JP2001172896A - 機能性紙シート及びこれを用いた機能性紙製品 - Google Patents
機能性紙シート及びこれを用いた機能性紙製品Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、紙パルプ原料を抄紙することによ
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材に機能性
付与剤を担持することにより、薬剤効率を向上させ、し
かも、通気性、吸湿性、吸液性、耐溶剤性、耐油性、染
色性、印刷性、接着性及び加工性に優れ、特に、素材回
収性及び廃棄処理性に優れる機能性紙シートを提供す
る。又、本発明は、前記機能性シートを用いた用いた建
材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、芳香材、吸
油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は小動物用忌
避材を提供する。 【構成】 本発明は、紙パルプ原料を抄紙することによ
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材であっ
て、この紙材には機能性付与剤が担持されていることを
特徴とする。
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材に機能性
付与剤を担持することにより、薬剤効率を向上させ、し
かも、通気性、吸湿性、吸液性、耐溶剤性、耐油性、染
色性、印刷性、接着性及び加工性に優れ、特に、素材回
収性及び廃棄処理性に優れる機能性紙シートを提供す
る。又、本発明は、前記機能性シートを用いた用いた建
材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、芳香材、吸
油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は小動物用忌
避材を提供する。 【構成】 本発明は、紙パルプ原料を抄紙することによ
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材であっ
て、この紙材には機能性付与剤が担持されていることを
特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙パルプ原料を抄紙す
ることによりフィルム状ないしシート状に形成された紙
材に機能性付与剤を担持してなる機能性紙シート及びこ
れを用いた機能性紙製品に関し、更に詳しくは、機能性
付与剤の担持体として紙材を使用することにより、合成
樹脂を担持体として使用する場合と比較して、通気性、
吸湿性、悪臭吸収性、吸液性、溶剤吸収性、油吸収性、
染色性、印刷性、接着性、加工性、素材回収性及び廃棄
処理性が著しく向上する上、小動物の忌避性や芳香剤の
徐放性に優れた機能性紙シート及びこれを用いた機能性
紙製品に関する。
ることによりフィルム状ないしシート状に形成された紙
材に機能性付与剤を担持してなる機能性紙シート及びこ
れを用いた機能性紙製品に関し、更に詳しくは、機能性
付与剤の担持体として紙材を使用することにより、合成
樹脂を担持体として使用する場合と比較して、通気性、
吸湿性、悪臭吸収性、吸液性、溶剤吸収性、油吸収性、
染色性、印刷性、接着性、加工性、素材回収性及び廃棄
処理性が著しく向上する上、小動物の忌避性や芳香剤の
徐放性に優れた機能性紙シート及びこれを用いた機能性
紙製品に関する。
【0002】
【従来の技術】20世紀の化学・技術の進歩に伴い合成
樹脂が果たした役割は非常に大きいことは、疑いようの
ないところである。
樹脂が果たした役割は非常に大きいことは、疑いようの
ないところである。
【0003】合成樹脂は、電気絶縁性、誘電性、軽量性
等に優れた機能特性を持ち、更に、安価で且つ板材、
管、繊維、薄膜など種々の形状に加工できる成形加工性
にも優れていることから、最近では、機械的強度、耐熱
性の飛躍的向上を図ったエンジニアリングプラスチック
の出現や、複合材料の開発により、高分子類の航空、宇
宙、自動車、機械材料等への使用が進められている。
等に優れた機能特性を持ち、更に、安価で且つ板材、
管、繊維、薄膜など種々の形状に加工できる成形加工性
にも優れていることから、最近では、機械的強度、耐熱
性の飛躍的向上を図ったエンジニアリングプラスチック
の出現や、複合材料の開発により、高分子類の航空、宇
宙、自動車、機械材料等への使用が進められている。
【0004】中でも、合成樹脂をフィルム状ないしシー
ト状に加工したものの用途は非常に多岐に亘っており、
包装用、フィルム用、磁気テープ用、電気絶縁材料、粘
着テープ用或いは印刷材料用のものなど挙げられる。
ト状に加工したものの用途は非常に多岐に亘っており、
包装用、フィルム用、磁気テープ用、電気絶縁材料、粘
着テープ用或いは印刷材料用のものなど挙げられる。
【0005】近年では、特殊な機能を持つプラスチック
フィルムやシートの研究開発に多くの努力が払われてお
り、合成樹脂に種々の添加物を混入することにより、特
殊な機能を付与したプラスチックフィルムないしシート
や、耐熱性樹脂や通気性フィルム、情報産業分野での感
光性、伝導性高分子や、医療分野での臓器や生体膜に近
い機能を持つ高分子などが注目を集めており、多彩な展
開が期待されている。
フィルムやシートの研究開発に多くの努力が払われてお
り、合成樹脂に種々の添加物を混入することにより、特
殊な機能を付与したプラスチックフィルムないしシート
や、耐熱性樹脂や通気性フィルム、情報産業分野での感
光性、伝導性高分子や、医療分野での臓器や生体膜に近
い機能を持つ高分子などが注目を集めており、多彩な展
開が期待されている。
【0006】現在までにこのような機能性シートは多岐
に亘って研究されており、例えば、合成樹脂をフィルム
状ないしシート状に加工する際に、忌避剤、脱臭剤、乾
燥剤、吸湿剤、香料等の種々の薬剤を配合し、これらの
薬剤の機能を付与した機能性シートが様々な分野で使用
されている。
に亘って研究されており、例えば、合成樹脂をフィルム
状ないしシート状に加工する際に、忌避剤、脱臭剤、乾
燥剤、吸湿剤、香料等の種々の薬剤を配合し、これらの
薬剤の機能を付与した機能性シートが様々な分野で使用
されている。
【0007】このような結果、現在、合成樹脂を用いた
製品(プラスチック製品等)が非常に多くなり、終戦直
後は年産1万トン程度であったプラスチック製品等は、
異常ともいえる成長率によって、現在年産500万トン
を超えるに至っており、我々の生活周辺においても、種
々のプラスチック製品等が豊富に存在し、日常生活と密
接に関係している。
製品(プラスチック製品等)が非常に多くなり、終戦直
後は年産1万トン程度であったプラスチック製品等は、
異常ともいえる成長率によって、現在年産500万トン
を超えるに至っており、我々の生活周辺においても、種
々のプラスチック製品等が豊富に存在し、日常生活と密
接に関係している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、合成樹脂に
