JPH05295211A - 水崩壊性吸水性又は粘着剤用剥離性組成物 - Google Patents

水崩壊性吸水性又は粘着剤用剥離性組成物

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JPH05295211A
JPH05295211A JP4094378A JP9437892A JPH05295211A JP H05295211 A JPH05295211 A JP H05295211A JP 4094378 A JP4094378 A JP 4094378A JP 9437892 A JP9437892 A JP 9437892A JP H05295211 A JPH05295211 A JP H05295211A
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JP
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water
weight
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disintegratable
polyvinyl alcohol
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JP4094378A
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Masahiro Shigemitsu
正弘 重光
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THREE S TECHNOL BV
Original Assignee
THREE S TECHNOL BV
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄物による環境汚染を防止して、使用後は
水に崩壊し、かつ生分解される特性を有する吸水性又は
粘着剤用剥離性組成物を開発する。 【構成】 ポリビニルアルコール及びポリエチレングリ
コールに高吸水性ポリマー(及びステアリン酸もしくは
エチレン・ビス・ステアロアマイド)又は硫酸マグネシ
ウムを配合して成る水崩壊性吸水性又は粘着剤用剥離性
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水崩壊性吸水性組成物
に関し、更に詳しくは、高吸水性ポリマー微粒子を、そ
の吸水能力を減少させることなく、薄膜状に分散形成せ
しめることにより、従来、連続に近い皮膜として使用で
きなかった高吸水性ポリマーの用途を拡大し、新しい機
能を有する水崩壊性吸水性シートとして利用するのに有
用な水崩壊性吸水性組成物に関する。
【0002】本発明は、また、粘着剤用剥離性組成物に
関し、更に詳しくは、現在、高価なシリコーンポリマー
の塗布によって得られ、使用後は廃棄するだけで年間約
1,700,000,000m2 の値が示すように大量使用されてい
る粘着剤剥離用紙の代わりに使用することができる、使
用後は回収して反復使用することができ、しかも最終的
には水中にて崩壊し、微生物にて分解される安価な、粘
着剤用剥離性組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】高吸水性ポリマーは、通常無色の微結晶
として得られるが、それ自身殆ど接着性がなく、水を吸
収した場合には、それぞれの粒子がばらばらにゲル化し
て不均一な不連続層を形成するのが普通である。従来、
高吸水性ポリマーの使用方法として、2枚のティシュ・
ペーパーの間に高吸水性ポリマー粉末を散布したり、綿
状パルプなど吸水性素材の中に添加混合したりする方法
などが知られているが、連続的な吸水性の薄層を形成す
ることはできなかった。
【0004】高吸水性ポリマーの用途としては、紙おむ
