JP4305935B2 - スイッチング電源 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング電源の力率改善と高調波抑制に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来の倍電圧コンデンサインプット型のスイッチング電源の一例を示す回路図である。同図において、交流電源ACは、ダイオードD1〜D4で構成されたブリッジ整流器11に接続され、このブリッジ整流器11には直列接続された平滑コンデンサC1、C2が並列に接続されている。
【0003】
直列接続された平滑コンデンサC1、C2の共通接続点は、スイッチSW1を介してダイオードD3、D4の共通接続点に接続されている。
【0004】
平滑コンデンサC1の正側端子はトランスTRの1次側巻線端子21に接続され、トランスTRの1次側巻線端子22はスイッチング素子Qを介して平滑コンデンサC2の負側端子に接続されている。
【0005】
トランスTRの2次側巻線端子23と24は、ダイオードD9と平滑コンデンサC3によって構成される整流回路25に接続され、整流回路25の出力は負荷回路31に接続されている。
【0006】
制御回路26は、整流回路25の出力電圧を監視し、整流回路25の出力電圧が一定の値になるようにスイッチング素子Qの制御信号Vgateを制御している。このトランスTRと整流回路25とスイッチング素子Qと制御回路26は、トランスTRの1次側に印加された直流電力をトランスTRの2次側に絶縁伝送するDC/DCコンバータ20を構成している。また、ここで示したDC/DCコンバータ20は、トランスTRが一次側の巻線N1と二次側の巻線N2が逆極性に巻線されたフライバック型のDC/DCコンバータである。
【0007】
このような構成のスイッチング電源10では、交流電源ACの出力をブリッジ整流器11及び平滑コンデンサC1、C2によって直流変換された直流電圧VC2がDC/DCコンバータ20のトランスQの1次巻線端子21に印加されて、FET(電界効果トランジスタ)などのスイッチング素子Qによってオンオフされる。
【0008】
すると1次側巻線N1を流れる電流IN1がパルス状に流れるため2次巻線N2にはスイッチング電流ID9が誘起され、これをダイオードD9およびコンデンサC3で構成された整流回路25によって直流化し負荷回路31に供給する。
【0009】
また、このような構成のスイッチング電源10では、スイッチSW1と直列接続されたコンデンサC1、C2が倍電圧回路を構成しているため、入力電圧Vinが低い場合は、スイッチSW1を閉じることによって倍電圧動作を行なってDC/DCコンバータ20に高い入力電圧を供給し、入力電圧Vinが充分高い場合は、スイッチSW1を開くことによって、上述した通常の動作を行なう。
【0010】
このような構成のスイッチング電源は、倍電圧整流方式コンデンサインプット型のスイッチング電源と呼ばれ、広い範囲の入力電圧に対応することが可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の倍電圧整流方式コンデンサインプット型のスイッチング電源では、交流電源ACの整流電圧Vrectが直列接続された平滑コンデンサC1、C2の電圧VC1より低い状態では入力電流Iinが流れない。このためスイッチング電源10の入力電流Iinの波形がパルス状になるため、入力電流の導通角が小さくなり、力率の低下と高調波電流の増加を招くという問題点があった。
【0012】
図17は、上述した倍電圧整流方式コンデンサインプット型のスイッチング電源10において倍電圧整流時の入力電圧Vinと入力電流Iinと平滑コンデンサC1の電圧Vc1(図16において点bに示した点の電位である。)とコンデンサC1の両端電圧Vc1−Vc2とコンデンサC1に流れる電流Ic1とコンデンサC2の両端電圧Vc2とコンデンサC2に流れる電流Ic2の波形図である。
【0013】
同図より明らかなように、入力電流Iinは、入力電圧Vin(正確には入力電圧Vinの整流波形Vrectである。)が平滑コンデンサC1の電圧VC1より低い区間T2では流れず、入力電圧Vinが平滑コンデンサC1の電圧VC1より高い区間T1ではパルス状に流れる。
【0014】
従って従来のコンデンサインプット型のスイッチング電源では、入力電流Iinがパルス状に流れることによって、入力電流の導通角が小さくなりスイッチング電源10の力率の低下を招くと共に高調波電流の増加を招いてしまうという問題点があった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するもので、少ない部品点数及び単純な回路構成で回路力率の向上、高調波電流の抑制を実現するとともに、広い範囲の入力電圧に対応することが可能なスイッチング電源を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために請求項1に記載の発明では、交流電源からの入力を整流する整流回路と、その整流電圧を平滑する平滑コンデンサと、その平滑された電圧を入力として、高周波スイッチングにより電圧変換を