JP3711357B2 - 差込みコネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、差込み側と導線接続側とを有する同軸ケーブルのための差込みコネクタであって、絶縁体の挿入されたスリーブ形の金属の差込み部材を有しており、前記絶縁体にコンタクト素子が挿入されている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
本発明の目的は、同軸ケーブル用の差込みコネクタと、これに対応する対応コネクタとの間、又は直接対応して加工成形されたプリント配線板のプリント配線板縁部との間で差込み接続を得ることであり、しかも高度な電気的な差込み確実性が補償され得る。
【０００３】
ヨーロッパ特許第０８４８４５９号明細書に基づき公知の、同軸ケーブルとプリント配線板との間で電気的エネルギを伝達するための線路用差込みコネクタでは、プリント配線板の縁部域に複数の細長いスリットが設けられており、これにより複数の舌片が形成される。これらの舌片のフランクは後から金属化されており、この場合、対応して構成された線路用差込みコネクタは、金属化されたフランクと、ケーブル側の差込み部分の電気的な構成要素との間に電気的なコンタクトを生ぜしめる。
【０００４】
このような差込みコネクタの問題は、差込みコンタクトと、信号を案内する同軸ケーブルの電気的な線路との間の確実な遮蔽及び良好な電気的接続において簡単なコネクタ組込みを実現させるという点にあり、これにより支障の無い信号伝達が保証される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は冒頭で述べた形式の差込みコネクタを改良して、少数の簡単なコンポーネントを使用することにより、簡単かつ廉価な組込みと同時に同軸ケーブルの最適な遮蔽及び信号案内並びに電気的に確実な差込みを可能にする差込みコネクタを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明では、絶縁体の部分域に、長手方向スリットによって形成された外向きの舌片が設けられており、前記絶縁体内に直径の異なる複数の中心孔が並んで設けられており、前記舌片の端部の絶縁体内部に面した側に円錐形の段部若しくは拡張している段部が設けられており、同軸ケーブルの中心導線がコンタクト素子の収容孔に挿入されており、絶縁体がスリーブ形の差込み部分に挿入されており、この場合、外向きの前記舌片が押しつぶされて前記段部が中心導線の絶縁部材に圧力を加えるようになっているようにした。
【０００７】
【発明の効果】
有利には差込みコネクタに絶縁体が設けられており、この絶縁体はスリーブ形の金属の差込み部分に挿入可能であり、電気的なコンタクト素子を中心に収容することができ且つ同軸ケーブルの真ん中の電気的な中心導線をコンタクト素子に接続する。
【０００８】
更に有利には、まず真ん中の電気的な中心導線のための舌片負荷が規定されており、並びにスリーブ形の差込み部分をクリンプすることにより、同軸ケーブルのジャケットと差込み部分との間で前記舌片が更に負荷される。
【０００９】
細長い円体として形成された絶縁体の内部が段付けされた複数の直径を有している一方で、長手方向スリットにより形成された外向きの舌片は周方向の環状溝によって分割されたヘッド部分から絶縁体の端部まで延びている。
【００１０】
絶縁体内部で様々に段付けされた孔は、有利にはこの孔が収容する電気的なコンタクト素子及び同軸ケーブルの外径に合わされている。
【００１１】
この場合、有利には絶縁体内の電気的な中心導線の絶縁域に複数の段部が設けられており、これらの段部は舌片が押しつぶされるときに絶縁部材に押し込まれる。
【００１２】
電気的なコンタクト素子を確実に保持してセンタリングするためには、このコンタクト素子に有利には間隔をあけて配置された２つの肉厚部が設けられており、これらの肉厚部は絶縁体の孔の内壁に圧着される。
【００１３】
付加的に円錐形の内径拡張部が設けられているが、この拡張部は舌片を押しつぶす際に絶縁体の内壁がこの領域で電気的なコンタクト素子の外壁に直接に際着して、電気的な中心導線にも圧力を加えるように狭まっている。
【００１４】
別の有利な構成では、遮蔽部の確実な電気的接触接続が板ばねを介して行われる。このためには垂直方向に対して約４５°だけ斜めに配置された積層板を有する環状の板ばね装置が、差込み部分の前方の差込み域に固定的にプレス嵌めされている。
【００１５】
これにより、差込みコネクタは適合するあらゆる対応コネクタにも差し込まれるし、差込みコネクタに対応するように設けられたプリント配線板にも直接差し込まれる。