機能性付与剤を担持し、これをフィルム状ないしシート
状に成形した機能性シートなどには、担持された機能性
付与剤のうち、当該シートの表面近くに存在するものの
みが活性であり、この機能性シートの中程に埋没した機
能性付与剤については、全くといって良いほど機能して
おらず、混練した機能性付与剤の大部分が無駄になると
いった問題、即ち、添加した機能性付与剤の利用効率が
悪いといった問題がある。
機能性付与剤を担持し、これをフィルム状ないしシート
状に成形した機能性シートなどには、担持された機能性
付与剤のうち、当該シートの表面近くに存在するものの
みが活性であり、この機能性シートの中程に埋没した機
能性付与剤については、全くといって良いほど機能して
おらず、混練した機能性付与剤の大部分が無駄になると
いった問題、即ち、添加した機能性付与剤の利用効率が
悪いといった問題がある。
【0009】又、合成樹脂からなるフィルムないしシー
トは、廃棄物の中から各プラスチックを純粋な状態で分
別し取り出すことが困難であるため、回収・再利用が困
難であり、又、微生物によって分解されず、空気中、水
中などでも安定で、分解したり溶解したりし難く、長期
に亘って原形をとどめ、環境中に半永久的に残存するた
め、埋め立て処分等をすることが好ましくなく、更に、
燃焼させると高熱を出し、焼却炉内を傷めたり、空気を
多量に必要としたり、有毒ガスを発生したり、更に、コ
ークス化したりして、完全燃焼が困難であるため焼却処
分等も好ましくないのである。
トは、廃棄物の中から各プラスチックを純粋な状態で分
別し取り出すことが困難であるため、回収・再利用が困
難であり、又、微生物によって分解されず、空気中、水
中などでも安定で、分解したり溶解したりし難く、長期
に亘って原形をとどめ、環境中に半永久的に残存するた
め、埋め立て処分等をすることが好ましくなく、更に、
燃焼させると高熱を出し、焼却炉内を傷めたり、空気を
多量に必要としたり、有毒ガスを発生したり、更に、コ
ークス化したりして、完全燃焼が困難であるため焼却処
分等も好ましくないのである。
【0010】プラスチック製品等の使用量が増加するに
つれて、廃棄物(ゴミ)の中のプラスチック量が増大す
るのは当然であり、環境問題やゴミ処理問題改善のため
の規制が厳しくなってきている昨今では、このようなプ
ラスチックゴミの処理問題の解決は、避けようのない課
題であり、これらプラスチック製品等に替わる機能性材
料の開発が強く求められているのである。
つれて、廃棄物(ゴミ)の中のプラスチック量が増大す
るのは当然であり、環境問題やゴミ処理問題改善のため
の規制が厳しくなってきている昨今では、このようなプ
ラスチックゴミの処理問題の解決は、避けようのない課
題であり、これらプラスチック製品等に替わる機能性材
料の開発が強く求められているのである。
【0011】従って、今後、21世紀の化学・技術開発
については、環境問題やゴミ処理問題をふまえた研究が
不可欠であり、特に、このような合成樹脂に替わる素材
の研究を最優先させるべきなのである。
については、環境問題やゴミ処理問題をふまえた研究が
不可欠であり、特に、このような合成樹脂に替わる素材
の研究を最優先させるべきなのである。
【0012】本発明者は、前記目的を達成するために鋭
意検討を重ねた結果、紙パルプ原料を抄紙することによ
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材を担持体
として、これに機能性付与剤が担持されてなる機能性紙
シートが、前記合成樹脂からなる機能性シートの欠点を
解消できる極めて優れたものと成り得るとの知見を得
た。
意検討を重ねた結果、紙パルプ原料を抄紙することによ
りフィルム状ないしシート状に形成された紙材を担持体
として、これに機能性付与剤が担持されてなる機能性紙
シートが、前記合成樹脂からなる機能性シートの欠点を
解消できる極めて優れたものと成り得るとの知見を得
た。
【0013】即ち、製造工程上、繊維が網目状に絡み合
った構造を有する紙材を担持体に用いて機能性紙シート
とすることにより、機能性紙シートの表面付近に存在す
る機能性付与剤のみならず、機能性紙シートの内部に包
含された機能性付与剤についても活性を発現させ、機能
性を著しく向上させることができるとの知見を得た。
った構造を有する紙材を担持体に用いて機能性紙シート
とすることにより、機能性紙シートの表面付近に存在す
る機能性付与剤のみならず、機能性紙シートの内部に包
含された機能性付与剤についても活性を発現させ、機能
性を著しく向上させることができるとの知見を得た。
【0014】又、機能性付与剤の担持体として、素材回
収性及び廃棄処理性に優れた紙或いは板紙等の紙材を用
いることにより、取り扱いが簡便で、二次公害の発生が
なく、環境に悪影響を与えることがない極めて優れた機
能性紙シートになり得るとの知見を得た。
収性及び廃棄処理性に優れた紙或いは板紙等の紙材を用
いることにより、取り扱いが簡便で、二次公害の発生が
なく、環境に悪影響を与えることがない極めて優れた機
能性紙シートになり得るとの知見を得た。
【0015】更に、機能性付与剤の担持体として、紙或
いは板紙等の紙材を用いることにより、紙材自体が有す
る良好な通気性、吸湿性、悪臭吸収性、吸液性、溶剤吸
収性、油吸収性、染色性、印刷性、接着性、加工性を適
宜機能性紙シートに付与することができるとの知見を得
た。
いは板紙等の紙材を用いることにより、紙材自体が有す
る良好な通気性、吸湿性、悪臭吸収性、吸液性、溶剤吸
収性、油吸収性、染色性、印刷性、接着性、加工性を適
宜機能性紙シートに付与することができるとの知見を得
た。
【0016】本発明は、これらの知見に基づき完成され
たものであり、紙パルプ原料を抄紙することによりフィ
ルム状ないしシート状に形成された紙材に機能性付与剤
を担持することにより、薬剤効率を向上させ、しかも、
通気性、吸湿性、吸液性、耐溶剤性、耐油性、染色性、
印刷性、接着性及び加工性に優れ、特に、素材回収性及
び廃棄処理性に優れる機能性紙シートを提供することを
目的とする。
たものであり、紙パルプ原料を抄紙することによりフィ
ルム状ないしシート状に形成された紙材に機能性付与剤
を担持することにより、薬剤効率を向上させ、しかも、
通気性、吸湿性、吸液性、耐溶剤性、耐油性、染色性、
印刷性、接着性及び加工性に優れ、特に、素材回収性及
び廃棄処理性に優れる機能性紙シートを提供することを
目的とする。
【0017】更に、本発明は、前記機能性シートを用い
た用いた建材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、
芳香材、吸油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は
小動物用忌避材を提供することをも目的とする。
た用いた建材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、
芳香材、吸油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は
