JP4317302B2 - 熱成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱成形装置に関し、特に、所定の場所に位置決めされた被加熱シートのシート面を加熱して軟化させ、所望の部位を型成形して成形品を形成する熱成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱成形装置には、印刷部分を有する被加熱シートをクランプするクランプ枠と、このクランプ枠にクランプされた被加熱シートを加熱して軟化させる加熱用ヒータと、軟化した被加熱シートを型成形する型成形機構とが備えられており、同被加熱シートを位置決めさせつつクランプ枠にクランプし、このクランプされた被加熱シートを加熱して全体を軟化させた後、軟化した被加熱シートにおける印刷部分を含む所定の部位を型成形することで、同被加熱シートに成形品を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の熱成形装置において、クランプ枠にクランプされた被加熱シートは、加熱用ヒータにより加熱されて軟化したとき、この軟化した部位がドローダウンする。
本発明は、被加熱シートの位置ずれを低減させ、所望の部位における型成形が可能な熱成形装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行う遮蔽板と、上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する熱成形手段とを具備し、上記遮蔽板は、上記被加熱シートの両シート面に重ね合わされ、上記熱成形手段は、上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位には、シール構造が形成され、上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成する構成としてある。
また、請求項2にかかる発明は、第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行う遮蔽板と、上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する熱成形手段とを具備し、上記遮蔽板は、上記被加熱シートの両シート面に重ね合わされ、上記熱成形手段は、上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位には、シール構造が形成され、上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成する構成としてある。
上記のように構成した発明において、上記位置決め手段は、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めし、上記遮蔽板は、この被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行う。すると、上記熱成形手段は、上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する。
【0005】
このとき、上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲では、上記熱成形手段が加熱を行っても熱遮断されているため、加熱によって軟化されず、必要な部位だけが加熱されて軟化される。すなわち、軟化を必要としない部位までが軟化してドローダウンするのを防ぎ、位置決めされた被加熱シートにおける型成形部位の位置ずれを低減させている。
従って、上記熱成形手段は、軟化した被加熱シートにおける所望の部位を型成形して成形品を形成することになる。
ここにいう被加熱シートとは、加熱により軟化して型成形が可能となるシートであれば良く、所定のサイズに加工されたカットシートであっても良いし、所定方向に連続するロールシートであっても良い。
【0006】
この被加熱シートは、例えば、型成形部位に印刷が施された印刷シートであれば、型成形部位、すなわち、印刷部分における位置ずれを低減させられる点で有用となるし、複数の型を用いて成形を行う場合であれば、各型により形成される成形品どうしの位置関係を正確に決めることができる点で有用となる。
上記位置決め手段は、上記被加熱シートを位置決めするものであれば良く、同被加熱シートの周縁部位を位置決めさせつつクランプするクランプ枠であっても良いし、同被加熱シートをクランプすることなく所定位置に載置する位置決め台などであっても良い。
【0007】
当該熱成形装置には、上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位を加熱した際、この加熱された部位が軟化してドローダウンするのを防止するために付加構成を設けることも可能である。
この場合における構成の一例として、上記被加熱シートのシート面は、上記位置決めピンを挿通させたピン挿通穴を有する下方から耐熱性シートに支持されてもよい
【0008】
上記のように構成した発明においては、上記熱成形手段により、上記被加熱シートのシート面を加熱した際、下方から耐熱性シートによって支持されるため、軟化してもドローダウンを生じることがない。従って、位置決めされた被加熱シートにおける型成形部位の位置ずれをより低減させることになる。
また、上記熱成形手段により行う型成形を円滑に行うため、上記耐熱性シートに付加要件を加えることも可能である。この場合における構成の一例として、上記耐熱性シートは、延伸性を有していてもよい
【0009】
上記のように構成した発明においては、上記熱成形手段が上記被加熱シートを型成形するとき、この被加熱シートが型面によって押し下げられると、下側シート面によって上記耐熱性シートが下方へ押圧される。すると、耐熱性シートは、この押圧力によって下方へ引き延ばされ、上記被加熱シートとともに変形する。
このため、上記耐熱性シートは、上述したように、被加熱シートを下方から支持して同被加熱シートのドローダウンを防ぐことができるたけでなく、この被加熱シートの変形の妨げとならず、型成形を円滑に進行させることも可能となる。
【0010】
ここで、上記耐熱性シートは、軟化した被加熱シートを下方から支持してドローダウンを防止する点で有用となるが、かかる効用だけでなく、同被加熱シートに略密着させることで、シート面方向への位置ずれを低減させることも可能である。
すなわち、上記被加熱シートに各部位によって加熱の度合いが異なる場合、例えば、この被加熱シートの周縁をクランプして位置決めすることでシート面に張力が加わっている場合、加熱が進んでいる部分は、軟化して膨張しようとし、一方、加熱が遅れている部分は、収縮力によってこの軟化して膨張しようとしている部分を引き寄せようとするため、上記軟化部位に位置ずれを生じてしまう。そこで、このシート面方向への位置ずれを低減させるべく、上記被加熱シートを上記耐熱性シートに略密着させるための付加構成を設けることも可能である。
【0011】
かかる場合における構成の一例として、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段を備えていてもよい。
また、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段は、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間を略真空状態にする真空引き手段とされてもよい
上記のように構成した発明においては、上記被加熱シートが上記位置決め手段により位置決めされ、この被加熱シートの下側シート面に上記耐熱性シートが配置されたとき、上記真空引き手段は、同被加熱シートの下側シート面と同耐熱性シートの上側シート面との間を略真空状態にする。
【0012】
すると、上記被加熱シートの下側シート面は、上記耐熱性シートの上側シート面に略密着するため、上述したように、加熱ムラが生じた場合であっても、略密着する耐熱性シートのシート面により、同被加熱シートのシート面上における各部分の位置を固定し、上記軟化部位がシート面方向へ位置ずれするのを防止する。
この際、上記耐熱性シートに対し、シート面方向に張力を与えておくと、同耐熱性シート自体の位置ずれも抑制され、また、上記被加熱シートの密着性も向上するため、より効果的に上記軟化部位の位置ずれを低減させることが可能となる。
