JP4310001B2 - 印刷性の良好な樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は成形品や包装材料の用途に供する、ポリオレフィン系樹脂を主体とする印刷性および筆記性の優れた樹脂組成物に関するものである。そして、この樹脂組成物を用いた一般的な成形品やシート、フィルムなどの包装材料用成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂(PVC)は一般的な成形品やフィルム、シートなどの包装用材料として広く使用されている。しかし、PVC中に含有されている可塑剤に起因する衛生上、品質上(水中で白化してしまう等)の問題点に加えて、塩素を多量に含んでいるため、廃棄、焼却時の公害上の問題があり、代替材料が求められている。代替材料のひとつとして、ポリオレフィン樹脂が用いられているが、成形品表面に印刷や塗装あるいは筆記を施しても密着性が得られず剥離してしまう問題があった。
【0003】
これを改良するために従来から、樹脂表面を多孔質化あるいは粗面化したり、無機充填剤を添加することによりインキを染み込みやすくしたりするなどが行われてきた。例えば特公昭46−4678号公報にはポリオレフィン系樹脂にポリスチレンなどの他の樹脂と無機充填剤を配合する方法、特開平7−102125号公報にはポリオレフィン系樹脂としてエチレン−ビニルエステル共重合体樹脂やエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体樹脂などを用いる方法、あるいは特開平8−276540号公報のようにポリオレフィン系樹脂に石油樹脂と沈降性炭酸カルシウムを配合した一軸延伸フィルムなどが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂を主体とした樹脂成形品表面のインキ密着性が必ずしも充分ではない点で印刷適性は未だ満足できるものではない。
本発明は樹脂表面の加工をとくに施すことが必要でなく、また、ポリオレフィン系樹脂自体のもっている引張強度、耐衝撃性、剛性などの機械的物性を損なわずに印刷性が一層改善された樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂に特定の平均粒子径を有する無機充填材およびこれに石油樹脂とさらにオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂を配合してなる特定の樹脂組成物が、ポリオレフィン系樹脂の機械的物性を維持したまま印刷性、筆記性の改善に著しい効果を奏することを見出し本発明を完成させるに到った。
【0006】
すなわち本発明は、(A)ポリオレフィン系樹脂40〜90重量%、(B)オレフィン単位10〜97モル%と芳香族ビニル単位を90〜3モル%含有するオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂60〜10重量%の混合成分100重量部に対し、(C)平均粒子径が0.1〜20μmである無機微粉末を1〜150重量部および(D)石油樹脂2〜30重量部を配合してなることを特徴とする樹脂組成物、およびその成形体である。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)成分のポリオレフィン系樹脂とは、ポリオレフィンもしくはオレフィン単位90モル%以上と共重合可能な他の単量体単位10モル%以下からなる共重合樹脂をいう。このような樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン単位を90モル%以上含むエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂などが挙げられる。これらのうち本発明ではポリエチレンはとくに好ましい。
そしてオレフィン単位90モル%以上を含むことはポリオレフィン系樹脂の本来有する物性を本発明の樹脂組成物において維持するうえに必要である。
【0008】
(A)成分のポリオレフィン系樹脂は、本発明に用いる(B)成分のオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂との和100重量%に対し40重量%〜90重量%、好ましくは50重量%〜80重量%配合される。ポリオレフィン系樹脂の含有率が40重量%未満ではポリオレフィン樹脂を主体とする本発明の樹脂組成物の目的に沿わないものであり、また、本来ポリオレフィン系樹脂が有していた物性が樹脂組成物もしくは成形品では発現しにくく、反対に90重量%を超えるとインキの密着性が充分に得られにくい。
【0009】
