JP4195669B2 - 有害化学物質除去剤と、それを用いた建築板材、ワックス組成物、塗料組成物、接着剤組成物、フィルタ - Google Patents

有害化学物質除去剤と、それを用いた建築板材、ワックス組成物、塗料組成物、接着剤組成物、フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、有害化学物質除去剤、詳しくは、空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するための有害化学物質除去剤と、それを用いた、建築板材、ワックス組成物、塗料組成物、接着剤組成物、ならびに、フィルタに関するものである。
住宅家屋などの建築分野においては、壁材などから放散される有害化学物質、たとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン等の揮発性有機化合物(VOC)や、アンモニア等の臭気成分などによる、いわゆる、シックハウス症候群の発生が問題となっている。
また、近時、自動車の車内などにおいても、内装材その他から放散されるVOCや、あるいは、車内での喫煙、ペットの持ち込みなどによって生じる臭気成分が、室内の環境に及ぼす影響が、問題となりつつある。
そこで、特許文献1においては、断熱材、天井材、壁材、床材、外装材などの、建築板材に、ホルムアルデヒドなどを分解、除去する作用をする金属フタロシアニンと、珪藻土とを含む塗布材を塗布することが提案されている。
特開2000−96735号公報(請求項1、2、段落[0006]〜[0007]、段落[0010])
特許文献1で使用している金属フタロシアニンは、ホルムアルデヒドなどを、速やかに、しかも効率よく、分解、除去することができる。しかし、金属フタロシアニンは、天然に存在しない合成物であって、人体への影響が十分に確認されていない上、独特の臭気を有するため、とくに、施工時の換気などに細心の注意を払う必要があり、しかも、高価である。このため、金属フタロシアニンを多量に使用することは、工期や建築コストに影響を及ぼしかねないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、安価、かつ入手が容易で、安全性が高く、しかも、取り扱いも容易な成分を用いて製造することができる上、有害化学物質を、空気中からできるだけ速やかに、しかも効率よく、除去することができる有害化学物質除去剤と、それを用いた、建築板材用塗布材、ワックス組成物、塗料組成物、接着剤組成物、ならびに、フィルタを提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するための有害化学物質除去剤において、桧材、および、前記桧材から抽出された抽出物のうちの少なくとも一方と、アンモニアとを含むことを特徴としている。
このような構成によると、桧材、または、その抽出物に含まれる多種の天然成分が複合的、相乗的に作用して、空気中に含まれる有害化学物質を、急速、かつ多量に捕捉することができる。このため、有害化学物質除去剤は、有害化学物質を、空気中から速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
また、桧材やその抽出物は、天然の桧から得られるものであって、安全性が高い上、取り扱いも容易である。
しかも、桧材としては、桧の丸太材、平板材、もしくは、これらの材を粉砕するなどして得た粉砕物、ひき粉、チップ等が使用できる他、営林作業において発生する間伐材や、柱、梁その他の建築材料などを製造する際に発生する、端材、鋸屑、鉋屑等を用いることができ、抽出物としては、これら桧材を水または熱水に所定時間、浸漬して抽出させたもの等を用いることができる。このため、桧材やその抽出物は、いずれも、安価で、なおかつ、入手が容易である。
また、アンモニアが、とくに空気中のホルムアルデヒドと反応して、常温、常圧下で固形の反応生成物を生じさせる働きをする。つまりアンモニアが、主にホルムアルデヒドを捕捉して、空気中から除去する働きをする。このため、有害化学物質除去剤は、桧材やその抽出物と、アンモニアとの、相乗的、複合的な作用によって、空気中に含まれる有害化学物質、とくにホルムアルデヒドを、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
また、桧材やその抽出物が、先に述べたように、アンモニアを捕捉して、空気中への放散を防止する働きをするため、有害化学物質除去剤は、アンモニアを含んでいるにもかかわらず、アンモニア臭を生じることがない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、桧材と水とを、密閉容器内で、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器内で、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を少なくとも1回、行って得た抽出物を含むことを特徴としている。
このような構成によると、桧材の天然成分が、抽出物中に、より高濃度の状態で含有される。このため、有害化学物質除去剤は、有害化学物質を、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
また、抽出物は、天然の桧から得られるものであって、安全性が高い上、取り扱いが容易であり、しかも、先に述べた各種の桧材を、前記の工程により、抽出するだけ製造できるため、安価で、なおかつ入手が容易である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、水性エマルション系のシーラーを含むことを特徴としている。また、請求項4に記載の発明は、空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するための有害化学物質除去剤において、桧材、および、前記桧材から抽出された抽出物のうちの少なくとも一方と、水性エマルション系のシーラーとを含むことを特徴としている。
このような構成によると、水性エマルション系のシーラーが、有害化学物質除去剤の、多孔質の下地への浸透性を向上させる働きをする。このため、とくに、木材、コンクリートその他、主に多孔質体からなる基材の表面に、有害化学物質除去剤を含む塗布材を塗布して建築板材などを製造した際に、有害化学物質除去剤の、空気との接触面積を増加させることができる。したがって、有害化学物質を、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、桧材と水とを、密閉容器内で、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器内で、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を少なくとも1回、行って得た抽出物を含むことを特徴としている。