なお、ここで、略真空状態というのは、少なくとも上記軟化部位がシート面方向へ位置ずれしないように、上記耐熱性シートによって被加熱シートにおける各部位の位置を固定することができれば良いことから、ある程度の真空状態が作り出されれば足りる場合もあり、必ずしも完全な真空状態だけを意味するものではない。また、同様に、略密着というのも、完全に密着している状態だけに限定されるものではない。
また、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段は、重ねられた上記被加熱シートおよび上記耐熱性シートの外側に圧空を供給して当該被加熱シートのシート面と当該耐熱性シートとの間の空気を追い出す手段とされてもよい。
【0013】
上記遮蔽板は、上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行うものであれば良く、熱遮蔽を行う位置を限定するものではない。すなわち、上記熱成形手段における熱源に近い位置で熱遮断するものであっても良いし、同被加熱シートに近い位置で熱遮断するものであっても良い。
後者の場合における構成の一例として、上記遮蔽板は、上記位置決めピンを挿通させた第二のピン挿通穴を有して上記被加熱シートのシート面に重ね合わされる遮蔽板で構成してもよい。
【0014】
上記のように構成した発明においては、上記熱成形手段が上記被加熱シートのシート面を加熱すると、同被加熱シートのシート面に重ね合わされた遮蔽板が熱遮断するため、軟化が必要な部位の周囲における加熱を防いで軟化を防止する。
ここで、例えば、上記遮蔽板を上記被加熱シートから離れた位置に配置しようとすれば、軟化の必要がない部位だけを正確に遮蔽するためには、同遮蔽板の位置調整が必要となる。
【0015】
しかし、この遮蔽板の位置調整は、被加熱シートの加熱を行いつつ微調整を繰り返したり、正確な位置を算出するための計算が必要になったりするため、作業効率が悪化する原因となる。
一方、上記被加熱シートのシート面に上記遮蔽板を重ね合わせる場合、上記遮蔽板を上記被加熱シートにおける所望の位置が露出されるように重ね合わせるだけで、軟化させる必要のない部位を容易に遮蔽することができるため、作業効率の悪化を防ぐ点で有用となる。
【0016】
上記熱成形手段は、上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形するものであれば良く、同被加熱シートにおける片側のシート面を加熱して軟化部位を型成形するものであっても良いし、同被加熱シートにおける両側のシート面を加熱して軟化部位を型成形するものであっても良い。
後者にかかる構成の一例として、上記遮蔽板は、上記被加熱シートの両シート面に配置されてもよい
【0017】
上記のように構成した発明においては、上記熱成形手段が上記被加熱シートの両シート面を加熱すると、各シート面に重ね合わされた遮蔽板が熱遮断するため、軟化が必要な部位の周囲を加熱して軟化させるのを防ぐ。
上記熱成形手段は、上記被加熱シートにおける軟化部位を型成形するものであれば良く、構成の一例として、上記熱成形手段は、上ケーシングと下ケーシングとから構成され、同上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ、同上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉し、内部に配設された型構造により、同被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成するチャンバを備え、上記上ケーシングおよび下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位には、シール構造が形成されてもよい
【0018】
上記のように構成した発明においては、上記チャンバを構成する上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ、同上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させると、同上ケーシングおよび下ケーシングの開口縁部と同遮蔽板との当接部位に形成されたシール構造は、各開口縁部と遮蔽板との間をシールする。また、上記被加熱シートは、各遮蔽板から押圧されて密着するため、上記チャンバが密閉されることとなる。
すると、上記チャンバの内部に配設された型構造は、上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成する。
【0019】
ここで、例えば、チャンバと遮蔽板とがともに金属製などの剛性を有する材料で構成されている場合、この遮蔽板と上ケーシングおよび下ケーシングの開口縁部との当接面を密着させることができない。
そこで、上述したように、弾性部材などにより構成される簡易なシール構造を上記当接面に介在させることで、上記上ケーシングおよび下ケーシングの開口縁部と遮蔽板との間が直接密着した状態とならなくても、チャンバの気密性を確保することが可能となる。
なお、ここにいう型構造とは、雄型と雌型、あるいは、プラグと雌型とにより構成されるものであっても良いし、雄型もしくは雌型だけで構成されるものであっても良い。また、差圧成形とは、型面側を真空にするとともに、被加熱シートを介した反対側に圧空を加えて行う成形であっても良いし、型面側を真空にするだけ、あるいは、被加熱シートを介した型面の反対側に圧空を加えるだけのものであっても良い。
【0020】
ここで、上記チャンバには、上記位置決め手段にて位置決めされた軟化部位に位置ずれが生じないように、上記被加熱シートを支持するための構成を付加することも可能である。
この場合における構成の一例として、上記チャンバには、上記上ケーシングの内側から下方へ突設された第一の支持構造と、上記下ケーシングの内側から上方へ突設された第二の支持構造とを備え、同第一の支持構造と第二の支持構造とにより、上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めするクランプ構造が形成されてもよい
【0021】
上記のように構成した発明においては、上記上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉するとき、同上ケーシングの内側から下方へ突設された第一の支持構造と、上記下ケーシングの内側から上方へ突設された第二の支持構造とを備えるクランプ構造は、上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めする。
すると、上記軟化部位が型成形される際、この軟化部位に伴って、周囲の軟化していない部位が同軟化部位の側へ引っ張られることで、成形品の形成部位が位置ずれするのを防止する。
【0022】
すなわち、上記被加熱シートが上記型構造によって押圧されると、この押圧力により軟化部位はシート面と略直交する側へ変形する。この際、周囲の軟化していない部位までもが同軟化部位の変形に伴って引っ張られるのを防ぎ、軟化部位が均等に変形させることで、成形品の形成部位が正規の位置からずれるのを防止する。
なお、型成形時における成形品形成位置のずれは、上記上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉するタイミングと関係なく抑制することができるが、この位置ずれの防止に加え、同上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉する際、各開口縁部を上記遮蔽板に当接させることで同遮蔽板が位置ずれし、この遮蔽板の位置ずれに伴って上記被加熱シートの軟化部位が位置ずれするのを防ぐことも可能である。
【0023】
すなわち、上記上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉する前に、上記クランプ構造が上記軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めしておけば、同上ケーシングと下ケーシングとの開口を対向させて密閉する際、上記遮蔽板が位置ずれを生じたとしても同軟化部位の位置ずれはくい止められる。
