JP4305967B2 - トコフェロール含有製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トコフェロールを含有する製剤に関し、詳しくは、トコフェロールに動物臓器の加水分解物を配合することによって、製剤の外観劣化及びトコフェロールの含量低下を防止した、安定なトコフェロール含有製剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トコフェロールは体内で強力な抗酸化性を有し、過酸化脂質の生成を抑制する働きがあるほか、末梢循環障害の改善作用、生殖腺に対する賦活作用など様々な薬理作用をもつ。また、トコフェロールの強力な抗酸化性を利用して、ビタミンAや油脂の酸化防止剤として、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム等のトコフェロールのエステル体が製剤で用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、トコフェロール類のヒトにおける吸収においては、トコフェロールのエステル体はそれ自身が直接吸収されることはなく、体内で加水分解を受けトコフェロールに変化した後吸収されることが、またトコフェロールは直接吸収されるため、トコフェロールのエステル体と比べ体内吸収率や体内利用度等の生物活性が強いことが知られている。
しかし、トコフェロールは空気中で酸化を受けやすく、それに起因する劣化により、褐変等の外観劣化及び含量の低下を起こすことも知られており、これらを防止するためにはトコフェロールのエステル体を使用せざるを得ない。そのため、体内吸収及び体内利用の観点からは、トコフェロールのエステル体を使用することなく、トコフェロールを安定に配合することのできる製剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、トコフェロールを配合した製剤に動物臓器の加水分解物を配合することによって、褐変等の外観劣化が起こらず、またトコフェロールの含量が低下しないことを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明はトコフェロールに動物臓器の加水分解物を配合することによって、褐変等の外観劣化及びトコフェロールの含量低下を防止した、安定なトコフェロール含有製剤に関するものである。
【0006】
また、本発明はトコフェロールに動物臓器の加水分解物を配合することによって、トコフェロールを含有する製剤中のトコフェロールの酸化を防止する方法に関する。
【0007】
本発明において用いられるトコフェロールは、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール等が挙げられ、また旋光性を有するもの有しないものどちらでも使用することができる。さらに、どのような方法によって得られたものでも使用することができ、例えば日本薬局方に示された方法により製造したもの又は天然の植物から抽出したものを用いることができる。
【0008】
本発明において用いられる動物臓器の加水分解物は、動物から得られる任意の臓器の1種又は2種以上を混合したものを加水分解することによって得ることができる。動物臓器としては、動物の種類、臓器の種類を問わずいずれのものでも使用することができ、例えばウシやブタなどの心臓、肝臓、胎盤、脳などが用いられる。加水分解の方法は特に限定されず、例えば、動物臓器を酸・塩基で加水分解する方法、動物臓器をペプシン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、プロメリン、フィシン等のプロテアーゼで加水分解する方法、動物臓器を動物の膵臓や組織と混合してホモジナイズすることにより加水分解する方法などを用いることができる。得られた加水分解物は、他の動物臓器の加水分解物と混合して使用することもでき、また必要に応じて濾過、滅菌等の操作を行うことにより本発明に用いることができる。動物臓器の加水分解物としては、ウシ若しくはブタの肝臓の加水分解物又はそれらの混合物が特に好ましく、動物臓器の加水分解物の例としては、BIOFAC社製の『肝水解物(デンマーク産)』や、生化学工業(株)社製の『肝臓水解物「生化学」内服用』等が挙げられる。
【0009】
トコフェロール及び動物臓器の加水分解物の配合量は、本発明の目的を達成するのに必要な量であればよく、トコフェロールについては製剤に対し1〜30重量%であり、動物臓器の加水分解物については製剤に対し0.01〜70.0重量%である。また、トコフェロールと動物臓器の加水分解物の配合比は1:70〜100:1の割合となるように配合することが好ましく、特に1:2〜1:60の割合が好ましい。
【0010】