行うDC/DCコンバータを有するスイッチング電源において、前記平滑コンデンサを構成する直列接続された第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、前記第1のコンデンサと第2のコンデンサの共通接続点と、前記交流電源の入力端を接続するスイッチ素子と、高周波交流電圧を発生する高周波交流電圧源と、前記整流回路の正の出力に接続された第1の端子(1)と、前記第1のコンデンサの正極にダイオード(D5)を介して接続された第2の端子(2)と、前記高周波交流電圧源にダイオード(D6)を介して接続された第3の端子(3)を備えた第1のインダクタンス素子と、前記整流回路の負の出力に接続された第1の端子(1)と、前記第2のコンデンサの負極にダイオード(D7)を介して接続された第2の端子(2)と、前記高周波交流電圧源にダイオード(D8)を介して接続された第3の端子(3)を備えた第2のインダクタンス素子を備えたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1のインダクタンス素子及び第2のインダクタンス素子は、同一のコアに巻線されて構成されることを特徴とするものである。
【0018】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1のインダクタンス素子及び第2のインダクタンス素子は、複数の巻線により構成され、少なくとも、前記第1の端子(1)と前記第2の端子(2)と前記第3の端子(3)を含む3つ以上の端子を持つカップルドインダクタであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、結合係数が0.9以下であることを特徴とするものである。
【0020】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線を備えたトランス構成を成しており、前記第1の端子(1)は、前記第1の巻線の一端と第2の巻線の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記第1の巻線の他端に接続され、前記第3の端子(3)は、前記第2の巻線の他端に接続されて構成されることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、中間タップを備えたインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)は、前記インダクタンス素子の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記インダクタンス素子の他端に接続され、前記第3の端子(3)は、前記中間タップに接続されて構成されることを特徴とするものである。
【0022】
請求項7に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、中間タップを備えたインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)は、前記インダクタンス素子の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記中間タップに接続され、前記第3の端子(3)は、前記インダクタンス素子の他端に接続されて構成されることを特徴とするものである。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、デルタ型に接続された3つのインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)と第2の端子(2)と第3の端子(3)は、各インダクタンス素子の各接続点に接続されて構成されることを特徴とするものである。
【0024】
請求項9に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記カップルドインダクタは、スター型に接続された3つのインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)と第2の端子(2)と第3の端子(3)は、各インダクタンス素子の各開放端に接続されて構成されることを特徴とするものである。
【0025】
請求項10に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、フライバック方式であることを特徴とするものである。
【0026】
請求項11に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、フォワード方式であることを特徴とするものである。
【0027】
請求項12に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記DC/DCコンバータは、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式であることを特徴とするものである。
【0028】
