JP2011000428A - 消臭剤の製造方法および消臭剤組成物 - Google Patents

消臭剤の製造方法および消臭剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】塩基性ガスに対する消臭性能に優れる消臭剤を安定して製造でき、またタール等の副生物の発生を抑制できるため副生物処理を簡素化できると共に、消臭剤を製造する際の省エネルギー性に優れる消臭剤の製造方法を提供すること。
【解決手段】温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて加熱処理材を得る蒸煮工程を備えているので、木質系材料に含まれるヘミセルロースやリグニン等が分解されてカルボキシル基等の酸性官能基が生成される。塩基性ガスは酸性官能基に化学吸着するため、塩基性ガスに対する消臭性能に優れる消臭剤を製造できる。また、飽和水蒸気の温度が低いため省エネルギー性に優れると共に、蟻酸、酢酸、ホルムアルデヒド等の有機化合物やタール等の副生物の発生を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は消臭剤の製造方法および消臭剤組成物に関し、特に塩基性ガスに対する消臭性能に優れる消臭剤を安定して製造でき、またタール等の副生物の発生を抑制して副生物処理を簡素化できると共に、消臭剤を製造する際の省エネルギー性に優れる消臭剤の製造方法および消臭剤組成物に関するものである。
従来、加熱処理された木質系材料が、悪臭を除去する消臭剤としての機能を発揮することが知られている。例えば非特許文献1には、木質系材料に温度が250〜600℃の過熱水蒸気を接触させることにより、木質系材料を炭化させて炭化物を得る技術が開示されている。非特許文献1に開示された炭化物は細孔を有しており、その細孔にアンモニアガスが吸着される。非特許文献2には250〜400℃の温度(水蒸気は介在しない)で木質系材料を熱処理することにより、木質系材料の主要成分(セルロース、ヘミセルロース及びリグニン)を分解させ、アンモニアなどの塩基性ガスに対する吸着性を発揮させる技術が開示されている。
吉田 弘之、黒田 純二「過熱水蒸気による木材の炭化と塩基性ガス吸着剤の開発」、[online]、大阪府立大学産学官連携機構、[平成21年5月13日検索]、インターネット<URL:http://www.iao.osakafu-u.ac.jp/ipbc/fea2006_postor/13%20hiroyuki_yoshida3.pdf> 竹内 久彌ら「ベイクウッドの物性とその耐朽性」、木質炭化学会誌Vol.5 No.2(2009)、平成21年3月10日発行
しかしながら、非特許文献1に開示される技術では、炭化物を得るために温度が250〜600℃の過熱水蒸気が必要となる。水蒸気を250〜600℃の温度に加熱するためには大きなエネルギーが必要となるので、炭化物を製造する際の省エネルギー性に欠けるという問題点があった。また炭化物に形成された細孔に吸着されるアンモニアガスの吸着容量(消臭容量)は比較的小さいため、炭化物はアンモニアガスに対する消臭性能が乏しいという問題点があった。
非特許文献2に開示される技術では木質系材料を250〜400℃の温度に加熱するためには大きなエネルギーが必要となるので、熱処理の際の省エネルギー性に欠けるという問題点があった。また木質系材料に熱処理を行うと自己燃焼熱が発生するため、250〜400℃の温度に正確に制御することが困難であるという問題点があった。また自己燃焼熱の発生により熱処理装置内の温度分布にばらつきが生じるため、熱処理装置で処理された処理物の塩基性ガスに対する吸着性能(消臭性能)が製造ロット内や製造ロット間でばらつき、品質の安定性に欠けるという問題点があった。さらに木質系材料を250〜400℃の温度に加熱するとタール等の副生物が大量に発生する。発生した副生物を燃焼させる等の処理操作が必要となり、副生物処理が煩雑化するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、塩基性ガスに対する消臭性能に優れる消臭剤を安定して製造でき、またタール等の副生物の発生を抑制して副生物処理を簡素化できると共に、消臭剤を製造する際の省エネルギー性に優れる消臭剤の製造方法および消臭剤組成物を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載の消臭剤の製造方法によれば、蒸煮工程により温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られる加熱処理材は、木質系材料に含まれるヘミセルロースやリグニン等が分解されてカルボキシル基等の酸性官能基が生成され、それらの多くは木質繊維内に浸透蓄積される。アンモニア、ピリジン、トリメチルアミン等の塩基性ガスは、酸性官能基の中和作用により化学吸着されると共に、木質が有している細孔や微細なハニカム構造に吸着される。その結果、消臭剤の吸着容量(消臭容量)を、従来のような木質炭化物の細孔に吸着される吸着容量と比較して大きくすることができる。また、請求項1記載の方法により製造された消臭剤は、アセトアルデヒド等のアルデヒド類の吸着容量(消臭容量)も大きくできることが明らかとなった。よって、塩基性ガスやアルデヒド類に対する消臭性能に優れる消臭剤を製造できるという効果がある。
また、蒸煮工程において木質系材料に接触させるのは温度が180〜230℃の飽和水蒸気なので、水蒸気を加熱するためのエネルギー量を抑制でき、省エネルギー性に優れるという効果がある。
また、過熱水蒸気や水蒸気が介在しない熱風空気に比べて飽和水蒸気は熱伝達能力に優れていると共に、180〜230℃の温度に正確に制御することが容易であり、木質系材料を温度斑なく均一に処理することができる。その結果、得られた消臭剤の塩基性ガスに対する吸着性能(消臭性能)に製造ロット内や製造ロット間のばらつきが生じ難く、品質の安定性に優れるという効果がある。
