JPS648692B2 - - Google Patents
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- JPS648692B2 JPS648692B2 JP1485584A JP1485584A JPS648692B2 JP S648692 B2 JPS648692 B2 JP S648692B2 JP 1485584 A JP1485584 A JP 1485584A JP 1485584 A JP1485584 A JP 1485584A JP S648692 B2 JPS648692 B2 JP S648692B2
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- Arc Welding In General (AREA)
Description
この発明は、溶接性のすぐれたFe―Ni合金に
関し、とくに、高Ni―Fe合金の熱膨脹係数の特
性を損なわずに溶接性を改善するものである。 一般に、30〜45%Niと残部Feその他不純物よ
りなる合金(アンバー合金))は、極低温から常
温(約−200℃〜100℃)までの広い温度範囲にお
ける熱膨脹係数が低いという特徴を有するため、
この特徴を利用して古くから時計の振り子、バイ
メタルの低熱膨脹側部材、精密測長器等に用いら
れてきたが、近年、低熱膨脹係数の特徴に加えて
極低温(−200℃)においてすぐれた靭性を有す
るところから、極低温用容器、たとえばLNG輸
送用タンカーや貯蔵用タンクの内張材料等として
広く使用されている。 このLNGタンカーやタンクの内張材料用のア
ンバー合金(36Ni)は、通常板厚が0.5〜1.5mmの
薄板を用いて、二重構造をもつたメンブレン方式
としているが、このような複雑な構造を採用する
理由の一つは、アンバー合金の溶接性に問題があ
るからである。すなわち、アンバー合金は、オー
ステナイト単相であるため、溶接金属粒界に低融
点の化合物が濃縮し、ミクロ割れが発生したり、
あるいは補修溶接のように多重熱サイクルを受け
ると熱影響部の近傍の粒界に沿つて微小割れが発
生する。このため、たとえば3mm以上の板厚のア
ンバー合金にTIG溶接を用いた場合は、必然的に
多層溶接となり、溶接時における拘束力が大きく
なるため、溶接割れが生ずることになる。 このようなアンバー合金の溶接割れの原因とし
て、たとえば1000℃以上の高温域で結晶粒界に濃
縮したC、Si、P、S等の元素が低融点化合物を
生成し、冷却過程における熱歪により割れに至る
ものがある。これの防止対策として、溶接施工現
場における管理を強化して溶接部を清浄に保ち、
溶接時にこれらの不純物元素が侵入するのを可能
な限り阻止するか、あるいは、溶接入熱を減らし
て結晶粒の粗大化を防止し、ひいては結晶粒界の
面積を大きくして不純物元素を分散させる等の処
置が採られているが、このような対策は現場施工
時に完全に実施することは困難である。 また、アンバー合金の溶接性を改善する技術と
して、従来から種々の提案がなされている。たと
えば30〜80Ni―Fe合金にV、Ti、Zr、Nbの1
種または2種以上の窒化物を含有させる技術(特
公昭46−26220号公報)、30〜50Ni―Fe合金に
Ti:0.3%以下、希土類元素:0.5%以下を含ませ
る技術(特公昭54−11775号公報)、Ni30〜40%
未満のアンバー合金にCa、Mgの少なくとも1種
を0.002〜0.003%含ませるか、あるいはCa、Mg
の少なくとも1種を0.002〜0.03%とTi、V、
Nb、Al、Ta、Zr、La、Ce、Yの少なくとも1
種を0.005〜0.10%含ませる技術(特公昭57−
15656号公報)、Niを34.5〜37.5%含有するアンバ
ー合金のCoを0.05%以下とし、SおよびAlがそ
れぞれ0.005%以下のときは1.2%以下のMnを含
有させ、Sが0.005%以下でAlが0.005%を超える
とき、あるいはSが0.005%を超えAlが0.005%以
下のときは0.5〜1.2%のMnを含有させる技術
(特公昭56−45989号公報)、特公昭56−45989号の
改良として、上記の各アンバー合金にそれぞれ