つ、生理用品などの吸水剤、土壌用保水剤、吸湿剤、結
露防止剤などがあげられるが、従来の主要な使用状況
は、紙おむつ、生理用品だけである。これらの商品の構
造は、基本的には殆ど同一で、排泄物の量において、紙
おむつの方が、生理用品に比べて非常に多いので、吸水
部分は、厚さ約1cmの綿状パルプで、面積は小児用で約
300cm2、成人用で約 2000cm2である。この綿状パルプ中
に高吸水性ポリマー粉末が分散されているが、空間が非
常に大きいため、嵩高で、水分がこの部分に停滞して高
吸水性ポリマーに吸収されないという問題がある。一
方、生理用品の場合には排泄物の量に応じて、高吸水性
ポリマーを分散させた綿状パルプまたは不織布が使用さ
れているが、いずれにしても、従来の高分子吸水性ポリ
マー粉末の分散した構造においては、水不溶性プラスチ
ックのネットまたはフィルムを使用してサンドイッチ状
に挟むことが必要条件となり、従って排泄物の付着した
嵩ばったおむつ、生理用品を一般の廃棄物と同時に捨て
るという非常に非衛生的な行為が日常行われている。し
かも我が国においては、約 300,000トン/年の綿状パル
プおよび約20,000トン/年の高吸水性ポリマーがこの分
野において消費されていることから推定すると、想像を
絶する量の排泄物が、一般の廃棄物と同時に処理されて
いることになる。これらの排泄物は当然、各家庭の水洗
トイレットから下水処理場に流されて処理されなければ
ならないものである。
【0005】また、食品の包装に使用されている発泡ポ
リスチレン・シートは廃棄処理が大きな問題となってい
る。即ち、通常の環境において分解されず、燃焼カロリ
ーが大きくまた発泡した素材であるため、回収費用がか
さんで再利用も困難で有効な対策が希まれている。
【0006】一方、粘着剤または粘着テープの剥離紙と
しては、一般に、撥水性で不活性な表面を形成するシリ
コーンポリマーを塗布、加熱重合した紙が使用されてい
る。剥離紙そのものは使用後は、廃棄するのみである
が、前記したような処理のため高価で且つ廃棄後も微生
物により生分解されることがなく、年間 1,700,000,000
2 の値が示す大量消費の商品の一つとしてその価格と
廃棄物としての処理方法が社会問題となっている。剥離
用紙は基材によってポリエチレン・ラミネート、グラシ
ン、スーパーカレンダードクラフト、クレーコート、水
系樹脂コート、フィルムベース等があげられるが、いず
れも表面はシリコーンポリマーの塗布、加熱によって得
られた高価な、そして使用後の廃棄処理に大きな問題を
与えている水不溶性タイプである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従
来、市販されている紙おむつ、生理用品などは、その使
用状況から要求される機能を満足させるために、現在の
ような構造をとっているものであるが、この主要な要因
は高吸水性ポリマーが連続的なフィルムを構成すること
ができないで、接着性の殆どない粉末状として使用せざ
るを得ない点にある。従って本発明は前記した紙おむ
つ、生理用品の廃棄処理の問題を解決し、多量の綿状パ
ルプの消費を減少させることの可能な水崩壊性吸水性
で、最終的には大部分の成分が微生物で生分解され、下
水処理場で処理可能なシートとすることができる水崩壊
性吸水性組成物を提供することを目的とする。
【0008】また前記したように、発泡ポリスチレン・
シートの包装材料としては優れた機能を有するが、適切
な廃棄処理方法がないので、この包装材料としての既存
の機能の外に吸水性、殺菌性、消臭性等を与えると共
に、廃棄処理の容易な素材を提供することにある。
【0009】一方、前記したように、従来の接着剤用剥
離用紙は撥水性の表面を形成し、その結果として非常に
不活性な表面が得られるシリコーンポリマーの塗布、加
熱によるシリコーン塗布紙が中心となっている。使用さ
れている粘着剤は親油性の素材が殆どで、特にホットメ
