JP4315503B2 - 冷凍空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成する冷凍空調装置に関し、特に、冷媒として非共沸混合冷媒を循環させる冷凍空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の冷凍空調装置について説明する。図16は、複数台の熱源機(ここでは、101aおよび101bの2台)を組合わせて大容量の熱源機を構成する従来の冷凍空調装置の冷媒回路図である。
【0003】
図16に示す従来の冷凍空調装置の冷媒回路は、主圧縮機102a、主四方切換弁103a、主熱交換器104a、主液溜部105aを備える主熱源機101aと、従圧縮機102b、従四方切換弁103b、従熱交換器104b、従液溜部105bを備える従熱源機101bと、利用側熱交換器121と、利用側流量制御弁122とから構成され、主熱交換器104aからの液冷媒の通路となる配管と従熱交換器104bからの液冷媒の通路となる配管とを合流させる液合流部132と、主圧縮機102aからのガス冷媒の通路となる配管と従圧縮機102bからのガス冷媒の通路となる配管とを合流させるガス合流部131によって、2台の熱源機、すなわち、主熱源機101aと従熱源機101bが並列に接続されている。
【0004】
上記のように構成される冷媒回路では、内部の配管に冷媒を流すことで、冷房運転および暖房運転を行っている。以下、冷房運転時、および暖房運転時の冷媒の流れについて簡単に説明する。なお、図16中の実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、点線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。また、図示の各四方切換弁103a、103bは、冷房運転時の設定である。
【0005】
例えば、冷房運転を行う場合、主圧縮機102aを出た高温、高圧のガス冷媒は、主四方切換弁103aを経て主熱交換器104aへ流れ、放熱して高圧の液冷媒となる。その後、この液冷媒は、主熱源機101aの外部に流れ、液合流部132に至る。従熱源機101bにおいても同様に、従圧縮機102bをガス冷媒は、従四方切換弁103b、従熱交換器104bを経て液冷媒となり、液合流部132に至る。液合流部132にて合流した冷媒は、利用側流量制御装置122でそれぞれ減圧され、低温低圧の二相冷媒となる。さらに、利用側熱交換器121にて吸熱することにより、この二相冷媒はそのほとんどがガス状になる。
【0006】
その後、この低圧ガス冷媒は、ガス合流部131にて主熱源機101aと従熱源機101bに分かれる。主熱源機101aに流れた冷媒は、主四方切換弁103aを経て主液溜部105aに流れ、主液溜部105aでは、一部未蒸発であった液冷媒を分離してガス冷媒だけを主圧縮機102aに戻す。従熱源機101bでも同様に、従四方切換弁103b、従液溜部105bを経てガス冷媒だけを従圧縮機102bに戻す。
【0007】
一方、暖房運転を行う場合、主圧縮機102aを出た高温、高圧のガス冷媒は、主四方切換弁103aを経てガス合流部131に至る。ガス合流部131では、このガス冷媒と、同様に従熱源機101bから流れてくるガス冷媒とが合流する。合流したガス冷媒は、利用側熱交換器121に入り、ここで放熱、凝縮が行われ、高圧の液冷媒となる。利用側熱交換器121を出た液冷媒は、利用側流量制御装置122で減圧され、低圧の二相冷媒となる。
【0008】
その後、この二相冷媒は、液合流部132に流れ、主熱源機101aと従熱源機101bに分かれる。主熱源機101aに流れた液冷媒は、主熱交換器104aでその液部のほとんどが吸熱蒸発し、ガス冷媒となる。さらに、この冷媒は、主四方切換弁103aを経て主液溜部105aに流れ、主液溜部105aでは、一部未蒸発であった液冷媒を分離してガス冷媒だけを主圧縮機102aに戻す。一方、従熱源機101bに流れた液冷媒も、従熱源機101b内で同様に処理され、従液溜部105bでは、ガス冷媒だけを従圧縮機102bに戻す。
【0009】
このように、従来の冷凍空調装置では、冷媒回路内部の配管に冷媒を流し、主熱交換器104a、従熱交換器104b、および利用側熱交換器121にて熱交換を行うことにより、冷房運転、暖房運転を行っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記、従来の冷凍空調装置では、冷媒として、沸点が異なる冷媒を混合した非共沸混合冷媒を用いた場合に、例えば、暖房運転時の室内機への冷媒寝込み(冷媒が溜まり込むことをいう)や、各熱源機への余剰冷媒寝込みなどが要因となり、冷媒の偏在が発生することがある。これにより、冷媒回路内を循環する個々の冷媒の混合比(以下、組成という)が変化し、伴って、圧縮機の信頼性が低下し、冷凍空調装置の快適性を損なう、という問題があった。
【0011】
また、従来の冷凍空調装置は、冷媒漏れおよび冷媒誤封入によっても、上記と同様に、冷媒回路内を循環する非共沸混合冷媒の組成が変化し、伴って、圧縮機の信頼性が低下し、冷凍空調装置の快適性を損っていた。
【0012】
また、従来の冷凍空調装置においては、冷媒を除去して冷媒回路内の修復を行うような場合に、その冷媒が単一冷媒であれば、単純にポンプダウンなどを実施して冷媒を回収し、修復後、その冷媒を再利用することが可能である。しかし、非共沸混合冷媒を用いた冷凍空調装置では、単純に回収しても、その冷媒の組成が変化しており、その冷媒を再利用すると、通常の運転特性が確保できなくなるという問題があった。また、これが原因となって新しい冷媒を用いることから、コストアップにつながるという問題もあった。さらに、再利用不可能な回収後の冷媒が地球温暖化など、環境問題に影響を及ぼす可能性もあった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、非共沸混合冷媒の組成変化を是正することにより信頼性の向上を実現するとともに、回収した冷媒の再利用を可能とすることによりコストダウンを実現する冷凍空調装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる冷凍空調装置にあっては、少なくとも一つの主圧縮機(後述する実施の形態の主圧縮機2aに相当)、主四方切換弁(後述する実施の形態の主四方切換弁3aに相当)、主熱交換器(後述する実施の形態の主熱交換器4aに相当)、および第1の主液溜部(後述する実施の形態の主液溜部5aに相当)を備えた主熱源機(後述する実施の形態の主熱源機1aに相当)と、少なくとも一つの従圧縮機(後述する実施の形態の従圧縮機2bに相当)、従四方切換弁(後述する実施の形態の従四方切換弁3aに相当)、従熱交換器(後述する実施の形態の従熱交換器4bに相当)、および第1の従液溜部(後述する実施の形態の従液溜部5bに相当)を備えた少なくとも一つの従熱源機(後述する実施の形態の従熱源機1bに相当)と、前記主熱交換器から流出する液冷媒の通路となる配管と、前記従熱交換器から流出する液冷媒の通路となる配管とを合流させる液合流部(後述する実施の形態の液合流部32に相当)と、前記主圧縮機から排出されるガス冷媒の通路となる配管と、前記従圧縮機から排出されるガス冷媒の通路となる配管とを合流させるガス合流部(後述する実施の形態のガス合流部31に相当)と、前記非共沸混合冷媒の循環組成を検出する循環組成検知装置(後述する実施の形態の組成検知部6に相当)と、少なくとも一つの前記熱源機の熱交換器と前記液合流部との間に設けられた冷媒の流量を調整するための流量制御弁(後述する実施の形態の主流量制御弁8a、従流量制御弁8bに相当)と、を具備する冷媒回路を有し、前記冷媒回路を循環する冷媒の流入により、利用側熱交換器にて冷房運転または暖房運転を行う冷凍空調装置において、前記各熱源機内の熱交換器と前記利用側熱交換器との間に、少なくとも一つの第2の液溜部を具備し、前記流量制御弁を調整することにより、前記各熱源機内に滞留する余剰冷媒を前記第2の液溜部内に冷媒を常に流動状態に保持しながら一定量確保させ、前記第1の液溜部内または第1の従液溜部内に滞留する余剰冷媒を抑制することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、組成検知6を具備したことにより、常に真の冷媒循環組成を検知することができる。