JP3157553U - 耐震構造を有する墓石 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震があっても転倒したり倒壊したりすることのない耐震構造を有する墓石を提供する。【解決手段】重積する台石や蓮華台や竿石などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設する。有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれか単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填し、連結棒材と共に固定して連結部とする。これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐ。【選択図】図1

Description

本考案は、地震があっても転倒したり倒壊したりすることのない耐震構造を有する墓石に関するものである。
地震は、一般的に地殻プレート内部で断層運動が起こることにより発生するといわれている。この地殻プレートの断層運動は断層の傾斜方向(上段下段方向)にずれる縦ずれ断層と、水平面内で圧縮や引っ張りの力がかかって生ずる横ずれ断層がある。日本の地震の多くは、海洋プレートの沈み込みが原因とされるため、縦ずれと横ずれとが合わさった複雑な揺れ方をする。このため、日本の墓地における墓石は、その台座や基礎部分の地震による複雑な揺れに追従することができずに、変位やズレを起こしたり倒れたり壊れたりする被害が多数発生している。そのためこれら墓石が地震によって変位やズレを起こしたり、転倒したり、倒壊したりする損傷を防ぐための技術開発が要請されている。
墓石のタイプには、大別すると和型墓石と洋型墓石がある。和型墓石の標準的構造は、整地された矩形の枠を基礎面とし、その上に墓石の芝台(台座)を固定し、その内側の基礎部分に納骨空間を形成し、芝台(台座)の納骨空間に蓋を載せ、その上に中台や上台などの台石や蓮華台を重ね、更にその上に竿石を建てる構造である。また、洋型墓石は、鉄筋コンクリート製の矩形の枠を基礎面とし、その上に墓石の芝台(台座)を固定し、その上に一段、または二段の台石を重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てる構造にしたものである。
このように墓石は、いずれも台座の上に基本的に重い石材を重積載置する構造であるため、地震の揺れが発生すると、移動したり、損傷したり、転倒したり、倒壊したりし易いものである。
このような地震時の墓石の移動や損傷や倒壊を防止する耐震補強工法や手段について、いろいろと研究されたり工夫されたりしている。それらの耐震補強工法を大別すると、連結工法と免震工法とがある。前者の連結工法には、ダボ工法と長ボルト工法があり、後者の免震工法には、免震金具工法、免震ゴム工法、エアーダンパー工法などがある。
当該ダボ工法は、竿石の下面と上台の上面に縦向きの穴を開け、この穴にステンレスの丸棒を通すことにより、竿石と上台とを連結する補強工法である。丸棒はモルタルや接着剤では固着させておらず、ただ石材の穴に挿入しただけで、無接着である。しかも、上台−中台間、中台−台座間は、全く補強されていない。このダボ工法は、これまで多く使用されている工法である。
長ボルト工法は、和型墓石に用いられ、長ボルトが台座から竿石まで貫き、ターンバックルで締め付けることで墓石を一体化する工法である。
免震金具工法は、エネルギー吸収機能を有する特殊な金具を用いて石材間を連結する工法である。尚、当該免震金具工法は、竿石−上台間、上台−中台間、中台−台座間をそれぞれ1組の金具で連結する。この連結法は石材間を剛に結合するのではなく、自由度のある金具で連結されてる。
免震ゴム工法は、各接合部(竿石−上台間、上台−中台間、中台−台座間)にゴムを挟持させるだけで、接着はしない工法である。
エアーダンパー工法は、二重構造の冶具の中に、ダンパー機能を有するステンレス製のワイヤーを挿入したものを、各接合部(竿石−上台間、上台−中台間、中台−台座間)に接着し、更に各石材間に発泡シートを挟み置いて、墓石を一体化して免震する工法である。
これらの各耐震補強工法を施した墓石(和型墓石、洋型墓石)と試験区として無補強和型墓石とを用意し、模擬地震振動台で、模擬地震振動実験を行った。その結果、無補強和型墓石は、震度6弱で変位ずれを生じ、震度6強で転倒した。前記ダボ工法は、震度6強で、滑り、震度7で転倒した。この結果、ダボ工法は、強い耐震効果がないことが分かった。
他方、長ボルト工法と免震金具工法を施した墓石は、震度7でも転倒せず、残留変位も少ししか生じていない。その結果、これら長ボルト工法や免震金具工法は、かなりの耐震効果があることを確認した。
更に免震ゴム工法とエアーダンパー工法は、無補強墓石より激しく運動し、震度6弱で変位やズレを生じ、倒壊した。
これらの実験から、長ボルト工法と免震金具工法は、平均的な強さの地震に対する耐震効果があることが解ったが、震度6強、震度7といった大きな地震の強い揺れには耐えられず、ロッキング運動をおこして、そのための衝突によって石材に打撃痕などの損傷を起こすことが確認されたうえ、中台が水平面方向に回転変位していることを示す変位やズレの損傷を起すことが解った。
