JP4306056B2 - 防ダニ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防ダニ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、種々の防ダニ剤が開発されてきたが、いまだに充分なダニ防除がなされていないのが現状であり、より優れた防ダニ剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような状況下で鋭意検討を行なった結果、2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドと2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−タ−シャリ−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンとを有効成分として含有する防ダニ組成物が、優れた防ダニ効果を発揮することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリド(以下、化合物Aと記す)と2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−タ−シャリ−ブチルフェニル)−2−オキサゾリン(以下、化合物Bと記す)とを有効成分(以下、本有効成分と記す)として含有する防ダニ組成物(以下、本発明組成物と記す)を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
化合物Aは特開昭57−156407号公報及び特開平8−319202号公報に記載の化合物であり、また、化合物Bは国際出願公開明細書WO93/22297号公報に記載の化合物である。
【0005】
本発明組成物において、化合物Aと化合物Bとの混合割合は通常、重量比で1:0.02〜1:50の割合であり、好ましくは重量比で1:0.1〜1:10の割合である。
【0006】
本有効成分を製剤して使用する場合は、製剤形態としては、燻煙剤、加熱蒸散用マット製剤、防ダニシート等があげられる。
かかる燻煙剤としては非燃焼型燻煙剤及び燃焼型燻煙剤があげられる。
非燃焼型燻煙剤は通常、本有効成分及び発泡剤(例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン及びp,p'−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の熱分解により窒素を発生し得る有機発泡剤等)に、必要によりさらにポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、澱粉等の結合剤、酸化亜鉛等の活性成分凝集剤などを加え、これらの各成分を混合し、水を加えて混練、顆粒状に成型、乾燥させることにより製造される。
該非燃焼型燻煙剤の使用法としては、隔壁で区分された容器の一方に顆粒状の該非燃焼型燻煙剤を、他方に酸化カルシウムを入れ、使用時に酸化カルシウムに水を注加し、生ずる化学反応熱により発泡剤を熱分解し、発生する窒素により薬剤を揮散させダニ防除を行なうという方法等があげられる(特公昭59−49201号公報参照)。
【0007】
燃焼型燻煙剤は、通常、本有効成分、発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン及びp,p'−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等の熱分解により窒素を発生し得る有機発泡剤等)、過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、塩素酸カリウム等の酸素供給剤、糖類及び澱粉等の燃焼剤に、さらに必要により、硝酸グアニジン、ニトログアニジン、ジシアンジアミド、リン酸グアニル尿素、スルファミン酸グアニジン等の発熱調製剤や塩化カリウム、塩化ナトリウム、四三酸化鉄、酸化銅、酸化クロム、酸化鉄、活性炭等の酸素供給剤分解用助剤、パーライト、珪藻土、タルク、クレー等の無機担体を加え、これらの各成分を混合し、水を加えて混練、顆粒状に成型、乾燥させることにより製造される。
該燃焼型燻煙剤の使用法としては、該剤を紙筒等の容器内に装填し、成型テルミット等の点火剤を用いて燃焼、燻煙を行なうという方法等があげられる。
【0008】
本有効成分の加熱蒸散用マット製剤は、コットンリンター、不織布、セラミック板、厚紙等の多孔質担体に本有効成分が保持されてなる。該マット製剤は、例えば市販の電気蚊取りマット用ヒーター等を用い、100〜300℃に加熱することにより使用される。
【0009】
本有効成分を防ダニシートとして製剤する場合は、通常、本有効成分又はその溶液(本有効成分を例えば、アセトン等のケトン系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒などの有機溶媒に溶解したもの)をシート基材に含浸させて製剤するか、合成樹脂フィルムや合成繊維に、予め本有効成分又はその溶液を練り込み、その後、該フィルムや該繊維をシートに成形することにより製剤することもできる。シート基材の原料としては、紙、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルム、合成繊維あるいは羊毛、絹、綿、麻等の天然繊維の織布あるいは不織布などがあげられる。
防ダニシートは通常、0.01〜10mm程度の厚さを有し、シート1m2当たり通常、本有効成分が0.01〜2g保持される。
【0010】
本有効成分は、油剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、エアゾール製剤等に製剤して用いることもできる。該製剤中には、本有効成分の他に分散剤、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの補助剤、炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、フェニルキシリルエタン、ケロセン、ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)などの液体担体、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、シリカ、バーミキュライト、パーライトなどの固体担体を含有してもよい。また、窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル、LPG等の噴射剤を含有してもよい。