このような構成によると、桧材の天然成分が、抽出物中に、より高濃度の状態で含有される。このため、有害化学物質除去剤は、有害化学物質を、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。また、抽出物は、天然の桧から得られるものであって、安全性が高い上、取り扱いが容易であり、しかも、先に述べた各種の桧材を、前記の工程により、抽出するだけ製造できるため、安価で、なおかつ入手が容易である。
請求項に記載の発明は、建築板材において、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤と、珪藻土とを含むことを特徴としている。
このような構成によると、住宅家屋の内装、外装などを構成する建築板材に、前記有害化学物質除去剤による、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与することができる。また、珪藻土も、有害化学物質を捕捉し、除去する働きをする。このため、この両者の相乗的、複合的な作用によって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明は、建築板材において、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤と、石膏とを含むことを特徴としている。
このような構成によると、住宅家屋の内装、外装などを構成する建築板材に、前記有害化学物質除去剤による、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与することができる。また、石膏も、有害化学物質を捕捉して除去する働きをする。その効力は、珪藻土よりもすぐれている。このため、この両者の相乗的、複合的な作用によって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明は、ワックス組成物において、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴としている。
このような構成によると、たとえば、住宅家屋のフローリングなどに、ワックス組成物を塗布するだけで、前記有害化学物質除去剤によって、空気中の有害化学物質を捕捉して除去することができる。このため、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明は、塗料組成物において、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴としている。
このような構成によると、たとえば、住宅家屋の内装、外装などに、塗料組成物を用いて塗装することによって、前記有害化学物質除去剤による、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与することができる。このため、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項10に記載の発明は、接着剤組成物において、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴としている。
このような構成によると、たとえば、住宅家屋の内装などに、接着剤を用いて壁紙などを接着することによって、前記有害化学物質除去剤による、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与することができる。このため、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項11に記載の発明は、フィルタにおいて、請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を担持させたことを特徴としている。
このような構成によると、たとえば、住宅家屋や自動車の空調装置などに、フィルタをセットすることによって、前記有害化学物質除去剤による、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与することができる。このため、住宅家屋などの場合は、シックハウス症候群の発生を防止することができる。また、自動車などの場合は、室内の環境を改善することができる。
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、安価、かつ入手が容易で、安全性が高く、しかも、取り扱いも容易な桧材やその抽出物を用いて、有害化学物質を、空気中からできるだけ速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
また、桧材やその抽出物と、アンモニアとによって、有害化学物質を、空気中から、より一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。また、桧材やその抽出物によってアンモニアを捕捉して、アンモニア臭の発生を防止することもできる。
請求項2、5に記載の発明によれば、抽出物に含まれる、桧材の天然成分の濃度を高めることによって、有害化学物質を、空気中から、より一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる
請求項3、4に記載の発明によれば、水系エマルションのシーラーによって、有害化学物質除去剤を、とくに、多孔質の下地に対して効率よく浸透させて、空気との接触面積を増加させることによって、有害化学物質を、空気中から、より一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
請求項に記載の発明によれば、建築用板材に、有害化学物質除去剤と、珪藻土とによる、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与して、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、建築用板材に、有害化学物質除去剤と、石膏とによる、空気中の有害化学物質を捕捉して除去する働きを付与して、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、たとえば、住宅家屋のフローリングなどに、ワックス組成物を塗布するだけで、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項に記載の発明によれば、たとえば、住宅家屋の内装、外装などに、塗料組成物を用いて塗装することによって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、たとえば、住宅家屋の内装などに、接着剤を用いて壁紙などを接着することによって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
