JP4315668B2 - 飲食品用乳化香料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食品用乳化香料、及びこれを含有する飲食品に関する。詳しくは、総トコフェロール中、45重量%(以下%とする)以上がd−δ−トコフェロールである抽出トコフェロールとカテキン類、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする飲食品用乳化香料に関し、さらには該乳化香料を供した香味の良好な飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、柑橘系香料やコーヒー系香料、ミルク系香料などの飲食品用香料は、熱や酸素、光などの影響を受け、経時的に香味成分の変化、異味異臭の発生等の劣化を起こすことが知られている。天然香料や天然香料に類似のものは、特にその傾向にある。さらに、飲食品用香料は飲食品に添加された後も、殺菌等の加工工程や、飲食品の流通、保管の各段階において、熱や酸素、光などの影響を受け、香味の劣化を起こすものと思われる。
飲食品用香料の劣化防止については、古くからジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、及び没食子酸プロピル等の合成の酸化防止剤が使用されてきた。しかし、近年、これらの酸化防止剤は人体の健康に好ましくない影響を与えることが指摘され、これらの酸化防止剤の使用は敬遠されるようになった。そこで、近年は、これら合成の酸化防止剤に代わる天然物由来の酸化防止剤、香味劣化防止剤が求められており、種々の提案が出されている。例えば、コーヒー生豆から抽出されたクロロゲン酸、カフェー酸等を利用した飲食品の香味劣化防止法(例えば、特許文献1又は2参照。)、酵素処理ルチンを利用した水溶性香料組成物の劣化防止法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。しかし、これらの劣化防止剤の多くは渋味、エグ味等の異味異臭を有すため、香味を変えない範囲での添加量に限られる。また、これらの劣化防止剤の多くは水溶性であるため、エタノールを溶剤とする水溶性香料においては効果を有するものの、油性香料を乳化または可溶化した乳化香料では充分な効果が得られないなどの欠点もある。また、油性食品の酸化防止に汎用されるものに、dl−α−トコフェロールや抽出トコフェロールがある。トコフェロールの油に対する酸化防止を過酸化物価(POV)やカルボニル価(CoV)の指標を用いて報告された文献等は多数あるが、飲食品用香料の香味成分の劣化防止についての報告は少なく、実際、単独では劣化防止効果が弱いのが実情である。また、一般にトコフェロールは、水または多価アルコール中では乳化が不安定であり、香料成分やカテキン類、フラボノイド類等の影響を受け、トコフェロールが分離する等の問題もある。このように飲食品用香料、特に乳化香料の香味劣化防止で、いまだに十分な効果と実用性を有するものはほとんど無く、さらなる開発が求められている。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−27374号公報(第3−5頁)
【特許文献2】
特開平6−38723号公報(第2−7頁)
【特許文献3】
特開平4−363395号公報(第2−5頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、飲食品用乳化香料の保存中における香味の劣化を最小限に抑制し、また保存中における油相の分離もなく乳化安定性に優れる飲食品用乳化香料を提供することを目的とする。また、該乳化香料を飲食品に供することで、香料の保存による劣化の影響が少なくなり、香味良好な飲食品を提供することをも目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、飲食品用乳化香料中に、総トコフェロール中にd−δ−トコフェロールを45%以上含有する抽出トコフェロールとカテキン類を含有し、さらにポリグリセリン脂肪酸エステルを用い乳化物とすることによって、得られた乳化香料が保存中における熱、酸素、光等の影響による香味成分の変化、異味異臭の発生等を顕著に抑制し得ることを見出し、本発明に至ったものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における飲食品用乳化香料とは、香味成分を含有し水分散性を有する乳化組成物であって、総トコフェロール中、45%以上がd−δ−トコフェロールである抽出トコフェロール、カテキン類、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するものである。
【0007】
一般に抽出トコフェロールは、植物原料から抽出、精製されたものを指す。抽出される植物原料の種類は、特に限定されるものではないが、代表例として大豆油、小麦胚芽油、パーム油などが挙げられる。中でも、大豆油由来の抽出トコフェロールは、他の植物に比べてd−δ−トコフェロールを多く含有し、また、工業的な供給面からも好適である。
【0008】
また、一般に抽出トコフェロールは、d−α,β,γ,δ−トコフェロールが混在するが、その成分比率は、植物の種類や品種、産地などにも影響される。また、工業的に分子蒸留などの工程により特定の同族体組成の成分比率を上げた製品も市販されている。
本発明における抽出トコフェロールは、特に限定するものではなく、これら一般的なものに加え、一般的な抽出トコフェロールを誘導体化したものも含まれる。
【0009】
また、本発明における抽出トコフェロールの精製方法は特に限定はしないが、総トコフェロール中、d−δ−トコフェロールを45%以上含有するものを必須とし、好ましくは、d−δ−トコフェロールを70%以上含有するものが望ましく、さらに好ましくは、d−δ−トコフェロールを85%以上含有するものが望ましい。抽出トコフェロールの各同族体の内、d−δ−トコフェロールが特に香味劣化の抑制に効果があり、総トコフェロール中、d−δ−トコフェロールの比率が高いほど有効である。総トコフェロール中、d−δ−トコフェロールが45%未満であると、香味劣化に抑制効果が低いばかりか、d−α−トコフェロールなどの劣化に起因すると思われる異味、異臭の発生を起こすようになる。
なお、本発明におけるd−δ−トコフェロールは、d−δ−トコフェロールだけではなくその誘導体も含まれる。例えば、d−δ−トコフェロールを酢酸とエステル化したd−δ−トコフェロールの酢酸エステルは、安定性が向上し持続的な香味劣化抑制効果が期待できるためより好適である。
【0010】
本発明の飲食用乳化香料中における抽出トコフェロールの含量は特に限定するものではないが、0.01%から10%が乳化香料の乳化安定性の点より好ましい。さらに好ましくは、0.1%から5%が望ましい。
【0011】
抽出トコフェロールの各同族体の含量を測定するには、高速液体クロマトグラフィーにより可能である。
【0012】
本発明に使用されるカテキン類とは、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレートの内、少なくとも1種以上を含むものであればよく、原料となる植物の種類は、特に限定されるものではないが、代表例として茶葉、アボカド果皮、カカオ豆、リンゴなどが挙げられる。中でも、茶葉を原料とする茶カテキンは、茶葉中のカテキン類含量も高く、また、工業的な供給面からも好適である。本発明に使用されるカテキン類は、カテキン類の含量を特に限定するものではないが、カテキン類中に60%以上含有されていることが好ましく、さらに好ましくは70%以上含有されていることが望ましい。
【0013】
本発明の飲食品用乳化香料中におけるカテキン類の含量は特に限定するものではないが、0.01%から10%が乳化香料の乳化安定性の点より好ましい。さらに好ましくは、0.1%から5%が望ましい。
【0014】
これらカテキン類の総含量は、酒石酸鉄を用いた比色定量法により測定可能であるが、各カテキン類の組成を詳細に測定するためには、高速液体クロマトグラフィーで測定することが好適である。
【0015】
本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、特に限定されるものではないが、ポリグリセリン組成中、トリ,テトラ,ペンタ,ヘキサ,ヘプタ,オクタ,ノナ,デカグリセリンから選ばれる1種のポリグリセリンの含量が35%以上であることが好ましく、より好ましくは45%以上がよい。ポリグリセリンの種類は特に限定しないが、グリセリンの重合度3以上であることが好ましく、より好ましくは重合度4以上、さらに好ましくは重合度5以上のものが良い。油相に抽出トコフェロールを含有し、さらに水相中にカテキン類を含有するような乳化物は、一般に乳化安定性が悪く、油相が分離するような問題を生じるが、このような乳化にポリグリセリン脂肪酸エステルが有効である。ポリグリセリン組成中、重合度3以上の1種のポリグリセリン含量が35%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルは、特に乳化安定性に優れ、さらに可溶化も可能となるので、透明飲料などへも使用できるものとなる。
なお、ポリグリセリンの重合度分布の測定については、特に限定されるものではないが、ポリグリセリンをトリメチルシリル化あるいはアセチル化を行いポリグリセリンを誘導体となし、その上でガスクロマトグラフィーにて分離定量を行い面積法にて求めることができる。
【0016】
本発明に使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、炭素数8〜22の飽和ないし不飽和脂肪酸であり、単品又は混合したものでも良い。エステル化度については特に限定するものではないが、モノエステル含量の高い、低エステル化度のものが好ましい。また、該香料組成物の乳化に使用される乳化剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルのみに限らず、高HLBのショ糖脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、キラヤ抽出物などを併用して用いることもできる。
【0017】
本発明の飲食品用乳化香料において、油溶性の香料成分も水溶性の香料成分も何れも使用することを限定されない。油溶性、水溶性成分をそれぞれ単独でも、また併用でも使用することが可能であるが、好ましくは、油溶性成分を含む方が好ましい。油溶性成分は、水に溶解、分散しない成分を含有するものを指す。特に限定されるものではないが、具体的には、レモン精油、オレンジ精油などの柑橘系の精油や、コーヒーオイル、バターオイルなどが挙げられる。また、油溶性、水溶性成分の何れも、天然物、合成物の由来については、これを限定しない。香味成分の添加方法は、特に限定するものではないが、油溶性の香味成分は、乳化前に予め抽出トコフェロールと混合する方がよく、水溶性の香味成分は、乳化後に添加する方がよい。
【0018】
本発明の飲食品用乳化香料の乳化方法は、特に限定されるものではないが、多価アルコール中にポリグリセリン脂肪酸エステルを必須とする乳化剤を溶解させた後、抽出トコフェロールを含む油相を添加し、乳化装置を用い乳化する方法が好適に用いられる。乳化装置は、特に限定されるものではないが、具体的には、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。カテキン類の添加は、乳化の前後の何れでも良いが、乳化後に添加する場合は、予め多価アルコールなどで溶解してから添加する方が良い。
【0019】
また、多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、乳糖、砂糖、カップリングシュガー、ブドウ糖、酵素水飴、酸糖化水飴、麦芽糖水飴、麦芽糖、異性化糖、果糖、還元麦芽糖、還元澱粉水飴、蜂蜜などが挙げられ、好ましくは、グリセリン、ソルビトール、還元澱粉水飴などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、乳化に影響を及ぼさない範囲において、水やエタノールなどを混合しても良い。
【0020】
本発明の飲食品用乳化香料は、総トコフェロール中、45%以上がd−δ−トコフェロールである抽出トコフェロールとカテキン類を含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化物とすることによって、所望の効果が得られるが、必要に応じて公知の酸化防止剤(L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸エステル)、香味劣化防止剤(クロロゲン酸、酵素処理ルチン、ヒマワリ抽出物、ヤマモモ抽出物)、金属封鎖剤(グルコン酸、コウジ酸、フィチン酸、ポリリン酸、キチン、キトサン等)等を配合することもできる。
