JP6254457B2 - 有害酸化物除去剤及びこれを用いる有害酸化物の除去方法 - Google Patents

有害酸化物除去剤及びこれを用いる有害酸化物の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、有害酸化物の除去剤に関し、更に詳細には、各種の排煙、排気ガス中に含まれる窒素酸化物や、硫黄酸化物を浄化することのできる有害酸化物の除去剤及びこれを用いる有害酸化物の除去方法に関する。
発電所や工場のボイラー、あるいはゴミの焼却場の稼動に伴い、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を含む種々の化学物質を含む排煙が排出されている。また、自動車排気ガスにも、特にNOx、SOxなどの各種の人体に有害な化学物質が含まれていることが知られている。
これらのNOxおよびSOxは、単に人体に有害であるだけでなく、酸性雨の原因ともなっている。更に、NOxと非メタン系炭化水素が存在する状態で、太陽光による光化学反応が加わると光化学スモッグが発生する。この光化学スモッグは、大気中の炭化水素やNOxが紫外線を吸収して光化学反応を起こし、有害物質である光化学オキシダントなどを生成する現象といわれている。しかしながら、NOx、特に自動車等の移動発生源に起因するNOxについては対策が遅れており、深刻な問題となっている。
現在、NOxの除去方法としては、カルボン酸やアルカリ液といった吸収液の中を通したり、特殊な機械の中を通すことにより、NOxを処理するという方法が知られている。しかしながら、それらの方法はいずれも手間や費用がかかるという問題があった。
一方、特許文献1には、ヒノキ科植物、ツバキ科植物、イチョウ科植物、イネ科植物、しそ科植物等を水蒸気蒸留して得た精油と、水蒸気蒸留の際に得られた水溶性画分と、水からなる植物精油含有水溶液を有効成分とする有害化学物質除去剤が開示されている。また、特許文献2には、α−テルピネン、ミルセン、アロオシメンなどの共役二重結合を有するテルペン化合物を、ガス状にして、空気中に散布することにより、空気中のNOxをテルペン化合物中に包含させて、NOxを除去するNOxの除去方法が記載されている。
しかし、特許文献1の方法は、NOxやSOxに対する効果があるとは記載されているものの、実際の試験は、二酸化炭素(CO)のみで行われており、NOx等に実際に効果があるかどうかは全く不明である。また、特許文献2に記載の化合物の、NOxやSOxの除去効果は十分でなく、より高い除去能力を持った安全性の高い化合物を見出し、これを利用する除去剤の提供が待たれていた。
また、本発明者らは先に、ヒノキ科、マツ科、フトモモ科、コウヤマキ科およびヒノキ科等に属する樹木の木質部や葉から得られる精油を有効成分とする有害酸化物の除去剤(特許文献3)や、それらの成分である、テルピネン−4−オール、シトロネラール、ボルニルアセテート、カジネン、サビネン、α−テルピネオール、δ−3−カレン、テルピノレン、γ−テルピネン、1,4−シネオール、1,8−シネオールを有効成分とする有害酸化物除去剤(特許文献4)、β−フェランドレンまたはオシメンを有効成分として含有する有害酸化物除去剤(特許文献5)を見出し、特許出願した。
しかしながら、これらの除去剤もその有効成分が揮発性の高い成分であり、使用の仕方によってはその効力の持続時間が短い場合があり、長期間に渡ってNOxやSOxの除去効果の持続を期待する場合には若干の問題があった。
一方、固体物質を利用する窒素酸化物除去方法も知られており、特許文献6、7などには、湿潤状態のおが粉、おが屑、破砕細片、切削片、チップ類、木材屑、特にスギ材や竹材等が窒素酸化物除去効果を有することについて開示されている。しかしこれらの技術では、十分な窒素酸化物除去効果があるとは言えず、また水の供給が必須であるため、実用シーンが限定されると言う問題があった。
特開2000−210526号公報 特開平6−327934号公報 国際公開WO2010/098439 国際公開WO2010/098438 特開2012−121004 特開2007−50389号公報 特開2005−152765号公報 国際公開WO2010/098440
従って、天然成分中から、長期間にわたり十分な効果をもって、NOx、SOx等の有害酸化物を除去できる成分を見出し、これを利用した有害酸化物除去剤が求められており、このような技術の提供が本発明の課題である。
