JP4310555B2 - 手押し運搬車 - Google Patents

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Description

本発明は、荷物を運搬する際に使用されるもので、車輪の付いた車輪フレームの上に荷台フレームを配置し、それらを回転軸で接合するという構成の手押し運搬車に関するものである。
従来人力による土砂や資材の運搬には、手軽で小回りが利く一輪車が最も多く利用されている。図21は一輪車の一例で、運搬時の状態を(a)に側面図、(b)に正面図で示している。この一輪車は上部に荷台があり、その下の前部に車輪が一個付いたもので、てこの原理を利用して後部の一対のハンドルを持ち上げて運搬するものである。その他にも手押し運搬車として、一輪車の車体にタイヤ二個付いた図22の二輪車、さらに図23の三輪または図24の四輪の運搬車が普及している。(図22、図23、図24の各例とも図21の一輪車と同様の方法で図示)
従来の一輪車は、小回りが利いて使い易いので最も多く普及しているが、次のような欠点がある。
荷物が載った一輪車のハンドルを持ち上げる際、荷物が重いと無理に持ち上げようとして腕や腰を痛めてしまったり、よろけて車体を倒したりしてしまう場合がある。また土砂等を前投作業する場合も同様の危険性がある。
荷物の重量の負担が運搬者にもかかるので作業を継続しにくい。
不慣れな人が扱ったり、あるいは足場の悪いところを運搬したりする場合、ハンドル操作が不安定になりやすいので、横転や事故を起こす危険性がある。
段差を通過するのが不得手で、無理に乗り越えようとすれば、衝撃や反動で荷物をこぼしたり車体を倒したりしてしまう場合がある。
一輪だけではバランスをとるのが難しく倒れやすいので、非力な人や不慣れな人には使いにくい。また運搬するには、荷物の重量負担がかかるハンドルを持ち続けなければならないので、足腰の不自由な方や高齢者の中には、必要でも使用できないで困っている人達が数多くいるとみられる。
一輪車よりも労力を軽減し走行が安定する二輪車があるが、荷物の重量負担が多少なりともあるし、一輪車ほど小回りが利かない。また段差越えが不得意で、横傾斜に弱い欠点がある。
三輪や四輪運搬車は、荷物の重量負担がないので楽に運べ、その上一輪車や二輪車よりも走行が安定している。しかしその反面、狭い場所を通れない、横傾斜に弱い、荷台位置が調節できない、平坦な場所で駐車しないとパーキングブレーキ等の駐車制動装置を持たない限り運搬車が勝手に動き出してしまう等の欠点がある。
このように二輪車や三〜四輪運搬車は、それぞれの特長を生かせる場所での利用は大変有効ではあるが、いずれも小回りが利かない欠点がある。その点が、いくつもの課題があるにもかかわらず一輪車の方が幅広く支持されている大きな理由となっている。とりわけ需要の多い建設現場や農場では、狭隘な場所、狭い通路等悪条件下での使用も多いため、小回りが利くことが重要となる。
本発明は、一輪車、二輪車、三〜四輪運搬車のそれぞれの特長と欠点を手本にして、より良い方法を追求していくことで、小回りが利く能力を確保しながらも、安全、確実、効率的に運搬作業ができ、その上利用者の幅を広げられる手押し運搬車を提供しようとするものである。
課題を解決するための手段を図面と共に説明する。なおそれぞれの仕組みや構成には意図するものがあり、説明が必要と思われるのでその点も補足する。
車輪フレーム(4)に前輪(7)、後輪(8)、ギア位置調節装置(13)を取り付ける。そして車輪フレーム(4)の上部に、前輪(7)と後輪(8)の荷重バランスを任意に設定してから車輪側回転軸受け(10)を設置する。
ギア位置調節装置(13)は、それに付属する円柱状の金属棒(13d)が、操作レバー装置(20)とケーブルシステムによって金属棒移動孔(13b)内を前後に移動できるように構成されており、金属棒(13d)とギア部(16)のギア(16b)が噛み合うことで、荷台フレーム(3)を任意の位置に固定することができる(図7・図8・図18参照)。操作レバー装置(20)のレバーを手から放している状態では、金属棒(13d)は押しバネ(13f)によって前方へ移動して、ギア(16b)と噛み合ったり、あるいはギア(16b)の上部の空間部分に配置したりする。一方レバーを引き寄せると、金属棒(13d)は後方へ移動してギア(16b)との噛み合わせが解除されて、ギア(16b)及び荷台フレーム(3)が自由に動く状態になる。このような操作により、荷台フレーム(3)を任意の位置に固定あるいは配置することができる。ギア位置調節装置(13)は、回転移動するギア部(16)と以上の機能が果たせるように、車輪フレーム(4)の後部に設置している前部横パイプ(4c)と後部横パイプ(4d)の上側に取り付けられる。このように回転する荷台フレーム(3)を固定及び解除する手段として、本願発明の実施例では「操作レバー装置(20)とケーブルシステム」並びに「ギア(16b)とギア位置調節装置(13)」を提示しているが、これらの構成に限らず、「ロック装置を装備した連結装置とそれを操作するための装置」を備えてあれば実施例と同様の機能を果たすことができ、課題解決するための本願発明を構成することができる。
狭い場所でも走行できるように、後輪(8)間の横幅を狭く設定することができる。普通ならば車体の操作が不安定になる恐れがある。しかし本発明の構成であれば、車体を固定維持する場合は幅の広いスタンド(17)がその役割を果たし、一方運搬時は、ハンドル(18)に両手を添えて保持すれば、車体を安全かつ容易に操作できるので、後輪(8)間の横幅を狭めることによる欠点を補える。
ハンドル(18)がついた荷台フレーム(3)に、バケット(2)、スタンド(17)、ギア部(16)、操作レバー装置(20)を取り付ける。そして、荷台側回転軸受け(15)を、荷台フレーム(3)の下部の、バケット(2)が水平時(図18の状態)のバケット(2)本体の重心付近に相当する部分にある前部荷台横プレート(3a)に設置する。荷台側回転軸受け(15)がその位置にあれば、荷台フレーム(3)が自由に動く状態の場合、スタンド(17)、ギア部(16)そして後方に長く伸びたフレームとハンドル(18)等の重さによって、荷台フレーム(3)が後方に傾くので、スタンド(17)が接地し、荷物があるなしにかかわらず車体の固定維持ができる。また後方に傾くにつれて、バケット(2)及び荷物の重心も後方へ移動していくので、車体を固定するのに都合が良い。
本願発明の実施例では荷台側回転軸受け(15)の取り付け位置をこのように設定しているが、回転する荷台フレームが自由に動く状態において、スタンドが取り付 けてある側がより荷重がかかるように荷台側の回転軸受けを設置してあれば実施例と同様の機能を果たすことができ、課題解決するための本願発明を構成することができる。
ハンドル(18)を左右それぞれ横U字状の形にする。このような形にすれば、ハンドル(18)操作の自由度が高まる他、持ち上げたり、押し下げたり、前方へ押したり、後方に引いたりするのに都合が良く、また必要に応じて瞬時に上部あるいは下部のどちらかのハンドル(18)に持ち替えることができる。
ギア部(16)は、ギア保持プレート(16a)とギア(16b)を固着して組み合わせたもので、荷台フレーム(3)の後部に設置している後部荷台横プレート(3b)の下側に取り付ける。ギア保持プレート(16a)およびギア(16b)を、回転軸(14)の円周上に沿った形に成型し、金属棒(13d)と確実に噛み合うようギア(16b)の各歯を均等に並べる(図18参照)。ギア(16b)の一番下の歯は、荷台フレーム(3)が回転できる範囲の中で、一番前方へ回転した際の停止装置の役目になるもので、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番後方に位置しても必ず当るように寸法を長く設定する(図19参照)。その他、ギア(16b)の上部に、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番前に移動しても、お互い噛み合うことがない空間を設ける。そしてスタンド(17)が接地する寸前に、ギア(16b)の上部の空間に金属棒(13d)が配置されるようギア保持プレート(16a)とギア(16b)を構成する。その結果、ギア(16b)の上部の空間に金属棒(13d)が配置されると、荷台フレーム(3)が自由に動く状態になる。すると荷台フレーム(3)が後方に傾いてスタンド(17)が接地するので、車体の固定維持ができる(図20参照)。