請求項11に記載の発明によれば、たとえば、住宅家屋や自動車の空調装置などに、フィルタをセットすることによって、住宅家屋などの場合は、シックハウス症候群の発生を防止し、また、自動車などの場合は、室内の環境を改善することができる。
本発明の有害化学物質除去剤は、空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するためのものであって、桧材、および、前記桧材から抽出された抽出物のうちの少なくとも一方を含んでいる。
このうち、桧材としては、桧の丸太材、平板材、もしくは、これらの材を粉砕するなどして得た粉砕物、ひき粉、チップ等が使用できる他、営林作業において発生する間伐材や、柱、梁その他の建築材料などを製造する際に発生する、端材、鋸屑、鉋屑等を用いることができる。
また、桧材の抽出物としては、前記桧材、とくに、桧材の粉砕物、ひき粉、チップ、端材、鋸屑、鉋屑等を、水、または熱水に浸漬して、所定時間、静置するか、もしくは、所定時間、かく拌することで抽出された、桧材中に含まれる、有害化学物質を捕捉する働きをする多種の天然成分の混合物を用いることができる。
これにより、多種の天然成分が複合的、相乗的に作用して、有害化学物質を、空気中から速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
なお、抽出物は、抽出に用いた水に、抽出された多種の天然成分が混入した、混合液の状態で用いるのが、分離、精製の手間を省く上で好ましい。また、抽出処理後の桧材は、混合液から除去するのが好ましいが、場合によっては、桧材が混入したままで用いてもよい。
本発明で使用する桧材の抽出物としては、とくに、桧材(好ましくは、桧材の粉砕物、ひき粉、チップ、端材、鋸屑、鉋屑等)を、水とともに、密閉容器内で、所定時間、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器内で、所定時間、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を少なくとも1回、行って得た、高濃度の抽出物(水に、抽出された多種の天然成分が混入した混合液)が好ましい。
かかる抽出物を用いることにより、有害化学物質を、空気中から、より一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
処理の条件は、とくに限定されないが、たとえば、加熱温度は、いずれの回の抽出処理においても、60〜100℃とするのが好ましい。加熱温度が、60℃未満では、処理の時間にもよるが、1回ごとの抽出処理において、液に抽出される天然成分の量が少ないため、最終的な抽出物の濃度が不十分になるおそれがある。また、加熱温度が、100℃を超えるためには、密閉容器の耐圧性を向上する必要があり、設備費等が嵩んで、抽出物を、安価、かつ手軽に得られなくなるおそれがある。
また、1回ごとの抽出処理の時間は、加熱温度を、上記の範囲内とする場合、1〜3日間とするのが好ましい。処理の時間が1日間未満では、1回ごとの抽出処理において、液に抽出される天然成分の量が少ないため、最終的な抽出物の濃度が不十分になるおそれがある。また、3日間を超えて処理をしても、それ以上、抽出物の濃度を濃くすることができないだけでなく、抽出された成分が劣化して、却って、有害化学物質を捕捉する働きが低下するおそれがある。
加熱下でのかく拌は、たとえば、密閉容器に、当該密閉容器内の液を循環させるためのポンプと、配管とを接続するとともに、この配管の途中に、液を加熱するためのボイラを接続し、ポンプを駆動して、液を、配管内で循環させることで、密閉容器内の液をかく拌しながら、ボイラを運転して、配管内を循環する液が、たとえば、前記範囲内の温度内を維持するように、連続して、もしくは断続的に、加熱してやればよい。
図1は、上記抽出処理に用いる処理装置の一例を示す、説明図である。
図の処理装置は、水と、桧材とを混合して抽出処理を行うための密閉容器1と、密閉容器1で処理後の液を、新たな桧材とともに混合して再度の抽出処理を行うための密閉容器2と、両密閉容器1、2内の液を循環させるためのポンプ3と、液を加熱するためのボイラ4と、抽出処理によって製造した液状の抽出物を貯蔵するための貯蔵タンク5とを備えている。
また、密閉容器1と、ポンプ3とは、ポンプ3を駆動することで、それぞれ、図中に実線の矢印で示すように、密閉容器1の底部近傍から液を取り込んで、ポンプ3に供給するための配管6と、ポンプ3から排出された液を、密閉容器1に戻すための配管7とによって接続されている。
また、配管6の途中には、ポンプ3を駆動することで、密閉容器2の底部近傍から液を取り込むための配管8が、切替弁9を介して接続されているとともに、配管7を流れる液を、ボイラ4に取り込んで加熱するための配管10が接続されている。
配管7の途中には、ポンプ3を駆動することで、液を、密閉容器2に戻すための配管11が、切替弁12を介して接続されている。また、配管11の途中には、ポンプ3を駆動することで、抽出処理によって製造した液状の抽出物を貯蔵タンク5に送るための配管13が、切替弁14を介して接続されている。
さらに、配管13の途中には、抽出処理によって製造した液状の抽出物から、桧材などの固形分を除去するためのフィルタ15が設けられている。
図の処理装置を用いて、桧材の抽出物を得るには、まず、密閉容器1に、所定量の桧材のチップなどと、所定量の水とを収容する。収容する桧材と水の量は、ほぼ同体積とするのが好ましい。
次いで、密閉容器1を閉じるとともに、切替弁9を、密閉容器1−ポンプ3間を接続、密閉容器2−ポンプ3間を遮断、切替弁12を、ポンプ3−密閉容器1間を接続、ポンプ3−密閉容器2間を遮断の状態にセットする。
次に、ポンプ3を駆動して、液を、密閉容器1、配管6、ポンプ3、および配管7を通して循環させることで、密閉容器1内の混合物をかく拌しながら、ボイラ4を運転して、循環する液を、所定の温度(好ましくは60〜100℃)に加熱する。
そして、この加熱、かく拌状態を、所定時間(好ましくは1〜3日間)、継続して、密閉容器1内の桧材から成分を抽出する。
抽出の終点は、液のpHから求めることができる。すなわち、先に述べたように、ほぼ同体積の水と桧材とから、抽出をスタートさせた、密閉容器1内の液のpHは、最初、7附近であったものが、桧材から天然成分が抽出されることで徐々に低下するが、およそ6.0〜6.5まで低下すると、桧材から抽出される天然成分がなくなるため、それ以上、pHは低下しなくなる。よって、この時点が、抽出の終点であると判断することができる。
