JP4305732B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線板の製造分野において、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物及びそれに支持体と保護フィルムを用いて得られる感光性エレメントが広く用いられている。プリント配線板は、感光性エレメントを銅基板上にラミネートして、パターン露光した後、未露光部を現像液で除去し、エッチング又はめっき処理を施して、パターンを形成させた後硬化部分を基板上から剥離除去する方法によって製造されている。
特に半導体パッケージ基板の分野において、回路銅厚が薄い場合は薄膜のレジストが使用される。この場合、レジストの密着性、高解像度、高耐薬品性が要求される。この種の特性のうち、耐薬品性を向上させるのにビスフェノールA骨格をもつ光重合性化合物を使用する方法が、特公平7−27205号公報に記載されているが、これだけでは不十分である。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−27205号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、解像度、耐薬品性(耐めっき性)、密着性、機械強度及び柔軟性が優れる感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの製造方法及びプリント配線板の製造方法を提供するものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、解像度、耐薬品性(耐めっき性)、密着性、機械強度及び柔軟性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものであり、プリント配線の高密度化及び高解像化に有用である。
請求項2及び3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果を奏し、さらに耐薬品性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項4、5、6及び7に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の発明の効果に加えて、さらに解像度が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項8、9及び10に記載の発明は、解像度、耐薬品性、密着性が優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項11、12及び13に記載の発明は、請求項8、9、10に記載の発明の効果を奏し、さらに解像度、ラミネート性が優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項14に記載の発明は、光感度、解像度、耐薬品性、密着性が優れるレジストパターンの製造方法を提供するものである。
請求項15に記載の発明は、解像度、耐薬品性、密着性が優れるプリント配線板の製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、(A)分散度が1.0〜3.0、酸価が30〜600mgKOH/g、重量平均分子量が20,000〜70,000でありスチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分とするバインダーポリマー、(B)ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を25〜60重量%と、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つを25〜60重量%と、を必須成分とし、その他の成分が、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つからなる光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物である。
請求項2に記載の発明は、(A)バインダーポリマーがスチレン又はスチレン誘導体を全共重合成分に対して、3〜30重量%含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物である。
請求項3に記載の発明は、(A)バインダーポリマーが、メタクリル酸を必須の共重合成分とする請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物である。
請求項4に記載の発明は、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が、一般式(I)で表される化合物である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
【化2】
(式中R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、X及びYは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数である)
請求項5に記載の発明は、X及びYがエチレン基である請求項4に記載の感光性樹脂組成物である。
請求項6に記載の発明は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、(A)成分が40〜80重量部、(B)成分が20〜60重量部及び(C)成分が0.01〜20重量部である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
請求項7に記載の発明は、(C)成分の光重合開始剤が、少なくとも1種の2,4,5−トリアリ−ルイミダゾリル2量体及び少なくとも1種のp−アミノフェニルケトンを含有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物である。
【0006】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に塗布及び乾燥してなる感光性エレメントである。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に塗布及び乾燥し、さらに支持体と反対側の感光性樹脂組成物の層に接するように保護フィルムを積層してなる感光性エレメントである。
請求項10に記載の発明は、支持体の厚みが5〜25μmである請求項8又は請求項9に記載の感光性エレメントである。
請求項11に記載の発明は、支持体のヘーズが0.001〜1.5である請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の感光性エレメントである。
請求項12に記載の発明は、保護フィルムの厚みが5〜30μmである請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の感光性エレメントである。
請求項13に記載の発明は、保護フィルムのフィルム長手方向の引張強さが13MPa以上であり、フィルム幅方向の引張強さが9MPa以上である請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の感光性エレメントである。
【0007】
請求項14に記載の発明は、請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の感光性エレメントを、場合によって存在する保護フィルムを剥がしながら、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造方法である。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のレジストパターンの製造方法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)分散度が1.0〜3.0、酸価が30〜600mgKOH/g、重量平均分子量が20,000〜70,000でありスチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分とするバインダーポリマー、(B)ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を25〜60重量%と、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つを25〜60重量%と、を必須成分とし、その他の成分が、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つからなる光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有してなるものである。