車輪フレーム(4)の上に荷台フレーム(3)を配置し、荷台側回転軸受け(15)と輪側回転軸受け(10)のそれぞれの軸穴を合わせた後、回転軸(14)を挿入し接合する。そうすることで荷台フレーム(3)は、回転軸(14)を中心に回転自在できる。バケット(2)の重心近くで回転するので、後方に伸びた位置にあるハンドル(18)を作用点に、荷台フレーム(3)を楽に上下に回転させることができる。
最後に、操作レバー装置(20)からギア位置調節装置(13)にかけて、金属棒(13d)を動かすためのケーブルシステムをつなげる。
本発明は、以上の構成よりなる手押し運搬車(1)である。
はじめに、本発明が従来の一輪車の課題を解決し、効果につなげた点について述べる。
本発明は、バケット(2)の重心付近の回転軸(14)を支点に、後方に長く伸びた位置にあるハンドル(18)を使って荷台フレーム(3)を上下に回転させる仕組みなので、荷物が載った状態でもハンドル(18)を容易に上げ下げができ、よって従来の一輪車と比べて持ち上げ作業がとても楽にできる。また、レバーを引き寄せたままハンドル(18)を上げていけば重心が前方へ移っていくので、荷物の重量負担が軽くなって都合が良い。このことは土砂等の前投作業の際にも有効で、ハンドル(18)を持ち上げて荷台フレーム(3)を前方に傾ければ重心も前方へ移動するので前投作業がやり易くなり、その結果、安全に作業ができるようになる(図19参照)。
その他、前輪(7)と後輪(8)が接地しているので車体が安定し、その上ハンドル(18)が垂直方向に動くのでバランスを崩しにくい。
以上のことから、本発明であれば、一般の使用者はもちろん非力な人や高齢者でも、腕や腰にあまり負担をかけることなく、安全かつ容易に持ち上げ作業ができるので、一輪車の持ち上げ作業の課題を解決できる。
運搬を開始するに当たって、三輪や四輪運搬車は持ち上げ作業が無いが、本発明にはある。しかし人力で運搬する以上、荷物のおおよその重量を把握し、使用者が車体を安全に操作できるかどうかを確認することは、作業前の大切な安全確認となる。荷物の状況によっては慎重に運んだり、あるいは安定した場所を選んだりするようになるので、安全に対する意識を高めることができる。このように本発明は、腕や足腰に負担をかけずにハンドル(18)を持ち上げることができる一方で、安全にも十分留意するようになるので、運搬を始めるに当たっての適切な動作がとれる。
本発明においては、荷物と車体の重量の全てが前輪(7)と後輪(8)にかかるので、運搬者に重さの負担がかからない。運搬者は押し動かす作業が中心となるので、三輪や四輪運搬車同様運搬作業が非常に楽になり、一輪車に比べて作業の継続性が大幅に向上する。
本発明においては、荷物の重量負担が無いのでハンドル(18)操作に集中でき、その上前輪(7)と後輪(8)が車体を安定させるので、不慣れな人が扱ったり、あるいは足場の悪い条件下で使用したりしても、バランスをとりやすく、一輪車より安全に運搬できる。また方向転換する場合、荷台フレーム(3)を固定した状態で後輪(8)を支点にハンドル(18)を下方へ押し下げれば、前輪(7)を地面から容易に浮かせることができる。そのままハンドル(18)を任意の方向に向ければ、バランスを崩すことなく容易に向きが変えられる。
さらに平坦な場所での使用においても本発明は一輪車より優れており、前輪(7)と後輪(8)が車体を支えるので、直進安定性に優れ、荷物をこぼす心配がなく、より重たい荷物を運ぶことができる。
本発明においては、段差を通過する場合、方向転換の時と同様に、後輪(8)を支点にハンドル(18)を押し下げれば前輪(7)を容易に持ち上げることができる。それから前輪(7)の高さを段差より少し上に合わせた状態で前進すれば、段差を越えることができる。続いて前輪(7)が段差を通過した直後に、今度は前輪(7)を支点にハンドル(18)を持ち上げれば、後輪(8)は段差を通過することができる。本発明であれば、操作しやすい構造に加え、作用点となるハンドル(18)が後方に伸びた位置にあるので、一連の動作を簡単にまた安全に実行でき、一輪車の段差越えの課題を解決できる。
工事現場では様々な資材やパイプが散乱している場合が多いので、いちいちそれを片付けたり、迂回したりすれば、運搬作業の能率が落ちてしまう。また歩道用の段差やブロックを付設した一般道を運搬する場合、段差越えの能力が無ければ道路を横断するのが困難なので大変不便である。こうしたことからも、容易に段差を乗り越える能力を持てば、いろんな場面で作業能率の向上に役立てることができる。
本発明は、これまで述べたように独自の車体構成により、持ち上げ作業が楽にでき、荷物の重量負担が免除され、前輪(7)と後輪(8)の接地でバランスがとりやすく、その上各操作がやり易いので、非力な人や不慣れな人でも扱いやすい。
現在高齢化が急速に進む中、多くの高齢者があらゆる産業において現役で従事している。例えば農村では、平日若い世代の多くは勤めに出ているので、農作業のほとんどが高齢者に任されている。足腰の弱ってきた高齢者にとって、農具や収穫物を運ぶだけでも大変な苦労である。運搬物の負担がかからない運搬車を利用したくても、狭いあぜ道や畝を通る機会が多いので、結局は、小回りが利く一輪車に頼らざるを得ない高齢者がかなりの数に上ると思われる。
一方、一輪車を使うには、常に運搬物の重さに耐えながらハンドルを持ち続け、その上バランスをとって運搬しなければならないので、利用したくてもできないで困っている高齢者も多数潜在していると思われる。
しかし、本発明であれば、荷物の重量負担がかからないように車体が構成されている他、一輪車同様に狭いあぜ道や畝でも走行でき、その上シルバーカートのようにハンドル(18)に両手を添えて押し動かせば簡単に運搬することができるので、より多くの高齢者が利用できるようになる。今後ますます高齢化が進む中で、農業に限らずあらゆる場面で、高齢者でも安心して使える手押し運搬車へのニーズが高まってきている。
以上のことにより、健常者に限らずより多くの人が、本発明を簡便かつ安全に使用できるので、一輪車の扱いにくさや使用者を限定してしまう課題を解決できる。
次に、本発明が、二輪車や三〜四輪運搬車の優れている点を引き継ぎながらも、それらの抱える課題を解決して効果につなげた点について説明する。
本発明の車輪フレーム(4)に取り付けた前輪(7)と後輪(8)が、荷物や車体の重量を支えてくれるので、従来の三輪や四輪運搬車同様、楽に運べ、走行も安定している。
本発明は、車輪フレーム(4)と荷台フレーム(3)を回転軸(14)で接合するという独自の構造により、車体を固定維持する場合は幅の広いスタンド(17)がその役割を果たし、運搬時はハンドル(18)に両手を添えて保持すれば、車体を安全に操作できるので、後輪(8)間の横幅を狭くすることができる。よって二輪車や三〜四輪運搬車が抱える小回りが利かない課題を解決できる。例えば、工事現場で一般に普及している幅25cmの足場板の上でも通れるよう、図2のように約20cmの横幅にも設定できる。これぐらいの横幅であれば、ほとんどの場所でも使用できるようになるので、いちいち通路の幅を気にせずに、集中して運搬作業に取り組むことができる。
ところで、一輪車は、車体から察すれば一番小回りが利くように見えるが、いずれにせよ人間の歩行によって運搬するので、歩行に要する横幅も考慮しなければならない。その上一輪車はバランスをとりながら運搬するので、結局のところ20cm以上の横幅がないと安全に運べるとは言いきれない。以上の状況であれば、本発明の後輪(8)間の横幅が20cmだとしても、一輪車と同様に小回りが利くと言えるし、運搬作業に関しては狭い場所でも走行が安定している本発明の方が有利である。
