JP6301789B2 - 冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システム及び脱調検知方法 - Google Patents

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本発明は冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システム及び脱調検知方法に関する。
ヒートポンプ方式の冷凍サイクルは、空気調和機をはじめとして、冷蔵庫、給湯器、乾燥機能付き洗濯機、自動販売機など、様々な機器で用いられている。冷凍サイクルには高温高圧の冷媒を送り出す圧縮機が含まれるが、条件によっては圧縮機の脱調という事態を招くことがある。圧縮機の脱調は速やかに検知し、解消しなければならない。
ヒートポンプ方式の冷凍サイクルで用いられる圧縮機に関しては、脱調を未然に防ぐ方策も種々提案されている。その例を特許文献1〜3に見ることができる。
特許文献1には、1ピストンのロータリー圧縮機に用いられる電動機のような、回転子が1回転する間の負荷トルクの変動が大きい電動機を駆動する電動機駆動制御装置において、トルク制御手段で決定したトルク指令量と、配管温度検出手段および外気温度検出手段により検出した値が、予め設定された値より大きい場合、目標回転数補正手段で目標回転数を補正することにより、低速領域を回避し、過負荷時の電動機の振動と騒音の増加を抑制し、電動機の脱調を防止する電動機駆動装置が記載されている。
特許文献2には、1ピストンのロータリー圧縮機に用いられる電動機のような、回転子が1回転する間の負荷トルクの変動が大きい電動機を駆動する電動機のトルク制御装置において、トルク制御手段で決定したトルク指令量および配管温度検出手段により検出した値が予め設定された値より大きい場合、目標回転数補正手段で目標回転数を補正することにより、低速領域を回避し、過負荷時の電動機の振動と騒音の増加を抑制し、電動機の脱調を防止する電動機駆動装置が記載されている。
特許文献3には、1ピストンのロータリー圧縮機に用いられる電動機のような、回転子が1回転する間の負荷トルクの変動が大きい電動機を駆動する電動機駆動装置において、トルク制御手段で決定したトルク指令量および外気温度検出手段により検出した値が予め設定された値より大きい場合、目標回転数補正手段で目標回転数を補正することにより、低速領域を回避し、過負荷時の電動機の振動と騒音の増加を抑制し、電動機の脱調を防止する電動機駆動装置が記載されている。
特開2011−188628号公報 特開2011−120365号公報 特開2010−239762号公報
特許文献1〜3に記載されたような脱調予防技術を実施したとしても、脱調を完全に防げる訳ではない。万一脱調が生じた場合、それを検知して脱調解消措置に結び付ける技術も重要である。
従来一般的であった圧縮機の脱調検知手法は、圧縮機の消費電流を監視し、電流値が急激に減少した場合には脱調と判定する、というものであった。脱調と判定された場合、圧縮機は再起動されて脱調が解消されていた。
上記手法には次のようなデメリットがある。すなわち圧縮機の消費電流を監視するためには電流測定手段が必要である。本来温度管理には関係しない電流測定手段を配置することで、その分のコストアップを招く。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ヒートポンプ方式の冷凍サイクルに一般的に含まれる構成要素をもって圧縮機の脱調検知システムを構成することを目的とする。またヒートポンプ方式の冷凍サイクルに一般的に含まれる構成要素により遂行される圧縮機の脱調検知方法を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システムでは、冷凍サイクルが、圧縮機、凝縮器、蒸発器、切替弁、膨張弁、及び制御部を含んで構成され、前記圧縮機の吐出部と前記凝縮器の入口の間、及び前記蒸発器の出口と前記圧縮機の吸入部の間にそれぞれ温度検出器が配置される。前記制御部は、前記両温度検出器による検出温度の温度差が規定値に満たない状態で前記圧縮機の運転が規定時間継続したとき、前記圧縮機は脱調しているとの判定を下す。
上記構成の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システムにおいて、前記制御部は、
前記圧縮機が脱調しているとの判定を下した後、前記圧縮機の再起動制御を行うことが好ましい。
上記構成の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システムにおいて、前記制御部は、前記膨張弁の開度に規定値以上且つ規定速度以上の変化があったときにも前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すことが好ましい。