請求項13に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記高周波交流電圧は、前記DC/DCコンバータ内に備えられたトランスから取り出されるように構成されたことを特徴とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係るスイッチング電源の一実施例を示す回路図である。尚、同図において従来例と同様の構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
本発明の基本回路は、図1に示すように、直列接続された平滑コンデンサC1、C2及びスイッチSW1を備えた倍電圧整流方式コンデンサインプット型のスイッチング電源において、カップルドインダクタL1、L2の第1の端子1をブリッジ整流器11の正及び負の出力にそれぞれ接続し、第2の端子2を直列接続で構成された平滑コンデンサの正側のコンデンサC1の正極及び負側のコンデンサC2の負極にそれぞれダイオードD5、D7を直列に介して接続し、第3の端子3をDC/DCコンバータ20内の高周波交流電圧源Iまたは高周波交流電圧源IIにそれぞれダイオードD6、D8を直列に介して接続するものである。
【0031】
ただし、上記基本回路に用いるカップルドインダクタL1、L2は、それぞれ複数の巻線を持ち少なくとも3つの端子を持つ3端子インダクタであり、図2にこのような構成のカップルドインダクタの構成例を挙げる。
【0032】
同図Aに示すカップルドインダクタは、2つの巻線ア、イを備えたトランス構成を成しており、第1の端子1に2つの巻線ア、イの片側端子が接続され、第2の端子2と第3の端子3にそれぞれの巻線ア、イの反対側端子が接続されて構成されている。
【0033】
同図Bに示すカップルドインダクタは、中間タップを備えた巻線ウによって構成されており、第1の端子1と第2の端子2は、この巻線ウの両端に接続されており、第3の端子3がこの巻線ウの中間タップに接続されて構成されている。
【0034】
同図Cに示すカップルドインダクタは、中間タップを備えた巻線ウによって構成されており、第1の端子1と第3の端子3は、この巻線ウの両端に接続されており、第2の端子2がこの巻線ウの中間タップに接続されて構成されている。
【0035】
同図Dに示すカップルドインダクタは、デルタ型に接続された3つの巻線エ、オ、カによって構成されており、第1の端子1と第2の端子2と第3の端子3は、各巻線エ、オ、カの各接続点に接続されて構成されている。
【0036】
同図Eに示すカップルドインダクタは、スター型に接続された3つの巻線キ、ク、ケによって構成されており、第1の端子1と第2の端子2と第3の端子3は、各巻線キ、ク、ケの各開放端に接続されて構成されている。
【0037】
ここで、上述した基本回路をフライバック型のDC/DCコンバータに適用した回路例を図3に示す。
【0038】
本回路例では、本回路例では、DC/DCコンバータ20のトランスTの一次側巻線に中間タップを設け、これに現れる電圧を高周波交流電圧源Iとし、更に別の一次巻線N3を設け、これに現れる電圧を高周波交流電圧源IIとして使用している。また、上記中間タップによって分割された各巻線をそれぞれN1,N2とする。
【0039】
また、ここで示した回路例では、カップルドインダクタL1、L2として、図2Aに示したトランス型のカップルドインダクタを用いており、部品点数削減のため同一の磁気コアCOREを共有してカップルドインダクタL1A,L1Bとしているが、倍電圧動作時の基本的な動作はそれぞれ独立した磁気コアで構成した場合と同一である。
【0040】
また、ここで示した回路例では、ノイズ対策のため交流電源ACとブリッジ整流器11の間にEMIフィルタ41を挿入している。
【0041】
以下、図4〜図12を用いて、上記図3に示したスイッチング電源の動作について、説明する。尚、上記各図は、上記図3に示したスイッチング電源の以下の動作について説明するものである。
図4,5は、入力電圧Vinの正の半周期における動作を示す。
図6,7は、入力電圧Vinの負の半周期における動作を示す。
図8は、商用周波数を横軸とした、カップルドインダクタL1A,L1Bの各巻線N1A,N2A,N1B,N2Bに流れる電流、および入力電流Iin、入力電圧Vinの波形を示す。図9、10は、スイッチング周波数を横軸とした各部の代表的な動作電圧、電流の波形を示す。
図11、12は、スイッチSW1をオフとし、通常の全波整流としたときの動作を示す。
【0042】
尚、図8,9、10の波形図は、回路シミュレータを用いて得られたものであり、ここで用いた各回路定数は、それぞれ、
L1A,L1B=160uH,N1A:N2A=N1B:N2B=1:1,KcA=KcB=0.85,C1=C2=220uF,T=400uH,N1:N2:N3:N4=2:1:2:1.6,C3=680uFである。
【0043】
また、以下の説明では簡単のため、ダイオードの順方向電圧降下、巻線の寄生抵抗等は無視する。
【0044】