ルト系粘着剤が使用される場合には、シリコーンポリマ
ー系剥離用紙でも、若干の粘着性残留率低下の問題が見
受けられるので、もし熱可塑性で水溶性であり剥離性を
示すものが得られるならば、使用の可能性は非常に期待
されるものである。従って本発明は前記したシリコーン
系剥離紙の撥水性の不活性表面とは全く逆の親水性で常
に微量の水分を含有した薄膜を形成する表面を有し、か
つ親油性の粘着剤との剥離性を有する、粘着性残留率が
良好で、使用後は、回収して加熱混合し、剥離用素材と
して反復使用が可能であり、最終的には水中にて崩壊
し、微生物によって分解される、安価な水崩壊性粘着剤
用剥離性組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、平均重
合度 500〜2400の水崩壊性ポリビニルアルコール 100重
量部、平均分子量 400〜 20000のポリエチレングリコー
ル10〜 100重量部及び高吸水性ポリマー1〜5重量部か
らなる湿潤強度の高い水崩壊性吸水性組成物が提供され
る。
【0011】本発明に従えば、また、平均重合度 500〜
2400のポリビニルアルコール 100重量部、平均分子量 4
00〜 20000のポリエチレングリコール10〜 100重量部及
び硫酸マグネシウム10〜50重量部からなる水崩壊性粘着
剤用剥離性組成物が提供される。
【0012】本発明の第一の態様によれば、水崩壊性ポ
リビニルアルコール、ポリエチレングリコール及び高吸
水性ポリマーを含んでなる組成物をフィルムもしくはシ
ート、又は前記組成物の水分散体を紙または不織布に塗
布、乾燥させることによって、水崩壊性の吸水性シート
を得ることができる。
【0013】即ち、本発明の第一の態様に従えば、平均
重合度 500〜2400の水崩壊性ポリビニルアルコール 100
重量部、平均分子量 400〜 20000のポリエチレングリコ
ール10〜 100重量部、好ましくは10〜50重量部及び高吸
水性ポリマー1〜5重量部、好ましくは1〜3重量部を
温度 160〜 180℃で加熱混練して得られる組成物をT−
ダイ方式で、押し出すことによって水崩壊性吸水性のフ
ィルムまたはシートを得ることができる。また、前記組
成物を水に溶解、分散させた水分散体を紙または不織布
に塗布、乾燥することによって水崩壊性吸水性の紙また
は不織布を得ることができる。本発明で得られる吸水性
シートは、厚さ 100ミクロン及び面積100cm2の場合に
は、少なくとも20mlの水分吸収能力を有しているので、
要求される水分吸収量に応じて任意の枚数の前記シート
を重ね合わせて所望の吸水性シートを得ることができ
る。更に本発明の特筆すべき機能は、水分を含有した前
記の紙または不織布の湿潤強度が既存の同質のものに比
べて2〜3倍の高い値を有していることである。通常、
未処理の紙または不織布の場合においては、水分を吸収
した場合に、それらの湿潤強度は極端に低下して使用に
耐えないが、本発明においては、水分はシートまたはフ
ィルム中に均一に分散した高吸水性ポリマーに吸収さ
れ、紙または不織布を形成するパルプには殆ど吸収され
ないので、大きい湿潤強度を示すことが可能となる。し
かし、大量の水中においては、過剰の水はパルプ中に吸
収され水に崩壊して、最終的には微生物によって生分解
される。
【0014】更に前記した構成の組成物中に、殺菌剤又
は消臭剤が添加された場合には、湿潤強度の向上に殺
菌、消臭の機能が加わるので、衛生用品としての各種の
応用展開が更にひらける。
【0015】前記した本発明の水崩壊性吸水性組成物
は、大きな湿潤強度と吸水性、殺菌作用、消臭作用があ
り、使用時は従来にない優れた機能を示しながら、使用
後は、容易に水に崩壊するので、衛生用品の場合、水洗
トイレットに投入して流すことができるという特長を有
する。
【0016】本発明の水崩壊性吸水性組成物は、前記し
