JP4312395B2 - 軸励起式ガスレーザ装置及び注入同期式ガスレーザ装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、軸励起式ガスレーザ装置、及び軸励起式ガスレーザ装置から出射したレーザ光をシード光として増幅する注入同期式ガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、放電管の長手方向に主放電を起こして、レーザ媒質であるレーザガスを励起するフッ素レーザ装置が知られており、例えば「甲南大学紀要 理学編第47巻 第1号 縦型放電励起フッ素原子レーザー」に示されている。図8は、上記紀要に開示されたフッ素レーザ装置101の構成断面図を表しており、以下図8に基づいて従来技術を説明する。
図8においてフッ素レーザ装置101は、フッ素を含んだレーザガスを封入し、内部で主放電を起こしてレーザ光111を発振する中空円筒状のセラミック製放電管112を備えている。
【0003】
放電管112の中央部にはリング状のアノード104が、両端部にはリング状のカソード105,105がそれぞれ付設されている。カソード105,105の外側には、リアミラー108及びフロントミラー106が設置されている。アノード104及びカソード105,105は、パルス状に高電圧を印加する高圧電源113の接地側GND及び高圧側HVに、図示しない主放電回路を介してそれぞれ接続されている。
放電管112の外周部には、銅箔製の予備電離電極110が巻かれている。この予備電離電極110に、高圧電源113から高電圧パルスを印加することによって予備放電115を起こし、放電管112内のレーザガスを予備電離する。そして、アノード104−カソード105間に高電圧を印加することにより、図示しない主放電を行なって、フロントミラー106よりレーザ光111を出射させる。
【0004】
このように、放電管112の長手方向に、主に放電管112の内壁を伝わって主放電を起こすことにより、放電電極104,105間の絶縁破壊電圧が低い時点から放電が起きる。さらには、放電電極104,105の間隔を従来の横励起方式よりも大きくできるので、レーザガスの圧力が低くとも安定に主放電を起こすことが可能である。
これにより、レーザガスの圧力による波長広がりが小さくなり、スペクトル幅の狭いレーザ光を得ることが可能となる。また、レーザ光111の断面積に比してリアミラー108−フロントミラー106間の距離である共振器長が長いため、平行度が高いレーザ光111を得ることが可能である。即ち、このようなレーザ光111を加工に用いると、良好な加工が可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち、従来技術の構成によれば、図8に示すように、予備放電115は、予備電離電極110の両端部とアノード104及びカソード105,105との間でのみ起きる。そのため、放電管112の長手方向中央部では予備放電115が行なわれず、その近傍のレーザガスが予備電離されない。
予備電離が均一に行なわれないレーザガスに対して主放電を行なうと、主放電が不安定となり、主放電注入できる電力が変動する。その結果、レーザ光111の出力が変動したり、高い出力が得られなかったりするという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、放電管の長手方向全域にわたって均一な予備電離を行なうことが可能な軸励起式ガスレーザ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明は、レーザガスを封入する放電管と、放電管を挟んで長手方向に対向して配置された放電電極とを備えた軸励起式ガスレーザ装置において、予備電離用電源の高電圧側に接続された高圧側予備電離電極と、接地側に接続された接地側予備電離電極とを、放電管の外周部に、長手方向に交互に隣接させ、かつ電気的に互いに絶縁して配置したことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、放電管の長手方向に隣接して配置した予備電離電極間において、予備放電が行なわれる。従って、例えばこのような予備電離電極を長手方向に複数個並べるようにすれば、放電管内部の長手方向全域にわたって予備電離電極間で予備放電が起き、放電管内のレーザ媒質がくまなく予備電離される。その結果、放電空間内の電子密度が均一に上昇するため、主放電が放電管内部の長手方向全域にわたって安定に起き、レーザ光の出力が高くなって、しかも出力安定性が良くなる。
【0011】
また、従来技術の項で既述したように、軸励起式ガスレーザ装置から出射するレーザ光は、レーザガスの圧力による波長広がりが小さいため、基本的にスペクトル幅が狭い。これをシード光として増幅することにより、注入同期式ガスレーザ装置から、スペクトル幅の狭い増幅レーザ光を得ることが可能である。即ち、このような増幅レーザ光をレーザ加工の光源として用いることにより、高精度で微細な加工が可能となる。