本発明のスイッチング電源では、入力電圧Vinの実効電圧が低い場合には、スイッチSW1をオンとし倍電圧整流を行なう。この時、入力電圧Vinの中で正の半周期の電圧が印加された場合、スイッチQがオンすると、図4に示すように、直列接続された平滑コンデンサC1、C2の充電電圧Vc1でトランスTが励磁される。この時、トランスTの中間タップ電圧VNB1がブリッジ整流後電圧Vrect1より低いとカップルドインダクタL1Aの巻線N1A、ダイオードD6が導通し、カップルドインダクタL1Aとその漏洩インダクタンスを励磁する。
【0045】
次に図5に示すように、スイッチQがオフするとダイオードD9が導通し、トランスTがリセットされ、リセット電流が2次側に供給される。この時、カップルドインダクタL1Aの巻線N2A、ダイオードD5が導通し、カップルドインダクタL1Aがリセットされ、リセット電流が平滑コンデンサC1を充電する。また、カップルドインダクタL1Aの漏洩インダクタンスもリセットされるため、リセット電流がカップルドインダクタL1Aの巻線N1A、ダイオードD6、トランスTの一次側巻線N1をとおり、平滑コンデンサC1を充電するが、トランスTの一次側巻線N1が二次側巻線N4とトランス結合しているため、その巻数比に応じた電流がトランスTのリセット電流に重畳される。
【0046】
この時のスイッチQのゲート電圧Vgate,スイッチQのドレイン電圧Vdrain、スイッチQに流れる電流IQ、ダイオードD9に流れる電流ID9、トランスTの中間タップ電圧VNB1、ブリッジ整流後電圧Vrect1、カップルドインダクタL1Aに流れる電流IL1A、カップルドインダクタL1Aの巻線N1Aに流れる電流IN1A、巻線N2Aに流れる電流IN2Aの各波形を図9に示す。
【0047】
入力電圧Vinの負の半周期の場合には、図6,7に示すように、一次側電流がカップルドインダクタL1B、平滑コンデンサC2を通る経路となる以外は、正の半周期の場合と同様に動作する。尚、図6は、入力電圧Vinの負の半周期においてスイッチQがオンした時の電流の流れを示し、図7は、スイッチQがオフした時の電流の流れを示す。
【0048】
この時のスイッチQのゲート電圧Vgate,スイッチQのドレイン電圧Vdrain、スイッチQに流れる電流IQ、ダイオードD9に流れる電流ID9、トランスTの巻線N3の電圧VNB2、ブリッジ整流後電圧Vrect2、カップルドインダクタL1Bに流れる電流IL1B、カップルドインダクタL1Bの巻線N1Bに流れる電流IN1B、巻線N2Bに流れる電流IN2Bの各波形を図10に示す。
【0049】
こうしたスイッチング動作を繰り返すことにより本発明のスイッチング電源では、カップルドインダクタに流れる電流に高周波成分が重畳し、この結果、図8に示すように入力電流Iinが滑らかな波形となるため高調波電流が抑制されると共に導通角が広がる。従って、スイッチング電源の力率が向上する。
【0050】
また、カップルドインダクタに関してインダクタ電流連続モード動作時には、スイッチQのオン期間の一部はカップルドインダクタL1Aまたは、L1Bの漏洩インダクタンスを励磁することに費やされるため、カップルドインダクタL1A、L1Bの正味の励磁時間がスイッチQのオン期間より短くなる。よって、励磁電流が低く抑えられるため、インダクタ電流連続モード動作時でも入力電流ピークが抑えられる。
【0051】
また、本発明のスイッチング電源では、入力電圧Vinの実効電圧が高い場合には、スイッチSW1をオフとし通常の全波整流を行なう。この場合には図11,12に示すようにカップルドインダクタL1A、L1Bが同時、並列に動作するが、力率改善の動作はスイッチSW1がオンの場合と同様に行われる。尚、図11は、図4と同様に入力電圧Vinの正の半周期においてスイッチQがオンした時の電流の流れを示し、図12は、図5と同様にスイッチQがオフした時の電流の流れを示す。
【0052】
ここで、図1に示した本発明の基本回路をフォワード型のDC/DCコンバータに適用した回路例を図13に示す。同図に示した回路例では、DC/DCコンバータ20のトランスTが同極性に巻線されるフォワード型となっていること以外は、上述したフライバック型のスイッチング電源と同様に動作する。
【0053】
また、図14に図1に示した基本回路において、カップルドインダクタに接続されるダイオードをブリッジと兼用するように構成した場合の回路例を示す。
【0054】
同図に示す回路例では、カップルドインダクタL1A、L1Bの巻線N1A,N1BをダイオードD5、D6を介して、ブリッジ整流器の入力端に接続しているが、本発明のスイッチング電源では、このような構成とすることにより、図3に示した回路の場合と比べて、ダイオードの順方向電圧降下による損失が軽減される利点がある。
【0055】
また、スイッチSW1をオフとして通常の全波整流とする場合、図3の回路ではスイッチQがオンの時、カップルドインダクタL1A、L1Bを同時、並列に励磁するためスイッチSW1がオンのときと比べ実効的なインダクタンス値が小さくなり、インダクタ電流不連続モードよりで動作するのに対し、図14の回路では、入力電圧Vinの正の半周期と負の半周期でカップルドインダクタL1A、L1Bが交互に励磁されるため実効的なインダクタンス値は変わらず、インダクタ電流連続モードよりで動作するという違いがある。このため、平滑コンデンサ電圧C1、C2の電圧上昇、巻線やスイッチQでの導通損を低く抑える効果がある。
