JP4313741B2 - 墓石の免震装置及び免震装置を備えた墓石 - Google Patents

墓石の免震装置及び免震装置を備えた墓石 Download PDF

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Description

本発明は、地震等による墓石の倒壊を防ぐために墓石の一部に組み込んで設置される墓石の免震装置及び該免震装置を備えた墓石に関するものである。
墓石は所望の形状、大きさに切断され、表面が研磨された種々の石を組み上げるだけの簡単な構成によって据え付けられている。これらの石は比較的重量が重く、雨や風に曝されていても位置ずれや倒壊等のおそれはほとんどない。
しかし地震等によって強い振動を受けた場合には、上記のような簡単な構成に起因して基台部上に載置される墓石本体部が移動したり、傾いたりすることが予想され、上記墓石の位置ずれや倒壊等が生じ得る。
特に地震の多い我国にあっては、地震による墓石の位置ずれや倒壊を防ぐ免震装置等の必要性は高く、既設及び新設の両方の墓石に対応できる墓石用の免震装置の開発が望まれていた。
本発明は、上記の背景技術及び背景技術が抱えていた問題点の存在を踏まえてなされたものであって、既設及び新設の両方の墓石に対応でき、据え付け工事が簡単で、所望の免震効果を発揮できる墓石の免震装置及び該免震装置を備えた墓石を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に記載した発明は、基台部と基台部の上に設置される墓石の本体部から成る墓石の一部に組み込んで設置される墓石の免震装置において、前記本体部を水平方向に摺動させるスライド機構と、弾性変形することにより振動を吸収し且つ本体部の基台部に対する相対位置を当初の位置に戻す付勢力を発生するバネ手段とを備え、さらに、前記本体部側に取り付けられる載置板と、前記載置板の下面に取り付けられる上部バネ取付板と、前記基台部側に取り付けられる下部バネ取付板とを備え、前記スライド機構と前記バネ手段は前記上部バネ取付板と前記下部バネ取付板との間に配設されていることを特徴とする墓石の免震装置である。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した墓石の免震装置において、スライド機構は基台部側に設けられる滑り板と、滑り板の上面に摺接し、本体部側に設けられる滑り材とを備えていることを特徴とする墓石の免震装置である。
請求項3に記載した発明は請求項1または2に記載した墓石の免震装置において、バネ手段は内側端部が上部バネ取付板に接続され、外側端部が下部バネ取付板に接続された複数本の引張りコイルバネを平面視において十字形状に張設することによって構成されていることを特徴とする墓石の免震装置である。
請求項に記載した発明は、基台部の上に本体部を設置することによって構成されている墓石において、基台部と本体部との間には請求項1〜のいずれかに記載の墓石の免震装置が設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した免震装置を備えた墓石において、基台部には免震装置を支持するための受け金物が取り付けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した免震装置を備えた墓石において、基台部の内部空間には、免震装置を支持するための受け金枠と、受け金枠を支持するための支持構造とが設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した免震装置を備えた墓石において、支持構造は、基台部の内部空間底面に埋設される複数本の杭と、杭の上方に立ち上げられる複数本の脚柱と、隣接する脚柱間を連絡する複数本の補強ブレースとを備えていることを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項に記載した発明は、請求項に記載した免震装置を備えた墓石において、脚柱の取付角度を可変して受け金枠の設置高さ及び水平方向の位置を調整する受け金枠調整手段を具備したことを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項に記載した発明は、請求項のいずれかに記載した免震装置を備えた墓石において、免震装置のスライド機構及びバネ手段が収容されている空間を密閉するシール部材が設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