【0011】
本発明組成物は、さらに、他の殺虫、殺ダニ活性化合物(例えば、スミスリン、エンペントリン、メトキサジアゾン等)、共力剤、殺菌剤、防黴剤等と混用または併用することもできる。
【0012】
本発明組成物は、特に、屋内に生息するダニ、例えば、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、コウノホシカダニ、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サヤアシニクダニ等のニクダニ類、マルニクダニ類、ミナミツメダニ、クワガタツメダニ、フトツメダニ、ホソツメダニ、アシナガツメダニ等のツメダニ類、イエダニ、トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニ等のイエダニ類、イエササラダニ類、シラミダニ類、ヒゼンダニ類などに卓効を示し、さらに、ネコノミ、イヌノミ等のノミ類、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ類、ヒラタチャタテ、カツブシチャタテ等のチャタテムシ類、イエヒメアリ等のアリ類、トコジラミ等のトコジラミ類などの有害生物の防除にも有効である。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
製造例1
化合物A 5重量部と化合物B 5重量部、酸化亜鉛0.5重量部及びα−澱粉2重量部にアゾジカルボンアミドを混合して全体を100重量部とし、該混合物に水を加えて混練し、これを押出機で顆粒状に成形、乾燥し、燻煙剤用殺ダニ組成物を得る。該燻煙剤用殺ダニ組成物10gを円筒容器中央部に入れ、該容器内の壁面で隔てられた外側に1〜20メッシュの酸化カルシウムを入れ、非燃焼型燻煙剤を得る。
【0014】
製造例2
化合物A 0.75g、化合物B 0.75g、アゾジカルボンアミド2.5g、ニトロセルロース1.5g、フタル酸ジブチル0.4g、酸化亜鉛0.54g、パーライト2.56g及びポリビニルアルコール1.0gを混合し、該混合物に水を加えて混練し、これを押出機で顆粒状に成形、乾燥し、燻煙剤用殺ダニ組成物を得る。過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸グアニジン、糖類、粘結剤、アルミナ及びカオリンから作製した1〜4mmの顆粒状の可燃性組成物15.0gを点火剤を装着した紙製の円筒容器に装填し、次に、その上から燻煙剤用殺ダニ組成物を装填し、メッシュがついた蓋をすることにより燃焼型燻煙剤を得る。
【0015】
製造例3
化合物A 0.5g及び化合物B 0.5gのアセトン溶液をセラミック多孔体(縦4.2cm、横4.2cm、厚さ1.2cm、孔径0.3cm、孔数102、京セラ(株)製)に塗布、風乾し、加熱蒸散用マット製剤を得る。
【0016】
製造例4
化合物A及び化合物Bを、夫々、アセトンで希釈し、シート1m2当たり化合物Aが0.8g、化合物Bが0.3gとなるように希釈液をそれぞれクラフト紙に滴下、含浸させ、風乾して防ダニシートを得る。
【0017】
製造例5
化合物A 0.33重量部、化合物B 0.33重量部をエアゾール缶に入れ、アイソパーM(エクソン化学(株)製)を加え25重量部とし、エアゾールバルブをクリンプした後、ジメチルエーテルを75重量部充填し、全量噴射エアゾール用アクチュエーターを装着することによって内容量25gのエアゾール製剤を得る。
【0018】
次に、本発明組成物の効力試験例を示す。
試験例1
化合物Aと化合物Bの所定量を夫々イソプロピルアルコールに溶解し、さらに同量の蒸留水を加え、所定濃度の各希釈液を得た。また、化合物Aと化合物Bとの混合物についても同様にして混合希釈液を得た。
産下24時間以内のコナヒョウヒダニ卵をろ紙(直径3.8cm)の上に集め、各希釈液0.6mlをろ紙上に滴下し、卵を1分間浸漬処理した。処理後、新しいろ紙上に卵を移し、25℃、湿度65%で保管した。処理10日後に各区の卵の孵化卵数を調査した。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004306056
【0020】
試験例2
化合物Aと化合物Bの所定量を夫々イソプロピルアルコールに溶解し、さらに同量の蒸留水を加え、所定濃度の各希釈液を得た。また、化合物Aと化合物Bとの混合物についても同様にして混合希釈液を得た。コナヒョウヒダニの成ダニと産下24時間以内の卵をろ紙(直径3.8cm)の上に集め、各希釈液0.6mlをろ紙上に滴下し、成ダニと卵を1分間浸漬処理した。処理後、新しいろ紙上に成ダニと卵を移し、25℃、湿度65%で保管した。処理10日後に各区の生ダニ(幼・若ダニと成ダニ)数を調査した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
Figure 0004306056
【0022】
【発明の効果】
本発明組成物は、ダニ、特に屋内に生息するダニを防除する上で卓効を示す。

Claims (2)

  1. 2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドと2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−タ−シャリ−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンとを有効成分として含有することを特徴とする防ダニ組成物。
  2. 2−メトキシカルボニル−4−クロロトリフルオロメタンスルホンアニリドと2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−エトキシ−4−タ−シャリ−ブチルフェニル)−2−オキサゾリンとが重量比で1:0.1〜1:10の割合で含有されてなる請求項1に記載の防ダニ組成物。
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