JP4307601B2 - 感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及び感熱性粘着シートの製造方法 - Google Patents
感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及び感熱性粘着シートの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、所謂ディレイドタックラベルに使用される感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及びその製造方法に関し、更に詳しくは、常温では粘着性を有さず、加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、瓶、ペットボトル等の容器に貼付するラベルとして、ラベル基材上に粘着剤を塗工すると同時に容器に貼付するグルーラベルや、ラベル基材上に粘着剤及び剥離紙を順次形成した粘着ラベル等が使用されている。
しかし、グルーラベルは、粘着剤の粘度の管理や粘着剤を塗工する機械の清掃等の手間を要するため、最近ではあまり好まれないのが実状である。また、剥離紙を形成した粘着ラベルは、ラベルから剥がした大量の剥離紙がゴミとして発生するため、その処分に手間を要するとともに、資源の節減の観点からも好ましくない。
【0003】
このような問題を解決するラベルとして、ディレイドタックラベルと称されるものが知られている。ディレイドタックラベルは、常温では非粘着性であるが加熱によって粘着性を発現する感熱性粘着剤の層をラベル基材上に形成したものであり、剥離紙が不要で、しかも加熱するだけで容易に容器に貼付することができるという利点を有している。ディレイドタックラベルは、通常、ガラス転移温度が0〜30℃程度のバインダー樹脂層に、固体可塑剤の粒子と必要に応じて粘着付与剤の粒子とを散在させ、加熱によって固体可塑剤を溶融し、これによってバインダー樹脂を可塑化して粘着性を発現させるものである。固体可塑剤の例は特開平7−278521号公報、特開平7−145352号公報等に記載されており、例えば、ジシクロヘキシルフタレートがよく知られている。
【0004】
しかしながら、上記従来の感熱性粘着剤を用いたディレイドタックラベルは、過熱し貼付した後の剥離強度が経時的に増大する傾向があるため、後にラベルを剥がす必要のある場合に容易に剥がすことができなくなってしまう。このようにラベルの剥離が困難であると、例えばビール瓶のように回収して再使用することを前提とする瓶には使用することができないという問題を生じる。また、ペットボトルに貼付すると使用後にリサイクルすることが不可能となり、資源節減が叫ばれている折から好ましくない。
【0005】
特開平6−259016号公報には、ラベルの基材と感熱性粘着剤層との間に、水溶解型又は水分散型の水性塗料層と水不溶性疎水性塗料層とを設けることにより、熱水又はスチームによって剥がすことができる感熱性粘着ラベルが開示されている。また、特開平6−259017号公報には、ラベルの基材と感熱性粘着剤層との間に、熱膨張性塗料層と水不溶性疎水性塗料層とを設けることにより、熱水又はスチームによって剥がすことができる感熱性粘着ラベルが開示されている。これらの感熱性粘着ラベルは熱水又はスチームにより剥がすことはできるものの、耐水性に劣り、また、多層であるために製造が煩雑となり製造コストが高くなる。
【0006】
特開平6−314062号公報には、感熱性粘着層に熱膨張性マイクロカプセルと水溶性高分子とを含有させることにより、水性溶媒に浸漬して剥離することができる感熱性粘着ラベルが開示されている。この感熱性粘着ラベルでは、剥離性はある程度改善することができる。しかし、被着体に粘着剤が残存する場合があり、また、水溶性高分子を含有するために耐水性に劣っている。
【0007】
特開平8−231929号公報には、ラベルの基材と感熱性粘着剤層との間に高分子材料と固体可塑剤からなる感熱性剥離層を設け、加熱によりこの感熱性剥離層を軟化させて被着体から容易に剥離できるようにした粘着シートが開示されている。しかし、この粘着シートは、剥離後に感熱性剥離層の一部が被着体に残存する場合がある。また、基材シートと感熱性剥離層との接着強度が低くなり、結果として粘着シートと被着体との間の接着強度が低下する。
【0008】
特開平8−269420号公報には、(A)カルボキシル基を有する不飽和単量体(a)3〜60重量%、疎水性単量体(b)40〜97重量%およびその他の単量体(c)0〜50重量%を共重合させて得られるガラス転移温度が20℃以上の樹脂であって、かつその5重量%以上が可溶化されてなる樹脂を含有する樹脂含有溶液、及び、(B)ガラス転移温度が−30℃以下の樹脂からなるアクリル系樹脂水性エマルジョンからなり、前記各成分の不揮発分の重量比(A)/(B)が15/85〜50/50であるディレイドタック型の粘着剤組成物が開示されている。ここで前記(A)成分の重量平均分子量(Mw)が3000〜30000であるような感熱性粘着剤を用いることで、塗工・乾燥時及び塗工したシートをロール状にして保管する際に粘着性の発現を抑制させている。