請求項10に記載した発明は、請求項のいずれかに記載した免震装置を備えた墓石において、本体部が摺動する際に、免震装置と基台部とが接触するのを防止する緩衝材を備えたことを特徴とする免震装置を備えた墓石である。
本発明の墓石の免震装置によれば、墓石の基台部が地震等によって地面といっしょに振動したとしても、バネ手段が弾性変形することにより振動を吸収し、本体部が振動するのを抑えることができ、墓石の本体部の位置ずれや基台部からの落下等に伴う墓石の倒壊等が防止される。さらに、振動が止まれば、本体部はバネ手段の付勢力によって当初の位置に戻る。
また、既設と新設の両方の墓石に免震装置を取り付けることが可能となる。
以下、下記に示す実施例1と実施例2を例にとって、本発明に係る墓石の免震装置及び該免震装置を備えた墓石の構成及び免震装置の作動態様と併せて墓石の据え付け手順について説明する。
実施例1では新たに墓石を据え付ける場合に適用できる墓石の構成と、基本的な免震装置の構成について説明し、実施例2では既設の墓石に免震装置を取り付ける場合の構成を説明する。
実施例1に係る墓石1は、図1に示すように基台部3の上に本体部5を設置することによって構成されている。基台部3は、墓地の地面を掘削して載置されるベース72と、このベース72上に載置される根石7と、根石7上に載置される中石9と、中石9上に載置される均石11とを矩形台状に組み上げることによって構成されている。
本体部5は、後述する本発明の免震装置25を介して上述の基台部3上に設置される芝台13と、芝台13上に設置される中台15と、中台15の手前側の開口部を塞ぐように芝台13上に設置される水鉢17と、水鉢17を挟むようにその左右の芝台13上に設置される花立19と、中台15上に設置される上台21と、上台21上に設置される竿石23とを組み上げることによって構成されている。
基台部3の内部空間27内には、中石9の内壁面を利用して中石9と均石11との境界部位に受け金物29が対向する位置に2本設けられている。そしてこの受け金物29上には下部架台31が載置され、下部架台31上に設置される免震装置25の上面、芝台13の内部には上枠33が設置されている。
受け金物29は、下部架台31を支持するための部材であり、図1、4等に示すように断面L字状の型鋼(以下アングル材という)を適宜の長さに切断したものである。また受け金物29は上下逆向きで設けられ、中石9の内壁面にボルト35によって受け金物29は固定されている。
受け金物29の穴には雄ネジシャフト62が挿通され、受け金物29を挟んで雄ネジシャフト62に螺合されたナット64によって固定されている。雄ネジシャフト62は受け金物29の上面から突出している。
下部架台31は2本ずつ長さの違う計4本のアングル材を矩形枠状に溶接等によって接合して組み立て、更に2本長尺なアングル材を用意して組み立てた矩形枠状のアングル材における短寸側の胴部を左右対称となるよう適宜の間隔を空けて貫くように設けることによって形成されている。下部架台31の幅寸法と奥行寸法は基台部3の内部空間27の幅寸法と奥行寸法より僅かに小さく、下部架台31の高さ寸法は、均石11の高さ寸法の3分の2くらいの高さに設定されている。
また、下部架台31の穴には受け金物29に固定されている雄ネジシャフト62が挿通されており、下部架台31は雄ネジシャフト62に螺合するナット64によって受け金物29に取り付けられている。
上枠33は、4本のアングル材を平面視正方形状に配設し、溶接等によって接合して組み立てたものである。上枠33は図3、4に示すように芝台13の内壁面及び次に述べる本発明の免震装置25における載置板37にボルト35を使用して固定されている。
上枠33の幅寸法と奥行寸法は芝台13の内法寸法に合わせ、上枠33の高さ寸法は芝台13の高さ寸法の3分の2くらいの高さに設定されている。
本発明の墓石の免震装置25は上述したように基台部3に固定される下部架台31と本体部5に固定される上枠33との間に設けられている。従って、免震装置25は墓石1の一部に組み込まれて設置される。
