JP6580757B1 - フューエルレール用ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】直噴内燃機関(ガソリン直噴エンジンシステム)の燃料圧力の上昇化への対応、すなわち比較的薄肉に成形しても、高い燃料圧力に耐え得る高強度の直噴内燃機関用フューエルレールを提供する。【解決手段】インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなる、直噴内燃機関用フューエルレールであって、前記ステンレス鋼製パイプが、式I(Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)を満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼製であることを特徴とする、直噴内燃機関用フューエルレール。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの燃焼室内に高圧の燃料を供給するフューエルインジェクタ(燃料噴射装置)へ燃料を分配するためのフューエルレール、特に直噴内燃機関用フューエルレールに用いるステンレス鋼に関するものである。
従来のガソリン直噴システムの燃料圧力は30MPa以下であり、フューエルレールの耐圧強度は、材料板厚により確保されていた。このような燃料圧力の領域では、とくに高強度材を用いる必要はなく、一般的なオーステナイト系ステンレス鋼、例えばSUS304、またはそれら低炭素鋼などのシームレスパイプが使用されてきた。
しかしながら、近年の燃費改善要求や排出ガス規制強化などにより、特許文献1、2の様にガソリン直噴システムの燃料圧力は、さらに上昇する傾向にあり、現在では、30MPaを超える直噴システムが要求されるようになった。
このため、材料板厚を上げることによって耐圧強度を確保する方法も選択肢としてはあるが、板厚を上げることによるフューエルレールのコスト増、重量増および大型化などの課題が生じる。
そこで、上記のように材料板厚を上げて耐圧強度を確保する以外の方法として、材料自体を強度化する検討も進められてきた(例えば特許文献3)。
現在、各自動車メーカーから要求される高強度材の材料強度の目安としては、0.2%耐力が400MPa以上である。
高強度材の候補として二相ステンレス鋼のシームレスパイプの使用も種々検討されてきた(例えば特許文献4)。
ただし、二相ステンレス鋼は高強度材として優れ、選択鋼種も多いものの、製造コストが高く、また、熱処理時のオーステナイト/フェライト相比率の安定性に劣る問題がある。例えば、フューエルレールの製造には図1に示すようにインジェクタカップの取り付けを銅ろう付けで行うことが多く、銅ろう熱処理時に局部的な僅かな熱履歴の違いによって、オーステナイト/フェライト相比率が変化し、形状が安定しないなどの問題が生じる。
また、二相ステンレス鋼のシームレス管の製造コストを抑える目的で、板材を用いた溶接管や溶接引抜き管への変更も検討されたが、上記のように溶接部/母材間の局部的熱履歴の違いが、オーステナイト/フェライト相比率を変化させ、形状が安定しない問題が依然として残っている。
上記のように、フューエルレールの製造にはインジェクタカップの取り付けを銅ろう付けで行うことが一般的であるため、インジェクタカップとの接合強度を得るための銅ろうとのぬれ性が重要となり、上記のように材料自体の強度化に加え、銅ろうとのぬれ性向上が材料特性として必要になる。
さらに、銅ろう付け前のインジェクタカップの仮止め用として、電子ビーム溶接やYAGレーザー溶接などが使用される場合があり、これらの溶接では、冷却速度が大きいため、凝固割れが懸念される。
このため、材料強度が高く、銅ろうのぬれ性が良く、さらに溶接性、とくに凝固割れを低減させた材料特性が必要となる。
特開2007−16668号公報 特開2010−7651号公報 特開2016−133100号公報 特開2014−202209号公報
本発明は上記の課題を解決しようとするものである。すなわち、直噴内燃機関(ガソリン直噴エンジンシステム)の燃料圧力の上昇化への対応、すなわち比較的薄肉に成形しても、高い燃料圧力に耐え得る高強度の直噴内燃機関用フューエルレールを提供することを課題とする。
特に、素材と銅ろうとのぬれ性を向上させることにより、銅ろう付け性を向上させ、それにより、高い燃料圧力に耐え得る、インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに取り付けられてなるオーステナイト系ステンレス鋼製の直噴内燃機関用フューエルレールを提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、上記銅ろう付け性が向上した直噴内燃機関用フューエルレールにおいて、インジェクタカップの仮止めのための溶接時において、溶接凝固割れ感受性が低下し、それにより高い燃料圧力に耐え得るオーステナイト系ステンレス鋼製の直噴内燃機関用フューエルレールを提供することを課題とする。
