JP4314569B2 - 綿状の竹繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は、綿状の竹繊維の製造方法に関し、特に、高質の繊維板の製造に適した綿状の竹繊維の製造方法に関する。
繊維板、例えば、中質繊維板〔ミディアムデンシティファイバーボード、即ちMDF(JIS A 5905参照)〕は、木材又は木材以外の植物繊維を原料として、合成樹脂接着剤を繊維同士を接着する接着剤として加えて熱圧縮加工により成形した繊維板であり、密度が0.35g/cm以上0.80g/cm未満と軽く、均質で方向性がなく、加工性及び表面平滑性に優れている。しかし、使用される繊維の長さが短いために、水平方向に繊維が並ぶ合板に比して強度が劣る点が欠点とされている。また、このような繊維板を製造する原料となる繊維は、多くは木の伐採により得られている。しかし、木は炭酸同化作用により、空気中の二酸化炭素を取入れて、有機物を合成し、酸素を放出するために、空気中の二酸化炭素濃度の低減及び酸素の再生といった地球環境の保護の上で貴重とされており、しかも、木は伐採できるまでに要する生長期間が数十年と長く、伐採後の森林の回復には長い年月を要することとなるために、伐採して木材資源を得ることが難しくなっている。これに対して、竹は、木に比して生長が早く、しかも、竹の稈を挿して簡単に増殖することができ、寿命は60年とも100年とも言われ、木材繊維の代替として注目されている。
そこで、竹繊維は、例えば、所定長さに切断された竹を、ロールで押し潰し、この押し潰された竹を、ハンマーミル等で叩いて解繊して製造する方法、及び竹を押し潰した状態の短冊状竹片とした上で解繊機の側面から解繊機内に送り込み短冊状竹片を解繊して所定の径まで解繊された竹繊維を製造する方法が示されている(例えば、特開2000−71209号公報参照)。また、竹を所定長さに切断し、切断された竹を圧力容器内に充填し、この圧力容器内に加熱加圧された水蒸気を導入して、竹を加熱加圧状態とし、瞬時に非加圧状態に圧力を低下させて、竹を爆砕して、竹繊維を製造し、この竹繊維を補強繊維とする補強繊維プラスチック成形体が提案されている(例えば、特開2003−253011公報参照)。またその他に、椰子、麻、砂糖黍、竹、稲又はケナフなどのリグノセルロース繊維は、熱水で処理して、熱水可溶成分を溶解除去して取出すことができ、この取出されたリグノセルロース繊維を接着剤と混合して、熱及び圧力を加えて板状に形成した繊維板とする方法が提案されている(特開2000−102910号公報参照)。
特開2000−102910号公報 特開2000−71209号公報 特開2003−253011号公報
しかし、竹をハンマーミルにより解繊する場合、一般には、供給口が、回転するハンマーの刃の面に向けて略垂直に設けられるので、破砕される押し潰された竹片は、ハンマーミルの回転するハンマーの刃の面前に突き出るように供給されることになり、押し潰された竹片はその長手方向で破断されて、ほとんどが短繊維や粉末となり、10mmを越える竹の長繊維を製造することが難しい。このような短繊維で作られた繊維板は、繊維長が比較的短いために、合板に比して強度が小さく問題とされている。そこで、押し潰された竹片をハンマーミルの回転するハンマーの刃に並行に供給して竹の長繊維を製造することが提案されている(特開2000−71209号公報参照)。しかし、このようにしても、得られた竹繊維は比較的直線状で折れ易く、30mmを越える長い竹繊維を歩留まり良く得ることは難しく問題とされている。そこで、所定長さに切断した竹材を圧力釜内で100℃以上の温度及び該温度に対応する水蒸気圧下に加熱及び加圧する加熱加圧操作と、圧力缶内の圧力を急速に解放する減圧操作とを繰り返し行って、竹繊維を痛めることなく相互に分離して、所定長さの竹繊維を得ることが提案されている(特開2003−155677号公報参照)。しかし、加熱加圧操作と減圧操作の繰り返し回数が多く、得られるのは繊維間を引き裂いて得られる所定長さの長繊維の束であり、径が0.1ミリメートル乃至数十ミクロンの全体的に綿状を呈する絡み具合の良い繊維板の原料に適した比較的長い竹繊維束を得ることは難しい。
本発明は、従来の繊維板の製造に使用される竹繊維に係る問題点を解決することを目的としている。
本発明は、繊維板を製造するのに適した綿状の竹繊維束を効率よく得ることができる竹繊維の製造方法を提供する。