これにより、例えば、暖房時の室内機への冷媒寝込みや、各熱源機への余剰冷媒寝込みなどの要因により冷媒の偏在が発生し、冷媒回路内を循環する冷媒の組成が変化した場合でも、または、冷媒漏れ、冷媒誤封入などの要因により冷媒の組成が変化した場合でも、その変化を検知して組成を是正することが可能となる。また、少なくとも一つの熱源機に流量制御弁(8a、8b)を具備したことにより、熱源機に流す冷媒の循環量を調整できるようになる。これにより、余剰冷媒の偏在が解消される。さらに、常に第2の液溜部にて余剰冷媒を確保することで、第1の主液溜部または第1の従液溜部内に余剰冷媒を滞留させない。これにより、循環冷媒の組成変動を抑制でき、常時適正運転を行うことが可能となる。
【0018】
つぎの発明にかかる冷凍空調装置にあっては、各熱源機毎に、冷媒の圧力を検出する低圧圧力検知手段(後述する実施の形態の主低圧圧力検知部7a、従低圧圧力検知部7bに相当)と、冷媒の温度を検出する温度検知手段(後述する実施の形態の主温度検知部9a、従温度検知部9bに相当)と、を具備し、検出された圧力および温度に基づいて前記流量制御弁を調整することにより、各熱源機内に滞留する余剰冷媒の偏在を防止することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、検出された冷媒の圧力および温度から各熱交換器の過熱度を演算する。ここで、主熱源機側よりも従熱源機側の過熱度が大きい場合に、主流量制御弁を各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで閉弁し、従流量制御弁を開弁する。一方、主熱源機側よりも従熱源機側の過熱度が小さい場合には、主流量制御弁を各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで開弁し、従流量制御弁を閉弁する。これにより、自動的に余剰冷媒の偏在が解消される。
【0022】
つぎの発明にかかる冷凍空調装置にあっては、前記熱交換器と前記利用側熱交換器との間の配管に冷媒回収口(後述する実施の形態の冷媒回収口14に相当)を具備し、さらに、各熱源器毎に、前記利用側熱交換器からの冷媒を制御するための第1の操作弁(後述する実施の形態の第1の主操作弁12a、第1の従操作弁12bに相当)と、熱源機内の熱交換器からの冷媒を制御するための第2の操作弁(後述する実施の形態の第2の主操作弁13a、第2の従操作弁13bに相当)と、を具備し、非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を冷媒回路系外へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現することができる。
【0024】
つぎの発明にかかる冷凍空調装置にあっては、前記利用側熱交換器に流入する冷媒の流量を制御する流量制御手段(後述する実施の形態の流量制御弁制御部15に相当)を具備し、非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を熱源機外へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、熱交換器内、またはガスラインに回収することができる。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の操作弁と第2の操作弁を開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現することができる。
【0026】
つぎの発明にかかる冷凍空調装置にあっては、各熱源機毎に、他の熱源機に冷媒を移動させるためのサービスポート(後述する実施の形態の第1の主サービスポート16a、第2の主サービスポート17a、第3の主サービスポート18a、第1の従サービスポート16b、第2の従サービスポート17b、第3の従サービスポート18bに相当)を具備し、非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を他の熱源機へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、熱交換器内、またはガスラインに回収することができる。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の操作弁と第2の操作弁を開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現でき、さらに、サービス時の応急運転が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる冷凍空調装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態1を示す図である。この冷媒回路は、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0030】
図1に示す冷媒回路は、主圧縮機2a、主四方切換弁3a、主熱交換器4a、主液溜部5a、組成検知部6、主低圧圧力検知部7を備える主熱源機1aと、従圧縮機2b、従四方切換弁3b、従熱交換器4b、従液溜部5bを備える従熱源機1bと、室内の冷房および暖房を行う利用側熱交換器21と、冷媒の流量を制御する利用側流量制御弁22とから構成される。
【0031】
また、この冷媒回路は、主熱交換器4aから流れてくる液冷媒の通路となる配管と従熱交換器4bから流れてくる液冷媒の通路となる配管とを合流させる液合流部32と、主圧縮機2aからのガス冷媒の通路となる配管と従圧縮機2bからのガス冷媒の通路となる配管とを合流させるガス合流部31によって、2台の熱源機、すなわち、主熱源機1aと従熱源機1bが並列に接続されている。
【0032】
なお、主熱源機1a側の主圧縮機2a、および従熱源機1b側の従圧縮機2bは、ともに1台の圧縮機として図示しているが、これに限らず、例えば、各熱源機には、少なくとも1台の容量制御型または定速型の圧縮機があればよく、さらに、各熱源機に複数の圧縮機が存在する場合、その組み合わせは、同容量、異容量を問わない。また、本実施の形態では、便宜上、2台の熱源機(1a、1b)の組み合わせの場合について説明するが、2台以上の熱源機の組み合わせについても、同様に動作し同様の効果が得られる。
【0033】
つぎに、主熱源機1aを構成する各部の機能について説明する。主圧縮機2aは、高温、高圧のガス冷媒を出す。主四方切換弁3aは、冷房運転、暖房運転に応じてガス冷媒の経路を設定する。主熱交換器4aは、冷暖房運転に応じて各冷媒(ガス冷媒、液冷媒)の熱交換を行う。主液溜部5a、ガス冷媒と液冷媒を分離してガス冷媒だけを熱圧縮機1aに戻す。組成検知部6は、熱圧縮機1aからの非共沸混合冷媒の組成、すなわち、個々の冷媒の混合比を検知する。主低圧圧力検知部7は、二相冷媒の圧力を検知する。