本発明の他の目的は、上述の課題を解決し、さらに高強度化が達成されたオーステナイト系ステンレス鋼製直噴内燃機関用フューエルレールを提供することである。
本発明者らは、特に銅ろうとのぬれ性に優れるオーステナイト系ステンレス鋼を得るべく鋭意検討を行った。
その結果、従来のオーステナイト系ステンレス鋼において、下記式Iを満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼の銅ろう付け性が特に良好であることを見いだした。なお、下記式において「3.75(C%)」は「3.75」という係数にC質量%濃度(C%)を掛けたものを意味する。式II及び式IIIにおいても同様の表現を用いる。
式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし(C%)≦0.08)
式Iを満たすSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼の銅ろう付け性が特に良好であり、一方、式Iを満たさないSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼のろう付け性が劣っていた。顕微鏡で式Iを満たさないSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼の材料の表面を観察したところ、材料表面に析出物が多数見られた(図3)。これは、鋼中の酸化性の高いSiと炉内酸素によって材料表面にSiO2が析出したものである。このSiO2の表面析出が、ろうの融点(BCu−1B:1083℃)までの温度域で生じるため、材料と銅ろうとの界面で拡散障壁となり、ろうのぬれ性を阻害し、その結果ろう付け性が低下すると考えられる。一方、上記式Iを満たすSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼では、SiO2の表面析出がほとんど見られなかった(図4)。ろうのぬれ性を阻害するものがなく、ろう付け性が良好となったものと考えられる。
また、鋼中のC濃度が高いほど、Siの拡散速度が低下するため、SiO2の表面析出が阻害され、ろう付け性が改善されることが考えられる。
さらに、式II Creq/Nieq≧1.7(ただし、Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti%)、及び、Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%))、
(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
で表されるCr当量(Creq)及びNi当量(Nieq)の比率Creq/Nieqを有する場合には、溶接部の凝固割れ感受性を小さくすることができるため好ましい。
アーク溶接、TIG溶接など溶融金属の冷却速度が小さい溶接方法では、Creq/Nieqが小さくても比較的凝固割れは生じにくいが、YAGレーザー溶接、電子ビーム溶接などでは、冷却速度が大きいため凝固割れが発生しやすい。上記Cr当量(Creq)及びNi当量(Nieq)の比率Creq/Nieqが1.7以上である場合には、YAGレーザー溶接、電子ビーム溶接などの冷却速度が大きい方法によっても、溶接部の凝固割れ感受性を小さくすることができた。よって、溶接方法によらず、銅ろうとのぬれ性が向上し、かつ溶接時の凝固割れ感受性が低下したオーステナイト系ステンレス鋼を得ることができる。
さらに、下記式IIIで表される0.2%耐力が400MPa以上であるオーステナイト系ステンレス鋼は、さらに高強度化が図られるため好ましい。
式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(C%)+24.6(Si%)−1.7(Mn%)−3.8(Ni%)+4.1(Cr%)+17.3(Mo%)−7.7(Cu%)+931(N%)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
本発明は以下を提供する。
<1> インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなる、直噴内燃機関用フューエルレールであって、
前記ステンレス鋼製パイプが、
式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
を満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼製であることを特徴とする、直噴内燃機関用フューエルレール。
