JP3778132B2 - 固形描画材 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯など、着色剤を結合剤、体質材などと混練、成形して得られる、描画対象物に擦られる事によって自己が摩耗して描画対象物に着色剤又は隠蔽材を付着させて描画跡又は修正塗膜を形成する固形描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にクレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯などの固形描画材は、有機系顔料、無機系顔料などの着色剤と、粘土、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン樹脂などの結合剤と、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の体質材と、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、油脂類などの摩耗性付与材とを混練し、必要に応じて水、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤を加えたものを成形して得られている。
【0003】
また色鉛筆芯においては、特に近年シャープペンシル用の細径芯として、ベントナイト、カオリン、クレーなどの粘土質結合材と塩化ビニル樹脂などの有機系結合材とを併用し、タルク、窒化ホウ素などの体質材を用い雰囲気調整をしながら熱処理を施して得た白色焼結芯体に染料などを浸み込ませ着色化する色鉛筆芯において、染料を浸み込ませる前の芯体をペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液中に数回浸漬して熱処理することにより、熱処理により有機系結合材が飛散して形成された気孔中に窒化ケイ素骨格を幾重にも生成させて強度を向上した白色焼結芯体を形成し、この白色焼結芯体に染料を浸み込ませた色鉛筆芯が提案されている。
【0004】
このような固形描画材は、固形描画材自身が紙面に対して摩耗により付着もしくは定着させて発色させるもので、着色粉をより多く固形描画材から摩耗させれば良好な発色が得られる。しかし、発色性の向上のために摩耗性を促進する事は成形品としての強度(折れ強度)が弱くなるという問題を抱えるものであった。例えば、樹脂の使用量を抑え色鉛筆芯自身を軟らかく摩耗し易くする方法で得られる色鉛筆芯の発色性は確かに向上はするが、強度が弱くなり折れ易くなるという現象が生ずる。
【0005】
固形描画材の強度(折れ強度)を損ねることなく発色性を備える固形描画材を得るためには、特に摩耗する際の着色粒子として一番大きな粒子であるタルクや炭酸カルシウムなどの体質材を芯体から容易に剥離するような構造とすることが好ましく、このためには、これら体質材と樹脂との接合(接着)する箇所が点接触であることが理想とされている。即ち、体質材粒子表面に位置する樹脂成分が面接触ではなく点接触になるように仲立ちする添加剤の存在が種々検討されている。
【0006】
上記思想に鑑み、従来技術として特開平2−36281号公報に、体質材として少なくとも多孔性無機物である多孔性シリカと珪藻土粉末を使用した色鉛筆芯およびクレヨンの開示がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報中の多孔性無機物は、その粒子径が5〜20μmと大きく、三本ロ−ルミルなどを用いた分散工程でその粒子を壊しながら微細化させたシリカ粒子で体質材と樹脂との接合を弱めて、体質材の自己摩耗により発色性を得ようと使用されるものである。しかし、樹脂や溶剤成分を含む中での分散は、確かに粒子を均一に粉砕しながら分散することは可能であるが、微細化したシリカや珪藻土粒子による樹脂への充填効果によりかえって増粘性を高めてしまい、結果として得られた色鉛筆芯などは摩耗しにくい芯体になって、発色性と書き味が著しく低下してしまう。
【0008】
上述のように、強度と発色性とを共に向上させることは極めて困難であり、実用的に十分な強度を有しながら良好な発色性を示す固形描画材が得られないという課題が存在する。
本発明は、実用的に十分な強度を有しながら良好な発色性を示す固形描画材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも樹脂と体質材と着色材を使用する固形描画材において、更に、下記の式(1)で示される金属水酸化物固溶体を使用することを特徴とする固形描画材を要旨とする。
Mg1-XM2+ X(OH)2……(1)
{式(1)中、M2+はMn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+及びZn2+からなる群から選ばれた少なくとも1種の二価金属イオンを示しXは0.01≦X<0.5の範囲を示す}
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる金属水酸化物固溶体は、少なくとも2種類の金属からなる水酸化物であり、その製造方法は水酸化マグネシウム水溶液にM2+化合物を添加し、原料である部分固溶化水酸化物を得、この原料を800〜1500℃の範囲で焼成して複合金属酸化物を得る。更にこの複合金属酸化物をカルボン酸や有機酸などの一定濃度の金属塩水溶液中で強攪拌させながら水和反応により目的の金属水酸化物固溶体を得ることができる。
【0011】
上記製法で得られる金属水酸化物固溶体は、長軸径の平均粒子径が0.5〜3μm、短軸径の平均粒子径が0.3〜0.5μmで、性状的に水酸化マグネシウムに近似していることから難燃剤として用いられている。本発明で使用される金属水酸化物固溶体は式(1)中に示すようにマグネシウムとM2+で表される金属との固溶体を形成することで、従来の水酸化マグネシウム結晶が微細粒子による二次凝集体を形成するような粒子形態であったものを、個々の粒子を均一に結晶成長させる作用を有する。特にM2+がZn2+の水酸化物固溶体としては、タテホ化学工業(株)より商品名エコーマグ・として、Ni2+の水酸化物固溶体としては、ティーエムジー(株)より商品名ファインマグ・としてSNシリ−ズがあり、表面をステアリン酸などの飽和脂肪酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で表面処理している。ちなみにエコーマグ・の水酸化マグネシウム亜鉛固溶体の粒子形状は、ファインマグ・をはじめとする金属水酸化物固溶体が6角柱状粒子であるのに対して、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とからなり、角錐面が基底面に対して垂直面ではなく、上向き傾斜面と下向き傾斜面が交互に配設された8面体構造を有する物質である。これら金属水酸化物固溶体の使用量は、特に限定されないが、揮発溶剤分を除く固形描画材全量に対して2〜30重量%で、より好ましくは5〜20重量%が用いられる。使用量が2重量%未満のときは、樹脂と体質材との接合作用を抑制することが困難である為か強度は得られるものの発色性が低下する傾向がありまた、30重量%を超えたときは、発色性は得られるものの、強度の低下が大きかったりする場合がある。
