JP4317424B2 - 特定の酸性エステル油で表面処理した粉体の油性分散体、及びこれを含有する化粧料組成物 - Google Patents

特定の酸性エステル油で表面処理した粉体の油性分散体、及びこれを含有する化粧料組成物 Download PDF

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Description

本発明は粉体粒子の分散性、分散安定性、貯蔵安定性、使用適性に非常に優れた粉体の新規油性分散体に関するものである。より詳しくは、特定の酸性エステル化合物を含む酸性エステル油により被覆された表面処理粉体とその分散媒として親油性溶媒とを少なくとも含有することを特徴とする粉体の油性分散体、及びこれらを配合した化粧料組成物に関するものである。これら表面処理粉体の油性分散体を使用すると化粧料の製造工程が大幅に省力化でき、またこれらを配合した化粧料は使用感や化粧持ち、製品の経時安定性を大きく向上させる事が出来る。また、この油性分散体は分散安定性が非常に優れているため化粧料のみならずプラスチックの添加剤、インク、塗料、トナー、電子材料等の分野で使用される粉体にも応用できる。
近年、粉体を取り扱う産業界では中間材料として粉体を何等かの分散媒に分散安定化させた分散体の必要性が高まっている(例えば、本出願人による特許文献1参照)。その理由としては、作業所内で粉体が飛散し作業者が吸入することによる呼吸障害の可能性があること、作業所周辺の環境保全のため、粉体は微粒子になる程容積が大きくなるため保管スペースをとること、粉体の分散には分散機の選定や分散条件等の技術的な問題が多々あり手間がかかること、更には、安定な粉体の分散体を使用することで作業の効率化が可能なこと、等が挙げられる。
一方、粉体を油性分散体にした場合の欠点としては、粉体の分散安定性が悪く、粉体の沈降や凝集が発生した分散体は、使用時に再分散をしなければならい事が一つの問題である。粉体を油性分散体とする目的は粉体をそのまま原料として取り扱うときの種々の欠点(作業者の粉塵吸入、粉塵回収装置の設置による設備投資、分散の手間、粉体による保管スペース増等)を改善し、粉体の機能を最大限に発揮させるためである。そのために好適な粉体構成或いは分散媒の選択が求められる。油性分散体中の粉体含有量はできるだけ高い程、かつ油性分散体の組成もできるだけ単純な配合(1種類の粉体と1種類の媒体)であることが好ましい。その理由としては、分散体の分散媒の量が多いと処方設計上の自由度が少なくなり、また他の処方への汎用性も悪くなるためである。
また、ナノテクノロジーの進歩によりサブミクロン以下の一次粒子径を有する微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛等の無機粉体または有機色素は表面処理技術や粉砕または分散の技術の向上により粉末粒子の凝集を少なくすることが可能であるが粉末の嵩は高くなり重量あたりの容積をとるため保管スペースを多く必要とする。また、粉末粒子の再凝集が起こり易く飛散性も高くなり作業性が著しく悪く、粒子の分散と分散安定化が非常に難しいのが現状である。微粒子の分散が不十分であると処方へ配合したとき目的とする紫外線や赤外線の遮蔽効果や色調等が充分に得られないことが多い。また、最近では無機粉体の化粧料への配合量をできるだけ減らして機能を引き出し塗布時または塗布後の粉感軽減を目的とする傾向も有り微粒子粉体のさらなる高分散化とその安定化が望まれている。このため、微粒子粉体を溶媒に分散させた種々の油性分散体とその製法が公開されている。例えば、無機紫外線フィルターが液状紫外線フィルター中に分散されている分散液(例えば、特許文献2参照)や、エステル油をベースとする顔料分散体(例えば、特許文献3参照)が提案されている。さらに、脂肪酸処理された微粒子粉体とアミノ変性シリコーンとシリコーン系分散媒とを含有する分散物(例えば、特許文献4参照)や、口紅用顔料分散液の製造方法とその組成物(例えば、特許文献5参照)が提案されている。しかしながらこれらの分散組成物は高分散と分散安定性を達成するためには分散剤を必須成分として含有する。また、上記特許文献1において、本出願人は分散剤や界面活性剤フリーで処方への汎用が高く、高分散かつ分散安定性の優れた油性分散体を提案したが、この油性分散体はシリコーン系の溶媒以外では粉体の分散性や分散安定性に於いて若干の課題を有している。これらの理由により油性分散体の更なる改良が望まれている。
特開2002−80748号公報 特開2000−26262号公報 特表2001−524504号公報 特開2001−207060号公報 特開2002−363033号公報
本発明は、上記種々の問題点を解決し、粉体粒子の分散性、分散安定性、貯蔵安定性、使用適性に優れた分散体を提供することを課題とする。また、本発明の別の課題は、このような優れた分散体を配合することで従来品より優れた粉体の機能を有する化粧料等を提供することにある。
そこで本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意研究した結果、特定のエステル油で被覆した表面処理粉体とその分散媒として親油性溶媒とを少なくとも含有する油性分散体が粉体粒子の分散性、分散安定性、貯蔵安定性、及び使用適性に非常に優れ、さらにこれらを配合した化粧料は粉体の機能を最大限引き出すことが可能で製造時の作業性や剤型の経時安定性をも大きく向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、酸性エステル油(但し、キャンデリラワックスを除く。)で被覆された表面処理粉体と分散媒として親油性溶媒とを含有する粉体の油性分散体であって、前記酸性エステル油が、炭素数1〜36の少なくとも1種のアルコールであってエステル基を有していないものと、炭素数1〜36の少なくとも1種の多塩基酸のカルボン酸とを、エステル化反応だけさせて得ることができる総炭素数16以上の部分エステル化合物(但し、ポリエステル、エステル基を含有するアクリル系シリコーングラフトポリマー、及びこれ以外の共重合体を除く。)を含み、且つ前記酸性エステル油の酸価が15以上であり、前記多塩基酸のカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、フェニレン−1,2−ジ酢酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、1−,10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,28−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、クエン酸、アミノ酸及びアシル化されたアミノ酸の中の少なくとも1種であることを特徴とする化粧料用の油性分散体を提供する。
また、本発明は、酸性エステル油で被覆された表面処理粉体と分散媒として親油性溶媒とを含有する粉体の油性分散体であって、前記酸性エステル油が、炭素数1〜36の少なくとも1種のアルコールであってエステル基を有していないものと、炭素数1〜36の少なくとも1種の多塩基酸のカルボン酸とを、エステル化反応だけさせて得ることができる総炭素数16以上のエステル化合物(但し、ポリエステル、エステル基を含有するグラフト共重合体、エステル基を含有するシリコーン系グラフトポリマー、及びこれら以外の共重合体を除く。)を含み、且つ前記酸性エステル油の酸価が15以上であり、前記多塩基酸のカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、フェニレン−1,2−ジ酢酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、1−,10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,28−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、クエン酸、アミノ酸及びアシル化されたアミノ酸の中の少なくとも1種であることを特徴とするプラスチックの添加剤、インク、塗料、トナー、化学繊維、包装材料、電子材料のうちのいずれかの分野で使用する油性分散体を提供する
