JP4316920B2 - ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ Download PDF

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  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。詳しくは、グリップ性能を損なうことなく、転がり抵抗を低減させ、かつ優れた耐摩耗性を実現できるタイヤの製造を可能にするゴム組成物、およびこのゴム組成物をトレッドに用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤの転がり抵抗を低減させることと耐摩耗性を向上させることは、互いに背反する関係にあることが知られている。
【0003】
たとえば、耐摩耗性を向上させる充填剤として、粒子径が小さいカーボンブラックが多く用いられている。しかし、粒子径が小さいカーボンブラックを用いると、カーボンブラックの比表面積の増大に伴ってヒステリシスロスが大きくなり、転がり抵抗が増大してしまう。
【0004】
他方、転がり抵抗を低減させる充填剤として、含水ケイ酸が知られている。しかし、含水ケイ酸を用いた場合には、同程度の比表面積を有するカーボンブラックを用いた場合と比較して、得られるゴム組成物の貯蔵弾性率が小さく、そのためグリップ性能が劣る。貯蔵弾性率を高める方法としては、含水ケイ酸の増量あるいは比表面積の増大などが考えられるが、そうすると転がり抵抗が増大してしまう。
【0005】
また、操縦安定性、ウェットスキッド性などを改善するとともに、生産性、加工性なども向上させることを目的として、タイヤ用ゴム組成物にチウラム化合物を配合することが知られている(特許文献1〜4参照)。しかし、チウラム化合物を配合するだけでは、転がり抵抗は低減されるが、耐摩耗性を向上させることができない。
【0006】
これらの問題点を解決すべく、従来から種々の提案がなされているが、転がり抵抗の低減と耐摩耗性の向上を両立し得るゴム組成物は、未だに存在しないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−356102号公報
【特許文献2】
特開2002−114871号公報
【特許文献3】
特開2002−69245号公報
【特許文献4】
特開平11−21383号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グリップ性能を損なうことなく、転がり抵抗の低減および耐摩耗性の向上を両立し得るゴム組成物、およびこのようなゴム組成物を用いたタイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために検討を行なったところ、ある特定の化合物を組み合わせて配合することにより、従来の方法で作られるタイヤに比べてグリップ性能を損なうことなく、転がり抵抗を低減させ、かつ耐摩耗性を向上させることを見出した。
【0010】
すなわち本発明は、(A)ジエン系ゴム成分100重量部に対して、(B)式(1):
mSnY4-m (1)
(式中、Rは炭化水素基、Yはラウレート、マレートまたはメルカプチド、mは1〜3の整数を表す)で示される有機スズ化合物0.1〜20重量部、(C)式(2):
【0011】
【化2】
Figure 0004316920
【0012】
(式中、nは1〜4の整数であり、R1、R2は炭素数12以下の炭化水素基を表す)で示されるチウラム系化合物0.1〜20重量部、および、(C)カーボンブラックを含有してなり、(B)有機スズ化合物と(C)チウラム系化合物との合計含有量が、(D)カーボンブラックの含有量の0.01〜0.2倍であるゴム組成物に関する。
【0013】
前記式(2)におけるR1および/またはR2が2−エチルヘキシル基であることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、前記ゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤに関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、(A)ジエン系ゴム成分に、特定の化合物、すなわち(B)有機スズ化合物、(C)チウラム系化合物および(D)カーボンブラックを組み合わせて配合することにより、グリップ性能を損なうことなく、転がり抵抗の低減と耐摩耗性の改善を両立させたものである。
【0016】
(A)ジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられる。これらのゴムは、単独で用いてもよく、あるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0017】
(B)有機スズ化合物としては、式(1)で示される有機スズ化合物が用いられる。
mSnY4-m (1)
ここで、Rは炭化水素基である。Yは、ラウレート、マレートまたはメルカプチドであり、mは1〜3の整数である。mが2または3のとき、m個のRは同一であっても異なっていてもよく、mが1または2のとき、(4−m)個のYは同一であっても異なっていてもよい。
【0018】
かかる有機スズ化合物としては、具体的には以下のものがあげられる。
【0019】
ブチルスズラウレート系化合物としては、TS100(昭島化学工業(株))、アデカスタブBT−11、アデカスタブBT−18、アデカスタブBT−25(旭電化工業(株))、KS−1200A−1(共同薬品(株))、TN−12(堺化学工業(株))、STANN BL、STANN SB−400、STANN SB−430A、STANN SB−65(三共有機合成(株))、L−101、L−202、E−101、E−102、E−106、E−116D、E−123、Y−101(東京ファインケミカル(株))、TVS#TL−710、TVS#TL−800、TVS#TL−900、TVS#PS−220P(日東化成(株))、T−12PJ、T−12RNJ、T−12PJ、T−120J、T−120NBJ、L−2BJ((株)耕正)、グレッグTL、グレッグT−7040シリーズ、グレッグT−7007、グレッグT−7018シリーズ(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0020】