【0021】
本発明の飲食品用乳化香料を使用しうる飲食品とは、特に限定されるものではないが、例えば、無果汁飲料、果汁入り飲料、野菜飲料、豆乳飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、茶飲料、炭酸飲料、コーヒー飲料、アルコール飲料等の飲料類、プリン、ヨーグルト、アイスクリーム、ゼリー等のデザート食品類、つゆ、たれ、ドレッシング等の調味料、レトルト食品などを挙げることができ、好ましくは、飲料、デザート食品類に添加することが望ましい。
【0022】
これらの食品に添加される飲食品用乳化香料の量は、乳化香料中の香料成分の組成、使用される食品の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、香味を適切に発現する観点から、飲食品中に0.001%以上1.0%以下、好ましくは、0.01%以上0.5%以下であることが望ましい。
【0023】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
実施例1
多価アルコールとして、還元澱粉水飴(東和化成工業(株)製)90gにポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)1gを添加し、60℃に加温溶解した。コーヒー油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)1gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、本発明品1のコーヒー乳化香料を得た。
【0025】
比較例1
多価アルコールとして、還元澱粉水飴(東和化成工業(株)製)92gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。コーヒー油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品1のコーヒー乳化香料を得た。
【0026】
比較例2
多価アルコールとして、還元澱粉水飴(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。コーヒー油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)2gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品2のコーヒー乳化香料を得た。
【0027】
比較例3
多価アルコールとして、還元澱粉水飴(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。コーヒー油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品3のコーヒー乳化香料を得た。
【0028】
比較例4
多価アルコールとして、還元澱粉水飴(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gと酵素処理ルチン(キリヤ化学(株)製、酵素処理ルチン含量50%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。コーヒー油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品4のコーヒー乳化香料を得た。
【0029】
試験例1
実施例及び比較例で得られたコーヒー乳化香料を37℃で2ケ月間保存した後、4℃の冷蔵庫に保存しておいた試料を標準としてそれに対する香味劣化の程度を、よく訓練された10名のパネラーにより5段階の官能評価を行った。その結果を表1に示す。評価点は10名のパネラーの平均値で示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、保存中における香味劣化を効果的に防止し、異味異臭の発生を著しく抑制した。
【0032】
実施例2
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)1gを添加し、60℃に加温溶解した。レモン精油(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)1gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、本発明品2のレモン乳化香料を得た。
【0033】
比較例5
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)92gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。レモン精油(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品2のレモン乳化香料を得た。
【0034】
比較例6
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。レモン精油(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)2gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品6のレモン乳化香料を得た。
【0035】
比較例7
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。レモン精油(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品7のレモン乳化香料を得た。
【0036】
比較例8
多価アルコールとして、グリセリン(日本油脂(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gと生コーヒー豆抽出物(長谷川香料(株)製、クロロゲン酸含量30%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。レモン精油(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品8のレモン乳化香料を得た。
【0037】
試験例2
