JP4310837B2 - 鉛筆芯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合材、体質材、ワックス、滑材、着色材などの成分を混練後押出成形して、焼成することなく得られる鉛筆芯に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来、鉛筆芯は大きく分けて材料性分を成形後に焼成する焼成芯と乾燥により焼成させない非焼成芯とがある。非焼成による鉛筆芯は焼成のための設備や工程をを必要としないため比較的低コストで得られるという利点がある。一般的な非焼成芯の製造方法は、1種類もしくは複数種の有機結合材、タルクや炭酸カルシウムなどの体質材、カルナバやパラフィンなどのワックス、ステアリン酸カルシウムなどの金属塩、各種無機系、有機系顔料などの着色材などをヘンシルミキサーなどで攪拌しながら混ぜ、必要に応じて可塑剤や有機溶剤を使用して三本ロールなどで分散混練後、押出成形機などにより芯状に成形後必要に応じて乾燥処理を施すなどして得られている。
【0003】
また、非焼成芯を得るに際しても、水や有機溶剤にカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンや硝化綿などの樹脂を溶解させて使用し、成形後に残存溶剤を強制乾燥する湿式製法と、溶剤を使用しない乾式製法がある。
【0004】
鉛筆芯に求められる品質としては、筆記のための軽く滑らかな筆記感触や筆跡の発色性(濃さ)の他に、筆記時の荷重や木軸やシャープペンシルのチャックや先端パイプに保持された時の中心ずれにも折れない曲げ強度がある。非焼成の鉛筆芯における上述の湿式、乾式の製造方法では、湿式の方が結合材としての合成樹脂を溶解させて移動し易い状態で混合するので硬く折れ難いものとすることができる。反面、乾式の製法では、配合材料の分散、混練を相当の時間を掛けて十分に施さなくては硬く折れにくいものを得ることは困難であるが、比較的軟らかいものであることにより被筆記面との擦れによって摩耗しやすく、軽く滑らかな筆記感触を得ることができると共に摩耗量の多さにより発色性の高い濃い筆跡が得られ易いものであった。
【0005】
また、鉛筆芯に配合される体質材の平均粒径を0.01μm〜0.1μmという極めて微細なものとすることにより、得られた鉛筆芯の曲げ強度と筆跡の色調を良好なものたらしめることが特公昭62−26354号に示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の通り、折れ難い鉛筆芯の曲げ強度を得ることは、湿式の製法を採用したり、極めて微細な平均粒径の体質材を使用するなどして、硬いものとして達成することができるが、硬いものととすることは同時に摩耗し難くしていることになり、筆記感触や筆跡の発色性(濃さ)を犠牲にしているものあった。乾式の製法によって軟質のものとすることはできるが、曲げ強度が弱く、極めて微細な体質材を使用すれば結局硬いものとなってしまい、曲げ強度、筆記感触、筆跡の発色性(濃さ)を両立するものは得られていないのが現状であった。
【0007】
【課題を解決する手段】
即ち、本発明は、比表面積が2m/g乃至5m/gであると共に、平均粒径が1μm乃至3μmであるタルクを含有する非焼成の鉛筆芯を要旨とする。
【0008】
以下、詳述する。
本発明で使用されるタルクは国内を始め中国、インドなどで採掘される鉱石をローラミルで粉砕粉級操作をした後、ジェットミルを用いて所望の粒子径に調整する空気選別法にて得られる乾式粉砕法や、タルク鉱石をロッドミルやパンミルなどで粉砕後、水簸(すいひ)操作などによる湿式粉級して得られた湿式粉砕タルクを更にジェットミルで粉砕、空気選別して得る方法がある。
前記乾式粉砕法で得られるタルクの一例としては松村産業(株)製のタルクでハイフィラーシリーズの5000PJなどが上げられる。
【0009】
一般的なタルクの比表面積が2m2/g未満であるものが多いなか、本発明で使用されるタルクは、比表面積(比表面積の測定方法は、窒素吸着、一点吸着法による)が2m2/g〜5m2/gに入るものを使用するが、平均粒子径(平均粒子径の測定方法は光透過遠心沈降法による)は、1μm〜3μmに入るものが好ましい。平均粒子径が1μm未満の場合、結合材に対する充填効果で芯体の密度が高くなり強度が向上するが、筆跡が薄くなり発色性が低下してしまい、筆記面よりも芯体の方が固くなるので書き味も悪くなる。平均粒子径が3μmを越えた場合は、筆跡が濃く発色性が高くなり、筆記感触も軟らかくなるが、曲げ強度は著しく低下してしまう。
【0010】
また、本発明で使用されるタルクは、結合材の種類にもよるが、揮発溶剤分を除く全量に対して40重量%から70重量%が好ましい。40重量%未満であると結合材の割合が多くなり強度はあるが、摩耗が小さくなり発色性が低下し筆記感触も硬くなる。一方70重量%を越えた使用では、摩耗が大きくなるので発色性が高くなり、書き味も軟らかくなるが結合材の割合が少なくなり曲げ強度が低下してしまう。
【0011】
結合材として押出成型が可能である樹脂を使用することができるが、一例として、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリルスチレン樹脂、アクリルスチレンブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、そしてポリエチレンオキサイド樹脂、ヒドロキシプロピルアルコールなどの水溶性樹脂など、これらの一種もしくは二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
ワックスは、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、合成木ろう、モンタンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの合成系ワックス類、カルナバワックス、セレシンワックス、密ろう、木ろうなどの天然系ワックス類を例示でき。
【0013】