<2> 式II Creq/Nieq≧1.7(ただし、Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti%)、及び、Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%))、
(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
で表されるCr当量(Creq)及びNi当量(Nieq)の比率Creq/Nieqを有する、<1>記載の直噴内燃機関用フューエルレール。
<3> 式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(C%)+24.6(Si%)−1.7(Mn%)−3.8(Ni%)+4.1(Cr%)+17.3(Mo%)−7.7(Cu%)+931(N%)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
で表される、前記オーステナイト系ステンレス鋼の0.2%耐力が、400MPa以上であることを特徴とする、<1>または<2>記載の直噴内燃機関用フューエルレール。
<4> インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなる、直噴内燃機関用フューエルレールであって、
前記ステンレス鋼製パイプが、Cr、Ni、Si及びCを含み、さらに、Mo、Cu、N、Mn、及びNbをさらに含んでいてもよく、前記各原子の質量%濃度が以下の式I〜III:
式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)、
式II Creq/Nieq≧1.7(ただし、Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti%)、及び、Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%))、
式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(C%)+24.6(Si%)−1.7(Mn%)−3.8(Ni%)+4.1(Cr%)+17.3(Mo%)−7.7(Cu%)+931(N%)、
(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
を全て満たすことを特徴とする、直噴内燃機関用フューエルレール。
<5> Ni濃度(%)が7.0〜9.5%の範囲であり、Cr濃度(%)が18.00〜22.00%の範囲であり、C濃度(%)が0.08%以下であり、さらにSi濃度(%)が1.0%以下である、<1>〜<4>のいずれか一に記載の直噴内燃機関用フューエルレール。
<6> <1>〜<5>のいずれか一に記載の直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法であって、
前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けすることを特徴とする、上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
<7> 前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けする前に、溶接によりインジェクタカップを仮止めすることを特徴とする、<6>記載の上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
<8> 仮止めのための前記溶接が、アーク溶接、TIG溶接、YAGレーザー溶接、及び電子ビーム溶接からなる群より選択される溶接方法により行われる、<7>記載の上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
本発明により、高い燃料圧力に耐え得る高強度の直噴内燃機関用フューエルレールを提供できる。
また、本発明により、銅ろう付け性が向上し、それにより、高い燃料圧力に耐え得る、銅ろう付けによりインジェクタカップがステンレス鋼製パイプに取り付けられてなる直噴内燃機関用フューエルレールを提供することができる。
さらに、本発明により、上記銅ろう付け性が向上した直噴内燃機関用フューエルレールであって、さらに、インジェクタカップの仮止めのための溶接時において、溶接凝固割れ感受性が低下した直噴内燃機関用フューエルレールを提供することができる。
本発明は、さらに高強度化が達成された直噴内燃機関用フューエルレールを提供することができる。
