JP4309391B2 - 間紙剥離装置 - Google Patents

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Description

この発明は、液晶ディスプレイなどに用いられるガラス基板が立設状態で重ねられ、ガラス基板表面に貼付された間紙を剥離する間紙剥離装置に関する。
液晶ディスプレイに用いられるガラス基板は、一枚の大型のガラス基板から個々のディスプレイ用に複数のガラス基板を切り出して用いられている。このガラス基板は、近年の液晶テレビなどの大型化と製造工程の効率化に伴い、ガラス基板も大型化しており、立設状態で複数重ねて搬送され製造工程に置かれる。そして、ガラス基板を使用する際は、複数枚立設されて重ねられた状態から、1枚を取り出して次工程に供給している。この各ガラス基板の表裏面には、傷防止のための保護フィルムが貼着され、さらに、立設された各ガラス基板間には、傷や破損防止のため間紙が挟み込まれている。そのため、使用する際は、まず間紙を剥離し、続いて工程の途中で保護フィルムを剥離して分割等の加工を行っている。
従来、間紙を剥離する方法としては、一般に、立設状態に重ねられた各ガラス基板間に貼付された間紙を、ガラス基板表面で間紙を押圧するように摺動させるクランプを用い、そのクランプの先で間紙を摘むようにして把持し、剥離している。
そのほか、ガラス基板の表面に貼着された保護フィルムの剥離方法として、特許文献1、2に開示されているような、粘着テープを使用する剥離方法が知られている。特許文献1では、保護フィルムが貼着された基板を吸着プレート上に吸着固定し、基板の保護フィルムを剥離する面の一対の頂点部間に、対角状に一本の長尺状の粘着テープを貼り付けて、その粘着テープの背面をローラで押圧した後、テープ端部を引き上げるものである。そして、テープ背面を押圧状態で、ローラを回しながら粘着テープを引き上げることにより、フィルム全体を剥離する。
特許文献2では、粘着テープの使用量を低減し、さらに剥離後の保護フィルムの処理を容易にした剥離方法が開示されている。この剥離方法は、まず、粘着テープを押しつける押圧ローラを、ガラス基板に貼着された保護フィルムの端部中央近傍に押圧して回転し、保護フィルムの端を剥離する。そして、剥離した保護フィルムの端をフィルムクランパにより挟持して、保護フィルム全体を引き剥がしている。さらに、引き剥がした保護フィルムを、フィルムキャッチャーにより挟持して受け取り、水平に積層収納するフィルム剥離方法が開示されている。
特開平9−114384号公報 特開平6−278936号公報
しかしながら、上記従来の技術では、クランプの先端をガラス基板に押圧し、摺動させることにより間紙を把持しているので、ガラス基板表面に傷をつける可能性があった。
また、上記特許文献1では、立設状態にある大型のガラス基板は、立設状態で間紙を剥離する必要があるが、垂直に近いガラス基板に貼付される間紙を剥離するには、装置の構造が複雑になる問題があった。さらに、剥離する面の一つの対角線上全てに、長尺な粘着テープを貼り付けるようにするため、テープの消費量が大きいという問題もあった。これにより、製造工程における剥離用のテープの取り替えが頻繁になり、製造ラインの稼働率の低下や、製造速度の低下の原因となる問題があった。特に、粘着テープの交換はクリーンルーム内でゴム手袋をした状態で行わなければならず、時間のかかる作業であった。また、フィルム剥離に使用したテープは、剥離したフィルムに巻き取られるため、フィルムとテープの材質が異なる場合、分離して廃棄する処理が必要となり、処理が煩わしいという問題もあった。
他方、上記特許文献2の方法も、立設状態にある大型のガラス基板から間紙を剥離し、剥離した間紙の収納までの一連の動作機構が複雑であり、装置も大がかりでコストが掛かるものである。
この発明は、上記従来技術の問題に鑑みて成されたもので、ガラス基板を保護する間紙を容易に剥離することが出来、簡単な構造で効率良く間紙を剥離可能な間紙剥離装置を提供することを目的とする。
この発明は、立てかけられた状態のガラス等の基板表面に貼付された間紙を剥離する間紙剥離装置において、回動可能に設けられた一対の保持片と、この保持片を前記基板表面に向かって水平方向に進退自在に支持した支持部材と、この支持部材を進退させる駆動装置とを備え、前記支持部材が前記基板表面側へ進出し停止した状態で、前記保持片の先端部が回動する円弧上に前記基板表面の間紙が位置し、前記一対の保持片が開いた状態では前記保持片の先端部が前記間紙には接触せず、前記一対の保持片が閉じた状態では前記保持片の先端部が前記間紙表面を押圧するとともに挟持可能となり、この状態での前記一対の保持片の回動動作のみで前記間紙を前記一対の保持片で挟持し、前記支持部材を退避させることにより前記間紙を前記基板から剥離可能とした間紙剥離装置である。
さらに、前記間紙は、前記基板から端部がはみ出して設けられ、そのはみ出し部を押さえる間紙押さえを備えたものである。