さらに、蒸煮工程において木質系材料に接触させる飽和水蒸気の温度が180〜230℃と低いため、ヘミセルロースやリグニン等の分解による蟻酸、酢酸、ホルムアルデヒド等の有機化合物やタール等の副生物の発生を抑制することができる。これにより副生物処理を簡素化でき、さらに有機化合物による不快な臭気を抑制できると共に安全性に優れる消臭剤を製造できるという効果がある。
請求項2記載の消臭剤の製造方法によれば、蒸煮工程の前に木質系材料の含水率を20%以下に調整する含水率調整工程を備えているので、木質系材料の自由水の含有率を減らすことができる。これにより、請求項1の効果に加え、蒸煮工程において加熱された自由水とヘミセルロースやリグニン等とが過剰に反応することを抑制し、それらの分解による有機化合物の発生を確実に抑制することができるという効果がある。また、蒸煮工程においてヘミセルロースやリグニン等が過剰に反応することを抑制することで、木質系材料の組織が過剰に脆化されることを防止し、消臭剤の機械的強度が過剰に低下することを抑制できるという効果がある。
請求項3記載の消臭剤の製造方法によれば、微細化物を液状の分散媒に分散させた消臭剤組成物が付着工程により基材の表面に付着され、基材の表面に付着された消臭剤組成物が乾燥工程により乾燥される。これにより、請求項1又は2の効果に加え、微細化物がイオン結合した消臭剤を基材の表面に保持させ、基材に消臭作用を付与できるため、自在性に優れるという効果がある。
請求項4記載の消臭剤の製造方法によれば、温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させる抽出工程により得られる抽出液は、ヘミセルロースやリグニン等の分解により酸性を呈している。これにより、アンモニア、ピリジン、トリメチルアミン等の塩基性ガスに対する消臭性に優れる。また、抽出工程において木質系材料に接触させる飽和水蒸気の温度が180〜230℃と低いため、ヘミセルロースやリグニン等の分解による蟻酸、酢酸、ホルムアルデヒド等の有機化合物やタール等の副生物の発生を抑制することができる。これにより副生物処理を簡素化でき、さらに有機化合物による不快な臭気を抑制できると共に安全性に優れる消臭剤を製造できるという効果がある。
請求項5記載の消臭剤組成物によれば、加熱処理材が粉砕された微細化物と、微細化物が分散された液状の分散媒とを含有している。加熱処理材は温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られるので、木質系材料のヘミセルロースやリグニンが分解されて低分子化される。このため微細化物同士が結合し易くなる。微細化物は液状の分散媒に分散されているので、任意の基材の表面に微細化物を容易に付着させることができる。基材の表面に付着させた消臭剤組成物の分散媒を乾燥させることにより、基材の表面に微細化物が結合した消臭剤を保持させることができ、自在性に優れるという効果がある。
また、温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られた加熱処理材は、木質系材料に含まれるヘミセルロースやリグニン等が分解されてカルボキシル基等の酸性官能基が生成される。塩基性ガスは加熱処理材を粉砕した微細化物の酸性官能基に化学吸着されるため、その吸着容量(消臭容量)は、従来のような細孔に吸着される吸着容量(消臭容量)と比較して大きい。よって塩基性ガスに対する消臭性能を向上できるという効果がある。
また、加熱処理材を得るために木質系材料に接触させるのは、温度が180〜230℃の飽和水蒸気なので、水蒸気を加熱するためのエネルギー量を抑制でき省エネルギー性に優れるという効果がある。
本発明の第1実施の形態における消臭剤の製造方法を示すフローチャートである。 実施例2及び実施例3における消臭剤のアンモニアガスに対する消臭性能を示すグラフである。 実施例4における消臭剤のアンモニアガス及びアセトアルデヒドに対する消臭性能を示すグラフである。 図4は実施例5における消臭剤のアンモニアガスに対する消臭性能と、実施例6における消臭剤のアンモニアガス及びアセトアルデヒドに対する消臭性能とを示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施の形態における消臭剤の製造方法を示すフローチャートである。図1に示す含水率調整工程(P1)は、木質系材料を乾燥させ、その含水率を調整し低減させる工程である。ここで、本発明における「木質系材料」とは、植物由来のリグノセルロース系材料全般を意味し、例えばリグニンとヘミセルロースとセルロースとを含有するリグノセルロース系材料のことである。また、この木質系材料は木材に限るものではなく、草本類からも採取することが可能である。このような木質系材料は、例えばスギ、ヒノキ、ブナなどの各種の樹木から採取することが可能である。またケナフ、トウモロコシ、サトウキビ、麻、イグサ、イネなどの草本類から採取することが可能である。あるいは、家屋解体物、家具解体物、木屑、間伐材、籾殻、木粉、剪定枝、刈草、落ち葉、サトウキビの圧搾滓(バガス)などの破棄物から採取することも可能である。さらにこれらの木質系材料のうち二種以上を組み合わせることも可能である。
原料として使用する木質系材料は、飽和水蒸気と均一に接触させることができるように細分化されているものを使用するのが好ましい。木質系材料が細分化されていると、後述する蒸煮工程(P2)において水蒸気が木質系材料の道管や仮道管を通るため、木質系材料組織に飽和水蒸気を均一に接触させることができるのみならず、木質系材料を飽和水蒸気に接触させる時間を短縮することが可能になる。従って、木質系材料としてはフレーク状あるいは微粉状に加工されている木材などを使用するのが好ましい。木材の切断加工の際に生じる鋸屑やプレーナ屑などをそのまま使用することも可能である。但し、蒸煮工程(P1)において、木質系材料を飽和水蒸気に接触させる時間を確保すれば表皮を除去した面積の大きな板材や長尺材も使用することが可能である。表皮を除去することにより道管や仮道管を露出させることができ、水蒸気が道管や仮道管を通って木質系材料組織に浸入するからである。