【0012】
本発明で使用する固形描画材の材料としては、金属水酸化物固溶体の他に、賦形させるための樹脂、タルク、炭酸カルシウム等の体質材、着色材を必須成分として使用し、必要に応じて着色材などと紙面に塗布するための各種ワックス、ステアリン酸などの油脂類などの摩耗性向上材を配合し使用する事ができる。
【0013】
本発明に用いられる樹脂としては特に限定されず、具体的には、硝化綿、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル−スチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、マレイン酸重合物、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
【0014】
本発明に用いられる体質材としては特に限定されず、従来公知の体質材のタルク、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、Nε-ラウロイルリジン、N−ラウロイル−β−アラニンの各種金属塩、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素や繊維状物としてチタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、二酸化チタンウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸アルミニウムウィスカーなどを任意に使用でき、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
【0015】
本発明に用いられる着色材としては、特に限定されず、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク〜(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラック200−L(同19)、ウォーターブラック♯7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトディープブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー(同12)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブルー8GS(同41)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー♯3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、ダイワブルー215H(同87)、カヤラススプラルブルーFFRL(同108)、カヤラススプラルブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラクターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料やアシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォーターブラックR455(同2)、ウォーターブラックR510(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、カヤノールミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラウニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、アシッドイエロー♯10(C.I.アシッドエロー1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエローCG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ウォーターイエロー♯1(同23)、ダイワダートラジン(同25)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエロー0(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターイエロー♯6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、ウォータースカーレット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アリザリンルビノール5G(同83)、アイゼネオシンGH(同87)、ウォーターレッド♯2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウォーターピンク♯2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(同17)、ウォーターバイオレット♯1(同49)、インキバイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー♯106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー♯9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、インキブルーL20(同9)、スプラノールブルーB(同15)、ウォーターブルー♯116(同15)、オリエントスルブルブルーOBX(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーR(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー♯105(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スプラノールシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、アシッドブルー(同103)、アシランブリリアントブルーFFR(同104)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アッシッドブリリアントミリンググリーン(同9)、ダイワグリーン♯70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、ウォーターオレンジ♯17(C.I.アシッドオレンジ56)等の酸性染料、ウォーターイエロー♯2(C.I.フードエロー3)、食品用黄色5号(C.I.フードエロー3)、食品用赤色3号(C.I.フードレッド14)、食品用青色2号(C.I.アシッドブルー74)、食品用緑色2号(C.I.アシッドグリーン5)等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料が挙げられる。