本発明に用いる(B)成分のオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂を構成するオレフィンは、とくに制限はないが炭素数2〜10とくに2〜3のα−オレフィンが好ましい。一方芳香族ビニルについてもとくに制限はないがスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−もしくはp−メチルスチレンが好ましく、とくにスチレンが好ましい。これらオレフィンや芳香族ビニルは単独で用いてもよく、また2種類以上をそれぞれ併用してもよい。
しかし、特に好ましいオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂はエチレン−スチレン共重合樹脂であり、さらに好ましくは奏する印刷性向上効果の点でエチレン−スチレンランダム共重合樹脂である。
【0010】
前記の好ましい例であるエチレン−スチレンランダム共重合樹脂は、例えば特開平7−70223号公報やWO98/09999号公報、もしくは特開平9−309925号公報に開示されている製造方法によって製造できる。但し、前2文献はエチレン−スチレン擬似ランダム共重合樹脂に分類される共重合樹脂であり、本発明で最適に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合樹脂は後者の特開平9−309925号公報にその製造例が開示されている。ここでは特定のメタロセン触媒およびアルモキサン助触媒の存在下にエチレンとスチレンを溶液重合させる方法が開示されている。
【0011】
本発明で好適に用いられるエチレン−スチレンランダム共重合樹脂の重量平均分子量は好ましくは3万〜150万、さらに好ましくは10万〜100万、とくに好ましくは20万〜60万である。これが3万未満もしくは150万を超えると加工性の点で難がある。
【0012】
(B)成分のオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂の配合割合は、(A)成分の残部すなわち(A)成分と(B)成分との樹脂成分全量100重量%中60〜10重量%、好ましくは50〜20重量%である。
【0013】
本発明に用いる(C)成分の無機微粉末は平均粒子径が0.1〜20μmであればとくに制限はないが、好ましくは平均粒子径が1〜10μmで、成形時に押し潰されたり、変形しない程度の硬さを有するものがよい。平均粒子径が0.1μm未満では嵩密度が小さいため樹脂組成物を安定に製造することが困難であり、一方20μmより大きいと成形品の外観性が劣る。
ここで云う平均粒子径とは、成形品の超薄切片の透過型電子顕微鏡写真を撮り、写真中の微粒子の粒子径を測定する方法で、次式によって算出される平均粒子径をいう。
平均粒子径=ΣniDi2/ΣniDi
ここで、niは粒子径Diの粒子の個数である。
【0014】
本発明に用いる無機微粉末の具体的に好ましいものとして重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、タルク、マイカ、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびクレーなどが挙げられる。
これら無機微粉末は(A)と(B)の混合樹脂成分100重量部に対して1〜150重量部、好ましくは20〜100重量部配合される。1重量部未満ではインキの密着性が劣り、150部を超えると樹脂組成物あるいは成形体がポリオレフィン系樹脂の本来有していた機械的強度などの物性が著しく低下するばかりでなく、樹脂組成物の加工性が悪くなる。
【0015】
本発明に用いる(D)成分の石油樹脂は、石油の熱分解によって得られる石油原料を触媒を用いて重合することにより得られる炭化水素樹脂をいう。具体的には大別してC5留分を原料にした脂肪族系、C9留分を原料にした芳香族系および両者を原料にしたC5C9共重合石油樹脂や、ほかにこれらを水添した水添系石油樹脂があり、いずれを用いてもよいが、とくにこれらのうち重合度は特に制約はないが、重合度1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下のものが、樹脂組成物および成形品の印刷適性を向上させるのに有効である。重合度が高くなると相溶性が低下し、可塑効果も低下し、またシートあるいはフィルムに加工したときに透明性が悪化する。
【0016】
石油樹脂の配合量は(A)と(B)の混合樹脂成分100重量部に対して2〜30重量部、好ましくは5〜20重量部がよい。
石油樹脂の配合量が2重量部未満であると特にフィルムに対してオフセット印刷を行ったときに、カール防止効果がなくなる。
一方、30重量部を超えると押出機での溶融混練が困難となるので好ましくない。
カール防止効果については、石油樹脂の分子構造が主に脂環、芳香環構造をとっているためフィルムの剛度を向上させるためと考えられる。また、オフセット印刷の場合、インキ中の270〜330℃の高沸点の石油系溶剤と石油樹脂の相溶性がよく、石油樹脂が表面にブリードアウトし、微細空洞へ浸透し樹脂組成物の体積膨潤を防止していると考えられる。
【0017】