0.05〜0.25%のSiを含有させる技術(特開昭55−
152153号公報)、Ni:30〜45%のアンバー合金に
おいてO:0.0030%以下、清浄度0.05%以下であ
つて、PおよびSの含有量が下記式を満足する合
金(特公昭57−35260号公報)、 〔P〕+3〔S〕<9×10-3 ここに〔P〕、〔S〕はP、Sの含有量(%)、
さらに、30〜45Ni―Fe合金において、O:
0.0060%以下、清浄度:0.05%以下に調整し、
Ta:0.005〜0.500%、Hf:0.01〜0.100%、Mo:
0.10〜2.00%、W:0.10〜2.00%の少なくとも1
種を添加元素として含有させる技術等が知られて
いる。 しかしながら、この発明者らが、これらの各公
報に実施例として開示されている合金を試作し
て、後述するトランスバレストレイン試験により
高温割れ性を調査したところ、必ずしも顕著な効
果が得られるとは限らないことが判明した。 この発明者らは、アンバー合金の溶接割れの発
生を抑制する方法について、実験を重ねるととも
に種々の研究調査を行なつた結果、Niの含有量
が30〜45%のFe―Ni合金において、C、Si、
Mn、P、Sの含有量を可能な限り低減し、Bを
一定限度の範囲で添加することにより、溶接割れ
の発生がほぼ完全に防止できるとの結論に達し、
この発明をなすに至つたのである。 すなわち、高Ni―Fe合金にBを添加すること
は、Niと低融点の共晶を作り溶接性に重大な悪
影響を及ぼすとの考えが、従来の支配的な定説で
あつたが、この発明者らの実験結果によると、適
量のBを添加することにより、溶接時における粒
晶粒が微細化されて粒界面積が増加し、またBの
原子番号は5であつて原子半径はCよりも小さく
拡散が大きいため、結晶粒界に優先的に析出す
る。このためC、Si、P、S等の不純物元素が結
晶粒界に濃縮して低融点化合物を生成するのを防
止することができ、粒界割れの発生がなくなり、
溶接性が改善されることが確認された。 この発明は、上記の観点からなされたものであ
り、Ni:30〜45%、C:0.015%以下、Si:0.2%
以下、Mn:0.5%以下、P:0.015%以下、S:
0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物よりなる合金であつて、これにBを0.0005〜
0.015%に限定して添加することを特徴とし、こ
れによつて機械的性質、とくに低熱膨脹特性を損
なうことなく、溶接性が改善されるFe―Ni合金
を提供するものである。 この発明における成分組成の限定理由は、下記
に述べるとおりである。 Niは、Fe―Ni合金の熱膨脹係数を決定づける
主要元素であり、30%未満もしくは45%を超える
と熱膨脹係数が著しく大きくなりアンバー合金と
しての特性を失うので30〜45%に限定した。とく
に極低温と常温との間の温度変化を繰返して受け
る部位に使用する場合のように、さらに熱膨脹係
数を低くしたいときは、35〜37.5%に限定する必
要がある。 Cは、0.015%を超えて含有すると、溶接時に
炭化物を生成し、低温靭性を劣化させるので、
0.015%以下とした。 Siは、脱酸剤として添加する元素であるが、
0.2%を超えて含有すると溶接割れを起し易くな
るので、0.2%以下とした。 Mnは、脱酸剤として使用する元素であるが、
0.5%を超えて添加しても他の脱酸剤と併用する
関係から効果に変りはなく、また多量に添加する
と熱膨脹係数を大きくするので、0.5%以下とし
た。 Pは、結晶粒界に偏析しやすい元素であるが、
0.015%を超えて含有すると、結晶粒界への偏析
の程度が大きく、低融点化合物を生成し、溶接性
を阻害するので0.015%以下とした。また溶接時
の拘束力が強く、溶接応力が大きくなる部位に使
用する場合は、0.010%以下に限定する必要があ
る。 Sは、0.006%を超えて含有すると、結晶粒界
に析出して低融点化合物を生成し、溶接性を阻害
するので0.006%とした。 Bは、この発明のFe―Ni合金の特徴を与える
重要な元素であつて、0.0005%以上を添加するこ
とにより結晶粒の微細化、あるいは結晶粒界への
C、Si、P、S等の不純物元素の濃縮、低融点化