含水率調整工程(P1)では、含水率の調整は常温下でも高温下でも実施し得るが、大気放置して風乾することが省エネルギー性に優れており望ましい。含水率調整工程(P1)では、木質系材料の含水率(乾量基準)が20%以下となるように調整することが好ましい。なお、木質系材料の含水率とは、木質系材料の絶乾質量に対する当該木質系材料が含んでいる水分の割合を百分率で表した値(木質系材料が含んでいる水分の質量÷木質系材料の質量×100(%))のことであり、例えば「加熱乾燥式水分計MX-50」(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて測定することができる。なお、後述する実施例の含水率も同様の装置を用いて測定している。
木質系材料の含水率を木材の平衡含水率(すなわち、結合水のみとなる含水率)である15%に近い20%以下に調整することにより自由水を5%以下とすることができ、加熱処理材から生じる有機化合物由来の臭気の低減に高い効果が得られる。これは後述する蒸煮工程(P2)において、自由水の加熱により活発になった水蒸気が木質系材料に浸透してヘミセルロールやリグニンを過剰に分解してしまうことを抑制することができ、その結果、木質系材料中に生成する分解成分の流出を抑制できるからである。また、自由水の加熱により活発になった蒸気によるヘミセルロースやリグニンの過剰な分解を抑制し、これらの分解の結果として発生する酢酸、蟻酸などの有機酸ガス、およびホルムアルデヒドなどの有機化合物を抑制し、加熱処理材の臭気を減少させることができるからである。なお、含水率調整工程(P1)により木質系材料の含水率を15%以下となるように調整すれば、木質系材料中の自由水が0となるのでより高い効果が得られる。
さらに、例えばジャケット式の乾燥機を用いて130℃の温度で乾燥させることにより、木質系材料の含水率を5%以下となるように調整すると、臭気の低減について極めて高い効果が得られる。なお、仮に含水率調整工程(P1)において木質系材料の含水率を0%としたとしても、乾燥機から出した後は大気中の水分を吸って短時間で1〜2%の含水率になってしまう。よって、含水率調整工程(P1)における含水率の目標値の下限値は3%以上としても良い。含水率の目標値の下限値が3%以上であれば木質系材料を大気から隔離するように構成された高価な乾燥機を必要とせず、また処理も短時間でよいからである。
次に蒸煮工程(P2)について説明する。蒸煮工程(P2)では加熱処理材を得るために、原料となる木質系材料を飽和水蒸気に接触させる。蒸煮工程(P2)では、具体的には、含水率調整工程(P1)により含水率が調整された木質系材料を耐圧容器に投入して、この耐圧容器内に例えばボイラーなどの供給源から飽和水蒸気を供給することにより、高圧下において木質系材料に飽和水蒸気を接触させる。
飽和水蒸気の温度は180℃以上230℃以下とする。木質系材料をこのような温度範囲の飽和水蒸気に接触させることによって、その木質系材料に含まれるヘミセルロース、リグニンなどの分解を行うことができる。木質系材料に温度が180〜230℃の飽和水蒸気を接触させるので、水蒸気を加熱するためのエネルギー量を抑制でき省エネルギー性に優れる。なお、飽和水蒸気の温度が180℃より低くなるにつれ、ヘミセルロース、リグニンなどが十分に分解されなくなる結果、酸性官能基の生成量が減少し消臭性能が著しく低下する傾向がみられるため好ましくない。また、飽和水蒸気の温度が230℃より高くなるにつれ、ヘミセルロースやリグニン等の分解が加速度的に進行し蟻酸、酢酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の有機化合物やタール等の副生物の発生量が増加する一方、酸性官能基の量が減少して消臭性能が低下し、さらに副生物処理が煩雑化すると共に有機化合物による不快な臭気が増加し安全性も低下する傾向がみられるため好ましくない。
また、蒸煮工程(P2)における耐圧容器内の圧力は1.6〜2.3MPaが好適である。圧力が1.6MPaより低くなるにつれヘミセルロース、リグニンなどが十分に分解されなくなる結果、酸性官能基の生成量が減少し消臭性能が著しく低下する傾向がみられるため好ましくない。また、圧力が2.3MPaより高くなるにつれ、ヘミセルロースやリグニン等の分解が加速度的に進行し酸性官能基の量が減少して消臭性能が低下する傾向がみられるため好ましくない。
蒸煮工程(P2)は、飽和水蒸気を木質系材料に適当な時間(例えば数十秒から数十分程度)接触させることによって完了する。飽和水蒸気の圧力や温度が低い場合や木質系材料が大きい場合には、飽和水蒸気と木質系材料との接触時間をより長くすることが好ましい。このように飽和水蒸気と木質系材料とを接触させる時間は、飽和水蒸気の温度や圧力、木質系材料の大きさに応じて適宜設定される。
なお、木質系材料に含まれるヘミセルロースは、同じく木質系材料に含まれるリグニンに比べて低い温度で加水分解が始まるので、飽和水蒸気と木質系材料との接触時間が短い場合や飽和水蒸気の温度が低い場合は、ヘミセルロースの加水分解がリグニンの加水分解に比べて活発である。ヘミセルロースの加水分解によりカルボキシル基(酸性官能基)が生ずる。また、飽和水蒸気と木質系材料との接触時間が長い場合や飽和水蒸気の温度が高い場合は、ヘミセルロースの加水分解は活発になる一方、一部のカルボキシル基が気化する。そのため、木質繊維内に浸透するカルボキシル基の増加量は減少するが、リグニンの加水分解によるフェノール性の水酸基(酸性官能基)の木質繊維内への浸透量は増加する。これらの酸性官能基が、塩基性ガスやアルデヒド類を化学吸着する消臭性能を発揮する。酸性官能基が存在する限り消臭が行われるので、細孔への吸着により消臭が行われる活性炭等と比較して、消臭性能が高く、消臭性能を発揮する持続時間も長くできる。
蒸煮工程(P2)を終了するときには、木質系材料が収容されている原料収容容器などを解放して大気圧に戻せばよい。大気圧以上の高圧の水蒸気の場合には徐々に圧力を下げることもできるし、一気に大気圧まで解放することもできる。大気圧まで一気に解放する場合には、木質系材料の組織内部で水蒸気の体積が一気に膨張するので、木質系材料を繊維状あるいは粉末状などに粉砕することができる(以下、高圧状態から一気に圧力を解放して木質系材料を粉砕することを爆砕という。)。爆砕によれば、木質系材料に水蒸気を接触させた後、直ちに細分化することができる。