【0034】
なお、従熱源機1bを構成する各部については、上記の各部と同様のため説明を省略する。また、本実施の形態において、主熱源機1aについては、主圧縮機2a吐出側から主四方切換弁3aの間と、主液溜部5aとを、バイパスさせる組成検知部6を備える点と、主四方切換弁3aから主圧縮機2aまでの間に設けられた主低圧圧力検知部7を備える点が、従熱源機1bと異なっている。
【0035】
また、図2は、組成検知部6の構成例を示す図である。図2において、組成検知部6は、主圧縮機1a吐出側と主四方切換弁3aとの間から、組成検知用熱交換器41、減圧部42を介して、第1の主液溜部5aへ冷媒を流すバイパス回路として構成され、減圧部42の出入り口に第1の温度検知部43、第2の温度検知部44がそれぞれ設けられている。
【0036】
上記、図1のように構成される冷媒回路では、内部の配管に冷媒を流すことで、冷房運転および暖房運転を行っている。以下、図1に基づいて、冷房運転時、および暖房運転時の冷媒の流れについて説明する。
【0037】
なお、図1中の実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示し、点線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。また、図示の各四方切換弁3a、3bは、冷房運転時の設定を示したものであり、例えば、暖房運転を行う場合、主四方切換弁3aは、主圧縮機2aと利用側熱交換器21、および主熱交換器4aと主液溜部5aがそれぞれ接続するように切り換えられる(従四方切換弁3bも同様に切換られる)。
【0038】
例えば、冷房運転を行う場合、主圧縮機2aを出た高温、高圧のガス冷媒は、主四方切換弁3aを経て主熱交換器4aへ流れ、ここで放熱し、高圧の液冷媒となる。その後、この高圧の液冷媒は、主熱源機1aの外部に流れだし、液合流部32に至る。また、従熱源機1bにおいても同様に、従圧縮機2bを出た高温、高圧のガス冷媒は、従四方切換弁3b、従熱交換器4bを経て高圧の液冷媒となり、その後、従熱源機1bの外部に流れだし、液合流部32に至る。
【0039】
液合流部32にて合流した各熱源機1a、1bからの液冷媒は、利用側流量制御装置22へと流れ、そこでそれぞれ減圧され、低温、低圧の二相冷媒となる。さらに、その二相冷媒は、利用側熱交換器21で吸熱することにより、そのほとんどがガス状(ガス冷媒)になる。
【0040】
その後、この低圧のガス冷媒は、ガス合流部31へと流れ、そこで主熱源機1aと従熱源機1bに分かれる。主熱源機1aに流れたガス冷媒は、主四方切換弁3aを経て主液溜部5aに流れ、主液溜部5aでは、ガス冷媒と一部未蒸発であった液冷媒とを分離して、ガス冷媒だけを主圧縮機2aに戻す。同様に、主熱源機1bに流れたガス冷媒は、従四方切換弁3bを経て主液溜部5bに流れ、主液溜部5bでは、ガス冷媒だけを従圧縮機2bに戻す。
【0041】
本実施の形態では、上記実線矢印のように冷媒を循環させることで、主熱交換器4a、従熱交換器4b、および利用側熱交換器21による熱交換が行われ、これにより、冷房運転が行われている。
【0042】
一方、暖房運転を行う場合、主圧縮機2aを出た高温、高圧のガス冷媒は、主四方切換弁3aを経て主熱源機1aの外部に流れだし、ガス合流部31に至る。同様に、従圧縮機2bを出た高温、高圧のガス冷媒は、従四方切換弁3bを経て従熱源機1bの外部に流れだし、ガス合流部31に至る。
【0043】
ガス合流部31では、主熱源機1aから流れてくるガス冷媒と、従熱源機1bから流れてくるガス冷媒とが合流する。この合流したガス冷媒は、利用側熱交換器21に入り、ここで放熱、凝縮が行われ、高圧の液冷媒となる。利用側熱交換器21を出た高圧の液冷媒は、利用側流量制御装置22で減圧され、低圧の二相冷媒となる。
【0044】
その後、この二相冷媒は、液合流部32に流れ、主熱源機1aと従熱源機1bに分かれる。主熱源機1aに流れた液冷媒は、主熱交換器4aでその液部のほとんどが吸熱蒸発し、ガス冷媒となる。さらに、このガス冷媒は、主四方切換弁3aを経て主液溜部5aに流れ、主液溜部5aでは、ガス冷媒と一部未蒸発であった液冷媒とを分離して、ガス冷媒だけを主圧縮機2aに戻す。一方、従熱源機1bに流れた液冷媒も、従熱源機1b内で同様に処理され、従液溜部5bでは、ガス冷媒だけを従圧縮機2bに戻す。
【0045】
本実施の形態では、上記点線矢印のように冷媒を循環させることで、主熱交換器4a、従熱交換器4b、利用側熱交換器21による熱交換が行われ、これにより、暖房が行われている。
【0046】
つぎに、組成検知部6における冷媒の流れについて、図1および図2に基づいて詳細に説明する。図2中の実線矢印で示すように、主熱源機1a内の主圧縮機2aを出た高温、高圧のガス冷媒は、先に説明したとおり主四方切換弁3へ流れるものと、分岐して組成検知部6へ向かって流れるものがある。
【0047】
組成検知部6へ流れるガス冷媒は、組成検知用熱交換器41へ流入し、後述する減圧部42から流れでてくる低温、低圧の二相冷媒と熱交換して、中温、高圧の液冷媒となる。組成検知用熱交換器41を流れでた中温、高圧の液冷媒は、減圧部42へと流入し、そこで減圧されて低温、低圧の二相冷媒となり、再度、組成検知用熱交換器41へ流入し、前述の主圧縮機2aから流れてきた高温、高圧のガス冷媒と熱交換して、低温、低圧のガス冷媒となる。その後、組成検知用熱交換器41を出た低温、低圧のガス冷媒は、第1の主液溜部5aへ向かって流れだす。
【0048】
本実施の形態では、上記のように冷媒を循環させることで、非共沸混合冷媒の冷媒循環組成の検知、すなわち、各冷媒の混合比の検知が行われている。ここで、組成検知部6の冷媒循環組成の検知原理について説明する。
【0049】
この組成検知部6では、上記のように冷媒を循環させ、第1の温度検知部43にて減圧部42に流入する前の液冷媒の温度を検出し、さらに、第2の温度検知部44にて減圧部42から流れ出した液冷媒の温度を検出する。非共沸混合冷媒の冷媒循環組成の検知は、この二つの液冷媒の温度と、主低圧圧力検知部7にて検出される二相冷媒の圧力に基づいて演算される。なお、この冷媒循環組成の検知は、冷凍空調装置に電源が投入されている間、常時行われるものとする。
【0050】
以下、具体的に冷媒循環組成の演算方法を説明する。循環する冷媒として、例えば、R407Cと呼ばれる非共沸三種混合冷媒を用いる場合、R32、R125、R134aの三種類の組成が未知数であるため、三つの方程式を立てて、その方程式を解くことで未知である冷媒循環組成を演算する。まず、一つ目の方定式は、三種類の各冷媒循環組成の加算が‘1' となることを利用して決定することができる。このとき、R32、R125、およびR134aの組成を、それぞれα32、α125、α134aと表すと、つぎの式が常に成り立つ。
【0051】
α32+α125+α134a=1 ・・・(1)式
【0052】
つぎに、二つ目の方程式は、組成検知部6から立てることができる。図3は、組成検知部6における冷媒の状態変化を表したモリエル線図である。この図のなかで▲1▼は主圧縮機2aを出た高圧のガス冷媒の状態、▲2▼は組成検知用熱交換器41で低圧の冷媒と熱交換し、液化した状態、▲3▼は減圧部42で減圧し、低圧の二相冷媒となった状態、▲4▼は組成検知用熱交換機41で高圧の冷媒と熱交換して蒸発し、ガス化した状態を示す。
【0053】