上記(A)バインダーポリマーは、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.0〜3.0であり、1.0〜2.0であることが好ましい。分散度が3.0を超えると密着性及び解像度が低下する傾向がある。但し、本発明における重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
上記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、20,000〜70,000であり、40,00〜60,000であることが好ましい。20,000未満では密着性が低下する傾向があり70,000を超えると解像度が低下する傾向がある。
前記(A)バインダーポリマーとしては、スチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分とする。この他に、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂等を組み合わせて用いることができる。
【0009】
前記(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、これらの構造異性体等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。また、前記(A)バインダーポリマーは、密着性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有させることが好ましい。
上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、3〜30重量%含むことが好ましく、4〜28重量%含むことがより好ましく、5〜27重量%含むことが特に好ましい。この含有量が3重量%未満では密着性が劣る傾向があり、30重量%を超えると剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
【0010】
前記(A)成分の酸価は、30〜600mgKOH/gであることが好ましく、100〜200mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなり密着性が低下する傾向があり、600mgKOH/gを超えると光硬化したレジストの耐現像液性が低下する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
また、必要に応じて前記バインダーポリマーは感光性基を有していてもよい。これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
【0011】
前記(B)成分中の必須成分であるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、特に制限はないが、例えば、前記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。前記一般式(I)中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。前記一般式(I)中、X及びYは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。前記一般式(I)中、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数であり、6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることが特に好ましく、8〜20であることが非常に好ましく、8〜16であることが非常に特に好ましく、8〜12であることが極めて好ましい。p+qが4未満では、(A)成分との相溶性が低下し、回路形成用基板に感光性エレメントをラミネートした際にはがれ易い傾向があり、p+qが40を超えると親水性が増加し、現像時にレジスト像がはがれやすく、半田めっき等に対する耐めっき性も低下する傾向がある。
前記炭素数2〜6のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられるが、解像度、耐めっき性の点からエチレン基、イソプロピレン基が好ましい。
また、前記一般式(I)中の芳香環は置換基を有していてもよく、それら置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、これらの置換基で置換されたアリール基等が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよい。また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。また、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも相違していてもよい。
前記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0012】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0013】
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0014】
(B)成分中、前記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物以外の必須成分である3つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、3価のアルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られた化合物、又はトリイソシアネート化合物と重合可能なエチレン性不飽和化合物を持つアルコールとを反応させて得られた化合物等が挙げられる。これらは通常単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0015】
(B)成分中、その他の成分である分子内に少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物として、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマーが挙げられる。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】
前記(C)光重合開始剤としては、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、(C)成分としては、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のN,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノンが挙げられる。また、ベンゾインジメチルエーテル、ベンゾインジエチルエーテル、ベンゾインジイソプロピルエーテル等が挙げられ、これらの化合物は1種用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。
また、p-ジメチル安息香酸、p-ジエチル安息香酸、p-ジイソプロピル安息香酸及びこれらとアルコールのエステル化合物、p-ジメチルアミノベンゾニトリル、p-ジエチルアミノベンゾニトリル、p-ジイソプロピルアミノベンゾニトリル等のニトリル化合物が挙げられる。前記エステル化合物を形成するアルコール成分としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、β-メトキシエタノール、β-エトキシエタノール、β-ブトキシエタノール、n-プロパノ−ル、iso-プロパノ−ル、n-ブタノ−ル、sec-ブタノ−ル、n-アミルアルコール、iso-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、へプチルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜18のアルコールを用いることができる。これらの化合物は1種用いても良いし、2種以上を組み合わせても良い。
【0017】
前記(A)バインダーポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、40〜80重量部とすることが好ましく、45〜70重量部とすることがより好ましい。この配合量が40重量部未満では光硬化物が脆くなり易く、感光性エレメントとして用いた場合に、塗膜性が劣る傾向があり、80重量部を超えると密着性が不充分となる傾向がある。
前記(B)光重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、20〜60重量部とすることが好ましく、30〜55重量部とすることがより好ましい。この配合量が20重量部未満では密着性が不充分となる傾向があり、60重量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
