JP4317981B2 - 金属蒸着層転写シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミックコンデンサの製造工程で、内部電極層の形成方法に使用する金属蒸着層転写シートに関する。特に、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタで熱転写することが可能な金属蒸着層転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層セラミックコンデンサは、次のようなステップを経て製造されている。まず、ドクターブレード等によりシート状に成形されたセラミックグリーンシートが準備され、その上に、内部電極層となる金属、たとえばパラジウム、銀/パラジウム、ニッケルなどを含むペーストが、所定のパターンをもってスクリーン印刷される。なお、通常、セラミックグリーンシートは、後で切断されて複数個の積層セラミックコンデンサを得ることが意図されており、したがって、内部電極層となるペーストは、セラミックグリーンシート上において、複数個の箇所に分布して形成される。次に、上述のように金属ペーストを形成したセラミックグリーンシートが積重ねられ、プレスすることにより圧着された後、個々の積層セラミックコンデンサのためのチップを得るように切断される。そして、上述のチップは焼成される。その後、チップの表面の所定の領域に、外部電極となる金属ペーストが塗布され、これが焼成されることによって、積層セラミックコンデンサが完成される。
【0003】
ところで、積層セラミックコンデンサにおいて、小型化を図りながら大容量を得るための手法として、積層方向に対向しながら対をなす内部電極層間の距離を短くすることが行なわれている。そのためには、相対向する内部電極層間に存在するセラミック層の厚みを薄くすればよい。しかしながら、セラミック層の厚みを単純に薄くしていった場合、セラミック層の厚みに対する、内部電極層の厚みの占める割合が多くなってくる。たとえば、セラミック層の厚みを5μm程度に薄くできたとしても、内部電極層は、前述のように、スクリーン印刷により形成されるため、依然として、1〜2μm程度の厚みを維持したままである。そのため、まず、内部電極層となるべき所定のパターンの金属ペースト層を形成したセラミックグリーンシート状態にあるセラミック層を積層しかつ圧着するステップにおいて、困難を伴なう。なぜなら、内部電極層となるべき金属ペースト層は、セラミックグリーンシートの延びる方向に対して部分的にしか存在せず、積層状態での厚みが面方向において不均一となるためである。
【0004】
また、セラミックの焼成ステップにおいて、金属ペースト層の収縮によって、セラミック層の収縮がより大きく支配され、したがって、クラックの発生、焼成収縮率の不安定、などの影響が出る。また、金属ペースト層には、溶剤が含有されており、この溶剤によってセラミックグリーンシートが膨潤または溶解されるため、内部電極層間の短絡や耐電圧性の低下を招き、信頼性の点において、また品質の点において、問題を生じる。
【0005】
これらの問題に対して、基材上に、厚み1μm以下の金属蒸着層を形成した、金属蒸着層転写シートを用意して、セラミックグリーンシート上に、ホットスタンピングにより、所定の内部電極パターンを転写させる方法が提案されている。(特許文献1参照。)しかしながら、この方法では、積層セラミックコンデンサの品種の変更をしたい場合、金型を変更する工程が必要である。さらに、新しい品種については、金型を製作するコストがかかる問題があった。これに対して、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタで基材上の導体層を熱転写する方法が提供された。(特許文献2参照。)この導体層は、導電性粒子と熱溶融性バインダで構成されており、実際の厚みは、他の離型層等の厚みを加えると2μmを超えるものであった。このため、積層状態での厚みが面方向において不均一となる問題が再び顕在化するようになった。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−132758(第2頁)
【特許文献2】
特開平10−256706(第2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような問題に対して、本発明の課題は、積層セラミックコンデンサの製造工程において、サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタを使って、内部電極層を形成する場合において、導体を金属蒸着層とすることにより、内部電極層の薄膜を可能とし、生積層セラミックグリーンシート内での積層の段差を少なくできる金属蒸着層転写シートを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記の構成により達成される。
(1)基材上に少なくとも離型層、蒸着アンカー層、金属蒸着層、中間層、金属蒸着層、接着層を順次積層したものであり、中間層が熱可塑性樹脂を主材とするバインダと粒子を含有するものである金属蒸着層転写シート。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる基材は、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを用いることができるが、中でも厚み1〜6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを好適に用いることができる。サーマルヘッドが、接する背面側には、スティッキングを防止するためにシリコン系樹脂等による耐熱層を設けとよい。