また、軸励起式ガスレーザ装置から出射するレーザ光は平行度が高く、横モードの次数が低い。このようなレーザ光は、加工に適した形状に整形が容易であり、加工機用の光源として優れている。
特に、これらの軸励起式ガスレーザ装置は、フッ素レーザ装置において特に有効である。フッ素レーザ装置は、リソグラフィ等の加工に用いる場合に、繰り返し周波数の増加が求められており、軸励起式にすることにより、繰り返し周波数の増加が容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
まず、第1実施形態を説明する。図1は、第1実施形態に係るフッ素レーザ装置1の構成を示す断面図である。
【0013】
図1において、フッ素レーザ装置1は、内部で放電を起こしてレーザ媒質であるレーザガスを励起し、レーザ光11を発振する放電管12,12を備えている。放電管12,12の外周部には、環状のフィン25が、所定間隔で一体に形成されている。尚、以下の説明では、放電管12の長手方向(図1中左右方向)を、単に長手方向と言う。
放電管12,12の内部には、レーザガスとして、ヘリウム(He)、又はネオン(Ne)、又はこれらの混合ガスと、フッ素(F2)とが封入されている。放電管12,12の材質は、例えばアルミナセラミックス等の、フッ素に対する耐腐食性と絶縁性とをともに備えた材質が好適である。また、サファイアは、ヘリウムに対する気密性が、アルミナセラミックス等よりもさらに優れている。
【0014】
2本の放電管12,12の中間には、リング状のカソード5が配置され、カソード5と放電管12,12との間は、Oリング22,22によって封止されている。また、放電管12,12のカソード5と反対側端部には、リング状のアノード4,4が、Oリング22,22を介してそれぞれ固定されている。
アノード4,4の長手方向両外側には、図示しない支持部材を介して、レーザ光11を全反射するリアミラー8と、レーザ光11の一部を部分反射して他を出射するフロントミラー6とがそれぞれ固定されている。カソード5,5とミラー6,8との間は、それぞれOリング22,22によって封止されている。
【0015】
放電管12,12のアノード4,4近傍端部には、それぞれ小孔23,23が設けられ、ガス循環配管24,24がそれぞれ接続されている。
ガス循環配管24には、レーザガスを駆動するポンプ19と、レーザガス中に混入した塵などの不純物を除去するフィルタ26と、放電によってレーザガス内に発生した熱を除去する熱交換器3と、レーザガスを溜めておくガスチャンバ27とが接続されている。ガスチャンバ27には、レーザガスボンベ28が接続されており、必要に応じてレーザガスを供給できるようになっている。
フッ素レーザ装置1を運転する際には、ポンプ19を駆動してレーザガスを例えば矢印58の向きに流し、放電管12内のレーザガスを常に新鮮なものと入れ替える。
【0016】
アノード4及びカソード5は、例えばニッケル合金等の金属からなっている。アノード4及びカソード5は、パルス状に高電圧を印加する高圧電源13の接地側GND及び高圧側HVに、放電回路30を介してそれぞれ接続されている。
放電管12の外周部には、フィン25間に、例えば銅等の金属からなるリング状の予備電離電極10A,10Bが、メタライズによって固定されている。予備電離電極10A,10Bは、放電回路30を介して高圧電源13の高圧側HVに接続された高圧側予備電離電極10Aと、高圧電源13の接地側GNDに接続された接地側予備電離電極10Bとが、交互に配設されている。
【0017】
ギャップスイッチ16が閉作動すると、放電回路30の作用によって、高圧電源13から予備電離電極10A,10B間に、パルス状の高電圧が印加される。これにより、隣接する高圧側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとの間に、放電管12の内壁に沿って、グロー状の予備放電15が生じる。その結果、放電管12の長手方向全域にわたって放電空間14のレーザガスが電離され、放電空間14内にある一定量以上の遊離電子が供給される。これを、予備電離と言う。
そして、予備放電15の直後に、高圧電源13から放電電極4,5間にパルス状の高電圧が印加される。これにより、アノード4とカソード5との間で、放電管12の内壁に沿って図示しない主放電が行なわれ、放電空間14のレーザガスが励起されてレーザ光11が発振する。
【0018】