本発明の好ましい実施形態において、前記酸性エステルのアルコールが、直鎖状炭素、分岐状炭素、飽和炭素、不飽和炭素、脂環式炭素、及び芳香環からなる群より選択される少なくとも1種の炭素鎖を有する1価又は多価アルコールであり、前記酸性エステルのカルボン酸が、直鎖状炭素、分岐状炭素、飽和炭素、不飽和炭素、脂環式炭素、及び芳香環からなる群より選択される少なくとも1種の炭素鎖を有する、前記特定の多塩基酸、又はそのヒドロキシ酸であることを特徴とする。
本発明の更に好ましい実施形態において、前記酸性エステル油の酸価が15以上100以下であり、被覆処理される粉体と前記表面処理剤の重量比が100対0.1〜50.0であることを特徴とする。また、前記油性分散体中における前記被覆粉体の含有量が0.1〜95重量%であることが好ましい。
本発明の異なる視点において、上記油性分散体を0.1〜100重量%含むことを特徴とする化粧料が提供される。
本発明の油性分散体は、特定の酸性エステル化合物を含む酸性エステル油により被覆された粉体を含むことにより、粉体粒子の分散性、分散安定性、貯蔵安定性、及び使用適性に非常に優れた性質を示す。これら油性分散体を配合した化粧料は使用感や化粧持ちに優れるとともに製品の経時安定性を大きく向上させる事が出来る。
以下本発明の構成について詳述する。本発明で粉体に被覆される酸性エステル油は、炭素数1〜36のアルコールであってエステル基を有していないものと、前記特定の炭素数1〜36のカルボン酸とを部分エステル化して得られる総炭素数16以上の部分エステル化合物を含み且つ酸価15以上の酸性エステル油である。但し、既述の但書きに記載のものを除く。
本発明に用いる炭素数1〜36のアルコールとしては、一価の直鎖アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール(ラウリルアルコール)、トリデカノール、テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、エイコサノール(アラキルアルコール)、ドコサノール(ベヘニルアルコール)、テトラコサノール、セトステアリルアルコール等がある。一価の分岐アルコールとしては、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、ジメチルオクタノール、イソノナノール、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソトリデカノール、イソテトラデカノール、イソペンタデカノール、イソヘキサデカノール(ヘキシルデカノール)、イソヘプタデカノール、イソオクタデカノール(イソステアリルアルコール)、イソノナデカノール、イソエイコサノール(オクチルドデカノール)、2−エチルヘキサノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ドデシルヘキサデカノール、2−テトラデシルオクタデカノール、2−ヘキサデシルオクタデカノール、等が挙げられる。一価の不飽和アルコールとしては、ウンデセノール、ラウロレノール、ミリストレノール、パルミトレノール、オレイルアルコール、エラジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコール、ホホバアルコール等が挙げられる。ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、デスモステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール、ラトステロール、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、エルゴステロール、フィトステロール、ラノリンアルコール等がある。2価以上のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ピナコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、ダイマージオール、水添ダイマージオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン縮合物、トリメチロールエタン、ペンタエリスリット、ペンタエリスリット縮合物、ソルビット、グリセリン縮合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングロコール等が挙げられ、本発明ではこれらを単独、もしくは任意の組み合わせの混合物で使用してもさしつかえない。
本発明に用いる炭素数1〜36の多塩基酸のカルボン酸(n=〜3)としては、飽和、不飽和、ヒドロキシ、芳香族等のいずれも用いる事ができる。多塩基酸なので、例えば、一塩酸(n=1)である、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セチロン酸、モンタン酸、メリシン酸等の直鎖脂肪酸、ウンデシレン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、イソオクチル酸(2−エチルヘキサン酸)、ネオトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分枝脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等のヒドロキシ脂肪酸は除かれる。多塩基酸(n=2〜3)として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、フェニレン−1,2−ジ酢酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、1−,10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,28−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。本発明において「ダイマー酸」とは炭素数11〜22の不飽和脂肪酸の二量化により生成する二塩基酸のことをいう。不飽和二塩基酸としてはフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等も挙げられる。ヒドロキシ多塩基酸としては、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、クエン酸、等が挙げられる。更に、アミノ酸やアシル化されたアミノ酸を用いることもできる。本発明ではこれらを単独、もしくは任意の組み合わせの混合物で使用してもさしつかえない。
本発明に使用する酸性エステルは前記アルコールと前記カルボン酸の部分エステルでありエステル化反応によって合成が可能である。エステル化反応は、前記各原料を適当な反応容器に仕込み、酸、アルカリまたは金属触媒の存在下あるいは非存在下、好ましくは該反応に不活性な有機溶媒または/および気体中で150〜200℃にて数時間〜10時間程度まで、副生成する水を除去しながら行う。なお触媒を用いる場合には、反応重量に対し0.001〜1.0%加える。反応終了後、未反応物を含むことがあり、これらを水洗、アルカリ脱酸、シリカゲル等の吸着剤処理等公知の方法で分離除去し、さらに脱色、脱臭処理を施して精製する。このようにして得られる酸性エステル油は常温で液体状または固体状である。本発明で言う酸性エステル油は酸価15以上でかつ総炭素数が16以上のエステル化合物を含む。本発明の表面処理粉体の効果を得る上で、より好ましい酸性エステル油の酸価は15以上、100以下である。このときのエステル油の性状は処理した粉体の親油性溶媒への分散性を考慮すると、常温で液体状、半固体状又は可塑性を有する固体状であるものが好ましい。より好ましくは液体状又は半固体状のもので具体的には融点が70℃以下のものである。