【0016】
顔料としてはSpecial Black6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、♯2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PERALS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン等の有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料が挙げられる。
【0017】
本発明においては、上記の他にカルナバワックス、密ろう、木ろう等の天然系ワックス群、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ジンクステアリルケトン、マイクロクリスタリンワックス等の合成系ワックス群、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸各種金属塩などの摩耗性向上材や、必要に応じてフタル酸ジアリル、フタル酸ジメチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレンカーボネート等の可塑剤類などを使用することができる。
【0018】
本発明において、上記材料を固形描画材として成形するに際して、これら配合材料を任意に配合し、使用する結合剤の特性によっては水、MEK、アルコール等の極性溶剤や、トルエン等の無極性溶剤を任意に使用しながら、ヘンシルミキサー、ボールミル、3本ロールミル等の攪拌、粉砕、分散機により混練を行った後に成形する。クレヨンやパス等は加熱溶融しながら型入れした後、冷却し成形する方法が採用できる。更に、色鉛筆芯などの場合には、若干溶剤分を残存させた材料を縦型押し出し機用のシリンダーに装填し、油圧ピストンでシリンダー内材料を押し出し成形し、含まれる有機溶剤については乾燥機を利用して強制乾燥する等、既存の方法を採用して成形する方法が採用できる。
【0019】
【作用】
本発明で使用する金属水酸化物固溶体は、従来公知の多孔性珪藻土や多孔性シリカなどとは異なりその粒子径が5μm以下であり更に粒子形状が偏平であるので、ロールなどでの混練分散時でも比較的その粒子形状を崩さずに存在することができ、そして成形する時の圧力や型に流し込む際にこの偏平状粒子が配向することで実用強度を得られ、さらにこの金属水酸化物固溶体の粒子形状が6角柱状の偏平粒子で、長軸径/短軸径で表されるアスペクトが1〜10と比較的低く分厚い粒子形状であるので、粒子同士の凝集が起こりにくいことから良好な流動特性を発現する。そして更に6角柱状粒子の短軸面が上下基底面に対して垂直面ではなく、上向き傾斜面と下向き傾斜面が交互に配設された8面体構造を有する粒子径状である場合、飛躍的に粉の流動性が向上することで、混練分散時においては更に樹脂の増粘性を低下させて体質材や着色材の分散性が向上するので樹脂との過度な接着を抑えることができる。よってタルクなどの体質材粒子が筆記時の荷重で紙面に対して良好に芯体から崩れて定着する現象が発現し、その結果として良好な発色を呈する固形描画材を得ることができるものと推察する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0021】
上記材料を配合して、ヘンシルミキサーで分散後、3本ロールで混練およびさらなる分散を行い、溶剤分を調整しながら縦型押し出し機で成形後、残存溶剤分を完全に除くため80℃で8時間乾燥して、呼び径2の緑色の色鉛筆芯を得た。
【0022】
<実施例2〜10>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体の使用量を1、2、5、10、22、25、38、40、45重量部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0023】
<実施例11>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体に代えて式(1)中M2+をNi2+にしたティーエムジ−(株)製造販売の水酸化マグネシウムニッケル固溶体のSN−T(ステアリン酸による表面処理グレード)とした以外は実施例1と同様な操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0024】
<比較例1>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体を、珪藻土に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0025】
<比較例2>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体を、水酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0026】
以上の実施例および比較例において、得られた色鉛筆芯の曲げ強さ(単位;MPa)と発色性の代用特性としての濃度(単位;D)とをJIS S 6005に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水酸化マグネシウム亜鉛固溶体をはじめとする金属水酸化物固溶体を使用することにより、強度の低下が少なく発色性を向上させた固形描画材を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯など、着色剤を結合剤、体質材などと混練、成形して得られる、描画対象物に擦られる事によって自己が摩耗して描画対象物に着色剤又は隠蔽材を付着させて描画跡又は修正塗膜を形成する固形描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にクレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯などの固形描画材は、有機系顔料、無機系顔料などの着色剤と、粘土、有機ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン樹脂などの結合剤と、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の体質材と、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、油脂類などの摩耗性付与材とを混練し、必要に応じて水、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤を加えたものを成形して得られている。