次に粉砕工程(P3)について説明する。粉砕工程(P3)は蒸煮工程(P2)を完了して得られた加熱処理材を最適粒径にするために実施される。粉砕工程(P3)においては、ボールミル、振動ミル、カッターミル、ハンマーミル、ウィレー粉砕機、ジェットミル等の各種粉砕手段を用いることができる。加熱処理材は蒸煮工程により木質系材料の組織が脆化されているため、小さなエネルギーにより短時間で粉砕できる。各種粉砕手段による粉砕効率を向上させるため、蒸煮工程(P2)で得られた加熱処理材を適当な大きさに切断した後、粉砕工程(P3)を行うことも可能である。加熱処理材を粉砕して得られる微細化物の平均粒径としては、消臭剤が使用される場所等に応じて適宜設定される。本実施の形態においては、微細化物の平均粒径は0.1μm〜10μm、好ましくは1μm〜5μmの範囲に設定される。
粉砕工程(P3)により得られた微細化物は、次にアルコール、トルエン、キシレン等の有機溶剤や水等の液状の分散媒に分散される。これにより、微細化物と液状の分散媒とを含有する消臭剤組成物が製造される。消臭剤組成物は微細化物と分散媒との他、界面活性剤、可塑剤、顔料や染料、澱粉や膠または合成樹脂系若しくは合成ゴム系などの接着成分を含有することができる。取扱性や安全性等を考慮すると、分散媒は水を用いることが好ましい。なお、微細化物と分散媒との配合割合は微細化物の粒径や分散媒の種類に応じて適宜設定される。
次に、消臭剤組成物は、付着工程において、塗布、吹き付け等の手段により住宅や病院、介護施設等の室内の壁面や天井面等の基材に施工され、基材の表面に付着される。あるいは、付着工程において、壁面や天井面を構成するパネル材等の基材の表面に、塗布、吹き付け、浸漬等の手段により消臭剤組成物は付着される。加熱処理材は温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られるので、木質系材料のヘミセルロースやリグニンが一部分解されて低分子化される。これにより微細化物同士が結合し易くなるため、乾燥工程において消臭剤組成物の分散媒を乾燥させることにより、微細化物が結合した消臭剤を基材の表面に自在に形成できる。さらに、本実施の形態においては微細化物の平均粒径が0.1μm〜10μm、好ましくは1μm〜5μmの範囲に設定されているので、分散媒が乾燥した後の微細化物同士の結合力をさらに向上させ消臭剤の機械的強度を向上できる。なお、微粒化物の平均粒径が1μmより小さくなるにつれ加熱処理材の粉砕効率が低下し生産性が低下する傾向がみられ、平均粒径が5μmより大きくなるにつれ、分散媒を乾燥させた後の微細化物同士の結合力が低下し消臭剤が壊れ易くなる傾向がみられる。特に、0.1μmより小さくなるか10μmより大きくなると、これらの傾向が著しくなるためいずれも好ましくない。
また、温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られた加熱処理材は、木質系材料に含まれるヘミセルロースやリグニン等が分解されてカルボキシル基等の酸性官能基が生成される。塩基性ガスは加熱処理材を粉砕した微細化物の酸性官能基に化学吸着されるため、塩基性ガスに対する優れた消臭性能が発揮される。
なお、乾燥工程では、消臭剤組成物を付着させた基材を常温下に放置する、温風を当てる等の公知の乾燥方法により、消臭剤組成物の分散媒を乾燥させることができるので、詳細な説明を省略する。
次に、第2実施の形態について説明する。第2実施の形態における消臭剤の製造方法は、粉砕工程(P3)以後の工程が省略されている以外は、第1実施の形態の製造方法と同様である。第2実施の形態における消臭剤の製造方法では、面積の大きな板状や長尺状の木質系材料を用いることにより、消臭剤としてのパネル材や長尺材(消臭性能を有するパネル材や長尺材)を製造できる。加熱処理材は木質系材料としての組織が脆化されているが、大きな機械的強度が要求される構造部材としてではなく内装材として用いるには何ら問題ない。
また、蒸煮工程(P2)において木質系材料に接触させる飽和水蒸気の温度が180〜230℃と低いため、処理前の木質系材料の質量と比べた場合の加熱処理材の質量の減少量を小さくできる。これにより加熱処理材の収縮量を減らして、木質系材料の大きさや形状の変化を小さくできる。この結果、面積の大きな板状や長尺状の木質系材料に飽和水蒸気を接触させることで、消臭性能を有する面積の大きなパネル材や長尺材を製造できる。
これに対し、非特許文献1や非特許文献2に開示される技術では、木質系材料が処理される温度が250℃以上と高いため、処理後の炭化物や熱処理物の質量が処理前の木質系材料の質量と比べて著しく減少する。非特許文献1には、400℃で処理した場合に質量が80%減少することが記載されている。また非特許文献2には、250℃で処理した場合の収量(処理後の質量÷処理前の質量×100(%))が約80%、300℃で処理した場合の収量が約43%、350℃で処理した場合の収量が約33%、400℃で処理した場合の収量が約23%であることが記載されている。このように温度が250℃以上の処理では、木質系材料の分解が進行して質量が減少すると共に、木質系材料が収縮して大きさが変化し形状も変わってしまうことがわかっている。このため面積の大きな板状や長尺状の炭化物や熱処理物の製造が困難であった。本発明は、この問題を解決できる。
また、チップ状やフレーク状あるいは微粉状の小さな木質系材料を用いることにより、得られた加熱処理材(消臭剤)を従来の活性炭と同じように使用することができる。さらに、養鶏場、養豚場、牛舎等の畜産場に散布することにより家畜の糞尿から生ずるアンモニアガスを吸着し、畜産場から生ずる悪臭を抑制できる。加熱処理材は耐朽性に優れるため長期間消臭性能を発揮すると共に、安全性に優れるため家畜が接触しても安心である。
