JP4313240B2 - 呼損抑制方法、ip通信装置、及びip通信システム - Google Patents

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Description

SIPプロトコルが適用されるSIPネットワークに接続されたIP通信装置、登録サーバの登録情報に基づいてIP通信装置への通信を着呼させるSIP通信システム、及びSIP通信システムにおける呼損抑制方法に関する。
従来、インターネットのドキュメントの1つであるRFC(Request For Coment)3261に規定されているSIP(Session Initiation Protocol)を用いてIP電話を行う方式においては、電話呼の着信側機器が自電話番号とIPアドレスとの対応関係を示すバインデイング情報を登録サーバ(又はSIPサーバ)に登録することや、そのバインデイング情報を定期的に更新するレジスタ処理が行われる。
したがって、この方式のIP電話においては、電話番号が付与されたユーザや機器が、ネットワーク上の位置を移動させてもその移動先に電話呼を着信させることができる。
また、バインデイング情報が登録サーバに登録されると、登録されたバインデイング情報は一定の有効期間が設定され、その有効期間が切れたときや有効期間が「0」であるとする更新登録がなされたときには、それまで登録されていたバインデイング情報(電話番号とIPアドレスとの対応関係)が削除される。
この仕組みを活用すれば、IP電話機器からある電話番号への通話要求を受けたとき、その電話番号のバインデイング情報が登録サーバから削除された状態であれば、その電話番号のIP電話機器に一々問い合わせを行うことなく通話可否状態が判断できるので、通話要求元のIP電話機に通話不可である旨を直ちに返答することができる。また、その電話番号に対するバインデイング情報が登録されているときは、登録されたバインデイング情報を用いて、その接続先に通話要求を通知することができる。
しかしながら、例えばIP電話機器に故障が発生したときは、故障したIP電話機からは登録サーバに有効期間を「0」にする更新登録を行うことができず、故障したIP電話機器のバインデイング情報は登録サーバにそのまま残置される。そのとき、別のIP電話機器から電話呼が着呼すると、残置されたバインデイング情報に基づいて接続がなされが、そのIP電話機器は応答不能状態であるため、通話要求元は一定時間待ち続け、結局、呼損を生じさせてしまうという問題がある。
この問題は、複数のIP電話機器に代表電話機能が付加され、1つの電話番号に着信した電話呼にそれら複数のIP電話機器の何れかによって応答することができるようにした場合にはさらに顕著になる。
例えば、IP電話機器A、及びIP電話機器Bにより代表電話を構成し、IP電話機器Aの個別電話番号としてXXXA、IP電話機器Bの個別電話番号としてXXXBが与えられ、代表電話番号としてXXXCが与えられている場合を想定する。
この場合、代表電話番号にXXXCに対する通話要求があると、代表機能がラウンドロビンで定義されていれば、個別電話番号XXXAとXXXBとが付与されたIP電話機器A、Bに交互に通話要求がなされ、代表機能が順次サーチで定義されていれば、個別電話番号XXXAが付与されたIP電話機器Aが受信不能あるいはビジーである場合を除き、XXXAに通話要求がなされる。そのとき、IP電話機器Aがバインデイング情報を残置した状態で故障したときは、代表機能がラウンドロビンで定義されていれば、IP電話機器Aに通話要求がなされる1通話毎に呼損が発生する。また、代表機能が順次サーチで定義されていれば、IP電話機器Aに通話要求がなされたときにIP電話機器Aが受信不能であることが認識されないため、IP電話機器Bが正常であるにもかかわらず呼損が発生する。この状態は、バインデイング情報の有効期間が経過するまで継続される。
このような、IP電話機器の故障による通話不能は、SIPネットワークに接続されたIP電話機器に限らず、登録サーバを用いないIPネットワークにおいても同様に起こり得る。
そこで、例えばパーソナル・コンピューター(以下「PC」と称する。)上のソフトウエアを使用したソフトフォンを使用しIP電話サービスを提供する場合に、LANインタフェースモジュールが機能しなくなったようなPCダウン時や、LAN障害時に電話サービスの提供ができなくなるという事態を回避するため、IP通信装置が定期的にPCのLANインタフェースを監視し、PCの生存状態を検出し、非生存状態のときはIP電話装置が起動する。また、構内電話自動接続システム(以下「PBX」と称する。)がPC(ソフトフォン)の一定期間以上未起動であることを検出するとIP電話装置を起動させるものがある(特許文献1参照)。