エステル油の酸価が15未満であると粉体基材への吸着性が悪く酸性エステル油が表面処理されず親油性溶媒への分散性が悪い。また、エステル化合物の総炭素数が16未満であると分散安定化に劣り粉体粒子の沈降やハードケーキ化を引き起こしてしまう。なお、本発明の酸性エステル油の酸価は、当業者に公知の方法で測定することができ、例えば、「基準油脂分析試験方法」(日本油化学協会編)に従って測定することができる。
これら総炭素数16以上のエステル化合物を含む、酸価15以上の酸性エステル油の表面処理量は無機粉体基剤の種類やその比表面積により異なるが粉体100重量部に対して0.1〜50重量部である。好ましくは0.3〜35重量部である。これら表面処理するための酸性エステル油は2種以上を混合して被覆処理したものでも構わない。被覆量が0.1重量部より少ないと粉体粒子表面の均一な被覆層が得られず粉体粒子は親油性にならず親油性溶媒への分散性が悪い。50重量部より多いと粉体粒子を凝集させる傾向があり親油性溶媒への分散性や分散安定性は向上しないばかりかまた不経済である。
また、三好化成株式会社より「MiBrid Dipersion」の名称ですでに上市されている基本技術を記載している公開公報である特開平2002−80748号記載のB層の表面処理剤としても好適である。A層の処理剤としては反応性オルガノポリシロキサン、アルキルシラン、ポリオレフィン、水添レシチン(塩の形態にあるものを含む。)、N−アシルアミノ酸(塩の形態にあるものを含む。)、脂肪酸(塩の形態にあるものを含む。)及びデキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステルの中から選択される化合物を含有する常温で固体状を有するものである。A層とB層の配合比はA層の処理量<B層の処理量(重量%)でかつA層の処理量は10重量%以下が好ましい。
さらに、本発明では前記酸性エステル油を粉体の分散剤としても使用できる。具体的には、酸性エステル油で表面処理された粉体と酸性エステル油、そして親油性溶媒との油性分散体、表面処理されていない粉体と酸性エステル油、そして親油性溶媒の配合組み合わせが可能である。
本発明に用いられる粉体としては、化粧料のみならずプラスチックの添加剤、インキ、塗料、トナー、電子材料等の各分野で使用される粉体が使用可能である。その平均粒子径は、好ましくは3000μm〜0.001μm程度、より好ましくは200μm〜0.005μm程度、最も好ましくは100μm〜0.01μm程度である。また、これら粉体の粒子径の測定方法としては、光学顕微鏡や電子顕微鏡により観察で計測される平均値で求められる。真球状でない粒子に関しては長径、短径、厚み等の合計の平均値より求める事ができる。
例えば、無機粉体としては、マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、合成マイカ、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、炭化ケイ素、タングステン酸金属塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロルヒドロキシアルミニウム、クレー、ベントナイト、ゼオライト、スメクタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等の体質顔料が、複合化された特殊な体質顔料としては、三好化成株式会社より発売されているエクセルマイカ、エクセルパール、パウダーラヴィ、SXI−5、SXI−9等が、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等が、着色顔料としては、赤酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、無機青色系顔料、カーボンブラック、低次酸化チタン、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、タール色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等が、光輝性顔料としては、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、魚鱗箔、合成マイカに酸化チタンを被覆した粉体、日本板硝子株式会社より「メタシャイン」なる商品名で発売されているシリカフレークに酸化チタンを被覆等した粉体、アルミナフレークに酸化スズと酸化チタンを被覆した粉体、アルミニウムフレークに酸化チタンを被覆した粉体、米国エッカート社より発売されているカッパーフレークにシリカを被覆した粉体、ブロンズフレークにシリカを被覆した粉体、アルミニウムフレークにシリカを被覆した粉体等が、平均粒子径0.1μm未満の微粒子粉体としては、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、微粒子酸化セリウム等が、特殊な粒子形状を有するものとしては、バタフライ状硫酸バリウム、花びら状酸化亜鉛、長径が数mmもあるナイロン繊維、その他の粉体としては、三井物産株式会社より「ルミノーバシリーズ」なる商品名で発売されている発光粉体、アルミニウムパウダー、ステンレスパウダー、トルマリン粉末、琥珀パウダー等が挙げられる。
有機粉体としては、ウールパウダー、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂パウダー、微結晶繊維粉体、澱粉粉末、アシル化リジン粉末、長鎖アルキルリン酸金属塩粉末、金属石鹸粉末、CIピグメントイエロー、CIピグメントオレンジ等が挙げられる。タール色素としては赤色3号、赤色10号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の粉体が挙げられる。
また、使用される粉体の形態としても前記複数の混合物、複合体、付着物等、通常化粧料に配合する形態を利用することができる。例えば、必要に応じてこれらの粉体を複合化またはドープ化したものを用いることができる。例としては、ベンガラ等の無機着色顔料を無水ケイ酸で被覆した粉体、ナイロンを白色顔料で被覆した粉体、体質顔料を微粒子白色顔料で被覆した粉体等が挙げられる。
本発明で、酸性エステル油を粉体に表面処理する方法としては、カルボン酸をフリー体のまま被覆しても良いしNa、K、並びにBa、Zn、Ca、Mg、Fe、Zr、Co、Al、Ti等の多価金属、アンモニウム、またはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリイソプロパノールアミン等の有機アルカノールアミンのオニウムの何れかで処理しても良い。ここでいう処理とはカルボン酸の水素原子を他の金属または有機基で置換した後または置換しながら表面処理することでありこれらに限定されるものではない。具体的には1.ヘンシルミキサーやスーパーミキサー等で酸性エステル油を混合後乾燥する乾式法、2.ニーダーやエクストルーダー等の練合機で混練後乾燥する方法、3.ボールミルやサンドグラインダー等のメカノケミカル型のミルで水や有機溶媒中に粉体を分散させ酸性エステル油を混合した後溶媒を除去して乾燥する方法、4.JETアトマイザーの様な高速気流中で粉体基剤と酸性エステル油を接触させて被覆する方法等がある。ここで言う表面処理方法とは、一般に粉体基剤の表面処理に適用出来る方法であれば良くこれらの方法に限定されるものではない。
