JP4317465B2 - 顔識別装置、顔識別方法及び顔識別プログラム - Google Patents
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Description
より詳細には、対象人物を撮像して得られた撮像画像において仮定した顔の領域(顔領域)が、対象人物の顔の識別に好適であるか否かを判断し、好適であると判断された顔の領域(顔領域)に基づいて、対象人物の顔の識別を行う顔識別装置、顔識別方法及び顔識別プログラムに関するものである。
この種の従来の技術としては、以下のようなものがある。
また、特許文献3に記載された発明の場合、顔領域の抽出は、撮像画像における肌色の領域と暗い領域とを検索し、肌色領域内に暗い領域が一定の割合で含まれている肌色領域を顔領域と見なすことで行っている。
このような場合、前記特許文献に記載の発明では、抽出された顔領域が対象人物の顔の認識・識別に好適であるか否かを判断せずに、対象人物の顔の認識・識別が行われる。よって、不適切な顔領域が抽出された場合、不適切な顔領域に基づいて対象人物の顔の認識・識別を行うことになり、対象人物の顔の認識・識別を正確に行えないという問題が生じている。
そこで、このような問題を生じることのない方法及び装置に対する要求があった。
この顔識別装置は、前記撮像画像から生成した前記対象人物の輪郭画像を参照して、前記撮像画像内において前記対象人物が存在する対象人物存在領域を設定し、肌色領域情報を参照して、前記対象人物存在領域に含まれる肌色領域を抽出し、当該肌色領域を含む検索領域を予め用意された楕円形の顔テンプレートで走査すると共に、前記顔テンプレートに所定の適合度を示す前記肌色領域を顔領域として推定する顔領域推定手段と、前記カメラから前記対象人物までの距離を表す距離情報に基づいて前記顔領域を基準サイズの画像に変換して基準画像を生成すると共に、当該基準画像における前記顔領域の重心を基準として検索域を設定し、当該検索域に含まれる画素ごとに円形エッジを探索し、所定の円形エッジとなる画素の中から前記対象人物の右瞳候補点と左瞳候補点とを検出する瞳候補点検出手段と、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを結ぶ線分が前記基準画像内で水平となるように前記基準画像を回転した後に、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点との間隔を基準として正規化画像を生成すると共に、当該正規化画像の中で前記左目候補点を含む左目正規化画像をベクトルで表す左目参照用ベクトルと、当該正規化画像の中で前記右目候補点を含む右目正規化画像をベクトルで表す右目参照用ベクトルとを生成し、前記左目参照用ベクトルと前記右目参照用ベクトルとを含む参照用データを生成する参照用データ生成手段と、前記参照用データに含まれる前記左目参照用ベクトルと正規化された複数の左目画像から予め得た左目固有ベクトルとの近似度である距離値を求めると共に、前記右目参照用ベクトルと複数の右目画像から予め得た右目固有ベクトルとの近似度である距離値を求め、求めた両距離値を基に前記顔領域の適否を評価する顔領域評価手段とを含んで構成される。
これにより、対象人物の顔の領域であると推定された領域が、対象人物の顔領域として好適であるか否かが判断できるので、顔領域として推定された領域が対象人物の顔領域として不適切である場合には再度顔領域の推定を行い、顔領域として推定された領域が対象人物の顔領域として適切である場合には、この顔領域を基に対象人物の顔の識別・認識を行うことができる。
よって、より正確に対象人物の顔の識別・認識を行うことができる。
これにより、従来のように、厳密に瞳候補点を検索する必要がないので、対象人物の顔の識別・認識に要する処理時間を短縮することが可能となる。
まず、本発明に係る顔識別装置4を含む顔識別システムAの全体構成について図1を参照して説明する。図1は顔識別システムAの全体構成を示すブロック図である。
カメラ1(1a,1b)はカラーCCDカメラであり、右カメラ1aと左カメラ1bは、左右に距離Bだけ離れて並設されている。ここでは、右カメラ1aを基準カメラとしている。カメラ1a,1bで撮像された画像(撮像画像)は、フレーム毎に図示しないフレームグラバに記憶された後、撮像画像解析装置2に同期して入力される。
撮像画像解析装置2は、カメラ1a,1bから入力された画像(撮像画像)を解析して、「距離情報」、「動き情報」、「エッジ情報」、「肌色領域情報」を生成する装置である。