従って、上記クランプ構造は、型成形時における成形品形成位置の位置ずれだけでなく、上記チャンバを密閉させる際における遮蔽板の位置ずれに伴う軟化部位の位置ずれをも防ぐことができる。
【0024】
また、上記チャンバには、上記型構造の温調機能を付加構成として設けることも可能である。
この場合における構成の一例として、上記チャンバは、上記型構造を加熱して差圧成形に適した温度に維持させる型温調手段を備えていてもよい
上記のように構成した発明において、上記チャンバに備えられた型温調手段は、上記型構造を加熱して差圧成形に適した温度に維持させ、成形時、軟化した被加熱シートが温度の低い型構造によって急激に冷まされるのを防止する。
【0025】
すなわち、型成形時、軟化した被加熱シートを急激に冷やすと、軟化部位における各部分によって冷却ムラが生じるため、冷却が遅くて軟らかい部分は膨張しようとし、一方、冷却が速くて収縮を始める部分は軟らかい部分における膨張を促進させる。このため、例えば、上記被加熱シートに印刷が施されている場合などには、この印刷が軟らかい部分から収縮を始める部分に向かって位置ずれする。
そこで、上記チャンバに上記型温調手段を設けることにより、冷却ムラによる軟化部分の位置ずれを低減させ、型成形によって位置決めされた正規の軟化部位に成形品を形成できるようにしている。
【0026】
また、上記成形品が形作られるまでに、軟化した被加熱シートが冷やされて硬い状態に戻りかけてしまうと、上記型構造の型面により同被加熱シートが押圧されて変形する際、この被加熱シートの成形が不十分となって、型面に沿った所望の型成形ができないおそれがある。
特に、上記型構造が複雑で細かい場合などには、上記被加熱シートが十分に変形しないがために、例えば、角部の成形が不十分となることが予想される。
従って、上記チャンバに上記型温調手段を設けることにより、上述した被加熱シートにおける冷却ムラによる軟化部位の位置ずれだけでなく、型成形における軟化部位の十分な成形を可能にすることで、型面に忠実な成形品を確実に形作らせることができる。
【0027】
通常、加熱されて軟化した被加熱シートは、型成形時、型構造における温度の低い型面に当接することで、離型温度まで冷却されるが、上記チャンバに上記型温調手段を設けることにより、上記被加熱シートにおける冷却ムラや成形品が形作られるまでの冷却を防止すべく、あえて型面を加熱して所定の温度に維持させている。
このため、上記被加熱シートに成形品が形作られた後、この成形品を離型するために所定の離型温度まで冷却させるための構成が有用となる。
【0028】
この型構造を冷却させるための構成例として、上記チャンバは、上記型構造を離型温度付近まで冷却する冷却手段を備えていてもよい
上記のように構成した発明において、上記型構造が上記成形品の形成を終えると、上記チャンバに備えられた冷却手段は、所定温度に温調制御されている型構造を離型温度付近まで冷却する。このとき、形成された成形品は、この冷却された型構造により、上記離型温度付近まで冷却され、型構造から取り外される。
【0029】
なお、上記被加熱シートを加熱して軟化させるための構成は、型成形を行うチャンバと別個に設けられたものであっても良いし、同チャンバと一体的なものであっても良い。
後者の場合における構成の一例として、上記熱成形手段は、上記チャンバの内部にて上記被加熱シートを加熱して軟化させてもよい
上記のように構成した発明においては、上記チャンバの内部に配置された熱成形手段が上記位置決め手段にて位置決めされた被加熱シートを加熱して軟化させると、この被加熱シートを移動させることなく、このチャンバの内部に配設された型構造により型成形を行う。
従って、軟化した被加熱シートを移動させることなく、加熱および型成形を行うことになり、位置決めされた軟化部位の位置ずれをより低減させることとなる。
【0030】
この場合、上記チャンバの内部にて上記被加熱シートの加熱と型成形とをともに行うためには、ある程度の工夫が必要となる。
すなわち、上記被加熱シートの両シート面を加熱する場合であれば、この被加熱シートを加熱して軟化させた後、同被加熱シートのシート面との対向位置に配置されている加熱用ヒータなどを同シート面との対向位置から退避させ、代わりに上記型構造をこの対向位置に配置させることで、型成形を実行する必要がある。
また、上記被加熱シートの片側シート面を加熱し、他方のシート面から型成形を行う場合であれば、上記耐熱性シートを同被加熱シートの下側シート面との対向位置に配置すると、この被加熱シートの下側シート面から加熱を行い、上側シート面から型成形を行うことになるが、この際には、耐熱性シートを介して被加熱シートのシート面を加熱しても十分に同被加熱シートを軟化させられるように、加熱温度や同耐熱性シートの材質などを考慮する必要がある。
しかし、これらの付加的な工夫が必要となったとしても、設計上、厳密に位置ずれを抑制する必要がある場合などには、位置決めされた被加熱シートの移動を避けることで、この被加熱シートにおける軟化部位の位置ずれを低減させられる点で有用なものとなる。
【0031】
以上のように、位置決めされた軟化部位の位置ずれを低減させつつ熱成形を行う手法は、実体のある装置に限定されることなく、同様に方法としても有用である。
その一例として、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めし、当該被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽しつつ、同被加熱シートのシート面を加熱して同軟化が必要な部位を軟化させ、この軟化部位を型成形して成形品を形成してもよい
また、第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めし、当該被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽しつつ、同被加熱シートのシート面を加熱して同軟化が必要な部位を軟化させ、この軟化部位を型成形して成形品を形成してもよい
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であり、上述した装置構成を当該方法に対応させることも可能であることは言うまでもない。
【0032】
ところで、上記被加熱シートの下面を支持する場合であれば、構成をさらに簡略化し、同被加熱シートにおける軟化部位がドローダウンして型成形部位に位置ずれを生じないようにすることもできる。
この場合における構成の一例として、請求項4にかかる発明は、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、上記被加熱シートの下側シート面に重ね合わされて上記被加熱シートのシート面を下方から支持する耐熱性シートと、上記被加熱シートのシート面を加熱して所望の軟化部位を型成形する熱成形手段とを具備し、上記熱成形手段は、上ケーシングの開口縁部を上記被加熱シートに当接させるとともに、下ケーシングの開口縁部を上記耐熱性シートに当接させ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位には、シール構造が形成され、上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁と上記耐熱性シートとを挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成する構成としてある。
また、請求項5にかかる発明は、第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、上記被加熱シートの下側シート面に重ね合わされて上記被加熱シートのシート面を下方から支持する耐熱性シートと、上記被加熱シートのシート面を加熱して所望の軟化部位を型成形する熱成形手段とを具備し、上記熱成形手段は、上ケーシングの開口縁部を上記被加熱シートに当接させるとともに、下ケーシングの開口縁部を上記耐熱性シートに当接させ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位には、シール構造が形成され、上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁と上記耐熱性シートとを挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成する構成としてある。