小動物用忌避材を提供することをも目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の最も大きな特徴
は、機能性付与剤を担持させるための担持体として、紙
材を用いた点にある。この点は、合成樹脂からなるフィ
ルムないしシートに機能性付与剤を担持した場合と比較
してみると大きな相違点が見い出せる。
は、機能性付与剤を担持させるための担持体として、紙
材を用いた点にある。この点は、合成樹脂からなるフィ
ルムないしシートに機能性付与剤を担持した場合と比較
してみると大きな相違点が見い出せる。
【0019】即ち、合成樹脂からなるフィルムないしシ
ートは、廃棄物の中から各プラスチックを純粋な状態で
分別し取り出すことが困難であるため、回収・再利用が
困難であり、又、微生物によって分解されず、土中、空
気中、水中などでも安定で、分解したり溶解したりし難
く、長期に亙って原形をとどめ、環境悪化の原因になっ
たり、環境中に半永久的に残存するため、埋め立て処分
等をすることが好ましくなく、更に、燃焼させると高熱
を出し、焼却炉内を傷めたり、空気を多量に必要とした
り、有毒ガスを発生したり、更に、コークス化したりし
て、完全燃焼が困難であるため焼却処分等も好ましくな
いのである。
ートは、廃棄物の中から各プラスチックを純粋な状態で
分別し取り出すことが困難であるため、回収・再利用が
困難であり、又、微生物によって分解されず、土中、空
気中、水中などでも安定で、分解したり溶解したりし難
く、長期に亙って原形をとどめ、環境悪化の原因になっ
たり、環境中に半永久的に残存するため、埋め立て処分
等をすることが好ましくなく、更に、燃焼させると高熱
を出し、焼却炉内を傷めたり、空気を多量に必要とした
り、有毒ガスを発生したり、更に、コークス化したりし
て、完全燃焼が困難であるため焼却処分等も好ましくな
いのである。
【0020】又、合成樹脂に機能性付与剤を混練した後
に、これをフィルム状ないしシート状に成形した場合に
は、担持された機能性付与剤のうち、当該シートないし
フィルムの表面近くに存在するもののみ活性であり、フ
ィルムないしシートの中程に埋没した機能性付与剤につ
いては、全くといって良いほど機能しておらず、混練し
た機能性付与剤の大部分が無駄になるといった問題もあ
る。
に、これをフィルム状ないしシート状に成形した場合に
は、担持された機能性付与剤のうち、当該シートないし
フィルムの表面近くに存在するもののみ活性であり、フ
ィルムないしシートの中程に埋没した機能性付与剤につ
いては、全くといって良いほど機能しておらず、混練し
た機能性付与剤の大部分が無駄になるといった問題もあ
る。
【0021】一方、本発明においては、通気性に優れる
担持体として紙或いは板紙等の紙材からなるものを用い
ているため、機能性紙シートの表面付近にある機能性付
与剤のみならず、機能性紙シートの中程に埋没された機
能性付与剤についても充分に活性であり、担持した機能
性付与剤の全てがその機能を発現することができるので
ある。
担持体として紙或いは板紙等の紙材からなるものを用い
ているため、機能性紙シートの表面付近にある機能性付
与剤のみならず、機能性紙シートの中程に埋没された機
能性付与剤についても充分に活性であり、担持した機能
性付与剤の全てがその機能を発現することができるので
ある。
【0022】又、紙材は元々それ自体が、良好な通気
性、吸湿性、吸液性、溶剤吸収性、油吸収性、染色性、
印刷性、接着性、加工性を有する極めて優れた素材であ
るため、合成樹脂製のフィルムないしシートを用いた機
能性シートでは達成できない優れた機能を発現すること
ができるのである。
性、吸湿性、吸液性、溶剤吸収性、油吸収性、染色性、
印刷性、接着性、加工性を有する極めて優れた素材であ
るため、合成樹脂製のフィルムないしシートを用いた機
能性シートでは達成できない優れた機能を発現すること
ができるのである。
【0023】更に、紙材は素材回収性に優れるため、回
収・再利用が容易であり、又、廃棄処理性を行っても微
生物による分解性が優れる素材でり、埋め立て処分や焼
却処分も問題なくできるため、使用後の取り扱いが簡便
で、二次公害の発生がなく、環境に悪影響を与えること
がないのである。
収・再利用が容易であり、又、廃棄処理性を行っても微
生物による分解性が優れる素材でり、埋め立て処分や焼
却処分も問題なくできるため、使用後の取り扱いが簡便
で、二次公害の発生がなく、環境に悪影響を与えること
がないのである。
【0024】本発明は、前記技術的思想を基に完成され
たものであり、以下本発明を詳細に説明する。
たものであり、以下本発明を詳細に説明する。
【0025】本発明の機能性紙シートは、紙パルプ原料
を抄紙することによりフィルム状ないしシート状に形成
された紙材に機能性付与剤を担持してなるものである
が、この紙パルプ原料としては、現在製紙工業で使用さ
れている主なパルプを用いることができる。
を抄紙することによりフィルム状ないしシート状に形成
された紙材に機能性付与剤を担持してなるものである
が、この紙パルプ原料としては、現在製紙工業で使用さ
れている主なパルプを用いることができる。
【0026】具体的には、機械パルプ、化学パルプ、セ
ミケミカルパルプ及び古紙パルプ等が挙げられるのであ
り、この他にも麻パルプ、リンダーパルプ、わらパルプ
及び合成パルプ等の非木材パルプを用いることができ
る。
ミケミカルパルプ及び古紙パルプ等が挙げられるのであ
り、この他にも麻パルプ、リンダーパルプ、わらパルプ
及び合成パルプ等の非木材パルプを用いることができ
る。
【0027】そして、これらのパルプを抄紙する方法と
しては、特に限定されるものでなく、公知の抄紙方法及
び抄紙機を使用することができ、具体的には例えば、長
網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機等を用い
て抄紙することができる。
しては、特に限定されるものでなく、公知の抄紙方法及
び抄紙機を使用することができ、具体的には例えば、長
網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機等を用い
て抄紙することができる。
【0028】又、前記紙或いは板紙等からなる紙材の種
類としては、既知のものを使用することができるのであ
り、又、その厚さや、坪量、大きさは特に限定されるも
のではないが、一般に、厚さが0.1〜5mmの範囲の
ものである。具体的には、例えば紙としては、印刷筆記
図画用紙、包装用紙、薄葉紙、家庭用薄葉紙及び雑種紙
等が挙げられるのであり、一方、板紙としては、段ボー
ル原紙、紙器用板紙及び建材原紙等が挙げられる。
類としては、既知のものを使用することができるのであ
り、又、その厚さや、坪量、大きさは特に限定されるも
のではないが、一般に、厚さが0.1〜5mmの範囲の
ものである。具体的には、例えば紙としては、印刷筆記
図画用紙、包装用紙、薄葉紙、家庭用薄葉紙及び雑種紙
等が挙げられるのであり、一方、板紙としては、段ボー
ル原紙、紙器用板紙及び建材原紙等が挙げられる。
【0029】そして、本発明において、これら紙材の形