本発明は、後輪(8)間の横幅を狭く設定できることにより、他の効果も生みだしている。それは横傾斜地でも車体を安定させやすいということである。図25は、(a)本発明の手押し運搬車(1)、(b)一輪車、(c)二輪車、(d)三輪運搬車、(e)四輪運搬車の各運搬車が、同じ斜度の横傾斜地を走行している状態を正面から示したものである。手押し運搬車(1)は、正面から見て前輪(7)と後輪(8)が車体の中心付近に集中しているので、バケット(2)を水平位置にもっていきやすく、その上前輪(7)と後輪(8)の片方が常に路面に接地しているので安定した走行ができ、尚且つ簡単に軌道修正ができるので横傾斜地でも扱いやすい。
一方、二輪車および三輪や四輪運搬車は、荷台を水平に保つのが難しく、横傾斜地の影響をまともに受けてしまうので、荷物をこぼしたり、車体を倒したりしてしまう恐れが出てくる。また一輪車は荷台を水平に保てるものの、歩行が不安定な上に一輪の接地だけで持ち運ぶので、バランスを崩しやすい。
以上のことにより、横傾斜地で運搬する場合、本発明であれば、他の運搬車より車体を安定させやすく、その上操作がしやすいので、荷物をより安全に運ぶことができる。
またこのような構造であることから、横揺れに対しても復元しやすいと言える。足場の悪いところで車体が傾いたとしても、幅の広いハンドル(18)でバケット(2)を水平位置に戻しやすい。
本発明においては、荷台フレーム(3)が回転軸(14)を中心に回転するのに伴い、荷台フレーム(3)の後方が多少重くなるよう荷台側回転軸受け(15)の位置を設定しているので、荷台フレーム(3)が自由に動く状態であれば、スタンド(17)が地面に接地し、車体が動かないように固定できる。前輪(7)と後輪(8)を備えた運搬車でありながら車体の固定維持が可能である。
本発明においては、回転する荷台フレーム(3)をギア位置調節装置(13)で任意の位置に固定できるので、運搬者の体格や荷物の積載状況に応じて、ハンドル(18)を適切な位置に設定することができる。また坂の勾配に合わせてハンドルを操作しやすい位置に調整できるので便利である。
以上、本発明は、二輪車や三〜四輪運搬車の利点を引き継ぎながらも、独自の車体構成によって、これらの運搬車の欠点を補い、運搬に必要な機能を持たせることができるので、二輪車や三〜四輪運搬車の抱える課題をまとめて解決できる。
これまで述べてきた従来の運搬車の課題解決以外の本発明の効果について補足したい。
本発明のハンドル(18)を横U字状の形にすることにより、ハンドル(18)操作をやり易くする他、必要に応じて上部あるいは下部のどちらかのハンドル(18)に素早く持ち替えることができる。通常はハンドル上部(18a)を持って運搬するように高さを設定しているが、前輪(7)を支点にハンドル下部(18b)を持ち上げて後輪(8)を浮かせば、一輪車としても利用できる。またハンドル下部(18b)を利用することで、段差越えや前投作業の際にも作業が円滑に行える。
さらに、荷台フレーム(3)を前方に傾けた状態で、ハンドル(18)を押し下げて前輪(7)を持ち上げれば、後輪(8)だけで運搬作業ができる。頻繁に方向転換を強いられる状況では便利である(図26参照)。
よって実施例3以外の本発明は、通常は三輪で運搬するが、場合によっては一輪車または二本の後輪(8)を利用した二輪車としても使用でき、さらに横傾斜地等では前輪(7)と後輪(8)の片方の車輪で二輪車としても使用できるなど、状況に応じて臨機応変に使い分けができるので大変便利である。
本発明は、小回りが利く能力を持ちながら、手押し運搬に必要な機能を数多く持つことができ、その上シンプルな構造と簡単な操作で意のままに車体を扱えるので、従来の手押し運搬車に比べて運搬作業の能率や効率が大幅に向上する他、より多くの人たちが利用できるようになる。また、余裕を持って運搬作業に取り組めるので、周りの状況にも気を配れるようになり、安全にも貢献できる。以上の理由により、本発明はその目的を達成できる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例1〜実施例5に分けて説明する。
実施例1について、図面を参照にしながら説明していく。
はじめに、実施例1の手押し運搬車(1)の車体構成を大まかに説明する。図1は手押し運搬車(1)の右側面図である。車体を大きく2つに分けると、下側が車輪フレーム(4)、上側が荷台フレーム(3)となる。車輪フレーム(4)には、前輪(7)、一対の後輪(8)、ギア位置調節装置(13)、一対の車輪側回転軸受け(10)が付いている。一対のハンドル(18)と一体となった荷台フレーム(3)には、バケット(2)、一対のスタンド(17)、一対のギア部(16)、一対の荷台側回転軸受け(15)、加えて操作レバー装置(20)とケーブルが付いている。これらを回転軸(14)で接合することで、荷台フレーム(3)が回転できるようになる。ギア位置調節装置(13)とギア部(16)は、操作レバー装置(20)とケーブルの一連の操作を利用して、荷台フレーム(3)の固定及び位置設定をする働きを持つ。
図2は手押し運搬車(1)の正面図であり、実施例1では、後輪(8)が二個付いた三輪運搬車であることが図示されている。なお、一般に普及している幅25cmの足場板の上でも走行できるよう、後輪(8)間の横幅を約20cmになるように設定している。図3は手押し運搬車(1)の背面図であり、一対のギア部(16)とギア位置調節装置(13)の取り付け位置が理解できる。以上が実施例1の手押し運搬車(1)の概略である。
以下では、車輪フレーム(4)と荷台フレーム(3)に分けて、それぞれの仕組みや、付属している部品について詳しく説明する。
車輪フレーム(4)の構造について説明する。一回り太い前部パイプフレーム(4b)をメインパイプフレーム(4a)にはめ込み、溶接等で固着することによって、車輪フレーム(4)の本体を構成している。この組み立てにより、荷台フレーム(3)を支え、車輪を保持するためのしっかりした骨組みが出来上がる。前部パイプフレーム(4b)とメインパイプフレーム(4a)の素材には、一般に普及している鉄などの金属製のパイプを使用するが、アルミを利用すれば軽量化が図れる。
前部パイプフレーム(4b)の方を太くしたのは、障害物から前輪(7)を守るのと、また前投作業で前方へ倒立させる場合、車体の重量の多くがそこに集中するため、それに耐えられるようにするためである。
図4は車輪フレーム(4)の側面図である。側面から見ると、車輪フレーム(4)は横一直線の形状を成している。直線的な形状であるので、荷物が重たい場合でも荷台フレーム(3)を安定して支えることができる。
図5は車輪フレーム(4)の平面図であるが、これを見れば車輪フレーム(4)の形や、前輪(7)、後輪(8)の位置が良く分かる。車輪フレーム(4)のメインパイプフレーム(4a)は、一本のパイプを折り曲げ加工することで、図5のような形にしてある。具体的に言えば、メインパイプフレーム(4a)の前部は、前輪(7)を挟むようにして取り付けるため狭くしており、中央部は、車輪側回転軸受け(10)が荷台フレーム(3)を安定して支えることができるよう幅広くしており、そして、後部は、後輪(8)の設置に合わせて狭くしている。一方、前部パイプフレーム(4b)は、障害物に衝突した場合に衝撃を最小限に抑え、さらに前部パイプフレーム(4b)を支点に前投作業する際にどちらの方向でも倒していけるよう、U字状の形に加工している。よってメインパイプフレーム(4a)と前部パイプフレーム(4b)を合わせると、ひし形を横に長くしたような形になっている。