また、(B)光重合性化合物中の必須成分である前記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物の配合量は、(B)成分中10〜70重量%であることが好ましく、25〜60重量%であることがより好ましい。この配合量が10重量%未満では解像度が劣る傾向があり、70重量%を超えると剥離時間が長くなる傾向がある。
また、(B)光重合性化合物中の必須成分である3つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量は、(B)成分中10〜70重量%であることが好ましく、25〜60重量%であることがより好ましい。この配合量が10重量%未満では密着性が劣る傾向があり、70重量%を超えると剥離時間が長くなる傾向がある。
(B)光重合性化合物中には、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物及び3つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を必須成分とし、その他の成分も分子内に少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有するが、その他の成分である分子内に少なくとも2つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の配合量は、0〜80重量%であり、0〜60重量%が好ましく、0〜50重量%がより好ましく、0〜40重量%が特に好ましく、0〜30重量%が非常に好ましく、0〜20重量%が極めて好ましい。
【0018】
前記(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。この配合量が0.01重量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20重量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となり密着性が低下する傾向がある。
【0019】
前記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン、ダイヤモンドグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対して各々0.01〜20重量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0020】
前記感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60重量%程度の溶液として塗布することができる。
前記感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。液状レジストに保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。また、感光性樹脂組成物層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2重量%以下とすることが好ましい。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましく、支持体として用いられる場合、5〜25μmであることが好ましい。また、支持体のヘーズが0.001〜1.5であることが解像性の点から好ましい。保護フィルムとして用いられる場合、取り扱い性、作業性、フィルム特性等から厚みが5〜30μmが好ましい。これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
前記感光性エレメントは、例えば、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層して円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際、支持体が1番外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
【0021】
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを製造するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa(1〜10kgf/cm2程度)の圧力で圧着することにより積層する方法などが挙げられ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法にも使用される。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5重量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5重量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
【0022】
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。上記剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレイ方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜5
表1に示す材料に表2、表3に示す(A)、(B)成分を溶解させ配合し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
*1:表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】
*2:一般式(I)中において、R1及びR2がメチル基、X及びYがエチレンオキサイド基、p+q=10(平均値)である化合物、新中村化学工業株式会社製商品名
*3:一般式(I)中において、R1及びR2がメチル基、X及びYがエチレンオキサイド基を示し、p+q=30(平均値)である化合物、新中村化学工業株式会社製商品名
*4:ペンタエリスリトールトリアクリレート、日本化薬株式会社製商品名
*5:トリメチロールプロパントリメタクリレート、新中村化学工業株式会社製商品名
*6:トリメチロールプロパントリアクリレート、新中村化学工業株式会社製商品名
*7:EO変性ノニルフェニルアクリレート(エチレングリコール鎖の繰り返し単位は8)、共栄社化学株式会社製商品名
*8:ポリプロピレングリコールジアクリレート(プロピレングリコール鎖の繰り返し単位は6〜7)、新中村化学工業株式会社製商品名
*9:ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレングリコール鎖の繰り返し単位は4)新中村化学工業株式会社製商品名
【0028】
次いで、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(ヘーズ:0.3%、商品名A−1517,東洋紡績株式会社製)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(フィルム長手方向の引張強さ、16MPa、フィルム幅方向の引張強さ:12MPa、商品名:NF−15,タマポリ株式会社製)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は、20μmであった。
一方、銅箔(厚み12μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張り積層板(日立化成工業株式会社製、商品名MCL−E−61)の銅表面を、150g過硫酸ナトリウムを用いて25℃、1分間浸漬し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張り積層板を80℃に加温し、その銅表面上に前記感光性樹脂組成物層を保護フィルムを剥がしながら120℃のヒートロールを用い3m/分の速度でラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機HMW−1201(オーク株式会社製)を用いて、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを試験片の上に置いて、60mJ/cm2で露光した。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、30℃で1重量%炭酸ナトリウム水溶液を各々の最少現像時間の2倍(ブレイクポイント50%)の時間スプレーし、未露光部分を除去した後、銅張り積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価し、その結果を表4に示した。光感度は、ステップタブレットの段数で示され、このステップタブレットの段数が高いほど、光感度が高いことを示す。
