JP3132241U - 耐震構造を有する墓石又は重層石造物 - Google Patents

耐震構造を有する墓石又は重層石造物 Download PDF

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Abstract

【課題】地震があっても転倒したり倒壊したりすることのない耐震構造を有する墓石又は石塔、石碑、石仏像などの重層石造物を提供する。
【解決手段】台座3を一対の基礎台座3aと可動台座3bに二分して用意する。当該基礎台座3aは、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2aに載置面がほぼ水平に露呈するように固定する。当該可動台座3bは、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石(中台4a,上台4b)を重ねて固定し、更にその上に竿石5を建てるように固定して一体化した和型墓石本体6aを形成しておく。該可動台座3bと、複数段の台石(中台4a,上台4b)と、竿石5とを固定して一体化する方法は、接着剤を使用したり、既存の一体化する器具や装置を用いて行う。
【選択図】図2

Description

本考案は、地震があっても転倒したり倒壊したりすることのない耐震構造を有する墓石又は石塔、石碑、石仏像などの重層石造物に関するものである。
地震は、一般的に地殻プレート内部で断層運動が起こることにより発生するといわれている。この地殻プレートの断層運動は断層の傾斜方向(上下方向)にずれる縦ずれ断層と、水平面内で圧縮や引っ張りの力がかかって生ずる横ずれ断層がある。日本の地震の多くは、海洋プレートの沈み込みが原因とされるため、縦ずれと横ずれとが合わさった複雑な揺れ方をする。このため、日本の墓地における墓石や石塔、石碑、石仏像などの重層石造物は、その台座や基礎部分の地震による複雑な揺れに追従することができずに、倒れたり壊れたりする被害が多数発生している。そのためこれら墓石や重層石造物が地震によって転倒したり倒壊したりするのを防ぐための技術開発が要請されている。
墓石のタイプには、大別すると和型墓石と洋型墓石がある。和型墓石の標準的構造は、整地された矩形の枠を基礎面とし、その上に墓石の芝台(台座)を固定し、その内側の基礎部分に納骨空間を形成し、芝台(台座)の納骨空間に蓋を載せ、その上に中台、上台を重ね、更にその上に竿石を建てる構造である。また、洋型墓石は、鉄筋コンクリート製の矩形の枠を基礎面とし、その上に墓石の芝台(台座)を固定し、その上に一段、または二段の台石を重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てる構造にしたものである。その他、石塔、石碑、石仏像などの重層石造物は、設置箇所を整地した基礎面に台座を設置し、その上に必要に応じて中台を介して石塔、石碑、石仏像のいずれかを重ねて設置する構造をとっている。
このように重層石造物や墓石は、いずれも台座の上に基本的に重い石造物を載置する構造であるため、弱い地震の揺れには耐えられるが、激しい地震の揺れが発生すると転倒したり、倒壊したりすることがある。このような墓石や重層石造物の倒壊を防止する手段として、従来は芝台、中台、上台、竿石などを固定用金具やアンカーボルトにより結合して倒壊を防止する技術(例えば、登録実用新案第3100664号)が提案されております。
この先行考案は、重積する芝台、中台、上台、竿石などを一体化するように固定することができ、それによってある程度の弱い地震のゆれには耐えられるが、地震のエネルギーをまともに受け免震機能がないので大きな地震の複雑で強い揺れには耐えられず、転倒したり倒壊したりするのを防ぐことはできない。
また、複数の役石を重層する墓石または墓石様石造物において、上部主体石に有底孔を穿設し、主体石より下層の役石には、該有底と同心の貫通孔または有底孔を穿設し、その孔内に中子を載置してなる墓石または墓石様石造物であって、上下に接する2石の役石同士を1個の中子で位置決めをし、少なくともそのうち1石と中子は遊嵌し、中子の端部形状が錐体であることの作用によって該役石の地震振動吸収と、地震の鎮静と同時に位置と姿勢の原状復元を自然に実現することを特長とした免震構造墓石または墓石様重層石造物が提案されている(特開2005−16289号)。
この先行発明は、端部形状が錐体である中子が貫通孔又は有底孔の中で遊嵌する柔構造に形成し、地震の振動を吸収する免震構造にすることによって、墓石の位置ずれと転倒倒壊を防止するものである。この発明もある程度の弱い震度には耐えられるが、大きく強い地震の揺れにあって中子が壊れると機能しなくなるし、縦揺れと横揺れが組み合わさった場合には、中子の遊嵌部分がはずれて転倒したり倒壊したりするのを防止できないと考えられる。このような柔構造だけで地震の震度の大きいものに耐えるかについては疑問がある。
更に、免震装置を上ブロックに埋設される上装着体と、下ブロックに埋設される下装着体と、上下装着体とを相通して支持する支持体とで構成されるとともに、指示部にはボルトが装着され、ボルトを固定部に螺着することによって、上装着体と下装着体とが支持体を介して分離可能に連結される基礎ブロック免震装置が提案されている(特開2003−307048号)。
この先行発明は、上ブロックと下ブロックとを上下装着体を介してボルトにより固定するものである。この発明の発想は、上下ブロックを一体化するだけであり、前記先行考案と同様に、ある程度の地震によるゆれには耐えられるが、強く大きな地震の複雑なゆれによる一体化した連結ブロック全体の転倒や倒壊を防ぐことはできないと考えられる。