前輪(7)の取り付けについて説明する。メインパイプフレーム(4a)の前部の下側に、金属製の二個の前輪車軸受け(5)を並列に溶接固着し、その間に前輪(7)を配置してから前輪車軸(6)で固定して、前輪(7)が回転自在できるようにしてある。前輪(7)は、一般に普及している一輪車用のホイールつきタイヤ(外径約33cm前後、タイヤ幅約6.5cm)を利用することを前提としているので、万が一タイヤが損傷しても、入手が簡単で安価で済む。ただし、大きさによほどの違いがない限りは他のサイズのタイヤでも代用できるので融通が利く。
その位置に大きめのサイズの前輪(7)が取り付けてあるので、低い障害物に当たった場合、前輪(7)が上に跳ね上がって衝撃を緩和してくれる。
後輪(8)の取り付けについて説明する。図5のように、メインパイプフレーム(4a)の後部に、金属製の前部横パイプ(4c)と後部横パイプ(4d)をはめ込み、溶接等で固着している。前部横パイプ(4c)の下側に、金属製の後輪車軸管(23)の両端から少し内側の位置に合わせて、それぞれ金属製のメイン車軸管支持パイプ(11)を垂直に配置し、そのまま下端にある後輪車軸管(23)につないで、それぞれの接する部分を溶接で固着している。
後部横パイプ(4d)の下の部分に、後輪車軸管(23)の両端から少し内側の位置に合わせて、それぞれ金属製のサブ車軸管支持パイプ(12)を配置し、そのまま下側の後輪車軸管(23)に斜めにつないで、それぞれの接する部分を溶接で固着している。図6は車輪フレーム(4)の底面図であるが、これを見ればサブ車軸管支持パイプ(12)の配置が分かる。
このように、メイン車軸管支持パイプ(11)とサブ車軸管支持パイプ(12)で後輪車軸管(23)を支えることにより、後輪(8)だけで荷物や車体全体の重量にも耐えうるようにしてある。
後輪ホイール(8b)付きの後輪タイヤ(8a)二個を、後輪車軸管(23)の両端にそれぞれ配置してから、後輪車軸(9)で固定し、後輪(8)が回転自在できるようにしてある。実施例1では、幅25cmの足場板の上でも運搬できるようにするため、後輪(8)間の横幅が約20cmになるように後輪車軸管(23)の長さを調節している。ただしこの横幅に限定するものではなく、製造段階で、使用状況に応じて後輪(8)と後輪車軸管(23)を構成すればよい。
実施例1では、外径約20cm、幅約5cmの後輪タイヤ(8a)を採用しているが、このサイズに限定するものではなく、同程度のものを市販品で代替できる。
金属製の車輪側回転軸受け(10)は、側面から見ると、図4に示されているような「かまぼこ型」をしており、真ん中のやや上部に回転軸(14)を通すための車輪側回転軸孔(10a)が空けてある。二個の車輪側回転軸受け(10)を、前輪(7)と後輪(8)の車軸間の中心よりやや後輪(8)側に位置するところにそれぞれ配置し、溶接で固着している。その位置にあれば、荷台フレーム(3)全体の重量は、前輪(7)より後輪(8)の方に多めにかかるようになる。その結果、段差越えや方向転換の際、後輪(8)を支点にハンドル(18)を押し下げれば、前輪(7)を容易に持ち上げることができるので操作がしやすくなる。
図5を参照に車輪フレーム(4)を上から見ると、二個の車輪側回転軸受け(10)は、メインパイプフレーム(4a)が一番広がっている部分の上部に、平行に並べて取り付けてあることが分かる。メインパイプフレーム(4a)が一番広がっている部分は、前輪(7)と後輪(8)の車軸間の中心よりやや後輪(8)側の位置に相当する。車輪側回転軸受け(10)は、かなり負荷がかかる部分なので、耐えうるぐらいの厚さにしてある。また、車輪側回転軸受け(10)および車輪フレーム(4)の剛性を高めるため、二個の車輪側回転軸受け(10)の間に、二本の金属製の回転軸受け固定棒(10b)を配置し、溶接で固着している。回転軸受け固定棒(10b)を固着する部分に、回転軸受け固定棒(10b)が隙間なくはまる穴をそれぞれ設けて、それに差し込んで溶接固着すれば、剛性力がさらに向上する。
ギア位置調節装置(13)は、図4、図5を参照にすれば、前部横パイプ(4c)と後部横パイプ(4d)の上にまたがって配置され、接触する部分を溶接で固着してある。
ところで、前部横パイプ(4c)と後部横パイプ(4d)は、今述べたギア位置調節装置(13)の設置場所という役目の他に、前述したように後輪車軸管(23)を支え、さらに車輪フレーム(4)の剛性を高めるのにも役立っている。取り付け場所を工夫することによって、いくつもの役割を果たせるようにしている。
ギア位置調節装置(13)の働きについて説明する。ギア位置調節装置(13)は、荷台フレーム(3)に取り付けてあるギア(16b)と、噛み合ったり、離したりすることで、荷台フレーム(3)を任意の位置に固定する働きを持っている。そのきっかけは、ハンドル(18)に取り付けてある操作レバー装置(20)のレバーを操作することからであり、レバーを引き寄せると、アウター(21)という柔軟なパイプの中を通るインナーワイヤー(22)と金属棒(13d)がそれに連動して、押しバネ(13f)を縮めながら引き戻されていく。そうすると、金属棒(13d)はギア(16b)から離れるので、荷台フレーム(3)を自由に動かすことができる。反対に、レバーから手を放している状態では、押しバネ(13f)の伸びる特性によって、金属棒(13d)は前方へ押されて、ギア(16b)と噛み合い、荷台フレーム(3)を固定する。このような操作で荷台フレーム(3)を適切な位置に固定したり配置したりすることができる。なおここで述べているアウター(21)とインナーワイヤー(22)を使ったケーブルシステムや操作レバー装置(20)については、従来の技術であるため詳細な説明は省略する。
ギア位置調節装置(13)の構成を、図7のギア位置調節装置(13)の平面図より説明する。ギア位置調節装置(13)は金属製の素材で構成されており、同じ形のロングプレート(13a)を二枚平行に並べてから、それぞれの後端の内側部分に、ロングプレート(13a)より長さの短いショートプレート(13c)を配置して溶接で固着し、コの字状の形にしている。その二枚のロングプレート(13a)には、それぞれ同じ場所に金属棒移動孔(13b)が、長方形状の形で空けてある(図8参照)。その高さは金属棒(13d)の太さに合わせたものであり、スムーズに横に移動できるぐらいの余裕を持たせている。またその横の長さは、金属棒(13d)がギア(16b)と噛み合ったり離したりできる範囲に合わせてある他、金属棒(13d)が一番後部に位置してもギア(16b)の一番下の歯に当るように設計してある。なおこの構成以外にも、もう一つの方法として、一枚の長いプレートを使ってコの字状に折り曲げて、同様の形に仕上げることも可能である。
金属棒移動孔(13b)内を前後に移動する金属棒(13d)は円柱の形をしており、縦の中心部に位置するところに穴が空けられて、インナーワイヤー(22)がその穴の中を通れるようにしてある。金属棒(13d)を配置した後、その両端に、それぞれ短い円柱の形の金属棒ストッパー(13e)を溶接または接着剤で固着し、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)から外れないようにしてある。その他の取り付け例として、金属棒(13d)をボルトに、金属棒ストッパー(13e)をナットのような形に加工して締め付けて固定しても良い。
レバーから伸びているインナーワイヤー(22)は、ショートプレート(13c)の真ん中部分に空けられている穴から入って、押しバネ(13f)の間を潜り抜け、さらに金属棒(13d)の穴を通過した直後に、末端であるニップル(22a)で取り付けされている。インナーワイヤー(22)を覆うアウター(21)は、ショートプレート(13c)の穴の手前に設けられたアウターストッパー(21a)まで伸びている。
押しバネ(13f)のバネは、レバーから手を放している状態では、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番前に移動するよう押し伸ばし、一方、レバーを引き寄せた場合は、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番後部に位置するまで縮むことができる特性を持っている。