表面処理される粉体基剤は表面処理剤との親和性や固着性の向上をはかるべく、例えばアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、セリウム、ケイ素、ジルコニウム、チタン、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、ニッケルおよびスズの少なくとも1種の酸化物または含水酸化物で被覆されていても構わない。さらにこれら粉体基材は表面処理の相乗効果をはかるべくあらかじめシリコーン化合物による表面処理、アシル化アミノ酸による表面処理、脂肪酸による表面処理、フッ素化合物による表面処理、レシチンによる表面処理、ポリエチレンによる表面処理、アルキルシランによる表面処理、アルキルチタネートによる表面処理、セラミドによる表面処理、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステルによる表面処理等の公知の表面処理剤で処理された粉体でも構わない。
本発明において油性分散体の分散媒としては、親油性のものであればよく、常温で液体状でも固体状でもよい。各種化粧料に使用可能な溶媒を使用するのが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール等の一価アルコール系溶剤類、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、イソヘキサン、イソオクタン、ガソリン、ミネラルスピリット等の石油系炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルベンゼン、アミルベンゼン等の芳香属炭化水素系溶剤類、ジペンテン、テレビン油等の植物系炭化水素系溶剤類、ニトロパラフィン、ニトロベンゼン等のニトロ炭化水素系溶剤類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、パークロルエチレン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、プロピレンオキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤類、ぎ酸メチル、ぎ酸エチル、ぎ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミル等のエステル系溶剤類、サフラワー油、大豆油、月見草油、ブドウ種子油、ローズヒップ油、ククイナッツ油、アルモンド油、ゴマ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、アボガド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ラッカセイ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油、カカオ脂、シア脂、木ロウ、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サザンカ油、茶油、牛脂、馬脂、ミンク油、乳脂、卵黄油、タートル油等の油脂類、流動パラフィン、流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、スクワレン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラノリン脂肪酸等の脂肪酸、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ホホバアルコール、バチルアルコール、コレステロール、フィトステロール、ラノリンアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、C12−15アルキルベンゾエート、イソノナン酸イソオクチル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、オクタン酸アルキル(C14,C16,C18)、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セトステアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸フィトステリル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、エイコセン酸オクチル、脂肪酸(C18−C36)グリコール、乳酸オクチルドデシル、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、アジピン酸PPG−3ミリスチル、アジピン酸PPG−2−ミレス−10、ジカプル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジノナン酸プロピレングリコール、ジカプリルカプリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸プロピレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、ダイマー酸ジイソプロピル、ダイマー酸硬化ヒマシ油、ダイマージリノール酸ジイソステアリル・フィトステリル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリルカプリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、カプリル/カプリン/ミリスチン/ステアリン酸トリグリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、トリベヘニン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリット、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸スクロース、ヒドロキシアルキル(C12−C14)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、ヒドロキシアルキル(C16−C18)ヒドロキシダイマージリノレイルエーテル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、オクタン酸/ステアリン酸/アジピン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸ミリスチル、ジイソノナン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、PPG−7/コハク酸オリゴエステル、ヘキシルデカン酸/セバシン酸ジグリセリルオリゴエステル、サリチル酸エチルヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジフィトステリル・オクチルドデシル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、等のエステル油類、ミツロウ、カンデリラロウ、鯨ロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、ヌカロウ、イボタロウ、オレンジラッフィー油、モンタンロウ、サトウキビロウ、セラックロウ、ラノリン、硬質ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、ホホバオイル、等のロウ類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロテトラシロキサン、アルキル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、オレフィン変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロジメチルシクロブタン、メトキシノナフルオロブタン、エトキシノナフルオロブタン、ドデカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、4−トリトリフルオロメチルパーフルオロモルホリン、4−ペンタフルオロエチルパーフルオロモルホリン等のフッ素系油剤、UV吸収剤としてはフェルラ酸イソステアリル、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N−ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル等の安息香酸類、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸類、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート等のサリチル酸類、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート等の桂皮酸類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、シリコーン変性紫外線吸収剤、フッ素変性紫外線吸収剤等が挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を本発明において親油性溶媒として使用できる。尚、複数成分の混合物で本発明に使用する親油性溶媒を構成する場合、複数成分を混合して得られた溶媒自体が親油性で均一の溶液であれば、構成成分の1種以上が親油性でなくとも構わない。
本発明の油性分散体はできるだけ単純な組成のものが好ましいが、酸性エステル油で被覆された表面処理粉体の含有量については特に制限はなく任意の割合で配合することができる。なお、前記表面処理粉体の好ましい含有量は1〜95重量%であり、特に好ましい含有量は5〜90重量%である。また、このような油性分散体を化粧料に配合する場合において、上記表面処理粉体と親油性溶媒と必要な場合にはその他の成分とを直接混合して化粧料を製造しても良く、あるいは、あらかじめ上記表面処理粉体と親油性溶媒とを混合して本発明の油性分散体を調製してからこれを用いて化粧料を製造してもいずれの方法でも良い。
本発明の油性分散体は、被覆粉体をより分散させるため、またその分散をより安定化させるため、又は油性分散体の機能を第三成分との相乗効果でより向上させるため等、各種の目的で第三成分以上の他の成分を含んでも良い。このような目的で配合される成分には、各種の界面活性剤が含まれ、例えばPOEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、脂肪酸セッケン、スルホコハク酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジエタノールアミン、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン系界面活性剤、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アルキルベタイン、アミドベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン系両性界面活性剤、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEソルビタンモノオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル、POEモノオレート、POEジステアレート等のPOE脂肪酸エステル、POEラウリルエーテル、POEステアリルエーテル等のPOEアルキルエーテル、POE・POP水添ラノリン等のPOE・POPアルキルエーテル、硬化ひまし油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、アルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸等のノニオン系界面活性剤、その他レシチン等のリン脂質類、トレハロースリピド等の糖脂質類、パーフルオロアルキルリン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素系界面活性剤等、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ベントナイト、スメクタイト、カオリン等の天然又は合成の粘土鉱物、有機アミンカチオン変性ベントナイト等の有機変性粘土鉱物、アエロゾル等を挙げることができる。
本発明で使用する被覆粉体を分散媒に混練又は混合分散させる方法は、公知の方法を採用すればよく特に限定されない。例えば、ニーダー混練、ヘンシル混練、ロール混練、エクストルーダー混練等の混練混合機、プロペラミキサー、ハイスピードミキサー、ディゾルバー、ホモジナイザー、アルテマイザー、湿式ジェットミル、コロイドミル、マスコロイダー、ビーズミル、サンドミル、バスケットミル等の湿式混合分散機を使用して油性分散体を製造することができる。
常温で固体状の親油性溶媒(1種単独溶媒又は複数溶媒の混合物が含まれる。)に被覆粉体を分散させる方法としては、特に困難は無い。例えば、その親油性溶媒を融点以上の温度に加熱して液化した状態で粉体を分散させるとよい。この方法は、例えば口紅等の常温で固体状のワックス等を多く配合する剤型に普通に行われる方法である。
更に、本発明の油性分散体は従来から使用されている粉体や被覆粉体を配合することなく本発明で使用する被覆粉体のみで分散体とすることが、本発明の効果をより発現する点で好ましいが、本発明の効果を害しない範囲で従来から使用される粉体を一部配合して油性分散体とすることもできる。あるいは、本発明に使用する酸性エステル油を粉体に表面処理する工程と、親油性溶媒と混合して油性分散体を調製する工程とを同時に行うことも可能である。
本発明の油性分散体を配合する化粧料としては、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、スティックファンデーション、プレストパウダー、フェイスパウダー、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、マスカラ、水性ネイルエナメル、油性ネイルエナメル、乳化型ネイルエナメル、エナメルトップコート、エナメルベースコート、等の仕上用化粧品、エモリエントクリーム、エモリエントローション、ミルキーローション、マッサージローション、コールドクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、カーマインローション、クレンジングジェル、液状洗顔料、洗顔フォーム、洗顔クリーム、洗顔パウダー、メイククレンジング、ボディグロス、等の基礎化粧品、ヘアーグロス、ヘアクリーム、ヘアオイル、ヘアーシャンプー、ヘアリンス、ヘアカラー、ヘアブラッシング剤、等の頭髪用化粧品、その他として日焼け止め及び日焼けクリームや乳液、石鹸、浴用剤、制汗剤、香水等を挙げることができる。
本発明の油性分散体を配合する化粧料には、発明の効果を損なわない範囲で、通常の化粧料等に用いられる顔料分散剤、油剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤、皮膜形成剤、保湿剤、増粘剤、染料、顔料、香料等を適宜配合することができる。
(化粧料以外の用途)