実施例及び比較例で得られたレモン乳化香料を37℃で2ケ月間保存した後、4℃の冷蔵庫に保存しておいた試料を標準としてそれに対する香味劣化の程度を、よく訓練された10名のパネラーにより5段階の官能評価を行った。その結果を表3に示す。評価点は10名のパネラーの平均値で示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表2から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、保存中における香味劣化を効果的に防止し、異味異臭の発生を著しく抑制した。
【0040】
実施例3
多価アルコールとして、ソルビトール(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)1gを添加し、60℃に加温溶解した。ミルク油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)1gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、本発明品3のミルク乳化香料を得た。
【0041】
比較例9
多価アルコールとして、ソルビトール(東和化成工業(株)製)92gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。ミルク油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品9のミルク乳化香料を得た。
【0042】
比較例10
多価アルコールとして、ソルビトール(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gを添加し、60℃に加温溶解した。ミルク油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gと抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、δ−トコフェロール含量86%)2gを混合し、これを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品10のミルク乳化香料を得た。
【0043】
比較例11
多価アルコールとして、ソルビトール(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとカテキン類として緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。ミルク油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品11のミルク乳化香料を得た。
【0044】
比較例12
多価アルコールとして、ソルビトール(東和化成工業(株)製)90gに、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるペンタグリセリンモノオレート(太陽化学(株)製、HLB値13、ポリグリセリン組成中ペンタグリセリン含量45%)3gとヤマモモ抽出物(三栄源エフエフアイ(株)製、ヤマモモ抽出物含量20%)2gを添加し、60℃に加温溶解した。ミルク油性香料(アイ・エフ・エフ日本(株)製)5gを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数6000rpmで乳化させて、比較品12のミルク乳化香料を得た。
【0045】
試験例3
実施例及び比較例で得られたミルク乳化香料を37℃で2ケ月間保存した後、4℃の冷蔵庫に保存しておいた試料を標準としてそれに対する香味劣化の程度を、よく訓練された10名のパネラーにより5段階の官能評価を行った。その結果を表3に示す。評価点は10名のパネラーの平均値で示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表1から明らかなように、本発明品は比較品に比べ、保存中における香味劣化を効果的に防止し、異味異臭の発生を著しく抑制した。
【0048】
本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1) 総トコフェロール中、45重量%以上がd−δ−トコフェロールである抽出トコフェロールとカテキン類、及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする飲食品用乳化香料。
(2) カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれる1種または2種以上である前記(1)記載の飲食品用乳化香料。
(3)ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリン組成中、トリ,テトラ,ペンタ,ヘキサ,ヘプタ,オクタ,ノナ,デカグリセリンから選ばれる1種のポリグリセリンの含量が35重量%以上である前記(1)記載の飲食品用乳化香料。
(4)前記(1)〜(3)のいずれか記載の飲食品用乳化香料を含有する飲食品。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、飲食品用乳化香料中に高含有d−δ−トコフェロールとカテキン類を含有し、さらにd−δ−トコフェロールを含む油相をポリグリセリン脂肪酸エステルにより乳化物とすることによって、乳化香料の保存中における香味劣化を効果的に防止することができる。さらに、本発明の飲食品用乳化香料を飲食品に供することで、香味の良好な飲食品を提供することができる。
Claims (4)
- 総トコフェロール中、45重量%以上がd−δ−トコフェロールである抽出トコフェロールとカテキン類、及びポリグリセリン組成中、重合度3以上の1種のポリグリセリン含量が35%以上であるポリグリセリンの脂肪酸エステルを含有することを特徴とする飲食品用乳化香料。
- カテキン類が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の飲食品用乳化香料。
- ポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリン組成中、トリ,テトラ,ペンタ,ヘキサ,ヘプタ,オクタ,ノナ,デカグリセリンからなる群より選ばれる1種のポリグリセリンの含量が35重量%以上である請求項1記載の飲食品用乳化香料。
- 請求項1〜3のいずれか記載の飲食品用乳化香料を含有してなる飲食品。
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