐酸化性を有するAlやSiの添加によりCrは13%まで低くすることができる。20%を超えると生成された酸化物と地金金属の密着性が悪くなり、耐酸化性を劣化させ、さらに、フェライトを安定させる作用があり、耐梨型ビード形状割れ性を劣化させる。
【0025】
[Al:0.2〜0.8%]
Alは、等軸晶の生成には必須元素である。溶接金属の脱酸作用により酸化物を形成し、この酸化物が等軸晶の生成を促進して梨型ビード形状割れを防止する作用を有する。また、Siと同様に、Crとの共存で耐酸化性に有用な元素である。その効果はCrの0.8倍である。Alが0.2%未満では、これら効果は不十分である。0.8%を超えると、スパッタ発生量が多くなり、これがエンジン内部や触媒担体を閉塞させて破損原因となるので、好ましくない。
【0026】
[a=Cr+2Si+0.8Al:14以上]
Cr、Si、Alは耐酸化性を向上させる元素である。前述の通り、Crに対してSiは2倍、Alは0.8倍の効果を持つので、耐酸化性の指標としては、a=Cr+2Si+0.8Alが有効である。この式における各成分をその成分の質量%としたとき、a値が14未満では、耐酸化性が劣る。
【0027】
[Ti:0.1〜0.8%]
Tiは、脱酸効果と等軸晶の生成に有効な元素である。等軸晶生成のメカニズムはAlと同じであり梨型ビード形状割れを防止する作用を有する。また、アーク安定性を向上させる作用がある。0.1%未満では、これら効果は不十分である。0.8%を超えると、アーク吹付け力が過剰となり、スパッタ発生量が多くなるので好ましくない。
【0028】
[アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩の1種または2種以上:0.05〜0.25%]
Na2 CO3 、K2 CO3 、Li2 CO3 等のアルカリ金属炭酸塩およびCaCO3 、BaCO3 等のアルカリ土類金属炭酸塩は、アーク安定性とアーク集中性を高める。その効果は0.05%未満では得られない。一方、0.25%を超えると、アークの集中性が強すぎてスパッタ発生量が多くなる。
【0029】
[N:0.015%以下]
Nは、窒化アルミ(AlN)を酸化皮膜上に形成し、異常酸化現象を生じて耐酸化性を損なう。したがって、0.015%以下にすべきであり、低いほど好ましい。
【0030】
[Nb:0.2%以上、Zr:0.3%以上でNb+Zr:1.0%以下]
前述のようにNbは、排ガス温度が900℃程度ではNの安定化および高温強度改善に有用であるが、900℃を超えた環境ではNb炭化物およびNb窒化物が不安定となり解離する。C,Nが解離されるとオーステナイト相が形成され、Cr濃度が低下するのでポーラスなFeに富む酸化物が形成されるようになり、耐酸化性が劣化する。
【0031】
一方、Zrの炭化物および窒化物は熱的に非常に安定であり、より高温での耐酸化性が保証される。また、ZrはNbよりもCとNとの親和力が強いので、CとNはZrと優先的に炭化物および窒化物を形成する。したがって、排ガス温度が900℃を超える場合には、安定化元素としてNbをZrに置き換えることが好ましい。ZrによるCとNの安定化には、Zrが0.3%以上必要である。なお、この場合にも柱状晶成長の抑制効果を確保するために0.2%以上のNb含有が必要である。しかし、Nb+Zrが1.0%を超えると、割れ感受性を高めて耐溶接割れ性は劣化する。
以上が本発明のフェライト系ステンレス鋼用溶接用フラックス入りワイヤの必須要件であるが、本発明においては必要に応じてさらに、以下の条件を満たすのが好ましい。
【0032】
[b=Cr+2Mo+4Si+0.5(Nb+Zr):溶接する鋼のb値より0.2〜4高い]