本発明に係る冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知方法では、冷凍サイクルが、圧縮機、凝縮器、蒸発器、切替弁、膨張弁、及び制御部を含んで構成され、前記圧縮機の吐出部と前記凝縮器の入口の間、及び前記蒸発器の出口と前記圧縮機の吸入部の間にそれぞれ温度検出器が配置されている。前記制御部は、前記両温度検知器が出力する温度データを受け入れるステップと、前記両温度検知器からの温度データを比較して温度差を算出するステップと、前記温度差が規定値に満たなかった場合、その状態での前記圧縮機の運転時間を測定するステップと、前記温度差が規定値に満たない状態での前記圧縮機の運転が規定時間継続したとき、前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すステップと、を順次遂行する。
上記構成の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知方法において、前記制御部が、前記ステップに加えて、前記膨張弁の開度を監視し、前記開度に規定値以上且つ規定速度以上の変化があったとき、前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すステップを遂行することが好ましい。
本発明によると、ヒートポンプ方式の冷凍サイクルが一般的に備える温度検出器を用い、2個の温度検出器による検出温度の温度差をもって圧縮機の脱調を判定するから、脱調判定用に特別な構成要素を付加することは不要で、コスト安な脱調検知システム及び脱調検知方法とすることができる。
空気調和機の概略構成図で、冷房運転時の状態を示すものである。 空気調和機の概略構成図で、暖房運転時の状態を示すものである。 空気調和機の制御ブロック図である。 空気調和機の制御について説明する第1のフローチャートである。 空気調和機の制御について説明する第2のフローチャートである。 空気調和機の制御について説明する第3のフローチャートである。 冷房運転時の圧縮機脱調判定の実例を説明するグラフである。 暖房運転時の圧縮機脱調判定の実例を説明するグラフであって、外気温がそれほど低くないときの例を示すものである。 暖房運転時の圧縮機脱調判定の実例を説明するグラフであって、外気温が低いときの例を示すものである。 脱調判定時における圧縮機回転数の実測値を示すグラフである。 脱調判定時における膨張弁開度の実測値を示すグラフである。 脱調判定時における温度検出器の温度変化の第1の実測値を示すグラフである。 脱調判定時における目標過熱度と実測過熱度の実測値を示すグラフである。 脱調判定時における温度検出器の温度変化の第2の実測値を示すグラフである。 脱調判定時におけるAC電流の実測値を示すグラフである。 脱調判定時における温度検出器の温度変化の第3の実測値を示すグラフである。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の脱調検知システムを、図1から図4まで、及び図7から図9までの図に基づき説明する。圧縮機の脱調検知システムは空気調和機1において実現されている。空気調和機1はヒートポンプ方式の冷凍サイクルが組み込まれているセパレート型空気調和機であり、室外機10と室内機30により構成される。
室外機10は、板金製部品と合成樹脂製部品により構成される筐体11の内部に、圧縮機12、切替弁13、室外熱交換器14、膨張弁15、室外ファン16などを収納している。切替弁13は四方弁である。室外熱交換器14としてはフィンアンドチューブ型熱交換器やパラレルフロー型熱交換器を用いることができる。室外熱交換器14は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。膨張弁15には開度制御の可能なものが用いられる。室外ファン16はモータにプロペラファンを組み合わせたものである。
室外機10は2本の冷媒配管17、18で室内機30に接続される。冷媒配管17は液体の冷媒を流すことを主目的としており、冷媒配管18に比較して細い管が用いられている。そのため冷媒配管17は「液管」「細管」などと称されることがある。冷媒配管18は気体の冷媒を流すことを主目的としており、冷媒配管17に比較して太い管が用いられている。そのため冷媒配管18は「ガス管」「太管」などと称されることがある。冷媒には例えばHFC系のR410AやR32等が用いられる。
室外機10の内部の冷媒配管で、冷媒配管17に接続される冷媒配管には二方弁19が設けられ、冷媒配管18に接続される冷媒配管には三方弁20が設けられる。二方弁19と三方弁20は、室外機10から冷媒配管17、18が取り外されるときに閉じられ、室外機10から外部に冷媒が漏れることを防ぐ。室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を放出する必要があるときは、三方弁20を通じて放出が行われる。
