JP4312105B2 - 吸音材の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成され、上記スキン層の片面に形成された吸音穴から上記吸音層を露出させた吸音材の製造方法に関するものである。
特許文献1には、上述の如き吸音材の製造方法が開示されている。その製造要領は、まず、繊維入り熱可塑性樹脂を成形型のキャビティに射出する。次いで、キャビティ内で繊維入り熱可塑性樹脂が固化する過程で可動コアを後退させてキャビティ容積を拡大し、樹脂圧で圧縮されている繊維の弾性復元力(スプリングバック現象)で上記繊維入り熱可塑性樹脂を膨張させることにより、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成された吸音材を得、その後、上記スキン層の片面に吸音穴を形成して上記吸音層をスキン層から露出させるようにしている。
特開2000−52371号公報(段落0027欄、図7)
しかし、上記の特許文献1では、吸音材を成形して脱型した後に、後加工によりスキン層を穿孔して吸音穴を形成しているため、その分だけ製造工数が増えて量産性が低下するとともに製造コストが掛かる。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸音材を効率良くかつ安価に製造することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、吸音材の製造工程で吸音穴を形成することを特徴とし、具体的には、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、第1型と第2型とを備え、上記第1型は上記第2型に対面する対面型とこの対面型の背面側に位置する背面型とで構成され、型閉め状態で上記対面型と第2型との間にキャビティが形成され、上記対面型には上記キャビティに連通する連通孔が形成されているとともに、上記背面型には上記連通孔に連通する樹脂溜め部が形成された成形型を用意し、型閉め状態で上記対面型と第2型との間に形成されたキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出するとともに、熱可塑性樹脂をキャビティを経て上記連通孔及び樹脂溜め部に流入させ、次いで、上記キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程で上記第1型又は第2型をキャビティ容積が拡大する方向に移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることにより、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成された吸音材を得、その後、上記連通孔及び樹脂溜め部で固化した樹脂タブを上記対面型と背面型との離間により樹脂溜め部から離脱させた後、上記吸音材を対面型から突き出して樹脂タブから分離することにより、吸音材の樹脂タブ対応箇所に吸音穴を形成して上記吸音層をスキン層から露出させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、第1型と第2型とを備え、上記第1型は上記第2型に対面する対面型とこの対面型の背面側に位置する中間型とこの中間型の背面に位置する背面型とで構成され、型閉め状態で上記対面型と第2型との間にキャビティが形成され、上記対面型には上記キャビティに連通する第1連通孔が形成されているとともに、上記中間型には上記第1連通孔に連通する第2連通孔が形成され、かつ上記背面型には上記第2連通孔に連通する樹脂溜め部が形成された成形型を用意し、型閉め状態で上記対面型と第2型との間に形成されたキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出するとともに、熱可塑性樹脂をキャビティを経て上記第1連通孔、第2連通孔及び樹脂溜め部に流入させ、次いで、上記キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程で上記第1型又は第2型をキャビティ容積が拡大する方向に移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることにより、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成された吸音材を得、その後、上記第1連通孔、第2連通孔及び樹脂溜め部で固化