以上説明したように第1実施形態によれば、放電管12の外周部にフィン25を設け、フィン25とフィン25との間に、高圧側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとを交互に配置している。これらの間に高電圧を印加することにより、隣接する高圧側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとの間に、それぞれ予備放電15が起きる。これにより、長手方向全域にわたって予備放電15が起きるため、レーザガスが長手方向全域にわたって予備電離される。従って、主放電が安定に行なわれ、レーザ光11の出力が高出力で安定する。また、放電管12の内壁全体に沿ってレーザ光11の光軸を中心として対称に予備電離が行なわれるので、光軸を中心として対称な断面形状及び強度分布のレーザ光11を得ることができる。
またこのとき、放電管12の外周部には、高圧側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとの間を遮るフィン25が設けられている。そのため、高圧側予備電離電極10Aと接地側予備電離電極10Bとの間が絶縁され、放電管12の外側で放電が起きるのが防止される。従って、予備放電15が常に放電管12の内壁に沿って行なわれ、レーザガスを効率良く予備電離することができる。
【0019】
尚、第1実施形態において、予備電離電極10A,10Bを放電回路30を介して高圧電源13に接続し、高圧電源13が予備電離用電源を兼ねるように説明したが、これに限られるものではない。例えば、図2に示すように予備電離用電源21を別途設け、予備電離用電源21と高圧電源13との間で同期信号線43を伝送する同期信号によって同期を取って、予備放電と主放電を適切なタイミングで起こすようにしてもよい。
また、図1に示したような放電回路30の場合には、放電管12の長手方向略中央部で起きる予備放電のタイミングと、放電管12の端部で起きる予備放電のタイミングとがずれることがある。これを防止するために、コンデンサC3と高圧側予備電離電極10Aとの間にさまざまな容量のコイルを介挿し、予備放電のタイミングを合わせるようにしてもよい。
さらには、図1では放電管12を直列に2本並べるように説明したが、これに限られるものではない。即ち、図2に示したように放電管12を1本とし、アノード4とカソード5との近傍端部にそれぞれ小孔23を設け、ガス循環配管24,24を接続するようにしてもよく、或いは3本以上並べてもよい。
さらには、放電管12を直列に並べるのではなく、図3に示すように並列に複数本並べてもよい。この場合、第1の放電管12Aの後部には、リアミラー8が、第3の放電管12Cの前部にはフロントミラー6が、それぞれ固定されている。また、第1の放電管12Aの前部、第2の放電管12Bの前後部、及び第3の放電管12Cの後部には、レーザ光11を透過するウィンドウ7が固定されている。
レーザ光11は、ミラー44によってS字型に反射され、フロントミラー6から出射する。尚、図3においては、説明を簡略化するため、高圧電源13、放電回路30、及びガス循環配管24は省略している。
【0020】
次に、第2実施形態について説明する。
図4に、第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成図、図5にその断面図を示す。尚、図1で示したガス循環配管24、及びこれに接続されたポンプ19等の機器は省略する。また、本実施形態では放電管12を1本として説明するが、図1に示したフッ素レーザ装置1のように、2本の放電管12,12を直列に配してもよい。
【0021】
図4、図5において、フッ素レーザ装置1は、中空円筒形の放電管12を備えている。放電管12の両端部にはフランジ37,37が一体に設けられ、フランジ37,37の外側には、リング状のカソード5及びアノード4がそれぞれ固定されている。カソード5及びアノード4の外側には、それぞれリアミラー8及びフロントミラー6が固定されている。
放電管12の外周部には、例えば銅箔等の金属が螺旋状にメタライズされ、コイル状予備電離電極38を形成している。コイル状予備電離電極38の両端部は、インピーダンス整合回路39を介して、高周波電源40に接続されている。尚、インピーダンス整合回路39としては、例えばT型やπ型等の回路を用いるとよい。
高周波電源40と、カソード5−アノード4間に高電圧を印加して主放電を起こす高圧電源13とは、同期回路41を介して接続されている。
【0022】
フッ素レーザ装置1を運転する際には、高周波電源40から、コイル状予備電離電極38の両端部に高周波電流を印加する。これにより、コイル状予備電離電極38の内部の放電空間14に、長手方向の磁界42が発生する。電流が高周波で極性を変えるため、磁界42の向きは、矢印42A,42Bで示したように、図4中左右に交互に高速で入れ替わる。
この磁界42A,42Bの動くエネルギーによって、放電空間14内のレーザガスが電離され、放電空間14内に遊離電子が供給されて予備電離が行なわれる。
