JP3237486B2 - 熱中性子吸収能力にすぐれたステンレス鋼 - Google Patents

熱中性子吸収能力にすぐれたステンレス鋼

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原子力関連の熱
中性子吸収用部材、核燃料輸送用容器、使用済核燃料保
管用容器あるいはラック等に使用される大きな熱中性子
吸収能力を有するステンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需給の関係から原子力発電へ
の依存度が高まり、それにともなって使用前後の核燃料
取り扱い量が増加してきた。この核分裂性物質を多く含
む使用前後の核燃料は、その輸送や保管あるいは貯蔵中
にその集積量が増してくると、配置状態あるいは周辺の
環境によっては熱中性子束の密度が高まり、臨界に達し
て連鎖的な核分裂を開始する危険性がある。ここに熱中
性子の吸収能力の大きい物質が存在すれば、熱中性子の
密度を大幅に低下させることができ、安全性が高まる。
このような核燃料の容器やさらには核燃料取り扱いの関
連構造材用として、熱中性子吸収能力が大きく安心して
使用できる金属材料に含Bステンレス鋼がある。
【0003】従来、原子炉の制御用や熱中性子の遮蔽用
に、熱中性子の吸収断面積が極めて大きいボロン(B)
を 1%以上含有させた、SUS304系のオーステナイト系ス
テンレス鋼が多用されてきた。熱中性子吸収能力は、単
純に熱中性子の吸収断面積が大きい元素の存在量に比例
して増加する。したがってB含有量は多ければ多いほど
その能力は大きくなるが、ステンレス鋼はB量の増加に
伴い熱間加工性が著しく低下してくる。容器として使用
する場合、素材にする板を製造しようとすれば、熱間圧
延時に割れを発生する。さらに冷間加工性も劣化し、溶
接割れを生じやすく、衝撃値も低下してくる。
【0004】ステンレス鋼へのBの添加は、多量に存在
するCrと(Cr,Fe)2 Bの形の硼化物を形成し、
この硼化物が脆く加工時の割れ発生の起点となるため、
熱間加工性や冷間加工性が劣化するとされている。その
上硼化物の融点は1200℃近傍なので、熱間加工でもこれ
以上の温度では割れが甚だしくなる。このような点か
ら、ステンレス鋼へのBの添加は 2%程度までが限界と
されている。この含Bオーステナイト系ステンレス鋼の
熱間加工性を改善する目的で、例えば特公昭57 -45464
号公報では、Al/Nを 2〜60の範囲に限定し、微細な
AlN析出物を制御することにより鋳造組織のオーステ
ナイト結晶粒の細粒化を図る発明が提示されている。し
かし、脆い硼化物が多量存在する以上、大きな改善効果
は期待できないと思われる。
【0005】また、容器などを対象にすれば、その密封
性を確実にするためには溶接が必須である。しかしなが
ら、 1.0%程度もBを含有させると、溶接時の割れ、と
くに溶融部分の凝固割れが甚だしくなり、容器製造が困
難になってくる。
【0006】このB含有量の増加による熱間加工性や靭
性、あるいは溶接性の劣化を避けるために、B以外の熱
中性子吸収断面積の大きい元素を添加することが考えら
れている。例えば、特開昭62-56557号公報では、Bに代
えて熱中性子吸収断面積の極めて大きいガドリニウム
(Gd)を 0.1〜 3.0%含有する鋼の発明を提示してお
り、さらに特開平5-255812号公報には、B含有量を 1.0
%までとし、それに加えてGdを 0.1〜 2.0%含有させ
る、オーステナイト系ステンレス鋼の発明が開示されて
いる。
【0007】天然に存在するGdは、熱中性子吸収断面
積の極めて大きい 157Gdを約16%含む同位体の混合物
で、その吸収断面積は 49000bもあり、熱中性子吸収断
面積の大きい10Bの量が約20%と残部が吸収断面積の小
さい11Bとからなる天然のBの 760bに比較して、同じ
重量では約 4.4倍の効果がある。ここで、Gdを含有さ
