JP4867005B2 - 竹維管束鞘繊維で形成された断熱及び吸放湿シート - Google Patents

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Description

本発明は、竹維管束鞘繊維で形成された断熱及び吸放湿シート、並びにその製造方法に関する。
住宅は、高気密及び高断熱化が義務付けられており、壁面や床面にはグラスウールを始めとする各種断熱シートが利用されている。しかしながら、従来より使用されている断熱シートは吸放湿性を有していないので、壁面や床面内側を結露させるという欠点を有する。
また、寝具マットにはポリエステル等の化学製品が用いられている。当該化学製品は吸汗性や通気性に欠けるため、化学製品から製造された寝具マットは睡眠時に不快感をもたらす。
そこで、断熱シートや寝具マットに利用できる、断熱性及び吸放湿性を備えた材料が望まれている。
一方、竹繊維を使用した加工材が従来より知られている。
例えば、特許文献1には、竹繊維と熱可塑性繊維とを混合した混合繊維層にシートを重合した竹繊維シートが開示されている。
特許文献2には、維管束の周囲の肉質部がほぼ取り除かれた竹維管束から成る加工竹材を、接着剤を用いて圧縮成形することにより製造される竹製合板が開示されている。
特許文献3には、竹材の維管束を開繊して得た竹繊維を結合材と混合して、互いに結着させたことを特徴とする吸音材が開示されている。
特許文献4には、維管束の周囲の肉質部が取り除かれた竹維管束から成る加工竹材を切断して得られた軸片と接着剤との混合物を加熱圧縮成形することにより製造される竹製建築用資材が開示されている。
しかしながら、断熱性及び吸放湿性を備えた材料として使用する竹維管束鞘繊維シート及びその製造方法は従来知られていなかった。
特開平11-138515号公報 特開2003-39407号公報 特開2004-278160号公報 特開2003-39406号公報
本発明は、上述した実情に鑑み、竹維管束鞘繊維で形成された断熱及び吸放湿シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、蒸煮された竹材から得られる維管束鞘繊維を成形に供することで、断熱性と吸放湿性とを備えたシートを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)蒸煮された竹材から得られる維管束鞘繊維を成形に供することを含む、断熱及び吸放湿シートの製造方法。
(2)上記維管束鞘繊維が、竹材を水で蒸煮する工程と、蒸煮後の竹材を破砕して維管束鞘を得る工程と、維管束鞘から繊維を得る工程とを含む手順によって得られる、(1)記載の方法。
(3)上記蒸煮が4〜8kgf/cm2の圧力下で行われることを特徴とする、(2)記載の方法。
(4)上記成形が圧縮によって行われることを特徴とする、(1)記載の方法。
(5)竹維管束鞘繊維を構成成分とし、且つ結合剤を含まないことを特徴とする断熱及び吸放湿シート。
(6)熱伝導率が0.065W/mK以下であることを特徴とする、(5)記載の断熱及び吸放湿シート。
(7)吸湿量が0.01〜0.012g/cm3であることを特徴とする、(5)記載の断熱及び吸放湿シート。
本発明によれば、断熱性と吸放湿性とを備えたシートが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る断熱及び吸放湿シートの製造方法(以下、「本方法」という)は、蒸煮された竹材から得られる維管束鞘繊維を成形に供することで、断熱性及び吸放湿性に優れたシートを製造する方法である。ここで、維管束鞘とは、維管束の周囲を一部又は全部取り囲む1又は多層の機械組織をいう。