また、PBXに収容された多数のIP電話機相互間で電話を行う場合に、全てPBXを介するのでは設備コストが嵩む上、PBXの構築中に、全ての設定が完了しないと通話試験を行うことが出来ないという問題点を解決するため、各IP電話装置に電話番号とIPアドレスとの対応表、リングバックトーン発信手段を配備し、PBXを介さないダイレクトモードとPBXを介する通常モードとを可能にしたものがある(特許文献2参照)。
特開2003−219025号公報 特開2003−204387号公報
本発明は上記事情に鑑み、識別子とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続された複数の端末機器に対してIP通信サービスを提供する場合に、接続された一部の端末機器が故障しても呼損を抑制することができる、呼損抑制方法、IP通信装置及びIP通信システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の呼損抑制方法は、
電話番号とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続された複数の端末機器のうち、何れかの端末機器に対する電話呼の接続要求を該登録サーバに登録された該情報に基づいて処理することにより呼損を抑制する呼損抑制方法であって、
上記複数の端末機器のうちの第1の端末機器は、
電話呼が着呼自在な状態か、着呼不能な状態かを監視し、着呼不能な不良状態であることが検出されたときに、該不良状態である旨の障害情報を上記ローカルネットワークを通じて該複数の端末機器のうちの第2の端末機器に通知し、
上記第2の端末機器は、
上記第1の端末機器から上記ローカルネットワークを通じて上記障害情報が通知されたとき、通知された該障害情報に基づいて上記登録サーバに登録された上記第1の端末機器に係る上記情報を更新することを特徴とする。
このように、端末機器の着呼状態を監視し、不良であるときは、その端末機器から障害情報の通知を受けた他の端末機器により登録サーバに登録された情報を更新するので、無応答などによる呼損が抑制される。
上記の目的を達成する本発明の識別子とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続され、該SIPネットワークを経由する通信と、上記ローカルネットワークを経由する通信とを行うIP通信装置であって、
上記対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報を上記登録サーバに登録するレジスタ処理部と、
上記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部と、
上記機器監視部により上記不良状態が検出されたとき、該不良状態である旨の障害情報を上記ローカルネットワークを通じて別のIP電話装置に向けて送信する障害情報通知部と、
別のIP電話装置で検出された上記障害情報を上記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部と、を備え、
上記レジスタ処理部は、上記障害情報受信部により上記障害情報が受信されたときは、上記登録サーバに登録されている、該障害情報を受信した上記別のIP電話装置の上記有効期間を更新することを特徴とする。
また、上記の目的を達成する本発明のIP通信装置は、
電話番号とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続され、該SIPネットワークを経由する通信と、上記ローカルネットワークを経由する通信とを行うIP通信装置であって、
上記対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報を上記登録サーバに登録するレジスタ処理部と、
上記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部と、
上記機器監視部により上記不良状態が検出されたとき、該不良状態である旨の障害情報を上記ローカルネットワークを通じて別のIP通信装置に向けて送信する障害情報通知部と、
別のIP通信装置で検出された上記障害情報を上記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部と、を備え、
上記レジスタ処理部は、上記障害情報受信部により上記障害情報が受信されたとき、上記登録サーバに登録されている、該障害情報を受信した上記別のIP通信装置の上記有効期間を更新することを特徴とする。
このように、IP通信装置が着呼状態を監視する機器監視部と、不良状態を他のIP通信装置に通知する障害情報通知部とそれを受信する障害情報受信部を有し、不良状態になったIP通信装置とは別のIP通信装置が、登録サーバの情報を更新するので、無応答などによる呼損が抑制される。
上記の目的を達成する本発明のIP通信システムは、