Cr、Mo、Si、Nb、Zrは、高温強度を向上させる元素であるが、各元素の高温強度への効果はb=Cr+2Mo+4Si+0.5(Nb+Zr)を指標として整理できる。ところで、熱疲労特性の確保には溶接金属の強度が溶接するフェライト系ステンレス鋼母材の強度よりも高いことが必須である。溶接部の強度が溶接するフェライト系ステンレス鋼母材よりも低いと外部応力が負荷されると溶接金属が集中的に変形し破損しやすいからである。溶接金属の強度が溶接するフェライト系ステンレス鋼母材よりも高くするためには、上記の式における各成分をその成分の質量%としたとき、b値で溶接用ワイヤが溶接するフェライト系ステンレス鋼母材のb値よりも0.2以上高くすることが必要である。しかし、前記b値が溶接するフェライト系ステンレス鋼母材のb値よりも4を超えると、溶接熱影響部で破断しやすくなる。
【0033】
[希土類金属(Yを含む)の化合物を希土類金属換算値で0.02〜0.2%]前記Cr、Si、Alにより形成される酸化物は緻密であるが、脆くまた地金金属との密着性が良くない。希土類金属化合物の添加は、酸化物の機械的性質や耐クラック性の改善に効果があり、自動車排気系の加熱と冷却の繰り返し頻度が高い場合に特に耐酸化性の改善効果がある。ここで希土類金属にはLa、Ceなどのランタニド以外にYを含み、これらの1種以上からなるものである。希土類金属の化合物を希土類金属換算値で0.02%未満では効果がなく、0.2%を超えるとスパッタ発生量が多くなる。
【0034】
またさらに本発明のフラックス入りワイヤには、溶接金属の強度調整としてMoを1.5%以下、耐食性調整としてNiおよびCuをそれぞれ0.5%以下添加することも可能である。
また、高温割れを助長するPおよびSはできるだけ少ないのが好ましく、Pは0.025%以下、Sは0.015%以下でP+Sで0.030%以下であることが好ましい。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学成分の金属外皮を用いて、表2〜表4に示す化学成分のフラックス入りワイヤを試作した。ワイヤ径は1.2mmであり、またフラックス充填率は20〜24%とした。
【0036】
【表1】
Figure 0004318489
【0037】
【表2】
Figure 0004318489
【0038】
【表3】
Figure 0004318489
【0039】
【表4】
Figure 0004318489
【0040】
高温われ試験は、図3に示す自拘束形式の薄板材を対象としたHouldcroft魚骨形割れ試験に準じて耐梨型ビード形状割れ性を評価した。溶接に用いたフェライト系ステンレス鋼母材(板厚1.5mm)を表5に示す。図3において、試験片の寸法は長さ130mm、幅55mmで、スリット6は幅1.5mmで試験片幅方向の両端から中心に向かって延び、溶接のスタート点S側では38mmスリット6のない部分を残し、溶接終了点E側では6mmスリット6のない部分を残して、その間に7.5mm間隔でスリット6を設け、合計11個のスリットにおけるスリットのない部分の長さが漸減で狭くなっている。
【0041】
【表5】
Figure 0004318489
【0042】
割れ試験は表2〜表4のワイヤと表5のフェライト系ステンレス鋼母材とを各種組み合わせて行なった。フェライト系ステンレス鋼母材試験片の溶接のスタート点Sから溶接終了点Eまでバックシールドせずに裏波ビードを現出させて、梨型の溶接ビードを表6に示す溶接条件で作成し、割れ発生の有無を評価した。また、同時に溶接作業性の評価も行なった。
【0043】
【表6】
Figure 0004318489
【0044】
さらに、前記割れ試験で割れの発生がなかった試験板から1.5mm厚×10mm幅×40mm長の酸化試験片を採取して、大気中で900℃×200時間保持して試験前後の重量を測定して酸化増量を求め、溶接継手の耐酸化性を評価した。なお、酸化増量が少ないほど、耐酸化性が優れることを意味し、15g/m2 以下を良好とした。
【0045】
また、熱疲労試験は、割れ試験で梨型ビード形状割れが生じなかった試験例のみ表5と同じ材質の外径38mm、肉厚1.5mmのフェライト系ステンレス鋼管を用いて、表6に示す溶接条件でI型開先の周継手溶接を行ない、長さ150mmの試験片を作製した。試験は、溶接余盛りを削除して、試験片端部(鋼管端部)を固定して、図4に示す200℃と900℃の範囲の加熱/冷却熱サイクルを高周波加熱とエアーによる冷却によって印加して、その破断までの熱サイクルの繰返し数を測定して熱疲労特性を評価した。評価は、破断までの繰り返し数が500回以上を良好とした。それらの試験結果を表7、表8に示す。
