JP4316402B2 - ポリオレフィン系ラップフィルム - Google Patents
ポリオレフィン系ラップフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4316402B2 JP4316402B2 JP2004059518A JP2004059518A JP4316402B2 JP 4316402 B2 JP4316402 B2 JP 4316402B2 JP 2004059518 A JP2004059518 A JP 2004059518A JP 2004059518 A JP2004059518 A JP 2004059518A JP 4316402 B2 JP4316402 B2 JP 4316402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- parts
- low density
- resin
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Wrappers (AREA)
Description
上記フィルムには、食品包装用としてのフィルムの引き出し性、カット性、密着性、防曇性などが要求されている。
また、上記従来の技術では、加温調理された直後の食品を包装すると、フィルムが水滴で曇ってしまい、内容物が見えなくなるという防曇性の不具合を生じるという不利もあった。
また、本発明は、プロピレン-エチレン−ブテン三元ランダム共重合体に、脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも一種の防曇剤を混合した組成物からなる層を芯層とし、その少なくとも片面に、表面層として、直鎖状低密度ポリエチレンからなる樹脂、または直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる樹脂に、該樹脂100質量部に対し、ソルビタンカプリレートを0.5〜5.0質量部及び/又はポリオキシエチレンラウリルエーテルを0.5〜5.0質量部からなる防曇剤を混合した組成物からなる層を一層または二層有してなる多層のポリオレフィン系ラップフィルムである。
更に、プロピレン−エチレン−ブテン三元ランダム共重合体は、エチレンおよびブテンの含有量が、合計で1〜20質量%が好ましい。
プロピレン−エチレン−ブテン三元ランダム共重合体はカット性付与の点で好ましく採用される。
上記ポリプロピレン系樹脂のMFR(JIS K 6921−2、230℃)は、0.1〜10g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜7g/10min、更に好ましくは0.5〜5g/10minである。
上記ポリエチレン系樹脂のMFR(JIS K 6922−2、190℃)は、0.1〜10g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜7g/10min、更に好ましくは0.5〜5g/10minである。
直鎖状低密度ポリエチレンを採用する場合、その密度は、0.900〜0.925g/cm3 が好ましく、より好ましくは0.905〜0.920g/cm3 、更に好ましくは、0.905〜0.915g/cm3 である。
また、直鎖状低密度ポリエチレンを採用した場合には、製膜性やフィルムの表面平滑性を向上させるために、密度が0.910〜0.950g/cm3の低密度ポリエチレンを配合してもよい。この場合の配合割合は、直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対し、低密度ポリエチレン5〜25質量部が好ましい。
上記炭素数が、8未満の場合では、成形加工中に蒸発してしまうという不利があり、逆に炭素数が10を超えると、低温下で固化してしまうという不利があり、好ましくない。
また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、上記ポリエチレン系樹脂100質量部に対し、0.1〜0.3質量部の範囲であり、より好ましくは0.15〜0.3質量部の範囲内である。
具体的には、脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも一種の防曇剤である。
炭素数8〜22の脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられ、上記脂肪酸多価アルコールとのエステルとしては、ソルビタンカプリレート、ソルビタンカプレート、ソルビタンラウレート、モノグリセリンカプリレート、モノグリセリンカプレート、モノグリセリンラウレート、モノグリセリンオレート、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジカプリレート、ジグリセリンジカプレート、ジグリセリンジラウレート、ジグリセリンジオレート、ポリグリセリンジカプリレート、ポリグリセリンジカプレート、ポリグリセリンジラウレート、ポリグリセリンジオレートなどが挙げられる。これらの中では、ソルビタンカプリレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンジオレートなどが好ましく採用される。
上記防曇剤配合割合は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、0.5〜5.0質量部の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜4.5質量部、更に好ましくは1.0〜4.0質量部の範囲内である。
更に芯層と表面層との間に、中間層を形成してもよい。このような中間層としては、リサイクル品やポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物などが挙げられる、
具体的に一つの製造方法を挙げると、3台の押出機を使用して、芯層とその表面層を構成する前記各樹脂組成物を、3層インフレーションダイスからそれぞれ所定の層厚が得られるように、150〜270℃で共押し出しし、この溶融樹脂フィルムを10〜30℃の冷却エアーで冷却しながらフィルムを成形する。