本発明者らは、上記特許文献3で開示のように、間伐材、林地残材などの伐木造材現場で多量に発生し、利用されずに放置され、森林荒廃の原因となっている樹木の有効利用として、これら樹木の木質部や葉からの精油が有害酸化物の除去剤として有効であることを見出している。ところが、この研究の過程で、意外にも精油を除去した残渣として得られる繊維質部分にも、優れた有害酸化物除去作用があることを知った。
そこでその事実を元に、木質等の化学構造に基づいて更に検討を行った結果、樹木を特殊処理することにより得た処理物が、非常に効率よく有害酸化物を除去しうることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、樹木の木質部及び/または葉を、マイクロ波を照射しながら減圧蒸留に付すことにより得られる繊維質部分を有効成分とする有害酸化物除去剤である。
また本発明は、樹木がヒノキ科ヒノキ属、ヒノキ科スギ属、マツ科モミ属、フトモモ科ユーカリ属、コウヤマキ科コウヤマキ属、ヒノキ科アスナロ属の1種または2種以上である上記記載の有害酸化物除去剤である。
更に、本発明は、樹木の木質部及び/または葉をマイクロ波を照射しながら減圧蒸留した後、更に有機溶媒を使用する抽出により得られる繊維質部分を有効成分とする有害酸化物除去剤である。
また更に、本発明は、上記した何れかの有害酸化物の除去剤を、有害酸化物を含有する大気と接触させることを特徴とする大気中の有害酸化物の除去方法である。
本発明によれば、木質部等をマイクロ波を照射しながらの減圧蒸留等の精油成分抽出処理に付すことにより得られる繊維質部分(以下、「処理繊維質部分」という)が、窒素酸化物、硫黄酸化物などの各種の人体に有害な酸化物を効率よく除去することができる。しかも、処理繊維質部分は、固体であるため、従来の液体状の有害酸化物除去剤より使用しやすく、液体有害酸化物除去剤では十分に対応できなかった分野等においても利用可能となる。
さらに、本発明の有害酸化物除去剤の原料として、伐木造材現場で発生する枝葉や間伐材を利用すれば、これらの有効利用に資することができ、森林荒廃を防ぐことができる。
本発明において有効成分として使用される処理繊維質部分は、樹木の木質部や葉部(以下、「樹木原料」という)から精油を抽出操作により取り除いた後に残渣として得られる、固形の成分である。
処理繊維質部分の調製は、樹木原料、例えば、チップ化した樹木の木質部や、木の枝を葉のついた状態で細断したもの等を原料とし、これを精油の抽出操作に付すことにより得られる。
上記精油の抽出操作の例としては、樹木原料を減圧下でマイクロ波照射を行ないながら、精油分(および水分)を蒸留、抽出する方法が挙げられる。
上記の、マイクロ波照射を行ないながら、減圧下で精油分(および水分)を蒸留、抽出する方法(以下、「減圧水蒸気蒸留法」という)は、マイクロ波が水分子を直接加熱する性質を利用して、素材中に元から含まれている水分のみで精油の抽出を行う方法である。
この方法は、例えば特許文献8等に記載のマイクロ波蒸留装置などを用いて実施できるが、この減圧水蒸気蒸留においては、蒸留槽内の圧力を、10ないし95キロパスカル(以下、「kPa」という)、好ましくは、20ないし80kPa、さらに好ましくは30ないし60kPa程度として行なえば良く、その際の蒸気温度は40℃から100℃になる。なお、生成する蒸留成分のうち、油性成分は精油として他の用途、例えば特許文献3の用途に用いることができる。
また、処理繊維質部分の調製においては、上記減圧水蒸気蒸留した樹木原料を、更に適当な溶媒で抽出しても良い。
この溶媒抽出方法に用いることができる抽出溶媒としては、水−オクタノール分配係数(logPow)が−1.0〜5.0の有機溶媒が使用でき、好ましくは−0.7〜3.7、さらに好ましくは−0.4〜2.5の有機溶媒が使用できる。
水−オクタノール分配係数(logPow)が−1〜5の具体的な溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、またはブタノール、プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、又はプロピレンカーボネート、ジエタノールアミン、ジクロロエタン、クロロホルム等が例示でき、これらは数種以上を混合して用いることもできる。好ましい抽出溶媒の一例としては、エタノール:ベンゼン=1:2(容積比)を挙げることができる。
なお、樹木原料としては、各種の樹木を利用することができるが、好ましいものの例としては、ヒノキ科ヒノキ属、ヒノキ科スギ属、マツ科モミ属、フトモモ科ユーカリ属、コウヤマキ科コウヤマキ属およびヒノキ科アスナロ属の樹木を挙げることができる。