本方法では、竹材から維管束鞘繊維を得るために、先ず竹材を水で蒸煮する。竹材としては、例えば、モウソウチク(Phyllostachys pubescens)、マダケ(Phyllostachys reticulata)、カンザンチク(Pleioblastus hindsii)、ホテイチク(Phyllostachys bambusoides)等の竹種から得られるものであってよい。蒸煮の際の竹材と水との配合は、例えば、竹材100〜1,000gに対して、水200〜2,000mlとする。蒸煮は、例えば、オートクレーブ、プレッシャークッカー、ダイジェスター(地球釜、蒸煮器)、その他の圧力容器等を用いて行うことができる。
蒸煮は、例えば2〜8kgf/cm2(好ましくは4〜8kgf/cm2)の圧力、すなわち121〜175℃(好ましくは150〜175℃)の温度下で行う。なお、オートクレーブを蒸煮に用いた際には、蒸煮時間としては、例えば0.5〜2時間、好ましくは0.5〜1.5時間とする。
一方、竹材から繊維を得るための従来の調製方法又は加工方法として、爆砕処理方法、化学処理方法(アルカリによる煮沸処理)、クラフトパルプ(化学パルプ)製造方法及びメカニカルパルプ(機械パルプ)手法が知られている。
爆砕処理方法は、爆裂解繊によって竹繊維を得る方法である。得られる竹繊維は、長さ及び径のばらつきが大きく、工業用原料繊維としては必ずしも適していない。また、得られる竹繊維のダメージが大きく、竹繊維の特性である高強度性が保持されていない。
化学処理方法は、竹繊維を得る際に化学薬品(水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等)を用いる。そのため、製造過程で排出される廃棄物を低コストで処理するか、あるいは再資源化する必要がある。
クラフトパルプ製造方法は、苛性ソーダ及び硫化ソーダの混合液で蒸解する方法である。竹維管束に存在するリグニンは、クラフト蒸解液中に存在する水酸化物イオンの働きにより低分子化し、細胞壁中より脱離する。また、セルロースやヘミセルロース等の多糖類は分解される。従って、クラフトパルプ製造方法によって得られた竹パルプは、高強度性が保持されていない。
メカニカルパルプ手法は、回転する碇石に木材を圧着し、磨砕する手法である。当該手法を竹材に供すると、維管束鞘を構成している厚壁繊維を切断する等のダメージを与え易い。
一方、本方法では、竹繊維を得るに際して、加水分解を促進するアルカリや竹材成分を分解する硫化ソーダを用いないため、竹材主成分であるセルロースやリグニンの分解が少なく、繊維の高強度性が保持される。
次いで、本方法では、竹材から維管束鞘と柔細胞とに分け、維管束鞘を採取するために、蒸煮後の竹材を破砕する。破砕方法としては、例えばハンマー、槌、杵、石臼、打解機、石打等を用いた破砕が挙げられる。
さらに、竹材の破砕により得られた維管束鞘を撹拌し、解繊することで、維管束鞘繊維を取り出す。撹拌には、例えばミキサー、叩解機(ビーター)等を用いることができる。ミキサーを用いた場合には、撹拌速度を例えば180〜1,800rpm(好ましくは900〜1,500rpm)とし、撹拌時間を例えば1〜20分間(好ましくは2〜3分間)とする。
次いで、得られた維管束鞘繊維を成形に供する。成形方法としては、目的とするシートの形状、比重、強度等に応じて適宜選択することができるが、圧縮、例えば、圧締(圧締乾燥)、圧縮成型、ローラー圧締が挙げられる。圧縮は、例えば大気圧下を含めた、圧力0〜200kgf/cm2、好ましくは0〜20kgf/cm2下で行われる。あるいは、圧縮せずに成形を行うこともできる。
このようにして得られるシートは維管束鞘繊維のみから成るものであるが、工程のいずれかにおいて、目的に応じて他の成分を混合してもよい。混合することができる成分としては、例えば、貝灰、消石灰、生石灰、木竹灰、木竹炭が挙げられる。ただし、本方法で得られるシートは結合剤(例えば、接着剤、熱可塑性繊維等)を含まない。
