JP4315585B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ制御により駆動する圧縮機を備えた空気調和機に関するものであり、特に、減圧器内に電子制御式膨張弁を用いることでスラッジによる詰まりに対処した空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の空気調和機について説明する。スラッジ等による詰まりに対して対策を施した装置としては、特開平9−33114号公報に記載の「冷凍装置」がある。以下、上記「冷凍装置」を空気調和機に適用した場合について説明する。ここでは、減圧器ユニット内の電子制御式膨張弁に対して並列にキャピラリーチューブを設けている。また、ここでは、吐出管温度の急激な温度上昇を検知することで、減圧器ユニットの詰まり状態を検出する異常診断を行い、異常診断後、電子制御式膨張弁の開度制御を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来の空気調和機においては、減圧器ユニット内にキャピラリーチューブと電子制御式膨張弁の両方を設ける必要があるため、大幅なコスト増加になる、という問題があった。また、通常運転時には、電子制御式膨張弁が使用されていないため、すなわち、電子制御式膨張弁によるきめの細かい流量制御が行われていないため、省エネ化が図れない、という問題があった。また、従来の空気調和機においては、吐出管温度により減圧器の詰まりを判断しているが、吐出管の温度は冷媒不足や過負荷運転時においても急激に上昇するため、減圧器の詰まりかどうかを確実に検出できない、という問題があった。
【0004】
また、近年では、減圧器に電子制御式膨張弁を用い、減圧量をマイコン制御することにより、省エネ化を図っている空気調和機もあるが、このような空気調和機では、上記キャピラリーチューブを用いた減圧器に比べて電子制御式膨張弁の開口面積が著しく少ないため、スラッジ等による詰まりが発生しやすくなり、さらに、詰まり耐力が悪化する、という問題があった。また、減圧器がスラッジ等により詰まりが発生した場合には、冷媒回路中の冷媒循環流量が著しく低下し、空調能力が著しく低下するとともに、さらに圧縮機が冷媒による冷却不良となり、圧縮機の摩耗が発生するため、信頼性が悪化する、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、減圧器内に電子制御式膨張弁を用いた場合においても、コストを増加させることなくスラッジ等による詰まり耐力を向上させることを可能とし、さらに、スラッジ等による詰まりが発生した場合においても、確実にその詰まり状態を検出することが可能な空気調和機を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる空気調和機にあっては、圧縮機、室内側熱交換器、電子制御式膨張弁を有する減圧器、および室外側熱交換器で冷凍サイクルを構成し、さらに、室内温度を検出するための温度センサーと、前記室内側熱交換器の温度を検出するための温度センサーと、を備え、各温度センサーから出力される信号に基づいて温度差を計算し、当該温度差に応じて前記電子制御式膨張弁の開度を変更することを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、室内温度を検出するための室温検知サーミスタ(温度センサー)、および室内熱交換器の温度を検出するための室内管温サーミスタ(温度センサー)を設け、両方の温度センサーからの出力信号の差を検出し、さらにこの温度差に応じて電子制御式膨張弁の開度を変更することで、確実に電子制御式膨張弁の詰まりを検出する。
【0008】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、前記圧縮機が回転速度を変更可能なインバータ駆動を行う場合、前記各温度センサーから出力される信号に基づいて温度差を計算し、さらに、前記圧縮機の運転周波数を検出し、計算により求めた温度差が、当該運転周波数に応じてあらかじめ設定しておいた設定温度差よりも小さい場合に、電子制御式膨張弁の開度を開方向に変更することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、圧縮機の運転周波数に応じてあらかじめ設定してある温度差にしたがって、電子制御式膨張弁の開度を変更する。
【0010】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、計算により求めた温度差が、当該運転周波数に応じてあらかじめ設定しておいた温度差よりも小さく、かつ確実に判定するために必要な所定の時間が経過した場合に、減圧器に異常があると判断し、電子制御式膨張弁の開度を開方向に変更することを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、この状態で、検出した温度差が圧縮機の運転周波数に応じた設定温度差より小さく、かつ確実に判定するために必要な時間が経過した場合に、「減圧器に詰まりがある」、と判定する。そして、安定運転時には異常判定を行わない。