この図3の▲2▼の状態及び▲3▼の状態は、同じエンタルピであるため、α32とα125を未知数とする▲2▼のエンタルピ及び▲3▼のエンタルピが等しいとする方程式を立てることができる。すなわち、▲2▼のエンタルピをhl、▲3▼のエンタルピをht、第1の温度検知部43の温度をT11、第2の温度検知部44の温度をT12、主低圧圧力検知部7の圧力をP13とすると、つぎの式が成り立つ。
【0054】
hl(α32,α125,T11)=
ht(α32,α125,T12,P13) ・・・(2)式
【0055】
最後に、三つ目の方程式は、冷凍空調装置に最初に入れる充填組成がR407Cである限りにおいては、気液平衡が成り立ち、主液溜部5aでの液の滞留、および冷媒漏れが発生した後でも、冷媒循環組成の各組成成分間には一定の関係がある。すなわち、A及びBを定数とすると、つぎの気液平衡組成実験式が成り立つ。
【0056】
α32=A×α125+B ・・・(3)式
【0057】
以上、方程式である(1)式、(2)式、および(3)式を解くことで、各冷媒の組成であるα32、α125及びα134aを求めることができる。
【0058】
このように、本発明にかかる冷凍空調装置において、非共沸混合冷媒を用いて複数台の熱源機を組合わせて大容量の熱源機を構成する冷媒回路では、組成検知部6を具備したことにより、常に真の冷媒循環組成を検知することができる。これにより、例えば、暖房時の室内機への冷媒寝込みや、各熱源機(4a、4b)への余剰冷媒寝込みなどの要因により冷媒の偏在が発生し、冷媒回路内を循環する冷媒の組成が変化した場合でも、または、冷媒漏れ、冷媒誤封入などの要因により冷媒の組成が変化した場合でも、その変化を検知して組成を是正することが可能となるため、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0059】
なお、実施の形態1においては、組成検知部6を主熱源機1aだけに備える構成としているが、上記信頼性の高い冷凍空調装置を得るための構成としては、例えば、図4の応用例に示すように、主組成検知部6a、従組成検知部6bを主熱源機5a、従熱源機5bのそれぞれに備える構成としてもよい。
【0060】
実施の形態2.
図5は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態1を示す図である。この冷媒回路も、実施の形態1と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0061】
図5において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2では、主熱源機1aの主熱交換器4aから液合流部32までの経路に主流量制御弁8aを備え、さらに、従熱源機1bの従熱交換器4bから液合流部32までの経路に従流量制御弁8bを備えている点で、実施の形態1と異なっている。
【0062】
非共沸混合冷媒を用いる冷凍空調装置では、例えば、暖房運転時に余剰冷媒が発生すると、循環する冷媒中には、低沸点冷媒の比率が高い状態となり、滞留する余剰冷媒中には、高沸点冷媒の比率が高い状態となる。このように、循環冷媒中の低沸点冷媒の比率が高くなると、非共沸混合冷媒の特性上、高圧圧力が上昇するなどの不具合が生じる。特に、本発明のような大容量機種になると、封入冷媒量が増大することになり、さらに上記の不具合の発生する可能性が高くなるという傾向がある。さらに、各熱源機に存在する余剰冷媒量に偏在が生じると、すなわち、余剰冷媒が各熱源機に均等に分布していないと、一方に高沸点冷媒が大量に存在することとなり、結果的に、全体として循環冷媒中の低沸点冷媒の比率が高くなる。
【0063】
ここでは、冷媒回路内に余剰冷媒が発生する場合において、その余剰冷媒が各熱源機(1a、1b)に均等に分布していない場合の例を、図5に基づいて説明する。なお、図5中の実線矢印は冷房運転時の冷媒の流れ、点線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示している。
【0064】
例えば、暖房運転時に利用側熱交換器21から戻る冷媒は、液合流部20で主熱源機1aと従熱源機1bに分かれるが、理想としては、主圧縮機2aと従圧縮機2bの吐出する冷媒吐出量に見合った割合で分流することである。しかし、冷媒の流れやすさ、流れにくさは、主に配管内の圧損に支配されやすく、これは各圧縮機の冷媒流量、配管径、および配管長に大きく左右される。
【0065】
図5において、例えば、液合流部32から主熱交換器4aまでの配管径が、液合流部32から従熱交換器4bまでの配管径より太い場合、それらの配管に同じ冷媒流量が流れると、主熱源機1a側の圧損が小さくなり、主熱源機1a側に流れる流量が大きくなる。そのため、主熱交換器4aに流れる二相冷媒流量が大きくなり、そこで蒸発しきれない液冷媒が増加し、主液溜部5aに高沸点冷媒が大量に存在することになる。
【0066】
さらに、圧損の小さい主熱交換器4a側では、液合流部32の圧力に対して圧力低下が小さいため、蒸発器として作用する主熱交換器4aの蒸発温度も高くなる。蒸発温度が高い場合は、被冷却流体(空冷式では空気、水冷式では水)との温度差が小さくなるので蒸発能力も低下する。伴って、二相冷媒の液蒸発量も少なくなるので、主熱交換器4aを出る冷媒の乾き度も小さくなりやすくなる。その結果、主圧縮機か2aから吐出される冷媒量よりもこの未蒸発液冷媒量が上回り、主液溜部5a内の余剰冷媒量が増加する。
【0067】
一方、液合流部32から主熱交換器4aまでの配管径が、液合流部32から従熱交換器4bまでの配管径より細い場合では、上記と逆のことがいえる。すなわち、液合流部32から各熱交換器(4a、4b)までの配管径がそれぞれ異なる冷媒回路において、主圧縮機2aと従圧縮機2bの吐出する冷媒吐出量に見合った割合で分流するという理想に、より近づけるためには、各圧縮機(2a、2b)の冷媒吐出量に対し、液合流部32から各熱交換器(4a、4b)出口までの圧力損失を同等とし、各熱交換器(4a、4b)における蒸発温度を同等にする必要がある。
【0068】
そこで、実施の形態2においては、主圧縮機2aと従圧縮機2bの冷媒吐出量に見合った適切な量で冷媒を分流するために、主流量制御弁8aと従流量制御弁8bとを備えている。これらの主流量制御弁8a、従流量制御弁8bを調整することで、実施の形態2にかかる冷媒回路では、主圧縮機1aと従圧縮機1bの吐出する冷媒吐出量に見合った割合での冷媒の分流、すなわち、均液を実現している。
【0069】
このように、本発明にかかる冷凍空調装置において、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組合わせて大容量の熱源機を構成する冷媒回路では、各熱源機(1a、1b)にそれぞれ流量制御弁(8a、8b)を具備したことにより、各熱源機に流す冷媒の循環量を調整できるようになる。これにより、余剰冷媒の偏在が解消され、より信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0070】
なお、実施の形態2においては、主熱源機1aに主流量制御弁8aを備え、従熱源機1bに従流量制御弁8bを備える構成としているが、例えば、図6の応用例に示すように、少なくともいずれか一方の熱源機だけに、流量制御弁を備える構成としてもよい。また、流量制御弁の大型化を抑止する目的で、流量制御弁と絞り装置を並列に用いてもよい。また、組成検知部6は、実施の形態1と同様に各熱源機(図1に対応)、または一方の熱源機(図4に対応)に備える構成としてもよいし、あるいは、従来のように、組成検知部6を備えていない構成としてもよい。
【0071】
実施の形態3.