その他の特許情報の耐震補強工法として、芝台、中台、上台、竿石などを固定用金具やアンカーボルトにより結合して倒壊を防止する技術(例えば、登録実用新案第3100664号)が提案されている。
この先行考案は、重積する芝台、中台、上台、竿石などを一体化するように固定することができ、それによってある程度の弱い地震のゆれには耐えられるが、地震のエネルギーをまともに受け免震機能がないので大きな地震の複雑で強い揺れには耐えられず、転倒したり倒壊したりするのを防ぐことはできない。
また、複数の役石を重層する墓石または墓石様石造物において、上部主体石に有底孔を穿設し、主体石より下層の役石には、該有底と同心の貫通孔または有底孔を穿設し、その孔内に中子を載置してなる墓石または墓石様石造物であって、上段下段に接する2石の役石同士を1個の中子で位置決めをし、少なくともそのうち1石と中子は遊嵌し、中子の端部形状が錐体であることの作用によって該役石の地震振動吸収と、地震の鎮静と同時に位置と姿勢の原状復元を自然に実現することを特長とした免震構造墓石または墓石様重層石造物が提案されている(特開2005−16289号)。
この先行発明は、端部形状が錐体である中子が貫通孔又は有底孔の中で遊嵌する柔構造に形成し、地震の振動を吸収する免震構造にすることによって、墓石の位置ずれと転倒倒壊を防止するものである。この発明もある程度の弱い震度には耐えられるが、大きく強い地震の揺れにあって中子が壊れると機能しなくなるし、縦揺れと横揺れが組み合わさった場合には、中子の遊嵌部分がはずれて転倒したり倒壊したりするのを防止できないと考えられる。このような柔構造だけで地震の震度の大きいものに耐えるかについては疑問がある。
更に、免震装置を上ブロックに埋設される上装着体と、下ブロックに埋設される下装着体と、上段下段装着体とを相通して支持する支持体とで構成されるとともに、指示部にはボルトが装着され、ボルトを固定部に螺着することによって、上装着体と下装着体とが支持体を介して分離可能に連結される基礎ブロック免震装置が提案されている(特開2003−307048号)。
この先行発明は、上ブロックと下ブロックとを上段下段装着体を介してボルトにより固定するものである。この発明の発想は、上段下段ブロックを一体化するだけであり、前記先行考案と同様に、ある程度の地震によるゆれには耐えられるが、強く大きな地震の複雑なゆれによる一体化した連結ブロック全体の転倒や倒壊を防ぐことはできないと考えられる。
更にまた、墓石が地震発生時に倒壊するのを防止するため、墓石の基礎上に複数の衝撃吸収手段を突設し、墓石の下面と基礎の上面との間及び墓石の下面と衝撃吸収手段の側面との間に隙間が存するようにした状態で各衝撃吸収手段の上端を墓石の下面に固定し、各衝撃吸収手段はゴム等の弾性部材により略載頭錐体内における天板と底板との間にばねを固定すると共に該略、各載頭錐体内に水平板を固定し、該水平板には該ばねに対応する透孔を形成し、該ばねを該水平板の透孔に挿通してなることを特徴とする墓石倒壊防止装置が提案されている(特開2002−339595号)。
この先行発明は、衝撃吸収手段にゴム等の弾性部材を用いるとともに、天板と底板との間にばねを固定して地震の振動を免震装置として使用している。しかし、墓石は、重くしかも長期間使用されるものである。ゴムなどの弾性部材やバネは劣化しやすく、50年に一度くるか100年に一度くるか解らない地震用の装置には向いていない。このように耐久性に不安があり、その構造も複雑なため経費的にも問題がある。
墓石のように整地した基礎面に台座を固定し、その上に必要に応じて中台や上台を介して竿石や石碑を建てて縦方向に重ねて設置する構造のものは、地震の縦揺れより横揺れに弱く、転倒したり倒壊したりし易いものである。また、墓石は、時に数十年から数百年以上といった半永久的な耐久性が要請されるものであるため、耐震性や免震性の機能についても半永久的なものが要求されている。更に地震の大きさは様々であり、その揺れの強さや縦揺れ横揺れの種類やその方向性などは複雑、多様である。これらの要請に完全に対応することは困難であるとしても、過去に日本で起こった大地震を基準にして、そのほとんどの場合に対応できるようにするのが望ましい。
このような観点から実際の地震による墓石の損傷痕から地震動を推定する研究や、自身動によって被害を被った墓石の墓地ごとの倒壊率や被害率の調査に着目した。実際の地震により墓石に残った損傷痕は、蓮華台が上台の上面を移動して擦られた時の擦過痕(擦痕)と、上台の上面で跳ねて落下したときに出来た打撃痕(衝突痕)である。これらの損傷痕を調べると、振動の方向、移動・変位の方向とその強さ、損傷痕の時系列変化と移動などが解り、これに地震波記録との対応を比較検討すると、任意地点での被害を起こした揺れの実体を知ることが出来るようになった。このような墓石の損傷痕から地震動を推定する研究を重ねた結果、地震の際に墓石がほぼどのように動いて損傷したり倒壊していくかが明らかになってきた。
