JP4308453B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドなどの高輝度放電灯(HID)の放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギーや高輝度の観点から車両用前照灯や液晶プロジェクタ用光源として高輝度放電灯を点灯させる放電灯点灯装置の利用が増大している。
【0003】
ところが高輝度放電灯は、ランプ温度が低い場合、始動から安定点灯までの光出力の立ち上がりが遅いことが欠点となっている。
【0004】
そのため特開2000−235899号公報等に示される放電灯点灯装置では、放電灯の始動時、過大なランプ電流を流すことで光出力の立ち上がりを早めている。
【0005】
また、放電灯点灯装置の小型化の要求が強く、放電灯近傍の高温度下での使用の可能性もでてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光出力の立ち上がりを早めた上記従来の放電灯点灯装置では、始動時に過大なランプ電流を流すので、装置の周囲温度が上昇し易く、小型化を図ったり放電灯近傍に配置されたりすると、さらに周囲温度が上昇し易くなるといった問題があった。周囲温度がある程度高くなると、装置自体や装置の動作に悪影響を与えてしまうのである。
【0007】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、装置の周囲温度の上昇を抑えた放電灯点灯装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、直流電源と、前記直流電源の電源電圧を放電灯が必要とする電圧に変換する電力変換手段と、装置の内部であって装置を構成する電子部品の発熱に応じて温度変化する位置に設けられて周囲温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記電力変換手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、放電灯のランプ電流及びランプ電圧を各々検出する検出部と、電力変換手段の出力を所定の電力値とするための電力指令値を指令する電力指令手段と、電力指令値及び検出したランプ電圧の値に基づいて電流指令値を指令する電流指令手段と、電流指令値及び検出したランプ電流の値に基づいて電力変換手段への制御信号を出力する出力制御アンプと、電力指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電力指令値を電流指令手段に与える電力制限手段と、電流指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電流指令値を出力制御アンプに与える電流制御手段とから構成される放電灯点灯装置であって、電力制限手段は、周囲温度が予め設定された第1の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電力指令値を制限し、電流制限手段は、周囲温度が予め設定された第2の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電流指令値を制限し、第2の設定温度を第1の設定温度よりも高く設定したことを特徴とし、放電灯を始動させて光出力を立ち上げるときに装置の周囲温度が上昇しても、前記周囲温度が第1又は第2の設定温度以上となったときには前記周囲温度の上昇に応じて前記電力制限手段及び電流制限手段のそれぞれにランプ電力及びランプ電流のうち少なくとも何れか一方を制限させることによって、内部損失を低減して周囲温度の上昇を抑えることができ、その結果、装置を構成する各電子部品の温度ストレスを軽減して、装置自体の信頼性を高めることができるとともに、装置全体の小型化や、放電灯近傍への配設を容易とすることができ、また、放電灯が寿命末期などで劣化し過大なランプ電流が流れても、過電流により周囲温度が上昇し、この温度上昇に応じて電力制限手段及び電流制限手段にそれぞれランプ電力及びランプ電流を制限させることによって、放電灯及び装置自体を過電流から保護することができ、さらに、第2の設定温度を第1の設定温度よりも高くしたことによって、放電灯を始動させ光出力を立ち上げるときに、周囲温度が第1の設定温度以上であっても、第2の設定温度よりも低ければ、電力制