JP4300708B2 - 回転式充填装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は回転式充填装置に係り、例えば、PETボトルや、リシール缶、ボトル缶等のキャップで再封できる缶あるいはガラスびん等のように肩部を有するボトル型の容器(以下、第1種容器と呼ぶ)と、トップオープン缶のように大きい開口を有する肩部のない容器(以下、第2種容器と呼ぶ)等のような二種類の容器に兼用可能な回転式充填装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
びんや缶等の容器内に液体を充填する回転式充填装置は、従来から広く知られている。回転式充填装置は、回転体の外周部に円周方向等間隔で設けられた複数の昇降可能な容器台と、これら各容器台の上方にそれぞれ設けられた充填バルブとを備えており、通常は、上流側のリンサで洗浄した空の容器を供給コンベヤによって搬送し、供給スターホイールを介して充填装置の各容器台上に供給する。そして、回転体の回転に伴ってこれら容器を回転搬送する間に、前記充填バルブから液体を充填した後、排出スターホイールを介して外部に排出するようになっている。
【0003】
前記のような回転式充填装置を、びん等の第1種容器とオープン缶等の第2種容器に兼用するようにしたものが従来から知られている(特公平2−53319号公報)。この公報に記載された構成では、びん等の第1種容器は、上流側に配置されたリンサ(この公報には記載されていない)によって洗浄された後、供給コンベヤ(3)によって搬送され、供給スターホイール(2)を介して回転式充填装置(1)内に供給される。そして、容器を回転搬送する間にその容器内に充填液の充填が行なわれ、その後、給排スターホイール(5)を介して回転式充填装置(1)から排出されて下流側のキャッパ(8)に送られ、キャッピング等の処理が行われる。
【0004】
また、缶等の第2種容器の場合は、びん等の第1種容器を排出する給排スターホイール(5)を供給スターホイールとして用い、前記同一の供給コンベヤ(3)によって搬送してきた第2種容器を、この給排スターホイール(5)を介して回転式充填装置(1)内に供給する。その後、容器内に液体を充填した後、この回転式充填装置(1)に対し接線方向に配置された排出コンベヤ(10)によって排出するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、回転式充填装置では、PETボトル等の軽量の容器を搬送する場合には、上流側に設置されたボトル用リンサとこの回転式充填装置との間をシンクロスクリューで連結してシンクロナイズ運転をしている。従って、前記公報に記載された回転式充填装置の構成のように、供給スターホイールを介して供給される第1種容器と、給排スターホイールを介して供給される第2種容器とが同一の供給コンベヤによって搬送される場合には、前記シンクロスクリューを交換する必要があるため、容器の種類に応じた切換え作業に時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、供給コンベヤ上に設置されたシンクロスクリューの交換等をすることなく、ボトル型の第1種容器とオープン缶等の第2種容器とに兼用することができる回転式充填装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回転式充填装置は、円周方向等間隔で複数の容器台および充填バルブが設けられた回転体と、第1供給コンベヤによって搬送されてきた第1種容器を前記容器台に供給する供給スターホイールと、この供給スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、この回転体から前記第1種容器を排出し、または、回転体に第2種容器を供給する給排スターホイールと、前記給排スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、回転体から第2種容器を排出する排出コンベヤとを備えており、特に、前記給排スターホイールの径を供給スターホイールの径よりも大きくするとともに、この給排スターホイールに第2種容器を搬送する第2供給コンベヤを接続し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給することを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る回転式充填装置は、第1種容器を洗浄する第1リンサと供給スターホイールとを接続する第1供給コンベヤと、第2種容器を洗浄する第2リンサと給排スターホイールとを接続する第2供給コンベヤとを配置し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る回転式充填装置の全体の構成を示す平面図であり、PET容器やリシール缶あるいはガラスびん等のように上部に肩部を有し、その上方が絞られて細径の口部となっているボトル型の容器(第1種容器)に液体を充填するラインと、トップオープン缶等のように開口面積の大きい缶型の容器(第2種容器)に充填を行うラインとが、一部を兼用化して設置されている。
【0010】
前記ボトル型の第1種容器は、第1供給コンベヤ20によって搬送され、この供給コンベヤ20上に設けられたインフィードスクリュー22によって所定の間隔に切り離された後、入口スターホイール24を介して、シュラウド25内に設置された第1リンサ26に搬入される。これら容器は、第1リンサ26内を回転搬送される間に洗浄等の処理が行われ、その後、出口スターホイール28を介して前記第1供給コンベヤ20上に排出される。
【0011】