【0046】
【表7】
Figure 0004318489
【0047】
【表8】
Figure 0004318489
【0048】
表7、表8中ワイヤ記号W1〜W12が本発明例、ワイヤ記号W13〜W28は比較例である。本発明例であるワイヤ記号W1〜W12は、フラックス入りワイヤの化学成分およびa値が適正であるので、溶接作業性が良好で梨型ビード形状割れがなく、耐酸化性に優れており、また、b値が組み合わせたフェライト系ステンレス鋼母材のb値との差が適正であるので、熱疲労特性に優れていた。さらに、ワイヤ記号W1およびW11は、希土類金属の化合物を希土類金属換算値で適量含んでいるので、耐酸化性が優れており極めて満足な結果であった。
【0049】
比較例中ワイヤ記号W13は、Nbが多く、ワイヤ記号W14は、Nbが少なく、ワイヤ記号W16は、Cが少なく、ワイヤ記号W19は、Siが多く、ワイヤ記号W24は、Alが少ないので、いずれも梨型ビード形状割れが生じた。
ワイヤ記号W15は、Cが多いので、酸化試験で酸化増量が多く耐酸化性が不良であった。
【0050】
ワイヤ記号W17は、アルカリ金属炭酸塩とアルカリ土類金属炭酸塩の合計量が多いので、スパッタの発生量が多くなった。また、Mnが多いので、酸化試験で酸化増量が多く耐酸化性が不良であった。
ワイヤ記号W18は、アルカリ金属炭酸塩とアルカリ土類金属炭酸塩の合計量が少ないので、アークが不安定であった。また、Mnが少ないので、梨型ビード形状割れが生じた。
【0051】
ワイヤ記号W20は、Siが少ないので、アークが不安定でビード形状が不良であった。また、酸化試験で酸化増量が多く耐酸化性も不良であった。
ワイヤ記号W21は、希土類金属のLa化合物のLa換算値が多いので、スパッタの発生量が多くなった。また、Crが多いので、梨型ビード形状割れが生じた。
【0052】
ワイヤ記号W22は、Crが少ないので、ワイヤ記号W25は、Nが多いので、ワイヤ記号W26は、a値が低いので、いずれも酸化試験で酸化増量が多く耐酸化性が不良であった。
ワイヤ記号23は、Tiが少ないので、アークが不安定であった。また梨型ビード形状割れも生じた。
【0053】
ワイヤ記号W27は、Alが多いので、スパッタ発生量が多くなった。またb値が組み合わせた溶接母材のb値より高すぎるので、熱疲労試験で熱影響部から破断して、熱サイクルの繰り返し回数が少なかった。
ワイヤ記号W28は、Tiが多いので、スパッタ発生量が多くなった。またb値が組み合わせた溶接母材のb値との差が低いので、熱疲労試験で溶接金属から破断して、熱サイクルの繰り返し回数が少なかった。
【0054】
(実施例2)
表1に示す化学成分の金属外皮を用いて、表9に示す化学成分のフラックス入りワイヤを試作した。ワイヤ径は1.2mmであり、またフラックス充填率は20〜24%とした。高温われ試験および作業性の調査は、実施例1と同様に行った。
【0055】
【表9】
Figure 0004318489
【0056】
酸化試験の試験片採取も実施例1と同様に実施したが、試験条件は、大気中で1000℃×200時間保持して試験前後の重量を測定して酸化増量を求め、15g/m2 以下を良好とした。また、熱疲労試験の試験片も実施例1と同様とし、加熱/冷却熱サイクルを図4に示す200℃と1000℃として破断までの繰り返し数を測定した。繰り返し数が500回以上を良好として評価した。それらの結果を表10に示す。
【0057】
【表10】
Figure 0004318489
【0058】
表10中ワイヤ記号W29〜W32が本発明例、ワイヤ記号W33〜W35は比較例である。本発明例であるワイヤ記号W29〜W32は、フラックス入りワイヤの化学成分、a値およびb値が組み合わせたフェライト系ステンレス鋼母材のb値との差が適正であるので、溶接作業性が良好で梨型ビード形状割れがなく、Zrを適量含むので1000℃における耐酸化性および熱疲労特性にも優れており、極めて満足な結果であった。