そのため、この感熱性粘着ラベルは保管性は良いものの、主成分である(B)成分により剥離強度が高くなり、再剥離に適したものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、実用上十分な接着強度を有しているとともに、熱水、スチーム、水性溶媒等を使用することなく、手によって容易に剥離、除去できる感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、貼付してから所定期間経過した後においても、被着体に粘着剤層を残存させることなく、しかも容易に剥離することができる感熱性粘着剤、感熱性粘着シート及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため、鋭意検討した結果、感熱性粘着剤の構成成分として特定範囲の重量平均分子量を有する熱可塑性樹脂を用いると、粘着シートとした場合、加熱時の粘着性に優れるとともに、所定の役割を果たした後には、手でもって容易に剥離除去できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有するとともに、熱可塑性樹脂が水に分散した水性組成物からなる感熱性粘着剤であって、該熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(Mw)10万〜50万、Tg−10℃〜70℃のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体であり、且つ前記熱可塑性樹脂の含有量が固体可塑剤100重量部に対して15〜200重量部、粘着付与剤の含有量が固体可塑剤100重量部に対して3〜200重量部である感熱性粘着剤を提供する。
本発明は、また、基材の少なくとも一方の面に上記の感熱性粘着剤で構成された粘着剤層が設けられている感熱性粘着シートを提供する。
本発明は、さらに、基材の少なくとも一方の面に上記の感熱性粘着剤を塗工して粘着剤層を設ける感熱性粘着シートの製造方法を提供する。
なお、本明細書では、上記の発明に限らず、熱可塑性樹脂及び固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤であって、該熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)が10万〜50万である感熱性粘着剤についても説明する。
なお、本明細書において、「アクリル系」単量体と「メタクリル系」単量体とを「(メタ)アクリル系」単量体として総称する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の感熱性粘着剤は、バインダー樹脂としての熱可塑性樹脂と、固体可塑剤とを含有している。
【0013】
[熱可塑性樹脂]
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニルピロリドン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体などの(メタ)アクリル酸又はそのエステルを単量体として含むアクリル系重合体;酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニルを単量体として含む酢酸ビニル系重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、イソブチレン樹脂、イソブチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン樹脂、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの合成ゴム;天然ゴム;エチレン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ビニルビロリドン−スチレン共重合体、塩素化プロピレン樹脂、ウレタン樹脂、エチルセルロースなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0014】
好ましい熱可塑性樹脂には、アクリル系重合体[例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単量体として含むアクリル系共重合体]、酢酸ビニル系重合体、合成ゴム、天然ゴムなどが含まれる。前記アクリル系重合体の中でも、特に、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル−メタクリル酸C1-4アルキルエステル共重合体)、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル−メタクリル酸C1-4アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体)等のアクリル酸エステル(例えば、アクリル酸C2-10アルキルエステル)とメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸C1-4アルキルエステル)とをコモノマーとして含むアクリル系共重合体などが好ましい。
【0015】
本発明の重要な特徴は、前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)が10万〜50万の範囲にある点にある。上記重量平均分子量(Mw)は、好ましくは12万〜40万、さらに好ましくは15万〜30万程度である。熱可塑性樹脂の重量平均分子量が10万未満であると、接着強度が小さく、放置しているだけで剥離してしまう。また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量が50万を越えると、接着強度が大きすぎて、実質的に手でもって剥がすことが不可能となる。