更にまた、墓石が地震発生時に倒壊するのを防止するため、墓石の基礎上に複数の衝撃吸収手段を突設し、墓石の下面と基礎の上面との間及び墓石の下面と衝撃吸収手段の側面との間に隙間が存するようにした状態で各衝撃吸収手段の上端を墓石の下面に固定し、各衝撃吸収手段はゴム等の弾性部材により略載頭錐体内における天板と底板との間にばねを固定すると共に該略、各載頭錐体内に水平板を固定し、該水平板には該ばねに対応する透孔を形成し、該ばねを該水平板の透孔に挿通してなることを特徴とする墓石倒壊防止装置が提案されている(特開2002−339595号)。
この先行発明は、衝撃吸収手段にゴム等の弾性部材を用いるとともに、天板と底板との間にばねを固定して地震の振動を免震装置として使用している。しかし、墓石は、重くしかも長期間使用されるものである。ゴムなどの弾性部材やバネは劣化しやすく、50年に一度くるか100年に一度くるか解らない地震用の装置には向いていない。このように耐久性に不安があり、その構造も複雑なため経費的にも問題がある。
墓石や重層石造物のように整地した基礎面に台座を固定し、その上に必要に応じて中台を介して石塔、石碑、石仏像のいずれかを立てた縦方向に重ねて設置する構造のものは、地震の縦揺れより横揺れに弱く、転倒したり倒壊したりし易いものである。また、墓石や重層石造物は、時に数十年から数百年以上といった半永久的な耐久性が要請されるものであるため、耐震性や免震性の機能についても半永久的なものが要求されている。更に地震の大きさは様々であり、その揺れの強さや縦揺れ横揺れの種類やその方向性などは複雑、多様である。これらの要請に完全に対応することは困難であるとしても、過去に日本で起こった大地震を基準にして、そのほとんどの場合に対応できるようにするのが望ましい。このような観点から考察すると、前記先行技術は、ある程度の効果は認められるものの強力な地震のゆれに耐えて倒壊しないようにするには不十分であり、耐久性にも問題がある。
本考案は、このような技術的課題を解消し、縦揺れや横揺れの複合した大地震が発生しても免震するとともに、重層構造物がばらばらにならないようにして、設置されている墓石や重層石造物ができるだけ転倒、破壊しないようにするとともに、半永久的な耐久性があり、補修やメンテナンスが簡単な耐震構造を有する墓石又は重層石造物を具現化せんとしたものである。
本考案は上記のような課題を解消するため、次のような手段を講じたものである。
実用新案登録を受けようとする第1考案は、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように設置してなる和型墓石において、まず、前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意する。当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定し、当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石を重ねて固定し、更にその上に竿石を建てるように固定して和型墓石本体を形成しておく。前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設して硬質球状体が枠体内から飛散しないようにしておく。そのうえで、前記点在するように敷設した硬質球状体の上に、前記和型墓石本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となす。また、当該和型墓石本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結したことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石である。
実用新案登録を受けようとする第2考案は、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなる洋型墓石において、前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意する。当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定し、当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて固定し、更にその上に板状の石碑を建てるように重ねて固定してなる洋型墓石本体を形成しておく。前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固定して硬質球状体が枠体内から飛散しないようになす。その上で、前記点在するように敷設した硬質球状体の上に、前記洋型墓石本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となす。また、当該洋型墓石本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結したことを特徴とする耐震構造を有する洋型墓石である。