態としては特に限定されるものではなく、フィルム状、
シート状、テープ状、三角形状、多角形状、楕円状、円
形状、粉状、板状、柱状、球状等の所望の形態のものを
適宜選択することができる。
態としては特に限定されるものではなく、フィルム状、
シート状、テープ状、三角形状、多角形状、楕円状、円
形状、粉状、板状、柱状、球状等の所望の形態のものを
適宜選択することができる。
【0030】ところで、本発明の機能紙シートの担持体
としての紙材の坪量、つまり紙材の密度が大きければそ
れだけ繊維の凝集が大きいということになり、後述する
機能性付与剤の機能性に少なからず影響を与える。即
ち、本発明においては紙材の坪量をコントロールするこ
とにより、機能性付与剤の機能性をコントロールするこ
ともできる。
としての紙材の坪量、つまり紙材の密度が大きければそ
れだけ繊維の凝集が大きいということになり、後述する
機能性付与剤の機能性に少なからず影響を与える。即
ち、本発明においては紙材の坪量をコントロールするこ
とにより、機能性付与剤の機能性をコントロールするこ
ともできる。
【0031】本発明の機能性紙シートは、前記紙材に機
能性付与剤を担持させてなるものであるが、この機能性
付与剤の担持方法としては、機能性付与剤の活性を損な
うものでなければ特に限定されるものではない。
能性付与剤を担持させてなるものであるが、この機能性
付与剤の担持方法としては、機能性付与剤の活性を損な
うものでなければ特に限定されるものではない。
【0032】例えば、紙パルプ原料に機能性付与剤を添
加することにより、紙材に当該機能性付与剤を混入させ
る方法があり、この方法によって作成された機能性紙シ
ートは、紙材のほぼ全域に亘って均一に機能性付与剤を
分散することができる利点を有する。
加することにより、紙材に当該機能性付与剤を混入させ
る方法があり、この方法によって作成された機能性紙シ
ートは、紙材のほぼ全域に亘って均一に機能性付与剤を
分散することができる利点を有する。
【0033】この場合、添加する機能性付与剤の量は、
紙材や機能性付与剤の種類或いは作成後の機能性紙シー
トに求められる強度によって、適宜決定されるものであ
り、特に限定されるものではないが、一般的には、紙材
100重量部に対して、機能性付与剤1〜350重量部
程度であることが好ましく、機能性付与剤の量が1重量
部未満になるとその効果が乏しくなったり、効果の継続
性にかけるおそれがあり、一方、350重量部を超える
と機能性シートの強度が低下したり、コスト高になる
上、その意味が無くなるので、いずれも好ましくない。
紙材や機能性付与剤の種類或いは作成後の機能性紙シー
トに求められる強度によって、適宜決定されるものであ
り、特に限定されるものではないが、一般的には、紙材
100重量部に対して、機能性付与剤1〜350重量部
程度であることが好ましく、機能性付与剤の量が1重量
部未満になるとその効果が乏しくなったり、効果の継続
性にかけるおそれがあり、一方、350重量部を超える
と機能性シートの強度が低下したり、コスト高になる
上、その意味が無くなるので、いずれも好ましくない。
【0034】他の例としては、抄紙後の紙材の少なくと
も片側面に機能性付与剤を塗布することにより、紙材に
当該機能性付与剤を担持させてなるものである。
も片側面に機能性付与剤を塗布することにより、紙材に
当該機能性付与剤を担持させてなるものである。
【0035】このように構成すると、既存の紙材に機能
性付与剤の溶液や分散液を塗布(印刷やコーティング
等)することができるため、機能性紙シートに求められ
る強度に応じた紙材を適宜使用することができるといっ
た利点があり、これによって、機能性付与剤を、紙材の
表面、或いは紙材の表面や内部にも浸透、担持させ得
る。
性付与剤の溶液や分散液を塗布(印刷やコーティング
等)することができるため、機能性紙シートに求められ
る強度に応じた紙材を適宜使用することができるといっ
た利点があり、これによって、機能性付与剤を、紙材の
表面、或いは紙材の表面や内部にも浸透、担持させ得
る。
【0036】又、紙材の表面に、機能性付与剤を用いて
様々な模様を描くことができる結果、見た目にも美麗に
することができるといった利点もある。
様々な模様を描くことができる結果、見た目にも美麗に
することができるといった利点もある。
【0037】もちろん、本発明においては、前記した機
能性付与剤の担持方法を併用して用いても良いのであ
る。
能性付与剤の担持方法を併用して用いても良いのであ
る。
【0038】本発明の機能性紙シートは、前記の如く紙
材を担持体とするため、このままでは、耐水性に劣ると
いった紙材特有の欠点がある。
材を担持体とするため、このままでは、耐水性に劣ると
いった紙材特有の欠点がある。
【0039】そこで、本発明においては、この欠点を解
消するために、紙材の少なくとも片面に、多孔質保護フ
ィルムを積層することにより耐水性を付与することが望
ましい。
消するために、紙材の少なくとも片面に、多孔質保護フ
ィルムを積層することにより耐水性を付与することが望
ましい。
【0040】この多孔質保護フィルムとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、
ポリスチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合けん化物又
はエチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂を用いて形
成することもできるが、本発明においては特に廃棄処理
性を考慮して脂肪族ポリエステル樹脂の如き生分解性樹
脂、或いはロジン(松脂)、ゼラチン、澱粉、にかわ、
ふのり等の天然樹脂を用いる方が一層好ましい。
チレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、
ポリスチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合けん化物又
はエチレン酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂を用いて形
成することもできるが、本発明においては特に廃棄処理
性を考慮して脂肪族ポリエステル樹脂の如き生分解性樹
脂、或いはロジン(松脂)、ゼラチン、澱粉、にかわ、
ふのり等の天然樹脂を用いる方が一層好ましい。
【0041】又、これらの合成樹脂や天然樹脂を多孔質
にする方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば、無孔のフィルムないしシートを延伸する方法、
又、この延伸したフィルムないしシート可溶成分を抽出
する方法、フィルムないしシートに極細針等により穿孔
する方法などが挙げられる。
にする方法としては、特に限定されるものではないが、
例えば、無孔のフィルムないしシートを延伸する方法、
又、この延伸したフィルムないしシート可溶成分を抽出
する方法、フィルムないしシートに極細針等により穿孔
する方法などが挙げられる。
【0042】更に、必要に応じては、これらのフィルム
ないしシートのうち、1種或いは2種以上を積層したも