また、この抽出作業と並行して、密閉容器2に、所定量(好ましくは、密閉容器1内の液とほぼ同体積)の桧材のチップなどを収容するとともに、切替弁14を、ポンプ3−密閉容器2間を接続、ポンプ3−貯蔵タンク5間を遮断の状態にセットする。
そして、上に述べたように、密閉容器1内の液のpHから、抽出が終点に達したと判断した際には、ポンプ3の駆動を続けながら、もしくはポンプ3の駆動を一旦、停止した状態で、切替弁12を、ポンプ3−密閉容器1間を遮断、ポンプ3−密閉容器2間を接続の状態に切り替えるとともに、ポンプ3を一旦、停止した場合は、再駆動させる。そうすると、密閉容器1内の液が、配管6、ポンプ3、配管7、および配管11を通して、密閉容器2に送られる。
次に、密閉容器1内の液が、ほぼ全量、密閉容器2に送られたことを確認した段階で、切替弁9を、密閉容器1−ポンプ3間を遮断、密閉容器2−ポンプ3間を接続の状態に切り替える。そして、ポンプ3の駆動を続けて、液を、密閉容器2、配管8、配管6、ポンプ3、配管7、および配管11を通して循環させることで、密閉容器2内の混合物をかく拌しながら、ボイラ4を運転して、循環する液を、所定の温度(好ましくは60〜100℃)に加熱する。
この加熱、かく拌状態を、所定時間(好ましくは1〜3日間)、継続して、密閉容器2内の桧材から成分を抽出する。
抽出の終点は、やはり、液のpHから求めることができる。すなわち、先に述べたように、ほぼ同体積の液と桧材とから、抽出をスタートさせた、密閉容器2内の液のpHは、最初、6.0〜6.5附近であったものが、桧材から天然成分が抽出されることで徐々に低下するが、およそ5.5〜6.0まで低下すると、桧材から抽出される天然成分がなくなるため、それ以上、低下しなくなる。よって、この時点が、抽出の終点であると判断することができる。
そして、上に述べたように、密閉容器2内の液のpHから、抽出が終点に達したと判断した際には、ポンプ3の駆動を続けながら、もしくはポンプ3の駆動を一旦、停止した状態で、切替弁14を、ポンプ3−密閉容器2間を遮断、ポンプ3−貯蔵タンク5間を接続の状態に切り替えるとともに、ポンプ3を一旦、停止した場合は、再駆動させる。そうすると、密閉容器2内の液が、配管13の途中に設けたフィルタ15によって、桧材のチップ等の固形分が除去されながら、配管8、配管6、ポンプ3、配管7、配管11、および配管13を通して、貯蔵タンク5に送られて、一連の処理が終了し、液状の抽出物が得られる。
貯蔵タンク5に貯蔵された抽出物は、できるだけ空気に触れないようにするのが、好ましい。空気に触れると、酸化反応が進行して、有害化学物質を捕捉する作用が低下するためである。
なお、図の処理装置は、桧材と水とを、密閉容器1内で、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器2内で、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を1回だけ行うべく、密閉容器2を1つだけ備えてたが、この処理を、2回以上、行えば、さらに高濃度の抽出物を得ることができる。そのためには、図の、密閉容器2と貯蔵タンク5との間に、さらに密閉容器2の1台以上、追加すればよい。
また、図の処理装置で抽出処理する前の水と桧材とを、あらかじめ、一定期間にわたって、混合状態で貯蔵しておくと、その間にも成分が抽出されるため、抽出物の濃度を高めることができる。
桧材の抽出物を得る処理方法としては、上で説明した方法の他に、たとえば、桧材のチップなどを、水、または熱水に浸漬して所定時間、静置するか、もしくは、所定時間、かく拌する方法が挙げられる。またその他に、たとえば、反応釜中に、所定量の水と桧材とを仕込み、反応釜を密閉して、所定時間、加熱、加圧した後、反応釜の蒸気抜き弁を一気に開放して、水蒸気と、抽出された成分の中でも軽い成分を釜外へ排出した後、釜内の液から桧材を除去する方法などを採用することもできる。
有害化学物質除去剤には、桧材やその抽出物の他に、アンモニアを含有させることもできる。アンモニアは、空気中のホルムアルデヒドと反応して、常温、常圧下で固形の反応生成物を生じさせる働きをするため、桧材やその抽出物との相乗的、複合的な作用によって、空気中に含まれる有害化学物質、とくにホルムアルデヒドを、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
アンモニアの添加量が多いほど、上に述べた効果は向上するものの、桧材やその抽出物によって捕捉しきれない余剰のアンモニアによってアンモニア臭がするため、アンモニアの添加量は、できるだけ少量が好ましい。
アンモニアの添加量の、具体的な範囲は、とくに、限定されないものの、先に述べた、密閉容器2による再度の抽出処理を1回だけ行った、pHが5.5〜6.0である抽出物100ccに対して、10%濃度のアンモニア水を、0.05〜0.15ccの範囲で添加するのが好ましい。
有害化学物質除去剤には、水性エマルション系のシーラーを、含有させてもよい。水性エマルション系のシーラーは、有害化学物質除去剤の、多孔質の下地への浸透性を向上させる働きをするため、とくに、多孔質体からなる基材の表面に、有害化学物質除去剤を含む塗布材を塗布した際に、有害化学物質除去剤の、空気との接触面積を増加させて、有害化学物質を、空気中からより一層、速やかに、しかも効率よく、除去することができる。
水性エマルション系のシーラーとしては、水性で、なおかつ、アクリルエマルションや、その変性物などを、結合材として用いた、多孔質の下地への浸透性にすぐれた種々の、シーラーを用いることができる。
シーラーの添加量は、とくに、限定されないものの、先に述べた、密閉容器2による再度の抽出処理を1回だけ行った、pHが5.5〜6.0である抽出物と、たとえば、固形分(エマルション、顔料、分散剤、添加剤等)の濃度が70〜75重量%程度であるシーラーとを使用する場合は、両者を、体積比(抽出物/シーラー)で表して、95/5〜85/15の範囲で配合するのが、多孔質体への浸透性等の点で、好ましい。
また、抽出物と、シーラーと、アンモニアとを併用する場合は、抽出物とシーラーの総量、100ccに対して、10%濃度のアンモニア水を、0.05〜0.15ccの範囲で添加するのが好ましい。
有害化学物質除去剤は、さらに、グリセリン、ゼラチン等を含んでいてもよい。
本発明の有害化学物質除去剤は、次に述べる各種の用途に、好適に、用いることができる他、先に述べたように、天然の桧材やその抽出物であって、安全性が高いため、たとえば、下記の用途にも好適に使用することができる。