また、本方法は、シートを乾燥させる工程を含んでもよい。乾燥条件としては、常温(例えば、20℃)〜120℃(好ましくは60〜70℃)が挙げられる。
さらに、本方法で得られるシートの厚さは、例えば、5〜100mm、特に50〜100mmである。
以上のようにして、本方法により製造されたシート(以下、「本発明に係るシート」という)は、断熱性及び吸放湿性に優れている。断熱性の指標としては、例えば、熱伝導率が挙げられる。本発明に係るシートの熱伝導率は熱伝導率計を用いて測定することができる。本発明に係るシートの熱伝導率は、例えば0.065W/mK以下、好ましくは0.05W/mK以下、特に好ましくは0.04W/mK以下である。
一方、吸放湿性の指標としては、例えば吸湿量や平衡含水率が挙げられる。本発明に係るシートの単位体積当たりの吸湿量(g/cm3)及び平衡含水率は、デシケータを用いて測定することができる。本発明に係るシートの絶乾状態から湿度86%(相対湿度:RH)までの吸湿量は、例えば0.01〜0.02g/cm3、好ましくは0.01〜0.012g/cm3、特に好ましくは0.01g/cm3である。
本発明に係るシートは、高強度の竹維管束鞘繊維を構成成分とし、優れた断熱性、吸放湿性及び通気性に加えて、製造に化学薬品や化学合成系接着剤等の結合剤を使用しないことから、環境負荷を低減でき、また耐シックハウス性を有する。当該シートは、例えば、住宅用断熱シート(ボード)や寝具マット用シートに使用できる。
一方、下記の実施例で示すように、本発明に係るシートの空隙の中に溜まる空気がシートの断熱性能をもたらすので、さらにシートの比重を小さくすれば、より断熱性能を上げることができると考えられる。
竹材に50〜60%含まれる維管束鞘繊維の引張強度は、一般に300〜800N/mm2であるとされている。この強度は、鉄鋼(補強筋SD295:440N/mm2)の引張強度に匹敵する。しかしながら、本発明に係るシートの製造に使用する維管束鞘繊維の引張強度は、鉄鋼を上回る引張強度(例えば、1,152N/mm2)を有するものであり、超高強度鉄筋(引張強度700N/mm2)をも上回るものである。従って、本発明に係るシートは建築材料に適した引張強度を有する。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 本発明に係るシートの作製
1. 方法
1-1. 竹ファイバーボード(本発明に係るシート)の製造
図1は竹ファイバーボードの製造工程を示す。図1に基づいて、以下に竹ファイバーボードの製造を説明する。
鹿児島県産のモウソウチク(Phyllostachys pubescens)の竹材400gと水2,000mlとを、オートクレーブ(東洋精機製作所製)に入れ、圧力8kgf/cm2及び温度175℃下で90分間蒸煮した。
蒸煮後、竹材をハンマーで叩くことで破砕し、維管束鞘と柔細胞とに分け、ミキサー(単層100V、200W程度の業務用ミキサー(松下電器製))で10分間撹拌し、解繊した。解繊後、流水で洗い、竹繊維(維管束鞘繊維)を採取した。
次いで、得られた竹繊維を水と共に型枠に流し入れ、比重の偏りがないように速やかにボード成型し、20kgf/cm2の圧力下で圧締した。なお、比重の小さい竹ファイバーボードを製造する際には、圧締を行わなかった。
その後、100℃のオーブンで48時間得られた竹ファイバーボードを乾燥させた。また、乾燥後には、竹材から竹繊維を採取する際の繊維収率を求めた。
1-2. 竹材、竹繊維及び竹ファイバーボードの顕微鏡観察
当年生のモウソウチクの横断面と縦断面並びに上記1-1の竹繊維及び竹ファイバーボードの断面を、走査型電子顕微鏡(Philips XL 30)及び光学顕微鏡(OLYMPUS BX51-33)を用いて、顕微鏡観察を行った。
1-3. 熱伝導率試験
上記1-1で得られた竹ファイバーボードを、10×5×1.5〜2cmの寸法にカットし、気乾比重及び含水率を測定した。