【0059】
比較例中ワイヤ記号W33は、Nbが少ないので、ワイヤ記号W35は、Nb+Zrが多いので、どちらも梨型ビード形状割れが生じた。
ワイヤ記号W34は、Zrが少ないので、1000℃での酸化試験で酸化増量が多く耐酸化性が不良であった。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤによれば、Siを含有する高純度フェライト系ステンレス鋼の溶接において、溶接作業性が良好で、溶接金属の高温割れがなく、かつ耐高温酸化性および熱疲労特性に優れた溶接継手が得られるので、産業の発展に貢献すること極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤを使用したときの溶接部のミクロ組織の例
【図2】従来の一般的なワイヤを使用したときの溶接部のミクロ組織の例
【図3】本発明の実施例に用いた高温溶接割れ試験の試験片形状を示す図
【図4】本発明の実施例に用いた熱疲労試験の加熱/冷却サイクルを示すグラフ
【符号の説明】
1 母材
2 母材壁面
3 柱状晶
4 柱状晶会合部
5 等軸晶
6 スリット
S 溶接のスタート点
E 溶接終了点

Claims (4)

  1. 金属外皮内にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、金属外皮およびフラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、Nb:0.5〜1.0%、C:0.01〜0.05%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.10〜0.45%、Cr:13〜20%、Al:0.2〜0.8%、ただし、a=Cr+2Si+0.8Al(各成分は質量%)で14以上、Ti:0.1〜0.8%、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩の1種または2種以上:0.05〜0.25%を含有し、Mo:0〜1.5%、Ni:0〜0.5%、Cu:0〜0.5%、N:0.015%以下で、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 金属外皮内にフラックスを充填してなるフラックス入りワイヤにおいて、金属外皮およびフラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、Nb:0.2%以上、Zr:0.3%以上、ただし、Nb+Zr:1.0%以下、C:0.01〜0.05%、Mn:0.2〜1.0%、Si:0.10〜0.45%、Cr:13〜20%、Al:0.2〜0.8%、ただし、a=Cr+2Si+0.8Al(各成分は質量%)で14以上、Ti:0.1〜0.8%、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩の1種または2種以上:0.05〜0.25%を含有し、Mo:0〜1.5%、Ni:0〜0.5%、Cu:0〜0.5%、N:0.015%以下で、残部はFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. フラックス入りワイヤのb=Cr+2Mo+4Si+0.5(Nb+Zr)(各成分は質量%)で表される値が、溶接するフェライト系ステンレス鋼母材の前記bで表される値より、0.2〜4高いことを特徴とする請求項1または2記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
  4. フラックス中にワイヤ全質量に対して質量%で、希土類金属(Yを含む)の化合物を希土類金属換算値で0.02〜0.2%含有することを特徴とする請求項1ないし3記載のフェライト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ。
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