この免震装置25にはスライド機構39とバネ手段41とが備えられている。また免震装置25には、上枠33の下面に取り付けられる上述の載置板37と、載置板37の下面に取り付けられる上部バネ取付板43と、下部架台31の上面に取り付けられる下部バネ取付板45とが設けられており、スライド機構39とバネ手段41は、上部バネ取付板43と下部バネ取付板45との間に配設されている。従って、載置板37は本体部5側に備えられ、下部バネ取付板45は基台部3側に備えられる。
載置板37は墓石1の本体部5が直接載置される矩形平板状の部材であり、その幅寸法と奥行寸法は基台部3の内部空間27の幅寸法と奥行寸法とほぼ同一の寸法に設定されている。載置板37の載置面は均石11の上面より僅かに高くなるように設置高さが設定されている。
上部バネ取付板43は、上記載置板37より幅寸法と奥行寸法が小さく、厚さが載置板37より肉厚の矩形平板状の部材である。上部バネ取付板43の中央には幅方向及び奥行方向にそれぞれ3つずつ計9個のネジ穴51が平面視正方形状に配列されている。
また上部バネ取付板43の各コーナー部の下面には矩形平板状のスペーサ53を介してホルダ55が4つ設けられている。ホルダ55には滑り材61が貼設されている。この滑り材61としてはPTFE(フッ化エチレン樹脂)等の滑り特性の優れた材料が適用できる。
ネジ穴51には下方からバネ係止ボルト59が螺合しており、このバネ係止ボルト59の軸部に引張りコイルバネ57の内側端部のフックが係止されるようになっている。
上記載置板37は下部バネ取付板45より幅寸法と奥行寸法が一回り小さく形成されている。また、下部バネ取付板45は上記下部架台31より幅寸法と奥行寸法が僅かに大きな矩形平板状の部材である。
下部バネ取付板45の厚さは上部バネ取付板43と同様肉厚に構成されており、下部バネ取付板45の各側縁寄りの中央部にはそれぞれ3つずつ計12個のネジ穴63が刻設されている。ネジ穴63には上方から10本バネ係止ボルト59が螺合しており、このバネ係止ボルト59と2本の雄ネジシャフト62の軸部に引張りコイルバネ57の外側端部のフックが係止されるようになっている。雄ネジシャフト62は下部バネ取付板45と滑り板65を貫通し、その上端部が滑り板65から突出している。そして、雄ネジシャフト62に螺合するナット64によって、下部バネ取付板45及び滑り板65と受け金物29及び下部架台31とが連結固定されている。さらに雄ネジシャフト62の滑り板65から突出する部分に引張りコイルバネ57の外側端部のフックが係止され、雄ネジシャフト62の上端部に螺合する2つのナット64によって前記フックが外れるのを規制している。
従って、引張りコイルバネ57は全部で12本設けられており、これらが3本ずつ組になって図3に示すように平面視十字形状となるように張設されている。
また下部バネ取付板45の上面には、滑り板65が貼設されている。滑り板65は、幅寸法と奥行寸法が下部バネ取付板45とほぼ同じで厚さが下部バネ取付板45より肉薄の矩形平板状の部材である。
滑り板65としては、ステンレススチール製の板が適用でき、滑り板65の上面にはホルダ55の下面に貼設されている滑り材61が摺接するようになっている。
本実施例では、上記滑り板65と滑り材61から成る滑り支承によってスライド機構39が構成されており、上部バネ取付板43と下部バネ取付板45との間に張設されている引張りコイルバネ57によってバネ手段41が構成されている。
また、均石11の前後左右の内側面には、合成ゴム等の弾性材料によって構成される緩衝材120が貼設されており、この緩衝材120は免震装置25の上部バネ取付板43、スペーサ53、ホルダ55及び滑り材61に対向する位置に備えられている。即ち、緩衝材120は上部バネ取付板43、スペーサ53、ホルダ55及び滑り材61を囲むように配置されている。
均石11と芝石13との間に形成される間隙部47を埋めるシール部材49が設けられ、さらに均石11の内側面と下バネ取付板45及び滑り板65との間に形成される間隙部47を埋めるシール部材49が設けられている。
シール部材49によって免震装置25のスライド機構39及びバネ手段41等が収容されている空間27を密閉して雨水等が侵入するのを防ぎ、空間内70に配置されている部材の腐食を防止する。さらに内部空間70へも雨水等が侵入するのが防止されるので、受け金物29や下部架台31等が腐食するのも防止することができる。