距離情報生成部21は、同時刻にカメラ1a,1bで撮像された2枚の撮像画像の視差に基づいて、各画素についてカメラ1からの距離を検出する。具体的には、基準カメラであるカメラ1aで撮像された第1の撮像画像と、カメラ1bで撮像された第2の撮像画像とからブロック相関法を用いて視差を求め、その視差から三角法を用いてカメラ1から各画素に撮像された物までの距離を求める。そして、求めた距離を第1の撮像画像の各画素に対応付けて、距離を画素値で表した距離画像D1(図3(a)参照)を生成する。この距離画像D1が距離情報となる。図3(a)の例では、同一の距離に対象人物Cが存在している。
動き情報生成部22は、基準カメラであるカメラ1aで時系列に撮像した時刻tにおける「撮像画像(t)」と、時刻t+1における「撮像画像(t+1)」との差分に基づいて、対象人物の動きを検出する。具体的には、「撮像画像(t)」と「撮像画像(t+1)」との差分をとり、各画素の変位を調べる。そして、調べた変位に基づいて変位ベクトルを求め、求めた変位ベクトルを画素値で表わした差分画像D2(図3(b)参照)を生成する。この差分画像D2が動き情報となる。図3(b)の例では、対象人物Cの左腕に動きが検出されている。
エッジ情報生成部23は、基準カメラであるカメラ1aで撮像された画像(撮像画像)における各画素の濃淡情報又は色情報に基づいて、その撮像画像内に存在するエッジを抽出したエッジ画像を生成する。具体的には、撮像画像における各画素の輝度に基づいて、輝度が大きく変化する部分をエッジとして検出し、そのエッジのみからなるエッジ画像D3(図3(c)参照)を生成する。このエッジ画像D3がエッジ情報となる。
肌色領域情報生成部24は、基準カメラであるカメラ1aで撮像された画像(撮像画像)から、その撮像画像内に存在する対象人物の肌色領域を抽出する。具体的には、撮像画像における全画素のRGB値を、色相、明度、彩度からなるHLS空間に変換し、色相、明度、彩度が予め設定された閾値の範囲内にある画素を肌色領域として抽出する(図3(d)参照)。図3(d)の例では、対象人物Cの顔が肌色領域R1として抽出され、手先が肌色領域R2として抽出されている。この肌色領域R1,R2が肌色領域情報となる。
輪郭抽出装置3は、撮像画像解析装置2で生成された「距離情報(距離画像D1)」、「動き情報(差分画像D2)」、「エッジ情報(エッジ画像D3)」に基づいて、対象人物の輪郭を抽出する装置である(図1参照)。
対象距離設定部31は、撮像画像解析装置2で生成された距離画像D1(図3(a)参照)と、動き情報生成部22で生成された差分画像D2(図3(b)参照)とに基づいて、対象人物が存在する距離である「対象距離」を設定する。具体的には、距離画像D1における同一の画素値を有する画素を一群(画素群)として、差分画像D2における前記画素群の画素値を累計する。そして、画素値の累計値が所定値よりも大きい、かつ、カメラ1に最も近い距離にある領域に、最も動き量の多い移動物体、即ち対象人物が存在しているとみなし、その距離を対象距離とする(図4(a)参照)。図4(a)の例では、対象距離は2.2mに設定されている。対象距離設定部31で設定された対象距離は、対象距離画像生成部32に入力される。
対象距離画像生成部32は、撮像画像解析装置2で生成された距離画像D1(図3(a)参照)を参照し、対象距離設定部31で設定された対象距離±αmに存在する画素に対応する画素をエッジ画像D3(図3(c)参照)から抽出した「対象距離画像D4」を生成する。具体的には、距離画像D1における対象距離設定部31から入力された対象距離±αmに対応する画素を求める。そして、求められた画素のみをエッジ情報生成部23で生成されたエッジ画像D3(図3(c)参照)から抽出し、対象距離画像D4(図4(b)参照)を生成する。したがって、対象距離画像D4は、対象距離に存在する対象人物をエッジで表した画像になる。なお、図3(c)の例では、αは0.5mに設定されている。対象距離画像生成部32で生成された対象距離画像D4は、対象領域設定部33と輪郭抽出部34に入力される。