た衛生用品の外に、その使用後の廃棄の問題で大きな社
会問題となっている発泡スチレン製食品包装用トレイの
代わりに食品包装用トレイとして使用でき、従来品と異
なり、魚肉、畜肉等の水分、ドリップ、血液、臭気の吸
収が可能で、使用後は多量の水で容易に崩壊するので、
回収に際して、古紙回収のルートに流すことができ、最
終的には、微生物によって生分解され、使用時の優れた
機能と共に廃棄の問題のない商品となり得るものであ
る。使用時、特に耐水性が要求される場合には、パラフ
ィン・ワックスまたはマイクロクリスタリン・ワックス
を少量混合することによって、使用時は使用に耐える耐
水性を有し、使用後は古紙回収のプロセスにおいて容易
に水に崩壊する組成物とすることもできる。
【0017】本発明の第二の態様によれば、平均重合度
500〜2400のポリビニルアルコール100 重量部、平均分
子量 400〜 20000のポリエチレングリコール10〜 100重
量部、好ましくは10〜50重量部及び硫酸マグネシウム10
〜50重量部、好ましくは10〜20重量部、場合によっては
更にステアリン酸又はエチレン・ビス・ステアロアマイ
ド1〜10重量部、好ましくは1〜4重量部を温度 160〜
180℃で加熱混練し、厚さ20〜50ミクロンのフィルムを
成型することによって、水崩壊性粘着剤剥離用離型用フ
ィルムを得ることができる。また上記組成物をポリビニ
ルアルコールの濃度が20〜30重量%になるように水で希
釈して得られる水溶液を、水崩壊性紙表面に塗工、乾燥
することによって、水崩壊性粘着剤剥離用離型紙を得る
ことができる。更に、使用後の紙と張り合せしていない
フィルム状の組成物は、回収して加熱混合し、T−ダイ
方式でフィルム状に再加工することにより、剥離用フィ
ルムとして反復使用することが可能である。
【0018】本発明の第二の態様では、吸湿性の非常に
少ないポリエチレングリコールを可塑剤として含有する
ポリビニルアルコールに吸水能力の大きい白色微粉末状
の硫酸マグネシウムを添加することによって湿潤状態に
おける水分の吸収を効果的に行うことが可能で、薄膜状
の水分が優れた剥離作用を示している。更に、前記組成
物中にエチレン・ビス・ステアロアマイドを少量添加す
ることにより、湿度の高い状態での耐湿性の改良が行わ
れ、両成分の相反する剥離効果によって、従来の離型剤
に見られなかった優れた剥離作用を示し、しかも本発明
の離型性組成物は水中にて容易に崩壊し、最終的にはそ
の主成分は微生物によって生分解され、環境に対して良
好な結果をもたらすものである。一般に、粘着剤用剥離
性組成物としてはシリコーンポリマーが用いられ、この
ものの紙表面への塗布、加熱重合によって得られる不活
性面の剥離作用が活用されているが、逆にその安定性の
ため、多量の廃棄物の処理が大きな社会問題となってい
ることは前述の通りであるが、この問題は本発明によっ
て効果的に解決することができる。
【0019】本発明に使用する高吸水性ポリマーとして
は、例えばデンプン、セルロース、ポリアクリル酸、ポ
バール、ポリオキシ−エチレン等を、架橋剤、自己架
橋、放射線照射等によって網状化反応を行うことによっ
て得られるポリマーをあげることができ、要は水を 100
g/g以上吸収するものであれば任意のポリマーを使用
することができる。上記した高吸水性ポリマーのうち、
ポリアクリル酸を主原料とする安全性の高いポリマー
で、マウスおよびラットを用いた経口急性毒性試験、ラ
ットを用いた1ケ月亜急性毒性試験、モルモットを用い
た接触アレルギー性試験、変異原性試験、皮膚一次刺激
性試験、30日間皮膚累積刺激性試験等において全く安全
なデータを示している。またこの種の化合物の特性とし
て光照射によって極めて容易に分解される。
【0020】本発明において使用するポリビニルアルコ
ールは Pseudomonas系の細菌によって分解、資化される
ことが証明されており(例えば T.Suzuki et al., Agr.