実用新案登録を受けようとする第3考案は、床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその台石の上に石塔、石碑、石仏像を重層固設してなる重層石造物において、前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意する。当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定し、当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて固定し、更にその上に石塔、石碑、石仏像を重層固設してなる重層石造物本体を形成しておき、前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体が枠内からを所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設して枠体内から硬質球状体が飛散しないようにする。前記点在するように敷設した多数の硬質球状体の上に、前記重層石造物本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となす。当該重層石造物本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結したことを特徴とする耐震構造を有する重層石造物である。
実用新案登録を受けようとする第4考案は、前記硬質球状体が、ガラス製、石製、合成樹脂製、セラミック製のいずれかであることを特徴とする第1考案、第2考案、第3考案に記載する耐震構造を有する墓石又は重層石造物である。
前記第1考案は、耐震構造を有する和型墓石であり、第2考案は、耐震構造を有する洋型墓石であり、第3考案は、耐震構造を有する重層石造物である。これらの考案の本質は、一体化する免震構造と、あらゆる方向に所定の遊びを有する移動規制とを組合せるという発想である。その共通する特徴は、台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して、両者の間に硬質球状体を介することにより、地盤に固定した基礎台座が横揺れしても可動台座にそのゆれを伝えない免震構造を設ける。同時に、複数の部材が組み合わさっている和型墓石本体、洋型墓石本体、重層石造物本体などは、固定することにより一体化する。この一体化のための固定方法については、接着剤を用いても良いし、取付金具やボルトなど用いて連結固定化しても良いし、既存の一体化技術を用いても良い。更に、地盤に固定された基礎台座と可動台座の相対応状態を維持し、転倒しないようにするため、所定の遊びを有する移動規制を組み合わせる。このようにすることにより、地震のゆれがあっても重層石造物の構成部材がばらけることがなく、転倒することもなく、免震構造も維持できるようになったので、大きな地震があっても対応できるものになった。
尚、前記硬質球状体は、和型墓石本体、洋型墓石本体、重層石造物本体などを支えるのに充分な強度と、半永久的な耐久性があれば具体的にはガラス製、石製、合成樹脂製、セラミック製のいずれであっても良いこともちろんである。
第1考案は、墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように設置してなる耐震構造を有する和型墓石である。この考案は、まず、前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意し、基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定しておく。可動台座には、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石を重ねて固定するとともに竿石を建てるように固定しておく。即ち可動台座と複数段の台石と竿石とを一体化した和型墓石本体にしておく。このように和型墓石本体を一体化したことによって、地震によって構成部材である複数段の台石や竿石がバラバラになったり、倒壊したりしない。そのうえで、墓地用床部に固定した基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その上に前記一体化した和型墓石本体を載置する構造にした。即ち、基礎台座と一体化した和型墓石本体の可動台座とが硬質球状体を介して接触するので、ベアリング構造のように両者は横揺れに対して免震効果をもたらす。しかも、硬質球状体を用いた免震構造は、球状体の全方向への転がり特性から、いかなる方向への地震の横ゆれにも対応した有効な免震効果を発揮することが出来る。更に、基礎台座と一体化した和型墓石本体とは、重力により接しているだけで、両者が固定されてはおないので、縦ゆれにも対応することが出来る。
更に、本考案では、当該和型墓石本体の下部に複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結する。このように床部に固定した基礎台座と和型墓石本体とを所定の遊びを有する移動規制により連結する柔構造にしたので、縦ゆれに対しても免震効果を発揮するとともに、強い振動があっても転倒しないし、前記免震構造の機能を維持することが出来る。
このように本考案は、和型墓石本体の一体化と、硬質球状体を用いた免震構造と、遊びのある柔構造による連結とを組み合わせたものであるため、強い地震があっても和型墓石が転倒、倒壊しないものである。
第2考案は、耐震構造を有する洋型墓石である。この考案も洋型墓石本体を一体化し、硬質球状体を用いた免震構造と、あらゆる方向に所定の遊びを有する移動規制をする柔構造な連結構造とを組合せるという発想である。従って、その具体的構造もその免震効果や耐震効果についても第1考案と同様である。
第3考案は、耐震構造を有する重層石造物である。この考案もこの考案も重層石造物を一体化し、硬質球状体を用いた免震構造と、あらゆる方向に所定の遊びを有する移動規制をする柔構造な連結構造とを組合せるという点で共通している。従って、その具体的構造もその免震効果や耐震効果についても第1考案と同様である。
以上のように本考案(第1考案、第2考案、第3考案)は、いずれも硬質球状体を基礎台座と可動台座とで挟むようにするだけの簡単な構造である。このため故障も少なく安価で、耐久性もある。また、万一当該硬質球状体が壊れた場合であっても、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具をはずせば容易に取替えることができ、メンテナンスも容易である。