本発明の樹脂組成物を製造する方法にとくに制限はなく、公知の方法でよい。即ち、通常の混合操作、例えばタンブラーブレンダー法、ヘンシェルミキサー法、バンバリーミキサー法または押出造粒法等の混合・混練方法により行うことができる。
【0018】
本発明の樹脂組成物には、所望により酸化防止剤、耐候性改良剤、帯電防止剤等の添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。
また、(A)成分のポリオレフィン系樹脂および(B)成分のオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂以外の樹脂を本発明の効果を阻害しない範囲であれば配合しても差し支えない。
【0019】
本発明の成形品は、その製造方法を限定するものではなく、例えば公知の押出成形法、カレンダー成形法、熱プレス成形法、インフレーション法あるいは射出成形法等により製造することができる。成形品として例えば、容器、シート、フィルム、電気部品、家庭用品等が挙げられる。なおシート、フィルムではこれを通常の方法で3〜10倍程度延伸することもできる。
また、本発明の成形品にはグラビヤ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インキジェット印刷など公知の印刷方法によりその表面に良好な印刷を施すことができる。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づきさらに説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0021】
最初に後述する各参考例で得られたエチレンースチレンランダム共重合体の分析方法について説明する。
13C−NMRスペクトル
▲1▼機器;日本電子社製α−500
▲2▼溶媒;重クロロホルムまたは重1,1,2,2−テトラクロロエタン
▲3▼基準試料;TMS
▲4▼方法;先ずTMSを基準としてテトラクロロエタンの3重線13C−NMRピークの中心ピークのシフト値を決め、次いで共重合体の各ピークシフト値を、テトラクロロエタンの3重線中心ピークを基準として算出した。
テトラクロロエタンの3重線の中心ピークのシフト値は73.89ppmであった。
ピーク面積の定量を行う13C−NMR測定はNOE(NuclearOverhauserEffect)を消去させたプロトンゲートでカップリング法により、パルス幅は45°パルスを用い、繰り返し時間5秒を標準として行った。
【0022】
エチレン−スチレンランダム共重合体中のスチレン含量(1H−NMR法)
▲1▼機器;日本電子社製α−500およびBRUCKER社製AC−250
▲2▼溶媒;重クロロホルムまたは、重1,1,2,2−テトラクロロエタン
▲3▼基準試料;TMS
▲4▼方法;フェニル基プロトン由来のピーク(6.5〜7.5ppm)とアルキル基由来のプロトンピーク(0.8〜3ppm)の強度比較で行った。
【0023】
参考例中のエチレンースチレンランダム共重合体の分子量
▲1▼機器;ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)、東ソー社製HLC−8020(但し、室温でTHFに不溶な共重合体は、センシュウ科学社製GPC−7100を使用)
▲2▼溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、(但し、室温でTHFに不溶な共重合体は、1,2,4−トリクロロベンゼンを使用)
▲3▼基準試料;標準ポリスチレン
▲4▼方法;GPCにより、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量として求めた。
【0024】
DSC(示差走査熱量)〔融点を参考値として示す。〕
▲1▼機器;セイコー電子社製DSC200
▲2▼方法;N2気流下、昇温速度10℃/minで測定した。
【0025】
樹脂組成物の物性評価は以下の方法で行った。
引張弾性率、引張り破断伸び、引張り破断点強度;プレス成形(180℃/3min)により厚さ1mmのシートを作成し、2号ダンベルの形状に打ち抜き、このダンベルを用いて、JISK−7113プラスチックの引張試験方法に準じて求めた。引張り速度は伸びが400%以下の樹脂組成物では2mm/min、伸びが400%を超える樹脂組成物では100mm/minで行った。
【0026】
次に実施例に用いたエチレン−スチレンランダム共重合樹脂の製造例を参考例として以下に示す。
【0027】
参考例1〜3
〔エチレン−スチレンランダム共重合樹脂P−1〜3の製造〕
容量150L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付きの重合缶を用いて重合を行った。