【0033】
上記のように構成した発明においては、上記位置決め手段は、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めし、上記耐熱性シートは、同被加熱シートのシート面を下方から支持する。すると、上記熱成形手段は、上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する。
このとき、上記被加熱シートが軟化しても、上記耐熱性シートにより下方から支持されているためにドローダウンしない。従って、このドローダウンによる型成形部位の位置ずれが低減され、上記熱成形手段は、軟化した被加熱シートにおける所望の部位を型成形して成形品を形成することになる。
【0034】
ここで、上記位置決め手段および上記熱成形手段は、請求項1〜請求項2の場合と同様に、構成することができる。
また、上記耐熱性シートは、上記被加熱シートのシート面を下方から支持するものであれば良く、上記位置決めピンを挿通させたピン挿通穴を有して上記被加熱シートの下側シート面に重ね合わされる耐熱性シートである構成としてもよい
【0035】
上記のように構成した発明においては、上記熱成形手段により加熱されて軟化した被加熱シートは、下側シート面に重ね合わされた耐熱性シートにより下方から支持されるため、ドローダウンして下方へ変位することがない。このため、上記熱成形手段は、所望の型成形部位を位置ずれさせることなく、型成形することになる。
なお、上記耐熱性シートに延伸性を持たせると、上記被加熱シートの変形に追従させつつ、同耐熱性シートを変形させることで、型成形を円滑に進行させることができる。また、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段を備えていると、同耐熱性シートに同被加熱シートを略密着させることで、上記軟化部位のシート面方向への位置ずれを低減させることができる
【0036】
また、請求項4〜請求項5では、請求項1〜請求項2における熱成形手段の構成を同様に適用している。
この場合、上記シール構造は、上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの間、および、下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの間に形成されるが、上記チャンバをシールして密閉するための構成である点で同様であり、上記クランプ構造は、上記被加熱シートと耐熱性シートとをともにクランプすることになるが、同被加熱シートをクランプして型成形部位の位置ずれを低減させる点で同様である。
【0037】
以上のように、構成を簡略化し、かつ、同被加熱シートにおける軟化部位がドローダウンして型成形部位に位置ずれを生じないように熱成形を行う手法は、実体のある装置に限定されることなく、同様に方法としても有用であり、その一例として、クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めし、当該被加熱シートのシート面を下方から支持しつつ、同被加熱シートのシート面を加熱して軟化させ、所望の軟化部位を型成形して成形品を形成してもよい
また、第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めし、当該被加熱シートのシート面を下方から支持しつつ、同被加熱シートのシート面を加熱して軟化させ、所望の軟化部位を型成形して成形品を形成してもよい
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であり、請求項6〜請求項7に記載された装置構成を当該方法に対応させることも可能であることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項2にかかる発明によれば、被加熱シートの位置ずれを低減させ、所望の部位における型成形が可能な熱成形装置を提供することができる。
また、請求項3にかかる発明によれば、軟化部位のドローダウンを防止することで、被加熱シートの位置ずれをより低減させることができる
【0042】
さらに、請求項4請求項5にかかる発明によれば、被加熱シートの位置ずれを低減させ、所望の部位における型成形が可能な熱成形装置を提供することができる
【0043】
さらに、請求項6請求項7にかかる発明によれば、耐熱性シートに加熱ムラが生じた場合であっても、軟化部位のシート面方向への位置ずれを低減させることができる
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる熱成形装置の主要構成を概略図により示している。
【0045】
熱成形装置10には、同図に示すように、成形品形成部位S1に印刷の施された本発明にいう被加熱シートとしてのカットシートSをクランプするクランプ機構20と、クランプされたカットシートSを加熱して軟化させる加熱機構30と、軟化したカットシートSを型成形する型成形機構40とが備えられている。
また、クランプ機構20には、図示しない搬送機構が設けられており、この搬送機構は、クランプ機構20をカットシートSの脱着位置、加熱機構30および型成形機構40との間で移動させている。
【0046】
かかる構成により、クランプ機構20にカットシートSがクランプされると、搬送機構は、図2に示すように、クランプ機構20を加熱機構30まで移動させ、加熱機構30によりカットシートSを加熱して軟化させる。
すると、搬送機構は、図3に示すように、クランプ機構20を型成形機構40に移動させるため、型成形機構40は、軟化したカットシートSを型成形する。
【0047】
なお、本実施形態では、クランプ機構20、加熱機構30および型成形機構40だけから構成された熱成形装置10を適用しているが、かかる構成は一例にすぎず、型成形されたカットシートSから成形品を切除するトリミング機構などを付加しても良い。
また、搬送機構としては、具体的に、チェーン機構、油圧および空圧シリンダなどのアクチュエータ、クランク機構などを用いることが可能である。
さらに、搬送機構によりクランプ機構20を移動させる手法は、一例にすぎないため、カットシートSにおける成形品形成部位S1の位置ずれをなるべく低減させられるように、クランプ機構20の位置を固定し、搬送機構を利用して加熱機構30および型成形機構40の側を移動させても良い。
【0048】
クランプ機構20は、図4に示すように、略矩形形状の開口を有し、アルミ製の遮蔽板M1が取り付けられたクランプ枠21と、略矩形形状の開口を有し、アルミ製の遮蔽板M2と延伸性を有するシリコンゴム製の耐熱性シートRとが取り付けられたクランプ枠22とを備えている。
かかる構成により、クランプ枠21,22は、中央付近の下面に印刷が施されたカットシートSの上面を遮蔽板M1の下面に当接させ、カットシートSの下面に耐熱性シートRの上面を当接させるように、このカットシートSを挟み込んでクランプする。
【0049】
このとき、耐熱性シートRとして延伸性を有するシリコンゴムを用いているのは、型成形機構40にてカットシートSが型成形されるとき、カットシートSとともに変形させられるからである。
すなわち、後述する雄型42の型面により、カットシートSが押し下げられると、このカットシートSの下側シート面によって耐熱性シートRが下方へ押圧される。すると、耐熱性シートRは、この押圧力によって下方へ引き延ばされ、カットシートSとともに変形する。このため、カットシートSは、カットシートSの変形を妨げることなく、型成形を円滑に進行させることができる。
【0050】
ここで、クランプ枠22の上面における対向辺には、上方へ突設される位置決めピン22aが配され、クランプ枠21の下面における対応位置には、この位置決めピン22aの先端を収容可能なピン収容溝21aが配されている。
また、カットシートSにおける位置決めピン22aとの対向位置には、この位置決めピン22aを挿通可能な位置決め穴H1が形成されている。
【0051】
なお、遮蔽板M1,M2および耐熱性シートRの対応位置には、それぞれピン挿通穴H2〜H4が形成されており、図5に示すように、遮蔽板M1は、ピン挿通穴H2をピン収容溝21aに連通させつつクランプ枠21に取り付けられ、遮蔽板M2および耐熱性シートRは、各ピン挿通穴H3,H4を位置決めピン22aに挿通させつつクランプ枠22に取り付けられている。