【0012】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、前記電子制御式膨張弁の開度を変更する場合、前記減圧器の異常と判断し、当該異常状態の記憶、または表示の、少なくともいずれか一方の処理を行うことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、たとえば、減圧器の詰まりを検出した場合に、その異常状況を記憶/表示し、その状態を使用者に知らせる。
【0014】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、冷媒として、HFC系冷媒を用いることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、冷媒として、たとえば、R410A、R134a、R32、R407C等のHFC系冷媒のいずれかを用いる。
【0016】
つぎの発明にかかる空気調和機にあっては、圧縮機の潤滑油として、エステル油、エーテル油、およびハードアルキルベンゼン油のなかからいずれかを用いることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、冷凍機油として、たとえば、エステル油、エーテル油、またはハードアルキルベンゼン油を用いる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる空気調和機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる空気調和機の構成を示す図である。図1において、1は電動圧縮機(圧縮機)であり、2は吐出配管であり、3は吸入配管であり、4はアキュムレータであり、5は冷媒流路切換弁(四方弁)であり、6は室内側熱交換器であり、7aは流量バランスチャピラリーであり、7bは電子制御式膨張弁を含んだ減圧器であり、8は室外側熱交換器であり、9は室内ファンであり、10は室外ファンであり、11aは室内外接続配管(液側)であり、11bは室内外接続配管(ガス側)であり、12は室内マイコン制御部であり、13は室内ファン駆動装置であり、14は室外マイコン制御部であり、15は圧縮機駆動装置であり、16は室外ファン駆動装置であり、17は圧縮機温度サーミスタであり、18は室温検知サーミスタであり、19は霜取検知サーミスタであり、20は室内管温サーミスタである。
【0020】
ここで、上記のように構成される空気調和機の基本動作について説明する。上記空気調和機は、圧縮機1、四方弁5、室外熱交換器8、減圧器7b、室内側熱交換器6を順次接続した冷媒圧縮サイクルを備えるとともに、当該室内側熱交換器6および室外側熱交換器6にそれぞれ室内ファン9および室外ファン10を備え、さらに、圧縮機1の回転数をインバータ制御で行う。また、上記空気調和機では、室内マイコン制御部12が、室温検知サーミスタ18にて検知した温度と、室温設定値と、の差を算出することで、建物負荷を検知し、さらに、当該建物負荷に応じて室外の圧縮機1の運転回転速度を演算し、その演算結果を室外マイコン制御部14に対して通知する。そして、室外マイコン制御部14が、受け取った演算結果に基づいて自動的に回転速度の制御を行う。
【0021】
また、室外マイコン制御部14では、室内マイコン制御部12から冷房運転または暖房運転の指令を受け取り、たとえば、冷房運転時には、室外側熱交換器8を凝縮器として、室内側熱交換器6を蒸発器として、用いるように、冷媒の流れを制御するための四方弁5を動作させる。一方、暖房運転時には、逆に、室内側熱交換器6を凝縮器として、室外側熱交換器8を蒸発器として、用いるように、冷媒の流れを制御するための四方弁を動作させる。
【0022】
また、上記空気調和機は、室外の減圧器7bに電子制御式膨張弁を設けており、たとえば、起動時には、予め設定していた膨張弁開度で運転を行い、その後は、圧縮機1の運転周波数に応じて予め設定していた圧縮機1の吐出温度に基づいて、電子制御式膨張弁を制御する。すなわち、室外マイコン制御部14では、たとえば、圧縮機温度サーミスタ17が予め設定していた圧縮機1の吐出温度より低い場合に、電子制御式膨張弁に対して閉方向指令を与え、一方、予め設定していた圧縮機1の吐出温度より高い場合に、開方向指令を与える。
【0023】