せた場合の、Bも同時に含有する鋼の熱中性子吸収の能
力をB当量で示し、その値をNc とすれば、 Nc ={( 1− 0.015×B%)×B%}+( 4.4×Gd%)・・・・ となる。この式では、Bを添加した場合のボライドの生
成による密度変化を配慮してある。B含有量の低減によ
り確かに硼化物を減少させることはできるが、一方にお
いてGdの添加は、含有量が少ない場合は問題がなくて
も、量が増すと加熱温度によっては熱間加工時の割れが
発生してくる。その上Gdは高価であり、その使用量多
くするのは好ましくない。
【0008】このように、含Bステンレス鋼において
は、熱中性子吸収能力を高めようとすれば、加工性や溶
接性の劣化が甚だしくなるという問題が付きまとってい
る。とくに熱中性子吸収能力が高く、種々の用途に加工
して使用できる含Bステンレス鋼としては十分なものが
得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、核燃
料の容器用あるいは燃料取り扱い関連の構造用として、
熱中性子の吸収能力がとくに大きく、十分な耐食性を有
し、熱間加工性や溶接性がすぐれたオーステナイト系ス
テンレス鋼の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述のように熱中性子吸
収能力を低下させずに、含Bステンレス鋼の熱間加工性
や溶接性を確保するには、BをGdに置き換えればよい
と考えられる。しかしながら、Gd添加の鋼の諸性質に
およぼす影響を調査したところ、Niを多く含むオース
テナイト系ステンレス鋼は、添加量と鋳造後の鍛造時の
加熱温度によっては甚だしい割れが発生した。この場
合、高温加熱ほど割れがでやすくなり、添加量が多くな
ると加熱温度を下げても割れが発生するようになる。原
因を調べた結果、凝固のデンドライト組織のデンドライ
トアーム間にNiとGdが濃化した低融点共晶部があ
り、これが加熱時に溶融して加工による割れを生じるた
めと推定された。このように、Gdは熱間加工性を劣化
させる点で少ない方が好ましく、加えて安価なBに比較
して極めて高価なので、その添加量はできるだけ少なく
したい。
【0011】本発明者はステンレス鋼の熱中性子吸収能
力が、従来限界といわれている 2%のB含有量相当を超
えるもの、すなわち式で示されるNc の値が 2を超え
るものを得ることを向上目標として検討をおこなった。
熱中性子吸収能力を高める方法にBとGdの添加しかな
いとすれば、その能力を向上させるにはBを可能な限り
多く含有させ、その上で、さらにGdを添加していく方
法が実際的であると考えられた。そこでまず、圧延して
板にした後溶接して製造する容器を主な用途の対象と
し、それに相応する熱間加工性、溶接性およびステンレ
ス鋼としての耐食性を有していることを条件に、B含有
量の影響を調査した。その結果、溶接時の割れの発生は
B量増加と共に増し、 0.3%程度までが限界であること
がわかった。
【0012】加工性や耐食性の劣化よりも溶接性によ
り、B含有の限界が決められてしまうのである。より高
い熱中性子吸収能力を得ようとすれば、これに高価なG
dを使用せざるを得なくなる。
【0013】ところが、B含有量の影響をさらに拡大し
て調査を進めた結果、極低C化、Alの添加、NiとC
r量の関係など組成条件によっては、逆にBを約 1%を
超えて含有させる方が、溶接の割れが抑制されてくるこ
とが明らかになってきた。そこで、当初の目標であるN
c ≧ 2を満足し、かつ加工性、溶接性、耐食性等が実用
上十分であることを前提に、各合金組成の限界を調査
し、本発明に至ったのである。本発明の要旨は次のとお
りである。
【0014】重量割合にて、C:0.02%以下、Si:
0.5%以下、Mn: 0.1〜 0.9%、P:0.03%以下、
S:0.01%以下、Ni: 7〜22%、Cr:18〜26%、
B: 0.9〜1.8%、Gd:0.05〜1.50%、Al: 0.005