即ち、本発明は、竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内において、蒸煮し、次いで、圧力を大気圧まで下げ、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、次いで、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にあり、また、本発明は、長手方向に間隔を以って裁断された竹材を圧縮して、開裂させて、平板状に圧縮形成し、圧縮形成された平板状の竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、次いで、大気圧まで圧力を下げ、50乃至100℃の温度にまで放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にあり、さらに、本発明は、200cm以下の長さに裁断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ20mm以下の平板状に圧縮形成し、圧縮形成された平板状の竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、蒸煮された竹材を、1分以上の時間を掛けて大気圧まで圧力を下げ、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にあり、さらにまた、本発明は、長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で蒸煮し、蒸煮された竹材を1分以上の時間を掛けて大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にあり、さらに加えて、本発明は、長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で5乃至60分間蒸煮し、蒸煮された竹材を5乃至10分間で大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、保湿して、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が回転刃である粗解繊機により、粗解繊を行って、厚さが0.1乃至1.0mmの粗解繊繊維束を形成し、次いで、この粗解繊繊維束を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の解繊刃が回転刃である精解繊装置による高速回転により、さらに精解繊して、直径が0.01乃至0.2mmの精解繊繊維束を製造することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にあり、さらにこれらの他に、本発明は、長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で5乃至60分間蒸煮し、蒸煮された竹材を5乃至10分間で大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、保湿して、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が回転刃である粗解繊機により、粗解繊を行って、厚さが0.1乃至1.0mmの粗解繊繊維束を形成し、次いで、この粗解繊繊維束を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が棒状の回転刃である精解繊装置による高速回転により、さらに精解繊して、直径が0.01乃至0.2mmで、長さが1乃至100mmの精解繊繊維束を製造することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法にある。本発明において、竹材を、130乃至160℃の温度及び0.28乃至0.64MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で蒸煮することが好ましく、また、竹材の解繊は、切削角度が50乃至80度で予め粗解繊を行い、次いで、1000乃至6000rpmの回転数で行われることが好ましい。本発明において、竹繊維は、綿状を呈するものであり、直径が10乃至200ミクロン又は直径が10乃至200ミクロン及び長さが1乃至100mmの綿繊維状とするのが好ましい。
本発明は、長手方向に間隔を以って裁断された竹材を圧縮して、開裂させて、平板状に圧縮形成し、圧縮形成された平板状の竹材を、加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、蒸煮された竹材を、常圧下で、常温より高い温度下で粗解繊し、次いで精解繊することにより竹繊維を製造するので、互いに絡み易く、繊維板の補強繊維に適した比較的細い綿状の竹繊維を製造することができる。
本発明において、竹繊維は、繊維板の強度を大きくするために、互いに絡み易いように綿状に形成される。本発明において、竹繊維を綿状に形成するために、竹は長さ10乃至200cmに輪切りに切断される。輪切りにされた円筒状の竹を、直径方向に押圧することにより圧砕して、厚さが5乃至20mmの平板状の竹材を形成する。このように形成された竹材は、水分を含有して柔軟になるように高温及び高圧下において蒸煮される。この竹材の蒸煮処理は、100乃至200℃、好ましくは、130乃至160℃の蒸煮温度、及び0.1乃至1.6MPa、好ましくは、0.28乃至0.64MPaの蒸煮加熱蒸気圧力を有する雰囲気内に、5乃至60分間、好ましくは20乃至30分間の蒸煮時間の間放置させて、蒸煮処理される。