ご承知の通り地震が起きると、上下動(P波)が早く伝わり、横揺れ(S波)はゆっくり伝わる性質がある。そのため前半ステージでは上下動(P波)を伴う小刻みな動きが起こっており、後半ステージで移動の大きい横揺れ(S波)が起こるのが一般的である。地震の損傷痕を相対的時系列で分析すると、前半のステージでは、主に打撃痕ができており、後半のステージでは主に擦過痕ができていることからも明らかである。また損傷痕からみると水平的な移動量は前半のステージでは小さく、後半のステージでは大きいことが解った。
これらの損傷痕の分析から墓石の地震動は、前半ステージでは、上段の石材は、反時計回り(左回り)に小刻みにカタカタとロッキング現象を起こしながら(地震動の加速度粒子軌跡の移動方向とは反対方向)左回りに下段の石材の上面で回転現象を起こしていることが解った。そして後半ステージでは、上段の石材(竿石)が回転現象を起こすとともに大きな横揺れがしばらくの間続くことになることも解った。このように後半の横揺れは、ロッキング現象によって回転し、不安定になったところに、所定方向への揺れによって大きな慣性力を得て移動しようとするが、つぎの瞬間、逆方向への揺れに切り替わることにより、上段の石材は追従できず、大きな相対的速度によって、下段石材の上面を大きく移動することになる。その結果として多くの場合上段石材は下段石材から外れて落下することとなり倒壊現象が起きることになる。
本考案者は、上記のような墓石の地震動の解明に基づき、効果的な耐震強化工法を研究開発することにしたが、その技術的課題の解決法は、地震が起こると、前半で起きる上下動によるロッキング現象が起こらないようにすることであり、これによって起こる上段石材の回転現象を防ぐことが重要であると考えた。このような現象を抑える効果的な方法は、上段石材と下段石材とを一体化するように連結固定することである。
次に方向性の定まっていない慣性力を伴った大きな横揺れ力に充分耐え得る連結法を開発する必要がある。このような2つの技術的課題を解消するために、鋭意考えた結果、少なくとも3方向からそれぞれ傾斜角度の異なる連結部を構成することである。しかもその連結部は、その軸芯部に連結棒を埋め込こんだ連結固定部を構成して、上段石材と下段石材を一体に連結して、大きな地震にも耐え得る耐震構造を有する墓石を具現化せんとするものである。
本考案は上記のような課題を解消するため、次のような手段を講じたものである。
実用新案登録を受けようとする第1考案は、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に台石や蓮華台や竿石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように載置してなる和型墓石において、当該重積する台石や蓮華台や竿石などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれか単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填し、前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石である。
実用新案登録を受けようとする第2考案は、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなる洋型墓石において、重積する台石や石碑などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤などを単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填し前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する洋型墓石である。
実用新案登録を受けようとする第3考案は、重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石と、有底穴に収納できる径で上段下段両石材に跨る長さの異形棒鋼であって先端にその軸芯方向の割れ目が形成されている連結棒材と、重積する石材に穿設した有底穴に収納できる径と長さを有し且つ当該割れ目に差し込むことにより楔棒材の先端を拡げることができる三角楔とを用意しておく。そのうえで、前記重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石の上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に前記三角楔と上段下段両石材に跨る長さを有する前記連結棒材とを収納し、当該三角楔を当該連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで楔棒材の先端を拡げたうえ、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれかを単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填して前記連結棒材や三角楔と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結し、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する墓石である。