対象領域設定部33は、対象距離画像生成部32で生成された対象距離画像D4内における「対象領域T」を設定する。具体的には、対象距離画像D4の縦方向の画素値を累計したヒストグラムHを生成し、ヒストグラムHにおける度数が最大となる位置を、対象人物Cの水平方向における中心位置と特定する(図5(a)参照)。そして、特定された中心位置の左右に特定の大きさ(例えば0.5m)の範囲を対象領域Tとして設定する(図5(b)参照)。なお、対象領域Tの縦方向の範囲は、特定の大きさ(例えば2m)に設定される。また、対象領域Tを設定する際は、カメラ1のチルト角や、カメラ1の高さ等のカメラパラメータを参照して、対象領域Tの設定範囲を補正する。対象領域設定部33で設定された対象領域Tは、輪郭抽出部34に入力される。
輪郭抽出部34は、対象距離画像生成部32で生成された対象領域画像D4(図4(b)参照)において、対象領域設定部33で設定された対象領域T内から対象人物Cの輪郭を抽出する。具体的には、Snakesと呼ばれる手法を用いて対象人物Cの輪郭Oを抽出する(図5(c)参照)。なお、Snakesとは、スネークと呼ばれる閉曲線からなる動的輪郭モデルを用い、予め定義したエネルギーを最小化するように閉曲線を収縮変形させることにより、物体の輪郭を抽出する手法である。輪郭抽出部34で抽出された対象人物Cの輪郭Oは、「輪郭情報」として顔識別装置4に入力される(図1参照)。
図6は、図1に示した顔識別システムAに含まれる顔識別装置4の構成を示すブロック図である。
顔識別装置4は、輪郭抽出装置3から入力される輪郭情報、そして撮像画像解析装置2から入力される肌色領域情報及び距離情報に基づいて、対象人物の撮像により得られた撮像画像から対象人物の顔が存在すると予想される領域(顔推定領域)を推定し、この顔推定領域が対象人物の顔識別に好適に利用できるかを判断し、好適に利用できると判断した場合のみに対象人物の識別を行い、好適に利用できないと判断した場合には、好適に利用できる顔推定領域の再推定等を行うものである。
顔データベースには、個人の顔を固有ベクトルの線形和で表したときの係数が、複数人数分登録されている。
瞳データベースには、個人の瞳を固有ベクトルの線形和で表したときの係数が、複数人数分登録されている。
顔の固有ベクトルは、十分なばらつきを持った複数の正規化された顔画像を主成分分析して得られた固有ベクトルのうち、寄与率の高いものである。
瞳の固有ベクトルは、十分なばらつきを持った複数の正規化された瞳画像を主成分分析して得られた固有ベクトルのうち、寄与率の高いものである。
顔領域推定手段50は、輪郭抽出装置3から入力される輪郭情報、そして撮像画像解析装置2から入力される肌色領域情報及び距離情報に基づいて、カメラ1で撮像された画像(撮像画像)から、対象人物の顔が存在するであろう領域(顔推定領域)を決定するものである。
この顔領域推定手段50の顔領域検索部51は、対象人物の撮像により得られた撮像画像の中から対象人物の顔が存在すると推定される領域(顔推定領域)を検索するものである。
具体的には、図7(a)に示すように、顔領域検索部51は、輪郭抽出装置3から入力された輪郭情報を参照して、撮像画像内において対象人物が存在する領域(対象人物存在領域)を確認する。そして、顔領域検索部51は、撮像画像解析装置2から入力された肌色領域情報を参照して、対象人物存在領域に含まれる肌色領域を確認し、確認された肌色領域とその近傍の領域を検索領域として設定する。そして、この検索領域を予め用意された楕円形の顔テンプレートで走査し、この顔テンプレートと所定の適合度を示す肌色領域を顔推定領域とする。
そして、顔領域検索部51は、顔推定領域が撮像画像においてどこに存在するのかを示すデータ(顔推定領域データ)を生成すると共に、顔推定領域に含まれる画素の画素値を参照して、この顔領域とカメラ1との距離を示す距離データを生成する。
そして、顔領域検索部51は、顔推定領域データと距離データとを、瞳候補点検出手段60の基準画像生成部61に出力する。
瞳候補点検出手段60は、顔推定領域の中から、対象人物の左目が存在すると予想される領域(左目候補点)と、右目が存在すると予想される領域(右目候補点)とを検出するものである。
この瞳候補点検出手段60は、基準画像生成部61と、瞳検索領域設定部62と、瞳候補点検出部63とを含んで構成される。
具体的には、基準画像生成部61は、顔領域検索部51から入力された距離データを参照し、カメラ1から対象人物の顔推定領域(対象人物の顔)までの距離を求める。そして、所定距離が1mに設定されている場合には、撮像画像の大きさを、カメラ1から顔推定領域までの距離が1mの場合に相当する大きさの画像に調整して、これを基準画像とする。
ここで、この基準画像は、撮像画像をα倍して生成することができ、αは次式のような関係にある。