〜0.10%、N: 0.030%以下、Y:0.30%以下、Mo:
3.0%以下で、BとGdの含有量は、 {( 1− 0.015×B%)×B%}+( 4.4×Gd%)≧ 2・・・・・・ を満足し、かつ下記の式で示されるFeeqが−11〜−
5の範囲に入り、残部は不可避的不純物およびFeから
なる熱中性子吸収能力を有するステンレス鋼。
【0015】 Feeq=Nieq− 1.4Creq+11.6 ・・・・・・・・・・・・・・・ ただし Nieq=Ni%+ 0.5Mn%+30(C%+N%)− 3B% ・・・ Creq=Cr%+ 1.5Si%+Mo% ・・・・・・・・・・・・
【0016】
【発明の実施の形態】各成分の含有範囲を限定した理由
は次のとおりである。
【0017】(1) C Cはオーステナイト形成元素であり、オーステナイト鋼
の安定性や強度確保に重要であるが、本発明の鋼におい
ては、含有量が増すと溶接部の耐食性の低下や加工性を
悪くする傾向があるので少ないほどよい。顕著な影響を
およぼさない範囲として、0.02%以下とする。特に熱間
加工性が問題になる場合は0.01%以下とするのが望まし
い。
【0018】(2) Si 脱酸を目的に添加する元素であるが、本発明の鋼に要求
される諸性質にはとくには関係なく、無くてもよい。含
有する場合は、Gdとの低融点共晶の形成を助成し熱間
加工性を劣化させるため上限は0.5 %とする。
【0019】(3) Mn Mnはオーステナイトの安定化元素であり、不純物のS
の害を抑制するので、ある程度の含有が望ましいが、多
く含有すると耐食性が劣化してくるため、その含有量を
0.1〜 0.9%の範囲に限定する。
【0020】(4) NiおよびCr オーステナイト系ステンレス鋼としての金属組織および
耐食性を維持するために含有させる元素であり、通常の
含有範囲としてNiは 7〜22%、Crは18〜26%とす
る。
【0021】ただし、本発明のB含有量の場合、下記
式で示されるFeqが、−11〜− 5の範囲にある必要があ
る。
【0022】 Feeq=Nieq−1.4 Creq+11.6 ・・・・・・・・・・・・・・・ ここで Nieq=Ni%+0.5 Mn%+30(C%+N%)− 3B% ・・・ Creq=Cr%+1.5 Si%+Mo% ・・・・・・・・・・・・ である。Feqが− 5より大きくなると、本発明範囲のB
含有量では溶接割れを生じるようになり、−11を下回る
とオーステナイトが不安定になって、フェライト相が出
るようになる。さらにこの範囲にFeqを規制すれば、G
d添加による熱間加工性の劣化が抑制される。
【0023】(5) B Bは熱中性子吸収断面積が大きく、本発明の鋼において
は必須の添加元素であり、その効果は含有量に比例す
る。天然のBの熱中性子吸収断面積の大きさは、そのな
かに約20%存在している同位体の10Bによっているが、
この10Bを濃化したBを利用できれば、同じB含有量で
も鋼のNc 値をさらに向上させることができる。鋼のB
含有量は 0.9〜 1.8%に規制するが、これは、 0.9%を
下回ると溶接割れを生じやすくなるためであり、 1.8%
を超えると熱間加工性の劣化が著しくなるためである。
【0024】溶接割れは 0.9%を下回ると生じやすいの
に対し、 0.9%以上では生じ難い理由は明らかではな
い。一つの推定としては、ステンレス鋼の融点が約1500
℃であるのにボライドの融点は約1200℃であり、少なけ
ればこれが割れの起点になるが、B含有量が増加してボ
ライドの量が増すと凝固が比較的均一になり、割れの起
点になる部分への応力集中が少なくなって、溶接割れが
抑制されるのではないかと思われる。
【0025】(6) Gd Bの含有量は溶接性劣化と加工性劣化のため上記のよう
に制限されるので、鋼の熱中性子吸収能力をさらに高め
る目的でGdを含有させる。BとGdを複合含有させた
場合のNc 値は式で示されるが、Gdも含有量が増す
と熱間加工性が悪くなるので、その限界は実用的には1.