また、温室内の農地に散布される窒素質肥料がアンモニアに変化し温室内のアンモニアガス濃度が上昇し、アンモニアガスを吸収した農作物が枯れてしまう問題が生じている。農地に加熱処理材(消臭剤)を散布することにより、温室内のアンモニアガスを吸収し農作物の被害を抑制できる。この場合も加熱処理材は耐朽性に優れるため、長期間消臭性能を発揮する。さらに、安全性に優れるため農作物に悪影響を与えず安心である。
次いで、第3実施の形態について説明する。第3実施の形態における消臭剤の製造方法は、粉砕工程(P3)により得られた微細化物と、合成樹脂とを含有する成形体を製造する方法である。なお、微細化物を得る粉砕工程(P3)までは第1実施の形態と同様であるため、粉砕工程(P3)までの説明は省略する。
第3実施の形態では、微細化物に、まず合成樹脂を混合する。混合する合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、塩化ビニル等を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリコハク酸ブチレン等を挙げることができる。
微細化物と合成樹脂との混合比率としては、微細化物の大きさや合成樹脂の種類にもよるが、微細化物70〜80wt%、合成樹脂30〜20wt%が好適である。なお、合成樹脂の混合比率が30wt%より増えるにつれ(微細化物の混合比率が70wt%より少なくなるにつれ)、微細化物の道管や仮道管が成形体中の合成樹脂で封鎖され、ガスの吸着に影響する比表面積が低下し、塩基性ガスの吸着容量(消臭容量)が小さくなり、消臭性能が乏しくなる傾向がみられる。合成樹脂の混合比率が20wt%より少なくなるにつれ(微細化物の混合比率が80wt%より増えるにつれ)、成形性が低下すると共に、成形体の機械的強度が低下する傾向がみられる。
合成樹脂に加え、加熱すると分解して窒素ガスや炭酸ガスを発生する発泡剤を混合すると好ましい。成形中に発泡剤が分解することで、微細化物の道管や仮道管が成形体中の合成樹脂で封鎖されることが抑制され、塩基性ガスの吸着に影響する比表面積が低下することを防止できるからである。発泡剤を混合する場合の混合比率としては、合成樹脂に対して2〜5wt%が好適である。2wt%より少なくなるにつれ、塩基性ガスの吸着に影響する比表面積の低下を抑制できなくなる傾向がみられ、5wt%より多くなるにつれ成形体の機械的強度が低下する傾向がみられる。なお、加圧することなく成形体を製造する場合には、発泡剤を混合しなくても良い。
微細化物と合成樹脂と(必要に応じて発泡剤と)を混合した後、圧縮成形、射出成形、回転成形、注形法等により、合成樹脂は流動化するが微細化物の流動化が抑制される成形温度および圧力で、所定の形状に成形する。微細化物の流動化を抑制するのは、木質系材料の組織が破壊されて道管や仮道管が封鎖されることを防止し、塩基性ガスの吸着容量(消臭容量)が小さくなることを防止するためである。なお、合成樹脂に代えて、有機系接着剤を混合することも可能である。有機系接着剤としては、澱粉等の天然系接着剤や合成樹脂系接着剤を挙げることができる。
第3実施の形態によれば、微細化物を用いて所定の形状の成形体を製造できる。また、成形体の比重を調整し、目的に応じて切削液等の液中に浮遊する或いは没入する成形体を製造できる。これにより、液の腐敗等による悪臭を防止する消臭剤を製造できる。また、機械的強度を高めることができ、液中で崩壊することも防止できる。
次に、第4実施の形態について説明する。第4実施の形態における消臭剤の製造方法は、蒸煮工程(P2)により得られた加熱処理材や粉砕工程(P3)により得られた微細化物をシート材に固定化する方法である。なお、蒸煮工程(P2)又は粉砕工程(P3)までは第1実施の形態と同様であるため、それまでの説明は省略する。
シート材としては、布地、台紙等を挙げることができる。加熱処理材や微細化物をシート材に接着剤で固定化することができる。また、加熱処理材や微細化物をシート材(布地)に縫い込んで固定化することができる。特に、加熱処理材や微細化物を不織布(シート材)にニードルパンチにより固定化するものが好適である。加熱処理材や微細化物に接着剤が付着することなく固定化できるので、加熱処理材や微細化物の消臭性能が固定化に伴い低下することが防止できると共に、加熱処理材や微細化物がシート材から脱落し難く、耐久性に優れるからである。
次に、第5実施の形態について説明する。第5実施の形態における消臭剤の製造方法は、温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させる抽出工程を備えている。抽出工程は、加熱処理材を得る蒸煮工程(P2)において、副生される抽出液を回収する工程である。抽出工程では、原料となる木質系材料を飽和水蒸気に接触させ、その抽出液を回収する。具体的には、木質系材料を耐圧容器に投入して、この耐圧容器内に例えばボイラーなどの供給源から飽和水蒸気を供給することにより、高圧下において木質系材料に飽和水蒸気を接触させる。
抽出液は、木質系材料に含まれるヘミセルロースやリグニン等の分解による酸性官能基を含有し酸性を呈している。特に抽出液には、ヘミセルロースの分解によって気化したカルボキシル基が多く含まれている。これにより、アンモニア、ピリジン、トリメチルアミン等の塩基性ガスに対する消臭性に優れる。また、抽出工程において木質系材料に接触させる飽和水蒸気の温度が180〜230℃と低いため、ヘミセルロースやリグニン等の分解による蟻酸、酢酸、ホルムアルデヒド等の有機化合物やタール等の副生物の発生を抑制することができる。これにより副生物処理を簡素化でき、さらに有機化合物による不快な臭気を抑制できると共に安全性に優れる。
得られる抽出液は、必要に応じて、精製したり希釈したりすることができる。抽出液を悪臭源等に噴霧したり散布したりすることで、消臭作用を得ることができる。また、抽出液を直接、悪臭源等に噴霧したり散布したりするのではなく、基材に含浸させたり、合成樹脂と混合して成形したりして、ゲル状にしたものや固形化したものを消臭剤として使用することも可能である。また、ポリビニルアルコール、寒天、澱粉等と混合して3次元網目構造をつくり、シート状や袋状に成形することも可能である。これにより、汚物等を収容するための消臭機能を有する袋を製造できる。なお、抽出液は黒褐色を呈しているので、抽出液が混合された成形体に黒褐色の着色を施すことができる。これにより、袋に収容された汚物等の収容物を人目につき難くすることができる。