【0010】
離型層は、熱転写時にサーマルヘッドの熱で溶融して、蒸着アンカー層を含めた上層を熱転写される働きを持つものである。離型層の成分は、ワックス類を主成分として、必要に応じて熱可塑性樹脂(エラストマーも含む。)を配合するものである。
【0011】
ワックス類としては、たとえば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、などの天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、酸化ワックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸モノグリセリド、オレイルアミドなどの1種もしくは2種以上が使用できる。
【0012】
前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、α−オレフィン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アイオノマー樹脂、ケトン樹脂などの1種または2種以上が使用できる。
【0013】
離型層は、前記ワックス類、必要に応じて前記樹脂を適宜の溶剤(水を含む)に溶解または分散したものを基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。またホットメルトコーティングによっても形成できる。離型層の塗布厚みは0.05〜0.5g/m2程度が適当である。前記範囲未満であると、離型効果が低下する。前記範囲を超えると、転写感度が劣るようになる。
【0014】
蒸着アンカー層は、金属蒸着を平坦に定着させる機能をもつものである。蒸着アンカー層の成分は、バインダとして熱可塑性樹脂を主成分とするものである。熱可塑性樹脂としては、前記離型層で挙げた熱可塑性樹脂から適宜選択して用いることができる。熱転写時の蒸着アンカー層のキレをよくするために、熱可塑性樹脂の他に無機粒子及び又は、有機粒子を含有させる。好ましい粒子の大きさは、バインダの層厚みより大きい粒子とするとよい。具体的には、バインダの層厚みより、粒子の平均粒径が大きい粒子を用いるとよい。この粒子は、蒸着アンカー層のキレをよくすると同時に、この層の上にくる金属蒸着層のキレをよくする機能を併せ持つものである。
【0015】
粒子が金属蒸着層のキレをよくする理由について、図でもって、説明する。図1は、基材の上に、離型層、蒸着アンカー層、金属蒸着層、中間層、金属蒸着層、接着層が順次積層された金属蒸着転写シートをあらわす。図1中で、蒸着アンカー層とその上に積層される金属蒸着層の構成の拡大図を図2であらわす。図2で、示したように真空蒸着法による蒸着では、その製法の特徴から図の水平方向の蒸着の厚みに対して、粒子の上に蒸着される垂直方向の面の蒸着の厚みは、小さいものとなる。従って、熱転写時には、この粒子を基点としてキレを起こしやすくなるのである。金属蒸着層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法や化学蒸着法により形成できるが、前記の理由から真空蒸着法を用いるとよい。
【0016】
この無機粒子としてはシリカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性白土、アルミナ、ニッケル、銅等を挙げることができ、有機粒子としては弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることができる。これらの粒子の中でも、ニッケル、銅等の導電体粒子を用いると金属蒸着層と粒子が接触して繋がり、機能材料となるので、好ましい。これらの無機・有機粒子は蒸着アンカー層中で、5〜30体積%の添加が好ましい。前記範囲未満では、粒子の効果があらわれにくい。前記範囲を超えると金属蒸着層の凸凹が多くなり、生セラミックコンデンサの積層工程や焼成工程で内部電極の切断が発生しやすくなり、内部電極としての機能が損なわれるようになる。
【0017】
蒸着アンカー層の厚みは、0.07〜0.3μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると、蒸着が平坦に形成できなくなる。前記範囲を超えると転写性が低下するので好ましくない。粒子の大きさは、平均粒径0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。前記範囲以下では、先に説明した粒子の機能を発現しにくくなる。前記範囲を超えると、バインダが粒子を保持することが難しくなる。また、金属蒸着層が凸凹になり内部電極としての機能の低下が生じる。
【0018】
従来の製造方法のホットプレスで熱転写する金属蒸着層転写シートの、金属蒸着層の厚みとしては、実際には、0.3μm程度のものが、用いられていた。(特許文献2参照。)サーマルヘッドを備えた熱転写プリンタでは、金属蒸着層の厚みが0.3μmにもなると、金属の結合力が勝り、熱転写時に金属蒸着層を破断して、熱転写することができなかった。
【0019】