室内機30は、合成樹脂製部品により構成される筐体31の内部に、室内熱交換器32、室内ファン33などを収納している。室内熱交換器32は、3個の室内熱交換器32A、32B、32Cを、室内ファン33を覆う屋根のように組み合わせたものである。室内熱交換器32A、32B、32Cとしてはフィンアンドチューブ型熱交換器やパラレルフロー型熱交換器を用いることができる。室内熱交換器32は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。室内ファン33はモータにクロスフローファンを組み合わせたものである。
空気調和機1の運転制御を行う上で、各所の温度を知ることが不可欠である。この目的のため、室外機10と室内機30に温度検出器が配置される。室外機10においては、室外熱交換器14に温度検出器21が配置され、圧縮機12の吐出部となる吐出管12aに温度検出器22が配置され、圧縮機12の吸入部となる吸入管12bに温度検出器23が配置され、膨張弁15と二方弁19の間の冷媒配管に温度検出器24が配置され、筐体11の内部の所定箇所に外気温測定用の温度検出器25が配置される。室内機30においては、室内熱交換器32に温度検出器34が配置され、吹出口に温度検出器35が配置される。温度検出器21、22、23、24、25、34、35はいずれもサーミスタにより構成される。
空気調和機1の全体制御を司るのは図3に示す制御部40である。制御部40は室内温度が使用者によって設定された目標値に達するように制御を行う。
制御部40は圧縮機12、切替弁13、膨張弁15、室外ファン16、及び室内ファン33に対し動作指令を発する。また制御部40は温度検出器21〜25、及び温度検出器34からそれぞれの検出温度の出力信号を受け取る。制御部40は温度検出器21〜25及び温度検出器34、35からの出力信号を参照しつつ、圧縮機12、室外ファン16、及び室内ファン33に対し運転指令を発し、切替弁13及び膨張弁15に対しては状態切り替えの指令を発する。
図1は空気調和機1が冷房運転あるいは除霜運転を行っている状態を示す。この時圧縮機12は冷房時循環、すなわち圧縮機12から吐出された冷媒が先に室外熱交換器14に入る循環様式で冷媒を循環させる。
圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は室外熱交換器14に入り、そこで室外空気との熱交換が行われる。冷媒は室外空気に対し放熱を行い、凝縮する。凝縮して液状となった冷媒は室外熱交換器14から膨張弁15に入り、そこで減圧される。減圧後の冷媒は室内熱交換器32に送られ、膨張して低温低圧となり、室内熱交換器32の表面温度を下げる。表面温度の下がった室内熱交換器32は室内空気から吸熱し、これにより室内は冷やされる。吸熱後、低温の気体状の冷媒は圧縮機12に戻る。室外ファン16によって生成された気流が室外熱交換器14からの放熱を促進し、室内ファン33によって生成された気流が室内熱交換器32の吸熱を促進する。
図2は空気調和機1が暖房運転を行っている状態を示す。この時は切替弁13が切り替えられて冷房運転時と冷媒の流れが逆になる。圧縮機12は暖房時循環、すなわち圧縮機12から吐出された冷媒が先に室内熱交換器32に入る循環様式で冷媒を循環させる。
圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は室内熱交換器32に入り、そこで室内空気との熱交換が行われる。冷媒は室内空気に対し放熱を行い、室内空気は暖められる。放熱し、凝縮して液状となった冷媒は室内熱交換器32から膨張弁15に入り、そこで減圧される。減圧後の冷媒は室外熱交換器14に送られ、膨張して低温低圧となり、室外熱交換器14の表面温度を下げる。表面温度の下がった室外熱交換器14は室外空気から吸熱する。吸熱後、低温の気体状の冷媒は圧縮機12に戻る。室内ファン33によって生成された気流が室内熱交換器32からの放熱を促進し、室外ファン16によって生成された気流が室外熱交換器14による吸熱を促進する。
本発明に係る圧縮機の脱調検知システムでは、圧縮機12の脱調を検知するのに2箇所の温度検出器が出力した検出温度を用いる。1箇所目の温度検出器は、圧縮機12の吐出部と凝縮器の入口の間に配置された温度検出器である。第1実施形態でこれに該当するのは吐出管12aに配置された温度検出器22である。2箇所目の温度検出器は、蒸発器の出口と圧縮機12の吸入部の間に配置された温度検出器である。第1実施形態でこれに該当するのは吸入管12bに配置された温度検出器23である。