以下、本発明をさらに具体化した実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に基づいて限定されるものではない。なお、実施例1は第1実施の形態を適用したものであり、実施例2は第2実施の形態を適用したものであり、実施例3は第3実施の形態を適用したものであり、実施例4は第1実施の形態における蒸煮工程(P2)までを適用したものであり、実施例5は第4実施の形態を適用したものであり、実施例6は第5実施の形態を適用したものである。
(実施例1)
消臭剤の原料となる木質系材料としてヒノキ材の鉋屑を準備し、この木質系材料を含水率12%に調整した(以上、含水率調整工程)。次いで、この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃(耐圧容器内の圧力は約2MPa)の飽和水蒸気を6分間接触させて加熱処理材を得た(以上、蒸煮工程)。得られた加熱処理材は有機酸等の臭気がわずかに感じられる程度のものであった。次に、加熱処理材をジェットミルで粉砕し平均粒径1μmの微細化物を得た(以上、粉砕工程)。次いで、470gの水(分散媒)に微細化物30gを分散させることにより消臭剤組成物を得た。得られた消臭剤組成物を化粧板(長さ10cm、幅10cm、厚さ2mm)の表面に0.5mm以下の厚さに吹き付けた後、常温で十分に乾燥させることにより実施例1における消臭剤の供試体を得た。
実施例1における供試体を容積が5Lの密閉容器(密封容器内の空気を撹拌する撹拌装置付き)内に収容した。次いで、撹拌装置で密封容器内の空気を撹拌しながら、密閉容器内にアンモニアを注射器で注入した。アンモニア注入直後、密閉容器内のアンモニアガス濃度を検知管で測定したところ60ppmであった。15分後、アンモニアガス濃度を同様に検知管で測定したところ10ppmまで低下していた。これにより、実施例1における供試体は塩基性ガスに対する消臭性能に優れていることが確認された。
また、実施例1における供試体の乾燥後の塗膜の密着性について評価するため、セロハンテープを貼着し簡易的にクロスカット法による密着性テストを行ってみたところ、内装材の用途に十分耐えうるものであると考えられた。さらに、実施例1における供試体の乾燥後の塗膜の一部を剥離させて剥離片を作成し、その剥離片について煮沸試験(沸騰水に60分間浸漬)を行ったところ煮沸試験前後において剥離片の形状は全く変化しなかった。以上のことから微細化物が結合した強固な膜が形成されているものと判断された。
(実施例2)
消臭剤の原料となる木質系材料として、製材工場でスギ材を鋸挽きしたときの鋸屑を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した(以上、含水率調整工程)。次いで、この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃(耐圧容器内の圧力は約2MPa)の飽和水蒸気を6分間接触させて加熱処理材(平均粒径50μm〜300μm)を得た(以上、蒸煮工程)。これにより実施例2における消臭剤を得た。得られた加熱処理材(消臭剤)は有機酸等の臭気がわずかに感じられる程度のものであった。
(実施例3)
実施例2で使用した木質系材料と同じスギ材の鋸屑を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した。この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃(耐圧容器内の圧力は約2MPa)の飽和水蒸気を6分間接触させて加熱処理材(平均粒径50μm〜300μm)を得た。得られた加熱処理材にポリエチレン及び発泡剤を混合し(加熱処理材:70wt%、ポリエチレン30wt%。発泡剤はポリエチレンに対して3wt%混合。)、2軸押出機によりマスターバッチペレットを作成し、次いで射出成型機(射出圧力14MPa、シリンダ温度180〜200℃)により長さ130mm×幅10mm×厚さ4mmの実施例3における消臭剤(成形体)を得た。
(アンモニア消臭試験)
実施例2における消臭剤45.5gを、容積が13Lの密閉容器(密封容器内の空気を撹拌する撹拌装置付き)内に収容した。次いで、撹拌装置で密封容器内の空気を撹拌しながら、密閉容器内にアンモニアを注射器で注入した。アンモニア注入直後、密閉容器内のアンモニアガス濃度を検知管で測定したところ150ppmであった。その後、15分毎に120分間が経過するまで、密封容器内のアンモニアガス濃度を測定した。
また、実施例3における消臭剤45.5gを、容積が13Lの別の密閉容器(密封容器内の空気を撹拌する撹拌装置付き)内に収容した。次いで、撹拌装置で密封容器内の空気を撹拌しながら密閉容器内にアンモニアを注射器で注入した。アンモニア注入直後、密閉容器内のアンモニアガス濃度を検知管で測定したところ140ppmであった。その後、15分毎に120分間が経過するまで密封容器内のアンモニアガス濃度を測定した。
図2は、実施例2及び実施例3における消臭剤のアンモニアガスに対する消臭性能を示すグラフである。図2に示すように、実施例2における消臭剤では、アンモニアガスの残存率が15分後には5%以下、120分後には1%以下となった。一方、実施例3における消臭剤では、120分後の残存率は約70%程度であった。以上のことから、実施例2及び実施例3における消臭剤はアンモニアガスに対する消臭性能を有し、特に、実施例2における消臭剤は消臭性能が著しく優れることが明らかとなった。
なお、実施例3における消臭剤の消臭性能が実施例2における消臭剤の消臭性能より低下した原因は、実施例3における消臭剤は消臭に寄与しない30wt%のポリプロピレンを含有していることが一因である。しかしそれ以上に、射出成形時のシリンダ温度および射出圧力により加熱処理材が熱流動した結果、金型内で架橋・重合したことが大きな原因であると推察される。