α =(顔推定領域内の画素の距離値の平均)/所定距離
X=fL/NC=65f/NC
よって、この所定距離は、カメラ1の焦点距離やセルサイズに応じて変更されるものである。
この場合、基準画像の情報量を減らすことができるので、この基準画像生成部61の後段に位置する瞳検索領域設定部62、瞳候補点検出部63、そして参照用データ生成手段70での処理の際の負担を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、基準画像の中から顔推定領域の周辺を切り出したもの(図7(b))を基準画像として、以下の説明を行う。
具体的には、図8(a)に示すように、瞳検索領域設定部62は、顔領域検索部51において生成された顔推定領域データを参照して顔推定領域の重心Gを求め、重心Gが基準画像内のどの位置にあるのかを、基準画像生成部61から入力された基準画像データを参照して決定する。
そして、基準画像内において、この重心Gを中心として上側に何ピクセル(画素)、下側に何ピクセル、左側に何ピクセル、そして右側に何ピクセルというような所定の大きさの範囲を基準画像において設定する。
なお、各領域(右目領域Rと左目領域L)は、重心Gを基準として、上側が広く、下側が狭く、基準画像の中心側が狭く、基準画像の両側側が広くなるような範囲で設定されている。
また、本実施の形態では、肌色領域情報を利用して顔推定領域を決定しているので、照明による陰影のため肌色領域が正しく検出できず、重心Gと本当の顔中心がずれることがある。
例えば、対象人物の首に相当する肌色領域も含んだ形で顔推定領域が決定された場合、重心Gは、本来選択されるべき顔推定領域の重心よりも下側に位置し、対象人物の瞳と重心Gとが離れてしまうことが考えられる。よって、このような場合であっても、右目候補点と左目候補点との検索が可能となるようにするために、各領域(右目領域Rと左目領域L)を広めに、特に重心Gを基準とした上側を広く取っている。
具体的には、瞳候補点検出部63は、右目領域Rと左目領域Lをそれぞれ円形エッジフィルタで走査し、各領域に含まれる画素(ピクセル)ごとに円形度値を計算する。そして、円形度値の値が最も高い画素を各領域から検出して、これを瞳候補点とする。これにより、各領域において少なくとも一つの瞳候補点が検出されることになる。
円形度値=(領域1の平均輝度レベル)/(領域2の平均輝度レベル)
この円形度値は、複数のリングの中央部eが位置する画素について、当該画素を中心とする円形が周囲にあるかを示すものであり、前記式の領域1、領域2は、図8(b)において、たとえば、(a,b)、(b,c)などの二つの領域を示す。この円形度値の値が高くなるほど、円形が存在すること、すなわち円形エッジ強度が高いことを意味するものである。
なお、本実施の形態では瞳候補点の検出を、基準画像において設定された右目領域Rと左目領域Lに含まれる画素ごとに円形度値を求めて行っているが、黒丸のテンプレートを用いたパターンマッチングにより、瞳候補点を検索する構成としても良い。
参照用データ生成手段70は、検出された右瞳候補点と左瞳候補点の総ての組み合わせについて、各組み合わせに含まれる右瞳候補点と左瞳候補点を基準として基準画像の正規化処理を行い、参照用データを生成するものである。
ここで、参照用データとは、この参照用データ生成手段70の後段に位置する顔領域評価手段80で行われる顔領域評価に用いられるデータであり、選択された右目候補点と左目候補点との組み合わせが対象人物の識別に好適であるか否かの判断に用いられるデータである。
この参照用データ生成手段70は、瞳ペア設定部71と、瞳ペア調整部72と、正規化処理部73と、参照用データ生成部74とから構成される。
具体的には、瞳ペア設定部71は、瞳候補点検出手段60から入力された瞳候補点データを参照して、左目候補点の数と右目候補点の数とを確認し、左目候補点と右目候補点の総ての組み合わせを設定する。
よって、左目候補点と右目候補点の数がそれぞれ2つずつである場合には、合計4つの組み合わせが瞳ペア設定部71により設定されることになる。
そして、瞳ペア設定部71は、図9(b)に示すような内容の情報を、組み合わせ情報として瞳ペア調整部72に出力する。
具体的には、瞳ペア調整部72は、各ペアの左瞳候補点と右瞳候補点との間の距離dを求め(図10(a)参照)、この求めた距離dが所定の範囲に収まらない場合、当該ペアを除外する。