図8は、ギア位置調節装置(13)の側面図である。図9は、ギア位置調節装置(13)を、手押し運搬車(1)の後部から見た背面図である。図10は、ギア位置調節装置(13)の正面図である。図7のギア位置調節装置(13)の平面図に加えて、これらの図を参照にすれば、ギア位置調節装置(13)の構成が理解できる。
荷台フレーム(3)の構成を、図11の荷台フレーム(3)部分の右側面図を参照に説明する。なお図11、図12、図13では荷台フレーム(3)の構成を分かりやすくするため、バケット(2)を外している。荷台フレーム(3)は、一本の金属製のパイプを折り曲げ加工することにより、側面から見ると図11のような形にしてある。荷台フレーム(3)の前側は、バケット(2)を保持するのに適した形に、一方、荷台フレーム(3)の後ろ側は、運搬者がハンドル(18)操作をしやすく、またそれぞれの操作で適切な姿勢を保てるように、パイプフレームの長さ、斜度、そしてハンドル(18)の位置が調整され、折り曲げ加工してある。
ハンドル(18)の形状を、横U字状にしている。このような形にすれば、ハンドル(18)を持ち上げたり、押し下げたり、前方へ押したり、後方に引いたりする場合、それぞれの操作に合わせてハンドル(18)を握る位置を円滑に変えることができ、その上必要に応じて、上部あるいは下部のどちらかのハンドル(18)に素早く持ち替えることができる。通常はハンドル上部(18a)を持って運搬するように高さを設定しているが、前輪を支点にハンドル下部(18b)を持ち上げて後輪(8)を浮かせば、一輪車としても利用できる。またハンドル下部(18b)を利用すれば、段差越えで後輪(8)を持ち上げたり、前投作業で車体を前方へ傾けさせたりするのに便利である。なおハンドル上部(18a)から10cm〜15cm下げた部分に、ハンドル下部(18b)が位置するように設定している。このようにハンドル(18)を横U字状にすることにより、各操作がしやすくなり、さらに一輪車として利用できるなど、便利な機能を付加する事ができる。
アウター(21)とインナーワイヤー(22)がつながっている操作レバー装置(20)は、実施例1では左のハンドル上部(18a)の先端近くに取り付けてあるが、代わりに右のハンドル上部(18a)の先端近くに取り付けてもなんら支障はない。
金属性の荷台側回転軸受け(15)を、バケット(2)の水平時(図18の状態)の重心付近に相当するところに合わせて設置してある金属製の前部荷台横プレート(3a)の下側に、車輪側回転軸受け(10)の外側と接触する幅に合わせて二個平行に並べて配置し、上部を溶接で固着している。この位置に設置していることで二つの大きな働きがある。一つは、荷台側回転軸受け(15)がバケット(2)の重心付近にあるので、後方に伸びた位置にあるハンドル(18)で、荷台フレーム(3)を楽に上下に回転させることができる。もう一つは、荷台フレーム(3)についているギア(16b)がロックされていない状態では、スタンド(17)、ギア部(16)、ハンドル(18)、後部のパイプフレーム等の重さによってスタンド(17)が接地し、手押し運搬車(1)の固定維持ができるということである。
荷台側回転軸受け(15)は、車輪側回転軸受け(10)の「かまぼこ型」を反対にしたような形をしており、真ん中のやや下部に回転軸(14)を通すための荷台側回転軸孔(15a)が空けてある。
一対の金属製のギア部(16)を構成しているギア保持プレート(16a)及びギア(16b)は、回転軸(14)の円周上に沿った形にそれぞれ成型してある。このような形であれば、図18〜図20に図示されているように、ギア(16b)が上下に回転移動しても、ギア位置調節装置(13)との位置関係が変わることなく操作できる。その結果、噛んだり離したりする一連の作業を安定して実行できる。ギア部(16)は、ギア位置調節装置(13)の間を通り抜け、金属棒(13d)がギア(16b)を噛んだり離したりできる位置に合わせて配置してある。そしてギア部(16)の上にある金属製の後部荷台横プレート(3b)に溶接で固着してある。
金属製で角パイプの一対のスタンド(17)を、荷台フレーム(3)の下側に平行に並べて配置し溶接で固着している。斜めに設置することにより、運搬時にスタンド(17)の底面が地面からより離れるようになる。その結果、凹凸のある場所を走行しても、スタンド(17)が地面と接触しにくくなる。その他、一対のスタンド(17)の間に金属製の丸パイプで作られたスタンド補強パイプ(17a)を配置し溶接で固着している。
図12は荷台フレーム(3)の平面図である。この図を見れば、荷台フレーム(3)の基本を成す骨組みが、一本のパイプフレームを折り曲げることによって加工してあることが理解できる。荷台フレーム(3)の前部の横幅は、バケット(2)の後ろ側の底面の端の幅に合わせてある。そして荷台フレーム(3)の後部からハンドル(18)の付け根までを、横に広がるようにパイプフレームを折り曲げ加工している。
荷台フレーム(3)の内側には、荷台側回転軸受け(15)が取り付けてある前部荷台横プレート(3a)、ギア部(16)が取り付けてある後部荷台横プレート(3b)、さらに金属製の荷台横パイプ(3c)が配置され、それぞれ溶接で固着してある。上記の前部荷台横プレート(3a)、後部荷台横プレート(3b)、荷台横パイプ(3c)の三つと、スタンド補強パイプ(17a)は、荷台フレーム(3)の剛性を高め、ねじれに対する強度を高めるのに役立っている。
両方のハンドル上部(18a)の先端に、それぞれゴム製またはプラスチック製のキャップ(19)をはめ込み、外観を良くするとともに、パイプの中空に異物が進入するのを防いでいる。
図13は荷台フレーム(3)の底面図である。この図を見れば、荷台側回転軸受け(15)、ギア部(16)、スタンド(17)の設置場所が理解できる。
ギア部(16)について以下で補足説明をする。図14はギア部(16)の右側面図である。金属棒(13d)とギア(16b)が確実に噛み合うことができるように、ギア(16b)の各歯を、金属棒(13d)の大きさに合わせた間隔を確保しながら、均等に並列している。そして荷台フレーム(3)を適切な位置で固定でき、またスタンド(17)が確実に接地できるよう、ギア(16b)の歯の数や大きさを設定している。実施例1では、図18のようにバケット(2)が水平時の場合、金属棒(13d)は上から三番目と四番目のギア(16b)の歯の間に配置されている。例えばこれを基準点にすると、あと4段階は、バケット(2)を前方に傾けていくことができ、反対に、基準点からあと2段階は、バケット(2)を後方に傾けて位置設定することができる。
ギア(16b)の一番下の歯は、荷台フレーム(3)が回転できる範囲の中で、一番前方へ回転した際の停止装置の役目になるもので、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番後方に位置しても必ず当るように寸法を長く設定してある(図14、図19参照)。
ギア(16b)の上部に、金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)の一番前にあっても、何も接することのない空間を設けている。スタンド(17)が接地する寸前に、その空間が金属棒(13d)の位置まで移動するようギア保持プレート(16a)とギア(16b)が設計されている。その空間に金属棒(13d)が配置されると、荷台フレーム(3)は自由に動く状態になり、その結果荷台フレーム(3)が後方に傾いてスタンド(17)が接地し、車体の固定維持ができる(図14、図20参照)。
図15は一対のギア部(16)の背面図である。ギア保持プレート(16a)とギア(16b)は溶接等で固着されて一つの組合せととなり、同じ組合せをもう一つ平行に並べてギア固定部品(16c)で溶接固着し、一対のギア部(16)を構成している。