(実施例3の変形例)
実施例3で使用した木質系材料と同じスギ材の鋸屑を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した。この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃(耐圧容器内の圧力は約2MPa)の飽和水蒸気を6分間接触させて加熱処理材(平均粒径50μm〜300μm)を得た。得られた加熱処理材にポリエチレン及び発泡剤を混合し(加熱処理材:60wt%、ポリエチレン37wt%、発泡剤3wt%)、2軸押出機によりマスターバッチペレットを作成し、次いで射出成型機(射出圧力13MPa、シリンダ温度155〜175℃、金型温度60℃)により長さ130mm×幅10mm×厚さ4mmの消臭剤(成形体)を得た。変形例における消臭剤は、実施例3における消臭剤と比較して、加熱処理材の含有量が10wt%少なく、射出圧力およびシリンダ温度が低い点が特徴である。
この変形例における消臭剤を用いて実施例3と同様のアンモニア消臭試験を行ったところ、アンモニアガスの残存率が30分後に53%、60分後には24%となった。この結果から明らかなように、変形例における消臭剤の消臭性能は実施例3における消臭剤の消臭性能より向上した。これにより、成形のときの圧力および温度を低下させ、加熱処理材の熱流動を抑制する条件で成形することにより消臭剤の消臭性能を向上できることが明らかとなった。
(防藻性確認試験)
水槽(61×31×40cm)に水道水65Lを入れ、直射日光の当たる窓際に置いた。水槽内の水はポンプで揚水されてフィルタ槽を通過して循環されるように設定し、フィルタ槽内に実施例3における消臭剤50gを入れた。これにより、水槽内の水は、消臭剤に接触しながら循環される。比較のために、フィルタ槽内に消臭剤を入れない以外は同様に水道水を蓄えた水槽を用意して、並設した。
3週間経過後、消臭剤を入れない水槽は藻が発生して水に濁りがみられたのに対し、消臭剤を入れた水槽は濁りがみられなかった。消臭剤を入れることで、藻の発生を抑制できたものと推察される。本実施例によれば、防藻性も有していることが確認された。
(実施例4)
消臭剤の原料となる木質系材料として、杉をチップ状にした杉チップ(長さ5mm以下)を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した(以上、含水率調整工程)。次いで、この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃の飽和水蒸気を5分間接触させることで実施例4における加熱処理材を得た(以上、蒸煮工程)。得られた加熱処理材(消臭剤)は有機酸等の臭気がわずかに感じられる程度のものであった。
(アンモニア消臭試験)
実施例4における消臭剤20gを容積が5Lのサンプリングバッグ内に収容すると共に、サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を600ppmとした。その後、60分間が経過するまで、サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を検知管で測定した。
(アセトアルデヒド消臭試験)
実施例4における消臭剤20gを容積が5Lのサンプリングバッグ内に収容すると共に、サンプリングバッグ内のアセトアルデヒド濃度を10ppmとした。その後、60分間が経過するまで、サンプリングバッグ内のアセトアルデヒド濃度を検知管で測定した。
図3は実施例4における消臭剤のアンモニアガス及びアセトアルデヒドに対する消臭性能を示すグラフである。横軸はアンモニアガス又はアセトアルデヒドに消臭剤を接触させてからの経過時間(分)を示し、縦軸はアンモニアガス又はアセトアルデヒドの残存率(%)を示す。本実施例によれば、アンモニアガスに対しては試験開始から5分経過後に残存率が約20%に低下し、30分経過後に残存率が0%になった。また、アセトアルデヒドに対しては試験開始から30分経過後に残存率が約30%になり、残存率はその後も低下した。以上のことから、本実施例によれば、アンモニアガスやアセトアルデヒドに対して優れた消臭性能を有していることが明らかとなった。なお、木質系材料として竹をチップ状にした竹チップ(長さ5mm以下)を使用した場合にも、同様の結果が得られた。
さらに、上述のアンモニア消臭試験を終えた消臭剤を用いて、アンモニアガス消臭試験(ガス濃度は600ppm)を繰り返し行った。8回の試験を繰り返し行ったが、この繰り返し試験においても、各試験開始から20〜60分の間に残存率がほぼ0%になった。この試験結果から、消臭剤は吸着容量が著しく大きなことが確認された。
(実施例5)
消臭剤の原料となる木質系材料として、竹をチップ状にした竹チップ(長さ5mm以下)を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した(以上、含水率調整工程)。次いで、この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃の飽和水蒸気を5分間接触させることで加熱処理材を得た(以上、蒸煮工程)。得られた加熱処理材をニードルパンチにより不織布に挟み込み、固定化した。なお、不織布の縦10cm横10cm当たり4gの加熱処理材が挟み込まれている。
(実施例6)
竹(木質系材料)をチップ状にした竹チップ(長さ5mm以下)を準備し、この木質系材料を含水率18%に調整した(以上、含水率調整工程)。次いで、この木質系材料を耐圧容器に収容した後、木質系材料に215℃の飽和水蒸気を5分間接触させることで抽出液を得た(以上、抽出工程)。抽出液をスパンボンド不織布(厚さ0.24mm)に含浸させ、乾燥させた。
(アンモニア消臭試験)