【0003】
また色鉛筆芯においては、特に近年シャープペンシル用の細径芯として、ベントナイト、カオリン、クレーなどの粘土質結合材と塩化ビニル樹脂などの有機系結合材とを併用し、タルク、窒化ホウ素などの体質材を用い雰囲気調整をしながら熱処理を施して得た白色焼結芯体に染料などを浸み込ませ着色化する色鉛筆芯において、染料を浸み込ませる前の芯体をペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液中に数回浸漬して熱処理することにより、熱処理により有機系結合材が飛散して形成された気孔中に窒化ケイ素骨格を幾重にも生成させて強度を向上した白色焼結芯体を形成し、この白色焼結芯体に染料を浸み込ませた色鉛筆芯が提案されている。
【0004】
このような固形描画材は、固形描画材自身が紙面に対して摩耗により付着もしくは定着させて発色させるもので、着色粉をより多く固形描画材から摩耗させれば良好な発色が得られる。しかし、発色性の向上のために摩耗性を促進する事は成形品としての強度(折れ強度)が弱くなるという問題を抱えるものであった。例えば、樹脂の使用量を抑え色鉛筆芯自身を軟らかく摩耗し易くする方法で得られる色鉛筆芯の発色性は確かに向上はするが、強度が弱くなり折れ易くなるという現象が生ずる。
【0005】
固形描画材の強度(折れ強度)を損ねることなく発色性を備える固形描画材を得るためには、特に摩耗する際の着色粒子として一番大きな粒子であるタルクや炭酸カルシウムなどの体質材を芯体から容易に剥離するような構造とすることが好ましく、このためには、これら体質材と樹脂との接合(接着)する箇所が点接触であることが理想とされている。即ち、体質材粒子表面に位置する樹脂成分が面接触ではなく点接触になるように仲立ちする添加剤の存在が種々検討されている。
【0006】
上記思想に鑑み、従来技術として特開平2−36281号公報に、体質材として少なくとも多孔性無機物である多孔性シリカと珪藻土粉末を使用した色鉛筆芯およびクレヨンの開示がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報中の多孔性無機物は、その粒子径が5〜20μmと大きく、三本ロ−ルミルなどを用いた分散工程でその粒子を壊しながら微細化させたシリカ粒子で体質材と樹脂との接合を弱めて、体質材の自己摩耗により発色性を得ようと使用されるものである。しかし、樹脂や溶剤成分を含む中での分散は、確かに粒子を均一に粉砕しながら分散することは可能であるが、微細化したシリカや珪藻土粒子による樹脂への充填効果によりかえって増粘性を高めてしまい、結果として得られた色鉛筆芯などは摩耗しにくい芯体になって、発色性と書き味が著しく低下してしまう。
【0008】
上述のように、強度と発色性とを共に向上させることは極めて困難であり、実用的に十分な強度を有しながら良好な発色性を示す固形描画材が得られないという課題が存在する。
本発明は、実用的に十分な強度を有しながら良好な発色性を示す固形描画材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも樹脂と体質材と着色材を使用する固形描画材において、更に、下記の式(1)で示される金属水酸化物固溶体を使用することを特徴とする固形描画材を要旨とする。
Mg1-XM2+ X(OH)2……(1)
{式(1)中、M2+はMn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+及びZn2+からなる群から選ばれた少なくとも1種の二価金属イオンを示しXは0.01≦X<0.5の範囲を示す}
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる金属水酸化物固溶体は、少なくとも2種類の金属からなる水酸化物であり、その製造方法は水酸化マグネシウム水溶液にM2+化合物を添加し、原料である部分固溶化水酸化物を得、この原料を800〜1500℃の範囲で焼成して複合金属酸化物を得る。更にこの複合金属酸化物をカルボン酸や有機酸などの一定濃度の金属塩水溶液中で強攪拌させながら水和反応により目的の金属水酸化物固溶体を得ることができる。
【0011】
上記製法で得られる金属水酸化物固溶体は、長軸径の平均粒子径が0.5〜3μm、短軸径の平均粒子径が0.3〜0.5μmで、性状的に水酸化マグネシウムに近似していることから難燃剤として用いられている。本発明で使用される金属水酸化物固溶体は式(1)中に示すようにマグネシウムとM2+で表される金属との固溶体を形成することで、従来の水酸化マグネシウム結晶が微細粒子による二次凝集体を形成するような粒子形態であったものを、個々の粒子を均一に結晶成長させる作用を有する。特にM2+がZn2+の水酸化物固溶体としては、タテホ化学工業(株)より商品名エコーマグ・として、Ni2+の水酸化物固溶体としては、ティーエムジー(株)より商品名ファインマグ・としてSNシリ−ズがあり、表面をステアリン酸などの飽和脂肪酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸で表面処理している。ちなみにエコーマグ・の水酸化マグネシウム亜鉛固溶体の粒子形状は、ファインマグ・をはじめとする金属水酸化物固溶体が6角柱状粒子であるのに対して、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とからなり、角錐面が基底面に対して垂直面ではなく、上向き傾斜面と下向き傾斜面が交互に配設された8面体構造を有する物質である。これら金属水酸化物固溶体の使用量は、特に限定されないが、揮発溶剤分を除く固形描画材全量に対して2〜30重量%で、より好ましくは5〜20重量%が用いられる。使用量が2重量%未満のときは、樹脂と体質材との接合作用を抑制することが困難である為か強度は得られるものの発色性が低下する傾向がありまた、30重量%を超えたときは、発色性は得られるものの、強度の低下が大きかったりする場合がある。
【0012】
本発明で使用する固形描画材の材料としては、金属水酸化物固溶体の他に、賦形させるための樹脂、タルク、炭酸カルシウム等の体質材、着色材を必須成分として使用し、必要に応じて着色材などと紙面に塗布するための各種ワックス、ステアリン酸などの油脂類などの摩耗性向上材を配合し使用する事ができる。
【0013】