のを用いることもできる。
ないしシートのうち、1種或いは2種以上を積層したも
のを用いることもできる。
【0043】この場合、多孔質保護フィルムの通気性と
しては特に限定されるものではなく、本発明の機能性シ
ートの適用場所や、機能性付与剤の種類によって、適宜
決定すればよい。
しては特に限定されるものではなく、本発明の機能性シ
ートの適用場所や、機能性付与剤の種類によって、適宜
決定すればよい。
【0044】そして、この多孔質保護フィルムの積層方
法としては特に限定されるものではなく、ラミネート法
や熱融着法、更に接着剤(粘着剤)による部分的接着
(部分的粘着)等の既知の方法を用いることができる
が、本発明においては、天然樹脂や合成樹脂をパルプ原
料に添加して、耐水性を向上させたり、紙材の表面にこ
れらの樹脂を塗布する方法(サイジング)等を好適に使
用することができる。
法としては特に限定されるものではなく、ラミネート法
や熱融着法、更に接着剤(粘着剤)による部分的接着
(部分的粘着)等の既知の方法を用いることができる
が、本発明においては、天然樹脂や合成樹脂をパルプ原
料に添加して、耐水性を向上させたり、紙材の表面にこ
れらの樹脂を塗布する方法(サイジング)等を好適に使
用することができる。
【0045】ところで、本発明における機能性付与剤と
は、1種或いは2種以上の薬剤を混合したものであっ
て、脱臭作用、消臭作用、脱酸素作用、吸湿作用、小動
物忌避作用、殺虫作用、遠赤外線照射体、各種芳香剤等
の種々の作用(機能)を発現する素材や物質のことをい
い、本発明の機能性付与剤を紙材に含有させる工程にお
いて、その活性を喪失するものでなければ公知の機能性
付与剤を適宜用いることができる。
は、1種或いは2種以上の薬剤を混合したものであっ
て、脱臭作用、消臭作用、脱酸素作用、吸湿作用、小動
物忌避作用、殺虫作用、遠赤外線照射体、各種芳香剤等
の種々の作用(機能)を発現する素材や物質のことをい
い、本発明の機能性付与剤を紙材に含有させる工程にお
いて、その活性を喪失するものでなければ公知の機能性
付与剤を適宜用いることができる。
【0046】又、これらの機能性付与剤は、液体状、粉
末状、粒子状、マイクロカプセル等の任意の形態を用い
ることができるのであり、更に、必要に応じて界面活性
剤等の分散・添加剤を加えてもよい。
末状、粒子状、マイクロカプセル等の任意の形態を用い
ることができるのであり、更に、必要に応じて界面活性
剤等の分散・添加剤を加えてもよい。
【0047】機能性付与剤の具体例としては、例えば、
芳香剤、特に、植物抽出液或いは植物乾留液などの芳香
剤、脱臭作用及び/又は吸湿作用を有する吸着剤や犬、
猫、鳥、虫等の小動物を忌避する作用を有する小動物忌
避剤を挙げることができる。
芳香剤、特に、植物抽出液或いは植物乾留液などの芳香
剤、脱臭作用及び/又は吸湿作用を有する吸着剤や犬、
猫、鳥、虫等の小動物を忌避する作用を有する小動物忌
避剤を挙げることができる。
【0048】ここで、小動物とは、犬、猫、ネズミ、鳥
等の動物のみならず、昆虫やは虫類、更には細菌類をも
包含する総称である。
等の動物のみならず、昆虫やは虫類、更には細菌類をも
包含する総称である。
【0049】前記吸着剤としては、変性し難く、水分や
臭い成分を吸着・保持する物質であれば特に限定される
ものではなく、例えば、酸化カルシウムや酸化マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属や遷移金属の酸化物、水酸化
物或いは塩化物や、シリカゲル、ゼオライト、パーライ
ト、パーミキュライト、活性アルミナ、活性炭、活性白
土等を挙げることができ、本発明においては、これらの
物質から選ばれた少なくとも1種以上を用いることがで
きる。
臭い成分を吸着・保持する物質であれば特に限定される
ものではなく、例えば、酸化カルシウムや酸化マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属や遷移金属の酸化物、水酸化
物或いは塩化物や、シリカゲル、ゼオライト、パーライ
ト、パーミキュライト、活性アルミナ、活性炭、活性白
土等を挙げることができ、本発明においては、これらの
物質から選ばれた少なくとも1種以上を用いることがで
きる。
【0050】又、必要に応じては、フェノール、過マン
ガン酸水溶液、ホルマリン、さらし粉溶液、植物抽出液
等の化学的作用により消臭効果を発現する物質を適宜添
加しても良いのである。
ガン酸水溶液、ホルマリン、さらし粉溶液、植物抽出液
等の化学的作用により消臭効果を発現する物質を適宜添
加しても良いのである。
【0051】一方、前記小動物忌避材としては、既知の
小動物忌避剤を用いることができ、特に限定されるもの
ではないが、具体的には例えば、橙皮油、レモン油、ベ
ルガモット油、ういきょう油、松葉油、ハッカ油、テレ
ビン油、樟脳油等の如き柑橘類の精油、リモネン等の如
きテルペン類、カラシ及びわさび等及びこれらに含まれ
る辛味成分(カプサイシンや安息香酸デナトニウム
等)、その他、木酢油、天然ゴム、ケロシン、カプリン
アルデヒド、カプリルアルデヒド、シラトール、酢酸、
タンニン、植物抽出油等を挙げることができ、本発明に
おいては、これらの物質から選ばれた少なくとも1種以
上を用いることができる。
小動物忌避剤を用いることができ、特に限定されるもの
ではないが、具体的には例えば、橙皮油、レモン油、ベ
ルガモット油、ういきょう油、松葉油、ハッカ油、テレ
ビン油、樟脳油等の如き柑橘類の精油、リモネン等の如
きテルペン類、カラシ及びわさび等及びこれらに含まれ
る辛味成分(カプサイシンや安息香酸デナトニウム
等)、その他、木酢油、天然ゴム、ケロシン、カプリン
アルデヒド、カプリルアルデヒド、シラトール、酢酸、
タンニン、植物抽出油等を挙げることができ、本発明に
おいては、これらの物質から選ばれた少なくとも1種以
上を用いることができる。
【0052】本発明の機能性紙シートにおいて、紙材に
はその少なくとも片側面に粘着剤層が部分的或いは全面
的に積層されているものが好ましい。
はその少なくとも片側面に粘着剤層が部分的或いは全面
的に積層されているものが好ましい。
【0053】即ち、本発明の機能性紙シートにおいて、
紙材の少なくとも片側面に粘着剤層を積層することによ
り、本発明の機能性シートを所望の場所に張り付けて使
用可能とすることができる結果、取り扱い性が至極向上
し、適用範囲を著しく広げることができるのである。
紙材の少なくとも片側面に粘着剤層を積層することによ
り、本発明の機能性シートを所望の場所に張り付けて使
用可能とすることができる結果、取り扱い性が至極向上
し、適用範囲を著しく広げることができるのである。
【0054】前記の粘着剤の代表的な具体例としては、
例えばポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム(ス
チレン−イソプレン−スチレン)ブロック共重合体ゴ
ム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、アラビアゴム等
の合成ゴム或いは天然ゴムの如きゴム系粘着剤、更にア