かかる構成により、クランプ枠21,22は、位置決め穴H1に位置決めピン22aを挿通させ、位置決めピン22aの先端をピン収容溝21aに収容させることで、図6に示すように、カットシートSの位置決めをさせつつクランプしている。この意味で、クランプ機構20は、本発明にいう位置決め手段を構成している。
【0052】
加熱機構30には、図1〜図3に示すように、それぞれにヒータブロックを搭載した上ヒータ31と下ヒータ32とが備えており、各ヒータ31,32は、クランプ機構20によりクランプされ、搬送されたカットシートS、遮蔽板M1,M2および耐熱性シートRを上下面から加熱する。
なお、上ヒータ31および下ヒータ32に備えられたヒータブロックには、複数のクイックレスポンスヒータが配列されており、各クイックレスポンスヒータは、それぞれに接続されたSSRによる温調制御により、各部位に応じたシート加熱を行っている。
例えば、カットシートSの周縁部分は中央付近に比べて冷めやすいため、温度設定を高めにするなどして、カットシートSのシート面における加熱ムラを防いでいる。また、各クイックレスポンスヒータは、輻射熱を利用してカットシートSのシート面を加熱することで、急速な設定温度の変更を可能とし、加熱ムラを確実に防止している。
【0053】
本来、カットシートSの全体を加熱して軟化させると、図7の(A)に示すように、ドローダウンするため、クランプ枠21の中央付近、すなわち、印刷の施された成形品形成部位S1が下方へ変位する。
このため、本実施形態では、図4〜図6に示すように、成形品形成部位S1との対向位置に開口M1a,M2aを有する遮蔽板M1,M2をカットシートSとともにクランプさせ、図7の(B)に示すように、この成形品形成部位S1以外の周辺部位が加熱されて軟化するのを防いでいる。この意味で、遮蔽板M1,M2は、本発明にいう熱遮断手段を構成している。
さらに、カットシートSの下面を遮蔽する、すなわち、成形品形成部位S1を下面から支持する耐熱性シートRがカットシートSおよび遮蔽板M1,M2とともにクランプされているため、図7の(C)に示すように、この耐熱性シートRが軟化した成形品形成部位S1のドローダウンを防止している。
【0054】
ここで、図7の(A)および(B)に示すように、印刷の施された成形品形成部位S1がドローダウンすると、カットシートSが位置決めされているにもかかわらず、印刷部分が所望の位置からずれてしまうため、耐熱性シートRは、図7の(C)に示すように、印刷部分のドローダウンを防止し、印刷部分の位置ずれを低減させるとの観点から有用となる。
このとき、カットシートSと耐熱性シートRとの間には、空気層が残されていることから、このカットシートSのシート面方向への伸縮移動が自在となる。また、クランプ枠21,22にクランプされたカットシートSには、シート面方向に張力が加えられる。
このため、張力の加えられたカットシートSが加熱機構30にて加熱されたとき、各部位によって加熱の度合いに違いが生じる。すると、加熱が進んで軟化した部分では、周囲に向かって膨張しようとし、加熱が遅れている部分では、この膨張した部分を収縮力によって引き寄せようとするため、膨張する部分から収縮する部分へ向けて印刷部分が位置ずれする。
【0055】
そこで、この印刷部分の位置ずれを低減させるべく、クランプ枠21,22の側方には、真空ポンプに接続された図8に示すような真空経路23を備えた真空引き構造が配置されている。
かかる構成により、カットシートSがクランプ枠21,22にクランプされると、真空ポンプを作動させ、この真空経路23を介してカットシートSと耐熱性シートRとの間に残された空気を吸い出し、このカットシートSと耐熱性シートRとの間を略真空状態にしてカットシートSの下側シート面と耐熱性シートRの上側シート面とを密着させる。
すると、カットシートSの各部位は、耐熱性シートRに密着することから位置が固定される。従って、上述したように、カットシートSに加熱ムラが生じても膨張しようとする部分は、耐熱性シートRとの密着面によって膨張が阻止され、一方、収縮しようとする部分は、耐熱性シートRとの密着面によって収縮が阻止されるため、印刷部分の位置ずれが抑制される。この意味で、真空ポンプおよび真空経路23を備える真空引き構造は、本発明にいう真空引き手段を構成している。
【0056】
また、逆に、カットシートSの上側シート面と、耐熱性シートRの下側シート面との側から微圧を加えることで、カットシートSの下側シート面と耐熱性シートRの上側シート面との間に残された空気を各シートS,Rの周縁方向へ追い出し、カットシートSと耐熱性シートRとを密着させることも可能である。
具体的には、真空経路23の代わりに、圧空ポンプに接続された圧空経路をカットシートSの上側と耐熱性シートRの下側とに配置し、この圧空ポンプを作動させることで、圧空経路を介してカットシートSの上側シート面と、耐熱性シートRの下側シート面とに圧空を供給して微圧を加える。
【0057】
すると、カットシートSのシート面と耐熱性シートRのシート面とが対向する側へ押圧されるため、カットシートSと耐熱性シートRとの間に残された空気が各シートS,Rの周縁方向へ追い出され、カットシートSと耐熱性シートRとが密着する。
従って、上述した真空経路23を用いた場合と同様に、カットシートSの各部位が耐熱性シートRのシート面に固定され、加熱ムラによるシート面の膨張および収縮に伴う印刷部分の位置ずれが抑制される。
なお、本実施形態では、耐熱性シートRを用いることで、成形品形成部位S1のドローダウンを防止しているが、図7の(B)および図9に示すように、遮蔽板M1,M2をカットシートSとともにクランプさせるだけでも、ドローダウンを生じる範囲が狭められ、図7の(A)に示す場合よりも印刷部分の位置ずれが低減される点で有効であることから、印刷部分のわずかな位置ずれが許容される場合などには、図7の(B)に示すように、遮蔽板M1,M2だけをカットシートSとともにクランプさせるものであっても良い。
【0058】
以上のように、加熱されて軟化したカットシートSなどがクランプされたクランプ枠21は、搬送機構によって加熱機構30から型成形機構40に搬送される。
この型成形機構40には、図10に示すように、上テーブル41に支持されて下方に開口を有し、内側上面に雄型42を備えたケーシング状の上ケーシング43と、下テーブル44に支持されて上方に開口を有し、内側底面に加熱用ヒータ45を備えた下ケーシング46とが備えられ、上ケーシング43と下ケーシング46とにより、互いの開口を対面させて圧空室を形成するチャンバが構成されている。ここで、上ケーシング43の内側上面に配置された雄型42は、この意味で、本発明にいう型構造を構成している。
なお、上テーブル41と下テーブル44とは、図1〜図3に示すエアシリンダ40a,40bにより支持されており、各エアシリンダ40a,40bによってそれぞれ上下動可能となっている。
【0059】
かかる構成により、図10に示すように、上ケーシング43と下ケーシング46とを互いに離間させた状態で、加熱機構30からカットシートSがクランプされたクランプ枠21が搬送されると、各エアシリンダ40a,40bを作動させることで、図11および図12に示すように、上テーブル41を下方へ移動させつつ、下テーブル44を上方へ移動させて上ケーシング43と下ケーシング46との開口を対面させて圧空室を形成し、カットシートSに成形品を形成する。
従って、カットシートSを加熱して軟化させる加熱機構30と、軟化したカットシートSに成形品を形成する型成形機構40とは、この意味で、本発明にいう熱成形手段を構成している。
【0060】
ここで、加熱用ヒータ45は、後述する差圧成形時、耐熱性シートRを加熱するために配置されている。
すなわち、差圧成形を行う際、耐熱性シートRの下側シート面に圧空が吹き付けられると、成形品が形作られる途中であるにもかかわらず、この耐熱性シートRだけが先に冷却されてしまう。
この冷却された耐熱性シートRによって軟化したカットシートSが冷やされて硬くなり始めてしまうと、雄型42の型面によりカットシートSに成形品が形作られる際、このカットシートSの変形が不十分となって、型面に沿った所望の型成形ができず、角部などの成形が不十分となることが予想される。
そこで、加熱用ヒータ45は、雄型42によって型面に忠実な成形品を確実に形作らせるため、耐熱性シートRの熱サポートを行うことにより、型成形中におけるカットシートSの冷却を防止している。