電話番号とIPアドレスとの対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続された複数のIP通信装置のうち何れかのIP電話装置に対する電話呼の接続要求を、該バインデイング情報に基づいて所定のIP電話装置に着信させるSIP電話システムにおいて、
上記バインデイング情報を上記登録サーバに登録するレジスタ処理部、上記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部、該機器監視部により該不良状態が検出されたときに、該不良状態である旨の障害情報を上記ローカルネットワークを通じて送信する障害情報通知部、別のIP電話装置で検出された上記障害情報を上記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部、上記SIPネットワークを構成する機器及び上記複数のIP電話装置それぞれの情報が格納されたシステム情報記憶部、及び上記登録サーバの上記バインデイング情報を格納するレジスタ情報記憶部を備えた第1及び第3のIP電話装置と、
少なくとも、上記レジスタ処理部、上記機器監視部、及び上記障害情報通知部を備えた第2のIP電話装置と、を有し、
上記第1のIP電話装置は、
上記障害情報受信部が、上記第2のIP電話装置から上記障害情報を上記ローカルネットワークを通じて受信したときは、上記登録サーバに登録されている、該第2のIP電話装置の上記有効期間を更新することを特徴とするIP電話システム。

このように、複数の異なる機能を有するIP電話装置によりIP電話システムが構築されている場合であっても、役割分担を行うことによりIP電話システム全体の呼損が抑制される。
本発明の呼損抑制方法、IP通信装置及びIP通信システムによれば、SIPネットワークを構成する機器や接続されたIP通信装置が故障等しても、そのIP通信装置への接続要求は排除されるので呼損を抑制することができる。
以下に本発明の呼損抑制方法、本発明のIP通信装置、及び本発明のIP通信システムの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のIP通信装置がSIPネットワークに接続され、第1の実施形態の呼損抑制方法が適用される、本発明の第1の実施形態のIP電話システムを示す図である。
図1に示すSIPネットワークは、本実施形態のIP電話装置4、13(本発明の第2の端末機器、第3の端末機器に相当する。)と、SIPネットワーク上に位置する登録サーバ1と、SIPネットワークへの接続をつかさどるルータ2と、ルータ2とIP電話装置4、13とを接続するHUB3、12と、IP電話装置4、13相互を、例えばLANなどによりローカル接続するHUB21と、を備えている。
登録サーバ1は、IP電話装置4、13のユーザからリクエストを受けたときに、そのリクエストを認証し、IP電話装置4、13に付与されている電話番号とインターネット上の位置をあらわすIPアドレスとの対応関係及びその対応関係の有効期間とからなるバインデイング情報その他情報をデータベースに登録する処理や、登録されたバインデイング情報その他情報を定期的に更新する処理、登録されたバインデイング情報その他情報の変更や有効期間がオーバーしたことなどに伴いその登録情報を削除する処理等を行う。
ここでは登録機能に着目して登録サーバと称しているが、他のプロキシ機能等を含めたSIPサーバであってもよい。また、それぞれ独立のサーバにより構成されたものであってもよい。
HUB3、12は、複数のIP電話装置をマルチ収容し、それらをルータ2と接続することができるが、説明の都合上、それぞれ1つずつのIP電話装置4、13を収容している。なお、ここでは、IP電話装置4、13とルータ2との接続にHUB3、12を用いているが、スイッチを用いることもできる。
HUB21は、例えば事業所内に張られたLANにIP電話装置を接続するために用いられる。したがって、例えばIP電話装置のSIPネットワーク側インタフェースが故障した場合でも、HUB21を介して、LAN内にIP電話装置相互間の通信が可能である。
IP電話装置は、接続先の例えばIP電話装置との間における、リングバックトーンなどのシグナリング機能や音声信号をIPパケット化する機能とを有し、相互間で通話を行うIP通話部5、14(本発明の通話部に相当する。)と、バインデイング情報その他情報を登録サーバ1に登録・更新・削除するレジスタ処理部6、15と、SIPネットワークを介して電話呼が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部7、16と、機器監視部7、16が不良状態を検出したときに、その障害情報を別のIP電話装置に通知する障害情報通知部8、17と、別のIP電話装置で検出された障害情報の通知を受信する障害情報受信部9、18と、SIPネットワークに接続された複数のIP電話装置それぞれがどのような機器に接続されているかがわかるプラントレコードが格納されたシステム情報記憶部10、19と、レジスタ処理部6、15により登録サーバ1に登録されたバインデイング情報その他情報が格納される情報記憶部11、20を備えている。