【0056】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0057】
例えば、本発明に用いられるDC/DCコンバータは、上述したフライバック型やフォワード型のものに限定されず、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式のDC/DCコンバータを用いても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。本発明のスイッチング電源では、図8と図17に示した入力電流の波形を比較すれば明らかなように、従来のコンデンサインプット型倍電圧整流方式に比べて入力電流導通角を広げ力率を向上させることが可能である。また、入力電流がパルス状に流れず滑らかな電流波形となるため高調波電流を抑制することが可能となる。
【0059】
また、本発明のスイッチング電源は、従来のコンデンサインプット型倍電圧整流方式のスイッチング電源に対して、2つのインダクタンス素子と、4つのダイオードの計6つの受動素子を付加するだけで実現できるため、広い入力電圧範囲で高力率の電源を低コストで実現できる。更に、図3の具体例回路図に示したように、3端子インダクタの磁気コアを共有し1つのカップルドインダクタで構成すると、インダクタンス素子は1つで済むため、より低コスト化が可能となる。
【0060】
更に、カップルドインダクタを用いることの利点として次の点が挙げられる。
【0061】
カップルドインダクタを用いず、図15に示すような単一の巻線で構成されたインダクタンス素子を用いるに場合には、インダクタ素子におけるインダクタ電流連続モード動作時に電流ピークが発生し、力率改善動作を妨げる。しかし、図2−Bに示すような複数の巻線で構成されたインダクタンス素子の場合には、巻線間の結合係数を設定することが可能となり、これをおよそ0.9以下の値に積極的に下げることで電流ピークを抑え、追加部品無しに、広い入出力範囲での力率改善動作が可能になる。
【0062】
更に、図9,10の波形図に示すように、カップルドインダクタの各巻線N1A,N2A,N1B,N2Bに流れる電流はある傾斜を持って減少する。これらの電流は、すなわちダイオードD5,D6,D7,D8に流れる電流なので、各ダイオードはソフトスイッチングターンオフとなる。この現象はカップルドインダクタの漏洩インダクタンスのリセット電流が流れるために起きるものであり、カップルドインダクタの巻線間の結合係数をおよそ0.9以下の値に積極的に下げることで実現される。このソフトスイッチング効果のため、ダイオードの逆回復によるスパイクノイズ、損失等が抑えられ、これらの対策が容易となるため、より一層の低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスイッチング電源の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る3端子インダクタの具体的な構成図である。
【図3】本発明に係るスイッチング電源の具体的な回路図である。
【図4】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図5】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図6】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図7】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図8】本発明に係るスイッチング電源の要部波形図である。
【図9】本発明に係るスイッチング電源の要部波形図である。
【図10】本発明に係るスイッチング電源の要部波形図である。
【図11】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図12】本発明に係るスイッチング電源の動作を説明する図である。
【図13】本発明に係るスイッチング電源の変形実施例を示す回路図である。
【図14】本発明に係るスイッチング電源の変形実施例を示す回路図である。
【図15】本発明に係るスイッチング電源の効果を説明する図である。
【図16】従来のスイッチング電源の一例を示す回路図である。
【図17】従来のスイッチング電源の波形図である。
【符号の説明】
AC 交流電源
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8、D9 ダイオード
L1、L2、L1A、L1B カップルドインダクタ
C1、C2、C3 コンデンサ
T トランス
Q スイッチング素子
11 ブリッジ整流器
20 DC/DCコンバータ
25 整流回路
26 制御回路
31 負荷回路
41 EMIフィルタ

Claims (13)

  1. 交流電源からの入力を整流する整流回路と、その整流電圧を平滑する平滑コンデンサと、その平滑された電圧を入力として、高周波スイッチングにより電圧変換を行うDC/DCコンバータを有するスイッチング電源において、