限手段にランプ電力を制限させて周囲温度の上昇を抑えながらも、電流制限手段に周囲温度に応じたランプ電流の制限を行わせずに、放電灯に十分なランプ電流を流して早い光出力の立ち上がり特性を確保することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、電力制御手段及び電流制御手段は、周囲温度が第1及び第2の設定温度より高い所定温度以下の範囲でランプ電力及びランプ電流のそれぞれを制限するときには、制限されるランプ電力及びランプ電流の下限値を放電灯の定格値以上とすることを特徴とし、ランプ電力及びランプ電流のそれぞれに制限をかけたときにも、ランプ電力及びランプ電流の下限値を放電灯の定格値以上としたことによって、放電灯を点灯維持させることができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、制御手段は、周囲温度が第1及び第2の設定温度以上の所定温度より高くなったとき、電力変換手段からの出力を停止させることを特徴とし、電力変換手段からの出力を停止させることによって、周囲温度の上昇をさらに抑えて装置を保護することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、温度検出手段は、サーミスタと抵抗とからなることを特徴とし、温度検出手段及び装置全体の小型化を容易とすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態は、図1に示すように、直流電源1と、直流電源1の電源電圧Vinを高輝度放電灯からなる放電灯5が必要とする電圧に変換するDC/DCコンバータ部2及びインバータ部3からなる電力変換手段と、放電灯5を始動させるための高電圧パルスを放電灯5に印加するイグナイタ部4と、装置の周囲温度Taを検出する温度検出部8と、温度検出部8の検出結果に応じて制御信号を出力しDC/DCコンバータ部2を制御する制御部10とを備えている。
【0013】
DC/DCコンバータ部2は、例えば前記制御信号に応じてオン/オフするスイッチング素子を備えており、前記スイッチング素子のオン/オフする周期又はオンデューティに応じて出力を可変する。
【0014】
インバータ部3は、例えば2つのスイッチング素子の直列回路を2つ互いに並列接続して構成されるフルブリッジ形のインバータ回路であって、対角に位置する2つのスイッチング素子を1組として、2組のスイッチング素子を各組毎にオン/オフさせることで、DC/DCコンバータ部2からの出力を交互に極性反転して矩形波の交流電圧に変換し、放電灯5に供給する。
【0015】
温度検出部8は、例えば図2に示すように、数ボルト程度の基準電圧Vccが印加されることで動作する温度検出用IC8aを備え、図3に示すように、周囲温度Taを検出してこれに略比例した電圧VTの温度信号を制御部10に出力する。
【0016】
制御部10は、ランプ電流Ilaを検出して電流検出信号を出力する電流検出部11と、ランプ電圧Vlaを検出して電圧検出信号を出力する電圧検出部12と、ランプ電力が予め設定された電力指令値KWとなるように指令する電力指令信号を出力する電力指令部14と、前記電力指令信号及び温度信号に基づいて、電力指令値KWを制限値KWmax以下の電力制限指令値KW2として、この電力制限指令値KW2に応じた電力制限信号を出力する電力制限部16と、前記電力制限信号及び電圧検出信号に基づいて、電力制限指令値KW2をランプ電圧Vlaで除算して電流指令値KIを演算し、この電流指令値KIに応じた電流指令信号を出力する電流指令値演算部13と、前記電流指令信号及び温度信号に基づいて、電力指令値KIを制限値KImax以下の電流制限指令値KI2として、この電流制限指令値KI2に応じた電流制限信号を出力する電流制限部17と、前記電流制限信号と電流検出信号との差を増幅することで制御信号を作成しDC/DCコンバータ部2に出力するアンプ15とを備えている。
【0017】
この制御部10の動作について、図4〜図8を参照して説明する。
【0018】
制御部10の電力指令部14が指令する電力指令値KWは、放電灯5を初始動(コールドスタート)させるとき、図4(a)に示すように、放電灯5の点灯開始時(時間t=0)に最大となり、点灯開始からの時間tの経過とともに減少し、時間t1(数十秒程度)経過時に放電灯5の定格電力W0となるように設定されている。つまり、電力指令部14は、ランプ電力が点灯開始時を最大にして次第に減少し、時間t1経過時に定格電力W0となるように指令する。なお、放電灯5を再始動させるときには、電力指令部14はランプ温度に応じて点灯開始時の電力指令値KWを小さくするように調整している。