ブチルスズマレート系化合物としては、TS200シリーズ(昭島化学工業(株))、アデカスタブBT−31、アデカスタブBT−52、アデカスタブBT−53A(旭電化工業(株))、KS−1B、KS−3 A−7(共同薬品(株))、TN−1J、TN−1000(堺化学工業(株))、STANN BM(N)、STANN RC−5V、STANN RC−5Z、STANN RC−44、STANN RC−71A、STANN RC−680A、STANN RC−704、STANN RC−706、STANN RC−40F、STANN RC−612、STANN RC−637、STANN RC−711A、STANN RC−682、STANN RC−44C、STANN RC−675C、STANN RC−125E(三共有機合成(株))、M−101A、M−101D、M−101EK、M−101X、M−201、M−102KP、M−105、T−503、P−3、P−5、P−5H、P−5T、P−5U、P−110シリーズ、AP−1、AP−32、AP−40、AP−52、AP−135(東京ファインケミカル(株))、TVS#MA−300−A、TVS#MA−300−P、TVS#N−2000−C、TVS#N−2000−AD、TVS#N−2000−E、TVS#N−2000−K、TVS#NK−220−B、TVS#NK−220−H、TVS#N86−SP−5、TVS#86−L、TVS#6−LP、TVS#15−LP(日東化成(株))、T−183、T−900TJ、T−1000BJ((株)耕正)、グレッグTB−300シリーズ、グレッグT−7061シリーズ、グレッグTB−308シリーズ、グレッグTM、グレッグT−7052シリーズ、グレッグTB−312シリーズ(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0021】
ブチルスズラウレートマレート系化合物としては、TS210(昭島化学工業(株))があげられる。
【0022】
ブチルスズメルカプタン系化合物としては、TS300、TS310(昭島化学工業(株))、アデカスタブ1292、アデカスタブBT−83、アデカスタブTN−480(旭電化工業(株))、TN−480(堺化学工業(株))、STANN JF−9B、STANN JF−101C、STANN JF−10B、STANN JF−50T、STANN JF−83、STANN JF−95B、STANN BK−1100L、STANN SJ−1A(三共有機合成(株))、SB−32、SB−33、SB−101、SB−104、SB−106A(東京ファインケミカル(株))、TVS#1315、TVS#1320、TVS#1350、TVS#1360、TVS#1400、TVS#1420、TVS#PS−300−P、TVS#PS−350−P(日東化成(株))、グレッグT−135、グレッグT−143シリーズ、グレッグT−7037シリーズ、グレッグT−7077シリーズ、グレッグTB−202シリーズ、グレッグT−186、グレッグT−284J(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0023】
オクチルスズラウレート系化合物としては、FD−50(昭島化学工業(株))、アデカスタブOT−1(旭電化工業(株))、TN−880(堺化学工業(株))、STANN SNT−1F(三共有機合成(株))、OL−1(東京ファインケミカル(株))、TVS#8501(日東化成(株))、T−1200J((株)耕正)、グレッグT−7048シリーズ(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0024】
オクチルスズマレート系化合物としては、FD60(昭島化学工業(株))、STANN ONR−81AF、STANN ONR−79F、STANN OMF(三共有機合成(株))、OM−3(東京ファインケミカル(株))、TVS#8813、TVS#8102、TVS#8105、TVS#8604(日東化成(株))、T−840J、T−1000BHJ、T348J((株)耕正)、グレッグTO−340シリーズ、グレッグT−80シリーズ、グレッグTO−370シリーズ(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0025】
オクチルスズメルカプト系化合物としては、FD−70、FD−90(昭島化学工業(株))、アデカスタブ465、アデカスタブ465E、アデカスタブ466、アデカスタブ467(旭電化工業(株))、KS−271L、KS−2000A、KS−2000G、KS−272H(共同薬品(株))、TN−870(堺化学工業(株))、STANN ONZ−72F、STANN ONZ−100F、STANN ONZ−100CF、STANN ONZ−142AF、STANN ONZ−82AF、STANN ONZ−82BF、STANN ONZ−38F、STANN ONZ−21A(三共有機合成(株))、OT−4、OT−4T、OT−10、OT−11、OT−12(東京ファインケミカル(株))、TVS#8831、TVS#8832、TVS#8833、TVS#8901、TVS#8902、TVS#8906、TVS#8850、TVS#8300−D、TVS#8940、TVS#8952、TVS#8520、TVS#8700、TVS#GMシリーズ(日東化成(株))、TM−188J、KH−195((株)耕正)、グレッグT−130シリーズ、グレッグTO−248シリーズ、グレッグTO−252シリーズ、グレッグTO−260シリーズ、グレッグTX−498シリーズ、グレッグT−386シリーズ(大日本インキ化学工業(株))などがあげられる。
【0026】
オクチルスズマレートラウレート系化合物としては、T−1000BHJ((株)耕正)があげられる。
【0027】
有機スズ化合物の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。0.1未満では、転がり抵抗を低減させる効果が表れにくく、逆に20重量部をこえると転がり抵抗が増大する。
【0028】
(C)チウラム系化合物としては、下記一般式で示されるチウラム系化合物が用いられる。