合物の生成を防止することができる。しかし、
0.015%を超えて含有させると、溶接割れを起し
易くなるので好ましくない。 次に、この発明の実施例について説明する。 この発明の組成をもつFe―Ni合金とこの発明
の組成に属しない比較合金との化学組成(重量
%)を第1表に示し、それぞれの合金の機械的性
質、シヤルピー衝撃値、バレストレイン試験全割
れ長さおよび−180℃〜室温の平均熱膨脹係数を
第2表に示す。 各試料とも高周波誘導炉により大気溶解し、20
Kg鋼塊として疵取りした後、1150℃前後で鍜造し
て幅100mm、厚さ12mmの厚板とし、さらに850℃×
10分の熱処理を施し、表面の酸化スケールを機械
的に除去した。 原料としては、Niは電解Ni、Cは黒鉛、Siは
フエロシリコン、Mnは電解Mn、Pはフエロ燐
(P含有量25%)、Sはフエロ硫黄(S含有量35
%)、Bはフエロボロン(B含有量20%)をそれ
ぞれ使用した。 溶接割れは、トランスバレストレイン試験の結
果によつて評価した。溶接条件は次の通りであ
る。 溶接法:TIG溶接 電 流:95A 速 度:150mm/min アーク長:2.0mm 電極径:2.4mm Th―W Arシールガス量:15l/min 負荷歪:トーチが溶接開始点から45mmの位置に来
たとき、アークを切ると同時に瞬間的に1.0%
の歪を与える。 割れ長さ:30倍のスケール付顕微鏡で割れの有無
を観察してその全割れ長さを測定する。 第2表に記載した割れ長さとB含有量との関係
を図示すると第1図のようになる。第1図におい
て白丸印は本発明合金、黒丸印は比較合金であ
る。 第2表の数値および第1図から明らかなよう
に、本発明合金の割れ長さは0〜0.56mmであるの
に対し、Bを0.0153%含有する比較合金の割れ長
さは0.89mmであり、Bの含有量が0.0001%未満の
比較合金では1.42〜3.27mmの割れ長さが生ずるこ
とがわかる。 また、本発明合金の機械的性質およびシヤルピ
ー衝撃値については、第2表に示すように比較合
金と同等であることが認められた。 さらに、本発明合金の熱膨脹係数についても、
第2表に記載した数値から明らかなように、比較
合金に対して差異がないことがわかる。第2図
は、各試料のMn+Ni含有量と熱膨脹係数との関
係を図示したグラフであり、同図において白丸印
は本発明合金、黒丸印は比較合金である。
関し、とくに、高Ni―Fe合金の熱膨脹係数の特
性を損なわずに溶接性を改善するものである。 一般に、30〜45%Niと残部Feその他不純物よ
りなる合金(アンバー合金))は、極低温から常
温(約−200℃〜100℃)までの広い温度範囲にお
ける熱膨脹係数が低いという特徴を有するため、
この特徴を利用して古くから時計の振り子、バイ
メタルの低熱膨脹側部材、精密測長器等に用いら
れてきたが、近年、低熱膨脹係数の特徴に加えて
極低温(−200℃)においてすぐれた靭性を有す
るところから、極低温用容器、たとえばLNG輸
送用タンカーや貯蔵用タンクの内張材料等として
広く使用されている。 このLNGタンカーやタンクの内張材料用のア
ンバー合金(36Ni)は、通常板厚が0.5〜1.5mmの
薄板を用いて、二重構造をもつたメンブレン方式
としているが、このような複雑な構造を採用する
理由の一つは、アンバー合金の溶接性に問題があ
るからである。すなわち、アンバー合金は、オー
ステナイト単相であるため、溶接金属粒界に低融
点の化合物が濃縮し、ミクロ割れが発生したり、
あるいは補修溶接のように多重熱サイクルを受け
ると熱影響部の近傍の粒界に沿つて微小割れが発
生する。このため、たとえば3mm以上の板厚のア
ンバー合金にTIG溶接を用いた場合は、必然的に
多層溶接となり、溶接時における拘束力が大きく
なるため、溶接割れが生ずることになる。 このようなアンバー合金の溶接割れの原因とし
て、たとえば1000℃以上の高温域で結晶粒界に濃
縮したC、Si、P、S等の元素が低融点化合物を
生成し、冷却過程における熱歪により割れに至る
ものがある。これの防止対策として、溶接施工現
場における管理を強化して溶接部を清浄に保ち、
溶接時にこれらの不純物元素が侵入するのを可能
な限り阻止するか、あるいは、溶接入熱を減らし
