JP4309620B2 - 人工透析器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工透析器のハウジング材料の改良に関するもので、耐γ線性、耐薬剤性及び透明性を有するハウジング材料に改良した人工透析器に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
現在使用されている人工透析器は、主に高圧蒸気滅菌処理やγ線滅菌処理が施されている。これらの滅菌処理方法の選定は、透析用の中空糸膜材料の耐熱性などを考慮している。そのため耐熱性の低い材料(合成樹脂)を使用した中空糸を用いた人工透析器は、ほとんどがγ線滅菌処理を施しており、それに伴うハウジング材料もγ線に対応できる材料である必要が生じる。
例えば、γ線滅菌対応の人工透析器用ハウジングには、ポリスチレンやポリカーボネイトなどが使用されている。ポリスチレンには、衝撃強度が非常に弱く脆いという欠点があり、人工透析器を使用前などに床上に誤って落下させたとき、破損する可能性が懸念される。
【0003】
ポリカーボネイトは、透明で強い強度を保有しているが、製造時に混入した環境ホルモンと言われているビスフェノールAの溶出が懸念されており、近年学校給食などの容器には、使用されていない。また、上記の要因で、乳児の哺乳瓶での使用もされないようになっている。
【0004】
また、ポリカーボネイト本来は、γ線照射処理により、分解し黄変や強度の低下が起きるため、何らかの添加剤を配合し、分解反応を抑えている。しかしその効果は十分ではなく、程度は緩和しているものの、やはり衝撃強度の低下や黄変も起こっている。
【0005】
加えてポリカーボネイトは、耐薬品性が十分ではなく、アルコールや溶剤に対して弱く、製造時に使用される溶剤や病院にて使用されるアルコールによりクラックの入る懸念もある。
【0006】
これらのことより、γ線滅菌処理に対応でき、かつ強度と耐薬剤性を兼ね備えた保存後に人体に悪影響を及ぼす溶出物のない、人工透析器用ハウジングの開発が望まれていた。
そこで本発明者は、以上の課題を鋭意検討した結果、次の発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
[1]本発明は、ハウジングを(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート70〜80質量%及び(B)ポリエチレンテレフタレート20〜30質量%を含有し、かつ耐γ線性、耐薬剤性及び透明性を有する材料より形成し、
前記ハウジングの構成材料を用いて、インジェクション成形法により作製したISO多目的試験片において、(a)25kGyγ線照射後のSHARPY衝撃強度が2kJ/cm以上であり、かつ(b)25kGyγ線照射後色調試験における黄色(b*)の変化が2以下である、人工透析器を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の人工透析器1の一例を示す概略図である。ハウジング1A内には血液濾過用の中空糸2が装填され、当該中空糸2の両端部はハウジング1Aに、例えばポリウレタン等の固定剤3により気密に固定されている。また、ハウジング1Aの左右両端には、動脈側血液回路4と静脈側血液回路5のそれぞれと接続するポート6、7が気密に接合されいる。またハウジング1Aの左右側部には、透析液導入口8および透析液排出口9が形成されている。
【0009】
ハウジング1Aは、(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート60〜80質量%及び(B)ポリエチレンテレフタレート20〜40質量%を含有する材料より構成される。
このような材料として、例えば図2に例示するようなグリコール変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)を使用することができる。グリコール変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)は図3に示すポリエチレンテレフタレート(PET)のブロック(A)とポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)のブロック(B)を含有する。本発明で使用するPCTGは、PETのブロック(A)が少ないためブロック重合体全体の結晶部は30%未満である。
なお本発明で使用する材料は、要するに、(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート60〜80質量%及び(B)ポリエチレンテレフタレート20〜40質量%を含有するものであれば何でも良く、PCTGのように(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートと(B)ポリエチレンテレフタレートを重合させたものの他に、(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートと(B)ポリエチレンテレフタレートを配合した樹脂組成物でも良い。
【0010】
(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートの含有量は60質量%〜80質量%、好ましくは70質量%〜80質量%に設定するのが良い。当該成分(A)の含有量があまりに多すぎると耐γ線性が悪くなるので好ましくなく、含有量があまりに少なすぎると、換言すれば(B)ポリエチレンテレフタレートの含有量があまりに多すぎるとインジェクション成形性が悪くなり、衝撃強度が低下するので好ましくない。