図7は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態3を示す図である。この冷媒回路も、実施の形態1および2と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0072】
図7において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1、および実施の形態2にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態3では、主熱源機1aの主四方切換弁3aから主熱交換器4aの間に第3の主温度検知部9aを備え、さらに、従熱源機1bの従四方切換弁3bから従熱交換器4bの間に第3の従温度検知部9bを備えている点で、実施の形態2と異なっている。
【0073】
なお、図7において図示はしていないが、主熱源機1a内の主低圧圧力検知部7aと第3の主温度検知部9aをあわせて、主熱交換器過熱度演算装置10aと呼び、同様に、従熱源機1b内の従低圧圧力検知部7bと第3の従温度検知部9bをあわせて、従熱交換器過熱度演算装置10bと呼ぶ。
【0074】
ここでは、液合流部32から主熱交換器4aまでの配管径が、液合流部20から従熱交換器4bまでの配管径より太い場合、すなわち、同じ冷媒循環量に対して主熱源機1a側の方が圧損が小さく、主熱源機1a側に余剰冷媒が多く遍在する場合を例として、各圧縮機(1a、1b)の吐出する冷媒吐出量に見合った割合で冷媒を分流する均液制御を説明する。
【0075】
図8は、実施の形態3による均液制御を示す均液制御ブロック図の一例である。実施の形態2において説明したように、均液制御を行うためには、各圧縮機(2a、2b)の冷媒循環量(吐出量)に対し、液合流部32から各熱交換器(4a、4b)出口までの圧力損失、すなわち、過熱度を同等とすればよい。そこで、主熱交換器過熱度演算装置10aは、主低圧圧力検知部7aにて検知した低圧圧力と、第3の主温度検知部9aにて検知した温度とから、主熱交換器4aの過熱度SHaを演算する。
【0076】
同様に、従熱交換器過熱度演算装置10bは、従低圧圧力検知部7bにて検知した低圧圧力と、第3の従温度検知部9bにて検知した温度とから、従熱交換器4bの過熱度SHbを演算する。そして、この二つの過熱度SHa、SHbの絶対差が予め設定された値よりも小さい場合には(図8、S1、Yes)、このまま運転を継続する(S2)が、大きい場合には(S1、No)、後述する均液制御を行う(S3)。
【0077】
図9は、各圧縮機(2a、2b)の冷媒循環量と、圧力損失、蒸発温度、熱交換器過熱度、または液溜内液量の関係図(それぞれ(a)、(b)、(c)、(d)に相当)を示す。例えば、主熱交換器4aの過熱度SHaと、従熱交換器4bの過熱度SHbとの絶対差が予め設定された値よりも大きい場合、主熱源機1aでは、それぞれの過熱度の差が小さくなるように主流量制御弁8aを調整して(図9(c)のGra→Gra´に相当)、主熱源1a側の圧損を増加させ(図9(a)のGra→Gra´に相当)、蒸発温度を低下させる(図9(b)のGra→Gra´に相当)。
【0078】
これにより、主熱源機1a側の過熱度、圧損、および蒸発温度が、従熱源機1b側の過熱度、圧損、および蒸発温度と、同等となり、均液制御が行われたことになる。すなわち、図9(d)に示すように、各液溜部(5a、5b)内の液量が同等となり、各熱源機に余剰冷媒の偏在がなくなることになる。
【0079】
このように、本実施の形態3にかかる冷凍空調装置の冷媒回路では、主熱源機1a側よりも従熱源機1b側の過熱度が大きい場合に、主流量制御弁8aを各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで閉弁し、従流量制御弁8bを開弁する。一方、主熱源機1a側よりも従熱源機1b側の過熱度が小さい場合には、主流量制御弁8aを各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで開弁し、従流量制御弁8bを閉弁する。これにより、余剰冷媒の偏在が解消され、より信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0080】
なお、実施の形態3においては、主熱源機1aに主流量制御弁8aを備え、従熱源機1bに従流量制御弁8bを備える構成としているが、例えば、少なくともいずれか一方の熱源機だけに、流量制御弁を備える構成としてもよい。
【0081】
実施の形態4.