従って、計算により求めた距離dの値が、所定の範囲に収まっていない場合、当該瞳ペアに含まれる右瞳候補点と左瞳候補点のうちの少なくとも一方が、瞳に相当しないと判断できることになる。
尚、ここで用いる所定の範囲は、人の瞳間の平均距離65mmを基準にして任意に設定されるものである。
1)図8(a)及び図9(a)に示すように、検索された瞳候補点(右目候補点(R1〜R3)と左目候補点(L1〜L3))の中には、瞳に相当しない領域、例えば眉毛に相当する領域も含まれているので、瞳に相当しない瞳候補点(R1、R2、L1)が含まれる組合せを除外して、この瞳ペア調整部72の後段に位置する正規化処理部73での処理を軽減することができる、
2)この瞳ペア調整部72における処理により、明らかに瞳に相当しない領域を除外できるので、各瞳検索領域から検出される瞳候補点の数を増やして、瞳候補点検出の確度の向上を図ることができる、という理由によるものである。
この場合、対象人物の顔が傾いた状態で撮像された場合を考慮して、この所定角度αは、20度程度に設定されていることが好ましい。
従って、この場合、交差角αが20度以上となるペアは除外されることになる。
例えば、図9(b)に示すペアのうち、ペア2、ペア3、そしてペア9が、閾値で設定された範囲に収まらない場合には、瞳ペア調整部72は、ペア1、ペア4、ペア5、ペア6、ペア7、そしてペア8を正規化対象ペアと決定し、正規化対象ペアとして決定されたペアを示す情報と、当該ペアに含まれる瞳候補点に関する瞳候補点データとを含んで構成される正規化対象情報を生成し、これを正規化処理部73に出力する。
従って、ペア1、ペア4、ペア5、ペア6、ペア7、そしてペア8が正規化対象ペアである場合、合計6つの正規化顔画像が、正規化処理部73において作成されることになる。
そして、正規化処理部73は正規化処理により得られた正規化顔画像を、参照用データ生成部74に出力する(図6参照)。
さらに、参照用データ生成部74は、後述する顔領域評価手段80から入力される識別対象情報を参照し、当該識別対象情報において示されたペア(例えば、ペア8)について作成された正規化顔画像を顔識別手段90に出力する。
1)どのペアに含まれる左目候補点と右目候補点とが対象人物の左目と右目を示すものとして適切であるか、
2)顔領域推定手段50の顔領域検索部51で検索された顔推定領域が、対象人物の顔の識別に好適であるか、を判断するものである。
尚、ここでの計算は、いわゆる固有顔手法を利用して、DFES(Defference From Eye Space:目空間からの距離)計算によりユークリッド距離を求めることで行われる。
そして、顔領域評価手段80は、この距離値(Ll、Lr)を総ての正規化対象ペアについて求め、その中から、距離値の値が最も小さい正規化対象ペアを検索する。そして、距離値の値が最も小さい当該正規化対象ペアの距離値を、所定の閾値と比較する。
そして、この距離値が所定の閾値よりも小さい場合、すなわち近似度が十分に高い場合、顔領域評価手段80は、ペア8に含まれる瞳候補点(左瞳候補点と右瞳候補点)が、対象人物の左目と右目を示すものとして適切であり、顔領域推定手段50で検索された顔推定領域が、対象人物の顔の識別に好適な顔領域であると決定する。
そして、適切であると決定された正規化対象ペア(ここでは、ペア8)を示す識別対象情報を、参照用データ生成部74に出力する。
これを受けて、参照用データ生成部74は、正規化対象ペア(ここではペア8)について生成された正規化顔画像を顔識別手段90に出力することになる。
これにより、顔領域推定手段50は、撮像画像の中から新たに顔推定領域を決定するか、撮像画像における別のフレームから新たに顔推定領域を決定することになる。
顔識別手段90は、正規化顔画像から求めた特徴パラメータを基に記憶手段100を参照し、当該記憶手段100中に特徴パラメータが登録された人物群の中で、求めた特徴パラメータに最も近い特徴パラメータを有する人物を検索するものである。
一方、特徴パラメータが合致する顔データが存在しない場合には、対象人物が登録されていない旨の認識結果を出力する。
次に、図1に示すブロック図、そして図14に示すフローチャートを参照して、顔識別装置4において行われる処理について詳しく説明する。
そして、顔領域検索部51は、顔推定領域が撮像画像においてどこに存在するのかを示すデータ(顔推定領域データ)と共に、当該顔推定領域に含まれる画素の画素値を参照して、この顔推定領域とカメラ1との距離を示す距離データを生成する(ステップS302)。