本発明のフューエルレールの模式的断面図である。 Si濃度(%)とC濃度(%)と銅ろう付け性との関係を示す図である。 比較例のオーステナイト系ステンレス鋼(実験No.2)組織の走査型電子顕微鏡写真(SEM組成像10000倍)である。 実施例のオーステナイト系ステンレス鋼(実験No.9)組織の走査型電子顕微鏡写真(SEM組成像10000倍)である。 比較例のオーステナイト系ステンレス鋼(実験No.2)組織に析出したSiO2のEDXスペクトルである。
本発明の直噴内燃機関用フューエルレールは、インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなるものである(図1参照)。なお、図1は模式的な図であり、インジェクタカップ、ステンレス鋼製パイプのサイズや形状は、図1に限定されるものではなく、従来公知の様々なサイズや形状を採りえるものである。
本発明において「直噴内燃機関用フューエルレール」とは、ガソリン等の燃料を自動車エンジン等の内燃機関へ直接噴射する装置である。これらの形状には様々なものが知られており限定されるものではない。
本発明において、上記内燃機関の燃料圧力は特に限定されるものではないが、燃料圧力は30MPa以上であっても良く、さらに30MPaから80MPaであっても良い。30MPa以上の燃料圧力であっても、本発明のフューエルレールは銅ろう付による強度低下が見られないため、係る高圧での使用が可能である。
本発明において「銅ろう付け」は、公知の方法を用いることができるが、1080℃〜1150℃程度で行う銅ろう付けが好ましい。
本発明において、「インジェクタカップ」は、ステンレス鋼製パイプから燃料をインジェクタへ分配するための、インジェクタとの接続部品である。形状等は従来公知のものを使用することができ、特に限定されない。少なくともステンレス鋼製パイプへ銅ろう付けにより接合されている。
「ステンレス鋼製パイプ」は、インジェクタカップを通してインジェクタへ燃料を分配するための部品である。ステンレス鋼製パイプは従来公知のものを使用することができ、形状等は特に限定されない。
「オーステナイト系ステンレス鋼」は、オーステナイトを主要な組織として有するクロム・ニッケル系ステンレス鋼の一種である。本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、構成元素としてFeの他、少なくともCr及びNiを含み、さらに、Si及びCを含む。さらに、Mo、Cu、N、Mn、Ti、Nbを含んでいてもよい。さらに不純物としてS、P、Bが含まれていてもよいが合計濃度は出来うる限り低減することが好ましい。各元素の好ましい濃度については後述する。
前記ステンレス鋼製パイプは、
式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
を満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼製であることを特徴とする。
本発明者は、材料強度に及ぼすオーステナイト系ステンレス鋼の成分の影響を調査し、上述の式Iの関係を満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼製の銅ろう付け性が特に優れていることを見いだした。
材料強度に及ぼすオーステナイト系ステンレス鋼の成分の影響として、本発明者らはまず、銅ろうのぬれ性に及ぼすオーステナイト系ステンレス鋼の成分の影響を以下のように調査した。
厚さ1.6mmの各種ステンレス鋼を30mm×30mm、50mm×50mmに切断し、#600の耐水エメリー研磨紙を用いて全面を湿式研磨処理したものを供試材とした。
供試材50mm×50mmに、JISZ3262:1998で規定する銅ろう、BCu−1 Bを0.3g配設し、その上に30mm×30mmの供試材を重ねた。
ろう付けは、水素雰囲気、材料温度1100℃、雰囲気の露点−40℃に制御した水素炉を用いた。温度コントロールは、昇温3分、1100℃で1分保持、降温1分とした。評価は、ろう付けされた供試材の断面を、#1000の耐水エメリー研磨紙を用いて湿式研磨した後、金属顕微鏡(100倍観察)により観察し、すき間部にろうが完全に充填されていた場合は、ろう付け性良好(ぬれ良好)、すき間部に空隙が認められた場合には、ろう付け性不良(ぬれ不良:はじき)と評価した。
表1に各材料のSi%とC%の素データとろう付け性を示し、各データをプロットしたものを図2に示す。
表1
その結果、オーステナイト系ステンレス鋼の銅ろう付け性は、図2に示すように、SiとC濃度に依存し、鋼中のSi濃度(Si%)が高く、C濃度(C%)が低いほど、ろう付け性が劣ることが明らかとなった。すなわち、下記式Iを満たすSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼の銅ろう付け性が良好であることを見いだした。