次に本実施例に係る墓石1の据え付けの手順と併せて本発明の免震装置25に地震等によって水平方向の振動が作用した場合の作動態様について説明する。
(1)ベースの形成と根石の載置(図5(a)、(b)参照)
最初に地面Gを掘り、図示しない型枠を設けて、この型枠内にコンクリートを流し込んで、図5(a)に示すようにベース72を形成する。このベース72は中央に四角形の穴がある長方形の板状に形成されており、その上面が地面とほぼ同じ高さの水平面になっている。
次いで、図5(b)に示すようにベース72上に角棒状の根石7を井桁状に組んで載置する。
(2)中石及び均石の設置と接合金物及び受け金物の取り付け(図6(a)、(b)参照)
図6(a)に示すように根石7の上面に中石9を設置する。中石9は根石7より高さ寸法の大きな直方体状の部材である。
中石9の上面に均石11を設置する。均石11は角棒状の部材であり、内側面に緩衝材120が貼設されている。緩衝材120は均石11の互いに接合する部分を除いた領域に備えられている。
そして図6(b)に示すように根石7とその上方の中石9、中石9とその上方の均石11を断面L字形の接合金物67を使用して固定する。
次に中石9と均石11の境界に上面が位置するように断面L字形の受け金物29を上下逆にした状態でボルト35によって中石9の内壁面上部に取り付ける。受け金物29の穴に雄ネジシャフト62が通されており、雄ネジシャフト62に螺合し受け金物29を挟んで配置されるナット64によって、雄ネジシャフト62が受け金物29に固定されている。雄ネジシャフト62は受け金物29の上面から上方へ向かって真っ直ぐに延びる状態に取り付けられる。
(3)免震装置の設置と芝台の設置(図7(a)、(b)参照)
次に残りの中石9を前面部に設置し、上記受け金物29の上面に図7(a)に示すように、矩形枠部を横にした状態で下部架台31を載置して、さらに下部架台31の上に免震装置25及び免震装置25にボルト35で固定された上枠33を設置する。このとき、受け金物29に固定されている雄ネジシャフト62を下部バネ取付板45及び滑り板65の穴に通し、雄ネジシャフト62の上端部を滑り板65の上面から突出させる。そして、この雄ネジシャフト62の突出部分にナット64を螺合させ滑り板65の上面に当接させて、免震装置25を受け金物29に固定する。
なお、免震装置25における載置板37は均石11の上面より僅かに高くなるように取付位置が設定される。
前記したように載置板37は下部バネ取付板45より幅寸法と奥行寸法が一回り小さく形成されているので、均石11の内側面との間に隙間が形成されることになる。この隙間から手や工具を入れて、均石11の内側面と下バネ取付板45及び滑り板65との間に形成される間隙部47を埋めるシール部材49を備える。
また、均石11の内側面との間の隙間から手や工具を入れて、雄ネジシャフト62の滑り板65から突出する部分に引張りコイルバネ57の外側端部のフックを係止させ、雄ネジシャフト62の上端部に2つのナット64を取り付ける。
次に、上枠33の周りに上枠33を取り囲むように角棒状の芝台13を設置してボルト35によって固定する。
(4)中台の設置と水鉢の設置(図8(a)、(b)参照)
芝台13を設置した後、均石11と芝台13との間に形成される間隙部をシール部材49によって埋める。
次に芝台13の上面に芝台13より高さ寸法の大きな直方体状の中台15を設置する。中台15は前面を除く左右の側面と背面に対して設置され、その前面部には水鉢17が幾分手前側に突出した状態で設置される。
(6)花立及び上台の設置と竿石の設置(図9(a)、(b)参照)
次に水鉢17の左右に花立19を設置し、中台15の上面に上台21を設置する。上台21は短寸の角柱状の部材である。
そして最後に上台21の上面に長寸の竿石23を設置すれば墓石1の組み立てが完了する。
地震等による振動が発生していない状態おいては、バネ手段41は弾性変形しておらず、本体部5は基台部3に対する正しい位置(当初の位置)に保たれている。
(7)水平振動時の免震装置の作動態様