て結晶粒の粗大化を防止し、ひいては結晶粒界の
面積を大きくして不純物元素を分散させる等の処
置が採られているが、このような対策は現場施工
時に完全に実施することは困難である。 また、アンバー合金の溶接性を改善する技術と
して、従来から種々の提案がなされている。たと
えば30〜80Ni―Fe合金にV、Ti、Zr、Nbの1
種または2種以上の窒化物を含有させる技術(特
公昭46−26220号公報)、30〜50Ni―Fe合金に
Ti:0.3%以下、希土類元素:0.5%以下を含ませ
る技術(特公昭54−11775号公報)、Ni30〜40%
未満のアンバー合金にCa、Mgの少なくとも1種
を0.002〜0.003%含ませるか、あるいはCa、Mg
の少なくとも1種を0.002〜0.03%とTi、V、
Nb、Al、Ta、Zr、La、Ce、Yの少なくとも1
種を0.005〜0.10%含ませる技術(特公昭57−
15656号公報)、Niを34.5〜37.5%含有するアンバ
ー合金のCoを0.05%以下とし、SおよびAlがそ
れぞれ0.005%以下のときは1.2%以下のMnを含
有させ、Sが0.005%以下でAlが0.005%を超える
とき、あるいはSが0.005%を超えAlが0.005%以
下のときは0.5〜1.2%のMnを含有させる技術
(特公昭56−45989号公報)、特公昭56−45989号の
改良として、上記の各アンバー合金にそれぞれ
0.05〜0.25%のSiを含有させる技術(特開昭55−
152153号公報)、Ni:30〜45%のアンバー合金に
おいてO:0.0030%以下、清浄度0.05%以下であ
つて、PおよびSの含有量が下記式を満足する合
金(特公昭57−35260号公報)、 〔P〕+3〔S〕<9×10-3 ここに〔P〕、〔S〕はP、Sの含有量(%)、
さらに、30〜45Ni―Fe合金において、O:
0.0060%以下、清浄度:0.05%以下に調整し、
Ta:0.005〜0.500%、Hf:0.01〜0.100%、Mo:
0.10〜2.00%、W:0.10〜2.00%の少なくとも1
種を添加元素として含有させる技術等が知られて
いる。 しかしながら、この発明者らが、これらの各公
報に実施例として開示されている合金を試作し
て、後述するトランスバレストレイン試験により
高温割れ性を調査したところ、必ずしも顕著な効
果が得られるとは限らないことが判明した。 この発明者らは、アンバー合金の溶接割れの発
生を抑制する方法について、実験を重ねるととも
に種々の研究調査を行なつた結果、Niの含有量
が30〜45%のFe―Ni合金において、C、Si、
Mn、P、Sの含有量を可能な限り低減し、Bを
一定限度の範囲で添加することにより、溶接割れ
の発生がほぼ完全に防止できるとの結論に達し、
この発明をなすに至つたのである。 すなわち、高Ni―Fe合金にBを添加すること
は、Niと低融点の共晶を作り溶接性に重大な悪
影響を及ぼすとの考えが、従来の支配的な定説で
あつたが、この発明者らの実験結果によると、適
量のBを添加することにより、溶接時における粒
晶粒が微細化されて粒界面積が増加し、またBの
原子番号は5であつて原子半径はCよりも小さく
拡散が大きいため、結晶粒界に優先的に析出す
る。このためC、Si、P、S等の不純物元素が結
晶粒界に濃縮して低融点化合物を生成するのを防
止することができ、粒界割れの発生がなくなり、
溶接性が改善されることが確認された。 この発明は、上記の観点からなされたものであ
り、Ni:30〜45%、C:0.015%以下、Si:0.2%
以下、Mn:0.5%以下、P:0.015%以下、S:
0.006%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物よりなる合金であつて、これにBを0.0005〜
0.015%に限定して添加することを特徴とし、こ
れによつて機械的性質、とくに低熱膨脹特性を損
なうことなく、溶接性が改善されるFe―Ni合金
を提供するものである。 この発明における成分組成の限定理由は、下記
に述べるとおりである。 Niは、Fe―Ni合金の熱膨脹係数を決定づける
主要元素であり、30%未満もしくは45%を超える