【0029】
【化3】
Figure 0004316920
【0030】
ここで、nは1〜4の整数であり、R1、R2はそれぞれ炭素数が12以下、好ましくは7〜12の炭化水素基である。炭素数が12をこえると転がり抵抗を低減させる効果が小さくなり、炭素数が7未満であるとゴム中の分散性が低下し、転がり抵抗を低減させる効果が小さくなる傾向がある。最も好ましくは、R1および/またはR2は、2−エチルヘキシル基である。
【0031】
かかるチウラム系化合物としては、具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラキス(n−オクチル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどがあげられる。これらの中でも、とくにテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
【0032】
チウラム系化合物の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。チウラム系化合物の配合量が0.1重量部未満では、転がり抵抗を低減させる効果が表れにくく、逆に20重量部をこえると耐摩耗性が低下する。
【0033】
有機スズ化合物とチウラム系化合物の配合比率((B)/(C))は、0.2〜5であることが好ましい。(B)/(C)が0.2未満では耐摩耗性が低下する傾向があり、5をこえると転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0034】
(D)カーボンブラックとしては、チッ素吸着比表面積が80〜280m2/gのものが好ましく、とくには100〜200m2/gのものが好ましく用いられる。チッ素吸着比表面積が80m2/g未満では耐摩耗性が低下する傾向があり、280m2/gをこえると転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0035】
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して10〜200重量部、さらには15〜150重量部、とくには20〜100重量部であることが好ましい。10重量部未満であると耐摩耗性が低下する傾向があり、200重量をこえると加工性が低く分散不良を起こしたり、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0036】
有機スズ化合物およびチウラム系化合物のカーボンブラックに対する配合比率(((B)+(C))/(D))は、0.01〜0.2、好ましくは0.02〜0.15である。((B)+(C))/(D)が0.01未満であると転がり抵抗を低減させる効果が小さく、また0.2をこえると耐摩耗性が低下するだけでなく、転がり抵抗を低減させる効果も小さくなる。
【0037】
さらに、本発明のゴム組成物には、前記成分のほかに、ゴム工業で通常使用されている各種薬品、たとえば、シリカなどの補強用充填剤、シランカップリング剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種軟化剤、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤などの添加剤を配合できる。
【0038】
シリカとしては、たとえば、チッ素吸着比表面積(N2SA)が100〜300m2/g、好ましくは130〜280m2/gのシリカを含有することができる。N2SAが100m2/g未満のシリカでは補強効果が低下する傾向があり、300m2/gをこえるシリカでは分散性が低下し、ゴムの発熱性が増大する傾向がある。
【0039】
シランカップリング剤としては、たとえばビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(ポリエチレンアミノ)−プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N’−ビニルベンジル−N−トリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン塩などがあげられる。なかでも、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましく、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイドがさらに好ましい。
【0040】
シランカップリング剤の配合量は、好ましくは前記シリカの配合量の1〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。シランカップリング剤の配合量が1重量%未満であると、シランカップリング剤のカップリング効果が充分でなく、20重量%をこえると、補強性および耐磨耗性が低下する傾向がある。
【0041】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、タイヤの各部材、たとえばタイヤトレッドに使用することができる。
【0042】
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種薬品を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤトレッドの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。このようにして得られた本発明のタイヤは、転がり抵抗が低減され、かつ耐摩耗性も向上されているものである。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
以下に、実施例および比較例で用いた各種薬品について説明する。
【0045】
NR:テックビーハング製のRSS#3
SBR:住友化学工業(株)製のSBR1502
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積:125m2/g)
シリカ:日本シリカ工業(株)製のニプシールVN3