式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
顕微鏡でこれらの材料の表面を観察したところ、上記式Iを満たさないSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼材料の表面には析出物が多数見られた(図3)。これは、鋼中の酸化性の高いSiと炉内酸素によって材料表面にSiO2が析出したものである。このSiO2の表面析出が、ろうの融点(BCu−1B:1083℃)までの温度域で生じるため、材料と銅ろうとの界面で拡散障壁となり、ろうのぬれ性を阻害し、その結果ろう付け性が低下すると考えられる。一方、上記式Iを満たすSi濃度とC濃度を有するオーステナイト系ステンレス鋼では、SiO2の表面析出がほとんど見られず(図4)、ろう付け性が良好となったものと考えられる。
また、鋼中のC濃度が高いほど、Siの拡散速度が低下することになるから、SiO2の表面析出が阻害され、それによってもろう付け性が改善されたものと推定している。
なお、炉内の露点をさらに低下させ、還元性を向上させることによって、材料表面へのSiO2の析出を防止できるが、材料表面に付着している水分(結合水、吸着水)、付着有機物などを考慮すると、工業用ろう付け炉を想定した実験では、雰囲気の露点は本実験の−40℃レベルが妥当と考える。
つぎに、本発明者らはオーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の凝固割れについても調査を行った。
オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の凝固割れに及ぼす成分と溶接方法についてはすでに報告があり、参考文献を以下に示す。
<参考文献>J.C.Lippold:Welding Journal,73−6(1994),p.129s
上記参考文献によれば、溶接部の凝固割れ感受性は、成分から得られるCr当量(Creq)、Ni当量(Nieq)の比率Creq/Nieqおよび溶接方法(溶融金属の冷却速度)との関係で整理される。
Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti)
Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%)
Creq/Nieqが大きく、かつ溶融金属の冷却速度が小さいほど、溶接部の凝固割れ感受性が小さくなると考えられる。
つまり、ある一定のCreq/Nieqを有する成分鋼種では、溶接部の凝固割れ感受性は、冷却速度に依存することになる。
アーク溶接、TIG溶接など溶融金属の冷却速度が小さい溶接方法では、Creq/Nieqが小さくても凝固割れは生じにくいが、YAGレーザー溶接、電子ビーム溶接などでは、冷却速度が大きいため、凝固割れが発生しやすくなる。
本発明者らは、溶接凝固割れに悪影響を及ぼす不純物元素(S、P、B)の合計濃度を0.03〜0.04%に抑えた上で、各成分濃度が異なるオーステナイト系ステンレス鋼について、溶接時の溶融金属の凝固割れ防止を種々検討した。その結果、Creq/Nieqが1.7以上であれば、YAGレーザー溶接、電子ビーム溶接など冷却速度が大きい条件でも、溶接凝固割れは生じないことが明らかになった。
よってCreq/Nieqが1.7以上であれば、冷却速度、すなわち溶接方法の違いによる影響を排除できる。
さらに、本発明の直噴内燃機関用フューエルレールのオーステナイト系ステンレス鋼の0.2%耐力は400MPa以上であることが好ましい。
オーステナイト系ステンレス鋼の「0.2%耐力」に及ぼす成分濃度の依存性については下記式IIIで表される。
式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(%C)+24.6(%Si)−1.7(%Mn)−3.8(%Ni)+4.1(%Cr)+17.3(%Mo)−7.7(%Cu)+931(%N)
(参考文献 大嶋貴之、羽原康裕、黒田光太郎:鉄と鋼、93(2007)、544)
式IIIはMn、Ni、およびCuの増加が耐力を低下させ、C、N、Cr、MoおよびSiの増加が耐力を増加させることを表わしている。とくに耐力には、Nの寄与が大きく、窒素含有のステンレス鋼で材料強化が図れることがわかる。
つぎに、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼が含有する各元素の単独濃度での限定理由について説明する。
C(炭素)濃度(%)について述べる。Cは、耐粒界腐食性(鋭敏化)、加工性を低下させるため、その含有量を低減させることが望ましい。ただし、C含有量を過度に低減させることは、精錬コストを悪化させるため、0.08%以下とする。さらに、0.06%以下であることが好ましい。JIS規格範囲内の低炭素鋼種であるSUS304L、SUS316Lと同等の0.03%以下とすることがより好ましく、0.02%以下とすることがよりさらに好ましい。