本発明に用いられる樹脂としては特に限定されず、具体的には、硝化綿、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル−スチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、マレイン酸重合物、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
【0014】
本発明に用いられる体質材としては特に限定されず、従来公知の体質材のタルク、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、Nε-ラウロイルリジン、N−ラウロイル−β−アラニンの各種金属塩、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、窒化ホウ素や繊維状物としてチタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、二酸化チタンウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸アルミニウムウィスカーなどを任意に使用でき、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。
【0015】
本発明に用いられる着色材としては、特に限定されず、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク〜(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラック200−L(同19)、ウォーターブラック♯7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトディープブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー(同12)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブルー8GS(同41)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー♯3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、ダイワブルー215H(同87)、カヤラススプラルブルーFFRL(同108)、カヤラススプラルブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラクターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料やアシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォーターブラックR455(同2)、ウォーターブラックR510(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、カヤノールミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラウニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、アシッドイエロー♯10(C.I.アシッドエロー1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエローCG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ウォーターイエロー♯1(同23)、ダイワダートラジン(同25)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエロー0(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターイエロー♯6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、ウォータースカーレット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アリザリンルビノール5G(同83)、アイゼネオシンGH(同87)、ウォーターレッド♯2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウォーターピンク♯2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(同17)、ウォーターバイオレット♯1(同49)、インキバイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー♯106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー♯9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、インキブルーL20(同9)、スプラノールブルーB(同15)、ウォーターブルー♯116(同15)、オリエントスルブルブルーOBX(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーR(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー♯105(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スプラノールシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、アシッドブルー(同103)、アシランブリリアントブルーFFR(同104)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アッシッドブリリアントミリンググリーン(同9)、ダイワグリーン♯70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、ウォーターオレンジ♯17(C.I.アシッドオレンジ56)等の酸性染料、ウォーターイエロー♯2(C.I.フードエロー3)、食品用黄色5号(C.I.フードエロー3)、食品用赤色3号(C.I.フードレッド14)、食品用青色2号(C.I.アシッドブルー74)、食品用緑色2号(C.I.アシッドグリーン5)等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料が挙げられる。
【0016】