図16は手押し運搬車(1)の平面図である。バケット(2)は従来の一輪車で利用されている舟形の形状で上面が解放しているものであり、材料は鉄、アルミ、またはポリプロピレン樹脂等これまで採用されているものを使えばよい。またバケット(2)と荷台フレーム(3)の取り付けは、ねじ止めや溶接等の方法があるが、どの取り付け方法でも可能である。これらは従来の技術なので説明は省略する。
図17は手押し運搬車(1)の底面図である。この図より荷台フレーム(3)と車輪フレーム(4)の位置関係が理解できる。
車輪フレーム(4)と荷台フレーム(3)の取り付けについて説明する。車輪フレーム(4)の上に荷台フレーム(3)を配置し、一対の荷台側回転軸受け(15)と一対の車輪側回転軸受け(10)のそれぞれの軸穴を合わせた後、二本の回転軸(14)を各々挿入し接合する。そうすることで荷台フレーム(3)は、回転軸(14)を中心に回転自在できる。そして、操作レバー装置(20)からギア位置調節装置(13)にかけて、金属棒(13d)を動かすためのケーブルシステムをつなげる。これで本発明の手押し運搬車(1)が出来上がり、前述したように手押し運搬に必要な機能を多く持つことができる。
なお回転軸(14)及び前輪車軸(6)、後輪車軸(9)の取り付けやベアリングの装着については、従来の技術を利用するため詳しい説明は省く。
本発明の手押し運搬車(1)は、ハンドル(18)を楽に持ち上げられ、さらに運搬時は荷物の重量の負担がないことより、小物を入れるためのボックス(24)を、バケット(2)の後方の荷台フレーム(3)に取り付けることが可能である。
図27は、ボックス(24)を取り付けた手押し運搬車(1)の右側面図である。図28はボックス(24)を取り付けた手押し運搬車(1)の平面図、そして図29はボックス(24)を取り付けた手押し運搬車(1)の背面図である。
図28では、ボックス(24)の上面は解放した形になっているが、蓋をつけたり、またはカバーをつけたりしても構わない。取り付け方法については、ねじの締め付け等多々あるが、従来の技術であるため詳しい説明は省略する。
例えば農作業で、野菜を収穫したり、雑草を刈る場合には、園芸刃物や鎌等を一輪車に積んで行くが、帰りは収穫物等を載せるため、鎌等を置くスペースがなかったり、無理に載せて落としてしまう場合がある。特に鎌は刃がむき出しになっているので、誤ってけがをしてしまう恐れがある。
ボックス(24)があれば、農作業に必要な小道具を安全に運べるし、またそれに限らず合羽や飲み物など運搬者にとって必要とするものを荷物と分けて持ち運べるので大変便利である。多少荷台フレーム(3)の後部が重たくなるが、バケット(2)に積み込む荷物をバケット(2)の前側に少しずらしたり、荷台フレーム(3)を前方に傾けたりして、荷台フレーム(3)の重心を前方へもっていけば操作性をそれほど損なうことなく、通常通り安全に運搬できる。本発明は独自の構造により、ボックス(24)を取り付けても運搬者の負担を最小限に抑え、運搬者の利便性を高めることができる。
本発明は、以上のような構成よりなる手押し運搬車(1)である。これを使用するときは、一対のハンドル(18)を両手で握りながら、片方のハンドル(18)についた操作レバー装置(20)のレバーを引き寄せると、ギア(16b)を噛んでいた金属棒(13d)が解放される。そしてレバーを引き寄せたままハンドル(18)を持ち上げれば、スタンド(17)が地面から離れ、手押し運搬車(1)を動かす準備ができる。それからハンドル(18)の位置を決めてレバーを放せば、金属棒(13d)とギア(16b)が噛み合って荷台フレーム(3)を固定するので、後はハンドル(18)を押して運搬を始めることができる。方向転換や段差越えや前投作業は、荷台フレーム(3)を固定した状態で、前輪(7)または後輪(8)のいずれかを支点にして、ハンドル(18)を上げ下げして行う。車体を固定維持する場合は、レバーを引き寄せたまま、スタンド(17)が地面に接する寸前まで荷台フレーム(3)を後方に傾かせて、ギア(16b)の上部の空間に金属棒(13d)が配置されたことを判断してレバーを放せば、そのままスタンド(17)を接地させ、車体の固定維持ができる。
なお、これから説明する実施例2、実施例3、実施例4、実施例5も同様の使用方法であるため、説明を省略する。
実施例2として、一対の後輪(8)を状況に応じて任意に傾斜できる手押し運搬車(1A)について説明する。後輪(8)の回転装置以外の構成については、実施例1の手押し運搬車(1)と同じであるため説明を省く。
図30は、実施例2の手押し運搬車(1A)の後輪(8)部分を拡大した右側面図である。なおこの図では、装置を分かりやすくするために、手前の後輪(8)をはずした状態にしてある。
前部横パイプ(4c)の下部に、金属製のコの字状の形状をした前部車軸管支持パイプ(25)を垂直に配置し、溶接で固着している。そしてその下端に金属製の前部車軸管軸受け(28)を溶接して取り付けている。
一方、後部横パイプ(4d)の下部に、金属製のコの字状の形状をした後部車軸管支持パイプ(26)を斜めに配置し、溶接で固着している。そしてその下端に金属製の後部車軸管軸受け(29)を溶接して取り付けている。
前部車軸管軸受け(28)と後部車軸管軸受け(29)の間に、金属製の後輪回転車軸管軸受け(32)を配置し、回転自在できるよう金属製の後輪回転軸(30)で固定している。後輪回転車軸管軸受け(32)には、あらかじめ金属製の後輪回転車軸管(31)が溶接で取り付けてある。このような構成により後輪回転車軸管(31)は回転することができる。
後輪回転車軸管(31)の両端に一対の後輪(8)を配置し、回転自在できるよう回転後輪用車軸(36)で固定する。なお回転後輪用車軸(36)及び後輪回転軸(30)の取り付けについては従来の技術を利用するため詳細な説明は省く。
前部車軸管支持パイプ(25)と後部車軸管支持パイプ(26)の間に、金属製の支持パイプ用横パイプ(27)二本を左右それぞれ同じ位置に配置し、溶接で固着している。
二本の支持パイプ用横パイプ(27)の下部に、金属製の上部バネフック用リング(34)を、左右一個ずつそれぞれ同じ位置に配置し、溶接で固着している。一方、後輪回転車軸管(31)の上部に、金属製の下部バネフック用リング(35)二個を、上部バネフック用リング(34)の垂直位置に合わせて配置し、溶接で固着している。
上部バネフック用リング(34)と下部バネフック用リング(35)の間に、左右それぞれ金属製の引きバネ(33)を配置し、その両端のフックをリングに引っ掛けて固定している。この二本の引きバネ(33)の特性によって、一対の後輪(8)は水平に姿勢を保とうとするので車体が安定しやすい。
図31は手押し運搬車(1A)の後輪(8)部分を拡大した背面図である。この図より後部車軸管支持パイプ(26)の形が理解できる。前部車軸管支持パイプ(25)も同じような形をしており、これら2つとも、ギア部(16)が通り抜けることができるように形状が設計されている。
図32は手押し運搬車(1A)が、横傾斜地を走行している状態の背面図である。後輪(8)が回転できる装置によって、横傾斜地でもバケット(2)を水平位置にもっていきやすいので、荷物をより安全に運ぶことができる。
実施例3として、後輪(8B)が一個の手押し運搬車(1B)について説明する。後輪(8)二個の実施例1には及ばないものの、後輪(8B)のタイヤを太くしているので、安定した走行が可能である。一個の後輪(8B)の取り付け以外の構成については、実施例1の手押し運搬車(1)と同じであるため説明を省く。
図33は、実施例3の手押し運搬車(1B)の右側面図である。金属製の後輪用支持パイプ(37)を左右一個ずつ、後輪(8B)の外側に配置し、上部に位置する前部横パイプ(4c)や後部横パイプ(4d)と溶接で固着している。
両方の後輪用支持パイプ(37)の下部に、金属製の後輪軸受け(38)を溶接で固着し、その間に後輪(8B)を配置し、回転自在できるように後輪車軸(9B)で固定している。