バインデイング情報その他情報を登録サーバへ登録するため、IP電話装置に備えるキーボードなどから所定の入力がなされると、レジスタ処理部6、15は、入力された情報が登録される。登録されたその電話番号に電話呼が着呼すると、登録サーバは、データベースを参照してその電話番号とその電話番号に対応するIPアドレスとを検索する。そして、検索された電話番号及びIPアドレスが見つかると、そのIPアドレスを有するIP電話装置にその電話を取り次ぐ。
機器監視部7、16は、レジスタ処理部及びIP通話部に異常が検出されたときは障害情報通知部8、17に障害情報を通知すると共に、システム情報記憶部10、19に格納された複数のIP電話装置それぞれのプラントレコードにより複数のIP電話装置それぞれの生存確認を、例えばTCP/IPのPINGコマンドにより定期的に行い、別のIP電話装置の異常が検出されると、その別のIP電話装置の障害情報をレジスタ処理部6、15に通知する。機器監視部7、16から、自IP電話装置や別のIP電話装置の障害情報が通知され、あるいは障害情報受信部9、18から別のIP電話装置の障害情報が通知通とされたレジスタ処理部6、15は、登録サーバ1に登録されている、障害情報が通知されたIP電話装置の有効期間を「0」に更新する。
このように、登録サーバに登録されている情報の有効期間が更新されるので、更新された電話番号に着呼した電話呼は、そのIPアドレスのIP電話装置に取り次がれないので、呼損が生じることがない。また、その場合、音声ガイダンスなどにより、接続要求のあった発信元に所定のメッセージを返すことにすれば、再呼を抑制することもできる。
本実施形態のIP電話装置は、IP通話部5、14、レジスタ処理部6、15、機器監視部7、16、及び障害情報通知部8、17の他に、障害情報受信部9、18、システム情報記憶部10、19、及び情報記憶部11、20を備えているが、障害情報受信部9、18、システム情報記憶部10、19、及び情報記憶部11、20は必ずしも備える必要はない。
また、本実施形態では、IP通信装置がIP電話装置であり、登録サーバに登録されているバインデイング情報として、電話番号とIDアドレスとの対応関係が登録されているが、IP通信装置は、IP電話装置に限定する必要はなく、またバインデイング情報として、URIなどの識別子とIDアドレスとの対応関係が登録されていてもよい。
図2は、本実施形態のシステム情報記憶部に格納されたプラントレコードのデータを一例として示す図である。
図2に示すように、システム情報記憶部には、データ項目として、「機器名」「IPアドレス」「レジスタ情報No1」「レジスタ情報No2」「障害通知先」「代替受信先」が格納されている。
第1行目には、「機器名」HUB3のプラントレコードのデータが格納され、HUB3は、「IPアドレス」が10.0.0.1であり、「レジスタ情報No1」はR1で、「情報No2」はR2であり、「代替受信先」としては、異なるHUBに接続されるIP電話装置13が割り当てられている。
第2行目には、「機器名」HUB12のプラントレコードのデータが格納され、HUB12は、「IPアドレス」が10.0.0.2であり、「レジスタ情報No1」はR3で、「情報No2」はR4であり、「代替受信先」としては、異なるHUBに接続されるIP電話装置13が割り当てられている。
また、第3行目には、「機器名」IP電話装置4のプラントレコードのデータが格納され、IP電話装置4は、「IPアドレス」が10.0.0.3であり、「レジスタ情報No1」はR1で、「情報No2」はR2であり、同じHUBに接続されるIP電話装置の電話番号が割り付けられている。「障害通知先」としては、異なるHUBに接続されるIP電話装置13が割り付けられ、「代替受信先」も同様に、異なるHUBに接続されるIP電話装置13が割り付けられている。
第4行目には、「機器名」IP電話装置13のプラントレコードのデータが格納され、IP電話装置13は、「IPアドレス」が10.0.0.4であり、「レジスタ情報No1」はR3で、「情報No2」はR4であり、同じHUBに接続されるIP電話装置の電話番号が割り付けられている。「障害通知先」としては、異なるHUBに接続されるIP電話装置4が割り付けられ、「代替受信先」も同様に、異なるHUBに接続されるIP電話装置4が割り付けられている。
さらに、第5行目には、「機器名」HUB21のプラントレコードのデータが格納され、HUB21は、「IPアドレス」が10.0.0.5である。ただし、HUB21はローカル接続用のものであることから「レジスタ情報」「障害通知先」「代替受信先」は割りつけられていない。