地震等によって墓地の地面Gが水平方向に振動すると、地面G上に載置されているベース72、根石7とその上方の中石9及び均石11を含む基台部3も同じように振動する。基台部3の振動はバネ手段41によって吸収され、本体部5には伝達されず、あるいは減衰されて極めて弱い振動になって伝達される。従って、本体部5の倒壊等が防止される。
本体部5の振幅がある程度の大きさになっても、緩衝材120が設けられているので、上部バネ取付板43、スペーサ53、ホルダ55及び滑り材61が均石11に直に接触するのを防ぐことができ、緩衝材120によって衝撃が吸収されるので、均石11が破損するのを防止することができる。
また、本体部5は基台部3に対する相対位置が一時的にずれたとしても、弾性変形したバネ手段41の付勢力によって最終的に当初の位置に戻る。即ち、バネ手段41は本体部5の基台部3に対する相対位置を当初の位置近くに戻す付勢力を発生する。
実施例2に係る墓石71は既存の墓石に本発明に係る免震装置25を組み込むことによって免震機能を奏するように構成したものである。
具体的には、基台部3上に設置されている本体部5を一旦取り外し、基台部3の内部空間27内に支持構造73を構築して受け金枠75を支持させる。
そして、受け金枠75上に本発明免震装置25を設置し、上述と同様の手順で本体部5を構成する芝台13、中台15、水鉢17、花立19、上台21及び竿石23を設置することで実施例2に係る墓石71の組み立て、そして据え付けが完了する。
従って、基本的には、実施例1に係る墓石1と同様の構成を有しており、受け金物29に代えて受け金枠75と支持構造73が設けられている点において実施例2に係る墓石71は相違している。
ここでは実施例2に係る墓石71の特有の構成である受け金枠75と支持構造73に絞って説明する。
受け金枠75は4本のアングル材を上下逆にして井桁状に組み合わせ、溶接等によって枠形状に接合したものである。受け金枠75は受け金物29と同様、下部架台31を支持するための部材である。
支持構造73は、図10あるいは図11に拡大して示すように基台部3の内部空間27の底面である地面Gに埋設される4本の杭77と、杭77の上方に立ち上げられる4本の脚柱79と、隣接する脚柱79間を連結する複数本の補強ブレース81とを備えている。
杭77は、中央上部に内部に雌ネジが刻設されたスリーブ83を有し、このスリーブ83には、放射状に4枚の翼片85が一体に取り付けられており、各翼片85の先端は中心下方に向けて斜めにカットされていて地面Gに突き刺し易い形状になっている。この杭77のスリーブ83の雌ネジ83には、雄ネジシャフト86が螺合され、さらに雄ネジシャフト86に螺合する取付ナット96によって、雄ネジシャフト86は杭77に固定されている。また雄ネジシャフト86には上方に向かって球面状に湾曲する支持円盤88が通されており、この支持円盤88は雄ネジシャフト86に螺合する取付ナット95によって下方への移動が規制されている。
脚柱79は胴部をアングル材によって形成し、その上下の端面に取付面87a、87bを溶接等によって一体に取り付けたものであり、取付面87a、87bの中央の頂部にはそれぞれ取付穴89が形成されている。上側の取付面87aは少なくとも上面が球面状に形成され、また下側の取付面87bは少なくとも下面が支持円盤88と同じ曲率を有する球面状に形成されている。
下側の取付面87bの取付穴89には、雄ネジシャフト86が通されており、下側の取付面87bの下面と支持円盤88の上面とが接合している。そして、座金93が雄ネジシャフト86に通され、雄ネジシャフト86に螺合する調整ナット97によって、脚柱79が杭77に取り付けられている。上方の取付面87aは、取付ボルト91、座金93及び取付ナット97を使用して受け金枠75に取り付けられる。
取付面87a、87bの頂部に形成されている取付穴89の内径は取付ボルト91の軸部の外径より大きめに形成されており、取付面87a、87bの球面形状、さらに支持円盤88の球面形状と相俟って、脚柱79は取付角度及び高さを変えることができ、これによって受け金枠75の設置高さ(垂直方向の位置)及び水平方向の位置を調整し得るようになっている。
座金93は、取付面87aの下面側及び87bの上面側の凹陥部に宛がわれる部材で取付面87a、87bと同様の曲率半径を有する球面形状に湾曲されている。