圧縮機12の脱調を検知するのに用いる温度検出器は温度検出器22と温度検出器23に限定されない。冷房運転時には、吐出管12aと室外熱交換器14の入口とを両端とする区間に配置された温度検出器でありさえすれば、それを温度検出器22に代替させることができる。また室内熱交換器32の出口と吸入管12bとを両端とする区間に配置された温度検出器でありさえすれば、それを温度検出器23に代替させることができる。暖房運転時には、吐出管12aと室内熱交換器32の入口とを両端とする区間に配置された温度検出器でありさえすれば、それを温度検出器22に代替させることができる。また室外熱交換器14の出口と吸入管12bとを両端とする区間に配置された温度検出器でありさえすれば、それを温度検出器23に代替させることができる。ここでは温度検出器22、23が出力した検出温度が圧縮機12の脱調検知に用いられるという構成に基づき説明を進める。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機の脱調検知システムの制御は、図4のフローチャートのように遂行される。
圧縮機12の脱調検知は、圧縮機12の運転が安定した時点で機能を開始する。
ステップ#101では、制御部40が温度検出器22、23から出力された検出温度を受け入れる。
続くステップ#102で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度が規定値を下回っているか、どうかをチェックする。下回っていればステップ#103に進む。
ステップ#103で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度を比較し、温度差を算出する。圧縮機12が脱調を起こさないで正常に運転されていれば、圧縮機12の吐出部と凝縮器の入口の間の温度と、蒸発器の出口と圧縮機12の吸入部の間の温度との間には、然るべき温度差が生じている。
続くステップ#104で制御部40は、ステップ#103で算出された温度差が規定値に満たないか、どうかをチェックする。温度差が規定値に満たなければ脱調の疑いがあるということであり、ステップ#105に進む。温度差が規定値を満たしていれば脱調の懸念はないということであり、ステップ#101に戻る。
ステップ#105で制御部は、温度検出器22、23の検出温度の温度差が規定値に満たないという状況で、圧縮機12の運転がどれだけの時間継続するかを測定する。
続くステップ#106で制御部40は、ステップ#105で測定した圧縮機12の運転継続時間が、規定時間(例えば10秒間)に達したか、どうかをチェックする。その運転継続時間が規定時間に達したときには、制御部40は圧縮機12が脱調しているとの判定を下す。圧縮機12の運転継続時間が規定時間に達しないという結果に終わった場合、制御部40はそれまでの処理に何らかの問題があったと判断し、脱調検知をステップ#101からやり直す。
制御部40は、圧縮機12が脱調しているとの判定を下した後、圧縮機12の再起動制御を行い、脱調の解消を図る。
脱調判定の実例を図7から図9のグラフに示す。各グラフにおいて、横軸は冷暖房の能力(単位はkW)であり、縦軸は、圧縮機の吐出部と凝縮器の入口の間の温度と、蒸発器の出口と圧縮機の吸入部の間の温度との温度差(単位は℃)である。図7のグラフは外気温35℃での冷房運転、図8のグラフは外気温7℃での暖房運転、図9は外気温2℃での暖房運転という例である。前記温度差が、実例のプロット値の下に引いた破線(図中に2本ある破線の中で、下の方の破線)より下の領域に留まる場合、圧縮機は脱調しているとの判定が下される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る圧縮機の脱調検知システムでは、図5のフローチャートに従って制御が遂行される。
圧縮機12の脱調検知は、圧縮機12の運転が安定した時点で機能を開始する。
ステップ#201では、制御部40が温度検出器22、23から出力された検出温度を受け入れる。
続くステップ#202で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度が規定値を下回っているか、どうかをチェックする。下回っていればステップ#203に進む。
制御部40は、膨張弁15の開度を常に監視している。室外熱交換器14においても室内熱交換器32においても、過熱領域に所定の過熱をもたらすためには規定値以上の冷媒流量が必要である。脱調に起因して冷媒流量が減少したときは、膨張弁15の開度を大きくすることで冷媒流量の減少が補償される。このような場合、膨張弁15の開度は大きくまた急速に変化する。そのため、膨張弁15の開度を監視することによっても圧縮機12の脱調を検知できるのである。
膨張弁15の開度を監視するということは、具体的には、膨張弁15の開閉用のステッピングモータの動作を監視することである。制御部40は、ステップ#203で膨張弁15の開度に規定値以上且つ規定速度以上の変化があったか、どうかをチェックする。膨張弁15のステッピングモータに大きな動きが、例えば総ステップ数500における30ステップといった動きが、規定の短時間内で発生したときは、「規定値以上且つ規定速度以上」の変化が生じたものと制御部40は判定する。この時は「膨張弁の開度という判定基準に照らせば脱調」という判定が下され、ステップ#204に進む。