した樹脂タブを上記対面型及び中間型と背面型との離間により樹脂溜め部から離脱させた後、上記樹脂タブを対面型と中間型との離間により上記吸音材から分離することにより、吸音材の樹脂タブ対応箇所に吸音穴を形成して上記吸音層をスキン層から露出させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、熱可塑性樹脂は繊維入り熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、対面型の連通孔は、キャビティ側に向かって縮径したテーパ形状をしており、キャビティ側の連通孔周縁には、キャビティ内に突出する先端尖鋭の筒状突起が形成されていることを特徴とする。
請求項1,2に係る発明によれば、成形型の型動作により樹脂タブと吸音材とを分離して吸音穴を形成するので、脱型後別途に穿孔工程がいらず、その分だけ製造工数を低減して量産性を向上させることができるとともに製造コストを低減することができる。加えて、請求項2に係る発明では、対面型と中間型とを離間させて樹脂タブを吸音材から分離するので、吸音材を対面型から直接的に突き出して樹脂タブから分離する請求項1の場合に比べて吸音材の変形や傷付きを確実に防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、樹脂圧で圧縮されている繊維の弾性復元力によっても熱可塑性樹脂を膨張させることができる。
請求項4に係る発明によれば、樹脂タブと吸音材との分離を容易にかつ確実に行うことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1〜6はこの発明の実施形態1に係る製造方法の工程図を示す。説明の順番として、製造方法の説明に先立ち、製造に使用する成形型1の型構造を説明する。
上記成形型1は、第1型3と第2型5とを備え、上記第1型3は、上記第2型5に対面する対面型7と、この対面型7の背面側に位置する背面型9とで構成されている。上記対面型7と第2型5との間には、型閉め状態でキャビティ11が形成され、この実施形態では、第1型3が第2型5から離れることでキャビティ容積が拡大するようになっているが、これとは逆に、第2型5が第1型3から離れることでキャビティ容積を拡大するようにしてもよい。上記第2型5のほぼ中央には、スプル13がキャビティ11に通ずるように形成され、このスプル13は図示しない射出機側のノズルに接続されている。
一方、上記対面型7には上記キャビティ11に連通する複数の断面円形の連通孔7aが形成されているとともに、上記背面型9には上記連通孔7aに連通する複数の断面円形の樹脂溜め部9aが形成されている。この樹脂溜め部9aの周壁は、底壁に対して直角になっているが、後述する樹脂タブ37が樹脂溜め部9aから容易に離脱できるように開放側に拡径したテーパ面に形成してもよい。上記各連通孔7aは、キャビティ11側に向かって縮径したテーパ形状をしており、図7に拡大して示すように、キャビティ11側の各連通孔7a周縁には、キャビティ11内に突出する先端尖鋭の円形筒状突起7bが形成されている。上記背面型9の一側には、先端に傾斜面15aを有するガイドブロック15が背面側に向かって一体に突設されている。また、上記背面型9には複数の貫通孔9bが貫通形成され、そのうちのいくつか(図1においては2つ)は対面型7に貫通形成された貫通孔7cに連通している。この連通する貫通孔9b,7cには製品突き出し用エジェクタピン17の一端側が挿入され、他の貫通孔9bには対面型突き出し用エジェクタピン19の一端側が挿入されている。
上記背面型9の背面側には、複数の有底の大穴21a及び小穴21bを有するエジェクタプレート21が距離を隔てて配置され、上記大穴21aには、上記製品突き出し用エジェクタピン17の他端側が挿入されているとともに、上記小穴21bには、上記対面型突き出し用エジェクタピン19の他端側が製品突き出し用エジェクタピン17作動時に挿入可能になっている(図6参照)。また、上記エジェクタプレート21の一側には、傾斜面21cが上記ガイドブロック15の傾斜面15aに対向するように形成されている。さらに、上記対面型7及び背面型9の各々にはピン23,25が突設され、対面型7側のピン23には細長いリング状のエンドレス帯27の一端が固着され、エンドレス帯27の他端内側に背面型9側のピン25が位置している。
上述の如く構成された成形型1を使用して吸音材29を製造する要領について以下に説明する。なお、吸音材29としては、車両のエンジンルームを覆うボンネットや車両の天井材等を想定しているが、これに限らない。