Biol. Chem., 37, 747 (1973)、C.Sakazawa et al., A
ppl. Environ. Microbiol.,41, 261 (1981)、M.Shimao
et al., Appl. Environ. Microbiol., 49, 8 (1985)
参照) 、また人体の皮膚、粘膜に接触しても、消化管内
に経口摂取しても、人体組織に吸収されることなく、実
際上全く無害である。
【0021】本発明に用いられるポリエチレングリコー
ルは生分解され易い合成高分子の一例であり、刺激性や
毒性が殆どなく、口や皮膚に触れても殆ど障害を起こす
ことがないので医薬品の調剤などに使用されている。ま
たポリビニルアルコールの吸湿性の少ない可塑剤として
も有用である。例えば人体に対しては平均分子量6000の
ポリエチレングリコールを投与しても12時間以内に96%
排泄され、吸収されたポリエチレングリコールは生体内
でグリコール酸とシュウ酸に分解される。ラットのLD50
は表1に示すように毒性は非常に小さいものである。
【0022】 表1 ラットに対する経口毒性(LD50 ─────────────────────────────────── ポリエチレングリコール 平均分子量 400 1000 4000 6000 20000 ─────────────────────────────────── LD50(gr/kg) 43.6 44.2 59 50以上 50以上 ───────────────────────────────────
【0023】本発明において使用されるポリエチレング
リコールは平均分子量 400〜20,000のものであり、必要
に応じて、平均分子量の異なるポリエチレン・グリコー
ルを混合し、適当な物性値を得ることが好ましい。
【0024】
【実施例】次に実施例で本発明を具体的に説明するが、
本発明をこれらの実施例に限定するものでないことはい
うまでもない。
【0025】実施例1 鹸化度88%、平均重合度 500の水崩壊性ポリビニルアル
コール 100重量部及び平均分子量 400のポリエチレング
リコール10重量部を水1000重量部に添加混合し、40〜50
℃に加温して溶解させた。この溶液にメタノール 400重
量部を添加し、次に、高吸水性ポリマー(荒川化学工業
(株)アラソーブ 750)5重量部を充分かきまぜながら
徐々に添加混合して、均一な水性分散体を得た。このよ
うにして得られた水性分散体をグラビア印刷方式で印刷
して得られるパルプ製不織布の湿潤時の引張り強度は19
80gr/18cm2で吸水量は 40gr/100cm2であった。一方、上
記組成において、高吸水性ポリマーを添加しなかった以
外は同様にして得たパルプ製不織布の湿潤時の引張り強
度は、600gr/18cm2 で、前記の約 1/3の強度しか示さ
ず、吸水量は 15gr/100cm2で高吸水性ポリマーを含む場
合の約1/3 であった。前記したように高吸水性ポリマー
を配合した素材は、大きな吸水性及び湿潤強度を有し、
しかも水で容易に崩壊して最終的には微生物によって生
分解されるので、紙おむつ、生理帯、ウェット・ティシ
ュー、魚肉および畜肉用トレイ、水崩壊性離型紙などの
素材として好適である。
【0026】実施例2 実施例1に示した方法で調製した複合シートに、消臭剤
としてピナン・ハイドロパーオキサイド 0.5%水溶液を
塗布し、厚さ約3mmの発泡ポリウレタンシートに重ね合
わせて「おむつ」として使用した。このものは厚さ約0.