    前記平滑コンデンサを構成する直列接続された第1のコンデンサ及び第2のコンデンサと、
    前記第1のコンデンサと第2のコンデンサの共通接続点と、前記交流電源の入力端を接続するスイッチ素子と、
    高周波交流電圧を発生する高周波交流電圧源と、
    前記整流回路の正の出力に接続された第1の端子(1)と、前記第1のコンデンサの正極にダイオード(D5)を介して接続された第2の端子(2)と、前記高周波交流電圧源にダイオード(D6)を介して接続された第3の端子(3)を備えた第1のインダクタンス素子と、
    前記整流回路の負の出力に接続された第1の端子(1)と、前記第2のコンデンサの負極にダイオード(D7)を介して接続された第2の端子(2)と、前記高周波交流電圧源にダイオード(D8)を介して接続された第3の端子(3)を備えた第2のインダクタンス素子を備えたことを特徴とするスイッチング電源。
  2. 前記第1のインダクタンス素子及び第2のインダクタンス素子は、同一のコアに巻線されて構成されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  3. 前記第1のインダクタンス素子及び第2のインダクタンス素子は、複数の巻線により構成され、少なくとも、前記第1の端子(1)と前記第2の端子(2)と前記第3の端子(3)を含む3つ以上の端子を持つカップルドインダクタであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  4. 前記カップルドインダクタは、結合係数が0.9以下であることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  5. 前記カップルドインダクタは、第1の巻線と第2の巻線を備えたトランス構成を成しており、前記第1の端子(1)は、前記第1の巻線の一端と第2の巻線の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記第1の巻線の他端に接続され、前記第3の端子(3)は、前記第2の巻線の他端に接続されて構成されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  6. 前記カップルドインダクタは、中間タップを備えたインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)は、前記インダクタンス素子の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記インダクタンス素子の他端に接続され、前記第3の端子(3)は、前記中間タップに接続されて構成されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  7. 前記カップルドインダクタは、中間タップを備えたインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)は、前記インダクタンス素子の一端に接続され、前記第2の端子(2)は、前記中間タップに接続され、前記第3の端子(3)は、前記インダクタンス素子の他端に接続されて構成されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  8. 前記カップルドインダクタは、デルタ型に接続された3つのインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)と第2の端子(2)と第3の端子(3)は、各インダクタンス素子の各接続点に接続されて構成されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  9. 前記カップルドインダクタは、スター型に接続された3つのインダクタンス素子によって構成されており、前記第1の端子(1)と第2の端子(2)と第3の端子(3)は、各インダクタンス素子の各開放端に接続されて構成されることを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源。
  10. 前記DC/DCコンバータは、フライバック方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  11. 前記DC/DCコンバータは、フォワード方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  12. 前記DC/DCコンバータは、ハーフブリッジ方式、Cuk方式、ゼータ方式またはSEPIC方式であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
  13. 前記高周波交流電圧は、前記DC/DCコンバータ内に備えられたトランスから取り出されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
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