クリル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリアミド系
粘着剤、ポリ塩化ビニル系粘着剤、ポリエチレン系粘着
剤、エチレン−ビニルアルコール共重合体系粘着剤、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、エチレン−メタ
クリル酸共重合体系粘着剤エチレン−アクリル酸エチル
共重合体系粘着剤、親水性アクリルポリマー系粘着剤、
ポリビニルアセタール系粘着剤、ポリビニルアルコール
系粘着剤、セルロース系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤等
が挙げられるのであり、これらのうち、特に、粘着力が
高く、安価で、長期安定性に優れるなどの理由から、ゴ
ム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分
子物質を含有する粘着剤が特に好ましい。
例えばポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム(ス
チレン−イソプレン−スチレン)ブロック共重合体ゴ
ム、アクリル系ゴム、シリコーンゴム、アラビアゴム等
の合成ゴム或いは天然ゴムの如きゴム系粘着剤、更にア
クリル系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリアミド系
粘着剤、ポリ塩化ビニル系粘着剤、ポリエチレン系粘着
剤、エチレン−ビニルアルコール共重合体系粘着剤、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、エチレン−メタ
クリル酸共重合体系粘着剤エチレン−アクリル酸エチル
共重合体系粘着剤、親水性アクリルポリマー系粘着剤、
ポリビニルアセタール系粘着剤、ポリビニルアルコール
系粘着剤、セルロース系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤等
が挙げられるのであり、これらのうち、特に、粘着力が
高く、安価で、長期安定性に優れるなどの理由から、ゴ
ム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分
子物質を含有する粘着剤が特に好ましい。
【0055】本発明に係る機能性紙製品においては、前
記目的を達成するために、前述の機能性シートを用いて
形成されたものが挙げられる。
記目的を達成するために、前述の機能性シートを用いて
形成されたものが挙げられる。
【0056】本発明の機能性紙製品としては、建材、土
壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、芳香材、吸油材、
吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は小動物用忌避材か
ら選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
壌改良材、脱臭材、遠赤外線照射体、芳香材、吸油材、
吸液材、マスク、乾燥材、寝具類又は小動物用忌避材か
ら選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
【0057】前記建材の具体的な例としては、障子紙、
壁紙、ふすま紙等を挙げることができるのであり、又、
前記乾燥剤としては、機能性付与剤として吸着剤が用い
られており、更に、前記寝具類としては、枕、布団等の
詰め物、或いは、枕カバーやシーツの他、おねしょシー
ト又は床ずれ防止用シート等が挙げられる。
壁紙、ふすま紙等を挙げることができるのであり、又、
前記乾燥剤としては、機能性付与剤として吸着剤が用い
られており、更に、前記寝具類としては、枕、布団等の
詰め物、或いは、枕カバーやシーツの他、おねしょシー
ト又は床ずれ防止用シート等が挙げられる。
【0058】本発明の機能性シートを用いて、小動物を
忌避する方法においては、前記目的を達成するために、
上述の機能性紙シートを用いて小動物を忌避するもので
あり、この場合、機能性付与剤として小動物忌避剤が必
須成分となる。
忌避する方法においては、前記目的を達成するために、
上述の機能性紙シートを用いて小動物を忌避するもので
あり、この場合、機能性付与剤として小動物忌避剤が必
須成分となる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0060】(a)パルプ原料 パルプ原料として、機械パルプの1種である砕木パルプ
を用いた。 (b)機能性付与剤 イ.吸着剤 機能性付与剤における吸着剤としては、活性炭と活性ア
ルミナの混合物(重量比が1:1)を用いた。 ロ.小動物忌避剤 機能性付与剤における小動物忌避剤としては、ヒノキチ
オール溶液に市販の猫忌避剤を溶解ないし分散させた小
動物忌避剤(重量比が1:1)を用いた。 (c)コンポスター BMコンポスター(容積130リットル)を用いた。 (d)家庭用ゴミ袋 一般家庭用ゴミ袋(容積50リットル)を用いた。
を用いた。 (b)機能性付与剤 イ.吸着剤 機能性付与剤における吸着剤としては、活性炭と活性ア
ルミナの混合物(重量比が1:1)を用いた。 ロ.小動物忌避剤 機能性付与剤における小動物忌避剤としては、ヒノキチ
オール溶液に市販の猫忌避剤を溶解ないし分散させた小
動物忌避剤(重量比が1:1)を用いた。 (c)コンポスター BMコンポスター(容積130リットル)を用いた。 (d)家庭用ゴミ袋 一般家庭用ゴミ袋(容積50リットル)を用いた。
【0061】実施例1 本発明の機能性紙シートとして、前記(a)のパルプ原
料100重量部に対し、前記イの吸着剤8.5重量部を
添加したものを円網抄紙機を用いて抄紙した後(厚さ
2.5mm)、カッターで25cm×25cmの正方形
に裁断したものを用いた。
料100重量部に対し、前記イの吸着剤8.5重量部を
添加したものを円網抄紙機を用いて抄紙した後(厚さ
2.5mm)、カッターで25cm×25cmの正方形
に裁断したものを用いた。
【0062】この機能性紙シートを、前記(c)のコン
ポスターの上部に設置されている蓋の裏面に貼着し、生
ゴミの堆肥化に供した。なお、生ゴミは一般家庭から出
る普通の生ゴミであり、3.5kgをコンポスター内に
投入し、これを10日間放置、堆肥化させ、悪臭の有無
を嗅覚で調査したところ、全く悪臭は感じられなかった
(平均外気温15℃程度)。
ポスターの上部に設置されている蓋の裏面に貼着し、生
ゴミの堆肥化に供した。なお、生ゴミは一般家庭から出
る普通の生ゴミであり、3.5kgをコンポスター内に
投入し、これを10日間放置、堆肥化させ、悪臭の有無
を嗅覚で調査したところ、全く悪臭は感じられなかった
(平均外気温15℃程度)。
【0063】実施例2 本発明の機能性シートとして、前記(a)のパルプ原料
100重量部に対し、前記(b)イの吸着剤8.5重量
部を添加したものを円網抄紙機を用いて抄紙した後(厚
さ2.5mm)、カッターで25cm×25cmの正方
形に裁断したものに前記(b)ロの小動物忌避剤17.