第1供給コンベヤ20上に戻った容器は、次のフィラ(回転式充填装置)30の入口に設けられている供給スターホイール32まで搬送される。第1供給コンベヤ20上には、第1リンサ26の出口スターホイール28からフィラ30の供給スターホイール32までの間に亘り、容器Bを同期搬送するためのシンクロスクリュー33が設置されている。この第1供給コンベヤ20によって搬送されてきた容器は、供給スターホイール32を介してフィラ30内に搬入される。
【0012】
フィラ30は、従来周知の構成でありその詳細は図示しないが、回転体の外周に円周方向等間隔で複数の容器台が設けられ、また、これら各容器台の上方には、それぞれ充填バルブが設けられている。
【0013】
供給スターホイール32を介してフィラ30内に搬入されたボトル型の第1種容器は、各容器台上に載せられて回転搬送される。この供給スターホイール32の、フィラ30の回転方向(図1の矢印R参照)後方側に近接した位置に、排出スターホイール34が設けられている。供給スターホイール32から容器台上に載せられた容器は、回転搬送される間に上方の充填バルブによって液体の充填が行われた後、排出スターホイール34を介して排出される。なお、この排出スターホイール34は、後に説明するように、トップオープン缶等の第2種容器に液体の充填を行う際には供給スターホイールとして使用するので、以後、給排スターホイール34と呼ぶことにする。
【0014】
給排スターホイール34の下流側(図1の右側)には、中間スターホイール36を介してキャッパ38が設置されており、前記フィラ30内で液体が充填されたボトル型の第1種容器は、キャッパ38内でキャッピングされた後、出口スターホイール40を介して搬出コンベヤ42上に排出され、次の工程に送られる。前記給排スターホイール34とキャッパ38との間に設置されている中間スターホイール36は着脱可能になっており、後に説明する第2種容器に充填を行う際には取り外すようになっている。なお、前記供給スターホイール32、給排スターホイール34、中間スターホイール36、キャッパ38および出口スターホイール40等の容器を搬送するホイールには、容器の外面側を支持する円弧状のガイド32a、34a、36a、38a、40aがそれぞれ設けられている。また、容器の受け渡しを行うスターホイール32、34、36、40等には、搬送される容器の底面を支持する支持プレート(渡り板)が設けられている。
【0015】
前記第1供給コンベヤ20と平行に第2供給コンベヤ43が配置されており、この第2供給コンベヤ43によって搬送されてきたトップオープン缶等の第2種容器が、缶用の第2リンサ47に搬入されて洗浄された後、前記フィラ30に送られる。この第2供給コンベヤ43上には、第2種容器を所定の間隔に切り離すインフィードスクリュー45が設置されている。第2供給コンベヤ43の下流端(図1の下端)とフィラ30との間には、前記ボトル型の第1種容器をフィラ30から排出する給排スターホイール34が設置されており、トップオープン缶等の第2種容器に充填を行う際には、前記第2供給コンベヤ43によって搬送されてきた容器をこの給排スターホイール34によってフィラ30内に供給する。つまり、ボトル型の第1種容器に充填を行う際には排出スターホイールとして機能するスターホイール34を、トップオープン缶等の第2種容器に充填を行う際には、供給スターホイールとして兼用することになる。給排スターホイール34は前記供給スターホイール32よりも大きい径を有しており、この給排スターホイール34に接続された第2供給コンベヤ43と、前記供給スターホイール32に接続された第1供給コンベヤ20とを平行に配置することができる。
【0016】
この給排スターホイール34の、フィラ30の回転方向(図1の矢印R参照)後方側に近接した位置に、第2種容器の排出コンベヤ44が設けられている。この排出コンベヤ44は、フィラ30の回転体に対して接線方向に配置されており、前記容器台に載せられて回転搬送されてきた第2種容器を急激な方向転換をすることなく、排出コンベヤ44上にスムーズに排出することができる。
【0017】
排出コンベヤ44の下流端には、缶シーマ46が設けられており、フィラ30において内部に液体が充填されたトップオープン缶等の第2種容器の開口部が密封される。この容器はその後出口スターホイール48を介して搬出コンベヤ50上に排出され、次の工程に送られる。なお、缶シーマ46および出口スターホイール48にも、搬送される容器を支持する円弧状のガイド46a、48aが設けられている。
【0018】
次に、前記構成の回転式充填装置の作動について説明する。ボトル型の第1種容器に液体の充填を行う場合には、フィラ30の給排スターホイール34とキャッパ38との間の中間スターホイール36を取り付けておく(図1の状態)。この状態で、第1供給コンベヤ20によってボトル型の第1種容器を搬送し、入口スターホイール24からリンサ26に搬入し、洗浄等の処理をした後、出口スターホイール28から前記第1供給コンベヤ20に排出して次のフィラ30へと搬送する。
【0019】
第1供給コンベヤ20によって搬送されてきたボトル型の第1種容器は、供給スターホイール32を介してフィラ30内に供給される。その後、回転体4の回転に伴って容器台上の容器が回転搬送され、その間に充填バルブからこの容器内に液体が充填される。
【0020】
充填が終了した第1種容器は、給排スターホイール34を介してフィラ30から排出される。さらに、中間スターホイール36を介してキャッパ38に送られてキャッピングが行われた後、出口スターホイール40および搬出コンベヤ42等によって搬送され次の工程に送られる。
【0021】
前記構成の回転式充填装置によって、トップオープン缶等の第2種容器に充填を行う場合には、給排スターホイール34とキャッパ38との間に配置されている中間スターホイール36を取り外しておく。この状態で、第2供給コンベヤ43によって第2種容器を搬送する。搬送されてきた第2種容器は、第2リンサ47によって洗浄された後、給排スターホイール34を介してフィラ30内に供給される。なお、前記ボトル型の第1種容器をフィラ30から排出する際には、図1に示す円弧状のガイド34aによってその容器の背後を支持するが、缶等の第2種容器を第2供給コンベヤ43からフィラ30に供給する場合には、図2に示すように、前記排出側の円弧状ガイド34aと逆側に別の円弧状ガイド34bを設け、この円弧状ガイド34bによってフィラ30に供給される第2種容器の外面を支持する。