次いで、熱伝導率計(京都電子工業株式会社製;迅速熱伝導率計QTM-500)を用いて、22個の竹ファイバーボードのサンプル(比重0.083〜0.112)の熱伝導率を測定し、比重との相関を求め、他の断熱材との比較を行った。
1-4. 吸放湿試験
上記1-1で得られた竹ファイバーボード及びグラスウールを、それぞれ5×2×2cmの寸法にカットし、各ボード3個ずつ用意した。次いで、これらボードをオーブンで48時間乾燥させ、全乾比重を測定した。また、温度25℃下で、湿度84%、45%、73%、53%の順に調整したデシケータにこれらボード(サンプル)を入れ、24時間毎にサンプルの重量を測定し、吸放湿量及び平衡含水率を測定した。
1-5. 竹繊維の引張試験
上記1-1で得られた竹繊維の引張荷重を、容量500Nの圧縮型ロードセル((株)共和電業製LM-50KA)、計装用コンデイショナ((株)共和電業製WGA-710B-3)及びADコンバータ((株)コンテック製ADI16-4(USB))を用いて記録した。引張速度は、200μm/分とした。また、竹繊維の観察には、超低真型走査電子顕微鏡(Philips製、EL 30、ESEM)を用いた。
2. 結果及び考察
2-1. 竹ファイバーボードの製造
図2には、上記1-1で製造した竹ファイバーボードの写真を示す。
上記1-1における竹材から竹繊維を採取する際の竹繊維収率は51.0%であった。接着剤や熱圧締なしでボード成型が可能であったため、竹繊維は自己接着性があるといえる。また、圧締の圧力を変えることで、目的に沿った比重や強度を有する竹ファイバーボードを作製できた。
2-2. 竹材、竹繊維及び竹ファイバーボードの顕微鏡観察
図3は上記1-1で使用した竹材の横断面の写真である。図4は図3に示す竹材の横断面の走査型電子顕微鏡像である。また、図5は図3に示す竹材の横断面の光学顕微鏡像である。図4及び5に示すように、維管束の周りを維管束鞘と呼ばれる多量の厚壁繊維の組織が保護している。この維管束鞘が竹ファイバーボードの原料である。稈の外側ほど厚壁繊維の量が多く、内側にいくにしたがって、柔細胞が多くなっていく。
また、図6には、上記1-1で使用した竹材の縦断面の光学顕微鏡像を示す。図6に示すように、維管束や維管束鞘及び基本組織の細胞を含めた全ての要素が稈軸方向に配列している。これによって、竹材の強靭さや割裂性に富む性質がもたらされる。
一方、図7は上記1-1で採取した竹繊維の走査型電子顕微鏡像である。また、図8は、図7の竹繊維の走査型電子顕微鏡像をさらに拡大した走査型電子顕微鏡像である。図7及び8に示すように、竹繊維は表面に毛羽立ちが見られず、丸みをおびていた。
さらに、図9には、上記1-1で製造した竹ファイバーボードの断面の走査型電子顕微鏡像を示す。図9に示すように、竹繊維が絡み合い、空隙ができていた。その空隙に空気が溜まることで、断熱性能がもたらされると期待できる。
2-3. 熱伝導率試験
図10は、上記1-1で製造した竹ファイバーボードの熱伝導率(W/mK)と比重との相関を示すグラフである。また、以下の表1に、当該竹ファイバーボードの比重の平均、最小値、最大値及び標準偏差並びに熱伝導率の平均、最小値及び最大値を示す。
Figure 0004867005
図10に示すように、比重が大きくなるにつれて熱伝導率も増大する傾向にあることが判る。熱伝導率と比重との相関係数はr=0.83であった。また、表1に示すように、熱伝導率の平均は0.061W/mK、最小値0.051W/mK、最大値0.067W/mKであった。一般に断熱材として効果があるものは、およそ0.086W/mK(0.1kcal/mh℃)以下とされている。従って、当該竹ファイバーボードは断熱材としての使用が可能であると考えられる。
この竹ファイバーボードの熱伝導率の平均値0.061W/mKを一般の断熱材と比較すると、竹ファイバーボードの熱伝導率は、木質系インシュレーションボード等の有機系断熱材と同等であった。