本発明の油性分散体は、化粧料のみならずプラスチックの添加剤、インク、塗料、トナー(磁性粉)、化学繊維、包装材料、電子材料等の各種分野で広く使用される粉体の油性分散体にも適用可能である。特に、他の分野で、化粧料に使用可能な粉体を使用し、同様に分散体を必要とする場合には、上記化粧料用に説明した油性分散体が当該他の分野でも同様に採用可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。当然のことながら、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
[酸性エステル油の合成例1](一価アルコールと二塩基酸の部分エステル)
攪拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管および水分離器を備えた四つ口フラスコにオレイルアルコール2.2kg、コハク酸0.8kgとキシレンおよびパラトルエンスルホン酸を全仕込み量に対して5%、0.2%加え、180℃にて計算量の水が水分離器にたまるまで反応を行う。反応終了後、未反応物を分別し、常法にて脱臭・脱色し酸性エステル油2.2kgを得た。得られたエステル油の酸価は43であった。
[酸性エステル油の合成例2](一価のアルコールとヒドロキシ二塩基酸の部分エステル)
合成例1と同様にして、ラウリルアルコール2.0kg、リンゴ酸1.0kgを反応させる。反応終了後、常法にて精製し酸性エステル油2.5kgを得た。得られたエステル油の酸価は35であった。
[酸性エステル油の合成例3](二価アルコールと二塩基酸の部分エステル)
合成例1と同様にして、ネオペンチルグリコール1.2kg、アジピン酸1.8kgを反応させる。反応終了後、常法にて精製し酸性エステル油2.4kgを得た。得られたエステル油の酸価は75であった。
[酸性エステル油の合成例4](四価アルコールと二塩基酸のエステル)
合成例1と同様にして、ペンタエリスリット1.0kg、アゼライン酸2.0kgを反応させる。反応終了後、常法にて精製し酸性エステル油2.4kgを得た。得られたエステル油の酸価は70であった。
[酸性エステル油の合成例5](一価アルコールと多塩基酸の部分エステル)
合成例1と同様にして、イソステアリルアルコール2.2kg、クエン酸0.8kgを反応させる。反応終了後常法にて精製し酸性エステル2.3kgを得た。得られたエステル油の酸価は88であった。
[酸性エステル油の合成例6](一価アルコールと多塩基酸の部分エステル)
合成例1と同様にして、イソステアリルアルコール2.0kg、クエン酸1.0kgを反応させる。反応終了後常法にて精製し酸性エステル2.2kgを得た。得られたエステル油の酸価は135であった。
[酸性エステル油の合成例7](一価アルコールとダイマー酸の部分エステル)
合成例1と同様にして、イソパルミチルアルコール1.5kg、ダイマー酸(オレイン酸二量体を主成分とする炭素数36の二塩基酸)3.4kgを反応させる。反応終了後常法にて精製し酸性エステル3.6kgを得た。得られたエステル油の酸価は48であった。
[油性分散体の製造実施例1]
セリサイトFSE(三信鉱工(株))100重量部に合成例1の酸性エステル油を5重量部と軽質流動イソパラフィン5重量部を加え高速ヘンシルミキサーで15分間混合した。その後、アトマイザーを通した後105℃で8時間乾燥し酸性エステル油処理セリサイトを得た。酸性エステル処理セリサイト80重量部とC12−C15アルキルベンゾエート(FINSOLV TN:FINETEX社)20重量部をホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散して油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例2]
酸化チタンCR−50(石原産業(株))100重量部と合成例2の酸性エステル油5重量部をヘンシルミキサーで10分間混合する。この混合物をジェットミル(ホソカワミクロン(株))で粉砕処理した後、105℃で8時間乾燥して酸性エステル油処理酸化チタンを得た。酸性エステル処理酸化チタン2重量部とラウリン酸ヘキシル(クロダモルHL−R:クローダジャパン(株))93重量部、ヤシ油グルコシド2.5重量部、及びポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート2.5重量部とを90℃にてホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例3]
実施例1のセリサイトを酸化鉄イエローLL−100P(チタン工業(株))に変え、更に合成例1の酸性エステル油を合成例3の酸性エステル油5重量部に変えて同様に表面処理を行い酸性エステル油処理黄酸化鉄を得た。酸性エステル処理黄酸化鉄70重量部とN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジフィトステリル(エルデュウPS203:味の素(株))30重量部をホモディスパーで5分間混合分散後、サンドグラインダーを通し分散して油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例4]
実施例1のセリサイトを酸化鉄ベンガラ七宝(森下弁柄工業(株))に変え、更に合成例1の酸性エステル油を合成例4の酸性エステル油6重量部に変えて同様に表面処理を行い酸性エステル油処理ベンガラを得た。酸性エステル処理ベンガラ50重量部とトリオクタノイン(TIO:日清オイリオ(株))50重量部を練合機で練り合わせた後、3本ロールにて分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例5]
実施例1のセリサイトを酸化鉄ブラックBL−100P(チタン工業(株))に変え、更に合成例1の酸性エステル油を合成例5の酸性エステル油5重量部に変えて同様に表面処理を行い酸性エステル油処理黒酸化鉄を得た。酸性エステル処理黒酸化鉄65重量部とステアリル変性アクリルシリコーン(KP−561P:信越化学工業(株))35重量部を練合機で練り合わせた後3本ロールにて分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例6]
脂肪酸処理微粒子酸化チタン(TTO−S−4:石原産業(株))100重量部に合成例6の酸性エステル油10重量部を加え高速ヘンシルミキサ−で20分間混合する。この混合物をジェットミル(ホソカワミクロン(株))で粉砕処理した後、105℃で5時間乾燥して酸性エステル油処理微粒子酸化チタンを得た。酸性エステル処理微粒子酸化チタン30重量部とオクトクリレン(Eusolex OCR:MERCK社)65重量部、及びアエロゾルR812(日本アエロゾル(株))5重量部とをホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例7]
微粒子酸化亜鉛(FINEX−50:堺化学工業(株))100重量部に合成例7の酸性エステル油7重量部とシリコーンオイルKF−9901(信越化学工業(株))5重量部を加え高速ヘンシルミキサーで20分間混合する。その後、アトマイザーを通した後105℃で6時間乾燥し酸性エステル油処理微粒子酸化亜鉛を得た。酸性エステル処理微粒子酸化亜鉛60重量部とイソヘキサデカン(パーメチル101A:PRESPERSE)40重量部とをホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例8]
雲母チタン(メルクジャパン(株):TIMIRON SUPER BLUE)100重量部に合成例6の酸性エステル油7重量部を加えヘンシルミキサーで15分間混合する。その後105℃で5時間乾燥し酸性エステル油処理雲母チタンを得た。酸性エステル処理雲母チタン65重量部と酢酸エチル35重量部をホモディスパーで20分間混合分散し油性分散体を得た。
[油性分散体の製造実施例9]