具体的には、引張弾性率(JIS K 7113に基づく)が、200〜500N/mm2の範囲、50%モジュラス(JIS K 6732に基づく)が5.00〜25.00N/mm2の範囲、引張破断伸び(JIS K 6732に基づく)が、200〜800%の範囲、引裂強度(JIS K 6732 に基づく)が50〜250N/mmの範囲であり、これらを特定することにより、食品包装用フィルムとしての引張特性が良好になる。
下記表1に示した組成で、芯層とその両側の表面層からなる3層フィルムを多層インフレーション法により製造した。すなわち、3台の押出機を使用して、溶融樹脂を3層インフレーションダイスから芯層と表面層の厚さが表1に示した値になるように、250℃で共押出しし、この溶融樹脂フィルムを巻き取り機にて、厚さ9μm、幅450mmで巻取った。なお、表1中の混合量は、質量部を表す。
各層で使用した樹脂の明細は下記の通りである。
・ポリプロピレン系樹脂:プロピレン−エチレン−ブテンの三元ランダム重合体
Adsyl 7221XCP(サンアロマー社製、商品名)、MFR0.9g/10min
・ポリエチレン系樹脂:
直鎖状低密度ポリエチレン
ハーモレックス NF444A(日本ポリエチレン社製、商品名)、MFR2.0g/10min、密度0.912g/cm3
低密度ポリエチレン
ノバテックLD LF441B(日本ポリエチレン社製、商品名)、MFR3.0g/10min、密度0.923g/cm3
・防曇剤:
A.ソルビタンカプリレート(脂肪族多価アルコールと炭素数8の脂肪酸とのエステル):リケマールC−250(理研ビタミン社製、商品名)
B.ポリオキシエチレンラウリルエーテル:リケマールB−205(理研ビタミン社製、商品名)
C.ジグリセリンオレート(脂肪族多価アルコールと炭素数18の脂肪酸とのエステル):リケマールO−71−D(理研ビタミン社製、商品名)
・幅450mm、長さ100mの巻物をサンプルとし、ラップフィルムの引き出す部分を測定サンプルと同じ幅の厚紙で固定する。ラップフィルム本体は引出しに支障が無いように固定する。テンシロンにて、ラップフィルムを挟んだ厚紙部分をチャックで固定し、ラップフィルムを1000mm/minの速度で上方に引き出す。300mm引き出すまでの平均荷重を測定する。この値は0.60〜1.00Nの範囲であれば、適度なすべり性を有し、実用上好適である。0.60N未満であるとフィルムの密着力が不足し、1.00Nを超すと収納箱から引き出しづらくなる。
・カット性;幅450mm、長さ100mの巻物をサンプルとする。サンプルの中央部分に100mm幅で引き出せるように切れ目を入れた後、家庭用ラップフィルムの収納箱に入れ、専用の治具にて固定する。フィルムをカット刃に当たらないように50cm引出し、カットするための角度が45°になるようセットする。テンシロンにてラップフィルムを200mm/minの速度で引張り、カットされた時の荷重を測定する。この値は4.0N以上15.0N以下であれば実用上好適である。
・密着性;長さ150mm、幅120mmのガラス板をアセトンで洗浄し、このガラス板に長さ170mm、幅100mmの長方形のフィルムを長辺端20mmを除いて密着させて、フィルムとガラス板の重なった部分に、5g/cm2の荷重を1min間かける。ガラス板から出ているフィルムの20mmをテンシロンの上側のチャックで固定し、ガラス板を水平面から60°の角度になるように、専用治具でテンシロンのチャックに固定し、フィルムを50mm/minの速度で、上方に引き剥がす。150mm引き剥がすまでの平均荷重を密着性とした。この値は、0.02Nを超えると好適で、0.03N以上であると容器への密着が確実となる。
500mlビーカーに300mlの水を入れ、ウォーターバスで水温80℃に調整する。このビーカーにフィルムを被せ、水滴がなくなるまでの時間を測定する。
この値は30sec以内が好適である。
・引張弾性率;JIS K 7113に準じて、引張速度200mm/minで測定した。
・50%モジュラス;JIS K 6732に準じて、引張速度200mm/minで測定した。
・引裂破断伸び;JIS K 6732に準じて、引張速度200mm/minで測定した。
・引裂強度;JIS K 6732に準じて測定した。
表2から明らかなように、本実施例のフィルムはいずれも優れた特性を示したのに対し、比較例のフィルムは本発明のフィルムより劣っていた。
Claims (2)
- プロピレン-エチレン−ブテン三元ランダム共重合体からなる芯層の少なくとも片面に、表面層として、直鎖状低密度ポリエチレンからなる樹脂、または直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる樹脂に、該樹脂100質量部に対し、ソルビタンカプリレートを0.5〜5.0質量部及び/又はポリオキシエチレンラウリルエーテルを0.1〜0.3質量部からなる防曇剤を混合した組成物からなる層を一層または二層有してなる多層のポリオレフィン系ラップフィルム。
- プロピレン-エチレン−ブテン三元ランダム共重合体に、脂肪族多価アルコールと炭素数8〜22の脂肪酸とのエステル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも一種の防曇剤を混合した組成物からなる層を芯層とし、その少なくとも片面に、表面層として、直鎖状低密度ポリエチレンからなる樹脂、または直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる樹脂に、該樹脂100質量部に対し、ソルビタンカプリレートを0.5〜5.0質量部及び/又はポリオキシエチレンラウリルエーテルを0.5〜5.0質量部からなる防曇剤を混合した組成物からなる層を一層または二層有してなる多層のポリオレフィン系ラップフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059518A JP4316402B2 (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | ポリオレフィン系ラップフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059518A JP4316402B2 (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | ポリオレフィン系ラップフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005246748A JP2005246748A (ja) | 2005-09-15 |