このうち、ヒノキ科ヒノキ属の樹木としては、ヒノキ、タイワンヒノキ、ベイヒバ、ローソンヒノキ、チャボヒバ、サワラ、クジャクヒバ、オウゴンチャボヒバ、スイリュウヒバ、イトヒバ、オウゴンヒヨクヒバ、シノブヒバ、オウゴンシノブヒバ、ヒムロスギ等が、ヒノキ科スギ属の樹木としては、スギ、アシウスギ、エンコウスギ、ヨレスギ、オウゴンスギ、セッカスギ、ミドリスギ等が、マツ科モミ属の樹木としては、トドマツ、モミ、ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ、シラベ、バルサムファー、ミツミネモミ、ホワイトファー、アマビリスファー、アオトドマツ、カリフォルニアレッドファー、グランドファー、ノーブルファー等が、フトモモ科ユーカリ属の樹木としては、ユーカリ、ギンマルバユーカリ、カマルドレンシス、レモンユーカリ等が、コウヤマキ科コウヤマキ属の樹木としては、コウヤマキ等が、ヒノキ科アスナロ属の樹木としては、ヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロ、ホソバアスナロ等がそれぞれ挙げられる。
特に好ましい樹木原料としては、ヒノキ科ヒノキ属の樹木である、ヒノキ、タイワンヒノキ、ベイヒバ;ヒノキ科スギ属の樹木であるスギ;マツ科モミ属の樹木であるトドマツ、モミ;フトモモ科ユーカリ属の樹木であるユーカリ;コウヤマキ科コウヤマキ属の樹木であるコウヤマキ;ヒノキ科アスナロ属の樹木であるヒバが挙げられる。
以上のようにして得られた処理繊維質部分は、本来の樹木原料中に含まれていた精油成分(および水分)の大部分が除去された固形物である。そしてこのものは、有害酸化物(NOx、SOx等)に対する優れた除去活性を示すものである。そして、この処理繊維質部分は、そのまま有害酸化物除去剤(以下、「除去剤」と略称する)として用いることも可能であるが、例えば、これを紙や不織布の製造過程にすきこんで有害酸化物除去紙や、有害酸化物除去不織布としたり、細かく粉砕して樹脂に練りこみ、有害酸化物除去成形品やプラスチックシートすることも可能である。
そしてこのように作成した紙、不織布、プラスチックシート、成形品を用いて、壁、壁紙、ポスター、天井、クッションカバー、ソファカバー、布団カバー、マスクなどの製品を製造することで、工場の作業空間や生活空間(居間、寝室、トイレ、車内など)の有害酸化物を除去することができる。
さらに本発明の処理繊維質部分を有効成分として有害酸化物除去用コーティング剤を調製することができる。すなわち、上記のようにして得られた処理繊維質部分を適当な処理、例えば、ボールミル等の粉砕機により細かく粉砕し、適当な溶媒を混合することによりペースト化することで有害酸化物コーティング処理剤を調製することができ、これを壁や床、突板、壁板、天井板等に塗布、噴霧等処理することで、有害酸化物を除去することもできる。
なお、本発明の除去剤の製造に当たっては、本発明の効果を阻害しない範囲で、香料、界面活性剤、他の除去剤等の任意成分を加えることができる。
このようにして得られる本発明の除去剤は、除去剤表面に、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)を含む大気を接触させることにより、大気中のNOx、SOxを除去することが可能である。
より具体的に、本発明において除去対象となるNOxとしては、一酸化窒素 (NO)、二酸化窒素 (NO)、亜酸化窒素(一酸化二窒素)(NO)、三酸化二窒素(N)、四酸化二窒素 (N)、五酸化二窒素 (N)等が挙げられる。また、SOxとしては、一酸化硫黄 (SO)、二酸化硫黄 (SO)、三酸化硫黄 (SO)等が挙げられる。
そして、本発明除去剤の効果は、一定量の除去剤を所定のポリプロピレン管に充填し、その前後をグラスウールでふさいだ後、一方からNOxまたはSOxを通気し、他方から流出した空気のNOxまたはSOx濃度を検出器で測定する方法や、一定量の除去剤をテドラーバッグ内に設置後、一定濃度の、NOxまたはSOxを添加し、バッグ内部の空気のNOxまたはSOx濃度を、二酸化窒素濃度検出器(品番APNA−370:堀場製作所製)、二酸化硫黄濃度検出器(品番APSA−370:堀場製作所製)で経時的に測定する方法などで確認することができる。
かくして得られる本発明の除去剤の有効成分は、植物である樹木から得られた自然物であるため、人体への危険性もないものである。また、非揮散性であるため、長期間に渡り有害酸化物除去効果を持続できる。したがって人の生活空間に広範囲に用いることができる。