エクセルマイカJP−2(三好化成株式会社)100重量部に合成例6の酸性エステル油10重量部を加えヘンシルミキサーで10分間混合する。その後105℃で5時間乾燥し酸性エステル油処理エクセルマイカJP−2を得た。酸性エステル処理エクセルマイカJP−2を70重量部とジオクタン酸ネオペンチルグリコール30重量部をホモディスパーで20分間混合分散し油性分散体を得た。
[比較例1]
特開2002−128628号公報の実施例6に記載の方法でセリサイトFSE(三信鉱工(株))をポリダイマージリノール酸ダイマージリノレイル5重量%処理セリサイトを得た。この処理セリサイト80重量部とC12−C15アルキルベンゾエート(FINSOLV TN:FINETEX社)20重量部をホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散して油性分散体を得た。
[比較例2](特表2001−524504号公報記載の油性分散体)
酸化チタンCR−50(石原産業(株))2重量部と、ラウリン酸ヘキシル(クロダモルHL−R:クローダジャパン(株))93重量部、ヤシ油グルコシド2.5重量部、及びポリグリセリル2―ジポリヒドロキシステアレート2.5重量部とを90℃にてホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで分散し室温に冷却して油性分散体を得た。
[比較例3]
特開2002−188024号公報の実施例4に記載の方法で酸化鉄イエローLL−100P(チタン工業(株))を処理しイヌリンステアリン酸エステル処理黄酸化鉄を得た。この処理黄酸化鉄70重量部とN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジフィトステリル(エルデュウPS203:味の素(株))30重量部とをホモディスパーで5分間混合分散後、サンドグラインダーを通し分散して油性分散体を得た。
[比較例4](特開平2002−363033号公報記載の油性分散体)
ベンガラ七宝(森下弁柄工業(株))50重量部とヘキサデセンコポリマー20重量部、トリオクタノイン(TIO:日清オイリオ(株))50重量部とを練合機で練り合わせた後、3本ロールにて分散し油性分散体を得た。
[比較例5]
特開平05−339518号公報の実施例1に記載の方法で酸化鉄ブラックBL−100P(チタン工業(株))を処理しジメチルポリシロキサン5重量%処理黒酸化鉄を得た。この処理黒酸化鉄65重量部とステアリル変性アクリルシリコーン(KP−561P:信越化学工業(株))35重量部とを練合機で練り合わせた後3本ロールにて分散し油性分散体を得た。
[比較例6](特開2000−26262号公報の油性分散体の製造)
脂肪酸処理微粒子酸化チタン(TTO−S−4)30重量部とオクトクリレン(Eusolex OCR:MERCK社)65重量部、及びアエロゾルR812(ドイツ:Degussa社)5重量部とをホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散し油性分散体を得た。
[比較例7]
特表2002−516602号公報の実施例16に記載の方法で微粒子酸化亜鉛(FINEX−50:堺化学工業(株))を処理しシリコーンポリマー処理10重量%処理微粒子酸化亜鉛を得た。この処理微粒子酸化亜鉛60重量部とイソヘキサデカン(パーメチル101A:PRESPERSE)40重量部とをホモディスパーで5分間混合分散後、ホモジナイザーで15分間分散し油性分散体を得た。
[比較例8]
特開2001−181136号公報の製造例1に記載の方法で雲母チタン(メルクジャパン(株):TIMIRON SUPER BLUE)を処理しN−オクチルトリエトキシシラン7重量%処理雲母チタンを得た。この処理雲母チタン65重量部と酢酸エチル35重量部とをホモディスパーで20分間混合分散し油性分散体を得た。
[比較例9]
特開2000−212041号公報の実施例3−1に記載の方法でエクセルマイカJP−2(三好化成株式会社)100重量部にN−パルミトイルシルクアミノ酸亜鉛5重量%被覆エクセルマイカJP−2を得た。この処理エクセルマイカJP−2を70重量部とジオクタン酸ネオペンチルグリコール30重量部とをホモディスパーで20分間混合分散し油性分散体を得た。
上記の如く得られた本発明の酸性エステル油により被覆された表面処理粉体と親油性溶媒とを含有する油性分散体と比較例の分散体について下記の試験方法による評価を行った。結果を表1に示した。
(1)油性分散体中の粉体の粒度
各ディスパージョンをレーザー回折式粒度測定装置((株)島津製作所製「SALD−2000J」)の高濃度粒度測定装置を用いて平均粒子径(D50:μm)を測定した。
(2)経時での分散安定性
各ディスパージョンを50ccの透明ガラス容器に30cc採り蓋をして50℃のオーブン中に1ヶ月間放置し固液の分離状態(安定:〇、分離:×)を観察した。
(3)経時での油性分散体中の粉体の粒度
上記(2)の試料を上記(1)の方法で平均粒子径(D50)を測定した。
Figure 0004317424
表1に示すように本発明の油性分散体は、従来の油性分散体(比較例1〜9)と比較して分散性と分散安定性に非常に優れている。また、表1から本発明の油性分散体では、エステル油の酸価が15以上100以下とした場合(実施例1〜5及び7)には分散性と分散安定性に特に優れている事が分かる。
次に本発明の油性分散体を各化粧料に配合し従来の油性分散体と比較しその効果を検証した。
[実施例1](2WAYパウダーファンデーション)
表2に示す組成の2WAYパウダーファンデーションを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜6を混合して均一に粉砕した。
(2)成分7〜12を均一に溶解する。
(3)上記(2)を(1)に加え粉砕しフルイに通した後プレス成型してパウダーファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例のパウダーファンデーションは、比較例のものと比較して使用感が良く化粧持ちに優れ温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例2](アイシャドウ)
表3に示す組成のアイシャドウを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜6を混合して均一に粉砕した。
(2)成分7〜12を均一に溶解する。
(3)上記(2)を(1)に加え粉砕しフルイに通した後プレス成型してアイシャドウを得た。
以上のようにして得られた実施例のアイシャドウは、比較例のものと比較して付着性が良く温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例3](乳化型ファンデーション)
表4に示す組成の乳化型ファンデーションを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜6を混合溶解し、成分7〜11を添加して均一に分散した。
(2)成分12〜16を加熱溶解する。
(3)上記(1)で得られた成分に上記(2)で得られた成分を徐添して乳化後冷却して成分17を添加して乳化型ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた実施例の乳化型ファンデーションは、比較例のものと比較して発色性や使用感が良く化粧持ちに優れ温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例4](アイライナー)
表5に示す組成のアイライナーを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜5を加温混合して均一に分散した。
(2)成分6〜8を加温溶解した。
(3)上記(1)に(2)を徐添して乳化後冷却して成分9を加えアイライナー
を得た。