すると、瞳候補点検出手段60の瞳候補点検出部63は、設定した右目領域と左目領域をそれぞれ円形エッジフィルタで走査して(ステップS305)、各領域の中から瞳候補点(左瞳候補点、右瞳候補点)を検出する(ステップS306)。
そして、顔推定領域が顔識別に好適であるのかを、近似度をもとに判断する(ステップS312)。
次に、顔識別システムAの動作について図1に示す顔識別システムAの全体構成を示すブロック図と、図15に示すフローチャートを参照して説明する。
図15に示すフローチャートを参照して、撮像画像解析装置2では、カメラ1a,1bから撮像画像が入力されると(ステップS101)、距離情報生成部21において、撮像画像から距離情報である距離画像D1(図3(a)参照)を生成し(ステップS102)、動き情報生成部22において、撮像画像から動き情報である差分画像D2(図3(b)参照)を生成する(ステップS103)。また、エッジ情報生成部23において、撮像画像からエッジ情報であるエッジ画像D3(図3(C)参照)を生成し(ステップS104)、肌色領域情報生成部24において、撮像画像から肌色領域情報である肌色領域R1,R2(図3(d)参照)を抽出する(ステップS105)。
引き続き図15に示すフローチャートを参照して、輪郭抽出装置3では、まず、対象距離設定部31において、ステップS102とステップS103で生成された距離画像D1と差分画像D2から、対象人物が存在する距離である対象距離を設定する(ステップS106)。続いて、対象距離画像生成部32において、ステップS104で生成されたエッジ画像D3からステップS106で設定された対象距離に存在する画素を抽出した対象距離画像D4(図4(b)参照)を生成する(ステップS107)。
図15に示すフローチャートを参照して、
顔領域推定手段50において、ステップS102において生成された距離情報、ステップS105において生成された肌色領域情報、そしてSステップ109で生成された輪郭情報に基づいて、撮像画像内において対象人物の顔が存在するであろう領域(顔推定領域)を決定し、当該顔推定領域とカメラ1との距離を示す距離データを生成する(ステップS110)。
<瞳候補点検出ステップ>
続いて、瞳候補点検出手段60において、ステップS110において生成された距離データに基づいて基準画像を生成し、この基準画像内の顔推定領域の重心Gを基準にして、基準画像内において、対象人物の瞳を検索する領域を設定する。そして、この領域を円形エッジフィルタで走査して瞳候補点(左瞳候補点、右瞳候補点)を検出する(ステップS111)。
参照用データ生成手段70において、瞳候補点の中に含まれる左瞳候補点と右瞳候補点の総ての組み合わせを設定し、その中で、左瞳候補点と右瞳候補点との間の距離dが所定の範囲に収まる左瞳候補点と右瞳候補点の組み合わせ(ペア)を正規化対象ペアと決定する。
そして、正規化対象ペアに含まれる瞳候補点(右目候補点と左目候補点)を基準として、基準顔画像における顔推定領域から正規化顔画像を生成し、この中から、後段のステップ113における評価に用いられる参照用データを生成する(ステップS112)。
続いて、顔領域評価手段80において、参照用データに基づいて、顔領域推定手段50で決定された顔領域が、対象人物の顔の識別に好適であるかを判断する(ステップS113)。
最後に、顔識別手段90において、ステップ113において、顔領域推定手段50で決定された顔領域が、対象人物の顔の識別に好適である場合、ステップ112で生成された正規化顔画像から特徴パラメータを求め、記憶手段100に記憶された特徴パラメータの中で、最も近い特徴パラメータを検索し、カメラ1を介して撮像された対象人物の顔の識別を行う(ステップS114)。
前述の実施の形態では、瞳候補点検出部63は、右目領域と左目領域をそれぞれ円形エッジフィルタで走査し、各領域に含まれる画素(ピクセル)ごとに円形度を計算し、円形度の値が最も高い画素を瞳候補点としている。
ここで、瞳候補点の位置の精度を向上させるために、対象人物の顔の識別に好適であると判断された正規化対象ペアを確認し、当該正規化対象ペアに含まれる瞳候補点(左瞳候補点と右瞳候補点)の位置の補正を行う瞳候補点補正部75をさらに備えた構成とすることも可能である。
例えば、はじめに図中の画素Xが瞳候補点として検索されていたとしても、この画素Xの周辺の画素について上述の方法により近似度(DFES値)を求め、画素Yの方がより高い近似度を示した場合に、当該画素Yが瞳候補点としてより適切であると判断し、瞳候補点を画素Yに変更する。