ここで、本実施形態のシステム情報記憶部10、19にはレジスタ情報が2つだけ格納されているが、例えばHUB3、13それぞれによりルータ2に接続される全てのIP電話装置の電話番号を格納することもできる。また、障害通知先や代替受信先についてもそれぞれ1つだけ格納されているが、複数であってもよい。ただし、複数設定する場合には優先順位をつけるなどの方法が用いられる。
図3は、本実施形態のレジスタ情報記憶部に格納されたバインデイング情報の一例を示す図である。
図3に示すように、レジスタ情報は、データ項目として「レジスタ情報No」、「電話番号」、「ユーザID」、「パスワード」、「登録先サーバ」が格納されている。
ここでは、レジスタ処理部が登録サーバにレジスタ情報を登録する際に必須なデータのみが示されているが、必ずしもこれに限定される必要はなく、登録サーバの仕様に応じてさらに別のデータを格納することにしてもよい。
レジスタ処理部は、レジスタ情報記憶部に格納されたレジスタ情報を「レジスタ情報No」R1により検索して「登録先サーバ」、「電話番号」、「ユーザーID」、「パスワード」を抽出し、それらの情報に基づいて所定の登録サーバにレジスタ情報を登録することができる。
図4は、複数のIP電話機器により代表電話機能が付加されている場合にバインデイング情報に付加される代表電話番号と子番号との関係を一例として示す図である。
図4に示すように、代表電話機能が付加されている場合には、図3に示すレジスタ情報に、代表電話番号と子番号との関係を示す情報が付加されている。
レジスタ処理部は、「電話番号」に代えて、「代表電話番号と子番号との関係」を登録する。
次に、IP電話装置4を立ち上げて、SIPネットワーク上で使用する際の処理について説明する。
まず、レジスタ処理部6は、システム情報記憶部10に記憶された図2に示すプラントレコードから自IP電話装置4のレジスタ情報を検索する。例えば、レジスタ処理部6は、レジスタ情報No「R1」「R2」を取得する(ステップ1)。
次に、レジスタ情報番号No「R1」「R2」を用いて、レジスタ情報記憶部11に格納された、図3に示すレジスタ情報を検索する。検索された情報に基づいて、レジスタ処理部6は、登録サーバ1に登録処理を行う(ステップ2)。
例えば、レジスタ情報No「R1」については、「登録先サーバ」SIP01に対して、「電話番号」1111、「ユーザID」USER1、「パスワード」PASS1を用いて登録処理を行う。同様に、レジスタ情報No「R2」については、「登録先サーバ」SIP01に対して、「電話番号」2222、「ユーザID」USER2、「パスワード」PASS2を用いて登録処理を行う。
登録が完了し、IP電話装置4の運用が開始された後は、レジスタ処理部6は、登録されたレジスタ情報の有効期間がきれないように、定期的にレジスタ情報の更新(リフレッシュ)を行う(ステップ3)。
なお、ここでは、IP電話装置4を例に、IP電話装置4を立ち上げて、SIPネットワーク上で使用する際の処理について説明したが、IP電話装置13についても同様に処理される。
次に、IP電話装置4が着呼可能な状態か、着呼不能な状態かを検出し、障害情報の送受を行い、登録サーバに登録された情報の削除処理を行う方法について説明する。
例えば、IP通話部5の通話用送受器がオフフック状態であるにも係わらずダイヤルトーンが発出されない場合や、レジスタ処理部6が登録サーバ1にアクセス出来ない場合は、IP電話装置自体が不良状態であり、IP通話部5やレジスタ処理部6から機器監視部7に所定の信号が送られるので、機器監視部7は、送られた信号を障害情報通知部8に送る。
また、レジスタ処理部6による定期的なリフレッシュ処理において、バインデイング情報などの更新に失敗した場合には、HUB3その他の異常が想定されるので、レジスタ処理部6から障害情報通知部8に所定の信号が送られる。
さらに、機器監視部7により、例えばTCP/IPにおけるPINGコマンドを用いて定期的に行われるIP電話システムの生存確認において、生存確認が全不能である場合には、少なくとも例えばHUB3の異常であり、IP電話装置13などHUB12に接続された各IP電話装置の生存確認が不能な場合には、例えばHUB12の異常であることが検出される。そこで、機器監視部7は検出された異常の内容に応じて、例えばHUB3が異常な場合には障害情報通知部8に障害情報を通知し、例えばHUB12が異常な場合にはレジスタ処理部に通知する。
所定の信号又は障害情報を通知された障害情報通知部8は、システム情報記憶部10から自IP電話装置4に関する情報を検索し、「障害通知先」の情報を取得する(ステップ11)。
次に、障害情報通知部8は、自IP電話装置4が障害であることを「障害通知先」であるIP電話装置13の障害情報受信部に通知する(ステップ12)。その場合、障害通知は、HUB21を経由するローカルルートにより行われる。
ここでは、図2に示すように「障害通知先」はIP電話装置13である。なお、「障害通知先」は1つに限定する必要はなく、優先順位を設定することにより複数の通知先を設定することもできる。