以上のようにして得られた実施例のアイライナーは、比較例のものと比較して付着性が良く温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例5](エモリエントクリーム)
表6に示す組成のエモリエントクリームを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜5を混合溶解し、成分6、7を添加して均一に分散した。
(2)成分8〜11を加熱溶解した。
(3)上記(1)で得られた成分に上記(2)で得られた成分を徐添して乳化後冷却して成分12を添加してエモリエントクリームを得た。
以上のようにして得られた実施例のエモリエントクリームは、比較例のものと比較して発色性と使用感が良く温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例6](2層型サンスクリーンローション)
表7に示す組成のサンスクリーンローションを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜5を混合溶解し、成分6、7を添加して均一に分散した。
(2)成分8〜12を加熱溶解した。
(3)上記(1)で得られた成分に上記(2)で得られた成分を徐添して乳化後冷却して成分13を加えサンスクリーンローションを得た。
以上のようにして得られた実施例のサンスクリーンローションは、比較例のものと比較して紫外線防止効果が高くかつ使用感が良好で温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例7](口紅)
表8に示す組成の口紅を次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分1〜6と成分9.10を加熱して均一に溶解する。
(2)成分7と8を加え均一に分散した。
(3)脱気後、型に流し込みし冷却した後フレーミングをして口紅を得た。
以上のようにして得られた実施例の口紅は、比較例のものと比較して発色性、光沢、およびすべり性が良く温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例8]
(ネイルエナメルの製造)
表9に示す組成のネイルエナメルを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
成分1〜9を均一に混合分散溶解した。
上記(1)に成分10を添加してネイルエナメルを得た。
以上のようにして得られた実施例のネイルエナメルは、比較例のものと比較して光輝感に優れ温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例9](アイライナー)
表10に示す組成のアイライナーを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
成分3〜10を0加熱して均一に混合分散する。
上記(1)を成分1および2を加え、攪拌しながら冷却しアイライナーを得た。
以上のようにして得られた実施例のアイライナーは、比較例のものと比較して付着性が良く温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例10](洗顔フォーム)
表11に示す組成の洗顔フォームを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
成分2〜4の成分を混合して溶解する。
上記(1)に成分1を分散する。
成分5を成分6に加熱溶解後、上記(2)に加え洗顔フォームを得た。
以上のようにして得られた実施例の洗顔フォームは、比較例のものと比較して使用感が良く洗浄後のつっぱり感がなく温度変化や経時による安定性に優れたものであった。
[実施例11](ボディシャンプー)
表12に示す組成のボディシャンプーを次の方法により製造した。
Figure 0004317424
(製法)
(1)成分2〜6を混合溶解する。
(2)上記(1)に成分1を加えよく混合してボディシャンプーを得た。
以上のようにして得られた実施例のボディシャンプーは、比較例のものと比較して洗浄後のつっぱり感がなく温度変化や経時による安定性に優れたものであった。

Claims (6)

  1. 酸性エステル油(但し、キャンデリラワックスを除く。)で被覆された表面処理粉体と分散媒として親油性溶媒とを含有する粉体の油性分散体であって、
    前記酸性エステル油が、炭素数1〜36の少なくとも1種のアルコールであってエステル基を有していないものと、炭素数1〜36の少なくとも1種の多塩基酸のカルボン酸とを、エステル化反応だけさせて得ることができる総炭素数16以上の部分エステル化合物(但し、ポリエステル、エステル基を含有するアクリル系シリコーングラフトポリマー、及びこれ以外の共重合体を除く。)を含み、且つ前記酸性エステル油の酸価が15以上であり、
    前記多塩基酸のカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、フェニレン−1,2−ジ酢酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、1−,10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,28−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、クエン酸、アミノ酸及びアシル化されたアミノ酸の中の少なくとも1種であることを特徴とする化粧料用の油性分散体。
  2. 酸性エステル油で被覆された表面処理粉体と分散媒として親油性溶媒とを含有する粉体の油性分散体であって、
    前記酸性エステル油が、炭素数1〜36の少なくとも1種のアルコールであってエステル基を有していないものと、炭素数1〜36の少なくとも1種の多塩基酸のカルボン酸とを、エステル化反応だけさせて得ることができる総炭素数16以上の部分エステル化合物(但し、ポリエステル、エステル基を含有するグラフト共重合体、エステル基を含有するシリコーン系グラフトポリマー、及びこれら以外の共重合体を除く。)を含み、且つ前記酸性エステル油の酸価が15以上であり、
    前記多塩基酸のカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、シクロブタン−1,1−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、フェニレン−1,2−ジ酢酸、ジグリコール酸、ジチオグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸、オクタコサン二酸、1−,10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,28−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、クエン酸、アミノ酸及びアシル化されたアミノ酸の中の少なくとも1種であることを特徴とするプラスチックの添加剤、インク、塗料、トナー、化学繊維、包装材料、電子材料のうちのいずれかの分野で使用する油性分散体。
  3. 前記アルコールが、直鎖状炭素、分岐状炭素、飽和炭素、不飽和炭素、脂環式炭素、及び芳香環からなる群より選択される少なくとも1種の炭素鎖を有する1価又は多価アルコールである請求項1〜何れか一項に記載の油性分散体。
  4. 前記酸性エステル油の酸価が15以上100以下である請求項1〜何れか一項に記載の油性分散体。
  5. 前記表面被覆粉体の含有量が0.1〜95重量%である請求項1又は2に記載の油性分散体。
  6. 請求項1に記載の油性分散体を0.1〜100重量%含むことを特徴とする化粧料。
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