図10は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態4を示す図である。この冷媒回路も、実施の形態1、2、および3と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0082】
図10において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1、2、および3にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態4では、主熱源機1aの主熱交換機4aから液合流部32の間に第2の主液溜部11aを備え、さらに、従熱源機1bの従熱交換機4bから液合流部32の間に第2の従液溜部11bを備えている点で、実施の形態3の構成と異なっている。
【0083】
実施の形態3においては、先に説明したとおり、主圧縮機2aと従圧縮機2bの冷媒吐出量に見合った割合で冷媒を分流し、主熱源機1a内の主液溜部5aおよび従熱源機1b内の従液溜部5bに、均等に余剰冷媒を存在させ、冷媒の循環組成の変動を抑制している。これに対し、実施の形態4は、第2の主液溜部11aと第2の従液溜部11bを設けて、余剰冷媒が滞留しがちな主液溜部5aおよび従液溜部5b内に余剰冷媒を滞留させず、第2の主液溜部11aおよび第2の従液溜部11b内に余剰冷媒を冷媒を常に流動状態に保持しながら一定量確保させることにより、冷媒の循環組成の変動を抑制しようとするものである。これにより、適正な運転状態を常時維持することが可能となる。
【0084】
ここで、各液溜部(5a、5b)内に余剰冷媒を滞留させず、第2の主液溜部11aおよび第2の従液溜部11b内に常に流動状態である一定量の液冷媒を確保することで、冷媒の循環組成の変動を抑制する制御を、具体的に説明する。
【0085】
図11は、実施の形態4による均液制御、すなわち、冷媒の循環組成の変動抑制制御を示す均液制御ブロック図の一例である。実施の形態2および3において説明したように、均液制御を行うためには、各圧縮機(2a、2b)の冷媒循環量(吐出量)に対し、液合流部32から各熱交換器(4a、4b)出口までの圧力損失、すなわち、過熱度を同等とすればよい。
【0086】
そこで、主熱交換器過熱度演算装置10aは、主低圧圧力検知部7aにて検知した低圧圧力と、第3の主温度検知部9aにて検知した温度とから、主熱交換器4aの過熱度SHaを演算する。同様に、従熱交換器過熱度演算装置10bは、従低圧圧力検知部7bにて検知した低圧圧力と、第3の従温度検知部9bにて検知した温度とから、従熱交換器4bの過熱度SHbを演算する。
【0087】
そして、過熱度SHaが、予め設定しておいた値Aよりも小さい場合には(図11、S11、No)、主流量制御弁8aを閉弁し(S12)、大きい場合には(S11、Yes)、主流量制御弁8aを開弁する(S13)。同様に、過熱度SHbが、予め設定しておいた値Aよりも小さい場合には(S14、No)、従流量制御弁8bを閉弁し(S15)、大きい場合には(S14、Yes)、従流量制御弁8bを開弁する(S16)。
【0088】
このように、本実施の形態4にかかる冷凍空調装置の冷媒回路では、二つの過熱度SHa、SHbが予め設定しておいた値Aよりも小さい場合でも、常に各熱交換器(4a、4b)の出口において、過熱度(SH)が確保され、主液溜部5aおよび従液溜部5b内に余剰冷媒を滞留させない。これにより、循環冷媒の組成変動を抑制でき、常時適正運転を行うことが可能となり、より信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0089】
なお、実施の形態4においては、主熱交換機4aと液合流部32の間に第2の主液溜部11aを備え、従熱交換機4bと液合流部32の間に第2の従液溜部11bを備える構成としているが、例えば、液合流部32と利用側熱交換器21の間に第2の液溜部を備える構成としてもよい。また、組成検知部6がない冷媒回路においても実施可能である。
【0090】
実施の形態5.
図12は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態5を示す図である。この冷媒回路は、実施の形態1と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0091】
図12において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態5では、主熱源機1aにおいて、主四方切換弁3aと利用側熱交換器91との間に第1の主操作弁12aを備え、さらに、主熱交換器4aと利用側熱交換器91との間に第2の主操作弁13aを備えている点と、従熱源機1bにおいて、従四方切換弁3bと利用側熱交換器91との間に第1の従操作弁12bを備え、さらに、従熱交換器4bと利用側熱交換器91との間に第2の従操作弁13bを備えている点と、冷媒回収口14を備えている点で、実施の形態1の構成と異なっている。
【0092】
一般的に、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような重サービスを行うような場合、使用している冷媒がR22のような単一冷媒であれば、冷凍空調装置では、単純にポンプダウンなどを実施して、その冷媒を回収する。そして、冷媒回路の修復後、その回収した冷媒を再利用する。しかし、使用している冷媒がR407Cのような非共沸混合冷媒であれば、それは、それぞれ沸点の異なる冷媒が混合されているため、単純に回収しても再利用が困難である。
【0093】
再利用が困難となる理由としては、例えば、暖房運転時に余剰冷媒が発生すると、循環する冷媒中には、低沸点冷媒の比率が高い状態となり、滞留する余剰冷媒中には、高沸点冷媒の比率が高い状態となること、があげられる。この場合、低圧液ラインから循環冷媒を回路系外へ回収しても、その回収した冷媒は、低沸点冷媒の比率が高い状態の組成となっており、すなわち、冷媒組成が変化しており、仮にその冷媒を再利用した場合、通常の運転特性が確保できなくなる。
【0094】
そこで、実施の形態5では、循環組成が変化しない運転である、例えば、冷房運転(余剰冷媒が少なく組成変化しにくい運転)などで、運転中の各熱源機(1a、1b)の各熱交換器(4a、4b)と利用側熱交換器21との間の液ラインに設けた冷媒回収口14から、予め真空引きしておいた空タンクに冷媒を回収する。このようにすることで、組成変化することなしに冷媒を回収できるため、冷媒回路の修復後、その回収した冷媒を再利用することが可能となる。
【0095】
また、回収中、冷媒不足による運転不能状態となり、十分に冷媒回収ができない場合でも、運転停止後、前記第2の操作弁10a,10bを閉じることで液配管中の組成変化していない再利用可能な冷媒を回収することができる。
【0096】
このように、本実施の形態5にかかる冷凍空調装置の冷媒回路では、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現する冷凍空調装置が得られる。さらに、回収した冷媒を廃棄処理しないため、すなわち、再利用するため、地球温暖化等の環境問題を解決することもできる。
【0097】
なお、本実施の形態5では、組成検知部6がない冷媒回路においても、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。また、複数の熱源機(本実施の形態では、1a、1bに相当)ではなく単一の熱源機にて構成される冷媒回路や、実施の形態2、3、4の構成を有する冷媒回路においても、実施の形態5と同様の構成を備えることにより、同様の効果が得られる。
【0098】
実施の形態6.
図13は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態6を示す図である。この冷媒回路も、他の実施の形態と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。
【0099】
図13において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1および5にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態6では、利用側流量制御弁22を調整可能な流量制御弁制御部15を備えている点で、実施の形態5の構成と異なっている。
【0100】
実施の形態6において、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような重サービスを行うような場合、先に説明した実施の形態5の回収方法を実施すれば、非共沸混合冷媒の場合においても、修復後、冷媒の再利用が可能となる。しかし、この回収方法では、真空引きした空タンクの用意などが必要となり、回収できる冷媒量に限界がある。一方、各熱源機(1a、1b)の修復時は、熱源機内から冷媒を回収するだけでよいことから、回収する冷媒は、熱源機以外へ組成変化させることなく移動させるだけでよい。
【0101】
そこで、実施の形態6では、まず、循環組成が変化しない運転である、例えば冷房運転(余剰冷媒が少なく組成変化しにくい運転)を実施し、主操作弁12aおよび従操作弁12bを閉弁する。つぎに、流量制御弁制御手段15の制御により、通常よりも利用側流量制御弁22をゆるめに制御し、利用側熱交換器21の出口にて湿り気味に制御を行う。最後に、回収運転時の低圧圧力が真空近辺となるか、液ラインのサブクールが十分につくか、または各液溜部(5a、5b)内の液量がないなどの情報により、各熱源機(1a、1b)から冷媒回収が完了したということを検知したところで、第2の主操作弁10aおよび第2の従操作弁10bを閉弁する。
【0102】
このように、本実施の形態6にかかる冷凍空調装置の冷媒回路では、上記の回収方法により、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、利用熱交換器21内、またはガスラインに回収することができる。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の主操作弁12a、第2の主操作弁13a、第1の従操作弁12b、および第2の従操作弁13aを開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。
【0103】
これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現する冷凍空調装置が得られる。さらに、回収した冷媒を廃棄処理しないため、すなわち、再利用するため、地球温暖化等の環境問題を解決することもできる。
【0104】
なお、本実施の形態6では、組成検知部6がない冷媒回路においても、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。また、複数の熱源機(本実施の形態では、1a、1bに相当)ではなく単一の熱源機にて構成される冷媒回路や、実施の形態2、3、4の構成を有する冷媒回路においても、実施の形態6と同様の構成を備えることにより、同様の効果が得られる。
【0105】
実施の形態7.