【0019】
次に、電力制限部16は、上述の電力指令値KWと制限値KWmaxとを比較し、図4(b)に示すように、何れか小さい方の値を電力制限指令値KW2としている。
【0020】
ここで制限値KWmaxは、放電灯5を初始動させるときには、定格電力W0の2倍程度であって、電力指令値KWの最大値よりも小さく設定されている。例えば車載用の放電灯の定格電力W0が35[W]で最大ランプ電力が約75[W]であれば、制限値KWmaxは約70[W]、電力指令値KWの最大値は約70[W]より大きく約75[W]以下の範囲に設定されており、電力制限指令値KW2は点灯開始から数秒の間、約70[W]となる。
【0021】
また電力制限部16は、温度検出部8からの温度信号を基に、図5に示すように、周囲温度Taが本実施形態で許容される最低周囲温度Tminから第1の設定温度Tw1までの範囲にある場合には、制限値KWmaxを周囲温度Taに関わらず略一定に設定し、周囲温度Taが第1の設定温度Tw1以上になると制限値KWmaxを周囲温度Taに応じて可変させる。即ち、周囲温度Taが第1の設定温度Tw1から本実施形態で許容される最高周囲温度Tmaxまで上昇するにつれて、電力制限部16は制限値KWmaxを次第に減少させて、周囲温度Taに対して負特性となるように設定している。また電力制限部16は、周囲温度Taが最高周囲温度Tmax以下の範囲で、制限値KWmaxを放電灯5の定格電力W0以上にしている。さらに、第1の設定温度Tw1は、装置の使用環境や装置を構成する各電子部品(MOSFET、トランス、コンデンサ、ダイオードなど)の特性に応じて、例えば80℃から120℃付近に設定されている。
【0022】
ところで上述の電力制限部16は、温度検出部8で検出された周囲温度Taを制限値KWmaxに変換する変換回路と、制限値KWmaxと電力指令値KWを比較する比較回路とを備えているが、前記変換回路及び比較回路の構成及びその動作は従来周知であるから図示並びに詳細な説明は省略する。
【0023】
次に、電流指令値演算部13は、電力制限指令値KW2をランプ電圧Vlaで除算して電流指令値KIを演算する。その結果、例えば図6(a)に示すように、電流指令値KIは、放電灯5の点灯開始時(時間t=0)に最大となり、点灯開始から時間tの経過とともに減少し、時間t2(数十秒程度)経過時に放電灯5の定格電流I0となる。なお、放電灯5を再始動させるときには、電力指令部14がランプ温度に応じて点灯開始時の電力指令値KWを小さくするように調整しているので、これに応じて電流指令値KIも小さくなる。また、電流指令値KIは、放電灯の特性によって異なり、ランプ電圧Vlaの大きい放電灯では電流指令値KIは小さくなり、逆に、ランプ電圧Vlaの小さい放電灯では電流指令値KIは大きくなる。
【0024】
電流指令値演算部13は、上述のような電流指令値KIに応じた電流指令信号を出力することで、電流指令値KIで示される所定の値にランプ電流Ilaが等しくなるように指令しているのである。
【0025】
そして、電流制限部17は、上述の電流指令値KIと制限値KImaxとを比較し、図6(b)に示すように、何れか小さい方の値を電流制限指令値KI2としている。
【0026】
ここで制限値KImaxは、放電灯5を初始動させるときには、定格電流I0の6倍程度であって、電流指令値KIの最大値よりも小さく設定されている。例えば車載用の放電灯の定格電力W0が35[W]、定格電流I0が412[mA]、最大ランプ電流が約2.6[A]であれば、制限値KImaxは約2.5[A]、電流指令値KIの最大値は約2.5[A]よりも大きく約2.6[A]以下の範囲に設定されており、電流制限指令値KI2は点灯開始から数秒の間、約2.5[A]となる。
【0027】