なお、上記空気調和機では、冷媒として、R410A、R134a、R32、R407C等のHFC系冷媒のいずれかを用い、さらに、冷凍機油(圧縮機1の潤滑油)として、エステル油、エーテル油、およびハードアルキルベンゼン油のなかからいずれかを用いる。ただし、上記では、HFC系冷媒を使用することとしたが、R22であるHCFC冷媒や、R290(プロパン),R600a(イソブタン)をはじめとするHC冷媒を用いた場合においても、HFC系冷媒を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0024】
以下、上記空気調和機の特徴的な動作について説明する。図2は、減圧器7bが正常に動作している場合(詰まりなし)における、暖房起動からの室温の状態と、室内管温サーミスタの変化と、を示す図である。図3は、減圧器7bに詰まりが生じた場合における、暖房起動からの室温の状態と、室内管温サーミスタの変化と、を示す図である。また、図4は、電子制御式膨張弁の正常品および詰まり品の開度と、室温−内管温の温度差と、の関係を示す図である。なお、通常起動時に使われるパルス付近では、図2または図3のような現象が起こる。
【0025】
図3のように、減圧器7bに詰まりが生じた場合には、冷媒流量が著しく低下するため、それにあわせて能力も大幅に低下する。本実施の形態では、減圧器7bに詰まりが生じた場合においても、その詰まり状態を確実に検出し、能力が低下しないように電子制御式膨張弁を制御する。
【0026】
たとえば、暖房運転の場合、暖房能力は、以下の式で表すことができる。
Q=A・K・ΔT
ただし、Qは暖房能力(kcal/h)を表し、Aは室内熱交換器の伝熱面積(m2)を表し、Kは熱交換器の熱通過率(kcal/(h・m2・℃))を表し、ΔT(℃)は室内管温と室温との温度差を表す。
【0027】
このように、伝熱面積および熱通過率については、減圧器7bの詰まり状態に無関係に一定であるため、減圧器7bの詰まり状態は、室内管温サーミスタ20にて検知する室内管温と、室温検知サーミスタ18にて検知する室温と、の温度差で検出可能となる。具体的にいうと、減圧器7bに詰まりが生じた場合は、能力が低下するため、室内管温がほぼ室温に近くなる。また、冷房についても、減圧器7bに詰まりが生じた場合は、能力が低下するため、室内管温はほぼ室温に近くなる。そのため、室温と室内管温との温度差を求めることにより、減圧器7bの詰まり状態を確実に判定することができる。
【0028】
なお、インバータ制御の圧縮機の場合には、圧縮機1の運転周波数に応じて能力が変化するため、室内管温と室温との温度差レベルに変化が生じる。そのため、より精度よく減圧器7bの詰まり状態を検出するためには、圧縮機1の周波数に応じて、減圧器7bの正常または異常を判定するための温度差を予め設定しておく。ただし、空気調和機の起動時は、通常、圧縮機1の運転周波数が高めに設定され能力を発揮するため、減圧器7bの異常または正常を検出するための温度差が顕著に現れる。したがって、本実施の形態においては、インバータ制御の圧縮機の場合、空気調和機の起動時に、減圧器7bにおける異常または正常の判定を行う。
【0029】
また、起動後ただちに吐出温度制御やS・H制御を行った場合についても、制御が間に合わず、上記のような現象を回避できずに冷媒流量が著しく低下するため、それにあわせて能力も大幅に低下する。
【0030】
そこで、本実施の形態においては、スラッジ等による詰まり状態が生じた場合における能力低下を防ぐために、流量低下を短時間で検知し、さらに電子制御式膨張弁を開方向へ動作させて冷媒流量を増やすことで、能力低下を回避する。
【0031】
つぎに、本実施の形態の空気調和機の動作をフローチャートにしたがって詳細に説明する。図5は、上記空気調和機の動作を示すフローチャートである。ここでは、まず、減圧器7bに詰まりが生じた場合に備えて、正常時と異常時(詰まり状態)が確実に判定できる最低圧縮機周波数(HZ1)、そのときの室温(Ta)と室内管温(Tc)の温度差ΔTac(=|Ta−Tc|)、確実に判定するために必要な時間(t1)、およびその状態から電子制御式膨張弁を何パルス開方向に動作させれば正常な冷凍サイクルへ戻るか(PUL)、を実験等により求め、それぞれの値を室外マイコン制御部14に記憶させておく。また、圧縮機1の起動直後については、冷凍サイクルが過渡状態で不安定であるため、減圧器7bの詰まりの検知を行わない禁止時間(t2)を設け、同様にその値を室外マイコン制御部14に記憶させておく。
【0032】
この状態で、たとえば、圧縮機1の起動後(ステップS1)、禁止時間(t2)が経過し、さらに、温度差がΔTac以下、圧縮機1の周波数がHZ1以上で、かつ当該条件を満たした状態で時間t1が経過した場合(ステップS2)、室外マイコン制御部14では、今の状態を減圧器7bの詰まり異常と判定し(ステップS3,異常)、電子制御式膨張弁を開方向へ動作させ、能力低下を回避する(ステップS4)。なお、上記異常検知および保護動作にかかる時間は、起動からある一定期間(t3)までとする。
【0033】