5重量部を含浸、担持(圧着)させたものを用いた。
100重量部に対し、前記(b)イの吸着剤8.5重量
部を添加したものを円網抄紙機を用いて抄紙した後(厚
さ2.5mm)、カッターで25cm×25cmの正方
形に裁断したものに前記(b)ロの小動物忌避剤17.
5重量部を含浸、担持(圧着)させたものを用いた。
【0064】この機能性紙シートを、前記(d)の一般
家庭用ゴミ袋の中に入れ、普通に結んだ。なお、ゴミは
一般家庭から出る普通のゴミ(魚や鷄の食べ残り等の生
ゴミ15重量%含む。)であり、このゴミ5.5kgを
用いた(平均外気温15℃程度)。
家庭用ゴミ袋の中に入れ、普通に結んだ。なお、ゴミは
一般家庭から出る普通のゴミ(魚や鷄の食べ残り等の生
ゴミ15重量%含む。)であり、このゴミ5.5kgを
用いた(平均外気温15℃程度)。
【0065】そして、ゴミ5.5kgを一般家庭用ゴミ
袋内に投入した後、5時間後に飼い猫を当該ゴミ袋に近
付けたところ、直ちにこのゴミ袋から逃げた。
袋内に投入した後、5時間後に飼い猫を当該ゴミ袋に近
付けたところ、直ちにこのゴミ袋から逃げた。
【0066】比較例1 比較例1として、ポリエチレン樹脂100重量部に対
し、前記(b)イの吸着剤8.5重量部を添加したもの
をニーダーによって混練したものをシート状(厚さ2.
5mm)に成形し、カッターで25cm×25cmの正
方形に切断し、実施例1と同様にして生ゴミを堆肥化さ
せ、悪臭の有無を嗅覚で調査したところ、相当の悪臭が
感じられた(平均外気温15℃程度)。
し、前記(b)イの吸着剤8.5重量部を添加したもの
をニーダーによって混練したものをシート状(厚さ2.
5mm)に成形し、カッターで25cm×25cmの正
方形に切断し、実施例1と同様にして生ゴミを堆肥化さ
せ、悪臭の有無を嗅覚で調査したところ、相当の悪臭が
感じられた(平均外気温15℃程度)。
【0067】比較例2 比較例2として、ポリエチレン樹脂100重量部に対
し、前記(b)イの吸着剤8.5重量部及び前記(b)
ロの小動物忌避剤17.5重量部を添加し、これをニー
ダーによって混練したものをシート状(厚さ2.5m
m)に成形し、カッターで25cm×25cmの正方形
に切断した。このものを用いて実施例2と同様の猫の忌
避実験を行ったところ、猫がゴミ袋を破り、魚や鷄の食
べ残りを食べようとしたので引き離した。
し、前記(b)イの吸着剤8.5重量部及び前記(b)
ロの小動物忌避剤17.5重量部を添加し、これをニー
ダーによって混練したものをシート状(厚さ2.5m
m)に成形し、カッターで25cm×25cmの正方形
に切断した。このものを用いて実施例2と同様の猫の忌
避実験を行ったところ、猫がゴミ袋を破り、魚や鷄の食
べ残りを食べようとしたので引き離した。
【0068】以上の結果から、各実施例のものは、各比
較例のものと比較して、著しく優れた機能を発現するこ
とが認められる。
較例のものと比較して、著しく優れた機能を発現するこ
とが認められる。
【0069】
【発明の効果】本発明の機能性紙シートは、紙パルプ原
料を抄紙することによりフィルム状ないしシート状に形
成された紙或いは板紙等の紙材を担持体として、これに
機能性付与剤を担持してなり、機能性を至極向上させる
ことができる結果、通気性、吸湿性、悪臭吸収性、吸液
性、溶剤吸収性、油吸収性、染色性、印刷性、接着性、
加工性、素材回収性及び廃棄処理性が著しく優れる効果
を奏するのである。
料を抄紙することによりフィルム状ないしシート状に形
成された紙或いは板紙等の紙材を担持体として、これに
機能性付与剤を担持してなり、機能性を至極向上させる
ことができる結果、通気性、吸湿性、悪臭吸収性、吸液
性、溶剤吸収性、油吸収性、染色性、印刷性、接着性、
加工性、素材回収性及び廃棄処理性が著しく優れる効果
を奏するのである。
【0070】即ち、本発明の機能性紙シートにおいて
は、製造工程上、繊維が網目状に絡み合った構造を有す
る紙材を担持体に用いて機能性紙シートとすることによ
り、機能性紙シートの表面付近に存在する機能性付与剤
のみならず、機能性紙シートの内部に包含された機能性
付与剤についても活性を発現させ、機能性が極度に向上
する効果を有するのである。
は、製造工程上、繊維が網目状に絡み合った構造を有す
る紙材を担持体に用いて機能性紙シートとすることによ
り、機能性紙シートの表面付近に存在する機能性付与剤
のみならず、機能性紙シートの内部に包含された機能性
付与剤についても活性を発現させ、機能性が極度に向上
する効果を有するのである。
【0071】又、機能性付与剤の担持体として、素材回
収性及び廃棄処理性に優れた紙或いは板紙等の紙材を用
いることにより、回収・再利用等のリサイクルや、埋め
立て、焼却等の廃棄処理が簡便であり、取り扱いが簡便
で、二次公害の発生がなく、環境に悪影響を与えること
がない極めて優れた効果を有するのである。
収性及び廃棄処理性に優れた紙或いは板紙等の紙材を用
いることにより、回収・再利用等のリサイクルや、埋め
立て、焼却等の廃棄処理が簡便であり、取り扱いが簡便
で、二次公害の発生がなく、環境に悪影響を与えること
がない極めて優れた効果を有するのである。
【0072】本発明に係る機能性紙製品においては、前
述の機能性シートを用いて形成されており、この機能性
紙製品としては、建材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線
照射体、芳香材、吸油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝
具類又は小動物用忌避材から選ばれた少なくとも1種が
挙げられる。
述の機能性シートを用いて形成されており、この機能性
紙製品としては、建材、土壌改良材、脱臭材、遠赤外線
照射体、芳香材、吸油材、吸液材、マスク、乾燥材、寝
具類又は小動物用忌避材から選ばれた少なくとも1種が
挙げられる。
【0073】そして、前記建材においては、室内の湿度
のコントロールが可能で、けつろうを防いだり、機能性
付与剤を適宜選択して建築物における害虫の発生やカビ
の発生を抑制したり、芳香を発現し、快適な生活環境が
得られるなどの優れた効果が得られるのである。
のコントロールが可能で、けつろうを防いだり、機能性
付与剤を適宜選択して建築物における害虫の発生やカビ
の発生を抑制したり、芳香を発現し、快適な生活環境が
得られるなどの優れた効果が得られるのである。
【0074】又、前記マスクにおいては、本発明の機能
性シートからなり、有害物質を吸着したり、細菌等の発
生を抑制し、常時清潔な状態で使用できる優れた効果を
有するのである。
性シートからなり、有害物質を吸着したり、細菌等の発
生を抑制し、常時清潔な状態で使用できる優れた効果を
有するのである。
【0075】更に、前記寝具類においては、発汗等の生
理作用による水分を好適に吸収したり、ダニ等の発生を
抑制し、常時清潔な状態で使用できるなどの優れた効果
を有するのである。
理作用による水分を好適に吸収したり、ダニ等の発生を
抑制し、常時清潔な状態で使用できるなどの優れた効果
を有するのである。
【0076】加えて、本発明の小動物忌避材において