6mm と非常に薄いが、使用時において必要な耐水性を有
し、著しい消臭効果を示し、殆ど無臭の状態であること
が認められた。そして使用後、複合シートは発泡ポリウ
レタンシートから取り外して水洗トイレットに流せば、
水中で容易に崩壊するので水洗トイレットにそのまま流
すことができる。これは、従来使用されている「おむ
つ」が厚さ5〜10mmと大きな容量を有し、しかも水に崩
壊しないため、水洗トイレットに流すことはできないこ
とを考えれば画期的なことである。
【0027】実施例3 平均重合度 500の水崩壊性ポリビニルアルコール20重量
部、平均分子量 400のポリエチレングリコール30重量
部、高吸水性ポリマー(荒川化学工業(株)アラソーブ
750)5重量部、エタノール20重量部及びイソプロパノ
ール20重量部を配合して分散体を得た。この分散体を塗
布して、厚さ 600ミクロンのパルプ原紙を得た。この原
紙にピナン・ハイドロパーオキサイド 0.5%水溶液、殺
菌剤としてオクタデシルジメチルアンモニウムクロライ
ド1%エタノール溶液の混合水溶液を噴霧して、加工原
紙を得た。前記未処理原紙と、加工原紙とを密着させて
重ね合わせたものを巾約130mm のロール状に巻き取り、
トイレット掃除用シートを調製した。この実施例で得ら
れたロール状シートは湿潤強度が大きい(2000gr/18c
m2)ので、トイレット・ペーパーと同様に簡便に使用す
ることができ、便器の掃除、消毒が容易に行われ、更に
室内の消臭効果も認められた。
【0028】実施例4 鹸化度88%及び平均重合度 500の水崩壊性ポリビニルア
ルコール 100重量部、平均分子量 20000のポリエチレン
グリコール5重量部、酸性白土20重量部、高吸水性ポリ
マー(荒川化学工業(株)アラソーブS-100F)1重量部
及びステアリン酸6重量部を温度 160〜 180℃で加熱混
練し、T−ダイ方式で厚さ約 200ミクロンのシートを得
た。このシートに、実施例1のパルプ製不織布を温度 1
50℃で熱時、張り合わせて得られた複合素材は、温度約
130℃で真空成型が可能で、この方法で得られた食品包
装用トレイは、充分な湿潤強度を有し、魚肉、畜肉の水
分、ドリップ、血液、臭気を吸収して、しかも廃棄に際
して水中にて崩壊し、古紙回収のプロセスに適合するの
で、従来、使用されて廃棄の問題を抱えている発泡スチ
ロールに比べて非常に優れた機能を有している。
【0029】実施例5 鹸化度88%及び平均重合度 500のポリビニルアルコール
100重量部、平均分子量 20000のポリエチレングリコー
ル10重量部、硫酸マグネシウム20重量部及びエチレン・
ビス・ステアロアマイド10重量部を温度 160〜 180℃で
加熱混合し、T−ダイ方式で厚さ約50ミクロンのフィル
ムを得た。得られたフィルムは、溶剤型アクリル系粘着
剤およびホット・メルト系粘着剤に対して、良好な剥離
性を有し、更に水中に投入した場合には、容易に溶解し
てその形状を消失した。更に、このフィルムは最終的に
は微生物によって生分解される。次いで、前記加熱混合
物を、ポリビニルアルコールの4倍量の水で溶解し、水
崩壊性紙に塗布、乾燥して得られる用紙も、前記の場合
と同様に、粘着剤に対して良好な剥離性を有し、水中に
投入すると容易に溶解し、その形状を消失した。しか
も、その主成分は最終的には微生物によって生分解され
る。
【0030】実施例6 鹸化度88%及び平均重合度2400のポリビニルアルコール
100重量部に、平均分子量 400のポリエチレングリコー
ル 100重量部及び硫酸マグネシウム50重量部を温度 160
℃で加熱混練してT−ダイ方式で厚さ約50ミクロンのフ
ィルムを得た。このようにして得られたフィルムは、溶
剤型アクリル系粘着剤及びホット・メルト系粘着剤に対
して良好な剥離性を示し、水中に投入した場合には、非
常に簡単に溶解し形状を消失した。このフィルムは最終
的には微生物によって生分解される。次いで、前記加熱
混合物を、ポリビニルアルコールの4倍量の水で溶解
し、水崩壊性紙に塗布、乾燥して得られた用紙も、前記
の場合と同様に、粘着剤に対して良好な剥離性を有し、
水中に投入すると容易に溶解し、その形状を消失した。
しかも、最終的には微生物によって生分解される。なお
この例のように、エチレン・ビス・ステアロアマイドを
配合しない場合にも、剥離強度は若干大きい値を示す