ステップ#204で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度を比較し、温度差を算出する。圧縮機12が脱調を起こさないで正常に運転されていれば、圧縮機12の吐出部と凝縮器の入口の間の温度と、蒸発器の出口と圧縮機12の吸入部の間の温度との間に然るべき温度差が生じているが、脱調が生じていればそうはならない。
続くステップ#205で制御部40は、ステップ#204で算出された温度差が規定値に満たないか、どうかをチェックする。温度差が規定値に満たなければ、この判定基準に照らしても脱調の疑いがあるということであり、ステップ#206に進む。温度差が規定値を満たしていれば、「膨張弁の開度という判定基準に照らせば脱調」であるものの、まだ「脱調」の判定を確定させることはできないということであり、ステップ#201に戻って脱調検知をやり直す。
ステップ#206で制御部は、温度検出器22、23が検出した温度の温度差が規定値に満たないという状況で、圧縮機12の運転がどれだけの時間継続するかを測定する。
続くステップ#207で制御部40は、ステップ#206で測定した圧縮機12の運転継続時間が、規定時間(例えば10秒間)に達したか、どうかをチェックする。その運転継続時間が規定時間に達したときには、制御部40は圧縮機12が脱調しているとの判定を確定させる。圧縮機12の運転継続時間が規定時間に達しないという結果に終わった場合、制御部40はそれまでの処理に何らかの問題があったと判断し、脱調検知をステップ#201からやり直す。
制御部40は、圧縮機12が脱調しているとの判定を確定させた後、圧縮機12の再起動制御を行い、脱調の解消を図る。
図5のフローチャートでは、膨張弁15の開度変化をもって「脱調」と判定した後、温度検出器22、23から入力された検出温度の温度差をもって再度脱調判定を行い、脱調判定を確定させているが、膨張弁15の開度変化から「脱調」と判定した時点で脱調判定を確定させる流れにしてもよい。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る圧縮機の脱調検知システムでは、脱調判定における圧縮機の吐出部と凝縮器の入口の間の温度と、蒸発器の出口と圧縮機の吸入部の間の温度の温度差を判定する際の判定材料として、第2実施形態の膨脹弁開度とは別の手段を提案する。すなわち室内機の吹出し温度の変化を監視しその温度変化量も考慮に入れて脱調判定を行う。第3実施形態では図6のフローチャートに従って制御が遂行される。
圧縮機12の脱調検知は、圧縮機12の運転が安定した時点で機能を開始する。
ステップ#301では、制御部40が温度検出器22、23から出力された検出温度を受け入れる。
続くステップ#302で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度が規定値を下回っているか、どうかをチェックする。下回っていればステップ#303に進む。
制御部40は、室内機30からの吹出し温度を常に監視している。室外熱交換器14においても室内熱交換器32においても、過熱領域に所定の過熱をもたらすためには規定値以上の冷媒流量が必要である。脱調に起因して冷媒流量が減少したときは、室内機30の吹出し温度に大きく変化が生じる。そのため、室内機30の吹出し温度を監視することによっても圧縮機12の脱調を検知できるのである。
室内機30の吹出し温度を監視するということは、具体的には、室内機30の吹出口に配置された温度検出器35の検出温度を監視するということである。制御部40は、ステップ#303で室内機30の吹出し温度に規定値以上の変化があったか、どうかをチェックする。例えば冷房運転設定温度18℃で通常運転していたところ、18℃から±1〜3℃の範囲の吹出し温度の変化が規定の短時間内で発生したときは、「規定値以上」の変化が生じたものと制御部40は判定する。この時は「室内機吹出し温度という判定基準に照らせば脱調」という判定が下され、ステップ#304に進む。
ステップ#304で制御部40は、温度検出器22、23から入力された検出温度を比較し、温度差を算出する。圧縮機12が脱調を起こさないで正常に運転されていれば、圧縮機12の吐出部と凝縮器の入口の間の温度と、蒸発器の出口と圧縮機12の吸入部の間の温度との間に然るべき温度差が生じているが、脱調が生じていればそうはならない。
続くステップ#305で制御部40は、ステップ#304で算出された温度差が規定値に満たないか、どうかをチェックする。温度差が規定値に満たなければ、この判定基準に照らしても脱調の疑いがあるということであり、ステップ#306に進む。温度差が規定値を満たしていれば、「膨張弁の開度という判定基準に照らせば脱調」であるものの、まだ「脱調」の判定を確定させることはできないということであり、ステップ#301に戻って脱調検知をやり直す。
ステップ#306で制御部は、温度検出器22、23が検出した温度の温度差が規定値に満たないという状況で、圧縮機12の運転がどれだけの時間継続するかを測定する。