本発明のトコフェロール含有製剤は、必要に応じてニンジン、コウジン、イカリソウ、オウギ、キョウニン、ゴオウ、オウセイ、ゴミシ、オンジ、ガラナ、クコシ、ケイヒ、ジオウ、トウキ、タイソウ、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の生薬の抽出物、硝酸チアミン、ビスベンチアミン、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸アミド、シアノコバラミン、ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、アスコルビン酸、フィトナジオン、カルシフェロール、レチノール等のビタミン類をはじめとする生理活性物質を配合することができる。さらに、エタノール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール等のアルコール類、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、結晶セルロース、D−マンニトール、ケイ酸カルシウム、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース塩、アルギン酸塩、グリセリン、マクロゴール、デンプン、乳糖等の賦形剤、ブドウ糖、果糖、還元麦芽糖、サッカリン、ソルビトール、単シロップ、白糖、ハチミツ、マンニトール、マルチトール、キシリトール、水飴等の甘味剤、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、グルタミン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、炭酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩等の酸味剤、香料等の添加剤を加えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のトコフェロール含有製剤は、例えば、以下の操作により製造することができる。
液剤を製する場合には、例えば、動物臓器の加水分解物を水に溶解し、これにトコフェロールをポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の水溶液に溶解した溶液を加え、必要に応じて酸、塩基を加えpHを調整して製することができる。
また、固形剤を製する場合には、例えば、動物臓器の加水分解物にトコフェロールを加え、これに必要に応じて乳糖等の賦形剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤、カルメロースカルシウム等の崩壊剤、その他適当な添加剤を加えて均等に混和して散剤、顆粒剤とすることができ、また、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を更に加え圧縮成型すれば錠剤とすることができる。
【0012】
かくして得られた製剤は、そのまま用いることができ、また必要に応じてコーティング、カプセルへの充填、加熱滅菌等の処理を行うことにより経口投与可能な製剤とすることができる。
【0013】
本発明の製剤は、医薬、健康食品、健康飲料、食品添加剤、その他の一般的な飲食品として用いることができる。
【0014】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
<実施例>
コンドロイチン硫酸ナトリウム10g、ニンジン乾燥エキス7g、ビスベンチアミン2.5g、ローヤルゼリー20g、肝臓の加水分解物(商品名:『肝水解物(デンマーク産)』、BIOFAC社製)5g及び結晶セルロース25.5gを混合し、これにトコフェロール(商品名:『理研d−α−トコフェロール』、理研ビタミン(株)社製)10gをエタノールに溶解した溶液を加えて練合する。これを50℃で2時間乾燥し、粉末とした。これをガラス瓶に充填し、キャップを施して内用製剤とした。
【0016】
<比較例>
コンドロイチン硫酸ナトリウム10g、ニンジン乾燥エキス7g、ビスベンチアミン2.5g、ローヤルゼリー20g及び結晶セルロース25.5gを混合し、これにトコフェロール(商品名:『理研d−α−トコフェロール』、理研ビタミン(株)社製)10gをエタノールに溶解した溶液を加えて練合する。これを50℃で2時間乾燥し、粉末とした。これをガラス瓶に充填し、キャップを施して内用製剤とした。
【0017】
<外観観察試験>
実施例の製剤と比較例の製剤を60℃にて保存し、1週間おきに内容物の外観を観察した。外観劣化の程度は、表1に示す観察基準により判定した。表2に結果を示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
<トコフェロール含量試験>
実施例の製剤と比較例の製剤を60℃にて保存し、2週間おきに内容物の一部を取り出して、この中に含まれるトコフェロールの含量をHPLC法により測定した。表3に結果を示す。
【0021】
【表3】
【0022】
表2及び表3から明らかなように、比較例の製剤では外観劣化及びトコフェロールの含量低下が顕著に見られたのに対して、本発明の製剤は外観劣化が認められず、またトコフェロールの含量の低下が全く認められなかった。
【0023】
【発明の効果】
本発明のトコフェロール含有製剤は、褐変等の外観劣化が起こらず、またトコフェロールの含量低下が生じないため、トコフェロールを安定に配合することができ、極めて有用である。
Claims (5)
- トコフェロールと動物の肝臓の加水分解物を配合することを特徴とするトコフェロール含有製剤。
- トコフェロールが製剤に対し1〜30重量%の割合で配合されることを特徴とする請求項1記載のトコフェロール含有製剤。
- 動物の肝臓の加水分解物が製剤に対し0.01〜70重量%の割合で配合されることを特徴とする請求項1記載のトコフェロール含有製剤。
- トコフェロールと動物の肝臓の加水分解物とが1:70〜100:1の割合で配合されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトコフェロール含有製剤。
- トコフェロールに動物の肝臓の加水分解物を配合することによりトコフェロールの酸化を防止する方法。
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