図14および図15は、本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態7を示す図である。この冷媒回路も、他の実施の形態と同様に、非共沸混合冷媒を用いた複数台の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成するものである。なお、図14は、冷房運転時の冷媒の流れを示した冷媒回路図であり、図15は、暖房運転時の冷媒の流れを示した冷媒回路図である。
【0106】
図14および図15において、冷凍空調装置内の冷媒回路構成、および冷媒の流れ(動作)については、実施の形態1、5、および6にて説明した構成および動作と基本的に同様であるため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0107】
実施の形態7では、主熱源機1aにおいて、主四方切換弁3aと利用側熱交換器21との間に第1の主サービスポート16aを備え、主熱交換器4aと利用側熱交換器21との間に第2の主サービスポート17aを備え、さらに、主液溜部5aの底部に第3の主サービスポート18aを備えている点と、従四方切換弁3bと利用側熱交換器21との間に第1の従サービスポート16bを備え、従熱交換器4bと利用側熱交換器21との間に第2の従サービスポート17bを備え、さらに、従液溜部5bの底部に第3の従サービスポート18bを備えている点で、実施の形態6の構成と異なっている。
【0108】
実施の形態7において、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような重サービスを行うような場合は、各熱源機(1a、1b)の修復時、熱源機内から冷媒を回収するだけでよいことから、回収する冷媒は、熱源機以外へ組成変化させることなく移動させるだけでよい。
【0109】
この実施の形態7では、まず第1の回収方法として、例えば、主熱源機1a側から冷媒を回収する場合について説明する。なお、従熱源機1bから冷媒を回収する場合においても同様である。まず、循環組成が変化しない運転として、例えば、主熱源機1a側が運転を停止し、従熱源側1bが冷房運転(余剰冷媒が少なく組成変化しにくい運転)を実施し(図14参照)、第1の主操作弁12aおよび第2の主操作弁13aを閉弁する。つぎに、第3のサービスポート18aと、第1の従サービスポート16bとを耐圧用のチューブ、または銅配管などの連結管19で連結する。
【0110】
この状態で、被回収側の主熱源機1a内の冷媒は、図14の実線矢印に示すように、液溜部5a底部の第3の主サービスポート18aから連結管15を経て冷媒回路の低圧ラインである、第1の従サービスポート16bに吸引され、ほぼ全て、従熱源機1b内、液ライン、または利用熱交換器21内に回収できる。回収完了後は、第3の主サービスポート18aと第1の従サービスポート16bとを連結していた連結管19を除去し、主熱源機1aの修復を行う。修復中、主熱源機1a側の第1の主操作弁12aと第2の主操作弁13aをそのまま閉弁しておけば、従熱源機1bのみで応急的に継続運転が可能となる。最後に、主熱源機1aの修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の主操作弁12aおよび第2の主操作弁13aを開弁する。
【0111】
つぎに、余剰冷媒の発生によって循環組成が変化しやすい暖房運転による第2の冷媒回収方法を説明する(図15参照)。まず、主熱源1a側が運転を停止し、従熱源側1bが暖房運転を実施し、第1の主操作弁12aおよび第2の主操作弁13aを閉弁する。つぎに、第3のサービスポート18aと、第2の従サービスポート17bとを耐圧用のチューブ、または銅配管などの連結管15で連結する。
【0112】
この状態で、被回収側の主熱源機1a内の冷媒は、図15の点線矢印に示すように、液溜部5a底部の第3のサービスポート18aから連結管15を経て冷媒回路の低圧ラインである第2の従サービスポート17bに吸引され、ほぼ全て、従熱源機1b内、液ライン、または利用熱交換器21内に回収できる。回収完了後は、第3のサービスポート18aと第2の従サービスポート17bとを連結していた連結管19を除去し、主熱源機1aの修復を行う。修復中、主熱源機1a側の第1の主操作弁12aと第2の主操作弁13aをそのまま閉弁しておけば、従熱源機1bのみで応急的に継続運転が可能となる。最後に、主熱源機1aの修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の主操作弁12aおよび第2の主操作弁13aを開弁する。
【0113】
このように、本実施の形態7にかかる冷凍空調装置の冷媒回路では、上記の第1および第2の回収方法により、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、利用熱交換器21内、またはガスラインに回収することができる。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の主操作弁12a、第2の主操作弁13a、第1の従操作弁12b、および第2の従操作弁13aを開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。
【0114】
これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現でき、さらに、サービス時の応急運転を可能とする冷凍空調装置が得られる。さらに、回収した冷媒を廃棄処理しないため、すなわち、再利用するため、地球温暖化等の環境問題を解決することもできる。
【0115】
なお、本実施の形態7では、組成検知部6がない冷媒回路においても、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。また、複数の熱源機(本実施の形態では、1a、1bに相当)ではなく単一の熱源機にて構成される冷媒回路や、実施の形態2、3、4の構成を有する冷媒回路においても、実施の形態6と同様の構成を備えることにより、同様の効果が得られる。
【0116】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、この発明によれば、循環組成検知装置を具備したことにより、常に真の冷媒循環組成を検知することができる。これにより、例えば、暖房時の室内機への冷媒寝込みや、各熱源機への余剰冷媒寝込みなどの要因により冷媒の偏在が発生し、冷媒回路内を循環する冷媒の組成が変化した場合でも、または、冷媒漏れ、冷媒誤封入などの要因により冷媒の組成が変化した場合でも、その変化を検知して組成を是正することができるという効果を奏する。また、少なくとも一つの熱源機に流量制御弁を具備したことにより、熱源機に流す冷媒の循環量を調整できるようになる。これにより、余剰冷媒の偏在を解消できるという効果を奏する。さらに、二つの過熱度SHa、SHbが予め設定しておいた所定値Aよりも小さい場合でも、常に各熱交換器の出口において、過熱度(SH)が確保され、主液溜部および従液溜部内に余剰冷媒を滞留させない。これにより、循環冷媒の組成変動を抑制でき、常時適正運転を行うことができるという効果を奏する。
【0118】
つぎの発明によれば、主熱源機側よりも従熱源機側の過熱度が大きい場合に、主流量制御弁を各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで閉弁し、従流量制御弁を開弁する。一方、主熱源機側よりも従熱源機側の過熱度が小さい場合には、主流量制御弁を各熱源機の過熱度の差が予め設定された値よりも小さくなるまで開弁し、従流量制御弁を閉弁する。これにより、自動的に余剰冷媒の偏在を解消できるという効果を奏する。
【0120】
つぎの発明によれば、冷媒組成を変化させることなしに冷媒を回収することと、その回収した冷媒を再利用することを可能とする。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現できるという効果を奏する。