なお、一度異常を検知した場合には、次回の起動時にも上記と同様に電子制御式膨張弁を開方向へ動作させることとしてもよい 。また、詰まり異常を判定後、室外マイコン制御部14、室内マイコン制御部12に異常信号を記憶させ、判定時に異常表示を行い、サービス時に呼び出し表示を行う。
【0034】
一方、上記減圧器7bの詰まり異常を判定するための条件を満たしていない場合、室外マイコン制御部14では、今の状態を正常と判定し(ステップS3,正常)、以降、再度ステップ2以降の処理を繰り返し実行する。
【0035】
図6は、詰まり異常を検出した場合の電子制御式膨張弁の動作と、室温と室内管温の関係、を示す図である。本実施の形態の空気調和機は、起動後、電子制御式膨張弁を固定制御、吐出温度制御、またはS・H制御等により動作させる。そして、減圧器7bの詰まり異常を判定するための条件が成立した場合には、電子制御式膨張弁を開方向へ動作させ、その後、電子制御式膨張弁の制御を、固定制御、吐出温度制御またはS・H制御等により継続する。
【0036】
このように、本実施の形態においては、室内温度を検出するための室温検知サーミスタ(温度センサー)、および室内熱交換器の温度を検出するための室内管温サーミスタ(温度センサー)を設け、両方の温度センサーからの出力信号の差を検出し、さらにこの温度差に応じて電子制御式膨張弁の開度を変更することで、確実に電子制御式膨張弁の詰まりを検出することができる構成とした。これにより、キャピラリーチューブ等の特別な対策装置が不要となるため、コストを上昇させることなく、減圧器の詰まり耐力を向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態においては、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、圧縮機の運転周波数に応じてあらかじめ設定してある温度差にしたがって、電子制御式膨張弁の開度を変更する構成とした。これにより、正常運転時に室温と室内管温との温度差の変動が大きいインバータ制御の圧縮機についても、確実に減圧器の詰まりを検出できる。
【0038】
また、本実施の形態においては、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、この状態で、前記検出した温度差が圧縮機の運転周波数に応じた設定温度差より小さく、かつ確実に判定するために必要な時間が経過した場合に、「減圧器に詰まりがある」、と判定する。これにより、安定運転時には異常判定を行わない構成としたため、より確実に、減圧器の詰まりを検出できる。
【0039】
また、本実施の形態においては、減圧器の詰まりを検出した場合に、その異常状況を記憶/表示可能な構成としたため、サービス時に、異常内容を明確にすることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、室内温度を検出するための室温検知サーミスタ(温度センサー)、および室内熱交換器の温度を検出するための室内管温サーミスタ(温度センサー)を設け、両方の温度センサーからの出力信号の差を検出し、さらにこの温度差に応じて電子制御式膨張弁の開度を変更することで、確実に電子制御式膨張弁の詰まりを検出することができる構成とした。これにより、キャピラリーチューブ等の特別な対策装置が不要となるため、コストを上昇させることなく、減圧器の詰まり耐力を向上させることが可能な空気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0041】
つぎの発明によれば、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、圧縮機の運転周波数に応じてあらかじめ設定してある温度差にしたがって、電子制御式膨張弁の開度を変更する構成とした。これにより、正常運転時に室温と室内管温との温度差の変動が大きいインバータ制御の圧縮機についても、確実に減圧器の詰まりを検出可能な空気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0042】
つぎの発明によれば、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号を用いて温度差と圧縮機の運転周波数とを検出し、この状態で、前記検出した温度差が圧縮機の運転周波数に応じた設定温度差より小さく、かつ確実に判定するために必要な時間が経過した場合に、「減圧器に詰まりがある」、と判定し、さらに、安定運転時には異常判定を行わない構成とした。これにより、短時間に確実に減圧器の詰まりを検出可能な空気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0043】