5 %までである。
【0026】他方、Bを上限である 1.8%まで含有させ
る場合、Nc ≧ 2を目標とすれば、式または式より
Gd%≧ 0.057となる。そこでGdの含有範囲を0.05〜
1.5%に規制する。
【0027】(7) Al 加工性や溶接部耐食性からC量をできるだけ低くする
が、このため溶鋼の酸素が高めとなり、高価なGdの歩
留を悪くするばかりでなく、加工性にも悪影響をおよぼ
す。そこで、本発明鋼ではAlを脱酸剤として十分に添
加する。そのためには製品にて少なくとも 0.005%必要
である。ただし、過剰に含有させても効果が飽和するの
で、上限は0.10%とする。
【0028】(8) N オーステナイト系ステンレス鋼では、オーステナイトの
安定化に効果があるとしてNを添加する場合もある。し
かし本発明鋼においてはAlを含有させており、それと
結合して微細に析出するAlNは鋼の加工性を悪くする
ので、Nの含有量は少ないほどよい。不純物として製鋼
段階での混入はある程度避け難いが、その影響をできる
だけ少なくするため、上限は0.030 %とする。
【0029】(9) Y Yは添加しなくてもよいが、熱間加工性の向上に有効な
元素であり、必要により添加する。その効果を得るため
に望ましいのは、 0.005%以上であるが、過剰に添加し
ても効果が飽和するので、多くても 0.30 %までとす
る。
【0030】(10) Mo Moは添加しなくてもよいが、耐孔食性や耐隙間腐食性
を改善するので、使用環境に応じて添加する。添加の効
果を発揮させるには0.01%以上含有させるのが望まし
い。一方 3.0%を超えて添加しても、効果が飽和するば
かりでなく、熱間加工性を阻害するようになるので、添
加する場合は含有量を 3.0以下とする。
【0031】(11) PおよびS これらはいずれも不純物として混入してくる元素であ
り、PはGdと化合して金属間化合物を、SはMnと結
合してMnSを形成し、熱間加工性や耐食性を阻害する
ので、その含有量は少なければ少ないほどよい。顕著な
影響をおよぼさない限界として、Pは0.03%以下、Sは
0.01%以下とする。
【0032】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼を真空溶解して、30
kgの鋼塊に鋳造した。鋳塊から平行部10mmφの高温延
性試験片を採取し、1050℃での高温延性引張試験を実施
した。歪速度は 1/sとし、絞り率から熱間加工性を評
価した。
【0033】
【表1】
【0034】これらの鋳塊は、さらに熱間鍛造および熱
間圧延を施して 4mm厚の板にした後、1050℃加熱後水冷
の固溶化熱処理をおこなった。溶接性については、これ
から幅 100mm、長さ 100mmの試験片を切出し、15V、 2
00A、速度 150mm/min のTIG溶接にて、図1に示す
歪み量 2%のバレストレイン試験をおこない、割れ長さ
により割れ感受性を評価した。耐食性は、孔食電位の測
定により評価した。これは固溶化熱処理後の鋼を 650
℃、 2hの鋭敏化処理をおこなって試験片を採取し、30
00ppm H3 BO4 + 500ppmCl- 、空気飽和の溶液で、
80℃にて電位掃引速度20 mV/min とし、電流密度が 1
00μA/cm2 になったときの電位を比較した。
【0035】各鋼の試験結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】これらの結果から明らかなように、化学組
成が本発明の定める範囲に入る鋼では熱間加工性、溶接
性および耐食性のいずれも優れた性能を示している。こ
れに対し、C量が高すぎる鋼 9やCrが所定範囲より低
い鋼16では、熱間加工性や溶接性が良好であるにもかか
わらず耐食性がよくない。鋼17はFeeqが低すぎ、オー
ステナイト化が不十分で、粒界への炭化物析出が生じた
ため耐食性が悪いのであろう。B量は本発明の範囲を下
回ると、鋼10に見られるように溶接性が悪くなる。しか
し、多すぎると鋼11のように溶接性はよくても、熱間加
工性が劣り、耐食性もよくない。Gdの添加は耐食性に
はあまり影響しないようであるが、本発明の定める範囲
を超えると、鋼13に示されるように熱間加工性も溶接性
も劣ってくることがわかる。また、Feeqが本発明の定
める範囲を外れると、熱間加工性が劣り、P、N、Si
なども多すぎると同様に熱間加工性がよくない。
【0038】
【発明の効果】本発明のステンレス鋼は、熱間加工性、
溶接性および耐食性にすぐれた、大きな熱中性子吸収能
力を有するものであって、原子力関連の核燃料輸送用容
器、使用済核燃料保管用容器あるいはラック等への適用
に最適のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接の高温割れ感受性試験(バレストレイン試
験)の方法を説明する図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量割合にて、C:0.02%以下、Si:
    0.5%以下、Mn: 0.1〜 0.9%、P:0.03%以下、
    S:0.01%以下、Ni: 7〜22%、Cr:18〜26%、
    B: 0.9〜1.8%、Gd:0.05〜1.50%、Al: 0.005
    〜 0.10 %、N:0.030 %以下、Y:0.30%以下、M
    o: 3.0%以下で、BとGdの含有量は、 {( 1− 0.015×B%)×B%}+( 4.4×Gd%)≧ 2・・・・・・ を満足し、かつ下記の式で示されるFeeqが−11〜−
    5の範囲に入り、残部は不可避的不純物およびFeから
    なる熱中性子吸収能力を有するステンレス鋼。 Feeq=Nieq− 1.4Creq+11.6 ・・・・・・・・・・・・・・・ ただし Nieq=Ni%+ 0.5Mn%+30(C%+N%)− 3B% ・・・ Creq=Cr%+ 1.5Si%+Mo% ・・・・・・・・・・・・
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