C濃度(%)の下限値は、好ましくは0.002%以上である。
Si濃度(%)の上昇は、上述したように、銅ろうとのぬれ性を劣化させるため、低減させることが望ましい。しかし、Si含有量を過度に低減させることは、精錬(脱酸)コストを悪化させるという問題もある。このため、図2に示すように、銅ろう付け性に及ぼすC濃度との関係(式I)と、上述のC濃度の範囲あるいは好ましい範囲から求めて、Si濃度(%)は1.00%以下であり、好ましくは0.60%以下、さらに好ましくは0.48%以下、よりさらに好ましくは0.45%以下である。
Si濃度(%)の下限値は、好ましくは0.05%以上である。
Ni含有量の増加は、式IIIに示すように、材料強度(0.2%耐力)の低下、およびNi当量(Nieq)の上昇によるCreq/Nieqの低下につながり、溶接凝固割れ感受性を上げる要因となる。そのため、Niの含有量を7.0〜9.5%の範囲が好ましく、7.0〜8.0%の範囲とすることがより好ましい。
Crはステンレス鋼の耐食性を確保する上で最も重要な元素である。また、式IIIに示すように材料強度およびCr当量(Creq)の上昇によるCreq/Nieqの上昇が、溶接凝固割れ感受性を下げる要因となる。このため、Crの含有量を18.00〜22.00%の範囲とすることが好ましく、19.00〜20.00%の範囲とすることがより好ましい。
Cuの含有量の増加は、式IIIに示すように、材料強度(0.2%耐力)を低下させ、またNi当量(Nieq)の上昇によるCreq/Nieqの低下につながり、溶接凝固割れ感受性を上げる要因となる。そのため0.4%以下であることが好ましく、0.2%以下とすることがより好ましく、0.01%以上とすることが好ましい。
Alは脱酸元素として重要であり、また非金属介在物の組成を制御し、組織を微細化する。しかし、過剰のAlは非金属介在物の粗大化を招き、表面キズ発生の起点になる恐れがある。さらにAlの過剰添加は、ステンレス鋼の表面にAl23などの酸化物が析出しやすくなり、その結果として、SiO2と同様に銅のろう付け性を低下させるため、できるだけ抑える必要があり、0.010%以下とすることが好ましく、0.001%以上であることが好ましい。
Mo含有量の増加は、不働態皮膜の補修作用により、耐食性の向上に効果がある。また、Cr当量(Creq)の上昇によるCreq/Nieqの上昇が、溶接凝固割れ感受性を下げる要因となる。ただし、過剰の添加は、加工性を低下させコストの上昇を招くため3.0%以下とすることが好ましく、0.02%以上とすることが好ましい。
Nb含有量の増加は、Cr当量(Creq)の上昇によるCreq/Nieqの上昇につながり、溶接凝固割れ感受性を低下させる。さらに、その添加によって、炭窒化物が生成し、ろう付け熱処理での冷却時で生じる鋭敏化に対しても効果があり、また高温強度を増加させる効果があるため、必要に応じて添加することができる。ただし、過剰な添加は、コスト上昇を招くため、0.15%以下とすることが好ましく、0.1%未満がより好ましく、0.005%以上含むことが好ましい。
Tiは、Nbと同様の効果を有するが、過剰な添加は、窒化物を形成し、表面キズ増加を招く。したがって、0.01%以下とすることが好ましい。
Bは、溶接凝固割れに悪影響を及ぼす元素となるため、可能な限り低減させる必要がある。そのため、B含有量は0.003%を上限とすることが好ましい。
N含有量の増加は、耐食性の向上に繋がり、さらに、式IIIに示したように、材料強度の向上が図れる。ただし過度に増加させることは、精錬コストを悪化させ、さらに、Ni当量(Nieq)の上昇によるCreq/Nieqの低下につながり、溶接凝固割れ感受性を上げる要因となる。
上記構成成分の規定濃度を鑑み、材料強度(0.2%耐力:400MPa以上)を必要特性とする観点から、N含有量を0.15〜0.30%が好ましく、0.18〜0.30%の範囲がさらに好ましい。
Mn含有量の増加は、式IIIに示すように材料強度(0.2%耐力)の低下につながり、またNi当量(Nieq)の上昇によるCreq/Nieqの低下が、溶接凝固割れ感受性を上げる要因となる。また、腐食の起点となる水溶性介在物であるMnSが生成しやすくなるため、2.0%以下とすることが好ましく、1.0%以下とすることがより好ましい。
P含有量の増加は、凝固割れが発生しやすくなるなど、溶接性を低下させるだけでなく、粒界腐食を生じやすくするため、可能な限り低く抑える必要がある。このためPの含有量を、0.045%以下とすることがより好ましい。