着色材としては、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。一例を挙げると、染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ウォーターブラック#7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトディープブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンブリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンブリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンブリムラレッド4BH(同81)カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブルー8GS(同41)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、ダイワブルー215H(同87)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラブルーFFRL(同108)カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)などの直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォーターブラックR455(同2)、ウォーターブラックR510(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、カヤノールミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)アシッドイエロー#10(C.I.アシッドエロー1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ウォーターイエロー#1(同23)、ダイワタートラジン(同25)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターイエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、ウォータースカーレット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アリザリンルビノール5G(同83)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターレッド#2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、ウォーターバイオレット#1(同49)、ウォーターバイオレット#5(同49)、ダイワ紫1号(同49)、インキバイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュァブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、インキブルーL20(同9)、スプラノールブルーB(同15)、ウォーターブルー#116(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、オリエントソルブルブル−OBX(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーR(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、ウォーターブルー#105(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スプラノールシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、アシッドブルー(同103)、アシランブリリアントブルーFFR(同104)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)アシッドブリリアントミリンググリーン(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、ウォーターオレンジ#17(C.I.アシッドオレンジ56)などの酸性染料、ウォーターイエロー#2(C.I.フードエロー3)、食品用黄色5号(C.I.フードエロー3)食品用赤色3号(C.I.フードレッド14)、食品用青色2号(C.I.アシッドブルー74)、食品用緑色2号(C.I.アシッドグリーン5)などの食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)などの塩基性染料がある。
【0014】
顔料としては従来公知の顔料が使用でき、具体例としては、Special Black 6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、#2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#900、#850、#MCF88,MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#40、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成工業(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PEARLS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825Oil Beads 、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロムなどの無機顔料、ハンザエー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミンBS、ピラゾロンレッド、レーキレッドC、キナクリドンレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーンなどの有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウムなどの無機蛍光顔料が挙げられる。
【0015】