一方、障害情報受信部9から障害情報の通知を受けたレジスタ処理部15は、システム情報記憶部19に格納された情報から、通知を受けた機器名を検索する(ステップ21)。
次に、検索された該当機器名からレジスタ情報それぞれと代替受信先とのペア、例えばレジスタ情報「R1」と「IP電話装置13」とのペア、レジスタ情報「R2」と「IP電話装置13」とのペアを抽出する(ステップ22)。
次に、抽出されたレジスタ情報を用いて、レジスタ情報記憶部20に格納されたデータを検索し、検索された電話番号、USERID、パスワードを用いて、登録サーバ1に登録されている有効期間の削除処理を行う(ステップ23)。
例えば、レジスタ情報「R1」の登録先サーバとなっているSIP01に対して、電話番号「1111」、USERID「USER1」、パスワード「PASS1」を用いて、SIP01に登録されている有効期間を「0」に更新する(ステップ24)。
また、システム情報記憶部19から検索された代替受信先が自IP電話装置であるときは、レジスタ情報「R1」の登録先サーバとなっているSIP01に対して、電話番号「1111」、USERID「USER1」、パスワード「PASS1」を用いて、登録処理を行う(ステップ25)。なお、この場合の有効期間は、予めSIPネットワークで規定されている期間に自動設定される。
同様にして、レジスタ情報「R2」についても、電話番号「2222」、USERID「USER2」、パスワード「PASS2」を用いて、登録先サーバのSIP01に登録されている有効期間を「0」に更新する。
この結果、電話番号「1111」「2222」に着呼した電話呼の接続先は、IP電話装置4からIP電話装置13に変更される。
このように代替受信先を設定することにより、更に呼損を抑制することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態と較べて、複数のIP電話装置のうちの一部のものは、障害情報受信部、システム情報記憶部及びレジスタ情報記憶部を持たないため、障害情報を発信するのみで、故障したときの処理は、別のIP電話装置が集約して実施する点が相違する。しかし、それ以外の点は共通するので、同一の構成要素には、同一の符号を付し、相違点について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態のIP電話装置がSIPネットワークに接続され、第2の実施形態の呼損抑制方法が適用される、本発明の第2の実施形態のIP電話システムを示す図である。
図5に示すSIPネットワークは、本実施形態の第2のIP電話装置24と、第1及び第3のIP電話装置23(ここでは何れか一方のみを示す。)と、SIPネットワーク上に位置する登録サーバ1と、SIPネットワークへの接続をつかさどるルータ2と、ルータ2と第2のIP電話装置24とを接続するHUB3と、ルータ2と第1及び第3のIP電話装置23とを接続するHUB12と、第2のIP電話装置4と第1及び第3のIP電話装置23とを、例えばLANなどによりローカル接続するHUB21と、を備えている。
登録サーバ1は、第1〜第3のIP電話装置24、23のユーザからリクエストを受けたときに、そのリクエストを認証し、第1〜第3のIP電話装置24、23に付与されている電話番号とインターネット上の位置をあらわすIPアドレスとの対応関係及びその対応関係の有効期間とからなるバインデイング情報をデータベースに登録する処理や、登録されたバインデイング情報を定期的に更新する処理、登録されたバインデイング情報の変更、有効期間がオーバーしたことなどに伴う登録情報の削除処理等を行う。
第1及び第3のIP電話装置23は、第1の実施形態において説明したIP電話装置と同様の機能を有する。
一方、第2のIP電話装置24は、IP通話部5、レジスタ処理部6、機器監視部7、及び障害情報通知部8は有するが、障害情報受信部、システム情報記憶部、及びレジスタ情報記憶部は備えていない。
したがって、第2のIP電話装置24の機器監視部7は、IP通話部5及びレジスタ処理部6から異常を知らせる信号を受信し、それによる障害情報を第1のIP電話装置23に通知する。
一方、第1のIP電話装置23の機器監視部16は、システム情報記憶部19に記憶された情報に基づいて、PINGコマンドによる生存確認を行い、HUB3を含む異常の検出を行い、検出された異常を、障害情報として障害情報通知部17に通知し、障害情報通知部17は、その障害情報を第3のIP電話装置23に通知する。
また、障害情報受信部18により障害情報を受信した第1及び第3のIP電話装置23のレジスタ処理部15は、レジスタ情報記憶部20に記憶されたバインデイング情報に基づいて登録サーバに登録されている、障害情報が受信されたIP電話装置のバインデイング情報を更新する。