本発明において、蒸煮により水分を含有して柔軟になった平板状の竹材は、柔軟性を保持させながら、粗解繊され、次いで精解繊される。蒸煮処理は、単一式又は連続式に行うことができる。単一式の場合、蒸煮装置内は、蒸煮処理後に開放されて、蒸煮処理温度及び圧力は、常温及び常圧に戻される。本発明者は、蒸煮処理された平板状の竹材の保有温度が常温に低下させ、またその含水率を10%よりに低下させると、解繊しても絡み合い易い綿状の竹繊維が得られないことを発見した。
そこで、本発明においては、蒸煮処理された竹材は、蒸煮後において、その含有水分を外気に逃散して柔軟さを失わないように、例えば、蒸煮装置内で保温及び保湿されるのが好ましい。この場合、蒸煮装置内の圧力及び温度は、蒸煮処理後、常圧及び常温に降下させるが、蒸煮された平板状の竹材が、含有水分が外気に逃散して、柔軟さが失われないように、例えば、その保有水分が、10%以上、好ましくは10乃至30%の範囲内に保たれ、保有温度が、50℃以上、好ましくは50乃至100℃の温度範囲内にあるように、保温及び保湿される。このために、蒸煮された平板状の竹材を収容する蒸煮装置内は、1乃至20分、好ましくは、5乃至10分掛けて、常圧にまで減圧され、放冷され、放湿される。
本発明において、蒸煮された平板状の竹材は、粗解繊装置により粗解繊される。この粗解繊装置は、従来の解繊装置を使用することができる。本発明において、粗解繊装置により解繊される平板状の竹材は、綿状の竹繊維を得るためには、その保有水分が、10%以上、好ましくは10乃至30%の範囲内で、保有温度が、50℃以上、好ましくは50乃至100℃の温度範囲内にあることが必要であることが分かった。そこで。本発明においては、粗解繊装置により解繊される平板状の竹材は、保管室又は保温保湿装置において、その保有水分が10%以上、好ましくは10乃至30%の範囲内で、保有温度が50℃以上、好ましくは50乃至100℃の温度範囲内にあるように、保温保湿される。保有水分、即ち、含水率が10%より低いと綿状の竹繊維を製造するのが難しく、また、保有水分、即ち、含水率が30%より高くする綿状の竹繊維を得るのが難しい。
このように保温保湿された平板状の竹材は、例えば、内側に切刃が形成されているスクリーンを備える外筒と、外筒内で回動可能に設けられ、外側に切刃が設けられ回転可能に設けられている内筒を備える粗解繊装置により粗解繊される。この粗解繊装置の粗解繊時において、外筒は静止して、固定刃として作用し、内筒は、回転させて回転刃として作用させることができる。この粗解繊装置は、外筒の固定刃と内筒の回転刃が、夫々の刃筋の交差角度(切削角度)、が50°以上、好ましくは50乃至80°の角度となるように配置されているのが好ましく、回転刃の切込み厚さが、0.1mm以上、好ましくは0.1乃至1.0mmの繊維束を通すスクリーンを備えているのが好ましい。しかし、本発明において、粗解繊装置においては、外筒と内筒を共に回転刃に形成することができる。
本発明において、粗解繊された繊維束は、精解繊装置によりさらに細い竹繊維に解繊される。この精解繊装置は、従来の細かい繊維束に解繊できる精解繊装置を使用することができる。本発明において、精解繊装置は、例えば、棒状に形成されている解繊ピンが固定されて、互いに対向する板状乃至薄い皿型の回転体と、その外周にスクリーンを備えており、解繊時には、互いに対向する板状又は薄い皿型の回転体の夫々に設けられている解繊ピン間の剪断作用により綿状に解繊される。この精解繊装置において、解繊ピンは、互いに対向する板状乃至薄い皿型の回転体に一以上設けられる。この場合、解繊ピンは複数個を設けることができる。解繊ピンを複数個設ける場合には、複数個を一列に設けてもよく、また同心状に複数段に設けてもよい。何れの精解繊装置においても、解繊時、解繊ピンを備える板状回転体は、1,000rpm以上、好ましくは、1,000乃至6,000rpmの回転数で回転され、粗解繊された繊維束は、対向する板状乃至薄い皿型の回転体の解繊ピンの剪断作用により、例えば、直径が10乃至200μ(ミクロン)の繊維束又は直径が10乃至200μで長さが1乃至100mmの繊維束に解繊される。本発明において、精解繊装置のスクリーンは、これらの精解繊された細い繊維束を通すように形成される。本発明において、互いに対向する板状乃至薄い皿型の回転体を備える精解繊装置により精解繊を行う場合には、一方の板状乃至薄い皿型の回転体を停止した状態とし、他方の板状乃至薄い皿型の回転体のみを高速回転させても良いが、双方の板状乃至薄い皿型の回転体を互いに異なる方向に回転させても良い。