【0061】
本実施形態にかかる下ケーシング46には、耐熱性シートRの熱サポートを行うための加熱用ヒータ45が備えられているが、かかる構成は一例にすぎず、例えば、上ケーシング43に雌型が備えられた場合であれば、加熱用ヒータ45の代わりに、プラグを配置するなどしても良い。
また、当該チャンバでは、加熱機構30の代わりに、カットシートSを加熱して軟化させることも可能であり、この場合には、上ケーシング43と入れ替え可能な上面加熱用ヒータユニットを配置し、上面加熱用ヒータユニットによりカットシートSを加熱した後、上面加熱用ヒータユニットと上ケーシング43とを入れ替えて型成形するなどすれば良い。
すると、クランプ機構20を搬送機構により移動させる必要がないため、軟化したカットシートSを移動させることで生じる印刷部分の位置ずれを防止することができる。
【0062】
上ケーシング43の開口周縁を形成する側壁の下面には、Oリング43a1の取り付け溝43aが設けられており、この側壁の下面から下方へ突出させつつ、Oリング43a1が取り付けられている。
また、側壁の内側における上面には、上下方向へ伸縮可能であるとともに、下端が側壁の下面および雄型42の最下端よりも下方に突出するスプリング43bが取り付けられており、このスプリング43bの下端には、カットシートSの上面を遮蔽板M2の開口周縁にて押圧する押圧部材43b1が装着されている。
【0063】
一方、下ケーシング46の開口周縁を形成する側壁の上面には、Oリング46a1の取り付け溝46aが設けられており、この側壁の上面から上方へ突出させつつ、Oリング46a1が取り付けられている。
また、側壁の内側における底面には、Oリング46a1の上端よりもわずかに上方へ突出する位置に耐熱性シートRの下面を遮蔽板M1の開口周縁にて支持する支持面46b1を備えた支持壁46bが配設されている。
【0064】
かかる構成により、上テーブル41を下方へ移動させ、下テーブル44を上方へ移動させると、図11に示すように、Oリング46a1が遮蔽板M2の下面を上方へ押圧するとともに、支持壁46bの支持面46b1が耐熱性シートRの下面を下方から支持する。
一方、押圧部材43b1は、カットシートSの上面に当接し、カットシートSおよび耐熱性シートRを支持面46b1の側へ押圧してカットシートSをクランプする。
【0065】
そして、上テーブル41がさらに下方へ移動すると、図12に示すように、雄型42がカットシートSおよび耐熱性シートRを型面の形状に合わせて下方へ押圧するとともに、側壁の下面に取り付けられたOリング43a1が遮蔽板M1の上面を0リング46a1の側へ押圧して遮蔽板M1,M2、カットシートSおよび耐熱性シートRをクランプする。
なお、ここで、Oリング46a1,43a1を用いているのは、チャンバと遮蔽板M1,M2とがともに弾性を有しない金属製であることから、遮蔽板M1,M2と上ケーシング43および下ケーシング46の開口縁部との当接面を密着させることができないためである。
【0066】
そこで、上述したように、弾力性を有するOリング46a1,43a1を当接面に介在させると、下ケーシング46の開口縁部が遮蔽板M2に押し当てられたとき、Oリング46a1が上下方向に押し潰され、遮蔽板M2の下面と下ケーシング46の開口縁部とに密着する。一方、上ケーシング43の開口縁部が遮蔽板M1に押し当てられたとき、Oリング43a1が上下方向に押し潰され、遮蔽板M1の上面と上ケーシング43の開口縁部とに密着する。
このため、遮蔽板M1,M2と上ケーシング43および下ケーシング46の開口縁部との当接部位が密着することになり、チャンバの気密性が確保される。
【0067】
従って、チャンバの気密性を保つために配置されたOリング43a1,46a1は、この意味で、本発明にいうシール構造を構成している。また、上ケーシング43の側に設けられたスプリング43bおよび押圧部材43b1は、本発明にいうクランプ構造の第一の支持構造を構成し、下ケーシング46の側に設けられた支持壁46bおよび支持面46b1は、本発明にいうクランプ構造の第二の支持構造を構成している。
雄型42の型面における所定位置には、図示しない真空ポンプに連通する真空経路43cが形成され、また、下ケーシング46の内側底面には、図示しない圧空ポンプに連通する圧空経路46cが形成されているため、真空経路43cを介して雄型42の型面側を真空状態にするとともに、圧空経路46cを介して耐熱性シートRの下側に圧空を供給し、耐熱性シートRを雄型42の型面形状に変形させつつ型成形を行う。
なお、上ケーシング43には、図13に示すように、型成形が完了した際、型面を離型温度まで冷却する冷却装置47と、雄型42の型面を加熱する加熱用ヒータ48とが内蔵されており、冷却装置47と加熱用ヒータ48とは、加熱用ヒータ45とともに型温調制御装置49により制御される。この意味で、加熱用ヒータ48と型温調制御装置49とは、本発明にいう型温調手段を構成しており、冷却装置47と型温調制御装置49とは、本発明にいう冷却手段を構成している。
【0068】
図14は、型温調制御装置49にて実行される型温調制御の手順をフローチャートにより示している。
熱成形装置10に電源が投入されるなどして型温調がオンになると(ステップS100)、型温度を100℃に設定して加熱用ヒータ48により、型面の加熱を開始する(ステップS105、S110)。
型温度が100℃に達したとき(ステップS115)、型成形機構40にて型成形を行う準備ができた旨のデータをクランプ機構20や搬送機構の図示しない制御装置に出力する(ステップS120)。
【0069】
そして、クランプ機構20にてクランプされて搬送機構により加熱機構30に搬送されたカットシートSが、加熱機構30にて軟化し、搬送機構により型成形機構40に搬送された後、型成形が完了すると(ステップS125)、型温調制御装置49は、この型成形の完了を検知する。
型温調制御装置49は、加熱用ヒータ48による型温調を終了させ、型温度を50℃に設定切替するとともに(ステップS130)、冷却装置47をオンにして型面の冷却を開始させる(ステップS135)。
型温度が50℃に達すると(ステップS140)、各エアシリンダ40a,40bを作動させて上テーブル41を上昇させるとともに、下テーブル44を下降させて成形品の離型を行わせる(ステップS145)。
【0070】
このまま連続して型成形を行う場合には、型温度を再度100℃に設定して上述した手順を繰り返し、型成形を終了する場合には(ステップS150)、型温調制御を終了する。
ここで、例えば、遮蔽板M1,M2や耐熱性シートRを用いることなく、図7の(A)に示すように、カットシートSをクランプ枠21にクランプさせた場合であれば、このカットシートSがドローダウンした際に印刷部分にずれを生じ、図15に示すように、離型された成形品における印刷部分Pがずれてしまうが、本実施形態では、遮蔽板M1,M2および耐熱性シートRをカットシートSとともにクランプさせ、印刷部分の位置ずれを低減させていることから、図16に示すように、印刷部分Pにずれを生ずることなく、成形品を形成することが可能となる。
【0071】
なお、上述したように、加熱用ヒータ48が雄型42の型温調を行っているのは、型成形時、カットシートSに施された印刷が位置ずれするのを防止するためである。
すなわち、軟化したカットシートSを急激に冷やすと、軟化部位における各部分によって冷却ムラが生じるため、冷却が遅くて軟らかい部分は膨張しようとし、一方、冷却が速くて収縮を始める部分は、この収縮力によって膨張する軟らかい部分を引き寄せる。このため、カットシートSに施された印刷が軟らかい部分から収縮を始める部分に向かって位置ずれする。
そこで、冷却ムラによる軟化部分における位置ずれを防止し、位置決めされた正規の軟化部位に成形品を形成できるようにしている。
【0072】
また、成形品が形作られるまでに、軟化したカットシートSが冷やされて硬くなり始めると、雄型42の型面によりカットシートSが押圧されて変形する際、このカットシートSの変形が不十分となって、型面に沿った所望の型成形ができず、角部などの成形が不十分となることが予想される。
そこで、加熱用ヒータ48は、雄型42によって型面に忠実な成形品を確実に形作らせるため、型温調を行うことにより、型成形中におけるカットシートSの冷却を防止している。
【0073】