は、小動物を忌避するためのものであり、機能性付与剤
を適宜選択して、犬、猫、ネズミ、鳥等の小動物のみな
らず、ダニ、細菌等をも忌避することができるなどの優
れた効果を有するのである。
は、小動物を忌避するためのものであり、機能性付与剤
を適宜選択して、犬、猫、ネズミ、鳥等の小動物のみな
らず、ダニ、細菌等をも忌避することができるなどの優
れた効果を有するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/32 C09K 3/32 S C11B 9/00 C11B 9/00 Z D21H 21/36 D21H 21/36 Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC01 HH05 JJ06 KK08 LL10 MM03 MM05 NN24 QQ20 4C098 AA09 CC40 DD02 4H059 BC23 BC44 CA53 DA09 DA17 DA26 4L055 AG02 AG17 AG43 AH50 AJ03 BD10 BE08 BE10 FA11 FA19 FA30 GA21 GA26 GA42 GA46
Claims (9)
- 【請求項1】 紙パルプ原料を抄紙することによりフィ
ルム状ないしシート状に形成された紙材であって、この
紙材には機能性付与剤が担持されていることを特徴とす
る機能性紙シート。 - 【請求項2】 紙パルプ原料には、機能性付与剤を添加
することにより、紙材に当該機能性付与剤を混入させて
いる請求項1に記載の機能性紙シート。 - 【請求項3】 紙材にはその少なくとも片面に機能性付
与剤を塗布することにより当該紙材に機能性付与剤を担
持させる請求項1又は2に記載の機能性紙シート。 - 【請求項4】 紙材における少なくとも機能性付与剤の
形成面側には耐水性が付与されている請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の機能性シート。 - 【請求項5】 機能性付与剤が、脱臭作用及び/又は吸
湿作用を有する吸着剤、犬、猫、鳥、虫等の小動物を忌
避する作用を有する小動物忌避剤、遠赤外線照射体又は
植物抽出液或いは植物乾留液などの芳香剤から選ばれた
少なくとも1種である請求項1ないし4のいずれか1項
に記載の機能性紙シート。 - 【請求項6】 紙材にはその少なくとも片側面に粘着剤
層が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に
記載の機能性紙シート。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
された機能性シートを用いて形成された機能性紙製品。 - 【請求項8】 機能性紙製品が、建材、土壌改良材、脱
臭材、遠赤外線照射体、芳香材、吸油材、吸液材、マス
ク、乾燥材、寝具類又は小動物用忌避材から選ばれた少
なくとも1種である機能性紙製品。 - 【請求項9】 寝具類が、おねしょシート又は床ずれ防
止用シートである請求項8に記載の機能性紙製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36018099A JP2001172896A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 機能性紙シート及びこれを用いた機能性紙製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36018099A JP2001172896A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 機能性紙シート及びこれを用いた機能性紙製品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001172896A true JP2001172896A (ja) | 2001-06-26 |
Family
ID=18468262
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36018099A Pending JP2001172896A (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | 機能性紙シート及びこれを用いた機能性紙製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001172896A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020046936A (ko) * | 2000-12-09 | 2002-06-21 | (주)소프니 | 종이 이불 및 그 제조 방법 |
JP2006136586A (ja) * | 2004-11-15 | 2006-06-01 | Achilles Corp | 消臭シート |
JP2006316382A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Toppan Printing Co Ltd | パルプの改質方法、および、改質パルプ、および、この改質パルプより加工された機能紙シートおよびその製造方法、および、この機能性シートより加工された機能性フィルター |
JP2007262594A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Kimura Chem Plants Co Ltd | 機能性粒子含有率の高い機能性セルロース材料及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-12-20 JP JP36018099A patent/JP2001172896A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20020046936A (ko) * | 2000-12-09 | 2002-06-21 | (주)소프니 | 종이 이불 및 그 제조 방법 |
JP2006136586A (ja) * | 2004-11-15 | 2006-06-01 | Achilles Corp | 消臭シート |
JP2006316382A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Toppan Printing Co Ltd | パルプの改質方法、および、改質パルプ、および、この改質パルプより加工された機能紙シートおよびその製造方法、および、この機能性シートより加工された機能性フィルター |
JP2007262594A (ja) * | 2006-03-27 | 2007-10-11 | Kimura Chem Plants Co Ltd | 機能性粒子含有率の高い機能性セルロース材料及びその製造方法 |
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