その場合、バインデイング情報を更新したIP電話装置の代替IP電話装置が、システム情報記憶部に格納されている場合には、その代替IP電話装置のバインデイング情報を登録サーバに登録する。
ここで、障害情報が受信された第2のIP電話装置24の代替IP電話装置として、第1又は第3のIP電話装置23を登録することができる。
このように、すべてのIP電話装置が、第1の実施形態で説明した機能を持たない場合であっても、役割分担を行うことにより第1の実施形態と同様、呼損を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態のIP電話装置がSIPネットワークに接続され、第1の実施形態の呼損抑制方法が適用される、本発明の第1の実施形態のIP電話システムを示す図である。 本実施形態のシステム情報記憶部に格納されたプラントレコードのデータを一例として示す図である。 、本実施形態のレジスタ情報記憶部に格納されたバインデイング情報の一例を示す図である。 複数のIP電話機器により代表電話機能が付加されている場合にバインデイング情報に付加される代表電話番号と子番号との関係を一例として示す図である。 本発明の第2の実施形態のIP電話装置がSIPネットワークに接続され、第2の実施形態の呼損抑制方法が適用される、本発明の第2の実施形態のIP電話システムを示す図である。
符号の説明
1 登録サーバ
2 ルータ
3、12、21 HUB
4、13 IP電話装置
5、14 IP通話部
6、15 レジスタ処理部
7、16 機器監視部
8、17 障害情報通知部
9、18 障害情報受信部
10、19 システム情報記憶部
11、20 レジスタ情報記憶部
23 第1及び第3のIP電話装置
24 第2のIP電話装置

Claims (12)

  1. 電話番号とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続された複数の端末機器のうち、何れかの端末機器に対する電話呼の接続要求を該登録サーバに登録された該情報に基づいて処理することにより呼損を抑制する呼損抑制方法であって、
    前記複数の端末機器のうちの第1の端末機器は、
    電話呼が着呼自在な状態か、着呼不能な状態かを監視し、着呼不能な不良状態であることが検出されたとき、該不良状態である旨の障害情報を前記ローカルネットワークを通じて該複数の端末機器のうちの第2の端末機器に通知し、
    前記第2の端末機器は、
    前記第1の端末機器から前記ローカルネットワークを通じて前記障害情報が通知されたとき、通知された該障害情報に基づいて前記登録サーバに登録された前記第1の端末機器に係る前記情報を更新することを特徴とする呼損抑制方法。
  2. 前記登録サーバは、前記対応関係が有効に機能する有効期間に関する情報が登録されたものであって、
    前記第2の端末機器は、前記障害情報に基づいて前記登録サーバに登録された前記第1の端末機器の前記対応関係に係る前記有効期間を更新することを特徴とする請求項1記載の呼損抑制方法。
  3. 前記第2の端末機器は、前記有効期間が更新された前記第1の端末機器への電話呼を該第1の端末機器に代えて着呼させる代行端末機器の前記対応関係を含む情報を有するものであって、前記有効期間を更新したときは、前記登録サーバに、該代行端末機器の該対応関係を含む情報を登録することを特徴とする請求項2記載の呼損抑制方法。
  4. 識別子とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続され、該SIPネットワークを経由する通信と、前記ローカルネットワークを経由する通信とを行うIP通信装置であって、
    前記対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報を前記登録サーバに登録するレジスタ処理部と、
    前記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部と、
    前記機器監視部により前記不良状態が検出されたとき、該不良状態である旨の障害情報を前記ローカルネットワークを通じて別のIP通信装置に向けて送信する障害情報通知部と、
    別のIP通信装置で検出された前記障害情報を前記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部と、を備え、
    前記レジスタ処理部は、前記障害情報受信部により前記障害情報が受信されたときは、前記登録サーバに登録されている、該障害情報を受信した前記別のIP通信装置の前記有効期間を更新することを特徴とするIP通信装置。
  5. 電話番号とIPアドレスとの対応関係を含む情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続され、該SIPネットワークを経由する通信と、前記ローカルネットワークを経由する通信とを行うIP通信装置であって、