以上の説明では、印刷の施されたカットシートSをクランプして熱成形を行っているが、かかる形態は一例にすぎず、ロールシートも同様に適用することができる。
すなわち、ロール供給ユニットから繰り出されるロールシートの成形品形成部位を、順に遮蔽板や耐熱性シートとともにクランプして熱成形することで、連続式の熱成形ラインを採用することも可能である。
【0074】
また、上述したロールシートを採用した場合、また、本実施形態におけるカットシートを採用した場合を問わず、例えば、ロールシート(カットシート)の所定位置に目印を付けておくことで、クランプ機構に備えられたカメラにより、この目印の位置を検知し、クランプ部位の位置合わせを行いつつ、加熱機構30および型成形機構40に搬送しても良い。
さらに、上記ロールシートおよびカットシートは、あらかじめ印刷が施されたものであっても良いし、クランプ機構20によりクランプされた後に印刷が施されるものであっても良い。
【0075】
ところで、本実施形態にかかるクランプ機構20では、遮蔽板M1が取り付けられたクランプ枠21と、遮蔽板M2が取り付けられたクランプ枠22とにより、カットシートSをクランプすることで、成形品形成部位S1以外の周辺部分が軟化するのを防止しているが、図17に示すように、少なくとも耐熱性シートRが取り付けられたクランプ枠22により、カットシートSをクランプすれば、カットシートSのドローダウンを防ぐことができることから、遮蔽板M1,M2を用いずに熱成形を行うことも可能である。この意味で、耐熱性シートRは、本発明にいうシート支持手段を構成している。
クランプ枠21と、耐熱性シートRが取り付けられたクランプ枠22とにより、カットシートSがクランプされたクランプ機構20を搬送機構により、加熱機構30へ搬送して加熱を行うと、カットシートSの全体が軟化するが、図18に示すように、耐熱性シートRがカットシートSの下面を支持するため、図7の(A)に示すようなドローダウンを防止することができる。
【0076】
従って、カットシートSがクランプ枠21,22に装着される際に位置決めされていれば、印刷の施された成形品形成部位S1が位置ずれしない。また、本実施形態の場合と同様に、カットシートSと耐熱性シートRとの間を略真空状態にして互いのシート面を密着させておけば、印刷部分のシート面方向への位置ずれも抑制することができる。
そして、本実施形態の場合と同様に、軟化されたカットシートSがクランプされたクランプ機構20が図19に示す型成形機構40に搬送されると、図20に示すように、押圧部材43b1と支持壁46bの支持面46b1とにより、カットシートSと耐熱性シートRとがクランプされ、図21に示すように、各Oリング43a1,46a1により圧空室が形成されて型成形が行われるため、離型された成形品では、図16の場合と同様に、印刷部分Pの位置ずれを生じない。
【0077】
次に、本実施形態にかかる熱成形装置10の動作を説明する。
作業者が熱成形装置10の電源をオンにすると、型成形機構40における型温調がオンになるため、型温調制御装置49は、型温度を100℃に設定し、加熱用ヒータ48によって型面の加熱を開始する。
型温度が100℃に達すると、型成形機構40は、型成形を行う準備ができた旨のデータをクランプ機構20や搬送機構の制御装置に出力する。
【0078】
一方、クランプ枠21,22は、位置決め穴H1に位置決めピン22aを挿通させ、位置決めピン22aの先端をピン収容溝21aに収容させることで、カットシートSの上面を遮蔽板M1の下面に当接させ、カットシートSの下面に耐熱性シートRの上面を当接させるように、このカットシートSを挟み込んでクランプする。
そして、真空ポンプを作動させ、真空経路23を介してカットシートSと耐熱性シートRとの間を略真空状態にしてカットシートSの下側シート面と耐熱性シートRの上側シート面とを密着させる。
搬送機構がこのクランプされたカットシートSを加熱機構30に搬送すると、加熱機構30は、搬送されたカットシートS、遮蔽板M1,M2および耐熱性シートRを上下面から加熱し、遮蔽板M1の開口M1aおよび遮蔽板M2の開口M2aから露出するカットシートSの成形品形成部位S1を軟化させる。
【0079】
このとき、遮蔽板M1,M2の開口M1a,M2aは、成形品形成部位S1以外の周辺部位が加熱されて軟化するのを防ぎ、耐熱性シートRは、軟化した成形品形成部位S1を下方から支持してドローダウンを防止する。
そして、搬送機構が軟化したカットシートSをクランプするクランプ機構20を型成形機構40に搬送すると、互いに離間されている上テーブル41と下テーブル44との間にクランプ枠21,22が配置される。
ここで、各エアシリンダ40a,40bは、上テーブル41を下方へ移動させるとともに、下テーブル44を上方へ移動させ、上ケーシング43と下ケーシング46との開口を対面させる。
【0080】
すると、まず、支持壁46bの支持面46b1が耐熱性シートRの下側シート面を上方へ押圧し、押圧部材43b1がカットシートSの上側シート面を下方へ押圧するため、カットシートSと耐熱性シートRとがクランプされ、カットシートSにおける成形品形成部位S1の位置が固定される。
このとき、下ケーシング46の開口縁部が遮蔽板M2の下面に突き当たるため、Oリング46a1は、上下方向へ押し潰されつつ、下ケーシング46の開口縁部と遮蔽板M2の下面とに密着する。
そして、上ケーシング43の開口縁部が遮蔽板M1の上面に突き当たるため、Oリング43a1は、上下方向へ押し潰されつつ、上ケーシング43の開口縁部と遮蔽板M1の上面とに密着することで、チャンバを密閉する。
【0081】
ここで、雄型42は、カットシートSにおける成形品形成部位S1と耐熱性シートRとを押し下げる。一方、真空ポンプは、真空経路43cを介して雄型42の型面側を真空状態にし、圧空ポンプは、圧空経路46cを介して耐熱性シートRの下側に圧空を供給することで、カットシートSと耐熱性シートRを型面形状に沿って変形させて成形品を形成する。また、型温調制御装置49は、加熱用ヒータ45によって耐熱性シートRの熱サポートを行う。
型温調制御装置49は、この型成形の完了を検知すると、加熱用ヒータ45による耐熱性シートRの熱サポートと、加熱用ヒータ48による型温調を終了させ、型温度を50℃に設定切替して冷却装置47による型面の冷却を開始させる。
【0082】
各エアシリンダ40a,40bは、型温度が50℃に達すると、上テーブル41を上昇させるとともに、下テーブル44を下降させ、印刷部分Pが位置ずれしていない成形品を離型する。
このように、加熱機構30がカットシートS、遮蔽板M1,M2および耐熱性シートRを上下面から加熱し、遮蔽板M1の開口M1aおよび遮蔽板M2の開口M2aから露出するカットシートSの成形品形成部位S1を軟化させる際、遮蔽板M1,M2の開口M1a,M2aは、成形品形成部位S1以外の周辺部位が加熱されて軟化するのを防ぎ、耐熱性シートRは、軟化した成形品形成部位S1を下方から支持してドローダウンを防止するため、このドローダウンによる被加熱シートSの位置ずれを低減させ、所望の部位における型成形を可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にかかる熱成形装置の主要構成を示す概略図である。
【図2】 クランプ機構を加熱機構に搬送させた際の状況を示す概略図である。
【図3】 クランプ機構を型成形機構に搬送させた際の状況を示す概略図である。
【図4】 クランプ機構の主要構成を示す分解斜視図である。
【図5】 クランプ枠にカットシートをクランプする前の状況を示す斜視図である。
【図6】 クランプ枠にカットシートをクランプした際の状況を示す斜視図である。
【図7】 加熱されたカットシートの状況を比較するための模式図である。
【図8】 真空経路の配置状況を示すクランプ枠の側面図である。
【図9】 耐熱性シートを用いない場合におけるクランプ機構の主要構成を示す分解斜視図である。
【図10】 クランプ枠が搬送された時点での型成形機構を示す断面図である。
【図11】 押圧部材によりカットシートをクランプした時点での型成形機構を示す断面図である。
【図12】 カットシートを型成形する時点での型成形機構を示す断面図である。
【図13】 型温調機構の概略構成を示す模式図である。
【図14】 型温調制御の手順を示すフローチャートである。
【図15】 印刷部分にずれを生じた場合の成形品を示す斜視図である。