シランカップリング剤:デグッサ製のシランカップリング剤Si69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
化合物▲1▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN BM(N)
ブチルスズマレート系化合物
化合物▲2▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN JF−95B
ブチルスズメルカプト系化合物
化合物▲3▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN BL
ブチルスズラウレート系化合物
化合物▲4▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN OMF
オクチルスズマレート系化合物
化合物▲5▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN ONZ−21A
オクチルスズメルカプト系化合物
化合物▲6▼(有機スズ化合物):三共有機合成(株)製のSTANN SNT−1F
オクチルスズラウレート系化合物
化合物▲7▼(チウラム系化合物):大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N
テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド
化合物▲8▼(チウラム系化合物):大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
テトラブチルチウラムジスルフィド
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
【0046】
以下に加硫ゴムの評価方法について説明する。
【0047】
(1)転がり抵抗
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃の条件でtanδを測定した。tanδの逆数の値について、実施例1〜8および比較例2〜では、比較例1を100として指数表示した。同様に、実施例9では比較例6を、比較例8では比較例7を、それぞれ100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が低く、良好であることを示している。
【0048】
(2)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定した。摩耗量の逆数を、実施例1〜8および比較例2〜では比較例1を100として指数表示した。同様に、実施例9では比較例6を、比較例8では比較例7を、100として指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性が高いことを示している。
【0049】
(3)グリップ性能
各実施例および比較例のゴム組成物からなるトレッドを有するサイズ195/65R15のタイヤを作製した。このタイヤを用いて、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行ない、その際のグリップ性能(グリップ感、ブレーキ性能、トラクション性能)について、つぎの5段階のフィーリング評価を行なった。
5:非常に良好
4:良好
3:普通
2:やや劣る
1:劣る
【0050】
実施例1〜9および比較例1〜8
表1〜3に示す各配合処方に従って混練り配合し、各種試供ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、得られた加硫物について各特性の試験を行なった。結果を表1〜3に示す。
【0051】
【表1】
Figure 0004316920
【0052】
【表2】
Figure 0004316920
【0053】
【表3】
Figure 0004316920
【0054】
表1、2および3の結果から、有機スズ化合物、チウラム系化合物およびカーボンブラックを、((B)+(C))/(D)が0.01〜0.2の比率で配合した場合には、耐摩耗性を維持し、あるいは向上させながら、転がり抵抗を低減させ得ることがわかった(実施例1〜9)。
【0055】
((B)+(C))/(D)が0.01未満では、有機スズ化合物、チウラム系化合物およびカーボンブラックを配合しても、ほとんど効果が得られず(比較例2)、また0.2をこえる場合には、耐摩耗性が大幅に低下することがわかった(比較例3および比較例8)。
【0056】
また、チウラム系化合物を単独で使用すると、耐摩耗性が低下することがわかった(比較例4)
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、ある特定の化合物を組み合わせて配合することにより、従来の方法で製造されたタイヤに比べて、グリップ性能を低下させることなく、転がり抵抗の低減および耐摩耗性の向上を両立させ得るゴム組成物、およびこれをトレッドに用いたタイヤを提供することができる。

Claims (2)

  1. (A)ジエン系ゴム成分100重量部に対して、
    (B)式(1):
    mSnY4-m (1)
    (式中、Rは炭化水素基、Yはラウレート、マレートまたはメルカプチド、mは1〜3の整数を表す)で示される有機スズ化合物0.1〜20重量部、
    (C)式(2):
    Figure 0004316920
    (式中、nは1〜4の整数であり、R1、R2は炭素数12以下の炭化水素基を表す)で示されるチウラム系化合物0.1〜20重量部、および、
    (D)カーボンブラックを含有してなり、
    (B)有機スズ化合物と(C)チウラム系化合物との合計含有量が、(D)カーボンブラックの含有量の0.01〜0.2倍であるゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤ
  2. 前記式(2)におけるR1および/またはR2が2−エチルヘキシル基である請求項1記載のゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤ
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