2-4. 吸放湿試験
図11は、上記1-1で製造した竹ファイバーボードの経過日数に対する単位体積当たりの吸湿量(g/cm3)のグラフである。試験に使用した3個の竹ファイバーボードの比重は、それぞれ0.106、0.101、0.096であった。また、比較対照であるグラスウールの比重は0.031であった。以下の表2には、竹ファイバーボードの各湿度における平均吸湿量(g/cm3)及び平衡含水率(%)を示す。
Figure 0004867005
図11及び表2に示すように、竹ファイバーボードは湿度84%(相対湿度:RH)時には平均0.0113g/cm3吸湿し、平衡含水率11.3%であり、また湿度45%RH時には平均0.0046g/cm3放湿し、平衡含水率6.6%であり、さらに湿度73%RH時には平均0.0032g/cm3吸湿し、平衡含水率9.9%であった。このように、竹ファイバーボードは湿度変化に応じて吸放湿を行っていた。一方、グラスウールは湿度84%RH時に平均0.0007g/cm3吸湿し、平衡含水率2.4%であり、明らかに吸湿を行っておらず、単位体積当たりの吸湿量は竹ファイバーボードの16分の1であった。
2-5. 竹繊維の引張試験
図12は、上記1-1で得られた竹繊維の引張試験の結果を示す。また、図13には、引張試験に供した竹繊維の断面の走査型電子顕微鏡像を示す。図13に示す竹繊維の断面から求めた断面積は、0.0316mm2であった。この断面積の値を応力の算出に用いた。その結果、竹繊維の引張強度は、1,152N/mm2であった。このように、上記1-1で得られた竹繊維の引張強度は、超高強度鉄筋(引張強度700N/mm2)を上回った。
図1は、竹ファイバーボードの製造工程を示す。 図2は、本実施例で製造した竹ファイバーボードの写真である。 図3は、竹材の横断面の写真である。 図4は、図3に示す竹材の横断面の走査型電子顕微鏡像である。 図5は、図3に示す竹材の横断面の光学顕微鏡像である。 図6は、竹材の縦断面の光学顕微鏡像である。 図7は、竹繊維の走査型電子顕微鏡像である。 図8は、図7の竹繊維の走査型電子顕微鏡像をさらに拡大した走査型電子顕微鏡像である。 図9は、本実施例で製造した竹ファイバーボードの断面の走査型電子顕微鏡像である。 図10は、本実施例で製造した竹ファイバーボードの熱伝導率(W/mK)と比重との相関を示すグラフである。 図11は、本実施例で製造した竹ファイバーボードの経過日数に対する単位体積当たりの吸湿量(g/cm3)のグラフである。 図12は、本実施例で得た竹繊維の引張試験の結果を示す。 図13は、本実施例で引張試験に供した竹繊維の断面の走査型電子顕微鏡像を示す。

Claims (6)

  1. 竹材を水に浸漬し、蒸煮する工程と、
    蒸煮後の竹材を破砕して維管束鞘を得る工程と、
    維管束鞘から維管束鞘繊維を得る工程と、
    維管束鞘繊維を成形に供する工程と、
    を含む、結合剤を含まない断熱及び吸放湿シートの製造方法
  2. 上記蒸煮が4〜8kgf/cm2の圧力下で行われることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 上記成形が圧縮によって行われることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の方法により製造された、竹維管束鞘繊維を構成成分とし、且つ結合剤を含まないことを特徴とする断熱及び吸放湿シート。
  5. 熱伝導率が0.065W/mK以下であることを特徴とする、請求項4記載の断熱及び吸放湿シート。
  6. 吸湿量が0.01〜0.012g/cm3であることを特徴とする、請求項4又は5記載の断熱及び吸放湿シート。
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