【図16】 印刷部分にずれが生じなかった場合の成形品を示す斜視図である。
【図17】 クランプ枠に耐熱性シートだけを取り付けた場合において、カットシートをクランプ枠に装着する前の状況を示す斜視図である。
【図18】 加熱されたカットシートの状況を示す模式図である。
【図19】 クランプ枠が搬送された時点での型成形機構を示す断面図である。
【図20】 押圧部材によりカットシートをクランプした時点での型成形機構を示す断面図である。
【図21】 カットシートを型成形する時点での型成形機構を示す断面図である。
【符号の説明】
10…熱成形装置
20…クランプ機構
21…クランプ枠
21a…ピン収容溝
22…クランプ枠
22a…位置決めピン
23…真空経路
30…加熱機構
31…上ヒータ
32…下ヒータ
40…型成形機構
40a,40b…エアシリンダ
41…上テーブル
42…雄型
43…上ケーシング
43a…取り付け溝
43a1…Oリング
43b…スプリング
43b1…押圧部材
43c…真空経路
44…下テーブル
45…加熱用ヒータ
46…下ケーシング
46a…取り付け溝
46a1…Oリング
46b…支持壁
46b1…支持面
46c…圧空経路
47…冷却装置
48…加熱用ヒータ
49…型温調制御装置
S…カットシート
S1…成形品形成部位
M1,M2…遮蔽板
M1a,M2a…開口
R…耐熱性シート
H1…位置決め穴
H2〜H4…ピン挿通穴
P…印刷部分

Claims (7)

  1. クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、
    上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行う遮蔽板と、
    上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する熱成形手段と
    を具備し、
    上記遮蔽板は、上記被加熱シートの両シート面に重ね合わされ、
    上記熱成形手段は、上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、
    上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位には、シール構造が形成され、
    上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、
    上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成することを特徴とする熱成形装置。
  2. 第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、
    上記被加熱シートにおける軟化が必要な部位の周囲を遮蔽して熱遮断を行う遮蔽板と、
    上記被加熱シートのシート面を加熱して軟化部位を型成形する熱成形手段と
    を具備し、
    上記遮蔽板は、上記被加熱シートの両シート面に重ね合わされ、
    上記熱成形手段は、上ケーシングと下ケーシングとの開口縁部を上記遮蔽板にそれぞれ当接させつつ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、
    上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位には、シール構造が形成され、
    上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、
    上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁を挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングおよび上記下ケーシングの開口縁部と上記遮蔽板との当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成することを特徴とする熱成形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱成形装置において、
    上記被加熱シートのシート面は、上記位置決めピンを挿通させたピン挿通穴を有する耐熱性シートに下方から支持されることを特徴とする熱成形装置。
  4. クランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入して当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、
    上記被加熱シートの下側シート面に重ね合わされて上記被加熱シートのシート面を下方から支持する耐熱性シートと、
    上記被加熱シートのシート面を加熱して所望の軟化部位を型成形する熱成形手段と
    を具備し、
    上記熱成形手段は、上ケーシングの開口縁部を上記被加熱シートに当接させるとともに、下ケーシングの開口縁部を上記耐熱性シートに当接させ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、
    上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位には、シール構造が形成され、
    上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、
    上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁と上記耐熱性シートとを挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成することを特徴とする熱成形装置。
  5. 第一のクランプ枠に設けられた位置決めピンを被加熱シートに形成された位置決め穴に挿入し当該位置決めピンの先端を第二のクランプ枠に設けられたピン収容溝に収容して当該第一および第二のクランプ枠の間で当該被加熱シートを位置決めする位置決め手段と、
    上記被加熱シートの下側シート面に重ね合わされて上記被加熱シートのシート面を下方から支持する耐熱性シートと、
    上記被加熱シートのシート面を加熱して所望の軟化部位を型成形する熱成形手段と
    を具備し、
    上記熱成形手段は、上ケーシングの開口縁部を上記被加熱シートに当接させるとともに、下ケーシングの開口縁部を上記耐熱性シートに当接させ同上ケーシングと同下ケーシングとの開口を対向させて密閉するチャンバを備え、
    上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位には、シール構造が形成され、
    上記上ケーシングの内側から下方へスプリングが突出し、このスプリングの下端に押圧部材が設けられ、この押圧部材に支持面を対向させて上記下ケーシングの内側から上方へ支持構造が突設され、
    上記熱成形手段は、上記押圧部材と上記支持構造とにより上記被加熱シートにおける軟化部位の周縁と上記耐熱性シートとを挟み込んで位置決めした後に上記上ケーシングの開口縁部と上記被加熱シートとの当接部位および上記下ケーシングの開口縁部と上記耐熱性シートとの当接部位を上記シール構造でシールし、上記チャンバの内部に配設された型構造により上記被加熱シートにおける軟化部位を差圧成形して成形品を形成することを特徴とする熱成形装置。
  6. 請求項3、請求項4または請求項5に記載の熱成形装置において、
    上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段を備えることを特徴とする熱成形装置。
  7. 請求項6に記載の熱成形装置において、
    上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間の空気を出す手段は、上記被加熱シートのシート面と上記耐熱性シートとの間を略真空状態にする真空引き手段、または、重ねられた上記被加熱シートおよび上記耐熱性シートの外側に圧空を供給して当該被加熱シートのシート面と当該耐熱性シートとの間の空気を追い出す手段とされていることを特徴とする熱成形装置。
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