一対のギア部(16)は、実施例1の手押し運搬車(1)では、一対の後輪(8)の間を移動するよう設計されているが、実施例3の手押し運搬車(1B)では、後輪(8B)の両側を移動するようになっている。
図34は、後輪(8B)部分を拡大した平面図である。一対のギア部(16)の間隔が広がるのに合わせて、ギア位置調節装置(13)及びメインパイプフレーム(4a)の後部も幅を広げている。
左右一個ずつのギア部(16)は、後輪(8B)とギア位置調節装置(13)のロングプレート(13a)の間を移動することになる。
図35は、実施例3の手押し運搬車(1B)の背面図である。この図を見ればギア部(16)とギア位置調節装置(13)の位置関係が理解できる。
この手押し運搬車(1B)は、実施例1の手押し運搬車(1)に比べると、走行安定性はやや劣るものの、機敏な上に、凹凸路面や横傾斜地でもバケット(2)を水平位置に維持しやすい利点がある。
実施例4として、深型のバケット(2C)を備えた手押し運搬車(1C)について説明する。この手押し運搬車(1C)は、生コンクリートやセメント、または土砂等の重量物を運ぶのに適したものであり、深いバケット(2C)と実施例1と異なった荷台フレーム(3C)を特徴とする。車輪フレーム(4)の構成については、実施例1の手押し運搬車(1)と同じであるため説明を省く。また実施例1と同様の部品や構成についても説明を省略する。
図36は、実施例4の手押し運搬車(1C)の右側面図である。金属製の一対のハンドル(18)と一体となった荷台フレーム(3C)に、金属製の一対のスタンドフレームパイプ(39)を左右同じ位置に配置し、溶接で固着している。スタンドフレームパイプ(39)の真ん中あたりに、バケット(2C)の底部の位置に合わせて、金属製の一対のスタンドフレーム横パイプ(40)を左右同じ位置に配置し、その両端をスタンドフレームパイプ(39)にあてがい溶接で固着している。図を見るとスタンドフレーム横パイプ(40)とバケット(2C)が接触しているように見えるが、実際はそうではなく、後でも述べるが、スタンドフレーム横パイプ(40)に取り付けられた軸受け用プレート(41)が、バケット(2C)を支えるために、バケット(2C)の底部に配置してある。
金属製のバケット(2C)は探型で底部が円弧状の曲面をしており、上部は、フレーム状に加工されている。バケット(2C)は荷台フレーム(3C)にはめ込むようにして配置され、バケット(2C)のフレーム部分と荷台フレーム(3C)を溶接またはねじ止め等で固着している。
スタンドフレーム横パイプ(40)には、金属製の軸受け用プレート(41)と金属製のギア部用プレート(42)が取り付けてある。軸受け用プレート(41)の下部には金属製の一対の荷台側回転軸受け(15)が、一方、ギア部用プレート(42)の下部には金属製の一対のギア部(16)が溶接で固着されている。
図37は手押し運搬車(1C)の平面図である。この図より荷台フレーム(3C)とバケット(2C)の形が理解できる。
図38は手押し運搬車(1C)の底面図である。この図より軸受け用プレート(41)、ギア部用プレート(42)の設置場所が分かる。荷台フレーム(3C)の後部に、バケット(2C)を支え、荷台フレーム(3C)の剛性を高めるための、金属製のバケット支持パイプ(43)を溶接で固着している。
図39は手押し運搬車(1C)の正面図である。この図より軸受け用プレート(41)がバケット(2C)を支えていることが分かる。またスタンドフレーム横パイプ(40)の位置を示しておいた。
図40は手押し運搬車(1C)の背面図である。この図ではギア部用プレート(42)もバケット(2C)と接しているように見えるが、図36を見たら分かるように、ギア部用プレート(42)はギア部(16)の上部に配置されるのでバケット(2C)とは接触しない。以上、基本的な構成は実施例1とほぼ同じだが、バケット(2C)の形状に合わせて荷台フレーム(3C)の構成を変えているのが分かる。
実施例5として、荷台がフラットな手押し運搬車(1D)について説明する。この手押し運搬車(1D)は、荷台がフラットなため様々な種類の荷物を運ぶことができ、特に箱物やコンテナ箱を運搬するのに適している。車輪フレーム(4)の構成については、実施例1の手押し運搬車(1)と同じであるため説明を省く。また実施例1と同様の部品や構成についても説明を省略する。
図41は実施例5の手押し運搬車(1D)の右側面図であり、三個のコンテナ箱を載せた状態を示している。
荷台フレーム(3)に相当する荷台部分は、金属製の前部荷台フレーム(45)と金属製の後部荷台フレーム(46)によって構成されている。前部荷台フレーム(45)はフラットな荷台枠で、一方、一対の後部荷台フレーム(46)は、それぞれハンドル(18)とスタンド(17D)を備えている。前部荷台フレーム(45)と一対の後部荷台フレーム(46)が接する部分を溶接で固着し、荷台部分として一体化している。なお、車輪フレーム(4)と合わせて、前部荷台フレーム(45)や後部荷台フレーム(46)もアルミのフレームにすれば軽量化が図れ、使い勝手が向上する。
荷台枠がフラットで、前輪(7)より高い位置になるので、金属製の軸受け支持パイプ(44)を設ける他、ギア部(16)のギア保持プレート(16a)を長めにしている。
図42は手押し運搬車(1D)の平面図、図43は手押し運搬車(1D)の底面図である。この両図より荷台枠の構成が理解できる。金属製で同じ長さの前部プレート(45a)と後部プレート(45b)の両端の内側に金属製のサイドプレート(45c)を左右一個ずつ配置し溶接で固着している。
一対の金属製の回転軸プレート(45d)は、軸受け支持パイプ(44)と荷台側回転軸受け(15)が取り付けられており、車輪側回転軸受け(10)の外側の位置に合わせて配置されている。そして、前部プレート(45a)及び後部プレート(45b)と接する部分を溶接で固着している。
金属製のギアプレート(45e)は、荷台枠の中心に配置され、前部プレート(45a)及び後部プレート(45b)と接する部分を溶接で固着している。そしてギア位置調節装置(13)の位置に合わせて、ギア部(16)を溶接で取り付けている。
図44は手押し運搬車(1D)の正面図、図45は手押し運搬車(1D)の背面図である。このタイプの運搬車はそれ程荷台を前方に傾ける必要性はないが、軸受け支持パイプ(44)の高さを高くしたり、前輪(7)の径を小さくしたりすれば前傾能力が高まる。
20kgコンテナ二〜三個を運搬するための荷台がフラットな一輪車も、数多く市場に出回っているが、荷台が長くなる分操縦性が不安定になる恐れがある。また農作物を入れたコンテナ三個を運ぶのはかなり重労働である。しかし、実施例5のような手押し運搬車(1D)であれば、安定走行ができ、運搬作業も楽にできるので、従来のものより利便性が高いと言える。
以上が実施例1から実施例5までの手押し運搬車の説明である。
ここ最近、電動アシスト一輪車や動力付き一輪車が発売されるようになってきた。高齢化という社会背景の他に、近年の技術の向上により、動力部分がコンパクトになり、一輪車でも取り付けることが可能になったからである。しかし、動力部分がコンパクトになったとはいえ、一輪車本体の重量が30kg〜40kgにもなるので、荷物も含めたらかなりの重量増となる。その結果、運搬者自身の重量負担も増えるし、不整地では操作が難しくなってしまう。
本発明であれば、一輪車のように小回りが利く一方で、重量負担がなく、操作しやすい構造なので、動力付きの運搬車に適した車体であると言える。また、実施例1の手押し運搬車(1)を例にすれば、メインパイプフレーム(4a)の下部の真ん中あたりに、動力装置を取り付けることができるスペースも備わっている。よって本発明は、今後ますますニーズが高まる動力付き運搬車にも適応できる能力及び車体を持っている。
最後に、本発明の災害地での利用について述べたい。例えば災害地では、土砂や土のう、または救援物資を一刻も早く運搬しなければならないが、足元が悪い中、従来の一輪車で重量物を運ぶのは大変困難であるし、また作業も継続しにくい。しかし本発明の手押し運搬車であれば、重量負担がない上、段差越えも容易にでき、狭い場所でも小回りが利き、さらに状況に応じて車輪を自由に使い分けることができるので、非常時においても大変役に立つ。