【0023】
予備電離が行なわれた直後に、高圧電源13は、放電電極4,5間にパルス状の高電圧を印加する。これにより、アノード4とカソード5との間で放電管12の内壁を介して図示しない主放電が行なわれ、放電空間14のレーザガスが励起されてレーザ光11が発振する。
予備電離と主放電とのタイミングは、同期回路41によって同期が取られ、予備電離が終了した後の所定時間経過後に、主放電が行なわれる。これにより、放電電極4,5間に注入されたエネルギーが、効率良く主放電に用いられる。
【0024】
以上説明したように第2実施形態によれば、予備電離電極38を放電管12の外周部に螺旋状に形成し、このコイル状予備電離電極38に高周波電流を印加している。これにより、コイル状予備電離電極38の内部で交互の方向に磁界42A,42Bが発生し、予備電離が行なわれる。その結果、レーザガスが、コイル状予備電離電極38の内部の放電空間14全体にわたって予備電離される。
従って、主放電が放電空間14全体にわたって均一に起きるので、放電空間14全域のレーザガスが励起される。即ち、放電空間14に大きなエネルギーの主放電を投入することが可能となるので、レーザ光11の出力が高くなり、かつ安定する。
また、第2実施形態では、予備電離が放電管12の内壁に沿った予備放電10ではなく、磁界42A,42Bによって起こされるので、レーザガスが放電空間14の直径方向全域にわたって予備電離される。従って、レーザ光11の強度分布が中央部で弱くなったり中抜けを起こしたりすることがない。
【0025】
第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1の、他の実施例を図6に示す。
図6において、放電管12の外周部には、例えば銅箔等の金属が螺旋状にメタライズされ、コイル状予備電離電極38を形成している。コイル状予備電離電極38の一端部には、ギャップスイッチ16を介して高圧電源13の高圧側HVが接続されている。また、コイル状予備電離電極38の他端部は、高圧電源13の接地側GNDに接続されている。
ギャップスイッチ16が閉じられると、コイル状予備電離電極38にパルス状の高圧電流が流れる。パルス状の高圧電流は高周波であるため、これによってコイル状予備電離電極38の内部の放電空間14に、長手方向の磁界42が発生する。このとき、コイル状予備電離電極38とコンデンサCpとがLC回路を構成するため、磁界42の向きは、矢印42A,42Bで示したように、図4中左右に交互に高速で入れ替わる。
この磁界42A,42Bの動くエネルギーによって、放電空間14内のレーザガスが電離され、放電空間14内に遊離電子が供給されて予備電離が行なわれる。
これによれば、別途高周波電源を用意する必要がなく、簡単な構成で予備電離を好適に行なうことが可能である。
【0026】
次に、第3実施形態を説明する。
図7において、第3実施形態に係る注入同期式フッ素レーザ装置34は、第1第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1と、フッ素レーザ装置1から出射したレーザ光11をシード光として増幅する増幅器33とを備えている。
増幅器33は、レーザガスを封入するレーザチャンバ2と、レーザチャンバ2の両端部に光軸に対してブリュースター角をなして設けられたウィンドウ7,9と、ウィンドウ9の長手方向後方(図7中左方)外側に設けられて略中央に導入孔29を有する有孔凹面鏡32と、前方外側に設けられた凸面鏡31とを有している。
【0027】
レーザチャンバ2の内部には所定位置に主電極35,36が設置され、図示しない高圧電源により高電圧を印加可能となっている。レーザチャンバ2内には図示しないファンが配設されており、チャンバ2内のレーザガスを循環させて主電極35,36間に導いている。
図7において、フッ素レーザ装置1から発振したレーザ光11は、有孔凹面鏡32の導入孔29からウィンドウ9を透過してレーザチャンバ2に入射し、凸面鏡31と有孔凹面鏡32との間で反射され、数回往復する。このとき、レーザチャンバ2内では、レーザ光11の発振にタイミングを合わせて高圧電源から主電極35,36間に高電圧が印加され、増幅放電が起きる。この増幅放電により、レーザ光11は、増幅器33内を往復する間に波長及びスペクトル幅を保ったままパルス出力を増幅される。そして、凸面鏡31の周囲から、断面がドーナツ状の増幅レーザ光20として取り出される。
【0028】
以上説明したように第3実施形態によれば、軸励起方式のフッ素レーザ装置1をシードレーザ装置として利用し、フッ素レーザ装置1から発振したレーザ光11をシード光として、増幅器33で増幅している。従来技術の項で説明したように、軸励起方式のフッ素レーザ装置1からはスペクトル幅が狭いレーザ光11が出射される。このレーザ光11をシード光として増幅しているので、スペクトル幅が狭い増幅レーザ光20を得ることが可能である。