つぎの発明によれば、減圧器の詰まりを検出した場合に、その異常状況を記憶/表示可能な構成とした。これにより、サービス時に、異常内容を明確にすることが可能な空気調和機を得ることができる、という効果を奏する。
【0044】
つぎの発明によれば、冷媒として、たとえば、R410A、R134a、R32、R407C等のHFC系冷媒のいずれかを用いることとし、さらに、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号に基づいて温度差を検出し、この温度差に応じて電子制御式膨張弁の開度を変更する構成とした。これにより、キャピラリーチューブ等の特別な対策装置が不要となるため、コストを上昇させることなく、減圧器の詰まり耐力を向上させることができる、という効果を奏する。ただし、R22であるHCFC冷媒や、R290(プロパン),R600a(イソブタン)をはじめとするHC冷媒を用いた場合においても、HFC系冷媒を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0045】
つぎの発明によれば、冷凍機油(圧縮機の潤滑油)として、たとえば、エステル油、エーテル油、またはハードアルキルベンゼン油を用いることとし、さらに、室内温度を検出するための温度センサー、および室内熱交換器の温度を検出するための温度センサー、からの出力信号に基づいて温度差を検出し、この温度差に応じて電子制御式膨張弁の開度を変更する構成とした。これにより、キャピラリーチューブ等の特別な対策装置が不要となるため、コストを上昇させることなく、減圧器の詰まり耐力を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる空気調和機の構成を示す図である。
【図2】 減圧器が正常に動作している場合(詰まりなし)における、暖房起動からの室温の状態と室内管温サーミスタの変化とを示す図である。
【図3】 減圧器に詰まりが生じた場合における、暖房起動からの室温の状態と室内管温サーミスタの変化とを示す図である。
【図4】 電子制御式膨張弁の正常品および詰まり品の開度と室温−内管温の温度差との関係を示す図である。
【図5】 空気調和機の動作を示すフローチャートである。
【図6】 詰まり異常を検出した場合の電子制御式膨張弁の動作と、室温と室内管温の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 電動圧縮機(圧縮機)、2 吐出配管、3 吸入配管、4 アキュムレータ、5 冷媒流路切換弁(四方弁)、6 室内側熱交換器、7a 流量バランスチャピラリー、7b 減圧器、8 室外側熱交換器、9 室内ファン、10 室外ファン、11a 室内外接続配管(液側)、11b 室内外接続配管(ガス側)、12 室内マイコン制御部、13 室内ファン駆動装置、14 室外マイコン制御部、15 圧縮機駆動装置、16 室外ファン駆動装置、17 圧縮機温度サーミスタ、18 室温検知サーミスタ、19 霜取検知サーミスタ、20 室内管温サーミスタ。
Claims (4)
- 圧縮機、室内側熱交換器、電子制御式膨張弁を有する減圧器、および室外側熱交換器で冷凍サイクルを構成した空気調和機において、
室内温度を検出するための第1温度センサーと、
前記室内側熱交換器の温度を検出するための第2温度センサーと、
室内温度設定値と前記第1温度センサーとの温度差に基づき前記圧縮機の回転数をインバータ制御するとともに、前記圧縮機の運転周波数に応じて予め設定した圧縮機の吐出温度に基づいて前記電子制御式膨張弁の開度制御を行うコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、起動後確実に判定するために必要な所定の時間が経過した後、前記圧縮機の運転周波数を検出し、検出した前記圧縮機の運転周波数が予め設定しておいた所定の最低周波数以上であって、前記第2温度センサーと第1温度センサーとの検出温度の温度差が、当該運転周波数に応じてあらかじめ設定しておいた設定温度差よりも小さい場合に、前記減圧機の詰まり異常と判定し、電子制御式膨張弁の開度を開方向に変更することを特徴とする空気調和機。 - 前記電子制御式膨張弁の開度を変更する場合、前記減圧器の異常と判断し、当該異常状態の記憶、または表示の、少なくともいずれか一方の処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
- 冷媒として、HFC系冷媒を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
- 圧縮機の潤滑油として、エステル油、エーテル油、およびハードアルキルベンゼン油のなかからいずれかを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気調和機。
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