脱水したシクロヘキサン溶媒と、脱水したスチレンを表1に示す量を仕込み、表1に示す重合温度にて加熱攪拌した。トリイソブチルアルミニウムをヘキサン溶液として表1に示す量を添加し、次いでメチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製PMAO−sあるいはMMAO−3A)を表1に示す量を添加した。直ちにエチレンを導入し、表1に示す圧力に安定した後に、重合缶上に設置した触媒タンクから、表1に示した種類と量の遷移金属触媒をトリイソブチルアルミニウム2mmolを溶解したトルエン溶液約100mLに溶解させ、その溶液を重合缶に加えた。エチレン圧を表1に示す圧力に維持しながら表1に示す重合時間攪拌を続けて重合を終了した。
重合終了後、激しく攪拌しながら85℃に加熱した分散剤アデカプルロニックP103(旭電化社製、商品名)を含む150Lの温度85℃の加熱水中に1時間かけて投入した。その後、97℃に昇温し1時間攪拌した後に、クラムを含む熱水を冷水中に投入してクラムを回収した。得られたクラムを50℃で送風乾燥し、その後60℃で真空脱気することで数mm程度の大きさのクラム形状の良好なポリマーを得た。
なお、rac−ジメチルメチレン(1−インデニル)(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、およびrac−ジメチルメチレンビス(3−シクロペンタ〔c〕フェナンスリル)ジルコニウムジクロライドは特開平9−309925号公報、EP−A−0872492A2号公報に開示されている方法で合成した。
【0028】
参考例4
〔エチレン−スチレン擬似ランダム共重合樹脂CP−1の製造〕
錯体CGCT(拘束幾何構造)型Ti錯体である遷移金属触媒(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドを329μmol用い、シクロヘキサン量を54L、脱水したスチレン量を18L、トリイソブチルアルミニウム84mmol、メチルアルモキサンを東ソーアクゾ社製MMAOでAl基準で840mmolとした以外は参考例1と同様に操作し、エチレン−スチレン擬似ランダム共重合樹脂CP−1を5.1kg得た。
なお重合に用いた上記の遷移金属触媒は特開平7−053168号公報を参考にして合成した。
【0029】
【表1】
【0030】
参考例1〜3で得られたエチレン−スチレンランダム共重合樹脂P−1〜3、および参考例4で得られたエチレン−スチレン擬似ランダム共重合樹脂CP−1のスチレン含量、分子量、分子量分布、エチレン−スチレン交互構造のタクティシティ、λ値、融点、ガラス転移点Tgを表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例1
市販のポリエチレン(三井化学社製、ウルトゼックス1520L)8.0kg、参考例2に説明のエチレン−スチレンランダム共重合体P−2を1.0kg、軽質炭酸カルシウム(白石工業社製、平均粒子径1.7μm)2.0kgおよび石油樹脂としてアルコンP−140(荒川化学社製、軟化温度140℃)1.5kgを20Lヘンシェルミキサーで混合し、これをつぎに30mmφの2軸押出機で温度230℃で溶融混練した。得られた樹脂組成物の物性評価は前記の方法で行い、結果を表3に示した。
また、上記の方法で得られた樹脂組成物を、ダイよりシート状に押し出し、さらに冷却装置により60℃まで冷却して無延伸シートを得た。ついで、このシートを150℃の温度に加熱した後、縦方向に3倍延伸して一軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムについて以下に記述する方法において印刷適性の評価を行い、結果を表3に示した。
【0033】
〔印刷適性〕;
(1)凸凹の発生
評価用フィルムにオフセット印刷機(三菱重工社製オフセット2色印刷機「ダイヤ印刷機」)で乾燥型オフセットインキであるベスタックNP−1墨(T&K社製、商品名)を用いて転移量が1g/m2 となるように全面に印刷を施し、また、同一インキで市松模様(縦1cm、横1cm)となるように、部分的にその印刷を施した。そして、印刷された部分と印刷されていない部分によってできるフィルムの凹凸を目視評価で判定した。
○ ;凹凸の全くないもの
○−:凹凸は少量あるが実用性には問題ないもの
△ :○−と×の中間
× :凹凸の激しいもの
【0034】
(2)インキ速乾性
評価用フィルムに乾燥型オフセットインキである前記ベスタックNP−1墨、及びオフセット印刷機を用いて、毎分100枚の印刷速度で、2,000枚を印刷して、インキ乾燥性を判定した。下記の評価基準で評価した。
○ :印刷物を指で押さえつけた時に、上から5枚目のフィルムに印刷されたインキが上から4枚目のフィルムの裏側につかなくなった時間が1時間以内。
○−:印刷物を指で押さえつけた時に、上から5枚目のフィルムに印刷されたインキが上から4枚目のフィルムの裏側につかなくなった時間が1時間を超え3時間以内。
△ :同様にして、つかなくなった時間が3時間を超え5時間以内。