実施例5における消臭剤(不織布)及び実施例6における消臭剤(不織布)を、縦10cm横10cmの大きさに切断した。切断した不織布を、容積が5Lのサンプリングバッグ内にそれぞれ収容すると共に、サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を600ppmとした。その後、60分間が経過するまで、サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を検知管で測定した。
(アセトアルデヒド消臭試験)
実施例6における消臭剤(不織布)を縦10cm横10cmの大きさに切断した。切断した不織布を容積が5Lのサンプリングバッグ内に収容すると共に、サンプリングバッグ内のアセトアルデヒド濃度を10ppmとした。その後、60分間が経過するまで、サンプリングバッグ内のアセトアルデヒド濃度を検知管で測定した。
図4は実施例5における消臭剤のアンモニアガスに対する消臭性能(図中アンモニア(チップ)と表記)と、実施例6における消臭剤のアンモニアガス(図中アンモニア(抽出液)と表記)及びアセトアルデヒド(図中アセトアルデヒド(抽出液)と表記)に対する消臭性能とを示すグラフである。横軸はアンモニアガス又はアセトアルデヒドに消臭剤を接触させてからの経過時間(分)を示し、縦軸はアンモニアガス又はアセトアルデヒドの残存率(%)を示す。本実施例においても、アンモニアガス及びアセトアルデヒドに対して優れた消臭性能を有していることが明らかとなった。
(おむつ臭の消臭試験)
病院の内科系病棟の汚物室内に設置されているおむつ用ゴミ箱から生じる臭気の消臭試験を実施した。病院ではおむつの回収は1日2回行われており、回収したおむつをおむつ用ゴミ箱に投入するときに、おむつ用ゴミ箱の蓋が開閉される。実施例5における消臭剤(不織布)(縦50cm横40cm厚さ0.6cm)をおむつ用ゴミ箱の蓋に被せることで、臭気が軽減されるかを官能試験により評価した。官能試験のパネラーは、内科系病棟に勤務する看護師12名に依頼した。1日2回、臭気による不快度をパネラーに評価してもらった。評価は0,1,2,3,4の5段階で、不快ではないときを「0」、非常に不快であるときを「4」とし、その間は不快度に応じて1〜3の評価とした。
試験の結果、試験開始前は不快度が2.1(12名の評価の平均)であったのに対し、1日目には1.0、3日目には0.4に低下した。6日目には0となり、12名のパネラー全員が不快でなくなった。本実施例によれば、おむつ臭に対しても優れた消臭効果があることが確認された。
(鶏糞堆肥製造時の臭気低減効果)
鶏糞堆肥を製造する工場において、鶏糞堆肥を撹拌するときに、実施例6における消臭剤(抽出液を2倍に希釈したもの)を鶏糞堆肥に散布した。散布前のアンモニア濃度は400ppmであったのに対し、消臭剤を3分間散布した後のアンモニア濃度は250ppmに低下した。さらに、消臭剤の散布を停止して10分経過後のアンモニア濃度は50ppmであった。また、散布前の工場内は靄が漂ったような様子であったが、散布後は靄も消えていた。本実施例によれば、アンモニア消臭効果が非常に高いことが確認された。また、抽出液を散布することで、工場のような大きな空間の消臭が可能であることも確認された。
(ゲル状固形物の臭気低減効果)
実施例6における消臭剤(抽出液を2倍に希釈したもの)とポリビニルアルコールとを混合してゲル状固化物(ゲル状の消臭剤)を得た。
一方、容積が10Lのサンプリングバッグ内にタバコの煙を注入した。サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を検知管で測定したところ、205ppmであった。このサンプリングバッグ内にゲル状固化物58gを封入し、30分経過後、サンプリングバッグ内のアンモニアガス濃度を検知管で測定した。測定の結果、アンモニアガス濃度は10ppmであった(残存率約5%)。本実施例により、ゲル状固化物(ゲル状の消臭剤)も優れた消臭性能を有していることが明らかになった。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば上記実施の形態で挙げた数値や材質は一例であり、他の数値や材質を採用することは当然可能である。
上記各実施の形態における消臭剤の製造方法では、含水率調整工程(P1)を備えた場合について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。含水率調整工程(P1)により木質系材料の含水量を調整することなく、蒸煮工程(P2)における飽和水蒸気の温度を低くしたり飽和水蒸気と木質系材料との接触時間を短くしたりすることにより、加熱処理材を得ることは可能である。
P1 含水率調整工程
P2 蒸煮工程

Claims (5)

  1. 木質系材料を加熱処理して得られる加熱処理材を消臭剤とする消臭剤の製造方法において、
    温度が180〜230℃の飽和水蒸気を前記木質系材料に接触させて蒸煮し前記加熱処理材を得る蒸煮工程を備えていることを特徴とする消臭剤の製造方法。
  2. 前記蒸煮工程の前に、前記木質系材料の含水率を20%以下に調整する含水率調整工程を備えていることを特徴とする請求項1記載の消臭剤の製造方法。
  3. 前記加熱処理材を粉砕して微細化物を得る粉砕工程と、
    その粉砕工程で得られた前記微細化物を液状の分散媒に分散させた消臭剤組成物を基材の表面に付着させる付着工程と、
    前記基材の表面に付着された前記消臭剤組成物を乾燥させる乾燥工程とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭剤の製造方法。
  4. 木質系材料を加熱処理して得られる消臭剤の製造方法において、
    温度が180〜230℃の飽和水蒸気を前記木質系材料に接触させて抽出される抽出液を得る抽出工程を備えていることを特徴とする消臭剤の製造方法。
  5. 温度が180〜230℃の飽和水蒸気を木質系材料に接触させて得られる加熱処理材が粉砕された微細化物と、その微細化物が分散される液状の分散媒とを含有していることを特徴とする消臭剤組成物。
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