調整ナット97は取付ボルト95の杭77に対する螺合量を調整したい場合に使用されるナットで、主に受け金枠75の水平方向の位置の調整等、微妙な受け金枠75の高さ調整の際に使用される。
脚柱79の胴部の上端及び下端寄りには、補強ブレース81の両端部に設けられているフックが係止される係止穴99が形成されている。
補強ブレース81は、隣接する脚柱79間をX字状に交差して連結する部材で脚柱79の立設状態を維持するための筋交いとして機能する。補強ブレース81の途中には補強ブレース81の張設長さを調整し得る内部に雌ネジが刻設された調整スリーブ101が設けられている。また補強ブレース81は4本の脚柱79に対して2本ずつ計8本設けられている。
このようにして構成される支持構造73と受け金枠75を設置する場合には、基台部3から本体部5を取り外した後、基台部3の内部空間27における底面の地面Gに杭77を突き刺すための穴部103を内部空間27における底面の角隅部周辺に4つ形成する。
そして、それぞれの穴部103に杭77を上方から突き刺し、穴部103内に上方からモルタル105を充填し養生、固化させる。
次にそれぞれの杭77に対して脚柱79を取り付け、更に補強ブレース81及び受け金枠75を取り付ける。そして取付面87における杭77あるいは受け金枠75に対する取付位置をずらすことによって脚柱79の取付角度を変え、更に調整ナット95の固定位置を調整することによって受け金枠75の高さ及び水平方向の位置の調整を行う。このように受け金枠75の高さ及び水平方向の位置を調整することにより、免震装置25を適切な位置に取り付けることができるようにする。
そして、実施例1に係る墓石1と同様の手順で、免震装置25を設置し、載置板37上に本体部5を組み上げ、芝台13と均石11の上面との間の間隙部47にシール部材49を充填すれば実施例2に係る墓石71の組み立て及び据え付けが完了する。
以上、本発明を実施するための最良の形態、その具体的実施例について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの形態や実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、免震装置25を除く、墓石1、71の構成は前述の実施例のものに限らず種々の構成が採用可能である。また本発明の免震装置25は、墓石だけに限定されるものではなく、石碑や石燈籠等に適用することも可能である。
バネ手段41は前記引張りコイルバネ57に限らず、弾性を有する合成樹脂、油圧ダンパー等、種々の構成が採用可能である。
上記実施例では、スライド機構を滑り板65と滑り材61から成る滑り支承によって構成したが、本発明はこれに限定されず、滑り板と鋼製のボール等との組み合わせによって構成してもよい。
また、緩衝材120を均石11に備えたが、本発明はこれに限定されず、緩衝材120を免震装置25の上部バネ取付板43、スペーサ53、ホルダ55及び滑り材61の周面に備えてもよく、また均石11側と免震装置25側の両方に備えてもよい。
なお、上記実施例では雄ネジシャフト62を左右1本ずつ合計2本備えるようにしたが、これに限定されるものではなく、左右2本ずつ合計4本或いはこれ以上の本数でもよいのは勿論である。また、引張りコイルバネ57も12本に限定されるものではなく、12本より少ない本数或いは多い本数であってもよい。
本発明の実施例1に係る墓石において、免震装置と基台部を破断して示す正面図である。 本発明に係る免震装置を分解して示す斜視図である。 本発明に係る免震装置を示す平面図である。 本発明に係る免震装置を示す縦断面図である。 本発明の実施例1に係る墓石の組立て手順を示す説明図であって、ベースの形成と根石の載置の様子を示す斜視図である。 同上、中石及び均石の設置と接合金物及び受け金物の取り付けの様子を示す斜視図である。 同上、免震装置の設置と芝台の設置の様子を示す斜視図である。 同上、中台の設置と水鉢の設置の様子を示す斜視図である。 同上、花立及び上台の設置と竿石の設置の様子を示す斜視図である。 本発明の実施例2に係る墓石において、免震装置と基台部を破断して示す正面図である。 本発明の実施例2に係る墓石に設けられる受け金枠と支持構造を分解して示す斜視図である。
符号の説明
1 墓石 3 基台部 5 本体部 7 根石 9 中石
11 均石 13 芝台 15 中台 17 水鉢