すなわち、有害化学物質除去剤を、壁紙やカーテンなどに含浸させてたり、ろうそくに混ぜ込んだり、石けん、シャンプー、洗顔料、ボディパック等に含有させたりすることができる。また、有害化学物質除去剤を、エアロゾール容器やハンドスプレー容器に封入して、簡単に、散布できるようにすることも可能である。
本発明の建築用板材は、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを含むものである。これにより、有害化学物質除去剤中の桧材やその抽出物と、珪藻土、または石膏との相乗的、複合的な作用によって、空気中に含まれる有害化学物質を、速やかに、しかも効率よく、除去して、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
建築用板材としては、住宅家屋などにおける、天井材、天井吸音材、壁材、床材などの内装材や、壁材などの外装材、さらには断熱材などが挙げられる。その構成素材は、コンポジットパネル、パーティクルボード、ファイバーボード、チップボード、石膏ボード、樹脂発泡体、ALCコンクリートパネル等、多岐に亘っている。
これら建築用板材に、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを含ませるためには、たとえば、石膏ボード、樹脂発泡体の場合は、その製造原料に、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを加えればよい。ただし、構成材料の持つ本来の特性(強度等)を維持しつつ、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを含ませるためには、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを含む塗布材を調製し、それを、あらかじめ製造した建築用板材の片面、または両面に塗布して乾燥させることで、有害化学物質除去剤と、珪藻土、または石膏とを含む層を積層、形成するのが好ましい。
塗布材は、有害化学物質除去剤を水と混合し、さらに、珪藻土、または石膏を加えて混合するなどして、調製することができる。
塗布材における、有害化学物質除去剤と、珪藻土との配合割合は、とくに、限定されないものの、珪藻土100gに対して、有害化学物質除去剤の主要成分である桧材の抽出物の量が、90〜110ccとなるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定するのが好ましい。有害化学物質除去剤がシーラーを含む場合は、珪藻土100gに対して、桧材の抽出物とシーラーの総量が、90〜110ccとなるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定すればよい。
また、塗布材における、有害化学物質除去剤と、石膏との配合割合は、やはり、これに限定されないものの、石膏100gに対して、桧材の抽出物の量が、60〜80ccとなるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定するのが好ましい。有害化学物質除去剤がシーラーを含む場合は、石膏100gに対して、桧材の抽出物とシーラーの総量が、60〜80ccとなるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定すればよい。
建築用板材の少なくとも片面に、塗布材を塗布するに際しては、塗布材の層の密着性を向上するために、あらかじめ、先に述べた、水性エマルション系のシーラーなどを塗布して、下塗層を形成しておくのが好ましい。ただし、有害化学物質除去剤が、シーラーを含有する場合は、この限りではない。
本発明のワックス組成物は、有害化学物質除去剤を含むものである。これにより、たとえば、住宅家屋のフローリングなどに、ワックス組成物を塗布するだけで、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
ワックス組成物としては、フローリング用などとして供給される、とくに、水性のワックス組成物が好ましい。水性のワックス組成物としては、樹脂類、ワックス類、油類などの油分を、乳化剤を加える等して、水に乳化させて製造される、通常のワックス組成物を用いることができる。
ワックス組成物における、有害化学物質除去剤の配合割合は、とくに、限定されないものの、有害化学物質除去剤の主要成分である桧材の抽出物の、ワックス組成物の総量中に占める割合が、10〜30体積%となるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定するのが、フローリング等に塗布された、ワックスの、膜の強度を維持しつつ、十分な、有害化学物質除去の効果を得るために、好ましい。
本発明の塗料組成物は、有害化学物質除去剤を含むものである。これにより、たとえば、住宅家屋の内装、外装などに、塗料組成物を用いて塗装することによって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
塗料組成物としては、とくに、水性の塗料組成物が好ましい。水性の塗料組成物としては、樹脂、顔料、防かび剤等の成分と、水とを含む、エマルション型、ディスパージョン型、水溶液型、粉体懸濁型、およびこれらの複合型等の、従来公知の、種々のタイプの、塗料組成物を用いることができる。
塗料組成物における、有害化学物質除去剤の配合割合は、とくに、限定されないものの、有害化学物質除去剤の主要成分である桧材の抽出物の、塗料組成物の総量中に占める割合が、10〜30体積%となるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定するのが、塗膜の強度を維持しつつ、十分な、有害化学物質除去の効果を得るために、好ましい。
本発明の接着剤組成物は、有害化学物質除去剤を含むものである。これにより、たとえば、住宅家屋の内装などに、接着剤を用いて壁紙などを接着することによって、シックハウス症候群の発生を防止することができる。
接着剤組成物としては、とくに、水性の接着剤組成物が好ましい。水性の接着剤組成物としては、樹脂、防かび剤等の成分と、水とを含む、エマルション型、ディスパージョン型、水溶液型、およびこれらの複合型等の、従来公知の、種々のタイプの、接着剤組成物を用いることができる。
接着剤組成物における、有害化学物質除去剤の配合割合は、とくに、限定されないものの、有害化学物質除去剤の主要成分である桧材の抽出物の、接着剤組成物の総量中に占める割合が、10〜30体積%となるように、有害化学物質除去剤の配合割合を決定するのが、接着の強度を維持しつつ、十分な、有害化学物質除去の効果を得るために、好ましい。