以下、本考案の実施例について説明する。図1は、本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す斜視図であり、図2は、当該耐震構造を有する和型墓石の構造を示す一部断面正面図である。図3は、本考案に係る耐震構造を有する洋型墓石の実施例の構造を示す正面図であり、図4は、本考案に係る耐震構造を有する洋型墓石の構造を示す一部断面正面図である。更に図5は、本考案に係る耐震構造を有する重層石造物の実施例を示す正面図であり、その(イ)は、石仏像の実施例を示す正面図であり、その(ロ)は、卵塔の実施例を示す正面図である。図6は、本考案の要部構成であって、基礎台座の載置面上に硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設した構成を示す斜視説明図であり、図7は、本考案の要部構成であって、当該重層石造物本体の下部に固定した取付金具と床部の中に埋め込む鉄筋に係止した係止部とを、リング状の連結具で連結し、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結するための準備状態を示す説明図であり、図8は、重層石造物本体の下部に固定した取付金具とこの取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた床部の上面に係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結した状態を示す斜視図である。
図1は本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す斜視図であり、図2は当該耐震構造を有する和型墓石の実施例の構造を示す一部断面正面図である。図中1は和型墓石であり、それは墓地用床部2の上面2aに台座3を固定し、その上に複数段の台石(中台4a,上台4b)を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石5を建てるように設置してある。図中12は、墓石の正面前部に設置された花立水鉢と線香台である。
本考案に係る和型墓石において、前記台座3を一対の基礎台座3aと可動台座3bに二分して用意する。当該基礎台座3aは、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2aに載置面がほぼ水平に露呈するように固定する。当該可動台座3bは、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石(中台4a,上台4b)を重ねて固定し、更にその上に竿石5を建てるように固定して一体化した和型墓石本体6aを形成しておく。該可動台座3bと、複数段の台石(中台4a,上台4b)と、竿石5とを固定して一体化する方法は、接着剤を使用したり、既存の一体化する器具や装置を用いて行う。本実施例の場合には、連結用の心材16と、接着剤を用いて固定し、一体化した。尚、図示しないが当該台石を下台、中台、上台と3段に構成しても良いこと勿論である。
図6に示すように基礎台座3aの載置面上には多数の硬質球状体7,7,…を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体8を固設して硬質球状体7,7,…が枠体8内から飛散しないように構成する。尚、当該枠体8は、前後左右の4枠部材8a、8a,…を基礎台座3aの載置面上に接着剤又は固定金具で固定したものである。
そして、前記基礎台座3aの載置面上に点在するように敷設した硬質球状体7,7,…の上に、前記和型墓石本体6aをその可動台座3bの下面の載置用受面が接するように載置した構造とする。このように基礎台座3aと一体化した和型墓石本体6aの可動台座3bとが硬質球状体7,7,…を介して接触するので、墓地用床部2が地震によって、大きく横ゆれしたとしても硬質球状体7,7,…回転してその横ゆれを可動台座には伝えず、強い免震効果をもたらすものである。このような免震構造は、硬質球状体7,7,…の全方位への自由な転がり機能によって地震によるいかなる方向への横ゆれにも対応して極めて有効な免震効果を発揮する。
更に、本考案の免震構造は、図8に示すように、当該和型墓石本体6aの下部に複数の取付金具9を固定するとともに、この取付金具9に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2aには係止部10を固定しておき、当該取付金具9と当該係止部10の間を、リング状の連結具11により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結する。尚、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2aに固定する係止部10は、図7に示したようにワイヤー製の輪状体14に形成し、その下部をコンクリートの中に埋め込まれる鉄筋13に係止9するようになす。その上で当該鉄筋13とワイヤー製の輪状体14とがうめこまれるようにコンクリートを流し込み、これが固化したときワイヤー製の輪状体14の上部が係止部10としてコンクリート上面から突出するように配設した。
図2、図8に示すように、墓地用床部2に固定した基礎台座3aと和型墓石本体6aとを所定の遊びをもうけて柔構造な連結構造にして、和型墓石本体6aの移動範囲を制限するように連結したので、地震による縦ゆれに対しても免震効果を発揮するとともに、リング状の連結具11により柔構造により強い振動があっても転倒しないし、前記免震構造が維持できるようになった。