まず、図1に示すように、第1型3の対面型7と第2型5とを圧接して成形型1を型閉じし、成形型1のキャビティ11内に射出機からスプル13を経て繊維入り熱可塑性樹脂としての樹脂材31を射出する(樹脂射出工程)。これにより、上記樹脂材31がキャビティ11を経て連通孔7a及び樹脂溜め部9aに流入する。なお、製品突き出し用エジェクタピン17の他端側はエジェクタプレート21の大穴21aに嵌入しているが、対面型突き出し用エジェクタピン19はこの段階ではエジェクタプレート21の小穴21bには嵌入しておらず、エジェクタプレート21の小穴21b周縁近くに当接している。
次いで、成形型1のキャビティ11内で樹脂材31が固化する過程で、図2に示すように、第1型3全体をエジェクタプレート21と共にキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させる。つまり第1型3を第2型5から僅かに離れさせる。樹脂材31は、キャビティ11の成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されて樹脂密度の高いスキン層33となって表面層を構成する。一方、樹脂材31の内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、樹脂材31は対面型7にくっついて引っ張られ、その粘着力で対面型7に追随して膨張する。また、樹脂圧で圧縮されている繊維が樹脂圧から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)でも上記樹脂材31が膨張する(樹脂膨張工程)。このことにより、上記スキン層33の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層35が形成されて吸音材29となる。
その後、樹脂材31の吸音層35が固化するのを待つ。上記連通孔7a及び樹脂溜め部9aでも流入した樹脂材31が固化し、樹脂タブ(突起物)37となる。この連通孔7a及び樹脂溜め部9aに流入した樹脂材31は上記スプリングバック現象の影響をほとんど受けないので、樹脂タブ37はスキン層33と同様に樹脂密度が高くなっている。また、第2型5のスプル13内にも樹脂固化物38が形成されている。
しかる後、図3に示すように、第2型5を第1型3から離間させて型開きし(型開き工程)、この型開き状態で、図4に矢印で示すように、エジェクタプレート21を前進作動して対面型7を対面型突き出し用エジェクタピン19で突き出し、対面型7と背面型9とを離間させる(第1突き出し工程)。これにより、上記連通孔7a及び樹脂溜め部9aで固化した樹脂タブ37が樹脂溜め部9aから離脱する。この段階では、エジェクタプレート21の傾斜面21cがガイドブロック15の傾斜面15aに当接している。
その後、図5に示すように、さらにエジェクタプレート21を前進作動して対面型7を対面型突き出し用エジェクタピン19で突き出す(第2突き出し工程)。この際、エジェクタプレート21の傾斜面21cがガイドブロック15の傾斜面15aを摺接してエジェクタプレート21が突き出し方向と交差する方向(図5で右斜め下方)に移動する。これにより、製品突き出し用エジェクタピン17の他端側がエジェクタプレート21の大穴21a内で相対的に移動するとともに、対面型突き出し用エジェクタピン19が小穴21bに対応する。
次に、図6に示すように、さらにエジェクタプレート21を前進作動すると、エジェクタプレート21が突き出し方向と交差する方向(図6で右斜め下方)にさらに移動するとともに、製品突き出し用エジェクタピン17がさらに前進する。この際、対面型突き出し用エジェクタピン19の他端側は、エジェクタプレート21の小穴21b内でその先端が小穴21bの底部に当接していないため、エジェクタプレート21が前進しても対面型突き出し用エジェクタピン19により対面型7は前進作動しない。一方、背面型9側のピン25がエンドレス帯27の端部に係止していて対面型7の突き出し方向(前進方向)の動きが拘束されるため、製品突き出し用エジェクタピン17がキャビティ11内に突出し、吸音材29が対面型7から突き出されて樹脂タブ37の根元から分離され(吸音材脱型工程)、成形型1から取り出される。これにより、図8に拡大して示すように、吸音材29の樹脂タブ37対応箇所に吸音穴39が形成されて吸音層35がスキン層33から露出される。なお、吸音材29と分離された樹脂タブ37は、次の製造に備えて対面型7の連通孔7aから取り出される。また、スプル13内で固化して吸音材29に付着している樹脂固化物38は切除される。
このように、この実施形態1では、吸音材29の製造工程中(脱型工程中)に、つまり成形型の型動作により吸音材29を樹脂タブ37から分離して吸音穴39を形成するので、脱型後別途に穿孔工程がいらず、その分だけ製造工数を低減して量産性を向上させることができるとともに製造コストを低減することができる。
また、連通孔7aをキャビティ11側に向かって縮径したテーパ形状にし、かつキャビティ11側の連通孔7a周縁にキャビティ11内に突出する先端尖鋭の円筒状突起7bを形成したので、樹脂タブ37と吸音材29とを容易にかつ確実に分離することができる。なお、対面型7におけるキャビティ11側の連通孔7a周縁に加熱手段を埋設すれば、樹脂タブ37の根元の冷却固化を遅らせて樹脂タブ37と吸音材29との分離を安定して行うことができる。
(実施形態2)
図9〜14はこの発明の実施形態2に係る製造方法の工程図を示す。この実施形態2では、第1型3の型構造を3分割タイプにしたことと、樹脂タブ37と吸音材29との分離の仕方が実施形態1と異なる。つまり、第1型3は、第2型5に対面する対面型7と、この対面型7の背面側に位置する中間型8と、この中間型8の背面に位置する背面型9とで構成されている。上記中間型8にも断面円形の連通孔8aが形成され、この連通孔8aは対面型7の連通孔7aと背面型9の樹脂溜め部9aとに連通している。以下、対面型7の連通孔7aを第1連通孔7aと称呼するとともに、中間型8の連通孔8aを第2連通孔8aと称呼する。また、実施形態1の製品突き出し用エジェクタピン17の代わりに、対面型突き出し用エジェクタピン20を採用し、この対面型突き出し用エジェクタピン20の一端側を中間型8の貫通孔8bに挿入している。また、実施形態1の対面型突き出し用エジェクタピン19の代わりに、中間型突き出し用エジェクタピン22を採用し、この中間型突き出し用エジェクタピン22の一端側を背面型9の貫通孔9bに挿入している。さらに、実施形態1では、ピン23,25を対面型7及び背面型9の各々に突設してエンドレス帯27をピン23と25とに掛け渡したが、実施形態2では、ピン23,25を中間型8及び背面型9の各々に突設してエンドレス帯27をピン23と25とに掛け渡した。その他の型構造は実施形態1と同じであるので説明を省略することとし、以下に実施形態2の製造要領を説明する。
まず、図9に示すように、第1型3の対面型7と第2型5とを圧接して成形型1を型閉じし、成形型1のキャビティ11内に射出機からスプル13を経て繊維入り熱可塑性樹脂としての樹脂材31を射出する(樹脂射出工程)。これにより、上記樹脂材31がキャビティ11を経て第1連通孔7a、第2連通孔8a及び樹脂溜め部9aに流入する。なお、対面型突き出し用エジェクタピン20の他端側はエジェクタプレート21の大穴21aに嵌入しているが、中間型突き出し用エジェクタピン22の他端側はこの段階ではエジェクタプレート21の小穴21bには嵌入しておらず、エジェクタプレート21の小穴21b周縁近くに当接している。
次いで、成形型1のキャビティ11内で樹脂材31が固化する過程で、図10に示すように、第1型3全体をエジェクタプレート21と共にキャビティ容積が拡大する方向に後退移動させる。つまり第1型3を第2型5から僅かに離れさせる。樹脂材31は、キャビティ11の成形面と接触する部分が型温の影響により早期に冷却されて樹脂密度の高いスキン層33となって表面層を構成する。一方、樹脂材31の内側部分は型温の影響を受け難く、粘度の高いゲル状態になっている。したがって、キャビティ容積の拡大により、樹脂材31は対面型7にくっついて引っ張られ、その粘着力で対面型7に追随して膨張する。また、樹脂圧で圧縮されている繊維が樹脂圧から解放されて弾性的に復元し、この弾性復元力(スプリングバック現象)でも上記樹脂材31が膨張する(樹脂膨張工程)。このことにより、上記スキン層33の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層35が形成されて吸音材29となる。
その後、樹脂材31の吸音層35が固化するのを待つ。上記第1連通孔7a、第2連通孔8a及び樹脂溜め部9aでも流入した樹脂材31が固化し、樹脂タブ(突起物)37となる。この第1連通孔7a、第2連通孔8a及び樹脂溜め部9aに流入した樹脂材31は上記スプリングバック現象の影響をほとんど受けないので、樹脂タブ37はスキン層33と同様に樹脂密度が高くなっている。また、第2型5のスプル13内にも樹脂固化物38が形成されている。
しかる後、図11に示すように、第2型5を第1型3から離間させて型開きし(型開き工程)、この型開き状態で、図12に矢印で示すように、エジェクタプレート21を前進作動して中間型8を中間型突き出し用エジェクタピン22で突き出し、中間型8と背面型9とを離間させる(第1突き出し工程)。これにより、上記第1連通孔7a、第2連通孔8a及び樹脂溜め部9aで固化した樹脂タブ37が樹脂溜め部9aから離脱する。この段階では、エジェクタプレート21の傾斜面21cがガイドブロック15の傾斜面15aに当接している。
その後、図13に示すように、さらにエジェクタプレート21を前進作動して中間型8を中間型突き出し用エジェクタピン22で突き出す(第2突き出し工程)。この際、エジェクタプレート21の傾斜面21cがガイドブロック15の傾斜面15aを摺接してエジェクタプレート21が突き出し方向と交差する方向(図13で右斜め下方)に移動する。これにより、対面型突き出し用エジェクタピン20の他端側がエジェクタプレート21の大穴21a内で相対的に移動するとともに、中間型突き出し用エジェクタピン22が小穴21bに対応する。
次に、図14に示すように、さらにエジェクタプレート21を前進作動すると、エジェクタプレート21が突き出し方向と交差する方向(図14で右斜め下方)にさらに移動するとともに、対面型突き出し用エジェクタピン20がさらに前進する。この際、中間型突き出し用エジェクタピン22の他端側は、エジェクタプレート21の小穴21b内でその先端が小穴21bの底部に当接していないため、エジェクタプレート21が前進しても中間型突き出し用エジェクタピン22により中間型8は前進作動しない。一方、背面型9側のピン25がエンドレス帯27の端部に係止していて中間型8の突き出し方向(前進方向)の動きが拘束されるため、対面型突き出し用エジェクタピン20が前進作動して対面型7が突き出され、対面型7と中間型8とが離間する。これにより、吸音材29が対面型7に残ったままで樹脂タブ37が吸音材29から分離され(樹脂タブ分離工程)、その後、吸音材29が対面型7から脱型されて成形型1から取り出される。これにより、図8に拡大して示すように、吸音材29の樹脂タブ37対応箇所に吸音穴39が形成されて吸音層35がスキン層33から露出される。なお、吸音材29と分離された樹脂タブ37は、次の製造に備えて対面型7及び中間型8の第1及び第2連通孔7a,8aから取り出される。また、スプル13内で固化して吸音材29に付着している樹脂固化物38は切除される。
したがって、この実施形態2では、実施形態1と同様の作用効果を奏することができるものである。加えて、実施形態2では、対面型7と中間型8とを離間させて樹脂タブ37を吸音材29から分離するので、吸音材29を対面型7から直接的に突き出して樹脂タブ37から分離する実施形態1の場合に比べて吸音材29の変形や傷付きを確実に防止することができる。
なお、実施形態1,2では、吸音材29と樹脂タブ37との分離を型開き状態で行ったが、両者を型閉じ状態で分離し、その後に型開きして吸音材29を脱型してもよい。
さらに、実施形態1,2では、個々の樹脂タブ37同士は互いに独立しているが、例えば、背面型9の樹脂溜め部9aを連通溝で連結し、この連通溝に樹脂材31を流入させて形成された連結部で個々の樹脂タブ37同士を互いに一体に連結すれば、樹脂タブ37の型からの取出しを容易に行うことができる。
また、実施形態1,2では、樹脂材(繊維入り熱可塑性樹脂)31として非発泡性の樹脂を用いたが、連続気泡を生成する発泡性の樹脂を用いてもよく、この場合、繊維の混入の要否は問わない。これにより、微細な気泡により吸音効果を一段と高めることができるとともに、軽量化を図ることができる。さらに、非発泡性でかつ繊維を混入していない熱可塑性樹脂を用いてもよく、この場合、樹脂膨張は樹脂の粘着力だけを利用することになる。
さらにまた、実施形態1,2では、樹脂タブ37を形成する連通孔(第1連通孔)7a、第2連通孔8a及び樹脂溜め部9aが断面円形である場合を示したが、楕円形や矩形等であってもよい。
この発明は、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成され、上記スキン層の片面に形成された吸音穴から上記吸音層を露出させた吸音材の製造方法に有用である。