本発明のフィルターは、有害化学物質除去剤を担持させたものである。フィルターの、より具体的な構造としては、たとえば、紙、布、不織布等で形成されたフィルター基材に、有害化学物質除去剤を含浸させたもの、有害化学物質除去剤を、珪藻土等と混合し、所定の形状に成形したのち、乾燥させたもの、等が挙げられる。とくに、後者のフィルターは、先に述べたように、珪藻土自体も、有害化学物質を捕捉する作用を有するため、好ましい。また、後者のフィルターに、たとえば、備長炭、活性炭等を加えれば、有害化学物質を捕捉する作用を、さらに向上することができる。
フィルターは、たとえば、住宅家屋や自動車の空調装置や、空気清浄機、掃除機、その他のフィルターとして用いることができる。
製造例1
図1に示す抽出装置の、密閉容器1に、桧材のチップを投入するとともに、このチップと同体積の水を加えた後、密閉容器1を密閉した。
次に、先に説明した手順にしたがって、密閉容器1内の混合物をかく拌しながら、60〜100℃に加熱して抽出を開始するとともに、密閉容器1内の液を定期的にサンプリングして、液のpHが6.0〜6.5まで低下した時点で、液を、あらかじめ、同体積の桧材のチップを投入しておいた密閉容器2に移した。
次に、密閉容器2内の混合物を、やはり、先に説明した手順にしたがってかく拌しながら、60〜100℃に加熱して抽出を開始するとともに、液を定期的にサンプリングした。
そして、液のpHが5.5〜6.0まで低下した時点で、液を、フィルタ15を通して桧材のチップ等の固形分を除去しながら、貯蔵タンク5に移して抽出を終了し、液状の抽出物を製造した。
製造例2
桧材のひき粉40gを、30℃の水1リットルに加えてかく拌したのち、液温を30℃に維持しながら、静置して、抽出を行った。そして、16時間、経過した時点で、混合物をろ過して、桧材のひき粉を除去することによって、液状の抽出物を製造した。
比較例1
140メッシュ(目開き0.105mm)のふるいを通過させて粒径を揃えた珪藻土〔能登ダイヤ工業(株)製の商品名「MGボーダー」〕100gと、有害化学物質除去剤としての、製造例1で製造した液状の抽出物100ccとを混合して、建築板材用の塗布材を調製した。
そして、この塗布材を、あらかじめ、その片面に、水性エマルション系のシーラー〔日本ペイント(株)製の商品名「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」、着色顔料:5.0重量%、特殊アクリル系エマルション:61.0重量%、分散剤・添加剤:6.0重量%、水:28重量%〕を用いて下地処理を施した発泡ポリスチレン製板材(縦150mm、横150mm、厚み25mm)の、下地処理を施した表面に吹き付け塗布し、乾燥させて、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例1
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物95ccと、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕5ccとの混合物100ccを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例2
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物100ccと、10%濃度のアンモニア水0.1ccとの混合物100.1ccを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例3
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物95ccと、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕5ccと、10%濃度のアンモニア水0.1ccとの混合物100.1ccを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
比較例2
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例4
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例5
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例6
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
比較例3
石膏100gと、有害化学物質除去剤としての、製造例1で製造した液状の抽出物70ccとを混合して、建築板材用の塗布材を調製した。
そして、この塗布材を、あらかじめ、その片面に、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕を用いて下地処理を施した発泡ポリスチレン製板材の、下地処理を施した表面に吹き付け塗布し、乾燥させて、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例7
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物63ccと、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕7ccとの混合物70ccを用いたこと以外は、比較例3と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例8
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物70ccと、10%濃度のアンモニア水0.07ccとの混合物70.07ccを用いたこと以外は、比較例3と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
実施例9
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物63ccと、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕7ccと、10%濃度のアンモニア水0.07ccとの混合物70.07ccを用いたこと以外は、比較例3と同様にして、建築板材としての断熱材を製造した。
比較例4
片面に、水性エマルション系のシーラー〔前記「ニッペウルトラシーラーIIIホワイト」〕を用いて下地処理を施しただけで、その上に、塗布材を塗布しなかった発泡ポリスチレン製板材を、比較例4とした。
ホルムアルデヒド捕捉試験
試験装置として、本体の2箇所に、それぞれ、コック付きの接続用配管を有するとともに、蓋体に、エアーポンプに繋がれた配管を有する、内径306mmφのポリカーボネート製の真空デシケータを用意した。