続くステップ#307で制御部40は、ステップ#206で測定した圧縮機12の運転継続時間が、規定時間(例えば10秒間)に達したか、どうかをチェックする。その運転継続時間が規定時間に達したときには、制御部40は圧縮機12が脱調しているとの判定を確定させる。圧縮機12の運転継続時間が規定時間に達しないという結果に終わった場合、制御部40はそれまでの処理に何らかの問題があったと判断し、脱調検知をステップ#301からやり直す。
制御部40は、圧縮機12が脱調しているとの判定を確定させた後、圧縮機12の再起動制御を行い、脱調の解消を図る。
図10から図16のグラフに示すのは脱調判定時の各パラメータの実測値の例である。各グラフの横軸は時間であるが、縦軸はグラフ毎に違う。すなわち図10のグラフの縦軸は圧縮機の回転数であり、rpmで表されている。図11のグラフの縦軸は膨張弁の開度であり、ステッピングモータのステップ数stpで表されている。図12のグラフの縦軸は室外熱交換器と室内熱交換器に配置された温度検出器が検出した温度であり、℃で表されている。図13のグラフの縦軸は目標過熱度と実測過熱度であり、degで表されている。図14のグラフの縦軸は圧縮機の吐出部と吸入部にそれぞれ配置された温度検出器と、外気温測定用に配置された温度検出器が検出した温度であり、℃で表されている。図15のグラフの縦軸は圧縮機のモータに流れるAC電流であり、Aで表されている。図16のグラフの縦軸は圧縮機の吐出部と吸入部にそれぞれ配置された温度検出器と、外気温測定用に配置された温度検出器が検出した温度であり、℃で表されている。図15は、外気温2℃という条件下で、圧縮機の吐出部と吸入部の温度差の規定値が70℃とされているのに対し、温度差の実測値が約92℃となった、という事例である。
図10から図16までのグラフはいずれも、16:40:00から16:45:00までの時間帯に、縦軸に関し数値の変動が生じている。すなわちここで圧縮機の脱調が生じたのである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明はヒートポンプ方式の冷凍サイクルに広く利用可能である。
1 空気調和機
10 室外機
11 筐体
12 圧縮機
13 切替弁
14 室外熱交換器
15 膨張弁
16 室外ファン
21、22、23、24、25 温度検出器
30 室内機
31 筐体
32、32A、32B、32C 室内熱交換器
33 室内ファン
34、35 温度検出器

Claims (5)

  1. 圧縮機、凝縮器、蒸発器、切替弁、膨張弁、及び制御部を含んで構成される冷凍サイクルにおいて、
    前記圧縮機の吐出部と前記凝縮器の入口の間、及び前記蒸発器の出口と前記圧縮機の吸入部の間にそれぞれ温度検出器が配置されるとともに、
    前記制御部は、前記両温度検出器による検出温度の温度差が規定値に満たない状態で前記圧縮機の運転が規定時間継続したとき、前記圧縮機は脱調しているとの判定を下すことを特徴とする冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システム。
  2. 前記制御部は、前記圧縮機が脱調しているとの判定を下した後、前記圧縮機の再起動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システム。
  3. 前記制御部は、前記膨張弁の開度に規定値以上且つ規定速度以上の変化があったときにも前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知システム。
  4. 圧縮機、凝縮器、蒸発器、切替弁、膨張弁、及び制御部を含んで構成され、前記圧縮機の吐出部と前記凝縮器の入口の間、及び前記蒸発器の出口と前記圧縮機の吸入部の間にそれぞれ温度検出器が配置された冷凍サイクルにおいて、
    前記制御部が、
    前記両温度検知器が出力する温度データを受け入れるステップと、
    前記両温度検知器からの温度データを比較して温度差を算出するステップと、
    前記温度差が規定値に満たなかった場合、その状態での前記圧縮機の運転時間を測定するステップと、
    前記温度差が規定値に満たない状態での前記圧縮機の運転が規定時間継続したとき、前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すステップと、
    を順次遂行することを特徴とする冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知方法。
  5. 前記制御部が前記ステップに加えて次のステップを遂行することを特徴とする請求項4に記載の冷凍サイクルにおける圧縮機の脱調検知方法:
    前記膨張弁の開度を監視し、前記開度に規定値以上且つ規定速度以上の変化があったとき、前記圧縮機が脱調しているとの判定を下すステップ。
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