また、解像度は、ストーファーの21段ステップタブレットを有するフォトツールと解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が10/10〜50/50(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、ストーファーの21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が7.0となるエネルギー量で露光を行った。ここで、解像度は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができたライン幅間のスペース幅の最も小さい値により評価した。解像度の評価は数値が小さいほど良好な値であり、その結果を表4に示した。また、密着性は、ストーファーの21段ステップタブレットを有するフォトツールと解像度評価用ネガとしてライン幅/スペース幅が10/400〜50/400(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、ストーファーの21段ステップタブレットの現像後の残存ステップ段数が7.0となるエネルギー量で露光を行った。ここで、密着性は、現像処理によって未露光部をきれいに除去することができたライン幅間のスペース幅の最も小さい値により評価した。密着性の評価は数値が小さいほど良好な値であり、その結果を表4に示した。
【0029】
耐めっき性は、上記のようにラミネートし、所定の露光量により露光を行い、次いで、上記現像液により現像後、脱脂浴(PC−455(メルテックス社製)25重量%)に5分間浸漬し、水洗した。次いで、ソフトエッチング浴(過硫酸アンモニウム150g/リットル)に2分間浸漬し、水洗した。次いで、10重量%硫酸浴に1分間浸漬するという順に前処理を行い、硫酸銅めっき浴(硫酸銅75g/リットル、硫酸190g/リットル、塩素イオン50ppm、カパーグリームPCM(メルテックス社製)5ミリリットル/リットル)に入れ、硫酸銅めっきを室温(25℃)下、0.5A/dm2で40分間行った。
その後、水洗して、10重量%ホウフッ化水素酸に1分浸漬し、ハンダめっき浴(45重量%ホウフッ化スズ64ミリリットル/リットル、45重量%ホウフッ化鉛22ミリリットル/リットル、42重量%ホウフッ化水素酸200ミリリットル/リットル、プルティンLAコンダクティビティーソルト(メルテックス社製)20g/リットル、プルティンLAスターター(メルテックス社製)41ミリリットル/リットル)に入れ、半田めっきを室温(25℃)下、0.3A/dm2で15分間行った。
水洗、乾燥後、耐めっき性を調べるため直ちに90°ピールオーフ試験を行い、結果を表4に示した。90°ピールオーフ試験とは、めっき処理が施された基板にセロハンテープを貼り、ゴムローラでよく密着させ、これをピール角度90℃で瞬時に引き剥がし、セロハンテープへのレジスト転写度合いを観察することである。また、90℃ピールオーフ試験後、レジストを剥離し、上方から光学顕微鏡、投影機等を用いて、半田めっきのもぐりの有無を観察し、結果を表4に示した。半田めっきのもぐりが生じた場合、透明なレジストを介して、その下部に半田めっきにより析出した半田が観察される。
【0030】
【表4】
【0031】
表4から明らかなように、実施例1〜4は、解像度及び密着性、耐めっき性が優れ、かつ感度も高い。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、解像度、耐薬品性(耐めっき性)、密着性、機械強度及び柔軟性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものであり、プリント配線の高密度化及び高解像化に有用である。
請求項2及び3に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果を奏し、さらに耐薬品性が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項4、5、6及び7に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の発明の効果に加えて、さらに解像度が優れる感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項8、9及び10に記載の発明は、解像度、耐薬品性、密着性が優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求11,12及び13に記載の発明は、請求項8、9、10に記載の発明の効果を奏し、さらに解像度、ラミネート性が優れる感光性エレメントを提供するものである。
請求項14に記載の発明は、光感度、解像度、耐薬品性、密着性が優れるレジストパターンの製造方法を提供するものである。
請求項15に記載の発明は、解像度、耐薬品性、密着性が優れるプリント配線板の製造方法を提供するものである。
Claims (15)
- (A)分散度が1.0〜3.0、酸価が30〜600mgKOH/g、重量平均分子量が20,000〜70,000でありスチレン又はスチレン誘導体を必須の共重合成分とするバインダーポリマー、(B)ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を25〜60重量%と、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つを25〜60重量%と、を必須成分とし、その他の成分が、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1つからなる光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物。
- (A)バインダーポリマーがスチレン又はスチレン誘導体を全共重合成分に対して、3〜30重量%含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)バインダーポリマーが、メタクリル酸を必須の共重合成分とする請求項1又は請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- X及びYがエチレン基である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)成分、(B)成分及び(C)成分の配合量が、(A)成分及び(B)成分の総量100重量部に対し、(A)成分が40〜80重量部、(B)成分が20〜60重量部及び(C)成分が0.01〜20重量部である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- (C)成分の光重合開始剤が、少なくとも1種の2,4,5−トリアリ−ルイミダゾリル2量体及び少なくとも1種のp−アミノフェニルケトンを含有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に塗布及び乾燥してなる感光性エレメント。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の層を支持体上に塗布及び乾燥し、さらに支持体と反対側の感光性樹脂組成物の層に接するように保護フィルムを積層してなる感光性エレメント。
- 支持体の厚みが5〜25μmである請求項8又は請求項9に記載の感光性エレメント。
- 支持体のヘーズが0.001〜1.5である請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の感光性エレメント。
- 保護フィルムの厚みが5〜30μmである請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の感光性エレメント。
- 保護フィルムのフィルム長手方向の引張強さが13MPa以上であり、フィルム幅方向の引張強さが9MPa以上である請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の感光性エレメント。
- 請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の感光性エレメントを、場合によって存在する保護フィルムを剥がしながら、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層し、活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させ、未露光部を現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造方法。
- 請求項14に記載のレジストパターンの製造方法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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