更に滑材としてはステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛などの各種金属ステアリン酸、N−ラウリルアスパラギン酸−β−ラウリルエステルなどのアミノ酸系ステアリン酸などをあげることができるが、本発明で使用される結合材が軟化溶融して所望する芯径で成型される際に、押出成型機のシリンダーとノズルダイ内面に材料が固着して成形性を阻害しない効果を発現させるものであれば任意に使用できる。体質材としては、本発明で使用されるタルクの効果を阻害しない範囲であるならば従来公知の各種炭酸カルシウムや、マイカ、窒化硼素、ベントナイト、アルミナなどを任意に併用することは何ら差し支えない。
【0016】
以上、上述した各素材をヘンシルミキサー、ロールなどで分散混練後、縦型成型機もしくは連続スクリュー押出機で所望する芯径に成形する。湿式製法による場合は、成形後の色鉛筆芯に残存する水や有機溶剤などを除去するため乾燥処理を施す。また、乾式製法による場合、ヘンシルミキサーでの顆粒化の際に、粘度調整のために必要に応じて使用する結合材の性状に合わせて、顆粒化する温度域で蒸発してしまうような水や有機溶剤もしくは可塑剤を適宜使用しても良い。
【0017】
【作用】
使用するタルクは、体質材として機能するものであるが、比表面積が比較的大きなものであるので、タルク粒子に付着する着色材の量が多く、筆跡を発色性が高くて濃いものとすることができ、このタルクに付着した着色剤がタルクどうしもしくは他の成分との接着効果を抑制し、被筆記面との摩擦によってタルク粒子が剥離し易くなり軽く滑らかな筆記感触を得ることができる。但し、このタルクの剥離しやすさは、摩擦面の微細な摩耗で発現されるものであり、鉛筆芯全体としては、押し出し力を利用した成形による配向効果も相俟って比表面積の多いタルクが結合材との結合力を維持し、曲げ強度の低下を招くことはない。更に、このタルクの平均粒径を好ましい値とすることにより、摩擦によるタルクの剥離に影響がない程度に鉛筆芯の硬さを向上させることができ、曲げ強度の強い鉛筆芯を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明を具体的に説明する実施例を挙げるが、本発明は下記各実施例のみに何ら限定されるものではない。尚以下に「部」とあるのは重量部を意味する。
【0019】
【実施例】
<実施例1>
ポリスチレン樹脂(結合材) 14部
タルク(体質材、比表面積2.0m2/g、平均粒子径2.0μm、5000PJ、松村産業(株)製) 55部
ステアリン酸カルシウム(滑剤) 10部
パーマネントレッド4R(着色材) 10部
モンタンワックス(ワックス) 9部
松脂(軟化剤) 2部
上記配合組成物をヘンシルミキサーに入れて分散混練し、顆粒化した材料をφ30ミリのスクリュー押出機を用い180℃以下で成形し、芯径2ミリの赤色の色鉛筆芯を得た。
【0020】
<実施例2〜7>
実施例1において、下記に示すタルクの平均粒子径と比表面積を各々操作したT1からT6のものを使用した以外は実施例1と同様とし、芯径2ミリの赤色の色鉛筆芯を得た。
実施例2;タルクT1(比表面積3.5m2/g、平均粒子径2.0μm)
実施例3;タルクT2(比表面積5.0m2/g、平均粒子径2.0μm)
実施例4;タルクT3(比表面積3.5m2/g、平均粒子径1.0μm)
実施例5;タルクT4(比表面積3.5m2/g、平均粒子径3.0μm)
実施例6;タルクT5(比表面積3.5m2/g、平均粒子径0.5μm)
実施例7;タルクT6(比表面積3.5m2/g、平均粒子径4.0μm)
【0021】
<実施例8〜12>
実施例1において、タルクの使用量を、39部、40部、62部、70部、72部とした以外は実施例1と同様とし、芯径2ミリの赤色の色鉛筆芯を得た。
【0022】
<実施例13>
硝化綿(結合材) 15部
タルク(体質材、比表面積2.0m2/g、平均粒子径2.0μm、ハイフィラー5000PJ、松村産業(株)製) 60部
ステアリン酸アルミニウム(滑材) 10部
ポリエチレンワックス(ワックス) 5部
プロピレンカーボネート(軟化剤) 5部
フタロシアニンブル−(着色材) 15部
メチルエチルケトン(溶剤) 100部
【0023】
上記材料を攪拌機に入れ良く撹拌し、ロールにより混練分散をながら溶剤量を調整しながら仕上げ、縦出し芯出機で成形後80℃の温度で乾燥して呼び径0.9の青色の色鉛筆芯を得た。
【0024】
<実施例20〜31>
実施例19において、タルクを先の実施例で使用したT1〜T6のタルクに代えた以外は実施例13と同様とし、呼び径0.9の青色の色鉛筆芯を得た。
【0025】
<比較例1〜4>
実施例1と実施例13において、下記に示すタルクの比表面積と平均粒子径を各々操作したT7,T8のものを使用した以外は実施例1及び実施例13と同様とし、各々芯径2ミリの赤色の色鉛筆芯と呼び径0.9の青色の色鉛筆芯を得た。
比較例1、3;タルクT7(比表面積1.0m2/g、平均粒子径2.0μm)
比較例2、4;タルクT8(比表面積6.0m2/g、平均粒子径2.0μm)
【0026】
【発明の効果】
以上各例で得られた色芯の曲げ強さ(単位MPa)と発色性の代用特性としての濃度(単位D)とをJIS S 6005に基づいて測定し、筆記感触の代用特性として、動摩擦係数測定装置(丸菱科学機械製作所(製))により、銅製の円盤の上に色芯を入れたホルダ−を垂直にセットし、色芯の先端と銅製円盤とを接触させ、400gの荷重で前記銅製円盤を回転させたとき色芯が受ける抵抗を測定した。尚、測定された値は、小さいほど書き味が軽く滑らかで良好であることを意味する。結果を表1及び表2に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004310837
【0028】
【表2】
Figure 0004310837
【0029】
以上のように、本発明によれば、高い曲げ強度、筆跡の発色性(濃さ)、軽く滑らかな筆記感触が格段に優れた鉛筆芯を提供することができるものである。

Claims (1)

  1. 比表面積が2m/g乃至5m/gであると共に、平均粒径が1μm乃至3μmであるタルクを含有する非焼成の鉛筆芯。
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