その他の例として、緊急時に怪我人を運ばなければならない状況では、通り道が確保できていれば、実施例5の手押し運搬車(1D)を使って一人で運ぶこともできる。これまでは、怪我人を運ぶには担架などを使って二人がかりで対応していたが、一般家庭では担架はほとんど備えていないし、運搬する人間も確保できない場合がある。この手押し運搬車(1D)であれば以上のような対応もでき利用価値は高い。
実施例1の手押し運搬車の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車の正面図である。 実施例1の手押し運搬車の背面図である。 実施例1の手押し運搬車の車輪フレーム部分の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車の車輪フレーム部分の平面図である。 実施例1の手押し運搬車の車輪フレームの底面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア位置調節装置の平面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア位置調節装置の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア位置調節装置の背面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア位置調節装置の正面図である。 実施例1の手押し運搬車のバケットを除いた荷台フレーム部分の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車のバケットを除いた荷台フレーム部分の平面図である。 実施例1の手押し運搬車のバケットを除いた荷台フレーム部分の底面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア部の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車のギア部の背面図である。 実施例1の手押し運搬車の平面図である。 実施例1の手押し運搬車の底面図である。 実施例1の手押し運搬車のバケットが水平時の(a)ギアの位置、(b)車体の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車が最大限前傾した時の(a)ギアの位置、(b)車体の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車が固定維持している時の(a)ギアの位置、(b)車体の右側面図である。 運搬時の一輪車の(a)右側面図、(b)正面図である。 運搬時の二輪車の(a)右側面図、(b)正面図である。 三輪運搬車の(a)右側面図、(b)正面図である。 四輪運搬車の(a)右側面図、(b)正面図である。 (a)実施例1の手押し運搬車、(b)一輪車、(c)二輪車、(d)三輪運搬車、(e)四輪運搬車の各運搬車が同じ斜度の横傾斜地を走行している時の正面図である。 実施例1の手押し運搬車が後輪だけで走行している時の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車がボックスを装備した状態の右側面図である。 実施例1の手押し運搬車がボックスを装備した状態の平面図である。 実施例1の手押し運搬車がボックスを装備した状態の背面図である。 実施例2の手押し運搬車の後輪部分の右側面図である。装置を分かりやすくするため手前の後輪をはずした状態にしてある。 実施例2の手押し運搬車の後輪部分の背面図である。 実施例2の手押し運搬車が横傾斜地を走行している時の背面図である。 実施例3の手押し運搬車が固定維持している時の右側面図である。 実施例3の手押し運搬車の後輪部分の平面図である。 実施例3の手押し運搬車の背面図である。 実施例4の手押し運搬車の右側面図である。 実施例4の手押し運搬車の平面図である。 実施例4の手押し運搬車の底面図である。 実施例4の手押し運搬車の正面図である。 実施例4の手押し運搬車の背面図である。 実施例5の手押し運搬車が三個のコンテナを載せている状態の右側面図である。 実施例5の手押し運搬車の平面図である。 実施例5の手押し運搬車の底面図である。 実施例5の手押し運搬車の正面図である。 実施例5の手押し運搬車の背面図である。
符号の説明
1 手押し運搬車
2 バケット
3 荷台フレーム
3a 前部荷台横プレート
3b 後部荷台横プレート
3c 荷台横パイプ
4 車輪フレーム
4a メインパイプフレーム
4b 前部パイプフレーム
4c 前部横パイプ
4d 後部横パイプ
5 前輪車軸受け
6 前輪車軸
7 前輪
7a 前輪タイヤ
7b 前輪ホイール
8 後輪
8a 後輪タイヤ
8b 後輪ホイール
9 後輪車軸
10 車輪側回転軸受け
10a 車輪側回転軸孔
10b 回転軸受け固定棒
11 メイン車軸管支持パイプ
12 サブ車軸管支持パイプ
13 ギア位置調節装置
13a ロングプレート
13b 金属棒移動孔
13c ショートプレート
13d 金属棒
13e 金属棒ストッパー
13f 押しバネ
14 回転軸
15 荷台側回転軸受け
15a 荷台側回転軸孔
16 ギア部
16a ギア保持プレート
16b ギア
16c ギア固定部品
17 スタンド
17a スタンド補強パイプ
18 ハンドル
18a ハンドル上部
18b ハンドル下部
19 キャップ
20 操作レバー装置
21 アウター
21a アウターストッパー
22 インナーワイヤー
22a ニップル
23 後輪車軸管
24 ボックス
25 前部車軸管支持パイプ
26 後部車軸管支持パイプ
27 支持パイプ用横パイプ
28 前部車軸管軸受け
29 後部車軸管軸受け
30 後輪回転軸
31 後輪回転車軸管
32 後輪回転車軸管軸受け
33 引きバネ
34 上部バネフック用リング
35 下部バネフック用リング
36 回転後輪用車軸
37 後輪用支持パイプ
38 後輪軸受け
39 スタンドフレームパイプ
40 スタンドフレーム横パイプ
41 軸受け用プレート
42 ギア部用プレート
43 バケット支持パイプ
44 軸受け支持パイプ
45 前部荷台フレーム
45a 前部プレート
45b 後部プレート
45c サイドプレート
45d 回転軸プレート
45e ギアプレート
46 後部荷台フレーム
1A 手押し運搬車
1B 手押し運搬車
8B 後輪
9B 後輪車軸
1C 手押し運搬車
2C バケット
3C 荷台フレーム
1D 手押し運搬車
17D スタンド

Claims (1)

  1. 車輪フレーム(4)と荷台フレーム(3)を回転軸(14)で軸着し、上の荷台フレーム(3)が回転軸(14)を中心に前後に回転傾動する手押し運搬車において、車輪フレーム(4)に前輪(7)、後輪(8)、ギア位置調節装置(13)、車輪側回転軸受け(10)を取り付け、一方、荷台フレーム(3)にはバケット(2)あるいは荷台枠、ハンドル(18)、スタンド(17)、ギア部(16)、操作レバー装置(20)、荷台側回転軸受け(15)を取り付けたもので、操作レバー装置(20)からギア位置調節装置(13)までケーブルシステムをつないで、レバーの操作によってギア位置調節装置(13)の金属棒(13d)が金属棒移動孔(13b)内を前後に移動できるようにする他、ギア部(16)のギア(16b)を金属棒(13d)が前方に移動した時に互いに噛み合うように成型し、且つ、スタンド(17)が接地する直前または接地時においては金属棒(13d)が一番前に移動していても何も噛み合うことがないようにギア(16b)の上部に空間を設けてあることを特徴とする手押し運搬車。
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