S含有量の増加は、上述したMnSを生成させ、さらに溶接凝固割れに悪影響を及ぼす元素のため、可能な限り低減させる必要がある。そのため、S含有量を0.03%以下とすることが好ましく、0.01%以下とすることがより好ましい。
本発明の直噴内燃機関用フューエルレールは、比較的薄肉でも、十分な材料強度を有している。例えば、0.5〜4.0mm程度の厚みあるいは1.0〜3.0mmとすることができる。
上述した直噴内燃機関用フューエルレールは、上述のオーステナイト系ステンレス鋼製のパイプ及びインジェクタカップを用意し、前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けすることにより製造してもよい。
本発明において銅ろう付けは公知の方法を用いることができるが、1080℃〜1150℃程度で行う銅ろう付けが好ましい。銅ろう付けは水素雰囲気下で行われることが好ましく、材料温度1090〜1120℃で行うことがより好ましい。さらにより好ましくは雰囲気の露点−40℃以下に制御した水素炉を用いることが好ましい。
前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けする工程の前に、溶接によりインジェクタカップを仮止めすることが位置精度の観点からより好ましい。溶接による仮止めは、従来公知の方法により行うことができるが、YAGレーザー、電子ビーム溶接により行うことが好ましい。
仮止めのための前記溶接は、いずれの溶接方法であってもよいが、アーク溶接、TIG溶接、YAGレーザー溶接及び電子ビーム溶接からなる群より選択される溶接方法により行われることが好ましい。冷却速度が速いYAGレーザー、電子ビーム溶接であっても、本発明のステンレス鋼を用いることにより、凝固割れが生じず好ましい。
次に、本発明を実施例で説明する。
表2に示す化学組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼を冷間圧延により1.6mm厚にし、これを各々再結晶挙動に基づき1050〜1150℃×1分の条件で焼鈍した。その後、硝ふっ酸水溶液中でスケールが完全に除去されるまで浸漬処理し、水洗、乾燥後に、以下の3つの試験に用いた。
(引張試験)
機械的特性値は、引張試験によって求めた。試験方法はJIS Z 2241に準じ、試験片は13B号試験片を用いて、引張速度 5mm/minで試験した。
(ろう付け試験)
厚さ1.6mmの各種ステンレス鋼を30mm×30mm、50mm×50mmに切断し、#600の耐水エメリー研磨紙を用いて全面を湿式研磨処理したものを供試材として、銅ろうを用いたろう付け試験に供した。
供試材50mm×50mmに、JISZ3262:1998で規定するろう、BCu−1 Bを0.3gを配設し、その上に30mm×30mmの供試材を重ねた。ろう付け接合は、水素雰囲気、材料温度1100℃、雰囲気の露点−40℃に制御した水素炉を用いた。温度コントロールは、昇温3分、1100℃で1分保持、降温1分とした。評価は、ろう付けされた供試材の断面を、#1000の耐水エメリー研磨紙を用いて湿式研磨した後、金属顕微鏡(100倍観察)観察により、すき間部にろうが完全に充填されていた場合はろう付け性良好(ぬれ性良好:○)、すき間部に空隙が残っていた場合はろう付け性不良(ぬれ性不良:×)とした。
(溶接凝固割れ試験)
厚さ1.6mmの各種ステンレス鋼を30mm×30mmに切断し、#600の耐水エメリー研磨紙を用いて全面を湿式研磨処理したものを供試材として、溶接凝固割れ試験に供した。
溶接条件は、YAGレーザー装置(最大パワーPM=4kW、焦点距離f=65.5mm)を用いて、レーザーパワー:3kW、焦点はずし距離:0mm、溶接速度20mm/s、及びガス流量:5×10-43/sとした。
シールドガスは高純度N2を用いた。溶接後、溶接ビード断面を研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、凝固割れの有無を観察した。
これらの試験結果を表2に併記した。
表2 (質量%)
表2(続き)
表2から明らかなように、No.1〜No.3は、銅ろう付け性が劣る。これは、図2に示すようにSi/C比率が高いことによるものと考えられる。
No.4〜No.7では、Si/C比率が低いことから銅ろう付け性が改善された。
しかし、これらのステンレス鋼では0.2%耐力が十分ではないためさらに組成の改良を試みた。
すなわち、No.8は窒素含有量を0.225(%)に上昇させ、0.2%耐力を400MPa以上まで上昇することができたが、Si/Cが高くなり、銅ろう付け性が不良になってしまった。さらにCreq/Nieqが1.58と小さく、溶接凝固割れも生じてしまった。
No.9は、窒素含有量を0.250(%)に上昇させ、0.2%耐力を400MPa以上まで上昇することができた。さらに、Si/Cが低く、銅ろう付けが良好であり、またCreq/Nieqが1.74と高く、溶接凝固割れが生じなかった。