と熱膨脹係数が著しく大きくなりアンバー合金と
しての特性を失うので30〜45%に限定した。とく
に極低温と常温との間の温度変化を繰返して受け
る部位に使用する場合のように、さらに熱膨脹係
数を低くしたいときは、35〜37.5%に限定する必
要がある。 Cは、0.015%を超えて含有すると、溶接時に
炭化物を生成し、低温靭性を劣化させるので、
0.015%以下とした。 Siは、脱酸剤として添加する元素であるが、
0.2%を超えて含有すると溶接割れを起し易くな
るので、0.2%以下とした。 Mnは、脱酸剤として使用する元素であるが、
0.5%を超えて添加しても他の脱酸剤と併用する
関係から効果に変りはなく、また多量に添加する
と熱膨脹係数を大きくするので、0.5%以下とし
た。 Pは、結晶粒界に偏析しやすい元素であるが、
0.015%を超えて含有すると、結晶粒界への偏析
の程度が大きく、低融点化合物を生成し、溶接性
を阻害するので0.015%以下とした。また溶接時
の拘束力が強く、溶接応力が大きくなる部位に使
用する場合は、0.010%以下に限定する必要があ
る。 Sは、0.006%を超えて含有すると、結晶粒界
に析出して低融点化合物を生成し、溶接性を阻害
するので0.006%とした。 Bは、この発明のFe―Ni合金の特徴を与える
重要な元素であつて、0.0005%以上を添加するこ
とにより結晶粒の微細化、あるいは結晶粒界への
C、Si、P、S等の不純物元素の濃縮、低融点化
合物の生成を防止することができる。しかし、
0.015%を超えて含有させると、溶接割れを起し
易くなるので好ましくない。 次に、この発明の実施例について説明する。 この発明の組成をもつFe―Ni合金とこの発明
の組成に属しない比較合金との化学組成(重量
%)を第1表に示し、それぞれの合金の機械的性
質、シヤルピー衝撃値、バレストレイン試験全割
れ長さおよび−180℃〜室温の平均熱膨脹係数を
第2表に示す。 各試料とも高周波誘導炉により大気溶解し、20
Kg鋼塊として疵取りした後、1150℃前後で鍜造し
て幅100mm、厚さ12mmの厚板とし、さらに850℃×
10分の熱処理を施し、表面の酸化スケールを機械
的に除去した。 原料としては、Niは電解Ni、Cは黒鉛、Siは
フエロシリコン、Mnは電解Mn、Pはフエロ燐
(P含有量25%)、Sはフエロ硫黄(S含有量35
%)、Bはフエロボロン(B含有量20%)をそれ
ぞれ使用した。 溶接割れは、トランスバレストレイン試験の結
果によつて評価した。溶接条件は次の通りであ
る。 溶接法:TIG溶接 電 流:95A 速 度:150mm/min アーク長:2.0mm 電極径:2.4mm Th―W Arシールガス量:15l/min 負荷歪:トーチが溶接開始点から45mmの位置に来
たとき、アークを切ると同時に瞬間的に1.0%
の歪を与える。 割れ長さ:30倍のスケール付顕微鏡で割れの有無
を観察してその全割れ長さを測定する。 第2表に記載した割れ長さとB含有量との関係
を図示すると第1図のようになる。第1図におい
て白丸印は本発明合金、黒丸印は比較合金であ
る。 第2表の数値および第1図から明らかなよう
に、本発明合金の割れ長さは0〜0.56mmであるの
に対し、Bを0.0153%含有する比較合金の割れ長
さは0.89mmであり、Bの含有量が0.0001%未満の
比較合金では1.42〜3.27mmの割れ長さが生ずるこ
とがわかる。 また、本発明合金の機械的性質およびシヤルピ
ー衝撃値については、第2表に示すように比較合
金と同等であることが認められた。 さらに、本発明合金の熱膨脹係数についても、
第2表に記載した数値から明らかなように、比較
合金に対して差異がないことがわかる。第2図
は、各試料のMn+Ni含有量と熱膨脹係数との関
係を図示したグラフであり、同図において白丸印
は本発明合金、黒丸印は比較合金である。
【表】
【表】
【表】
【表】
以上、説明したように、この発明によれば、高
Ni―Fe合金の低熱膨脹特性を損なうことなく、
溶接性を改善することが可能となる。したがつ
て、この発明のFe―Ni合金は、薄板を用いるメ
ンブレン方式のLNGタンカーやタンクだけでな
く、厚板を用いた拘束力の強いタンカー、タンク