本願発明の間紙剥離装置によれば、回動する一対の保持片から成る保持部材により、ガラス基板に押圧力をほとんど加えずに、ガラス基板を保護する間紙を、容易に摘んで剥離することが出来、簡単な構造で形成されるため、装置のコストも低減できるものである。
以下、この発明の間紙剥離装置の一実施形態について、図1、図2を基にして説明する。この実施形態の間紙剥離装置10は、液晶ディスプレイに使用される大型のガラス基板12が立設状態で供給され、ガラス基板12を次工程に送るために各ガラス基板12間に貼付された間紙14を剥がす装置である。
この実施形態の間紙剥離装置10の構成について説明する。この実施形態の間紙剥離装置10は、図1(a)(b)に示すように、適度な厚みで矩形の底板16の一端部に、同形状の側板18が立設されてL字型に本体20が形成されている。底板16には、各側面間を対面側へ貫通し断面が矩形に形成された貫通穴22が設けられている。この底板16上には、緩やかで長い傾斜面24aを有した台座24が、傾斜面24aを側板18側に向けて設けられている。台座24の上には、複数のガラス基板12が側板18側に重ねて立てかけられて載置され、各ガラス基板12間には、間紙14が挟み込まれている。
載置されたガラス基板12間の間紙14は、それぞれの上端部が、適度に一定幅ではみ出し状態に貼付されている。間紙剥離装置10は、本体20の上方に、最も外側に位置したガラス基板12表面に貼付された間紙14のはみ出し部14aを押さえる間紙押さえ26を有している。間紙押さえ26は、側板18方向へ押圧可能に形成され、等間隔に3つ配置され、取付部材28を介して押さえ支持部30に取り付けられている。押さえ支持部30は、台座24に載置された各ガラス基板12上端の傾斜に沿って移動可能に、図示しない駆動装置に取り付けられている。
間紙剥離装置10は、図1(b)に示すように、台座24に載置されたガラス基板12の下方正面側には、ガラス基板12に向かって相対した位置に、保持部材32が等間隔に3つ設けられている。保持部材32は、図1(a)に示すように、直方体をした一対の保持片34a,34bの一端部が、同軸で回動可能に回動連結部36により連結されて形成されている。保持部材32は、支持ロッド38の端部に設けられ、ガラス基板12に向かって保持片34a,34bが開閉自在に形成されている。また、支持ロッド38は、図示しない装置に取り付けられ、間紙剥離装置10の本体20に対して、水平方向前後に進退自在に形成されている。また、保持片34a,34bの駆動装置は、図示しないエアシリンダやモータ等の装置により行われ、支持ロッド38を経て、回動連結部36で揺動自在に形成されている。支持ロッドの下方で底板の隣接位置には、直方体を成し上方の面が解放され、剥離された間紙14を収納可能に形成された収納部40が設けられている。
次に、この実施形態の間紙剥離装置10の動作について説明する。まず、図2(a)に示すように、各ガラス基板12間に間紙を挟み込んだ複数のガラス基板12を台座24に載置する。そして、一番外側のガラス基板12からはみ出た間紙14のはみ出し部14aを間紙押さえ26により押圧し、不用意な剥離等が生じないようにする。続いて、ガラス基板12正面から、支持ロッド38が伸長し、ガラス基板12の下方に、保持部材32が接近してくる。保持部材32は、図2(b)に示すように、保持片34a,34bを開いてガラス基板12に近付く。保持片34a,34bは、保持片34a,34bが閉じた状態で、先端部が間紙14表面を押圧する位置で停止する。この後、一対の保持片34a,34bが回動し、保持片34a,34b先端部が描く円弧上に、ガラス基板12に貼付された間紙14が位置する状態で保持片34a,34bが閉じられ、ガラス基板12にほとんど負荷を掛けずに間紙14のみを摘む。そして、支持ロッド38が退避すると、図2(c)に示すように、間紙14を保持した状態で、保持部材32が後退するため、間紙14がガラス基板12から徐々に剥離される。ガラス基板12から完全に剥離された間紙14は、図2(d)に示すように、収納部40へ徐々に引き込まれ、間紙14の端部が収納された状態で、保持片34a,34bが開き間紙14を解放すると、間紙14は収納部40底部に収納される。この後、間紙14が剥離されたガラス基板12は、図示しない装置により次工程に向けて搬出される。
間紙剥離装置10は、この動作を繰り返すことにより、台座24に載置された各ガラス基板12の間に挟み込まれた間紙14を順次剥離する。
この実施形態の間紙剥離装置10によれば、ガラス基板12に押圧力をほとんど加えずに、ガラス基板12を保護する間紙14のみを、回動する一対の保持片34a,34bから成る保持部材32により、容易に摘み剥離することができるものである。また、保持部材32と支持ロッド38からなるシンプルな剥離構造が形成されるため、装置のコストも低減できるものである。