以下に、例を示して、本発明の実施の態様を説明するが、本発明は以下の例示及び説明により何ら限定されるものではない。
1.竹材の分割切断と圧砕
長さ30cmに切出した肉厚が10mm程度の円筒状の竹材を、縦に6分割して、1個の切出した竹材当たり、6個の円弧状の竹片を得た。この円弧状の竹片の内側の節を取除き、押し潰すようにして圧砕し、平板状の竹片を製造した。
2.蒸煮処理
圧砕された竹片を蒸煮装置に入れて、0.43MPaの加圧飽和水蒸気を蒸煮装置内に供給した。蒸煮装置内に加圧飽和水蒸気を10分程供給して、蒸煮装置内の温度を、145℃に上昇させた。その後、蒸煮装置内を、温度145℃、圧力0.43MPaに約20分間維持して竹片を蒸煮処理した。竹片蒸煮処理を終えたところで、蒸煮処理装置内を徐々に降圧して、約5分間で大気に開放した。大気解放後の竹片は、保有温度が70℃で水分含有率が15重量%で、その侭保温保湿した。
3.解繊処理
温度が70℃で水分含有率が15重量%の竹片を粗解繊機に入れて祖解繊した。粗解繊は、固定刃と回転刃の刃間隔が1mm程度で、厚さ0.5mm以下の薄片に切削し、切り裂いて細長い粗解繊の繊維束を製造した。次に、この切り裂かれた細長い粗解繊の繊維束を、複数個の解繊ピンを二段に夫々固定した互いに対向する一対の板状回転体を備える精解繊装置により精解繊した。本例において、精解繊は、前記精解繊装置の一方の板状回転体を固定し、もう一方の板状回転体を、約3000rpmの回転数で高速回転させて行なわれ、固定した板状回転体の解繊ピンと高速回転する板状回転体の解繊ピンとの間の剪断作用により、粗解繊の繊維束をより細かく解繊して、綿状の竹繊維を製造した。精解繊された綿状の竹繊維は、端部に設けられているスクリーンを通して得られた。本例においては、互いに対向する一対の板状回転体の一方の板状回転体を停止して、他方の板状回転体を回転させて精解繊を行っているが、双方の板状回転体を互いに逆方向に回転させて精解繊を行うことができる。
繊維板の加工
例1で製造した綿状の竹繊維の含水率を10重量%に調整した。含水率が調整された綿状の竹繊維に、竹繊維に対し、6乃至8重量%の合成樹脂接着剤を加えて混合し、合成樹脂接着剤を均等に分散させる。この接着剤が分散された竹繊維を、型枠内に入れて予備加圧成形して板状成形体を製造する。製造された板状成形体を型枠内に積み重ねて、プレス温度160℃、プレス圧50kg/cm及びプレス時間5分のプレス条件で熱圧縮成形して、幅300mm、長さ300mm、厚さ10mmの繊維板を製造した。
繊維板の曲げヤング率
前記製造された幅300mm、長さ300mm及び厚さ10mmの繊維板について、幅50mm及び長さ200mmの試験体を切出して曲げヤング率の測定用試験体とし、この試験体により繊維板の曲げヤング率を測定した。測定された繊維板の曲げヤング率は2518N/mmであった。この測定された繊維板の曲げヤング率の値は、繊維板MDFの曲げヤング率の基準値の800乃至2518N/mm以上を満たすものであった。
繊維板の剥離強さ
前記の製造された幅300mm、長さ300mm及び厚さ10mmの繊維板について、幅50mm及び長さ50mmの試験体を切出して繊維板の剥離強さの測定用試験体を調製した。測定された繊維板の剥離強さは1.20N/mmであった。この測定された繊維板の剥離強さの値は、繊維板MDFの剥離強さの基準値の0.2乃至0.5N/mm以上を満たすものであった。
繊維板の吸水厚さ膨張率
前記の製造された幅300mm、長さ300mm及び厚さ10mmの繊維板について、幅50mm及び長さ50mmの試験体を切出して繊維板の吸水厚さ膨張率の測定用試験体を調製した。測定された繊維板の吸水厚さ膨張率は5.3%であった。この測定された値は、繊維板MDFの吸水厚さ膨張率の基準値の10乃至17%以下の各基準値を満たすものであった。
本発明は、竹材を高温高圧水蒸気の存在下に蒸煮し、蒸煮された竹材を常圧下で常温を越える温度下で解繊することにより、相互に絡み易く綿状の竹繊維を製造することができる。本発明においては、竹繊維を綿状に形成するので、成形段階で相互に絡ませることができ、繊維板に使用して、繊維長の短い繊維を使用する繊維板の強度に係る欠点を改良することができる。また、竹繊維を相互に絡ませるために、接着剤の使用量は、6乃至8重量%であり、この接着剤の使用量は、木繊維の繊維板の接着剤の使用量の10乃至13重量%に比して著しく少なく、接着剤の使用量を節約でき、経済性に優れる。

Claims (9)