【0121】
つぎの発明によれば、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、室内の熱交換器内、またはガスラインに回収することができる。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の操作弁と第2の操作弁を開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現できるという効果を奏する。
【0122】
つぎの発明によれば、熱源機内の冷媒組成を変化させることなく、ほぼ全て冷媒を、液ライン、室内の熱交換器内、またはガスラインに回収することができ、その際、運転を停止することなく継続可能である。また、各熱源機の修復が完了し、真空引きを終えた後、第1の操作弁と第2の操作弁を開弁することで、冷媒の再チャージが可能となり、冷媒の再利用率も増大する。これにより、冷媒回路内から冷媒を除去し、冷媒回路の修復を行うような場合でも、修復後、新しい冷媒を必要としないため、コストダウンを実現するとともに、手軽に冷媒の再チャージができることにより、サービス時間の短縮化を実現でき、さらに、サービス時の応急運転(継続運転)を行うことができるという効果を奏する。
【0123】
したがって、本発明によれば、非共沸混合冷媒の組成変化を是正することにより信頼性の向上を実現し、さらに、回収した冷媒の再利用を可能とすることによりコストダウンを実現する冷凍空調装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態1を示す図である。
【図2】 組成検知部の構成である。
【図3】 組成検知部内のモリエル線図である。
【図4】 実施の形態1の応用例である。
【図5】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態2を示す図である。
【図6】 実施の形態2の応用例である。
【図7】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態3を示す図である。
【図8】 均液制御ブロック図である。
【図9】 圧縮機冷媒循環量と、圧力損失、蒸発温度、熱交換器過熱度、または液溜内液量との関係図である。
【図10】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態4を示す図である。
【図11】 均液制御ブロック図である。
【図12】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態5を示す図である。
【図13】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態6を示す図である。
【図14】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態7(冷房運転時の冷媒の流れ)を示す図である。
【図15】 本発明にかかる冷凍空調装置の冷媒回路図の実施の形態7(暖房運転時の冷媒の流れ)を示す図である。
【図16】 従来における冷凍空調装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
1a,101a 主熱源機、1b,101b 従熱源機、2a,102a 主圧縮機、2b,102b 従圧縮機、3a,103a 主四方切換弁、3b,103b 従四方切換弁、4a,104a 主熱交換器、4b,104b 従熱交換器、5a,105a 主液溜部、5b,105b 従液溜部、6,6a,6b組成検知部、7,7a 主低圧圧力検知部、7b 従低圧圧力検知部、8a 主流量制御弁、8b 従流量制御弁、9a 主温度検知部、9b 従温度検知部、10a 主熱交換器過熱度演算装置、10b 従熱交換器過熱度演算装置、11a 第2の主液溜部、11b 第2の従液溜部、12a 第1の主操作弁、12b 第1の従操作弁、13a 第2の主操作弁、13b 第2の従操作弁、14 冷媒回収口、15 流量制御弁制御部、16a 第1の主サービスポート、16b 第1の従サービスポート、17a 第2の主サービスポート、17b 第2の従サービスポート、18a 第3の主サービスポート、18b 第3の従サービスポート、19 連結管、21,121 利用側熱交換器、22,122利用側流量制御装置、31,131 液合流部、32,132 ガス合流部、41 組成検知用熱交換器、42 減圧部、43 第1の温度検知部、44 第2の温度検知部。

Claims (5)

  1. 複数の熱源機を組み合わせて大容量の熱源機を構成し、冷媒として非共沸混合冷媒を循環させる冷凍空調装置であって、
    少なくとも一つの主圧縮機、主四方切換弁、主熱交換器、および第1の主液溜部を備えた主熱源機と、
    少なくとも一つの従圧縮機、従四方切換弁、従熱交換器、および第1の従液溜部を備えた少なくとも一つの従熱源機と、
    前記主熱交換器から流出する液冷媒の通路となる配管と、前記従熱交換器から流出する液冷媒の通路となる配管とを合流させる液合流部と、
    前記主圧縮機から排出されるガス冷媒の通路となる配管と、前記従圧縮機から排出されるガス冷媒の通路となる配管とを合流させるガス合流部と、
    前記非共沸混合冷媒の循環組成を検出する循環組成検知装置と、
    少なくとも一つの前記熱源機の熱交換器と前記液合流部との間に設けられた冷媒の流量を調整するための流量制御弁と、
    を具備する冷媒回路を有し、
    前記冷媒回路を循環する冷媒の流入により、利用側熱交換器にて冷房運転または暖房運転を行う冷凍空調装置において、
    前記各熱源機内の熱交換器と前記利用側熱交換器との間に、少なくとも一つの第2の液溜部を具備し、
    前記流量制御弁を調整することにより、前記各熱源機内に滞留する余剰冷媒を前記第2の液溜部内に冷媒を常に流動状態に保持しながら一定量確保させ、前記第1の液溜部内または第1の従液溜部内に滞留する余剰冷媒を抑制することを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 前記各熱源機毎に、
    冷媒の圧力を検出する低圧圧力検知手段と、
    冷媒の温度を検出する温度検知手段と、
    を具備し、
    検出された圧力および温度に基づいて前記流量制御弁を調整することにより、前記各熱源機内に滞留する余剰冷媒の偏在を防止することを特徴とする請求項1に記載の冷凍空調装置。
  3. 前記熱交換器と前記利用側熱交換器との間の配管に冷媒回収口を具備し、
    さらに、前記各熱源毎に、
    前記利用側熱交換器からの冷媒を制御するための第1の操作弁と、
    前記熱源機内の熱交換器からの冷媒を制御するための第2の操作弁と、
    を具備し、
    前記非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を冷媒回路系外へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍空調装置。
  4. 前記利用側熱交換器に流入する冷媒の流量を制御する流量制御手段を具備し、
    前記非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を熱源機外へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする請求項3に記載の冷凍空調装置。
  5. 前記各熱源機毎に、
    他の熱源機に冷媒を移動させるためのサービスポートを具備し、
    前記非共沸混合冷媒の組成を変えることなく、その冷媒を他の熱源機へ回収し、その後、回収した冷媒を再利用することを特徴とする請求項3または4に記載の冷凍空調装置。
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