実用新案登録を受けようとする第4考案は、重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石の上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に連結棒材を収納し、当該有底穴内に充填材を充填して前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結し、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにする耐震構造を、竿石または石碑−蓮華台または上台間、上台−中台間、中台−台座間にもそれぞれ施すようにしたことを特徴とする第1考案、第2考案、第3考案に記載する耐震構造を有する墓石である。
前記第1考案は、耐震構造を有する和型墓石であり、第2考案は、耐震構造を有する洋型墓石であり、第3考案は、耐震構造を有する墓石であり、第4考案は、第1考案、第2考案、第3考案の従属項である。
これらの考案の本質は、いずれも耐震補強工法のうち連結工法の改良型である。墓石の損傷痕から地震動を推定する研究の結果から、地震の際に墓石がどのように動いて損傷したり倒壊していくかその地震動をあきらかにして、そのような墓石の地震動が起こらないようにした考案である。
そのポイントは、地震の前半で起きる上下動によるロッキング現象が起こらないようにすることであり、これによって起こる上段石材の回転現象を防ぐことである。このような現象を抑える効果的な方法は、上段石材と下段石材とを一体化するように連結固定することである。
次に地震における方向性の定まっていない慣性力を伴った大きな横揺れ力に充分耐え得る連結法を開発することである。このような2つの技術的課題を解消する連結法を研究した。その結果、左右両側面と背面という3方向からそれぞれ傾斜角度の異なる連結部を構築することにした点が特徴である。しかもその連結部には、その軸芯部に連結棒を埋め込こんで、連結部の強度を強め、壊れないようにした。しかもこの連結部は充填材で連結固定するように構成して、上段石材と下段石材を一体化するようにした。これによって、あらゆる方向への横揺れにも、上下方向への縦揺れにも対応した耐震できるようにして、大きな地震にも耐え得る耐震構造にした。
第1考案は、和型墓石において、当該重積する台石や蓮華台や竿石などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤などの充填材を充填し、前記連結棒材と共に固定してなる連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石である。
本考案の連結部は、左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に柱状に形成されているので、あらゆる方向から伝わってくる地震波の上下動でも横揺れでも耐震することが出来る。しかも、当該連結部の軸芯部には、連結棒が埋設されており、その強度も充分である。
また、当該連結部は、石材の中に埋設された状態になっており、外部には、開口部を塞ぐ蓋部材だけとなるので、墓石のデザインやイメージを損なわない。また、本考案の工法は、既存の無補強墓石を簡単に耐震構造を有する墓石に補強修正することができる実用性の高い技術である。
第2考案は、洋型墓石を耐震構造を有する和型墓石にするものであり、その具体的補強技術は第1考案と同じである。従って、その効果についても、和型墓石と同様である。
第3考案は、連結部の中に埋設する連結棒材を異形棒鋼としその先端に割れ目を形成すると共に三角楔を用意しておき、底穴内に前記三角楔と連結棒材とを収納したあと、当該三角楔を当該連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げたうえ、当該有底穴内に充填材を充填して前記連結棒材や三角楔と共に固定して連結部となした点が特徴である。
この考案は、連結部に埋設されている連結棒材と充填材との一体性が強化され、より耐震効果が高くなるようにしたものである。
第4考案は、重積する上段石材と下段石材間毎に耐震構造を施すことを明確にした者である。即ち、竿石または石碑−蓮華台または上台間、上台−中台間、中台−台座間にもそれぞれ本考案にかかる連結部による耐震構造を施すようにしたことを特徴とするものである。
以下、本考案の実施例について説明する。図1は、本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す正面図であり、図2は、当該耐震構造を有する和型墓石の実施衛を示す側面図、図3は、本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す平面図である。図4は、本考案に係る耐震構造を構築するために上段石材から接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設した状態を示す要部断面図と当該有底穴の開口部を防ぐための蓋部材を示す断面図である。