以上の材料よりハウジング1Aを形成することにより耐γ線性、耐薬剤性及び透明性を付与することができる。
これらの性能を達成するための指標として、ハウジング1Aの構成材料と同材料を用いて、インジェクション成形法をもちいて作製したISO多目的試験片(図4参照)において、(a)25kGyγ線照射後のSHARPY衝撃強度が20kJ/cm2以上であり、かつ(b)25kGyγ線照射後色調試験における黄色度(b*)の変化が2以下であることが好ましい。
前記ISO多目的試験片において、25kGyγ線照射後のSARPY衝撃強度が、20kJ/cm2未満になると、床面への落下によりハウジング本体が落下する可能性があるので好ましくない。
また、薬剤の処理時に衝撃強度が大幅に低下する材料では、製造工程や病院にて溶剤やアルコール等で処理した場合、成形物の複雑な形状部に割れやヒビなどの入る可能性があるので好ましくない。
本発明で使用するPCTGは、結晶部は10ないし15%以上から30%未満であるが、少なくとも結晶部を有する材料では、ヒビ等の亀裂が、生じた場合においても、その亀裂が大きく広がることが少なく、製品の大きな欠陥に至らないので、好ましい。
【0011】
【実施例】
〈実施例1〉
グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(ポリエチレンテレフタレート約25質量%・ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート約75質量%含有:イーストマンケミカル社製・DN004)を使用し、ISO多目的試験片および人工透析器用ハウジングを成形し、25kGyのγ線滅菌処理を実施した。
〈実施例2〉
グリコール変性ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(ポリエチレンテレフタレート約25質量%・ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート約75質量%含有:イーストマンケミカル社製・DN004)を使用し、ISO多目的試験片および人工透析器用ハウジングを成形し、50kGyのγ線滅菌処理を実施した。
〈比較例1〉
耐γ線処理対応ポリカーボネイト樹脂(三菱エンプラ社製:ノバレックス7027DF)を使用し、ISO多目的試験片および人工透析器用ハウジングを成形し、25kGyのγ線滅菌処理を実施した。
〈比較例2〉
高流動性ポリエチレンテレフタレート樹脂(カネボウ社製:ベルペットIP120B)を使用し、ISO多目的試験片および人工透析器用ハウジングを成形し、25kGyのγ線滅菌処理を実施した。
【0012】
前記、実施例1、2および比較例1、2のJISに規定される試験片および人工透析器用ハウジングを作製し、次の方法により衝撃強度、色調、耐薬品性、落下試験を実施した。
〈評価方法〉
(A)衝撃強度
JIS K1111 プラスチックSHARPY衝撃強度測定方法に準拠し、SHARPY衝撃試験機(東洋精機社製)を用いて実施した。
(B)色調
ISO多目的試験片を用いて、分光測色計(ミノルタ社製・CM3600d)により、γ線処理前後の色差(黄色度)を測定した。
(C)耐薬品性
ISO多目的試験片を用いて、後に記載する薬剤に浸漬または薬剤雰囲気下で7日間保存し、(A)に記載の衝撃強度を測定し、保存前後の強度低下を確認した。
(D)落下試験
人工透析器を1.5mの高さより水平落下させ、透析器の破損の有無を確認した。
【0013】
【表1】
Figure 0004309620
【0014】
表1の結果より、本実施例1、2は比較例1、2より(A)γ線照射後のSHARPY衝撃強度、(B)γ線照射後色調試験における色差(黄色度)(b*)、(C)耐薬品性、(D)落下試験の全てにおいて優れていることが確認できた。
【0015】
【発明の作用効果】
表1の結果より本発明のハウジング材料に特徴を有する人工透析器は、(A)γ線照射後のSHARPY衝撃強度、(B)γ線照射後色調試験における色差(黄色度)(b*)、(C)耐薬品性、(D)落下試験の全てにおいて優れ、γ線滅菌処理用の人工透析器として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人工透析器用ハウジングの断面図
【図2】グリコール変性ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCTG)の化学構造式
【図3】ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)の化学構造式
【図4】本発明の実施例で使用したISO多目的試験片の平面図
【符号の説明】
1 人工透析器
1A ハウジング
2 中空糸
3 接着剤
4 血液回路
5 血液回路
6 動脈側ポート
7 静脈側ポート
8 透析液導入口
9 透析液排出口
10 多目的試験片
11 ノッチ

Claims (1)

  1. ハウジングを(A)ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート70〜80質量%及び(B)ポリエチレンテレフタレート20〜30質量%を含有し、かつ耐γ線性、耐薬剤性及び透明性を有する材料より形成し、
    前記ハウジングの構成材料を用いて、インジェクション成形法により作製したISO多目的試験片において、(a)25kGyγ線照射後のSHARPY衝撃強度が2kJ/cm以上であり、かつ(b)25kGyγ線照射後色調試験における黄色(b*)の変化が2以下であることを特徴とする人工透析器。
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