また電流制限部17は、上述の電力制限部16と同様、温度検出部8からの温度信号を基に、図7に示すように、周囲温度Taが最低周囲温度Tminから第2の設定温度Tw2までの範囲にある場合には、制限値KImaxを周囲温度Taに関わらず略一定に設定し、周囲温度Taが第2の設定温度Tw2以上になると制限値KImaxを周囲温度Taに応じて可変させる。即ち、周囲温度Taが第2の設定温度Tw2から最高周囲温度Tmaxに上昇するにつれて、電流制限部17は制限値KImaxを次第に減少させて、周囲温度Taに対して負特性となるように設定している。また電流制限部17は、周囲温度Taが最高周囲温度Tmax以下の範囲で、制限値KImaxを放電灯5の定格電流I0以上にしている。さらに、第2の設定温度Tw2は、装置の使用環境や装置を構成する各電子部品(MOSFET、トランス、コンデンサ、ダイオードなど)の特性に応じて、例えば100℃から120℃付近に設定されている。
【0028】
ところで上述の電流制限部17は、温度検出部8で検出された周囲温度Taを制限値KImaxに変換する変換回路と、制限値KImaxと電流指令値KIを比較する比較回路とを備えているが、電力制限部17と同様、前記変換回路及び比較回路の構成及びその動作は従来周知であるから図示並びに詳細な説明は省略する。
【0029】
次に、アンプ15は、上述のように、電流制限部17からの電流制限信号と電流検出部11からの電流検出信号との差を増幅することで制御信号を作成し、この制御信号で電流制限指令値KI2で示される所定の値にランプ電流Ilaが等しくなるようにDC/DCコンバータ部2を制御する。
【0030】
上述のように本実施形態では、制御部10の電流検出部11、電圧検出部12、電流指令値演算部13、アンプ15と電力制限部16とから電力制限手段を構成し、周囲温度Taが第1の設定温度Tw1以上に上昇したときには、周囲温度Taの上昇に応じて、前記電力制御手段が電力制限部16で制限値KWmaxを減少させることでランプ電力を制限するとともに、電流検出部11、電圧検出部12、電流指令値演算部13、アンプ15と電流制限部17とから電流制限手段を構成し、周囲温度Taが第2の設定温度Tw2以上に上昇したときには、周囲温度Taの上昇に応じて、電流制限手段が電流制限部17で制限値KImaxを減少させることでランプ電流Ilaを制限しているのである。
【0031】
これにより本実施形態では、放電灯5を始動させて光出力を立ち上げるときに周囲温度Taが上昇しても、周囲温度Taが第1又は第2の設定温度Tw1,Tw2以上となったときには周囲温度Taの上昇に応じてランプ電力Wla及びランプ電流Ilaのうち少なくとも何れか一方を制限することで、装置を構成する各回路部での内部損失を低減して周囲温度Taの上昇を抑えることができる。特に、ランプ電力を制限することで、DC/DCコンバータ部2からの発熱を抑え、ランプ電流Ilaを制限することで、インバータ部3からの発熱を抑えることができるのである。
【0032】
また、周囲温度Taの上昇を抑えることができることにより、装置を構成する例えばスイッチング素子やトランスやコンデンサなどの各電子部品の温度ストレスを軽減し、装置自体の信頼性を高めることができる。さらに、装置全体の小型化を図ったり、放電灯5近傍に本実施形態を配設したりすることが容易となる。
【0033】
またさらに、放電灯5が寿命末期などで劣化しランプ電圧Vlaが低下して過大なランプ電流Ilaが流れても、過電流により周囲温度Taが上昇し、この上昇に応じて電力制限手段及び電流制限手段がランプ電力及びランプ電流Ilaを制限することによって、放電灯5及び装置自体を過電流から保護することができる。
【0034】
ところで本実施形態では、図8に示すように、第2の設定温度Tw2を第1の設定温度Tw1よりも高くしている。ここに、ランプ電流Ilaは点灯初期(点灯開始から1秒程度までの間)の光出力の立ち上がりに大きな影響を与え、それ以降はランプ電力が支配的になる。これにより、放電灯5を始動させ光出力を立ち上げるときに、周囲温度Taが第1の設定温度Tw1以上であっても、第2の設定温度Tw2よりも低ければ、周囲温度Taに応じてランプ電力を制限して周囲温度Taの上昇を抑えながも、周囲温度Taに応じた制限をランプ電流Ilaにかけることなく、放電灯5に十分なランプ電流Ilaを流して光出力の早い立ち上がり特性を確保することができる。
【0035】
また、周囲温度Taが最高周囲温度Tmax以下の範囲で、電力制限手段は制限値KWmaxを放電灯5の定格電力W0以上にし、これと同様に、電流制限手段は制限値KImaxを放電灯5の定格電流I0以上にしていることで、電力制限手段及び電流制限手段は、周囲温度Taが最高周囲温度Tmax以下の範囲でランプ電力及びランプ電流Ilaのそれぞれを制限するときには、制限されるランプ電力及びランプ電流Ilaのそれぞれの下限値を、放電灯5の定格電力W0、定格電流I0以上としている。これによって、ランプ電力及びランプ電流Ilaのそれぞれに制限をかけたときにも、放電灯5を点灯維持させることができるのである。