以上のように、本考案は、和型墓石本体6aの一体化と、硬質球状体7,7,…を用いた免震構造と、遊びのある基礎台座3aと和型墓石本体6aとの柔連結構造との組み合わせにより、強い地震があっても和型墓石が転倒、倒壊しないものとなる。
次に、図3、図4に基づき耐震構造を有する洋型墓石の実施例を説明する。従来より標準的な洋型墓石は、墓地用床部の上面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなるものである。本考案は、台座3を一対の基礎台座3aと可動台座3bとに二分して用意する。当該基礎台座3aは、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2に載置面がほぼ水平に露呈するように固定する。当該可動台座3bは、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段又は複数段の台石4aを縦方向に重ねて固定し、更にその上に板状の石碑14を建てるように重ねて固定して、一体化してなる洋型墓石本体6bを形成しておき、前記墓地用床部2の載置面上には多数の硬質球状体7,7,…を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体8を固定して硬質球状体7,7,…が枠体8を飛散しないようになす。
そのうえで前記点在するように敷設した硬質球状体7,7,…の上に、前記洋型墓石本体6bをその可動台座3bの載置用受面が接するように載置した構造となす。
更に、当該洋型墓石本体6bの下部には複数の取付金具9を固定するとともに、この取付金具9に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2aには係止部10を固定しておき、当該取付金具9と当該係止部10の間を、リング状の連結具11により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結した。尚、図中13は、鉄筋である。
次に、図5にもとづいて、考案に係る耐震構造を有する重層石造物の実施例について、説明する。図5の(イ)は、石仏像の実施例を示す正面図であり、その(ロ)は、卵塔の実施例を示す正面図である。
従来より石塔や石仏像などの重層石造物は、床部2の上面2aに台座3を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に重層石造物を建てるように設置してなるものである。本考案は、台座3を一対の基礎台座3aと可動台座3bとに二分して用意する。当該基礎台座3aは、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部2の上面2に載置面がほぼ水平に露呈するように固定する。当該可動台座3bは、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段の台石4aを縦方向に重ねて固定し、更にその上に石仏像15aまたは卵塔15bを建てるように重ねて固定して、一体化した重層石造物本体6cを形成しておき、前記床部2の載置面上には多数の硬質球状体7,7,…を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体8を固定して硬質球状体7,7,…が枠体8を飛散しないようになす。
そのうえで前記点在するように敷設した硬質球状体7,7,…の上に、前記重層石造物本体6cをその可動台座3bの載置用受面が接するように載置した構造となす。
更に、当該重層石造物本体6cの下部には複数の取付金具9を固定するとともに、この取付金具9に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた床部2の上面2aには係止部10を固定しておき、当該取付金具9と当該係止部10の間を、リング状の連結具11により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結した。
本考案の実施例である耐震性を有する和型墓石、洋型墓石、石仏像を試作し、これを模擬地震発生装置に設置して、強い地震といわれる震度6〜7と同程度の人口的な模擬地震ゆれを起こして、そのような条件下で当該試作品が転倒するか否か、壊れるか否かの実験をした。このような模擬地震ゆれを各試作品について、50回ずつ実験してみた。その結果、いずれの試作品も、模擬地震試験の結果、転倒することなく、また壊れることもなかった。この実験結果からみて、本考案にかかる耐震性のある墓石または重層石造物の耐震性能、免震性能が充分あり、実用性があることを確認した。
我が国においてはそのほとんどの地域において活断層が存在するといわれている。このような国土における墓石や石塔、石碑、石仏像などの重層石造物を本考案に係る耐震性を有する墓石や重層石造物にすることにより、例え強い地震がきても、その免震性や耐震性により墓石や重層石造物の転倒や倒壊を防止することができる。
本考案に係る耐震構造を有する和型墓石の実施例を示す斜視図である。 当該耐震構造を有する和型墓石の構造を示す一部断面正面図である。 本考案に係る耐震構造を有する洋型墓石の実施例の構造を示す正面図である。 本考案に係る耐震構造を有する洋型墓石の構造を示す一部断面正面図である。 本考案に係る耐震構造を有する重層石造物の実施例を示す正面図であり、その(イ)は、石仏像の実施例を示す正面図であり、その(ロ)は、卵塔の実施例を示す正面図である。 本考案の要部構成であって、基礎台座の載置面上に硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設した構成を示す斜視説明図である。 本考案の要部構成であって、当該重層石造物本体の下部に固定した取付金具と床部の中に埋め込む鉄筋に係止した係止部とを、リング状の連結具で連結し、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結するための準備状態を示す説明図である。 重層石造物本体の下部に固定した取付金具とこの取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた床部の上面に係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1:和型墓石