そして、この真空デシケータ内に、実施例1〜9比較例1〜4のいずれかで製造した断熱材を入れて、蓋を閉じるとともに、本体側の2箇所の配管のコックを開いた状態で、エアーポンプを駆動して、真空デシケータ内の空気を置換した。
次に、エアーポンプを停止するとともに、2つのコックを一旦、閉じた状態で、本体側の1箇所の配管に、ホルムアルデヒド用の気体検知管(NO.91L)を装着した検知管式気体測定機〔ガステック(株)製〕を接続し、コックを開いて、真空デシケータ内のホルムアルデヒドの濃度を測定しながら、もう1箇所の配管のコックを開いて、気体検知管で測定した濃度が8.0ppmになるようにホルムアルデヒドを注入した後、両コックを閉じた。
次に、本体側の1箇所の配管に、検知管式気体測定機に代えて、試験紙光電光度法を利用したホルムアルデヒド検知器〔理研計器(株)製のFP−30〕を接続してコックを開き、ホルムアルデヒドを注入して初期の濃度を8.0ppmに調整した時点から15分後、30分後、45分後、60分後、90分後、120分後、および180分後に、それぞれホルムアルデヒドの濃度を測定した。
結果を、表1〜3に示す。なお、測定は、各実施例、比較例について、それぞれ3回ずつ行い、その平均値を表に記録した。また、表中のNDは、ホルムアルデヒド濃度が、ホルムアルデヒド検知器の検出限界である0.01ppm未満に達したことを示し、それ以降は測定を行わず、表中に−と記載した。
Figure 0004195669
Figure 0004195669
Figure 0004195669
表より、比較例4以外の各実施例、比較例の断熱材は、ホルムアルデヒドを捕捉して、遅くとも90分以内に、その濃度を、ホルムアルデヒド検知器の検出限界未満に低下できることが判った。
また、前記各実施例、比較例を比較すると、有害化学物質除去剤として、桧材の抽出物のみを用いた比較例1〜3に対して、実施例1〜9は、シーラーを加えたもの<アンモニア水を加えたもの<シーラーとアンモニア水を加えたもの、の順に、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が向上して、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
また、桧材の抽出物としては、製造例2で製造したものよりも、製造例1で製造したものの方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が高く、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できること、珪藻土を用いたものよりも、石膏を用いたものの方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が高く、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
比較例5
市販の、樹脂系水性ワックス〔(株)リンレイ製の商品名「リンレイオール」〕50ccと、有害化学物質除去剤としての、製造例1で製造した液状の抽出物15ccとを混合して、ワックス組成物を調製した。
実施例10
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物15ccと、10%濃度のアンモニア水0.05ccとの混合物15.05ccを用いたこと以外は、比較例5と同様にして、ワックス組成物を調製した。
比較例6
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、比較例5と同様にして、ワックス組成物を調製した。
実施例11
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例10と同様にして、ワックス組成物を調製した。
比較例7
有害化学物質除去剤を加えていない樹脂系水性ワックス〔前記「リンレイオール」〕を、比較例7とした。
上記各実施例、比較例のワックス組成物を、縦150mm、横150mmに切り出したフローリング材の表面に塗布し、乾燥させて、サンプルとした。
そして、これらのサンプルを用いて、前記と同様にして、ホルムアルデヒド捕捉試験を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0004195669
表より、比較例7以外の各実施例、比較例のワックス組成物は、ホルムアルデヒドを捕捉して、遅くとも90分以内に、その濃度を、ホルムアルデヒド検知器の検出限界未満に低下できることが判った。
また、前記各実施例、比較例を比較すると、有害化学物質除去剤として、桧材の抽出物のみを用いた比較例5、6よりも、アンモニア水を加えた実施例10、11の方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が向上して、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
また、桧材の抽出物としては、製造例2で製造したものよりも、製造例1で製造したものの方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が高く、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
比較例8
市販の水性ウレタン樹脂塗料〔(株)カンペハピオ製の商品名「スーパーヒット」〕50ccと、有害化学物質除去剤としての、製造例1で製造した液状の抽出物15ccとを混合して、塗料組成物を調製した。
実施例12
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物15ccと、10%濃度のアンモニア水0.05ccとの混合物15.05ccを用いたこと以外は、比較例8と同様にして、塗料組成物を調製した。
比較例9
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、比較例8と同様にして、塗料組成物を調製した。
実施例13
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例12と同様にして、塗料組成物を調製した。
比較例10
有害化学物質除去剤を加えていない水性ウレタン樹脂塗料〔前記「スーパーヒット」〕を、比較例10とした。
比較例11
市販の、ホルムアルデヒドやタバコの臭いを消臭・分解する作用を有する水性樹脂塗料〔株式会社アサヒペン製の商品名「水性クリーンカベ・浴室用」〕を、比較例11とした。