  1. 竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内において、蒸煮し、次いで、圧力を大気圧まで下げ、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、次いで、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  2. 長手方向に間隔を以って裁断された竹材を圧縮して、開裂させて、平板状に圧縮形成し、圧縮形成された平板状の竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、次いで、大気圧まで圧力を下げ、50乃至100℃の温度にまで放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  3. 200cm以下の長さに裁断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ20mm以下の平板状に圧縮形成し、圧縮形成された平板状の竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気下で蒸煮し、蒸煮された竹材を、1分以上の時間を掛けて大気圧まで圧力を下げ、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  4. 長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で蒸煮し、蒸煮された竹材を1分以上の時間を掛けて大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、且つ保湿して、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態にして、粗解繊し、粗解繊された竹繊維を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30%の含水率を有する状態で、精解繊することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  5. 長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で5乃至60分間蒸煮し、蒸煮された竹材を5乃至10分間で大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、保湿して、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が回転刃である粗解繊機により、粗解繊を行って、厚さが0.1乃至1.0mmの粗解繊繊維束を形成し、次いで、この粗解繊繊維束を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の解繊刃が回転刃である精解繊装置による高速回転により、さらに精解繊して、直径が0.01乃至0.2mmの精解繊繊維束を製造することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  6. 長さ10乃至200cmに分割切断された竹材を圧縮して、開裂させて、厚さ5乃至20mmの平板状に形成し、圧縮されて平板状に形成された竹材を、130乃至200℃の温度及び0.28乃至1.6MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で5乃至60分間蒸煮し、蒸煮された竹材を5乃至10分間で大気圧まで減圧し、放冷し、放湿し、この放冷され放湿された竹材を、大気圧下で、保温し、保湿して、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が回転刃である粗解繊機により、粗解繊を行って、厚さが0.1乃至1.0mmの粗解繊繊維束を形成し、次いで、この粗解繊繊維束を、大気圧下で、50乃至100℃の温度及び10乃至30重量%の含水率を有する状態にして、少なくとも一方の切刃が棒状の回転刃である精解繊装置による高速回転により、さらに精解繊して、直径が0.01乃至0.2mmで、長さが1乃至100mmの精解繊繊維束を製造することを特徴とする綿状の竹繊維の製造方法。
  7. 竹材を、130乃至160℃の温度及び0.28乃至0.64MPaの圧力を有する加熱水蒸気の雰囲気内で蒸煮することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の綿状の竹繊維の製造方法。
  8. 竹材の粗解繊が、粗解繊機の一方の切刃と他方の切刃が交差する角度が50乃至80度で行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の綿状の竹繊維の製造方法。
  9. 竹材の粗解繊に続く精解繊が、一対切刃が共に棒状であり、少なくとも一方の切刃が回転刃である精解繊装置により、1000rpm以上の回転刃の回転により行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の綿状の竹繊維の製造方法。
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