なお、本発明において、樹木中から精油を除去した後の残渣である処理繊維質部分が優れた有害酸化物除去作用を示す理由については不明な部分も多いが、現時点では、セルロースがリグニン、精油で固着されているという木質の構造から見て、精油が取り除かれた後のリグニン構造あるいはセルロース構造中に有害酸化物を吸着しうる部位が生じたものと推定される。
次に実施例および製品例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
処理トドマツ繊維質部分の製造:
(1) 葉のついた状態のトドマツの枝90kgを、圧砕式粉砕機(KYB製作所製)を用い、その大きさが10〜20mm程度になるまで粉砕した後、マイクロ波蒸留装置の蒸留槽内に入れた。次いで、蒸留槽内の圧力を、約15kPaの減圧に保持し、約1時間マイクロ波照射した。発生した蒸気(油分、水分)は減圧ポンプにおいて吸引し、蒸留槽内から除去し、残渣としてトドマツ処理物(発明品1)を得た。得られたトドマツ処理物の量は68kgであった。
(2)上記実施例1で得たトドマツ処理物約100gを4Lのアルコール・ベンゼン混液(99%エタノール/ベンゼン=1/2、v/v)を用いて6時間にわたってソックスレー抽出を行い、有機溶媒抽出物を除いた。抽出残渣としてトドマツ二次処理物(発明品2)を得た。トドマツ二次処理物の量は65gであった。
実 施 例 2
二酸化窒素の除去効果:
内径12mm、長さ7cmのポリプロピレン製チューブに、実施例1で得た発明品1及び2の各0.5gをそれぞれ充填し、その前後をグラスウールで塞いだ。この管の一方から約1ppmの二酸化窒素含有空気を0.8リットル/分で通気し、他方から流出した空気を二酸化窒素濃度検出器(品番APNA−370:堀場製作所製)で連続的に検出した。30分間測定を行い、二酸化窒素濃度の最小値を用い、以下の計算式により最大除去率を算出した。また二酸化窒素濃度の減少量を毎分毎に積算し、1gの試料に1時間で除去された二酸化窒素のμmol量に換算して積算除去量を求めた。なお、比較品としては、スギ木部のおが粉0.5gを充填したものを用いた。以上の結果を表1に示す。
Figure 0006254457
[ 結果 ]
Figure 0006254457
以上の結果より、本発明品は比較品に比べ高い二酸化窒素除去効果を有していることが明らかになった。
実 施 例 3
実施例1(1)で得た発明品1、300gをボールミル(日陶 アルミナポットミル用ボール HD−4(日陶科学社製);1kg/8000個入り)で120分処理し、粉砕物を得た。この粉砕物を、配合率をかえて和紙にすき込み、乾燥させて除去剤担持和紙(試料1,2,3)を製造した。得られた試料紙各400cmを10Lのテドラーバッグ内にそれぞれ密封し脱気した後、この袋内に1ppmの二酸化窒素を注入、静置した。バッグ中の二酸化窒素量を、二酸化窒素濃度検出器(品番APNA−370:堀場製作所製)を用いて経時的に測定し、二酸化窒素除去率を測定した。なお、比較品としては、比較品として発明品1を全く含まない和紙を用い、同様の方法で二酸化窒素除去率を測定した。この結果を表2に示す。
[ 結果 ]
Figure 0006254457
表2から、除去剤を配合しない和紙(比較品)に比べ、除去剤を混入した和紙は高い二酸化窒素除去率を示した。よって、この和紙を使用することで、本の黄ばみ防止ブックカバー、二酸化窒素除去障子紙、二酸化窒素除去壁紙などを作成することができる。
実 施 例 4
実施例1(1)で得た発明品1、300gをボールミル(日陶 アルミナポットミル用ボール HD−4(日陶科学社製);1kg/8000個入り)で120分処理し、粉砕物を得た、この粉砕物を水に加えて懸濁液とし、この液にPETスパンボンド不織布を浸漬した。この不織布を乾燥させた後、実施例3と同様の方法で二酸化窒素除去率を経時的に測定した。なお、比較品として発明品1を含む懸濁液に浸漬しなかった不織布を用いた。この結果を表3に示す。
[ 結果 ]
Figure 0006254457
表3から、発明品1を担持させた不織布は、優れた二酸化窒素除去効果を示した。よって、この不織布は除去材担持フィルターとして使用することができる。
製 品 例 1
自動車用室外空気取り入れ口用フィルター(1):
通気性のポリプロピレン製不織布(目付:30g/m:旭化成せんい社製)で形成した袋体(縦20cm×横30cm×厚さ5cm)に実施例1で得た発明品1、500gを充填し、自動車用室外空気取り入れ口用フィルターを作成した。