顔料としてはSpecial Black6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex 150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、♯2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成(株)製)、MONARCH 1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGUL L、REGAL 400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX 8、同12、BLACK PERALS 2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825Oil Beads、同H20、同C、Conductex 975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン等の有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料が挙げられる。
【0017】
本発明においては、上記の他にカルナバワックス、密ろう、木ろう等の天然系ワックス群、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ジンクステアリルケトン、マイクロクリスタリンワックス等の合成系ワックス群、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸各種金属塩などの摩耗性向上材や、必要に応じてフタル酸ジアリル、フタル酸ジメチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレンカーボネート等の可塑剤類などを使用することができる。
【0018】
本発明において、上記材料を固形描画材として成形するに際して、これら配合材料を任意に配合し、使用する結合剤の特性によっては水、MEK、アルコール等の極性溶剤や、トルエン等の無極性溶剤を任意に使用しながら、ヘンシルミキサー、ボールミル、3本ロールミル等の攪拌、粉砕、分散機により混練を行った後に成形する。クレヨンやパス等は加熱溶融しながら型入れした後、冷却し成形する方法が採用できる。更に、色鉛筆芯などの場合には、若干溶剤分を残存させた材料を縦型押し出し機用のシリンダーに装填し、油圧ピストンでシリンダー内材料を押し出し成形し、含まれる有機溶剤については乾燥機を利用して強制乾燥する等、既存の方法を採用して成形する方法が採用できる。
【0019】
【作用】
本発明で使用する金属水酸化物固溶体は、従来公知の多孔性珪藻土や多孔性シリカなどとは異なりその粒子径が5μm以下であり更に粒子形状が偏平であるので、ロールなどでの混練分散時でも比較的その粒子形状を崩さずに存在することができ、そして成形する時の圧力や型に流し込む際にこの偏平状粒子が配向することで実用強度を得られ、さらにこの金属水酸化物固溶体の粒子形状が6角柱状の偏平粒子で、長軸径/短軸径で表されるアスペクトが1〜10と比較的低く分厚い粒子形状であるので、粒子同士の凝集が起こりにくいことから良好な流動特性を発現する。そして更に6角柱状粒子の短軸面が上下基底面に対して垂直面ではなく、上向き傾斜面と下向き傾斜面が交互に配設された8面体構造を有する粒子径状である場合、飛躍的に粉の流動性が向上することで、混練分散時においては更に樹脂の増粘性を低下させて体質材や着色材の分散性が向上するので樹脂との過度な接着を抑えることができる。よってタルクなどの体質材粒子が筆記時の荷重で紙面に対して良好に芯体から崩れて定着する現象が発現し、その結果として良好な発色を呈する固形描画材を得ることができるものと推察する。
【0020】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0021】
上記材料を配合して、ヘンシルミキサーで分散後、3本ロールで混練およびさらなる分散を行い、溶剤分を調整しながら縦型押し出し機で成形後、残存溶剤分を完全に除くため80℃で8時間乾燥して、呼び径2の緑色の色鉛筆芯を得た。
【0022】
<実施例2〜10>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体の使用量を1、2、5、10、22、25、38、40、45重量部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0023】
<実施例11>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体に代えて式(1)中M2+をNi2+にしたティーエムジ−(株)製造販売の水酸化マグネシウムニッケル固溶体のSN−T(ステアリン酸による表面処理グレード)とした以外は実施例1と同様な操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0024】
<比較例1>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体を、珪藻土に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0025】
<比較例2>
実施例1において水酸化マグネシウム亜鉛固溶体を、水酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0026】
以上の実施例および比較例において、得られた色鉛筆芯の曲げ強さ(単位;MPa)と発色性の代用特性としての濃度(単位;D)とをJIS S 6005に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水酸化マグネシウム亜鉛固溶体をはじめとする金属水酸化物固溶体を使用することにより、強度の低下が少なく発色性を向上させた固形描画材を得ることができる。
Claims (3)
- 少なくとも樹脂と体質材と着色材を使用する固形描画材において、更に、下記の式(1)で示される金属水酸化物固溶体を使用することを特徴とする固形描画材。
Mg1-XM2+ X(OH)2……(1)
{式(1)中、M2+はMn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+及びZn2+からなる群から選ばれた少なくとも1種の二価金属イオンを示しXは0.01≦X<0.5の範囲を示す} - 前記、金属水酸化物固溶体の結晶外形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とからなり上記角錐面が上向き傾斜面と下向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状であることを特徴とする請求項1記載の固形描画材。
- 上記式(1)のM2+がZn2+、Ni2+であることを特徴とする請求項1または2記載の固形描画材。
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