【００１６】
本発明により得られる利点は特に、前記構成に基づき組込み時の極めて簡単な取扱いが達成され、この場合、まずコンタクト素子が絶縁材料の取り除かれた同軸ケーブルの中心導線に被せられ、これらの両構成部材が絶縁体に挿入され且つやはりほぼ無力でスリーブ形の差込み部分に挿入され、同軸ケーブルの遮蔽域をクリンプすることによって最終的には互いに結合されるという点にある。
【００１７】
本発明の更に別の有利な構成は、請求項２から７に記載されている。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【００１９】
図１には組み込まれた差込みコネクタ１の断面図が示されている。
【００２０】
スリーブ形の差込み部分２ではまず最初に差込み側３の領域に環状に配置された板ばね７が設けられており、この板ばね７には有利には差込み方向に対して斜めに延びる複数の積層板８が設けられているが、本実施例では差込み方向に向けられた積層板が設けられている。
【００２１】
更に、差込み部分には絶縁体１０が挿入されており、この絶縁体１０には差込み側を向いたコンタクト素子２０が嵌め込まれている。このコンタクト素子２０には差込み側とは反対向きの収容孔２３が設けられており、この収容孔２３にはジャケット３１を備えた同軸ケーブル３０の電気的な中心導線３４が、差込みコネクタの導線接続側４から挿入されている。
【００２２】
スリーブ形の差込み部分の導線接続側４はクリンプ端子５として設けられており、この場合、このクリンプは同軸ケーブルの機械的な保持部の他にその下の遮蔽網３２に作用し、これによりこの遮蔽網３２の、導電性の差込み部分に対する遮蔽作用が伝達され、更に差込み側３に設けられた板ばね７を介してやはり対応コネクタにも伝達されるか、又は直接差し込む場合は対応して準備されたプリント配線板にも伝達される。
【００２３】
更に図１からは、差込み部分２の前方の差込み域３が斜め内側に向かって曲げられており、これにより差込み部分内部で環状に配置された板ばね７（かご形ばねとも云う）は前記狭窄部までしか移動可能でないと同時に、前記傾斜部は差込み部分をより簡単に対応コネクタ（図示せず）に差し込めるようにするということが判る。
【００２４】
図２には差込みコネクタ用に規定された個々の構成部材が分解図で示されており、この選択図は同時に組込み順序に対応している。
【００２５】
差込みコネクタの組込み時には、板ばね７は既にスリーブ形の差込み部分２に含まれている。
【００２６】
同軸ケーブル３０は最初に、まずジャケット３１の規定された長さがその下の遮蔽網３２まで除去され、この遮蔽網３２が引き続き後ろのジャケット上に折り返されることにより、差込みコネクタ１に機械又は手でも組み込めるように準備される。
【００２７】
次いで、電気的な中心導線３４に対する誘電体とも云う絶縁部材３３が除去され、収容開口２３を備えたコンタクト素子２０が前記の電気的な中心導線に被せ嵌められる。
【００２８】
次いで、開張された複数の舌片１３を備えた、電気的に絶縁性の材料から製作された絶縁体１０がまずコンタクト素子２０に被せられ、このコンタクト素子はまず中心の孔１４内でセンタリングされてから更にストッパまで押しずらされ、更にコンタクト素子２０の先端２１が貫通孔１５を通って差込み方向で突入する一方で、同時に前記舌片１３は同軸ケーブルの絶縁部材３３を完全に被覆する。
【００２９】
更に、スリーブ形の差込み部分２が絶縁体１０と同軸ケーブル３０との組合せに被せられ、この場合、未だ開張された舌片１３は差込み部分２によって徐々に押しつぶされて、まずコンタクト素子２０が、次いで絶縁部材３３が段部１７を介して締め込まれるので、軸方向で作用する力が同軸ケーブルから電気的な中心導線へではなく差込みコネクタへ導かれる。
【００３０】
締付け作用は、電気的な中心導線３４のための収容開口２３の領域でコンタクト素子の隆起した２つの肉厚部２２に対しても得られるし、コンタクト素子の表面上に直接に位置する孔１４の円錐形の拡張部１６によっても得られる。
【００３１】
最後に、差込み部分２のスリーブと同軸ケーブルとが、遮蔽網の領域の接続側４において互いにクリンプ結合される。
【００３２】
図３ａには絶縁体１０の断面図が示されている。
【００３３】
この絶縁体は細長く成形された回転体としてヘッド部分１１と、環状溝１２からやや外側に向かって反対側の端部に対して開張した、長手方向スリット１８によって分離された複数の舌片１３を有している。内部には貫通孔１５を有する孔１４と、円錐形に拡張する領域１６とが設けられている。