以上より、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、ガソリン直噴システムの燃料圧力の上昇化への対応、すなわち比較的薄肉に成形しても、高い燃料圧力に耐え得る高強度素材であって、さらに、鋼中成分を制御することによって、銅ろうとのぬれ性と溶接凝固割れ感受性を改善したフューエルレール用素材として優れていることを確認できた。

Claims (7)

  1. インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなる、直噴内燃機関用フューエルレールであって、
    前記ステンレス鋼製パイプが、
    式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
    を満たすSi濃度(Si%)とC濃度(C%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼製であり、
    式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(C%)+24.6(Si%)−1.7(Mn%)−3.8(Ni%)+4.1(Cr%)+17.3(Mo%)−7.7(Cu%)+931(N%)(式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
    で表される、前記オーステナイト系ステンレス鋼の0.2%耐力が、400MPa以上であることを特徴とする、直噴内燃機関用フューエルレール。
  2. 式II Creq/Nieq≧1.7(ただし、Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti%)、及び、Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%))、
    (式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
    で表されるCr当量(Creq)及びNi当量(Nieq)の比率Creq/Nieqを有する、請求項1記載の直噴内燃機関用フューエルレール。
  3. インジェクタカップがステンレス鋼製パイプに銅ろう付けされてなる、直噴内燃機関用フューエルレールであって、
    前記ステンレス鋼製パイプが、Cr、Ni、Si及びCを含み、さらに、Mo、Cu、N、Mn、及びNbをさらに含んでいてもよく、前記各原子濃度が以下の式I〜IIIの条件
    式I (Si%)≦3.75(C%)+0.37(ただし、(C%)≦0.08)、
    式II Creq/Nieq≧1.7(ただし、Cr当量(Creq)=(Cr%)+1.37(Mo%)+1.5(Si%)+2(Nb%)+3(Ti%)、及び、Ni当量(Nieq)=(Ni%)+0.31(Mn%)+22(C%)+14.2(N%)+(Cu%))、
    式III 0.2%耐力(MPa)=133+481(C%)+24.6(Si%)−1.7(Mn%)−3.8(Ni%)+4.1(Cr%)+17.3(Mo%)−7.7(Cu%)+931(N%)が400MPa以上である
    (式中、原子記号と%の組み合わせは、鋼中の各原子の質量%濃度を意味する)
    を全て満たすことを特徴とする、直噴内燃機関用フューエルレール。
  4. Ni濃度(%)が7.0〜9.5%の範囲、Cr濃度(%)が18.00〜22.00%の範囲、C濃度(%)が0.08%以下、Si濃度(%)が1.0%以下、である、請求項1〜のいずれか一項に記載の直噴内燃機関用フューエルレール。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法であって、
    前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けすることを特徴とする、上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
  6. 前記インジェクタカップを前記ステンレス鋼製パイプに銅ろう付けする前に、溶接によりインジェクタカップを仮止めすることを特徴とする、請求項記載の上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
  7. 仮止めのための前記溶接が、アーク溶接、TIG溶接、YAGレーザー溶接、及び電子ビーム溶接からなる群より選択される溶接方法により行われる、請求項記載の上記直噴内燃機関用フューエルレールの製造方法。
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