前述したように、本実施の形態では、参照用データ生成部74は、正規化処理部73から入力された正規化顔画像の中で左目正規化画像と右目正規化画像とを設定し、設定された各領域をベクトル(左目参照用ベクトル、右目参照用ベクトル)で表すように構成されている。
しかしながら、参照用データ生成部74において、左目参照用ベクトルと、右目参照用ベクトルとを生成せずに、正規化顔画像の全体をベクトルで表した顔参照用ベクトルを生成する構成とすることも可能である。
ここで、顔領域推定手段において対象人物の顔が存在すると推定された領域(顔推定領域)が対象人物の顔の領域として適切であると顔領域評価手段において判断された場合に、顔領域評価手段は、瞳候補点検出手段において検出された右瞳候補点と左瞳候補点とを基準として、顔推定領域を再度推定、すなわち顔推定領域の補正を行う構成とすることも可能である。
1 カメラ
2 撮像画像解析装置
3 輪郭抽出装置
4 顔識別装置
50 顔領域推定手段
60 瞳候補点検出手段
70 参照用データ生成手段
80 顔領域評価手段
90 顔識別手段
100 記憶手段
Claims (6)
- カメラによって撮像された対象人物の撮像画像を基に前記対象人物の顔を識別する顔識別手段を備えた顔識別装置であって、
前記撮像画像から生成した前記対象人物の輪郭画像を参照して、前記撮像画像内において前記対象人物が存在する対象人物存在領域を設定し、肌色領域情報を参照して、前記対象人物存在領域に含まれる肌色領域を抽出し、当該肌色領域を含む検索領域を予め用意された楕円形の顔テンプレートで走査すると共に、前記顔テンプレートに所定の適合度を示す前記肌色領域を顔領域として推定する顔領域推定手段と、
前記カメラから前記対象人物までの距離を表す距離情報に基づいて前記顔領域を基準サイズの画像に変換して基準画像を生成すると共に、当該基準画像における前記顔領域の重心を基準として検索域を設定し、当該検索域に含まれる画素ごとに円形エッジを探索し、所定の円形エッジとなる画素の中から前記対象人物の右瞳候補点と左瞳候補点とを検出する瞳候補点検出手段と、
前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを結ぶ線分が前記基準画像内で水平となるように前記基準画像を回転した後に、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点との間隔を基準として正規化画像を生成すると共に、当該正規化画像の中で前記左目候補点を含む左目正規化画像をベクトルで表す左目参照用ベクトルと、当該正規化画像の中で前記右目候補点を含む右目正規化画像をベクトルで表す右目参照用ベクトルとを生成し、前記左目参照用ベクトルと前記右目参照用ベクトルとを含む参照用データを生成する参照用データ生成手段と、
前記参照用データに含まれる前記左目参照用ベクトルと正規化された複数の左目画像から予め得た左目固有ベクトルとの近似度である距離値を求めると共に、前記右目参照用ベクトルと複数の右目画像から予め得た右目固有ベクトルとの近似度である距離値を求め、求めた両距離値を基に前記顔領域の適否を評価する顔領域評価手段と
を有することを特徴とする顔識別装置。 - 前記瞳候補点検出手段では、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを少なくとも2つ以上ずつ検出し、
前記参照用データ生成手段では、検出された前記右瞳候補点と左瞳候補点との総ての組み合わせについて前記参照用データを作成することを特徴とする請求項1に記載の顔識別装置。 - 前記顔領域評価手段において前記顔領域が不適であると判断された場合、
前記顔領域評価手段は、前記顔領域推定手段に、前記対象人物の顔領域を再推定するように要求することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顔識別装置。 - 前記顔領域評価手段において前記顔領域が適切であると判断された場合、
前記顔領域評価手段は、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを基準として、前記顔領域の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の顔識別装置。 - カメラによって撮像された対象人物の撮像画像を基に前記対象人物の顔を識別する方法であって、