が、非常に低価格の目的物を得ることができる。
【0031】実施例7 鹸化度87%及び平均重合度 500のポリビニルアルコール
100重量部に、平均分子量 400のポリエチレングリコー
ル40重量部、硫酸マグネシウム20重量部及び炭酸カルシ
ウム30重量部を、温度 160℃で加熱混練してT−ダイ方
式で厚さ約50ミクロンのフィルムを得た。このようにし
て得られたフィルムは、溶剤型アクリル系粘着剤及びホ
ット・メルト系粘着剤に対して良好な剥離性を示した。
しかも、粘着テープ使用後に剥離された剥離フィルムは
回収して、加熱混練し、T−ダイ方式でフィルムとして
再生すると、本発明の目的に適合する剥離用フィルムと
して再度使用することが可能であった。このように、本
発明によれば、生理帯の装着のように個人的に使用する
少量の場合は水中に投入して処理し、工場の生産に使用
する大量の場合は、回収、加熱混練してフィルムとして
反復使用が可能となり、環境に対して極めて良好な製品
を与えることができる。
【0032】実施例8 鹸化度98%及び平均重合度1000のポリビニルアルコール
100重量部を、水 900重量部中で温度40〜50℃で加熱溶
解して得られるポリビニルアルコール水溶液1000重量部
に、アルギン酸5重量部を添加溶解する。この水溶液
は、アルギン酸の添加によって、大腸菌、ブドウ状球菌
に対する殺菌作用と、魚肉臭気成分であるトリメチルア
ミンを吸収して消臭効果を有する。パルプ 100重量部に
前記ポリビニルアルコール水溶液 500重量部を加えてシ
ート状に成形して乾燥する。更に、その片面に、セルロ
ース・アセテート・プロピオネート20%溶液を塗布乾燥
する。このものは温度 130〜 150℃で容易に真空成型法
によって各種の食品用トレイ、弁当用容器を作ることが
できる。しかもこれらは前記したように、殺菌作用、消
臭作用を有し、24時間以上、水中に浸漬されるとき、ポ
リビニルアルコールが水に溶解してトレイは漸次崩壊し
てパルプ粒子状に分解する。水田より採取した湿潤状態
の土中におかれるときは6ヶ月以上の期間で崩壊する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/15 B32B 27/08 7258−4F C08J 5/18 CEX 9267−4F C08K 5/02 5/09 5/14 5/20 C08L 71/02 LQC 9167−4J LQE 9167−4J 97/02 LSW 7415−4J C09J 7/02 JKS 6770−4J JKT 6770−4J //(C08L 29/04 71:02 9167−4J 101:00) 7242−4J 29:04 6904−4J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均重合度 500〜2400の水崩壊性ポリビ
    ニルアルコール 100重量部、平均分子量 400〜 20000の
    ポリエチレングリコール10〜 100重量部及び高吸水性ポ
    リマー1〜5重量部からなる湿潤強度の高い水崩壊性吸
    水性組成物。
  2. 【請求項2】 ステアリン酸又はエチレン・ビス・ステ
    アロアマイド1〜10重量部を更に含む請求項1に記載の
    水崩壊性吸水性組成物。
  3. 【請求項3】 殺菌剤を更に含む請求項1又は2に記載
    の水崩壊性吸水性組成物。
  4. 【請求項4】 消臭剤を更に含む請求項1又は2に記載
    の水崩壊性吸水性組成物。
  5. 【請求項5】 パルプ 100〜 200重量部を加えてシート
    状に成型し、片面にセルロース・アセテート・プロピオ
    ネート薄膜を有する請求項1、3または4に記載の水崩
    壊性吸水性組成物。
  6. 【請求項6】 平均重合度 500〜2400のポリビニルアル
    コール 100重量部、平均分子量 400〜 20000のポリエチ
    レングリコール10〜 100重量部及び硫酸マグネシウム10
    〜50重量部からなる水崩壊性粘着剤用剥離性組成物。
  7. 【請求項7】 エチレン・ビス・ステアロアマイド1〜
    10重量部を更に含む請求項5に記載の水崩壊性粘着剤用
    剥離性組成物。
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