    前記対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報を前記登録サーバに登録するレジスタ処理部と、
    前記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部と、
    前記機器監視部により前記不良状態が検出されたとき、該不良状態である旨の障害情報を前記ローカルネットワークを通じて別のIP通信装置に向けて送信する障害情報通知部と、
    別のIP通信装置で検出された前記障害情報を前記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部と、を備え、
    前記レジスタ処理部は、前記障害情報受信部により前記障害情報が受信されたときは、前記登録サーバに登録されている、該障害情報を受信した前記別のIP通信装置の前記有効期間を更新することを特徴とするIP通信装置。
  6. 前記機器監視部は、前記レジスタ処理部及び前記通信に係る通話部に異常が検出されたとき、前記障害情報通知部に前記不良状態である旨の障害情報を通知することを特徴とする請求項4又は5記載のIP通信装置。
  7. 前記SIPネットワークを構成する機器及び前記複数のIP通信装置それぞれの情報が格納されたシステム情報記憶部を備え、
    前記機器監視部は、前記システム情報記憶部に格納された前記複数のIP通信装置それぞれの情報に基づいて該複数のIP通信装置それぞれの生存確認を定期的に行い、該生存確認により異常が検出されたときは、検出された状態に応じて、前記障害情報通知部又は前記レジスタ処理部に前記不良状態である旨の障害情報を通知することを特徴とする請求項4又は5記載のIP通信装置。
  8. 前記レジスタ処理部は、前記登録サーバに登録された前記有効期間の定期的更新を行うものであって、該更新が不能な不良状態を検出したときは、該不良状態である旨の障害情報を前記障害情報通知部に通知することを特徴とする請求項4又は5記載のIP通信装置。
  9. 前記登録サーバに登録される前記バインデイング情報を格納するレジスタ情報記憶部を備え、
    前記レジスタ処理部は、前記障害情報通知部により前記障害情報が通知されたときは、前記レジスタ情報記憶部に格納された前記バインデイング情報に基づいて前記登録サーバを更新することを特徴とする請求項4又は5記載のIP通信装置。
  10. 電話番号とIPアドレスとの対応関係と該対応関係の有効期間とを含むバインデイング情報が登録された登録サーバを有するSIPネットワークに接続されるとともに、ローカルネットワークに接続された複数のIP通信装置のうち何れかのIP通信装置に対する通信の接続要求を、該バインデイング情報に基づいて所定のIP通信装置に着信させるSIP通信システムにおいて、
    前記バインデイング情報を前記登録サーバに登録するレジスタ処理部、前記SIPネットワークを経由する通信が着信自在な状態か、着信不能な不良状態かを監視する機器監視部、該機器監視部により該不良状態が検出されたときに、該不良状態である旨の障害情報を前記ローカルネットワークを通じて送信する障害情報通知部、別のIP通信装置で検出された前記障害情報を前記ローカルネットワークを通じて受信する障害情報受信部、前記SIPネットワークを構成する機器及び前記複数のIP通信装置それぞれの情報が格納されたシステム情報記憶部、及び前記登録サーバの前記バインデイング情報を格納するレジスタ情報記憶部を備えた第1及び第3のIP通信装置と、
    少なくとも、前記レジスタ処理部、前記機器監視部、及び前記障害情報通知部を備えた第2のIP通信装置と、を有し、
    前記第1のIP通信装置は、
    前記障害情報受信部が、前記第2のIP通信装置から前記障害情報を前記ローカルネットワークを通じて受信したときは、前記登録サーバに登録されている、該第2のIP通信装置の前記有効期間を更新することを特徴とするIP電話システム。
  11. 前記第3のIP通信装置は、
    前記障害情報受信部が、前記第1のIP通信装置から前記障害情報を前記ローカルネットワークを通じて受信したときは、前記登録サーバに登録されている、該第1のIP通信装置の前記有効期間を更新することを特徴とする請求項10記載のIP電話システム。
  12. 前記第1及び第3のIP通信装置は、
    前記登録サーバに登録されている前記有効期間が更新された前記IP通信装置への通信を該IP通信装置に代えて着信させる代行IP通信装置の前記バインデイング情報を前記システム情報記憶部に格納するものであって、該有効期間を更新したときは、該代行IP通信装置の該バインデイング情報を前記登録サーバに登録することを特徴とする請求項10記載のIP通信システム。
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