また、軸励起方式のフッ素レーザ装置1から出射する平行度が高いレーザ光11をシード光として増幅しているので、増幅器33から出射する増幅レーザ光20も平行度が高くなる。このように、平行度が高いレーザ光11をエタロンやグレーティング等によって狭帯域化すると、よりスペクトル幅の狭いレーザ光11を得ることができる。従って、これをシード光として増幅することにより、よりスペクトル幅が狭い増幅レーザ光20を得ることが可能である。また、平行度の高い増幅レーザ光11は、集光が容易であり、加工に適している。
【0029】
また、第1又は第2実施形態に係るフッ素レーザ装置1は、放電空間14を均一に予備電離されており、主放電が安定に起きるので、出力が高出力で、かつ安定になっている。従って、このようなレーザ光11を増幅することにより、高出力で安定な増幅レーザ光20を得ることができる。
【0030】
また、断面形状及び強度分布が、光軸に対して対称なレーザ光11を増幅しているため、増幅レーザ光20の断面形状及び強度分布も同様となる。従って、このような構成の注入同期式フッ素レーザ装置34を、例えば露光機等のレーザ加工機の光源として用いた場合に、増幅レーザ光20の方向性の不均一に基づく加工の不具合が少ない。さらに、増幅レーザ光20が対称であることから、加工に適したように整形することが容易であり、その際にレーザ光11の一部が捨てられることも少なく、効率が良い。
【0031】
尚、図7においては、フッ素レーザ装置1と増幅器33とを直列に並べるように記載したが、フッ素レーザ装置1と増幅器33とを並列に並べ、反射ミラーによってレーザ光11を反射させて増幅器33に入射させるようにしてもよい。
このようにすることにより、注入同期式フッ素レーザ装置34が、コンパクトな構成となる。
また、上記第1〜第3実施形態の説明においては、フッ素を含むレーザガスをレーザ媒質としたフッ素レーザ装置を用いて説明したが、これに限られるものではない。例えば、KrFエキシマレーザ装置やArFエキシマレーザ装置等のエキシマレーザ装置に対しても応用可能である。さらに、その他のガスレーザ装置に対しても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成を示す断面図。
【図2】フッ素レーザ装置の他の構成例を示す説明図。
【図3】フッ素レーザ装置の他の構成例を示す説明図。
【図4】第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の構成図。
【図5】図4の断面図。
【図6】第2実施形態に係るフッ素レーザ装置の他の実施例を示す構成図。
【図7】第3実施形態に係る注入同期式フッ素レーザ装置の構成図。
【図8】従来技術に係るフッ素レーザ装置の構成図。
【符号の説明】
1:フッ素レーザ装置、2:レーザチャンバ、3:熱交換器、4:アノード、5:カソード、6:フロントミラー、7:ウィンドウ、8:リアミラー、9:ウィンドウ、10:予備電離電極、11:レーザ光、12:放電管、13:高圧電源、14:放電空間、15:予備放電、16:ギャップスイッチ、19:ポンプ、20:増幅レーザ光、21:予備電離電源、22:Oリング、23:小孔、24:ガス循環配管、25:フィン、26:フィルタ、27:ガスチャンバ、28:レーザガスボンベ、29:導入孔、30:放電回路、31:凸面鏡、32:有孔凹面鏡、33:増幅器、34:注入同期式フッ素レーザ装置、35:主電極、36:主電極、37:フランジ、38:コイル状予備電離電極、39:インピーダンス整合回路、40:高周波電源、41:同期回路、42:磁界、43:同期信号線、44:ミラー。
Claims (4)
- レーザガスを封入する放電管と、放電管を挟んで長手方向に対向して配置された放電電極とを備えた軸励起式ガスレーザ装置において、
予備電離用電源の高電圧側に接続された高圧側予備電離電極と、接地側に接続された接地側予備電離電極とを、放電管の外周部に、長手方向に交互に隣接させ、かつ電気的に互いに絶縁して配置したことを特徴とする軸励起式ガスレーザ装置。 - 請求項1記載の軸励起式ガスレーザ装置において、フッ素を含むレーザガスをレーザ媒質とすることを特徴とする軸励起式ガスレーザ装置。
- シード光を発振するシードレーザ装置と、シード光を増幅して増幅レーザ光を出射する増幅器とを備えた注入同期式ガスレーザ装置において、
前記シードレーザ装置が、請求項1記載の軸励起式ガスレーザ装置であることを特徴とする注入同期式ガスレーザ装置。 - 請求項3記載の注入同期式ガスレーザ装置において、シードレーザ装置及び増幅器が、フッ素を含むレーザガスをレーザ媒質とすることを特徴とする注入同期式ガスレーザ装置。
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