そこで本発明では、金属蒸着層を少なくとも2層として、蒸着層の厚みを蒸着層間に中間層を設けて、分割した薄層の構造としたので、蒸着層の合計の厚みが従来と同じであっても2つの蒸着層の層方向に対する垂直方向の破断強度は、低下させることができた。内部電極をして使用される金属蒸着層の厚みの設計値は、μm単位で設けられるが、通常は、1μm以下と非常に薄いものである。よって、層を分割して、多層にすることによる破断強度の低下は、著しく大きいものとなるが故に、熱転写プリンタで熱転写することが可能となった。
【0020】
本発明の金属蒸着層は、少なくとも2層であって、3層以上でもよい。蒸着層を3層以上と多くすることにより、前記の理由から熱転写しやすくなるが、コストアップとなるので、金属蒸着層の層の数は2〜3層が適している。金属蒸着層が3層以上の場合であっても、蒸着層間には、下記の説明の通り必ず中間層を設ける必要がある。
【0021】
本発明の構成中の複数の金属蒸着層の蒸着材料としては、ニッケル、銅、銀、パラジウムがある。各金属蒸着層の厚みは、0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。複数の蒸着層の層の厚みは同じであってもよいし、異なってもよい。複数の層の厚みの合計として、0.1〜1μmの範囲とすれば、内部電極としての機能を有する。また、複数の金属蒸着層の蒸着材料は、それぞれ同じであっても異なってもよい。異なった蒸着材料で構成すると、熱転写時にそれぞれの材料の熱膨張係数が異なるところから、層間で内部応力が発生して、蒸着層がキレ易くなる傾向にある。
【0022】
本発明の中間層は、複数の金属蒸着層間の間に設けられるものであり、下層側から数えて2番目の金属蒸着層を蒸着するための蒸着アンカー層の働きをもつと同時に、熱転写時の蒸着層のキレをしやすくする機能をもつものである。互いに接する蒸着層の間に中間層を設けないで、蒸着材料を変えて、蒸着層を2層以上としても、蒸着層は1種類の金属の層としての物性を示すようになり、前記で説明した破断強度は、高いものとなり熱転写プリンタでは、熱転写できないものとなる。
【0023】
中間層の成分は、バインダとして熱可塑性樹脂を主成分とするものである。熱可塑性樹脂としては、前記離型層で挙げた熱可塑性樹脂から適宜選択して用いることができる。熱転写時の中間層のキレをよくするために、熱可塑性樹脂の他に無機粒子及び又は、有機粒子を含有させる。好ましい粒子の大きさは、バインダの層厚みより大きい粒子とするとよい。具体的には、バインダの層厚みより、粒子の平均粒径が大きい粒子を用いるとよい。この粒子は、蒸着アンカー層のキレをよくすると同時に、この層の上にくる金属蒸着層のキレをよくする機能を併せ持つものである。この粒子が、上層の金属蒸着層のキレをよくする理由は、蒸着アンカー層の粒子の説明のところで述べた理由と同じ理由である。
【0024】
中間層で用いる粒子としては、蒸着アンカー層で挙げた粒子を用いることができる。中でも、銅、ニッケル等の導電体粒子を用いると金属蒸着層と粒子が接触して繋がり、機能材料となるので、好ましい。これらの無機・有機粒子は蒸着アンカー層中で、5〜30体積%の添加が好ましい。前記範囲未満では、粒子の効果があらわれにくい。前記範囲を超えると金属蒸着層の凸凹が多くなり、内部電極としての機能が損なわれるようになる。
中間層の厚みは、0.07〜0.3μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると、蒸着が平坦に形成できなくなる。前記範囲を超えると転写性が低下するので好ましくない。粒子の大きさは、平均粒径0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。前記範囲以下では、粒子の機能を発現しにくくなる。前記範囲を超えると、バインダが粒子を保持することが難しくなる。また、金属蒸着層が凸凹になり内部電極としての機能の低下が生じる。
【0025】
本発明の接着層は、最上層の金属蒸着層の上に設けられるものである。接着層は、金属蒸着層を熱転写させると同時に、被転写体のセラミックグリーンシートに固着させる働きをもつものである。
【0026】
接着層は接着剤樹脂を主成分とするものである。この接着剤樹脂としては、たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、石油系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの1種または2種以上があげられる。接着層の軟化点は転写性の点から、45〜65℃の範囲が好ましい。
【0027】
接着層の軟化点を前記のように低くすると、ブロッキングや地汚れが発生しやすくなるから、粒子を配合するのが好ましい。この粒子としては、蒸着アンカー層で挙げた無機、有機粒子を用いることができる。中でも、、銅、ニッケル等の導電体粒子や、チタン酸バリウム等の誘電体粒子を用いるとセラミックコンデンサの中で機能材料として働くので、これらの粒子を適宜選択して用いるとよい。
【0028】
粒子の大きさは平均粒径で0.05〜1μmの範囲が好ましい。粒子の接着層中の含有量は、ブロッキングや地汚れ防止の点から3体積%以上が好ましく、接着性の点から30体積%以下が好ましい。接着層の厚みは、0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると、熱転写性が不足する。前記範囲を超えると、転写感度が低下して好ましくない。
【0029】
前記、蒸着アンカー層、中間層、接着層はバインダと粒子を適宜の溶剤(水を含む)に溶解または分散したものを通常の塗布機を使って塗布、乾燥することによって形成できる。