× :同様にして、5時間を超えてもつく(裏付きする)。
【0035】
実施例2〜11、及び比較例1〜5
表3または表4に示す配合で実施例1と同様に溶融混練した樹脂組成物および一軸延伸フィルムを得、それぞれ物性評価および印刷適性の評価を行いその結果を表3、表4に示した。
なお、ここで使用したポリオレフィン系樹脂、無機微粉末、石油樹脂は以下のとおりである。
ポリプロピレン;グランドポリマー社製、F−103
ポリエチレン ;三井化学社製、ウルトゼックス1520L
石油樹脂;荒川化学社製、アルコンP−140(軟化温度140℃)
無機微粉末;a.軽質炭酸カルシウム(白石工業社製、平均粒子径1.7μm)、b.タルク(浅田製粉社製、平均粒子径5μm)
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
実施例1〜11は、本発明の規定する配合組成の範囲外である比較例1、2、4と対比して印刷適性が優れることがわかる。
比較例3については良好な延伸フィルムが得られなかった。
比較例5については溶融混練が難しく、良好な樹脂組成物が得られなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂を主体とする特定の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂の機械的物性を維持したまま印刷性が著しく改善され、一般的な成形品やシート、フィルムとして有用である。
Claims (9)
- (A)ポリオレフィン系樹脂40〜90重量%、(B)オレフィン単位75.5〜46.5モル%と芳香族ビニル単位を53.5〜24.5モル%含有するオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂60〜10重量%の混合成分100重量部に対し、(C)平均粒子径が0.1〜20μmである無機微粉末を1〜150重量部および(D)石油樹脂2〜30重量部を配合してなることを特徴とする樹脂組成物。
- (A)ポリオレフィン系樹脂40〜90重量%、(B)オレフィン単位75.5〜46.5モル%と芳香族ビニル単位を53.5〜24.5モル%含有するオレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂60〜10重量%の混合成分100重量部に対し、(C)平均粒子径が0.1〜20μmである無機微粉末を1〜150重量部および(D)石油樹脂2〜30重量部を配合してなる樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
- オレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂がエチレン単位75.5〜46.5モル%とスチレン単位を53.5〜24.5モル%含有するエチレン−スチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- オレフィン−芳香族ビニル共重合樹脂がエチレン単位75.5〜46.5モル%とスチレン単位を53.5〜24.5モル%含有するエチレン−スチレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項2記載の成形品。
- 無機微粉末が重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、タルク、マイカ、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびクレーのなかから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または3記載の樹脂組成物。
- 無機微粉末が重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、タルク、マイカ、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびクレーのなかから選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項2または4記載の成形品。
- 石油樹脂が、重合度が1000以下の炭化水素樹脂または水添炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1、3、5いずれか1項記載の樹脂組成物。
- 石油樹脂が、重合度が1000以下の炭化水素樹脂または水添炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項2、4、6いずれか1項記載の成形品。
- 成形品が、印刷が施された成形品であることを特徴とする請求項2、4、6、8いずれか1項記載の該成形品。
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