前記撮像画像から生成した前記対象人物の輪郭画像を参照して、前記撮像画像内において前記対象人物が存在する対象人物存在領域を設定し、肌色領域情報を参照して、前記対象人物存在領域に含まれる肌色領域を抽出し、当該肌色領域を含む検索領域を予め用意された楕円形の顔テンプレートで走査すると共に、前記顔テンプレートに所定の適合度を示す前記肌色領域を顔領域として推定する顔領域推定ステップと、
前記カメラから前記対象人物までの距離を表す距離情報に基づいて前記顔領域を基準サイズの画像に変換して基準画像を生成すると共に、当該基準画像における前記顔領域の重心を基準として検索域を設定し、当該検索域に含まれる画素ごとに円形エッジを探索し、所定の円形エッジとなる画素の中から前記対象人物の右瞳候補点と左瞳候補点とを検出する瞳候補点検出ステップと、
前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを結ぶ線分が前記基準画像内で水平となるように前記基準画像を回転した後に、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点との間隔を基準として正規化画像を生成すると共に、当該正規化画像の中で前記左目候補点を含む左目正規化画像をベクトルで表す左目参照用ベクトルと、当該正規化画像の中で前記右目候補点を含む右目正規化画像をベクトルで表す右目参照用ベクトルとを生成し、前記左目参照用ベクトルと前記右目参照用ベクトルとを含む参照用データを生成する参照用データ生成ステップと、
前記参照用データに含まれる前記左目参照用ベクトルと正規化された複数の左目画像から予め得た左目固有ベクトルとの近似度である距離値を求めると共に、前記右目参照用ベクトルと複数の右目画像から予め得た右目固有ベクトルとの近似度である距離値を求め、求めた両距離値を基に前記顔領域の適否を評価する顔領域評価ステップと、
前記顔領域評価ステップにおいて、前記顔領域が好適であると判断された場合に、前記正規化画像から前記対象人物の顔データを作成する顔データ作成ステップと、
前記顔データ作成ステップで作成された顔データを、記憶手段に登録された顔データと比較・照合する顔識別ステップと
を有することを特徴とする顔識別方法。 - カメラによって撮像された対象人物の撮像画像を基に前記対象人物の顔を識別するために、コンピュータを、
前記撮像画像から生成した前記対象人物の輪郭画像を参照して、前記撮像画像内において前記対象人物が存在する対象人物存在領域を設定し、肌色領域情報を参照して、前記対象人物存在領域に含まれる肌色領域を抽出し、当該肌色領域を含む検索領域を予め用意された楕円形の顔テンプレートで走査すると共に、前記顔テンプレートに所定の適合度を示す前記肌色領域を顔領域として推定する顔領域推定手段、
前記カメラから前記対象人物までの距離を表す距離情報に基づいて前記顔領域を基準サイズの画像に変換して基準画像を生成すると共に、当該基準画像における前記顔領域の重心を基準として検索域を設定し、当該検索域に含まれる画素ごとに円形エッジを探索し、所定の円形エッジとなる画素の中から前記対象人物の右瞳候補点と左瞳候補点とを検出する瞳候補点検出手段、
前記右瞳候補点と前記左瞳候補点とを結ぶ線分が前記基準画像内で水平となるように前記基準画像を回転した後に、前記右瞳候補点と前記左瞳候補点との間隔を基準として正規化画像を生成すると共に、当該正規化画像の中で前記左目候補点を含む左目正規化画像をベクトルで表す左目参照用ベクトルと、当該正規化画像の中で前記右目候補点を含む右目正規化画像をベクトルで表す右目参照用ベクトルとを生成し、前記左目参照用ベクトルと前記右目参照用ベクトルとを含む参照用データを生成する参照用データ生成手段、
前記参照用データに含まれる前記左目参照用ベクトルと正規化された複数の左目画像から予め得た左目固有ベクトルとの近似度である距離値を求めると共に、前記右目参照用ベクトルと複数の右目画像から予め得た右目固有ベクトルとの近似度である距離値を求め、求めた両距離値を基に前記顔領域の適否を評価する顔領域評価手段、
前記顔領域評価手段において、前記顔領域が好適であると判断された場合に、前記正規化画像から前記対象人物の顔データを作成する顔データ作成手段、
前記顔データ作成手段で作成された顔データを、記憶手段に登録された顔データと比較・照合する顔識別手段
として機能させることを特徴とする顔識別プログラム。
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