上記各実施例、比較例の塗料組成物を、縦150mm、横150mmに切り出した石膏ボードの表面に塗布し、乾燥させて、サンプルとした。また、塗料組成物を塗布していない石膏ボードを、比較例12のサンプルとした。
そして、これらのサンプルを用いて、前記と同様にして、ホルムアルデヒド捕捉試験を行った。
結果を表5に示す。
Figure 0004195669
表より、比較例10〜12以外の各実施例、比較例の塗料組成物は、ホルムアルデヒドを捕捉して、遅くとも180分以内に、その濃度を、ホルムアルデヒド検知器の検出限界未満に低下できることが判った。
また、前記各実施例、比較例を比較すると、有害化学物質除去剤として、桧材の抽出物のみを用いた比較例8、9よりも、アンモニア水を加えた実施例12、13の方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が向上して、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
また、桧材の抽出物としては、製造例2で製造したものよりも、製造例1で製造したものの方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が高く、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
比較例13
市販の電子空気清浄機〔(株)カンキョー製の商品名「クリアベールI」〕に用いる、交換用のフィルタ(不織布製、縦39cm、横29cm)に、有害化学物質除去剤としての、製造例1で製造した液状の抽出物5ccを吹き付け、乾燥させてフィルタを製造した。
実施例14
有害化学物質除去剤として、製造例1で製造した液状の抽出物15ccと、10%濃度のアンモニア水0.05ccとの混合物5ccを用いたこと以外は、比較例13と同様にして、フィルタを製造した。
比較例14
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、比較例13と同様にして、フィルタを製造した。
実施例15
製造例1で製造した液状の抽出物に代えて、同量の、製造例2で製造した液状の抽出物を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、フィルタを製造した。
比較例15
有害化学物質除去剤を吹き付けていないフィルタを、比較例15とした。
上記各実施例、比較例のフィルタを、電子空気清浄機〔前記「クリアベールI」〕に装着した。
そして、この電子空気清浄機を、前記真空デシケータに代えて、電子空気清浄機を収容し得る大きさを有する、密閉型の容器(プラスチック製のコンテナ、縦66cm、横41cm、高さ19cm)を用いた試験装置の、容器内に収容し、ホルムアルデヒドの初期濃度を調整後、電子空気清浄機を容器内で運転しながら、前記と同様にして、ホルムアルデヒド捕捉試験を行った。ホルムアルデヒドの濃度は、電子空気清浄機の運転開始から2分後、4分後、6分後、8分後、10分後、15分後、および30分後に、それぞれ測定した。
結果を表6に示す。
Figure 0004195669
表より、比較例15以外の各実施例、比較例のフィルタは、ホルムアルデヒドを捕捉して、遅くとも30分以内に、その濃度を、ホルムアルデヒド検知器の検出限界未満に低下できることが判った。
また、前記各実施例、比較例を比較すると、有害化学物質除去剤として、桧材の抽出物のみを用いた比較例13、14よりも、アンモニア水を加えた実施例14、15の方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が向上して、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
また、桧材の抽出物としては、製造例2で製造したものよりも、製造例1で製造したものの方が、ホルムアルデヒドを捕捉する能力が高く、より短時間で、その濃度を検出限界未満に低下できることが確認された。
本発明の、有害化学物質除去剤の主要成分である桧材の抽出物を製造するための、抽出装置の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 密閉容器
2 密閉容器

Claims (11)

  1. 空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するための有害化学物質除去剤において、桧材、および、前記桧材から抽出された抽出物のうちの少なくとも一方と、アンモニアとを含むことを特徴とする、有害化学物質除去剤。
  2. 材と水とを、密閉容器内で、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器内で、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を少なくとも1回、行って得た抽出物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の有害化学物質除去剤。
  3. 水性エマルション系のシーラーを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の有害化学物質除去剤。
  4. 空気中に含まれる有害化学物質を捕捉し、除去するための有害化学物質除去剤において、桧材、および、前記桧材から抽出された抽出物のうちの少なくとも一方と、水性エマルション系のシーラーを含むことを特徴とする、有害化学物質除去剤。
  5. 桧材と水とを、密閉容器内で、加熱、かく拌して抽出処理した液に対して、当該液を、新たな桧材に加えて、密閉容器内で、加熱、かく拌して再度、抽出処理する操作を少なくとも1回、行って得た抽出物を含むことを特徴とする、請求項4に記載の有害化学物質除去剤。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤と、珪藻土とを含むことを特徴とする建築板材。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤と、石膏とを含むことを特徴とする建築板材。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴とするワックス組成物。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴とする塗料組成物。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を含むことを特徴とする接着剤組成物。
  11. 請求項1ないしのいずれかに記載の有害化学物質除去剤を担持させたことを特徴とするフィルタ。
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