JP2020122089A - ポリエチレンフィルムおよびこれにより形成された製品 - Google Patents
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Abstract
Description
ポリエチレンフィルムの厚さ 15〜100μm
繊維質成分の平均粒径 5〜10μm
繊維質成分の最大粒径 100μm未満
繊維質成分の含有量 0.1〜0.5質量%
ポリエチレンフィルムおよび袋の製造:
(1)繊維質成分の製造
葉のついた状態のトドマツの枝90kgを、圧砕式粉砕機(KYB製作所製)を用い、その大きさが10〜20mm程度になるまで粉砕した後、マイクロ波蒸留装置(国際公開WO2010/098440号パンフレットに記載のもの)の蒸留槽内に入れた。次いで、蒸留槽内の圧力を、約15kPaの減圧に保持し、約1時間マイクロ波照射した。発生した蒸気(油分、水分)は減圧ポンプにおいて吸引し、蒸留槽内から除去し、残渣としてトドマツ処理物を得た。
上記(1)で得られた繊維質成分10kgとポリエチレンペレット(ウルトゼックス(登録商標)2022:プライムポリマー社製)90kgをミキサーで撹拌し、押出成形機に投入して押出成形したものを自然冷却した。次いで、これをペレタイザーに差込みペレット状(直径3mm、長さ3mm)にカットし繊維質成分を含有するポリエチレンのマスターバッチペレットを得た。
ポリエチレンペレット(ウルトゼックス(登録商標)2022:プライムポリマー社製)に対し、上記(3)で得られたマスターバッチペレットを表1に記載の割合でリボンブレンダーに投入して混合した。次いでこれをインフレーション成膜機により溶融混練、表1に記載の厚さで成膜し、チューブ状フィルムとしてポリエチレンフィルム(以下、単に「消臭フィルム」という)を得た。またこれらを30cm毎に溶断して袋を得た。なお、消臭フィルムは半透明で茶色と金色を混ぜたような色をしていた。
袋の消臭性能試験:
直径100mmのろ紙を四つ折りにし、250ppmのアンモニア水溶液3.0mlを吸収させた。このろ紙を本発明品1〜4のフィルムで形成された袋内に入れ、開口部をヒートシールした。この袋を、10リットルのテドラーバック内に入れ、一定時間ごと検知管によりアンモニア濃度を測定した。
衣類カバ−:
実施例1で得た本発明品3のフィルム(厚さ35μm)を用い、洋服カバー形状に溶断して本発明の洋服カバーを製造した。この衣類カバ−を焼肉に行った後のスーツにかけて保管したところ約1か月間消臭し、周囲の空間に焼肉ににおいを漂わせなかった。また、保管後も衣類の黄ばみもなく、窒素酸化物による酸化が防止されていた。さらに、このカバーはほのかな木の香りの芳香を継続して発した。
カーテン:
実施例1で得た本発明品1のフィルム(厚さ50μm)を難燃性ポリエチレンフィルム(厚さ100μm)にラミネートしてカーテンを製造した。このカーテンを約6畳の部屋に使用したところ、約6か月間、部屋全体を消臭するとともに、ほのかな木の香りの芳香を継続して発した。
壁紙:
実施例1で得た本発明品1のフィルム(厚さ50μm)を塩化ビニルフィルム(厚さ50μm)にラミネートして壁紙を製造した。この壁紙を約6畳の部屋の壁全体に使用したところ、約6か月間、部屋全体を消臭するとともに、ほのかな木の香りの芳香を継続して発した。
カーペット・フロアマット:
実施例1で得た本発明品1のフィルム(厚さ50μm)をパイル地の基布に挟み込んでしてカーペット・フロアマットを製造した。このカーペット・フロアマットを約6畳の部屋の床全体に使用したところ、約6か月間、部屋全体を消臭するとともに、ほのかな木の香りの芳香を継続して発した。
枕:
実施例1で得た本発明品1のフィルム(厚さ50μm)にしわ加工を施し、数mm程度で不揃いに細断してフレークを製造した。このフレークを中綿としてカバーに詰めて枕を製造した。この枕を就寝時に使用したところ、約3か月間、皮脂臭や加齢臭を消臭するとともに、ほのかな木の香りの芳香を継続して発したためリラックスして眠ることができた。
布団・衣類の圧縮袋:
実施例1で得た本発明品1のフィルム(厚さ50μm)をナイロンフィルム(厚さ5μm)にラミネートして、内容物に接する面を本発明品1とした布団・衣類の圧縮袋を製造した。これを用いて布団・衣類を圧縮収納した。約6か月後にこれを開封した際、内容物の皮脂臭などが消臭されているとともに、ほのかな木の香りの芳香を発しており天日に干さなくても快適に使用することができた。
特養施設での使用:
実施例1で得た本発明品3のフィルム(厚さ35μm)で形成された袋を、汚物の処理用の袋として使用したところ、汚物処理室(汚物を袋に入れた後、回収まで置いておくところ)の臭いを、使用者全員(11名)が改善されたと判断した。また、これまで汚物は、臭いの防止および中身が見えないように二枚重ねのごみ袋で対応していたところ、本発明品の袋では、消臭能力が高いことと、半透明であることから1枚で対応が可能であり、コストの削減もできた。
Claims (13)
- ポリエチレンフィルムに、樹木の木質部および/または葉を、減圧下でマイクロ波により加熱して、精油および水分の少なくとも一部を除去して得られる繊維質成分を保持させたことを特徴とするポリエチレンフィルム。
- 樹木がヒノキ科ヒノキ属、ヒノキ科スギ属、マツ科モミ属、フトモモ科ユーカリ属、コウヤマキ科コウヤマキ属、ヒノキ科アスナロ属の1種または2種以上である請求項1記載のポリエチレンフィルム。
- 減圧度が、10〜95kPaである請求項1または2記載のポリエチレンフィルム。
- 蒸気温度が、40℃〜100℃である請求項1〜3の何れかに記載のポリエチレンフィルム。
- 繊維質成分の平均粒径が1〜15μmである請求項1〜4の何れかに記載のポリエチレンフィルム。
- 繊維質成分を含有しないフィルムと積層したものである請求項1〜5の何れかに記載のポリエチレンフィルム。
- 厚さが15〜100μmである請求項1〜6の何れかに記載のポリエチレンフィルム。
- 繊維質成分の保持量が0.1〜10質量%ある請求項1〜7の何れかに記載のポリエチレンフィルム。
- 請求項1〜8の何れかに記載のポリエチレンフィルムにより形成されたことを特徴とする製品。
- 袋、衣類カバー、カーテン、壁紙、カーペット、フロアマット、枕、ごみ容器またはおむつ容器である請求項9記載の製品。
- 袋が、食品包装用袋、ごみ袋、菓子袋、レジ袋、布団圧縮袋または衣類圧縮袋である請求項10記載の製品。
- 請求項1〜8の何れかに記載のポリエチレンフィルムに、悪臭を接触させることを特徴とする悪臭の消臭方法。
- 請求項1〜8の何れかに記載のポリエチレンフィルムに、窒素酸化物を接触させることを特徴とする窒素酸化物の除去方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022039030A1 (ja) * | 2020-08-21 | 2022-02-24 | エステー株式会社 | 睡眠の質改善材 |
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- 2019-01-31 JP JP2019015207A patent/JP7254539B2/ja active Active
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