【0016】
熱可塑性樹脂の重量平均分子量の調整は、例えば、連鎖移動剤の添加により行うことができる。この連鎖移動剤としては、例えば、カテコールなどのアルコール又はフェノール類、チオール類、メルカプタン類(例えば、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなど)などが例示できる。また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量の調整は、他の慣用の方法、例えば、重合時における重合開始剤の量、反応温度、反応時間、単量体の仕込み方法等の反応条件を適宜選択することにより行うこともできる。
【0017】
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、被着物の種類等を考慮し、粘着シートとした場合の接着性及び耐ブロッキング性を損なわない範囲で適宜選択でき、一般には−10〜70℃程度、好ましくは−5〜50℃、さらに好ましくは0〜40℃程度である。ガラス転移温度が−10℃未満の場合には、粘着シートとした場合にブロッキングが起きやすくなり、70℃を越えると、接着性が低下しやすくなる。
【0018】
本発明の感熱性粘着剤において、熱可塑性樹脂の含有量は、固体可塑剤100重量部に対して、例えば15〜200重量部、好ましくは18〜150重量部、さらに好ましくは20〜100重量部程度である。熱可塑性樹脂の含有量が15重量部より少ないと、凝集力が低下して十分な接着強度が発現しない場合があり、また、200重量部より多いと、加熱時に十分な接着力が発現しない場合が生じる。
【0019】
前記熱可塑性樹脂の調製法としては、特に制限はなく、慣用の方法、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等を用いることができる。なお、重合の方式は、バッチ式、連続式の何れであってもよい。前記熱可塑性樹脂は水性エマルジョンなどの水性混合液の形態で得る場合が多い。前記水性エマルジョンにおける熱可塑性樹脂の粒子の平均粒子径は、例えば0.01〜2μm、好ましくは0.01〜0.5μm程度である。前記熱可塑性樹脂を水性エマルジョンとして得る方法としては、例えば、溶液重合等により得られた重合体を乳化剤により乳化分散させる方法、単量体を乳化重合する方法などが挙げられる。
【0020】
溶液重合では、有機溶剤[例えば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環式炭化水素(例えば、シクロヘキサンなど)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)など]の存在下で単量体を重合させる。有機溶剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0021】
有機溶剤としては、通常、イソプロパノールなどのアルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどのケトンなどが使用される。有機溶剤の使用量は、特に制限されず、例えば、単量体の総量に対して、有機溶剤/単量体の総量=0.1/1〜5/1(重量比)、好ましくは0.5/1〜2/1(重量比)程度の範囲から選択できる。
【0022】
溶液重合では、電子線又は紫外線の照射や加熱により重合を開始してもよいが、重合開始剤を用いて重合を開始する場合が多い。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物[例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)アセテートなど]、無機過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素)、有機過酸化物[例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート]及びレドックス触媒[例えば、亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸などの還元剤と、過硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)、過酸化物などの酸化剤との組合せからなる触媒系]などが例示できる。重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。重合開始剤の使用量は、例えば、単量体の総重量に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%(例えば、0.1〜10重量%)程度の範囲から選択できる。
【0023】
溶液重合における反応温度は、例えば50〜150℃、好ましくは70〜130℃程度である。また、反応時間は、例えば1〜10時間、好ましくは2〜7時間程度である。なお、重合の終点は、赤外吸収スペクトルにおける二重結合の吸収(例えば1648cm-1)の消滅、またはガスクロマトグラフィーを用いて、未反応の単量体の減少などにより確認することができる。
【0024】
重合体を乳化して水性エマルジョンを得る場合には、乳化剤、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩あるいは脂肪酸塩などのアニオン系界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、あるいはプルロニック型などの非イオン系界面活性剤;カルボン酸塩型(アミノ酸型、ベタイン型など)あるいはスルホン酸塩型などの両性界面活性剤を用いることができる。なお、エマルジョンはpH調整剤によりpH調整をしてもよい。
【0025】
なお、重合体にアミノ基、イミド基やカチオン形成性基などのカチオン性基が含まれている場合、酸を用いると親水性が向上し、重合体を容易に溶解又は乳化することができる。このような酸としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸など)、有機酸[例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、アジピン酸などの飽和脂肪族ポリカルボン酸;(メタ)アクリル酸などの不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪族ポリカルボン酸;乳酸、クエン酸などの脂肪族オキシカルボン酸など]などが例示できる。
【0026】
重合体がカルボキシル基などの酸性基を有する場合、塩基を用いると重合体を容易に溶解又は乳化することができる。このような塩基には、例えば、有機塩基(例えば、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、モルホリンなどの環状アミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ピリジンなど)、無機塩基(例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物など)などが含まれる。
【0027】
酸の使用量は、例えば、カチオン性基の合計モルに対して酸/カチオン性基=0.3/1〜1.5/1(モル比)程度の範囲から選択できる。
塩基の使用量は、例えば、酸性基の合計モルに対して塩基/酸性基=0.3/1〜1.5/1(モル比)程度の範囲から選択できる。
【0028】
溶液重合により得られた重合体の乳化は、有機溶剤の存在下又は非存在下で行うことができる。有機溶剤の存在下、重合体を乳化分散する場合、有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤(例えば、イソプロパノールなどのアルコールなど)を用いる場合が多い。有機溶剤の存在下、重合体を乳化した場合、乳化後、有機溶剤を蒸発などにより除去してもよく、エマルジョンは有機溶剤を含有してもよい。なお、重合体を乳化する前に有機溶剤を除去する場合、低沸点の有機溶剤(例えば、メチルエチルケトンなどのケトン)を用いる場合が多い。
【0029】
溶液重合により得られた重合体を、有機溶剤の存在下、乳化する場合、重合体を含む有機溶液に添加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸など)を添加した後、水を添加して乳化できる。この場合、水は、滴下などにより徐々に添加するのが好ましい。乳化するときの温度は、低温の方が好ましく、例えば、70℃以下(例えば、5〜70℃)、好ましくは50℃以下(例えば、10〜50℃)程度の範囲から選択できる。
【0030】
水を添加して乳化した後の有機溶剤の除去は、例えば、80℃以下(例えば、5〜80℃程度)の温度、常圧又は減圧下(例えば、0.0001〜1気圧程度)で行う場合が多い。
【0031】
また、単量体の乳化重合は、慣用の乳化重合方法に準じて行うことができ、例えば、単量体の一括仕込み法(例えば、水性媒体に、単量体を一括して仕込んで、重合する方法)、単量体添加法(水性媒体に、単量体を添加して重合する方法)などを採用できる。単量体は、予め乳化したプレエマルジョンとして用いてもよい。このエマルジョンの調製に際しては、共重合成分として重合性の乳化剤を用いて乳化してもよく、乳化剤を用いて乳化してもよい。
【0032】
乳化重合に用いられる重合開始剤としては、前記溶液重合における重合開始剤のうち無機過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素など)などの水溶性の重合開始剤を用いることができ、水溶性のレドックス型重合開始剤系を構成してもよい。
【0033】
重合性の乳化剤としては、例えば、慣用の各種重合性乳化剤[例えば、重合性基として(メタ)アリル基や(メタ)アクリル基を含み、かつ乳化機能基として第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、アミノ基、イミド基などのカチオン性基、スルホン酸塩、カルボン酸塩などのアニオン性基、またはエチレンオキシド基などの非イオン性基を含むものなど]を使用できる。重合性乳化剤の使用量は、例えば、単量体の総量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%程度の範囲から選択できる。
【0034】
乳化重合で用いることができる乳化剤としては、前記溶液重合により得られた重合体の乳化に際して使用できる乳化剤などが挙げられる。また、乳化重合安定化などのため、保護コロイド剤(例えば、部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)を用いてもよい。なお、エマルジョンは、pH調整をしてもよい。なお、乳化重合における温度などの条件は、前記溶液重合と同じ条件であってもよい。
【0035】
[固体可塑剤など]
本発明において使用し得る固体可塑剤としては、加熱時に溶融し、上記熱可塑性樹脂を可塑化して粘着性を発現させることができるものであればよく、フタル酸ジシクロヘキシルが一般的によく使用される。使用し得る他の固体可塑剤としては、例えば、例えば、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジイソヘキシル、フタル酸ジ(3,5−ジメチルシクロヘキシル)、フタル酸ジ(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)、フタル酸ジ(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)、フタル酸ジメンチル、フタル酸ジボルニル、フタル酸ジヒドロアビエチル、フタル酸ジナフチル等のフタル酸エステル類;イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジジシクロヘキシル等のイソフタル酸エステル類;テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジジシクロヘキシル、テレフタル酸(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)等のテレフタル酸エステル類;安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリスロットなどの安息香酸エステル類;リン酸トリフェニル、リン酸トリ(p−t−ブチルフェニル)、1,4−シクロヘキサンジメタノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート]等のリン酸エステル類等のリン化合物;八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トルエンスルホンアミド、尿素誘導体、塩化パラフィン等が挙げられる。これらの固体可塑剤は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0036】
本発明の感熱性粘着剤は、必要に応じて粘着付与剤を更に含有していてもよい。使用し得る粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリスリトール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)、キシレン樹脂等の樹脂類を挙げることができる。これらの粘着付与剤は、2種以上併用してもよい。
【0037】
粘着付与剤の含有量は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂と固体可塑剤との組合せに応じて適宜決められ、通常、固体可塑剤100重量部に対して3〜200重量部、好ましくは5〜100重量部程度である。
【0038】
本発明の感熱性粘着剤には、上記粘着付与剤の他に、特性を損なわない範囲で慣用の添加剤、例えば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、ブロッキング防止剤(無機粒子、有機粒子等)を添加してもよい。
【0039】
[感熱性粘着剤及び感熱性粘着シート]
本発明の感熱性粘着剤は、溶媒を含まない形態で用いることもできるが、有機溶媒溶液又は水性エマルジョン等の水性組成物として使用することもできる。
【0040】
前記水性組成物は、慣用の方法、例えば、(1)本発明の感熱性粘着剤を構成する各成分を予め混合した後に水に溶解又は分散させる方法、(2)前記重合体(熱可塑性樹脂)の水溶液若しくはエマルジョン又は粘着付与剤の水溶液若しくはエマルジョンに固体可塑剤を溶解又は分散させた後に、これらの溶液若しくはエマルジョンを混合する方法、(3)固体可塑剤を水に溶解又は分散させておき、この溶液又は分散液に前記重合体の水溶液又はエマルジョン及び粘着付与剤の水溶液又はエマルジョンを混合する方法等が挙げられる。固体可塑剤を上記エマルジョン又は水に溶解又は分散させる方法としては、溶融させた固体可塑剤を溶解又は分散させる方法、固体可塑剤を微粉末にしながら溶解又は分散させる方法、及び微粉末にした固体可塑剤を溶解又は分散させる方法等を例示することができる。
【0041】
熱可塑性樹脂等の分散に用いる分散剤としては、特に限定されるものではなく、従来より公知のアニオン系、ノニオン系の何れをも使用することができる。アニオン系分散剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等を挙げることができ、カルボン酸アンモニウム塩が好ましい。ノニオン系分散剤としては、ポリエチレングリコール型のもの、多価アルコール型のもの等を挙げることができる。
【0042】
水性組成物のうちエマルジョン中の固体可塑剤の平均粒子径は、好ましくは0.5〜20μm程度であり、さらに好ましくは1〜15μm程度である。平均粒子径が0.5μmよリ小さいと耐ブロッキング性が低下したり、粉砕に時間を要して生産性が低下するおそれがある。平均粒子径が20μmを超えると塗工面がざらつき、ラベルの品質が低下するおそれがある。
【0043】
本発明の感熱性粘着シートは、前記感熱性粘着剤を基材の少なくとも一方の面に塗工し、粘着剤層を形成することにより得ることができる。より具体的には、前記粘着剤層は、感熱性粘着剤を有機溶剤に溶解させて塗工するか、加熱溶融して塗工することにより形成することができる。また、熱可塑性樹脂が水に溶解若しくは分散している水性組成物は、これを基材の少なくとも一方の面に塗工して乾燥させることにより、感熱性粘着シートとすることができる。塗工方法としては、例えばロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、シルクスクリーンコーター等を用いた方法を挙げることができる。
【0044】
前記粘着剤層を形成する基材としては、紙、塗工紙、プラスチックフィルム、木材、布、不織布、金属等を挙げることができる。プラスチックフィルムを構成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド(ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド6/10、ポリアミド6/12等)、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエステル等が挙げられ、更にこれらの共重合体、ブレンド物、架橋物を用いてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、熱可塑性樹脂の重量平均分子量が特定の範囲にあるので、被着体に貼付した場合、実用上十分な接着強度が得られるとともに、熱水、スチーム、水性溶媒等を使用することなく、手によって容易に剥離、除去できる。また、貼付してから所定期間経過した後においても、被着体に粘着剤層を残存させることなく、しかも容易に剥離することができる。そのため、回収して何度も使用されるビール瓶、資源としてリサイクルされるペットボトル等に好適に使用することができる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」は「重量部」を示す。
【0047】
実施例1
(固体可塑剤水分散液の調製)
固体可塑剤として、フタル酸ジシクロヘキシル100部、分散剤としてアニオン系界面活性剤12部、水70部を混合し、ボールミルを用いて平均粒子径2.2μmになるまで粉砕し、フタル酸ジシクロヘキシルの水分散液を得た。なお、固体可塑剤の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−500)によリ測定し、メジアン径で記載した。
【0048】
(熱可塑性樹脂の合成)
撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、イオン交換水35部、初期添加乳化剤としてα−スルホ−ω−[2−(1−プロペニル)−4−ノニルフェノキシ]ポリオキシエチレン(n=10)アンモニウム塩(第一工業製薬(株)製「アクアロンHS−10」)0.11部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)0.33部を仕込み、内温を80℃に昇温させた。
一方、別の容器にイオン交換水30部、乳化剤として「アクアロンHS−10」7.9部を仕込み、攪拌して溶解し、次いでこれに2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)38部、スチレン(St)60部、アクリル酸(AA)2部からなる単量体混合物を加えて30分攪拌し、単量体プレミックスを得た。
反応器の内容物を窒素気流下に撹拌し、内容物温度を80℃に保ちながら、上記単量体プレミックスとAPSの3.8重量%水溶液5.7部を、逐次添加して重合を開始させ、約3時間重合反応を行なった。重合反応終了後、同温度でさらに約1時間撹拌を継続してから、60℃に冷却した。その後、重合開始剤として、t−ブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂(株)製「パーブチルH−69」)の12重量%水溶液2.85部を15分ずつ2回添加し、同時に還元剤としてナトリウム・ホルムアルデヒド・スルホキレレート(住友精化(株)製「レドールC」)9重量%水溶液1.375部を15分ずつ4回添加した。還元剤の添加終了後、同温度で30分間撹拌を継続してから冷却し、アクリル系共重合体エマルジョンを得た。この分散液の固形分濃度は56重量%、pH=2.1、粘度110cps(30℃)、平均粒子径0.15μmであった。また、このアクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は20万、ガラス転移温度(Tg)は22℃であった。なお、アクリル系共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
【0049】
(感熱性粘着剤の調製)
上記で調製したフタル酸ジシクロヘキシルの水分散液中に、熱可塑性樹脂として上記で得たアクリル系共重合体の水系エマルジョン、粘着付与剤としてテルペン系粘着付与剤の水系分散液と水を混合して均一になるまで攪拌し、固形分濃度47重量%の感熱性粘着剤を得た。この時の配合比は、固体可塑剤100部に対して熱可塑性樹脂26部、粘着付与剤17部であった。
【0050】
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤を厚さ25μmのコロナ処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、単にPETフィルムという場合がある)にバーコーターを用いて乾燥後の塗工量が12g/m2になるよう塗工し、40℃で2分間乾燥して、感熱性粘着シートを得た。
【0051】
比較例1
(熱可塑性樹脂の調製)
重合時の温度を90℃、重合時に単量体プレミックスと同時に逐次添加するAPS水溶液の濃度を10重量%(APS水溶液の添加量:5.7部)とする以外は、実施例1と同様にしてアクリル系共重合体エマルジョンを調製した。その結果、得られたアクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は5万、ガラス転移温度(Tg)は23℃であった。
【0052】
(感熱性粘着剤の調製)
実施例1と同様に調製したフタル酸ジシクロヘキシルの水分散液中に、熱可塑性樹脂として上記で得たアクリル系共重合体の水系エマルジョン、粘着付与剤としてテルペン系粘着付与剤の水系分散液と水を混合して均一になるまで攪拌し、固形分濃度47重量%の感熱性粘着剤を得た。この時の配合比は、固体可塑剤100部に対して熱可塑性樹脂26部、粘着付与剤17部であった。
【0053】
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤をPETフィルムにバーコーターを用いて乾燥後の塗工量が12g/m2になるように塗工し、40℃で2分間乾燥して、感熱性粘着シートを得た。
【0054】
比較例2
(熱可塑性樹脂の調製)
重合時の温度を70℃、重合時に単量体プレミックスと同時に逐次添加するAPS水溶液の濃度を2重量%(APS水溶液の添加量:5.7部)とする以外は、実施例1と同様にしてアクリル系共重合体エマルジョンを調製した。その結果、得られたアクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は70万、ガラス転移温度(Tg)は19℃であった。
【0055】
(感熱性粘着剤の調製)
実施例1と同様に調製したフタル酸ジシクロヘキシルの水分散液中に、熱可塑性樹脂として上記で得たアクリル系共重合体の水系エマルジョン、粘着付与剤としてテルペン系粘着付与剤の水系分散液と水を混合して均一になるまで攪拌し、固形分濃度47重量%の感熱性粘着剤を得た。この時の配合比は、固体可塑剤100部に対して熱可塑性樹脂26部、粘着付与剤17部であった。
【0056】
(感熱性粘着シートの作製)
上記で調製した感熱性粘着剤をPETフィルムにバーコーターを用いて乾燥後の塗工量が12g/m2になるように塗工し、40℃で2分間乾燥して、感熱性粘着シートを得た。
【0057】
性能試験
実施例及び比較例で得られた感熱性粘着シートの特性を次のようにして評価した。結果を表1に示す。
(接着強度)
感熱性粘着シートを幅25mm、長さ125mmの試験片に切り、120℃で30秒間活性化した後、ガラス板(岩城硝子(株)製、Micro Slide Glass 白縁磨)上に載せ、ゴムロールで2kgの荷重をかけて1往復することにより貼付した。これを、23℃、50%RHの雰囲気下に1日又は6ヶ月放置後、引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンUCT−5T)を使用して、引張り速度300mm/分、剥離角度180°で接着力(gf/25mm)を測定した。
(剥離性試験)
上記の接着強度試験と同様にして感熱性粘着シートをガラス板に貼付し、1日又は6ヶ月放置後、試験片を手で剥離し、以下の基準で剥離性を判定した。
○:ガラス面に粘着剤が残ることなく、剥離した。
△:ガラス面に一部粘着剤が残り、剥離した。
×:試験前にすでに剥離していた。または、基材シートが破れた。
【0058】
【表1】
表1から明らかなように、実施例で得られた感熱性粘着性シートは、加熱して粘着性を発現させた後、被着体に貼付した場合、その貼付から1日後及び6ヶ月経過時点において、実用上問題のない接着強度を有しており、かつガラスに粘着剤を残すことなく剥離することができる。これに対して、比較例1の感熱性粘着シートは、接着強度が小さく、6ヶ月後には放置するだけでガラス面から剥離してしまい、実用に耐え得るものでないことが分かる。また、比較例2の感熱性粘着シートは、1日後では実施例1のシートより接着強度が少し大きい程度だが、6ヶ月後では接着強度が非常に大きくなり、実質的に剥がすことが不可能となっている。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂、固体可塑剤及び粘着付与剤を含有するとともに、熱可塑性樹脂が水に分散した水性組成物からなる感熱性粘着剤であって、該熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(Mw)10万〜50万、Tg−10℃〜70℃のスチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体であり、且つ前記熱可塑性樹脂の含有量が固体可塑剤100重量部に対して15〜200重量部、粘着付与剤の含有量が固体可塑剤100重量部に対して3〜200重量部である感熱性粘着剤。
- 基材の少なくとも一方の面に請求項1記載の感熱性粘着剤で構成された粘着剤層が設けられている感熱性粘着シート。
- 基材の少なくとも一方の面に請求項1記載の感熱性粘着剤を塗工して粘着剤層を設ける感熱性粘着シートの製造方法。
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