【0030】
本発明の導電体層転写シートを用いて、積層セラミックコンデンサを作製する方法には、キャリアシート上のグリーンシートに熱転写印刷して、導電体層を設けたものを複数作製し、さらにキャリアシートより剥離して、積み重ねたものを、圧着して、焼成する方法(方法1)がある。また、支持体フィルムの上に、▲1▼誘電体層を設けた誘電体層転写シートを用意して、支持体上に熱転写印刷で、誘電体層を全ベタで熱転写して形成し、▲2▼その上に本発明の導電体層転写シートを使って熱転写印刷して、導電体層を形成する。この上に、▲1▼、▲2▼の工程の熱転写印刷を繰り返して、生積層セラミックコンデンサを作製する。このものを、圧着、焼成してセラミックコンデンサを作製する方法(方法2)もある。前記、方法1と方法2を組み合わせた方法をとる方法も可能である。
【0031】
【実施例】
次に、実施例をあげて本発明を説明する。厚み4.5μmのPETフィルムの上に、シリコン樹脂を厚み0.2μmになるようにして、耐熱層を設けた。耐熱層の反対面に、下記の離型層塗工液を厚み0.2μmになるように塗布、乾燥して離型層を形成した。
前記離型層上に下記の蒸着アンカー層塗工液を、厚み0.2μmになるように塗布、乾燥して形成した。
前記蒸着アンカー層上に、真空蒸着法で厚さ0.08μmの銅蒸着層を形成し、その上に下記の中間層塗工液を厚み0.2μmになるよう中間層を形成した。
前記中間層上に、真空蒸着法で厚さ0.08μmの銅蒸着層を形成し、その上に下記の接着層塗工液を厚み0.2μmになるよう接着層を形成して金属蒸着層転写シートサンプルを作製した。
このサンプルを用いて、サーマルヘッドを用いた熱転写プリンタにより、セラミックグリーンシート上に長方形状(3.2mm×1.0mm)の内部電極パターンを形成した。セラミックグリーンシートには、主としてBaTiO3からなる厚さ6μmのものを用いた。内部電極パターンは、サンプルから完全に抜けてセラミックグリーンシートに転写され、セラミックグリーンシートの損傷も認められなかった。
【0032】
内部電極パターン転写後、図3に示す構成の積層型セラミックコンデンサを以下の手順で作製した。まず、内部電極パターンが転写されたセラミックグリーンシートからグリーンシート支持体フィルムを剥離し、同様にして内部電極パターンを転写したグリーンシートと積層して4層構造の積層体とした。次いで、この積層体の上下に厚さ30μmの誘電体シート(誘電体層は、主としてBaTiO3とブチラール樹脂からなる。)を10枚ずつ積層して圧着した後、切断してグリーンチップとした。このグリーンチップを脱脂した後、還元雰囲気中において1300℃で焼成し、誘電体層と内部電極とが交互に積層されたコンデンサチップ体を得た。このコンデンサチップ体に外部電極を付けて、積層型セラミックコンデンサとした。このコンデンサの容量を測定したところ60nFであり、通常のスクリーン印刷法を用いた場合と同程度の容量が得られたことがわかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の金属蒸着層転写シートを使って、熱転写プリンタでグリーンシート上に内部電極パターンを形成することができる。金属蒸着層の厚みは、薄層なので生積層セラミックコンデンサの積層時に層方向に段差を生じないので、コンデンサ内でのひずみが発生しなく品質の安定したセラミックコンデンサが得られる。また、品種の変更の際には、コンピュータの、ディスプレイ上で作図ができ、作図した形状を熱転写することにより速やかな変更が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属蒸着層転写シートの構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の蒸着アンカー層と金属蒸着層の断面図である。
【図3】積層型セラミックコンデンサの断面図
【符号の説明】
1 金属蒸着層転写シート
2 基材
3 離型層
4 蒸着アンカー層
5 金属蒸着層
6 中間層
7 金属蒸着層(基材から2番目の金属蒸着層)
8 接着層
9 耐熱層
10 粒子
11 誘電体層
12 内部電極
13 外部電極
Claims (1)
- 積層セラミックコンデンサの製造工程で使用する金属蒸着層転写シートにおいて、金属蒸着層転写シートは、サーマルヘッドで熱転写可能なものであって、基材上に少なくとも離型層、蒸着アンカー層、金属蒸着層、中間層、金属蒸着層、接着層を順次積層したものであり、中間層が熱可塑性樹脂を主材とするバインダと粒子を含有するものであることを特徴とする金属蒸着層転写シート。
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JP2002284875A JP4317981B2 (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 金属蒸着層転写シート |
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CN103863918B (zh) * | 2014-03-06 | 2016-07-06 | 苏州天梭电梯有限公司 | 一种电梯井道的施工工艺 |
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2002
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