図5は、本考案に係る耐震構造を構築するために上段石材から接触する下段の石材にかけて斜め方向に穿設した有底穴に前記三角楔と連結棒材とを収納した状態を示す要部断面図であり、図6は、底穴内に前記三角楔と連結棒材とを収納したあと、当該三角楔を当該連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げたうえ、当該有底穴内に充填材を充填して前記連結棒材や三角楔と共に固定して連結部となした状態を示す要部断面図である。図7の(イ)は、連結棒材の実施例の正面図であり、(ロ)は、当該連結棒の先端の割れ目に三角楔を挟持させた状態を示す正面図であり、(ハ)は、連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げた状態を示す正面図であり、(二)は、三角楔を示す斜視図であり、(ホ)は、蓋部材の実施例を示す斜視図である。
図1,図2,図3に示すように、和型墓石は、墓地用床部の基礎面に台座1を固定し、その上に中台2,上台3(蓮華台になっている場合がある)などの台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石4を建てるように載置した構成となっている。
当該重積する台石2,3(蓮華台)や竿石4などで構成される上段石材7の左右両面と背面の3方向から、接触する下段石材6にかけて斜め方向に有底穴8を穿設し、当該有底穴8内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材9を収納し、当該有底穴8内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれか単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材11を充填し、前記連結棒材8と共に固定して連結部5となし、これによって上段石材7と下段石材6とを連結したうえ、当該有底穴8の開口部を蓋部材12で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石である。尚、蓋部材12は、図示のように嵌め込み式のものだけでなく、板状で開口部を塞げるようなものであってもよい。
洋型墓石の場合には、図示しないが、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなる構成になっている。この場合、和式墓石とはほとんど同じ構成になっており、竿石が板状の石碑に変わる程度の差異しかない。
本考案の連結部は、図4、図5、図6、図7で示すように構成されている。まず、図4に示すように、重積する上段石材7と下段石材6の上段石材から接触する下段石材6にかけて斜め方向に有底穴8を穿設する。当該有底穴8は、上段石材7の左右両面と背面の3方向から、接触する下段石材6にかけて斜め方向に有底穴8を穿設する。連結棒材9は、図7の(イ)に示すように、有底穴8に収納できる径で上段下段両石材6,7に跨る長さの異形棒鋼で形成されており、その先端には、その軸芯方向の割れ目9aが形成されている。三角楔10は、図7の(二)(ハ)に示すように、連結棒材9の先端を拡げることができる三角楔である。
上記部材を用意したうえ、前記重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石の上段石材7の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴8を穿設し、当該有底穴8内に前記三角楔10と上段下段両石材7,6に跨る長さを有する前記連結棒材9とを収納する。
次に、図6に示すように当該三角楔10を当該連結棒材9の先端の割れ目に強く差し込んだ連結棒材9の先端を拡げたうえ、当該有底穴8内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれかを単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材11を充填して前記連結棒材9や三角楔10と共に固定して連結部5となし、これによって上段石材7と下段石材6とを連結し、当該有底穴8の開口部を蓋部材12で塞ぐようにしたものである。
我が国においてはそのほとんどの地域において活断層が存在するといわれている。このような国土における墓石や石塔、石碑、石仏像などの重層石造物を本考案に係る耐震性を有する墓石や重層石造物にすることにより、例え強い地震がきても、その免震性や耐震性により墓石の変位やズレや転倒や倒壊を防止することができる。