2:床部
2a:上面
3:台座
3a:基礎台座
3b:可動台座
4a:台石(中台)
4b:台石(上台)
5: 竿石
6a:和型墓石本体
6b:洋型墓石本体
6c:重層石造物本体
7:硬質球状体
8:枠体
8a:枠部材
9:取付金具
10:係止部
11:連結具
12:花立水鉢と線香台
13:鉄筋
14:ワイヤー製の輪状体
15a:石仏像
15b:卵塔
16:連結用の心材

Claims (4)

  1. 墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように設置してなる和型墓石において、
    前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意し、
    当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面が露呈するように固定し、
    当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石を重ねて固定し、更にその上に竿石を建てるように固定して和型墓石本体を形成しておき、
    前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設して硬質球状体が枠体内から飛散しないようになし、
    前記点在するように敷設した硬質球状体の上に、前記和型墓石本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となし、
    当該和型墓石本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結したことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石。
  2. 墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に板状の石碑を建てるように設置してなる洋型墓石において、
    前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意し、
    当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定し、
    当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて固定し、更にその上に板状の石碑を建てるように重ねて固定してなる洋型墓石本体を形成しておき、
    前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固定して硬質球状体が枠体内から飛散しないようになし、
    前記点在するように敷設した硬質球状体の上に、前記洋型墓石本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となし、
    当該洋型墓石本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結したことを特徴とする耐震構造を有する洋型墓石。
  3. 床部の基礎面に台座を固定し、その上に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその台石の上に石塔、石碑、石仏像を重層固設してなる重層石造物において、
    前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意し、
    当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面がほぼ水平に露呈するように固定し、
    当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に一段又は複数段の台石を縦方向に重ねて固定し、更にその上に石塔、石碑、石仏像を重層固設してなる重層石造物本体を形成しておき、
    前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設して硬質球状体が枠体内から飛散しないようにし、
    前記点在するように敷設した多数の硬質球状体の上に、前記重層石造物本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となし、
    当該重層石造物本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するよう連結したことを特徴とする耐震構造を有する重層石造物。
  4. 前記硬質球状体が、ガラス製、石製、合成樹脂製、セラミック製のいずれかであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載する耐震構造を有する墓石又は重層石造物。
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