製 品 例 2
自動車用室外空気取り入れ口用フィルター(2):
実施例1で得た発明品1、300gをボールミル(日陶 アルミナポットミル用ボール HD−4(日陶科学社製);1kg/8000個入り)で120分処理し、粉砕物を得た。この粉砕物100gを水1000gに加え、懸濁液を作成した。その水懸濁液に通気性のセルロース不織布(目付:100g/m:フタムラ化学社製)を浸漬し、乾燥させて二酸化窒素除去フィルターを作成した。これを20cmX30cmに裁断後、10枚を重ねて、自動車用室外空気取り入れ口用フィルターを作成した。
製 品 例 3
ベニヤ合板:
製品例2で用いた発明品1の懸濁液を、30cm×30cm×12mmの合板上にスプレーを用いて塗布し、乾燥させて本発明の有害酸化物除去合板を作成した。
製 品 例 4
フィルム:
実施例1で得た発明品1、300gをボールミル(日陶 アルミナポットミル用ボール HD−4(日陶科学社製);1kg/8000個入り)で120分処理し、平均粒径約10ミクロンの粉砕物を得た。この粉砕物をPPペレットとともに配合した後、溶融混合して除去剤マスターバッチを作成した。このマスターバッチを用いてTダイ法によ有害酸化物除去フィルムを作成した。
本発明の除去剤は、効率的に空間に拡散することにより、二酸化窒素および二酸化硫黄等の環境汚染物質を無害化できるだけでなく、光化学スモックの原因となる大気汚染物質、シックハウス等家庭内汚染物質、自動車内および病院等の医療施設の空気汚染物質をも無害化できるものである。
また、本発明の除去剤の有効成分である処理繊維質部分は、間伐材などの利用価値の低い木材からも精油を採取した後の残渣として得られるものであるため、経済性が高く、資源循環を効率良くするために役立ち、環境面においても優位性のある新しい産業としての可能性を有するものである。


Claims (11)

  1. 樹木の木質部及び/または葉を、マイクロ波を照射しながら減圧蒸留に付すことにより得られる繊維質部分を有効成分とし、樹木がヒノキ科ヒノキ属、ヒノキ科スギ属、マツ科モミ属、フトモモ科ユーカリ属、コウヤマキ科コウヤマキ属、ヒノキ科アスナロ属の1種または2種以上である二酸化窒素除去剤の製造方法
  2. 樹木がマツ科モミ属である請求項1記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  3. 減圧蒸留の際の減圧度が、10ないし95キロパスカルである請求項1または2記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  4. 減圧蒸留の際の蒸気温度が、40℃ないし100℃である請求項1ないし3の何れかの項記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  5. 樹木の木質部及び/または葉を、マイクロ波を照射しながら減圧蒸留した後、有機溶媒を使用する抽出に付すことで得られる繊維質部分を有効成分とし、樹木がヒノキ科ヒノキ属、ヒノキ科スギ属、マツ科モミ属、フトモモ科ユーカリ属、コウヤマキ科コウヤマキ属、ヒノキ科アスナロ属の1種または2種以上である二酸化窒素除去剤の製造方法
  6. 樹木がマツ科モミ属である請求項5記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  7. 減圧蒸留の際の減圧度が、10ないし95キロパスカルである請求項5または6記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  8. 減圧蒸留の際の蒸気温度が、40℃ないし100℃である請求項5ないし7の何れかの項記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  9. 抽出に用いる有機溶媒が、水−オクタノール分配係数(logPow)が−1.0〜5.0である有機溶媒である請求項5ないし8の何れかの項記載の二酸化窒素除去剤の製造方法
  10. 請求項1ないし9の何れかの項記載の有害酸化物除去剤を、有害酸化物を含有する大気と接触させることを特徴とする大気中の二酸化窒素の除去方法。
  11. 有害酸化物除去剤と、有害酸化物を含有する大気との接触を、有害酸化物除去剤をペースト化し、物品の表面に塗布した後大気と接触させることにより行う請求項10記載の大気中の二酸化窒素の除去方法。
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