の構造部材として好適であり、さらにタンクへの
輸送用配管に用いられているオーステナイト系ス
テンレス鋼等の代替合金として利用することによ
り、その構造を簡略化することができる。
Ni―Fe合金の低熱膨脹特性を損なうことなく、
溶接性を改善することが可能となる。したがつ
て、この発明のFe―Ni合金は、薄板を用いるメ
ンブレン方式のLNGタンカーやタンクだけでな
く、厚板を用いた拘束力の強いタンカー、タンク
の構造部材として好適であり、さらにタンクへの
輸送用配管に用いられているオーステナイト系ス
テンレス鋼等の代替合金として利用することによ
り、その構造を簡略化することができる。
第1図は、本発明合金と比較合金とのB含有量
と全割れ長さとの関係を示す図表、第2図は、本
発明合金と比較合金とのMn+Ni含有量と熱膨脹
係数との関係を示す図表である。
と全割れ長さとの関係を示す図表、第2図は、本
発明合金と比較合金とのMn+Ni含有量と熱膨脹
係数との関係を示す図表である。
Claims (1)
- 1 重量でNi:30〜45%、C:0.015%以下、
Si:0.2%以下、Mn:0.5%以下、P:0.015%以
下、S:0.006%以下を含有し、残部Feおよび不
可避的不純物よりなる合金であつて、B:0.0005
〜0.015%を含有することを特徴とする溶接性の
すぐれたFe―Ni合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1485584A JPS60159151A (ja) | 1984-01-30 | 1984-01-30 | 溶接性のすぐれたFe−Νi合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1485584A JPS60159151A (ja) | 1984-01-30 | 1984-01-30 | 溶接性のすぐれたFe−Νi合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60159151A JPS60159151A (ja) | 1985-08-20 |
JPS648692B2 true JPS648692B2 (ja) | 1989-02-15 |
Family
ID=11872641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1485584A Granted JPS60159151A (ja) | 1984-01-30 | 1984-01-30 | 溶接性のすぐれたFe−Νi合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60159151A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0243345A (ja) * | 1988-08-04 | 1990-02-13 | Mitsubishi Metal Corp | 半導体装置用リードフレーム材 |
DE19944578C2 (de) * | 1999-09-17 | 2001-08-23 | Krupp Vdm Gmbh | Verwendung einer wärmeausdehnungsarmen Eisen-Nickel-Legierung mit besonderen mechanischsen Eigenschaften |
DE102006062782B4 (de) * | 2006-12-02 | 2010-07-22 | Thyssenkrupp Vdm Gmbh | Eisen-Nickel-Legierung mit hoher Duktilität und geringem Ausdehnungskoeffizienten |
-
1984
- 1984-01-30 JP JP1485584A patent/JPS60159151A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60159151A (ja) | 1985-08-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |