JP4310839B2 - 樹脂ボトルの搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、樹脂ボトルにエアを吹き付けて搬送するエア搬送コンベヤから、前記樹脂ボトルを把持するグリッパを備えた回転ホイールに引き渡す樹脂ボトルの搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エア搬送コンベヤは、軽量な樹脂ボトルの搬送に広く用いられており、樹脂ボトルの首部に形成されているフランジの下面側を、搬送ガイドによって支持し、この樹脂ボトルに後方からエアを吹き付けることにより、搬送ガイド上を滑らせて搬送するようになっている。エア搬送コンベヤによって搬送されてきた樹脂ボトルは、グリッパを備えた回転ホイールに引き渡され、グリッパに首部を保持されて吊り下げられた状態で回転搬送されて、洗浄、充填あるいはキャッピング等の処理を行う処理機に順次引き渡される。
【0003】
前記エア搬送コンベヤは、フランジが搬送ガイド上に支持されている樹脂ボトルの後方からエアを吹き付け、多数のボトルを前後に密着させた状態で連続して搬送する。また、回転ホイールは、回転体の外周に円周方向等間隔で複数のグリッパが設けられており、樹脂ボトルは、各グリッパによりその首部を把持されて搬送される。従って、エア搬送コンベヤから回転ホイールに樹脂ボトルを引き渡す際には、前後に接触した状態で搬送されてきた樹脂ボトルを、一定の間隔(前記グリッパの間隔)に切り離して導入しなければならない。そこで従来は、吊り下げた状態で搬送していた樹脂ボトルを、エア搬送コンベヤからボトルコンベヤ上に一度降ろし、このコンベヤの側部に配置したインフィードスクリューによって前記一定の間隔に切り離した後、回転ホイールのグリッパに引き渡すようにしている(特公平7−41977号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エア搬送コンベヤと回転ホイールとの間で樹脂ボトルの受け渡しを行う従来の樹脂ボトルの搬送装置は、エア搬送コンベヤによってフランジを支持して吊り下げた状態で搬送してきた樹脂ボトルを、一度ボトルコンベヤ上におろした後、再び、回転ホイールのグリッパによって首部を把持して、吊り下げた状態で搬送するので、樹脂ボトルのサイズが変わると、ボトルコンベヤの高さを変更しなければならないという問題があった。
【0005】
また、従来の樹脂ボトルの搬送装置の構成では、ボトルを載せて搬送するボトルコンベヤの一方の側部に一本または二本のスクリューを配置し、このスクリューの外面に形成された螺旋状の溝内に樹脂ボトルを受け入れて、スクリューを回転させることにより樹脂ボトルを前進させるようになっており、樹脂ボトルを安定して搬送するために、搬送されるボトルを挟んだ向かい側にボトルガイドを配置する必要があった。さらに、スクリューが一本では安定した搬送ができないため、上下に二本のスクリューを設けて搬送する場合があったが、このように上下二段にスクリューを設ける構成では小型の容器に対して適用できないという問題があった。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、エア搬送コンベヤによって搬送されてきた樹脂ボトルを、ボトルコンベヤ上に着地させることなく、そのまま首部を支持して吊り下げた状態で搬送し、回転ホイールに引き渡すことができる樹脂ボトルの搬送装置を提供することを目的とするものである。また、スクリューの向かい側に固定のボトルガイドを設ける必要がなく、しかも、小型の樹脂ボトルでも二本のスクリューで抱え込んで安定した搬送をすることができる樹脂ボトルの搬送装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る樹脂ボトルの搬送装置は、首部にフランジが形成された樹脂ボトルのフランジ下面を搬送ガイドによって支持し、推進用のエアを吹き付けて前進させるエア搬送コンベヤと、円周方向等間隔で複数のグリッパを有し、前記樹脂ボトルの首部のフランジよりも上方をグリップして吊り下げた状態で回転搬送する回転ホイールとの間に設けられて、樹脂ボトルの受け渡しを行うものであって、さらに、前記エア搬送コンベヤの搬送ガイドを、回転ホイールの樹脂ボトル受け取り位置まで延長するとともに、この搬送ガイド延長部に支持された樹脂ボトルの両側に、搬送間隔を広げる一対のスクリューを設けたものである。
【0008】
前記樹脂ボトルの搬送装置では、エア搬送コンベヤと回転ホイールとの間で、樹脂ボトルの首部を支持して搬送し受け渡しを行うので、樹脂ボトルを一度着地させるためのボトルコンベヤが必要なく、樹脂ボトルのサイズが変わった場合でもボトルコンベヤの高さを調整する必要がない。また、スクリューの向かい側にボトルガイドを配置する必要がなく、しかも、小型のボトルの場合でも両側に配置した二本のスクリューによって抱え込むことにより安定して搬送することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る樹脂ボトルの搬送装置の平面図、図2はその側面図であり、この搬送装置(全体として符号2で示す)は、エア搬送コンベヤ4によって搬送されてきた樹脂ボトル6を受け取って搬送し、ボトルグリッパ8を備えた回転ホイール10に引き渡す。
【0010】
エア搬送コンベヤ4は、図3に示すように、コ字状の空間を有するダクト12の下部内側に、一対の平行なネックガイド(搬送ガイド)14,16が配置されている。このエア搬送コンベヤ4によって搬送される樹脂ボトル6は、上端の口部外周にねじ部6aが形成され、その下方に円筒状の部分6b、およびフランジ6cが順に形成されており、フランジ6cの下面が前記ネックガイド14,16上に載って支持される。
【0011】
前記ダクト12の内面側には、複数のエア吹き出し口(図示せず)が設けられており、この吹き出し口から、前記ネックガイド14,16に支持されている樹脂ボトル6のフランジ6cよりも上部側に加圧したエアを吹き付け、図1および図2の左方から右方へ向けて搬送する。
【0012】
エア搬送コンベヤ4によって搬送されてきた樹脂ボトル6を、回転ホイール10に受け渡す樹脂ボトルの搬送装置2は、前記エア搬送コンベヤ4のネックガイド14,16に連続して設けられた一対のネックガイド延長部14A,16Aと、このネックガイドの延長部14A,16Aに吊り下げられた樹脂ボトル6の両側にそれぞれ配置された二本のインフィードスクリュー18,20とを備えている。ネックガイドの延長部14A,16Aは、その下流端が少なくとも回転ホイールへ10の樹脂ボトル受け取り位置Pまで延びている。
【0013】
ネックガイドの延長部14A,16Aの両側に配置されている二本のスクリュー18,20には、互いに逆方向の螺旋状の溝が形成されており、この螺旋溝によって形成される凹部内にそれぞれ樹脂ボトル6を保持して搬送する。各スクリュー18,20の螺旋溝は、そのピッチが下流側に向かって次第に大きくなっており、回転ホイール10の樹脂ボトル受け取り位置Pでは、後に説明するボトルグリッパ8のピッチにほぼ一致している。また、これら両スクリュー18,20は、図3に示すように、異なる高さに配置されている。特に、回転ホイール10側のスクリュー20は、回転ホイール10に干渉しないように低い位置に配置されている。
【0014】
前記ネックガイド延長部14A,16Aと二本のスクリュー18,20とを備えた樹脂ボトルの搬送装置2を介して樹脂ボトル6を受け取る回転ホイール10は、回転体22の外周に円周方向等間隔で、複数のボトルグリッパ8が設けられている。これら各ボトルグリッパ8は、一対のアーム8a,8bを備えており、このアーム8a,8bを開閉することにより樹脂ボトル4の首部を把持し、また解放する。ボトルグリッパ8のアーム8a,8bは、図2および図3に示すように、搬送装置2のネックガイド延長部14A,14Bよりもやや高い位置に設けられており、ネックガイド延長部14A,14Bによってフランジ6cの下面側を支持されて搬送されてきた樹脂ボトル4の、フランジ6cよりも上方の円筒部6bをグリップする。
【0015】
以上の構成に係る樹脂ボトルの搬送装置2の作用について説明する。樹脂ボトル6は、エア搬送コンベヤ4のダクト12の内側に配置された一対のネックガイド14,16によって、フランジ6cの下面側を支持され、ダクト12内から図示しない吹き出し口を介して噴射される加圧エアによって図1および図2の左側から右側へ向かって搬送される。このエア搬送コンベヤ4では、樹脂ボトル6がエアによって後方から押され、前方の樹脂ボトル6に押し付けられた状態で前進する。
【0016】
エア搬送コンベヤ4のダクト12内から抜け出た樹脂ボトル6は、エア搬送コンベヤ4のネックガイド14,16に連続してダクト12の外部に延びるネックガイドの延長部14A,14Bにフランジ6cの下面側を支持され、後方の樹脂ボトル6に押されて前進する。
【0017】
ネックガイドの延長部14A,14B上をフランジ6cが滑って搬送されてきた樹脂ボトル6は、両側のスクリュー18,20のポケット内に保持され、これらスクリュー18,20の回転によってさらに前進する。両側のスクリュー18,20によって保持されて搬送される間に、次第にボトル6の間隔が広げられ、最終的に樹脂ボトル受け取り位置Pで前記回転ホイール10のボトルグリッパ8のピッチとほぼ同じ大きさに切り離された後、回転ホイール10に引き渡される。
【0018】
回転ホイール10では、回転体22が図1の矢印R方向に回転し、グリッパ8は開放した状態で樹脂ボトル受け取り位置Pに到達する。前記スクリュー18,20によって搬送されてきたボトル6の首部(この例では円筒部6b)が、開放している状態の両アーム8a,8bの間に挿入されると、これらアーム8a,8bが閉じてボトル6の首部をグリップする。首部をグリッパ8によってグリップされたボトル6は、前記ネックガイドの延長部14A,14Bから抜き取られた後、そのまま吊り下げられた状態で搬送され、次のホイール(図示せず)に引き渡されて洗浄、充填およびキャッピング等の処理が行われる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、首部にフランジが形成された樹脂ボトルのフランジ下面を搬送ガイドによって支持し、推進用のエアを吹き付けて前進させるエア搬送コンベヤと、円周方向等間隔で複数のグリッパを有し、前記樹脂ボトルの首部のフランジよりも上方をグリップして吊り下げた状態で回転搬送する回転ホイールとの間に設けられて、樹脂ボトルの受け渡しを行う樹脂ボトルの搬送装置において、前記エア搬送コンベヤの搬送ガイドを、回転ホイールの受け取り位置まで延長するとともに、この搬送ガイド延長部に支持された樹脂ボトルの両側に、搬送間隔を広げる一対のスクリューを設けたことにより、エア搬送コンベヤによって首部を支持されて搬送されてきた樹脂ボトルを、そのまま搬送ガイドによって首部を支持して搬送し、回転ホイールのグリッパに引き渡すことができるので、樹脂ボトルを一度着地させるためのボトルコンベヤを設ける必要がなく、従って、樹脂ボトルのサイズが異なってもコンベヤ高さの調整等をする必要がない。しかも、従来スクリューの向かい側に配置されていたボトルガイドが不要となり、また、両側からスクリューによって保持して樹脂ボトルを搬送するので、小型の容器でも二本のスクリューにより抱え込んで安定した搬送をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る樹脂ボトルの搬送装置の平面図である。
【図2】前記樹脂ボトルの搬送装置の側面図である。
【図3】前記樹脂ボトルの搬送装置の正面図である。
【符号の説明】
P 受け取り位置
2 樹脂ボトルの搬送装置
4 エア搬送コンベヤ
6 樹脂ボトル
6c フランジ
10 回転ホイール
14 搬送ガイド(ネックガイド)
14A 搬送ガイドの延長部
16 搬送ガイド(ネックガイド)
16A 搬送ガイドの延長部
18 スクリュー
20 スクリュー

Claims (2)

  1. 首部にフランジが形成された樹脂ボトルのフランジ下面を搬送ガイドによって支持し、推進用のエアを吹き付けて前進させるエア搬送コンベヤと、円周方向等間隔で複数のグリッパを有し、前記樹脂ボトルの首部のフランジよりも上方をグリップして吊り下げた状態で回転搬送する回転ホイールとの間に設けられて、樹脂ボトルの受け渡しを行う樹脂ボトルの搬送装置において、
    前記エア搬送コンベヤの搬送ガイドを、回転ホイールの樹脂ボトル受け取り位置まで延長するとともに、この搬送ガイドの延長部に支持された樹脂ボトルの両側に、搬送間隔を広げる一対のスクリューを設けたことを特徴とする樹脂ボトルの搬送装置。
  2. 前記一対のスクリューは、高さを異ならせて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂ボトルの搬送装置。
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