次に、他の実施形態について、図3、図4に基づき説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は、同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の間紙剥離装置40は、上記第一実施形態と同様に、図3(a)(b)に示すように、本体の台座24には、複数のガラス基板12が載置され、各ガラス基板12の間には間紙14が貼付されている。また、載置されたガラス基板12の上方に位置する間紙14それぞれの端部は、適度に一定幅ではみ出し状態に形成されている。
この実施形態の間紙剥離装置50は、図3(b)に示すように、台座24に載置されたガラス基板12の下方正面側に、ガラス基板12に向かって相対した位置に、保持部材52が等間隔に3つ設けられている。保持部材52には、図3(a)に示すように、粘着テープ42の粘着面42aをガラス基板12側に向けて押圧する剥離ヘッド44が設けられている。剥離ヘッド44には、繰り出しロール46aから繰り出された粘着テープ42が、剥離ヘッド44の外周を約180°巻回って巻き取りロール46bにより巻き取られるテープユニット46が設けられている。
また、剥離ヘッド44と一対に設けられ、一部剥離させた間紙14を剥離ヘッド44と共に狭持するクランプ48が、図示しない支持具により支持されている。さらに、保持部材52は、支持ロッド38の端部上方に設けられ、ガラス基板12に向かって剥離ヘッド44により、粘着テープ42の粘着面が押圧可能に形成されている。
次に、この実施形態の間紙剥離装置の動作について説明する。まず、図4(a)に示すように、各ガラス基板12間に間紙14を挟み込んだ複数のガラス基板12を台座24に載置する。そして、一番外側のガラス基板12からはみ出た間紙14のはみ出し部14aを、間紙おさえ26により押圧し不用意に剥離しないようにする。続いて、ガラス基板12正面側から、支持ロッド38が伸長し、ガラス基板12の下方に保持部材52が接近してくる。次に、図4(b)に示すように、保持部材52の粘着テープ42の粘着面42aがガラス基板12に近付き、剥離ヘッド44の粘着テープ42の粘着面42aが間紙14に当接して、若干押圧状態とする。この後、支持ロッド38が退避を始める。そして、図4(c)に示すように、間紙14が粘着テープ42に粘着された状態で、保持部材32が後退する。これにより、間紙14はガラス基板12から一部が剥離される。次に、間紙14が剥離された裏側からクランプ48が剥離ヘッド44に向けて押しつけられ、間紙14は、粘着テープ42と共にクランプ48と剥離ヘッド44により狭持される。続いて、支持ロッド38がさらに退避すると、間紙14はガラス基板12から完全に剥離され、図4(d)に示すように、収納部40へ徐々に収納される。最後に、クランプ48が剥離ヘッド44から離れて、間紙14を解放し、粘着テープ42から引き離された間紙14は、収納部40へ収納される。
この実施形態の間紙剥離装置50によれば、保持部材52に形成された剥離ヘッド44により粘着テープ42の粘着面42aを、ガラス基板12を保護する間紙14にわずかに押圧して吸着させ、一部端部を剥離させて、クランプ48により剥離ヘッド44と狭持して間紙14全体を剥離させるため、簡単な装置で、効率良く間紙14を剥離可能なものである。
なお、この発明の間紙剥離装置は上記実施形態に限定されるものではなく、保持部材は、間紙を剥離可能に形成されていればよいため、保持部材の数は適宜設定可能なものである。
この発明の一実施形態の間紙剥離装置を示す概略側面図(a)、概略正面図(b)である。 この実施形態の間紙剥離装置の剥離動作を示す工程図である。 他の実施形態の間紙剥離装置を示す概略側面図(a)、概略正面図(b)である。 他の実施形態の間紙剥離装置の剥離動作を示す工程図である。
10 間紙剥離装置
12 ガラス基板
14 間紙
24 台座
26 間紙押さえ
32 保持部材
34a,34b 保持片
36 回動連結部
38 支持ロッド
40 収納部

Claims (2)

  1. 立てかけられた状態の基板表面に貼付された間紙を剥離する間紙剥離装置において、回動可能に設けられた一対の保持片と、この保持片を前記基板表面に向かって水平方向に進退自在に支持した支持部材と、この支持部材を進退させる駆動装置とを備え、前記支持部材が前記基板表面側へ進出し停止した状態で、前記保持片の先端部が回動する円弧上に前記基板表面の間紙が位置し、前記一対の保持片が開いた状態では前記保持片の先端部が前記間紙には接触せず、前記一対の保持片が閉じた状態では前記保持片の先端部が前記間紙表面を押圧するとともに挟持可能となり、この状態での前記一対の保持片の回動動作のみで前記間紙を前記一対の保持片で挟持し、前記支持部材を退避させることにより前記間紙を前記基板から剥離可能としたことを特徴とする間紙剥離装置。
  2. 前記間紙は、前記基板から端部がはみ出して設けられ、そのはみ出し部を押さえる間紙押さえを備えたことを特徴とする請求項1記載の間紙剥離装置。
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