【００３４】
孔１４にはコネクタ組込み時にコンタクト素子２０が挿入され、この場合、円錐形に成形されたコンタクト素子のヘッド側１１の先端は差込み方向で貫通孔１５を通って押しずらされる。
【００３５】
孔１４はコンタクト素子２０を収容するために、肉厚部２２がまず絶縁体１０の内壁に圧着され、次いで絶縁体をスリーブ形の差込み部分に挿入する際に舌片１３が押しつぶされることによって円錐形の拡張部１６をコンタクト素子の壁に押圧し、これにより同時に収容孔２３に挿入された同軸ケーブルの電気的な導線３４に圧力が加えられるように成形されている。
【００３６】
舌片１３の内壁に設けられた段部１７は、絶縁体をスリーブ形の差込み部分２にずらし込む際に絶縁部材３３に圧着され、これにより同軸ケーブルと差込みコネクタとの間に生じる恐れのある引張力の一部が既に伝達される。
【００３７】
残りの引張力は接続側４のクリンプ端子５、遮蔽部３２及びその下に位置するジャケット３１に対するクリンプによって吸収される。
【００３８】
図３ｂには、斜めに延びる複数の積層板８を備えた板ばね７の有利な構成が示されている。前記積層板８は、通常差込み方向に沿って長手方向で延びる積層板に比べて、直接に差し込む場合にこのために特別に加工成形されたプリント配線板の縁部が積層板間の空隙に挟み込まれる恐れがないという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】組み込まれた差込みコネクタを示した図である。
【図２】差込みコネクタの分解図である。
【図３ａ】絶縁体を示した図である。
【図３ｂ】斜めに配置された積層板を有する板ばねを示した図である。
【符号の説明】
１ 差込みコネクタ、 ２ 差込み部分、 ３ 差込み側、 ４ 導線接続側、 ５ クリンプ端子、 ７ 板ばね、 ８ 積層板、 １０ 絶縁体、 １１ヘッド部分、 １２ 環状溝、 １３ 舌片、 １４ 孔、 １５ 貫通孔、１６ 拡張部、 １７ 段部、 １８ 長手方向スリット、 ２０ コンタクト素子、 ２１ 先端、 ２２ 肉厚部、 ２３ 収容孔、 ３０ 同軸ケーブル、 ３１ ジャケット、 ３２ 遮蔽網、 ３３ 絶縁部材、 ３４ 中心導線

Claims (7)

1. 差込み側（３）と導線接続側（４）とを有する同軸ケーブル（３０）のための差込みコネクタ（１）であって、絶縁体（１０）の挿入されたスリーブ形の金属の差込み部分（２）を有しており、前記絶縁体にコンタクト素子（２０）が挿入されている形式のものにおいて、
   絶縁体（１０）の部分域に、長手方向スリット（１８）によって形成された外向きの舌片（１３）が設けられており、前記絶縁体（１０）内に直径の異なる複数の中心孔（１４，１５）が並んで設けられており、前記舌片の端部の絶縁体内部に面した側に円錐形の段部（１７）若しくは拡張している段部（１７）が設けられており、同軸ケーブル（３０）の中心導線（３４）がコンタクト素子（２０）の収容孔（２３）に挿入されており、絶縁体（１０）がスリーブ形の差込み部分（２）に挿入されており、この場合、外向きの前記舌片（１３）が押しつぶされて前記段部（１７）が中心導線（３４）の絶縁部材（３３）に圧力を加えるようになっていることを特徴とする差込みコネクタ。
2. 絶縁体（１０）の中心の孔（１４）が円錐形の拡張部（１６）を有している、請求項１記載の差込みコネクタ。
3. 電気的なコンタクト素子（２０）の差込み側に円錐形に成形された先端（２１）が設けられている、請求項１又は２記載の差込みコネクタ。
4. 電気的なコンタクト素子（２０）の中央域に間隔のおかれた肉厚部（２２）が設けられている、請求項１から３までのいずれか１項記載の差込みコネクタ。
5. 外向きの舌片（１３）が、環状溝（１２）によって分割されたヘッド部分（１１）から絶縁体（１０）の端部まで延びている、請求項１から４までのいずれか１項記載の差込みコネクタ。
6. スリーブ形の差込み部分（２）内部の差込み側（３）に環状の板ばね（７）が設けられており、該板ばねの積層板（８）が差込み方向に関して斜めに配置されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の差込みコネクタ。
7. スリーブ形の差込み部分（２）の導線接続側（４）がクリンプ端子（５）として形成されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の差込みコネクタ。

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