【0036】
さらに、周囲温度Taが最大周囲温度Tmaxよりも高くなったときには、電力制限部16及び電流制限部17に制限値KWmax,KImaxのうち少なくとも何れか一方を、放電灯5の定格電力W0,定格電流I0よりも小さく設定させても良い。
【0037】
これにより、周囲温度Taが最大周囲温度Tmaxよりも高くなったときには、放電灯5や装置自体の異常とみなして、放電灯5を消灯させることができる。また、制限値KWmax,KImaxのうち少なくとも何れか一方をゼロにして、DC/DCコンバータ部2の出力を停止させても良い。これにより、周囲温度の上昇をさらに抑えて本実施形態を保護することができる。
(実施形態2)
ところで実施形態1の温度検出部8は、温度検出用IC8aを備えているために温度検出部8及び装置全体の小型化に限界があった。
【0038】
そこで本実施形態では、温度検出部8を、図9に示すように、抵抗R1及びサーミスタRTの直列回路から構成している。
【0039】
サーミスタRTは例えば負の温度係数を有しており、サーミスタRTの抵抗値は周囲温度Taの上昇に応じて減少する。
【0040】
このような温度検出部8は、抵抗R1及びサーミスタRTの直列回路に基準電圧Vccが印加されると、前記直列回路で基準電圧Vccを分圧し、図10に示すように、周囲温度Taの上昇に応じて減少するサーミスタRTの両端電圧VT1を温度信号として出力する。
【0041】
このように本実施形態では、温度検出部8を抵抗R1とサーミスタRTとから構成したことによって、サーミスタRTに例えば所謂1005サイズ(1.0[mm]×0.5[mm])のチップ形状のものを用いれば、構成を簡単にし且つ周囲温度Taの検出精度を高く保ちながらも、温度検出部8及び装置全体の小型化を容易にすることができる。
【0042】
ところで本実施形態では、温度検出部8にサーミスタRTの両端電圧VT1を温度信号として出力させたが、図11に示すように、抵抗R1とサーミスタRTとの接続関係を逆にして、抵抗R1の両端電圧VT2を温度信号として出力させても良く、このときには、図12に示すように、電圧VT2は周囲温度Taの上昇に応じて増加する。
(実施形態3)
本実施形態における基本構成は実施形態1又は2と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。
【0043】
本実施形態では、図13に示すように、実施形態1又は2の電流指令値演算部13、電力指令部14、電力制限部16、電流制限部17の代わりに、これらの機能を有するマイコン19を備えた点に特徴があって、電力制限手段及び電流制限手段を、それぞれマイコン19、電流検出部11、電圧検出部12、アンプ15で構成している。
【0044】
このマイコン19の動作について、図14のフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
まずマイコン19は、電源が供給されると、所定の初期設定を行い、温度検出部8から出力される温度信号から、温度検出部8で検出された周囲温度Taを読み込み(S1)、時間的に変化する電力指令値KWを設定する(S2)。
【0046】
次に、マイコン19は、読み込んだ周囲温度Taを基に、予め記憶されている関数やテーブルを用いて、電力指令値KWの制限値KWmaxと、電流指令値KIの制限値KImaxとを決定し(S3)、先にステップ2で設定された電力指令値KWが制限値KWmaxよりも大きいか否かを判別する(S4)。そして、電力指令値KWが制限値KWmaxよりも大きければ、マイコン19は、電力指令値KWを制限値KWmaxに変更する(S5)。
【0047】
その後、マイコン19は、電圧検出部12から出力される電圧検出信号を基に、電圧検出部12で検出されたランプ電圧Vlaを読み込み(S6)、電力指令値KW又は制限値KWmaxをランプ電圧Vlaで除算して電流指令値KIを導出する(S7)。そして、ステップS7で導出された電流指令値KIが、ステップS3で決定されている制限値KImaxよりも大きいか否かを判別する(S8)。
【0048】
その結果、電流指令値KIが制限値KImaxよりも大きければ、マイコン19は、電流指令値KIを制限値KImaxに変更し(S9)、電流指令値KI又は制限値KImaxに応じた電流制限信号をアンプ15に出力する。
【0049】
そして、マイコン19は、上述のようなステップS1からの動作を繰り返すことで、実施形態1及び2と同様、周囲温度Taが第1又は第2の設定温度Tw1,Tw2以上に上昇したときには、周囲温度Taの上昇に応じて、ステップS3で制限値KWmax,KImaxを減少させ、ステップS5及びステップS9で電力指令値KW及び電流指令値KIをそれぞれ制限値KWmax,KImax以下にすることで、ランプ電力及びランプ電流Ilaを制限している。
【0050】
このように本実施形態では、マイコン19を備えたことによって、電流指令値演算部13、電力指令値14、電力制限部16、電流制限部17を省いて、実施形態1又は2よりも部品点数を少なくすることができる。また、マイコン19にアンプ15の機能を備えても良く、このときにはアンプ19を省いて、部品点数をさらに少なくすることができる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明は、直流電源と、前記直流電源の電源電圧を放電灯が必要とする電圧に変換する電力変換手段と、装置の内部であって装置を構成する電子部品の発熱に応じて温度変化する位置に設けられて周囲温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記電力変換手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、放電灯のランプ電流及びランプ電圧を各々検出する検出部と、電力変換手段の出力を所定の電力値とするための電力指令値を指令する電力指令手段と、電力指令値及び検出したランプ電圧の値に基づいて電流指令値を指令する電流指令手段と、電流指令値及び検出したランプ電流の値に基づいて電力変換手段への制御信号を出力する出力制御アンプと、電力指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電力指令値を電流指令手段に与える電力制限手段と、電流指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電流指令値を出力制御アンプに与える電流制御手段とから構成される放電灯点灯装置であって、電力制限手段は、周囲温度が予め設定された第1の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電力指令値を制限し、電流制限手段は、周囲温度が予め設定された第2の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電流指令値を制限し、第2の設定温度を第1の設定温度よりも高く設定したので、放電灯を始動させて光出力を立ち上げるときに装置の周囲温度が上昇しても、前記周囲温度が第1又は第2の設定温度以上となったときには前記周囲温度の上昇に応じて前記電力制限手段及び電流制限手段のそれぞれにランプ電力及びランプ電流のうち少なくとも何れか一方を制限させることによって、内部損失を低減して周囲温度の上昇を抑えることができ、その結果、装置を構成する各電子部品の温度ストレスを軽減して、装置自体の信頼性を高めることができるとともに、装置全体の小型化や、放電灯近傍への配設を容易とすることができ、また、放電灯が寿命末期などで劣化し過大なランプ電流が流れても、過電流により周囲温度が上昇し、この温度上昇に応じて電力制限手及び電流制限手段にそれぞれランプ電力及びランプ電流を制限させることによって、放電灯及び装置自体を過電流から保護することができ、さらに、第2の設定温度を第1の設定温度よりも高くしたことによって、放電灯を始動させ光出力を立ち上げるときに、周囲温度が第1の設定温度以上であっても、第2の設定温度よりも低ければ、電力制限手段にランプ電力を制限させて周囲温度の上昇を抑えながらも、電流制限手段に周囲温度に応じたランプ電流の制限を行わせずに、放電灯に十分なランプ電流を流して早い光出力の立ち上がり特性を確保することができるという効果がある。
【0052】
請求項2の発明は、電力制御手段及び電流制御手段は、周囲温度が所定の温度以下の範囲で、ランプ電力及びランプ電流をそれぞれ放電灯の定格値以上に制限するので、ランプ電力及びランプ電流にそれぞれ制限をかけたときにも、放電灯を点灯維持させることができるという効果がある。
【0053】
請求項3の発明は、制御手段は、周囲温度が所定の温度より高くなったとき、電力変換手段からの出力を停止させるので、周囲温度の上昇をさらに抑えて装置を保護することができるという効果がある。
【0054】
請求項4の発明は、温度検出手段は、サーミスタと抵抗とからなるので、温度検出手段及び装置全体の小型化を容易とすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略回路構成図である。
【図2】同上の温度検出部の概略構成図である。
【図3】同上の温度検出部の動作説明図である。
【図4】同上の制御部の動作を示す(a)は電力指令値の説明図、(b)は電力制限値の説明図である。
【図5】同上の制御部の動作を示す、電力の制限値と周囲温度の関係説明図である。
【図6】同上の制御部の動作を示す(a)は電流指令値の説明図、(b)は電流制限値の説明図である。
【図7】同上の制御部の動作を示す、電流の制限値と周囲温度の関係説明図である。
【図8】同上の制御部の動作を示す(a)は電力の制限値と周囲温度の関係説明図、(b)は電流の制限値と周囲温度の関係説明図である。
【図9】実施形態2の温度検出部の概略回路構成図である。
【図10】同上の動作説明図である。
【図11】同上の他の温度検出部の概略回路構成図である。
【図12】同上の動作説明図である。
【図13】実施形態3を示す概略回路構成図である。
【図14】同上のマイコンの動作説明用のフロー図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC/DCコンバータ部
3 インバータ部
5 放電灯
8 温度検出部
10 制御部
11 電流検出部
12 電圧検出部
13 電流指令値演算部
14 電力指令部
15 アンプ
16 電力制限部
17 電流制限部
Claims (4)
- 直流電源と、前記直流電源の電源電圧を放電灯が必要とする電圧に変換する電力変換手段と、装置の内部であって装置を構成する電子部品の発熱に応じて温度変化する位置に設けられて周囲温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記電力変換手段を制御する制御手段とを備え、制御手段は、放電灯のランプ電流及びランプ電圧を各々検出する検出部と、電力変換手段の出力を所定の電力値とするための電力指令値を指令する電力指令手段と、電力指令値及び検出したランプ電圧の値に基づいて電流指令値を指令する電流指令手段と、電流指令値及び検出したランプ電流の値に基づいて電力変換手段への制御信号を出力する出力制御アンプと、電力指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電力指令値を電流指令手段に与える電力制限手段と、電流指令値を受けて周囲温度に応じて制限した電流指令値を出力制御アンプに与える電流制御手段とから構成される放電灯点灯装置であって、電力制御手段は、周囲温度が予め設定された第1の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電力指令値を制限し、電流制限手段は、周囲温度が予め設定された第2の設定温度以上であるときに、周囲温度に応じて電流指令値を制限し、第2の設定温度を第1の設定温度よりも高く設定したことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 電力制御手段及び電流制御手段は、周囲温度が第1及び第2の設定温度よりも高い所定温度以下の範囲でランプ電力及びランプ電流のそれぞれを制限するときには、制限されるランプ電力及びランプ電流の下限値を放電灯の定格値以上とすることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 制御手段は、周囲温度が第1及び第2の設定温度以上の所定温度よりも高くなったとき、電力変換手段からの出力を停止させることを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
- 温度検出手段は、サーミスタと抵抗とからなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放電灯点灯装置。
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