本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す正面図である。 当該耐震構造を有する和型墓石の実施衛を示す側面図である。 本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す平面図である。 本考案に係る耐震構造を構築するために上段石材から接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設した状態を示す要部断面図と当該有底穴の開口部を防ぐための蓋部材を示す断面図である。 本考案に係る耐震構造を構築するために上段石材から接触する下段の石材にかけて斜め方向に穿設した有底穴に前記三角楔と連結棒材とを収納した状態を示す要部断面図である。 底穴内に前記三角楔と連結棒材とを収納したあと、当該三角楔を当該連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げたうえ、当該有底穴内に充填材を充填して前記連結棒材や三角楔と共に固定して連結部となした状態を示す要部断面図である。 (イ)は、連結棒材の実施例の正面図であり、(ロ)は、当該連結棒の先端の割れ目に三角楔を挟持させた状態を示す正面図であり、(ハ)は、連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げた状態を示す正面図であり、(二)は、三角楔を示す斜視図であり、(ホ)は、蓋部材の実施例を示す斜視図である。
1:台座
2:中台
3:上台
4:竿石
5:連結部
6:下段石材
7:上段石材
8:有底穴
9:連結棒材
10:三角楔
11:充填材
12:蓋部材

Claims (4)

  1. 墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に台石や蓮華台や竿石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように載置してなる和型墓石において、
    当該重積する台石や蓮華台や竿石などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれか単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填し、前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石。
  2. 墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなる洋型墓石において、
    重積する台石や石碑などの上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に収納できる径で且つ上段下段両石材に跨る長さを有する連結棒材を収納し、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤などを単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填し前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結したうえ、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する洋型墓石。
  3. 重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石と、有底穴に収納できる径で上段下段両石材に跨る長さの異形棒鋼であって先端にその軸芯方向の割れ目が形成されている連結棒材と、
    重積する石材に穿設した有底穴に収納できる径と長さを有し且つ当該割れ目に差し込むことにより楔棒材の先端を拡げることができる三角楔とを用意し、
    前記重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石の上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に前記三角楔と上段下段両石材に跨る長さを有する前記連結棒材とを収納し、当該三角楔を当該連結棒材の先端の割れ目に強く差し込んで連結棒材の先端を拡げたうえ、当該有底穴内にモルタル、コンクリート、コーティング材、接着剤のいづれかを単独で又は2種以上を組み合わせてなる充填材を充填して前記連結棒材や三角楔と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結し、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにしたことを特徴とする耐震構造を有する墓石。
  4. 重積する複数の石材で構成される和型墓石又は洋型墓石の上段石材の左右両面と背面の3方向から、接触する下段の石材にかけて斜め方向に有底穴を穿設し、当該有底穴内に連結棒材を収納し、当該有底穴内に充填材を充填して前記連結棒材と共に固定して連結部となし、これによって上段石材と下段石材とを連結し、当該有底穴の開口部を蓋部材で塞ぐようにする耐震構造を、竿石または石碑−蓮華台または上台間、上台−中台間、中台−台座間にもそれぞれ施すようにしたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3に記載する耐震構造を有する墓石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011226226A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Kasho Co Ltd 下石の耐震施工方法

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