【0022】
第2供給コンベヤ43によって搬送されてきたトップオープン缶等のような第2種容器は、フィラ30内に供給された後、回転体4の回転に伴って容器台上の容器が回転搬送され、その間に充填バルブからこの容器内に液体が充填される。充填が終了した容器は、フィラ30の接線方向に接続されている排出コンベヤ44に排出され、缶シーマ46に送られて密封された後出口スターホイール48を介して搬送コンベヤ上に排出され、次の工程に送られる。このように本実施の形態に係る回転式充填装置は、第1種容器の供給をする第1供給コンベヤと、第2種容器の供給を行う第2供給コンベヤとを別々に配置したので、異なる種類の容器に変更する場合でもシンクロスクリューの交換の必要がなく、兼用性が非常に優れている。また、給排スターホイール34を大径にしたので、第1供給コンベヤ20と第2供給コンベヤ43とを平行に配置することが可能になり、レイアウト的にすっきりするという効果も得られる。
【0023】
なお、前記発明に係る回転式充填装置によって処理される容器の形状は、前記のものに限定されるものではなく、同一のコンベヤによって供給する場合にシンクロスクリュー等の交換を必要とするような二種類の容器であれば本発明を適用しうることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、円周方向等間隔で複数の容器台および充填バルブが設けられた回転体と、第1供給コンベヤによって搬送されてきた第1種容器を前記容器台に供給する供給スターホイールと、この供給スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、この回転体から前記第1種容器を排出し、または、回転体に第2種容器を供給する給排スターホイールと、前記給排スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、回転体から第2種容器を排出する排出コンベヤとを備えた回転式充填装置において、前記給排スターホイールの径を供給スターホイールの径よりも大きくするとともに、この給排スターホイールに第2種容器を搬送する第2供給コンベヤを接続し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給するようにしたので、供給コンベヤ上に配設されているシンクロスクリューを交換する必要がなく、複数種類の容器に極めて容易に兼用することができる。しかも、給排スターホイールを大径にしたので、第1供給コンベヤと第2供給コンベヤとを平行に配置することが可能になり、レイアウト的にすっきりするという効果も得られる。
【0025】
また、請求項2に記載の発明は、第1種容器を洗浄する第1リンサと供給スターホイールとを接続する第1供給コンベヤと、第2種容器を洗浄する第2リンサと給排スターホイールとを接続する第2供給コンベヤとを配置し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給するようにしたので、供給コンベヤ上に配設されているシンクロスクリューを交換する必要がなく、複数種類の容器に極めて容易に兼用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る回転式充填装置の全体の構成を簡略化して示す平面図であり、第1種容器用のレイアウトを示す。
【図2】前記回転式充填装置の第2種容器用のレイアウトを示す。
【符号の説明】
20 第1供給コンベヤ
26 第1リンサ
32 供給スターホイール
33 シンクロスクリュー
34 給排スターホイール
43 第2供給コンベヤ
44 排出コンベヤ
47 第2リンサ
Claims (2)
- 円周方向等間隔で複数の容器台および充填バルブが設けられた回転体と、第1供給コンベヤによって搬送されてきた第1種容器を前記容器台に供給する供給スターホイールと、この供給スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、この回転体から前記第1種容器を排出し、または、回転体に第2種容器を供給する給排スターホイールと、前記給排スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、回転体から第2種容器を排出する排出コンベヤとを備えた回転式充填装置において、
前記給排スターホイールの径を供給スターホイールの径よりも大きくするとともに、この給排スターホイールに第2種容器を搬送する第2供給コンベヤを接続し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給することを特徴とする回転式充填装置。 - 円周方向等間隔で複数の容器台および充填バルブが設けられた回転体と、第1種容器を前記容器台に供給する供給スターホイールと、この供給スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、この回転体から前記第1種容器を排出し、または、回転体に第2種容器を供給する給排スターホイールと、前記給排スターホイールと近接して、前記回転体の回転方向後方側に配置され、回転体から第2種容器を排出する排出コンベヤとを備えた回転式充填装置において、
第1種容器を洗浄する第1リンサと供給スターホイールとを接続する第1供給コンベヤと、第2種容器を洗浄する第2リンサと給排スターホイールとを接続する第2供給コンベヤとを配置し、前記第1種容器と第2種容器とを別々の供給コンベヤで供給することを特徴とする回転式充填装置。
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