実施形態1に係る製造方法の樹脂射出工程図である。 実施形態1に係る製造方法の樹脂膨張工程図である。 実施形態1に係る製造方法の型開き工程図である。 実施形態1に係る製造方法の第1突き出し工程図である。 実施形態1に係る製造方法の第2突き出し工程図である。 実施形態1に係る製造方法の吸音材脱型工程図である。 図5のA部拡大図である。 図6のB部拡大図である。 実施形態2に係る製造方法の樹脂射出工程図である。 実施形態2に係る製造方法の樹脂膨張工程図である。 実施形態2に係る製造方法の型開き工程図である。 実施形態2に係る製造方法の第1突き出し工程図である。 実施形態2に係る製造方法の第2突き出し工程図である。 実施形態2に係る製造方法の樹脂タブ分離工程図である。
符号の説明
1 成形型
3 第1型
5 第2型
7 対面型
7a 連通孔(第1連通孔)
7b 円筒状突起
8 中間型
8a 第2連通孔
9 背面型
9a 樹脂溜め部
11 キャビティ
29 吸音材
33 スキン層
35 吸音層
37 樹脂タブ
39 吸音穴

Claims (4)

  1. 第1型と第2型とを備え、上記第1型は上記第2型に対面する対面型とこの対面型の背面側に位置する背面型とで構成され、型閉め状態で上記対面型と第2型との間にキャビティが形成され、上記対面型には上記キャビティに連通する連通孔が形成されているとともに、上記背面型には上記連通孔に連通する樹脂溜め部が形成された成形型を用意し、
    型閉め状態で上記対面型と第2型との間に形成されたキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出するとともに、熱可塑性樹脂をキャビティを経て上記連通孔及び樹脂溜め部に流入させ、
    次いで、上記キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程で上記第1型又は第2型をキャビティ容積が拡大する方向に移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることにより、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成された吸音材を得、
    その後、上記連通孔及び樹脂溜め部で固化した樹脂タブを上記対面型と背面型との離間により樹脂溜め部から離脱させた後、上記吸音材を対面型から突き出して樹脂タブから分離することにより、吸音材の樹脂タブ対応箇所に吸音穴を形成して上記吸音層をスキン層から露出させることを特徴とする吸音材の製造方法。
  2. 第1型と第2型とを備え、上記第1型は上記第2型に対面する対面型とこの対面型の背面側に位置する中間型とこの中間型の背面に位置する背面型とで構成され、型閉め状態で上記対面型と第2型との間にキャビティが形成され、上記対面型には上記キャビティに連通する第1連通孔が形成されているとともに、上記中間型には上記第1連通孔に連通する第2連通孔が形成され、かつ上記背面型には上記第2連通孔に連通する樹脂溜め部が形成された成形型を用意し、
    型閉め状態で上記対面型と第2型との間に形成されたキャビティ内に熱可塑性樹脂を射出するとともに、熱可塑性樹脂をキャビティを経て上記第1連通孔、第2連通孔及び樹脂溜め部に流入させ、
    次いで、上記キャビティ内で熱可塑性樹脂が固化する過程で上記第1型又は第2型をキャビティ容積が拡大する方向に移動させて熱可塑性樹脂を膨張させることにより、表面層を構成する樹脂密度の高いスキン層の内側に多数の空隙を有する樹脂密度の低い吸音層が形成された吸音材を得、
    その後、上記第1連通孔、第2連通孔及び樹脂溜め部で固化した樹脂タブを上記対面型及び中間型と背面型との離間により樹脂溜め部から離脱させた後、上記樹脂タブを対面型と中間型との離間により上記吸音材から分離することにより、吸音材の樹脂タブ対応箇所に吸音穴を形成して上記吸音層をスキン層から露出させることを特徴とする吸音材の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の吸音材の製造方法において、
    熱可塑性樹脂は繊維入り熱可塑性樹脂であることを特徴とする吸音材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸音材の製造方法において、
    対面型の連通孔は、キャビティ側に向かって縮径したテーパ形状をしており、キャビティ側の連通孔周縁には、キャビティ内に突出する先端尖鋭の筒状突起が形成されていることを特徴とする吸音材の製造方法。
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