JP4316402B2 true JP4316402B2 (ja) | 2009-08-19 |
Family
ID=35027703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004059518A Expired - Fee Related JP4316402B2 (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | ポリオレフィン系ラップフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4316402B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5041577B2 (ja) * | 2006-03-27 | 2012-10-03 | 竹本油脂株式会社 | 包装用積層フィルム及びその製造方法 |
WO2014091808A1 (ja) * | 2012-12-14 | 2014-06-19 | オカモト株式会社 | 食品包装用ラップフィルム |
CN108016100A (zh) * | 2017-12-06 | 2018-05-11 | 广州融盛包装材料有限公司 | 一种生鲜蔬菜包装用防雾膜 |
KR102559970B1 (ko) * | 2020-12-30 | 2023-07-28 | 삼영화학공업주식회사 | 폴리올레핀계 다층 랩 필름 |
KR102559983B1 (ko) * | 2022-04-19 | 2023-07-28 | 삼영화학공업주식회사 | 우수한 점착력을 가진 다층구조의 폴리올레핀 필름, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 포장재 |
-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004059518A patent/JP4316402B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005246748A (ja) | 2005-09-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7170786B2 (ja) | ラップフィルム及びラップフィルム巻回体 | |
EP1279494B1 (en) | Crosslinked laminated wrapping film | |
EP2065185A1 (en) | Adhesive wrap film | |
US6682808B2 (en) | Crosslinked laminated wrap film and dispenser box therefor | |
JP4287084B2 (ja) | きのこ類包装用フィルム | |
JP4316402B2 (ja) | ポリオレフィン系ラップフィルム | |
JP2007045855A (ja) | ポリオレフィン系樹脂組成物 | |
JP5254537B2 (ja) | 食品包装用フィルム | |
JP3647568B2 (ja) | 食品包装用ストレッチシュリンクフィルム及びその製造方法 | |
JP2008080744A (ja) | ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法 | |
JP2006346868A (ja) | 3層架橋フィルム | |
JP2000094604A (ja) | 包装用多層フイルム | |
JP2018193503A (ja) | フィルムおよび包装体 | |
JP2021123109A (ja) | 積層フィルム、蓋材および容器 | |
JP2003321613A (ja) | 防曇性フィルム | |
KR102559970B1 (ko) | 폴리올레핀계 다층 랩 필름 | |
JP3312443B2 (ja) | 自己粘着性包装用フィルム | |
JP4680413B2 (ja) | 低温特性に優れるストレッチフィルム | |
JP4528566B2 (ja) | ポリオレフィン系ストレッチフィルム | |
JP4112107B2 (ja) | ストレッチフィルム | |
JP2000127315A (ja) | ラッピングフィルム | |
JP6803224B2 (ja) | 多層ポリプロピレン系延伸フィルム | |
JP2023179089A (ja) | ラップフィルム | |
JP2001246708A (ja) | 架橋積層のラップフィルム | |
JP4680336B2 (ja) | 非塩ビ系ストレッチフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060912 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090114 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090311 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090518 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090520 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4316402 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150529 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |