JP4306154B2 - インターフェースケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインフレームやパソコン,ワークステーション等のコンピュータ本体と入出力装置等の周辺機器間を接続するためのインターフェースケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、係るインタフェースケーブルは、導体上に絶縁層が被覆形成された絶縁心線の端末に、はんだ,圧着,圧接等によってコネクタを一体的に接続したものであるが、伝送する信号の性質上、特性インピーダンス、静電容量等の電気特性が規定される場合には、ケーブル仕上がり外径の細径化要求等の理由から絶縁層の外径を小さくする必要性が生じてくる。
【0003】
そして、絶縁層外径を小さくすると、比誘電率が高くなってしまうことから、係る場合には、絶縁層を構成する材質として比誘電率の小さい発泡ポリオレフィン系樹脂が採用される。また、絶縁層の潰れによる電気特性の劣化を防止するために、さらにこの発泡ポリオレフィン系樹脂の上に非発泡ポリオレフィン系樹脂を被覆して2層構造としたり、照射架橋を施して外面的に強度を向上させ、潰れ対策を施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように絶縁層として発泡ポリオレフィン系樹脂を用いることによって比誘電率を低く保つことは可能となるが、その端末にコネクタを圧接する場合、加工上の問題が生ずると共に電気特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0005】
すなわち、発泡絶縁層を用いた場合、はんだ接続によってコネクタを接続する際には適用外径制限のないことから加工上殆ど問題は生じないが、圧着、特に圧接コネクタにおいては、適用外径制限が厳しいことから絶縁層の外径がコネクタの適用外径外の場合、加工上問題が生ずると共にケーブルの電気特性にも悪影響を及ぼす。
【0006】
例えば、図10に示すように導体a上に発泡絶縁層bを備えた絶縁心線cの外径がコネクタdの圧接コネクタボディe上のコネクタコンタクト(Uスロット)fの適用外径よりも大きいと、圧接不良の原因となると共に発泡絶縁層bの潰れが特性インピーダンスの低下を引き起こし、電気特性のバラツキ、不均一の要因となってしまい、電気特性の安定化を図ることが困難となってしまう。また、図11に示すように、発泡絶縁層bの外径がコネクタコンタクトfの適用外径制限に合致している場合でも発泡絶縁層bが残っているとコネクタの直交保持力、接続部の機械的強度の低下につながる。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、絶縁心線とコネクタとの圧着,圧接が確実で、かつ安定した電気特性を有する新規なインターフェースケーブルを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、導体上に絶縁層を備えた絶縁心線の端末にコネクタを圧接してなるインターフェースケーブルにおいて、上記絶縁心線の絶縁層が内層と、中間層と、外層との3層構造をし、この内層と外層とが非発泡ポリオレフィン樹脂からなると共に、上記中間層が発泡ポリオレフィン樹脂からなり、かつ上記絶縁心線の端末がその中間層と外層を端末先端から所定長さ剥離されて上記内層が露出され、該内層露出部が上記コネクタ側に圧接されているものである。
また本発明は、導体上に絶縁層を備えた絶縁心線の端末にコネクタコンタクトを有するコネクタを圧接してなるインターフェースケーブルにおいて、上記絶縁心線の絶縁層が内層と、外層との2層構造をし、上記内層が非発泡ポリオレフィン樹脂からなると共に、上記外層が発泡ポリオレフィン樹脂からなり、かつ、上記絶縁心線の端末が、その外層を端末先端から所定長さ剥離されて上記内層が露出され、該内層露出部が上記コネクタ側に圧接されているものである。
【0009】
これによって、内層のみが露出した状態で絶縁心線がコネクタに圧着されるため、コネクタとの嵌合不具合や接続強度の低下を防ぎ、なおかつ安定した電気特性を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は本発明に係るインターフェースケーブル1の実施の一形態を示したものである。
【0012】
図示するように、このインターフェースケーブル1は、ケーブル本体となる絶縁心線2の両端末にコネクタ3,3を圧接して接続したものであり、その一方のコネクタ3がコンピュータ本体等側に、また、他方のコネクタ3が入出力装置等の周辺機器等にそれぞれ着脱自在に接続されるようになっている。
【0013】
この絶縁心線2は、図2に示すように、銅線等の金属導体4の周囲に、内層5と中間層6と外層7との3層構造をした絶縁層8を照射架橋して被覆した構造となっており、また、この内層5と外層7は、それぞれ充実の非発泡ポリオレフィン樹脂から構成されているのに対し、中間層6は内部に細かい気泡が多数存在する発泡ポリオレフィン樹脂から構成されている。
【0014】
また、コネクタ3は、図3に示すようにU字形のコネクタコンタクト9を備えたコネクタボディ10と、U字形の溝11を備えたコネクターカバー12とから主に構成されており、図示するようにこのコネクタコンタクト9に絶縁心線2を嵌合させてその導体4とコネクタコンタクト9とが電気的に接続されるようになっている。
【0015】