19 花立 21 上台 23 竿石
25 (墓石の)免震装置 27 内部空間
29 受け金物 31 下部架台 33 上枠
35 ボルト 37 載置板 39 スライド機構
41 バネ手段 43 上部バネ取付板 45 下部バネ取付板
47 間隙部 49 シール部材 51 ネジ穴
53 スペーサ 55 ホルダ 57 引張りコイルバネ
59 バネ係止ボルト 61 滑り材 63 ネジ穴
62 雄ネジシャフト 64 ナット 70 空間
65 滑り板 67 接合金物
71 墓石 72 ベース 73 支持構造
75 受け金枠 77 杭 79 脚柱
86 雄ネジシャフト 88 支持円盤
81 補強ブレース 83 スリーブ 85 翼片
87a、87b 取付面 88 支持円盤
89 取付穴 91 取付ボルト 93 座金
95 調整ナット 97 取付ナット 99 係止穴
101 調整スリーブ 103 穴部 105 モルタル
120 緩衝材 G 地面

Claims (10)

  1. 基台部と基台部の上に設置される墓石の本体部から成る墓石の一部に組み込んで設置される墓石の免震装置において、前記本体部を水平方向に摺動させるスライド機構と、弾性変形することにより振動を吸収し且つ本体部の基台部に対する相対位置を当初の位置に戻す付勢力を発生するバネ手段とを備え
    さらに、前記本体部側に取り付けられる載置板と、前記載置板の下面に取り付けられる上部バネ取付板と、前記基台部側に取り付けられる下部バネ取付板とを備え、前記スライド機構と前記バネ手段は前記上部バネ取付板と前記下部バネ取付板との間に配設されていることを特徴とする墓石の免震装置。
  2. 請求項1に記載した墓石の免震装置において、スライド機構は基台部側に設けられる滑り板と、滑り板の上面に摺接し、本体部側に設けられる滑り材とを備えていることを特徴とする墓石の免震装置。
  3. 請求項1または2に記載した墓石の免震装置において、バネ手段は内側端部が上部バネ取付板に接続され、外側端部が下部バネ取付板に接続された複数本の引張りコイルバネを平面視において十字形状に張設することによって構成されていることを特徴とする墓石の免震装置。
  4. 基台部の上に本体部を設置することによって構成されている墓石において、基台部と本体部との間には請求項1〜3のいずれかに記載の墓石の免震装置が設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  5. 請求項4に記載した免震装置を備えた墓石において、基台部には免震装置を支持するための受け金物が取り付けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  6. 請求項4に記載した免震装置を備えた墓石において、基台部の内部空間には、前記免震装置が上に設置される下部架台と、前記下部架台を支持するための受け金枠と、前記受け金枠を支持するための支持構造とが設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  7. 請求項6に記載した免震装置を備えた墓石において、支持構造は、基台部の内部空間底面に埋設される複数本の杭と、杭の上方に立ち上げられる複数本の脚柱と、隣接する脚柱間を連絡する複数本の補強ブレースとを備えていることを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  8. 請求項7に記載した免震装置を備えた墓石において、脚柱の取付角度を可変して受け金枠の設置高さ及び水平方向の位置を調整する受け金枠調整手段を具備したことを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  9. 請求項4〜8のいずれかに記載した免震装置を備えた墓石において、免震装置のスライド機構及びバネ手段が収容されている空間を密閉するシール部材が設けられていることを特徴とする免震装置を備えた墓石。
  10. 請求項4〜9のいずれかに記載した免震装置を備えた墓石において、本体部が摺動する際に、免震装置と基台部とが接触するのを防止する緩衝材を備えたことを特徴とする免震装置を備えた墓石。
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