そして、本発明に係るインターフェースケーブル1にあっては、図4に示すように、この絶縁心線2の接続端末部分の絶縁層8のうち、中間層6と外層7とがその端末から所定長さに亘って除去されてからコネクタ4側に接続された構造となっている。
【0016】
そのため、絶縁層8の外径が、コネクタの適用外径外(大きい)の場合であっても、図3に示すように予め中間層6と外層7とが剥離除去された状態でコネクタ4に圧接嵌合されるため、圧接不良が回避され、嵌合の不具合や接続部の機械的強度の低下を招くことなく確実な接続を達成することができる。
【0017】
また、絶縁心線2の部分にあっては発泡ポリオレフィン樹脂からなる中間層6の周囲に中実のポリオレフィン樹脂からなる外層7を被覆したことから、耐潰れ性も向上し、特性インピーダンス等の電気特性の安定化を達成することも可能となる。
【0018】
尚、本実施の形態では、絶縁心線2の絶縁層8として3層構造のものを用いた例で説明したが、図5に示すように、その絶縁層8を非発泡ポリオレフィン樹脂からなる内層13と、発泡ポリオレフィン樹脂からなる外層14との2層構造とし、外層14のみをその端末から所定長さ除去剥離してコネクタ4に圧接させるような構造としても上記と同様な効果を得ることができる。
【0019】
また、図6に示すように、さらにこの絶縁心線2の周囲にシールド層15を介してシース16を被覆した場合には、中間層6及び外層7と共に、このシールド層15とシース16も同時に剥離除去することは勿論である。
【0020】
また、図7及び図8に示すように、この絶縁心線2を一対ずつ対撚りし、その周囲をシールド層17,17及びシース18で覆った多心インターフェースケーブル、あるいは図9に示すように、この絶縁心線2を複数本フラットに配置し、その周囲をシース19で被覆して一体化したフラットケーブル等にあっては、中間層6及び外層7のみならずその周囲のシールド層やシース等も同時に剥離・除去し、コネクタボディ上にその絶縁心線2の数と同数以上のコネクタコンタクトを一体的に備えたコネクタを用いることで同様な作用・効果を発揮することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、中間層と外層が除去された状態でコネクタに圧接されるため、圧接不良が確実に回避され、嵌合の不具合や接続部の機械的強度の低下を招くことなく確実な接続を達成することができる。また、発泡層の周囲を中実の外層で覆ったため、耐潰れ性も向上し、特性インピーダンス等の電気特性の安定化を達成することも可能となる等といった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインターフェースケーブルの実施の一形態を示す全体図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】図1中B−B線断面図である。
【図4】中間層及び外層を所定長さに亘って剥離・除去した状態を示す絶縁心線の端末付近を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るインターフェースケーブルの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図6】本発明に係るインターフェースケーブルの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図7】本発明に係るインターフェースケーブルの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図8】本発明に係るインターフェースケーブルの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図9】本発明に係るインターフェースケーブルの他の実施の形態を示す拡大断面図である。
【図10】コネクタと従来の絶縁心線との関係を示す概念図である。
【図11】コネクタと従来の絶縁心線との関係を示す概念図である。
【符号の説明】
1 インターフェースケーブル
2 絶縁心線
3 コネクタ
4 導体
5 内層
6 中間層
7 外層
8 絶縁層

Claims (3)

  1. 導体上に絶縁層を備えた絶縁心線の端末にコネクタを圧接してなるインターフェースケーブルにおいて、上記絶縁心線の絶縁層が内層と、中間層と、外層との3層構造をし、この内層と外層とが非発泡ポリオレフィン樹脂からなると共に、上記中間層が発泡ポリオレフィン樹脂からなり、かつ上記絶縁心線の端末がその中間層と外層を端末先端から所定長さ剥離されて上記内層が露出され、該内層露出部が上記コネクタ側に圧接されていることを特徴とするインターフェースケーブル。
  2. 導体上に絶縁層を備えた絶縁心線の端末にコネクタを圧接してなるインターフェースケーブルにおいて、上記絶縁心線の絶縁層が内層と、外層との2層構造をし、上記内層が非発泡ポリオレフィン樹脂からなると共に、上記外層が発泡ポリオレフィン樹脂からなり、かつ、上記絶縁心線の端末が、その外層を端末先端から所定長さ剥離されて上記内層が露出され、該内層露出部が上記コネクタ側に圧接されていることを特徴とするインターフェースケーブル。
  3. 上記絶縁心線の絶縁層が、照射架橋されて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインターフェースケーブル。
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