JP4305408B2 - 絶縁膜用材料、絶縁膜用コーティングワニス、及び、これらを用いた絶縁膜並びに半導体装置 - Google Patents
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Description
しかし、一般的にポリイミド樹脂は、耐熱性が低い、誘電率が高い、吸湿性が高い等の問題があった。そのため、その用途は信頼性の上でバイポーラ半導体素子などの一部の半導体素子に限られていた。
また、本発明の目的は、耐熱性および低誘電率である絶縁膜およびそれを用いた半導体装置を提供することにある。
(1) 一般式(1)で表される構造を有する化合物と、前記化合物中のヒドロキシル基と反応する溶解促進化合物とを反応させて得られた化合物を含む絶縁膜用材料であって、該反応させて得られた化合物は、前記ヒドロキシル基末端に、前記溶解促進化合物で構成される基を有するものであり、前記溶解促進化合物が、酸塩化物、酸無水物、ジカーボネート化合物、又はクロロホルメート化合物であることを特徴とする絶縁膜用材料。
[式(1)中、Arは多環式構造を有する基または芳香族基を示し、aは0または1を示す。またR11は、水素または炭素数1以上の有機基を示し、qが2以上の整数である場合、R11は互いに同じであっても異なっていても良い。R1からR5およびR6からR10は、それぞれのベンゼン環において少なくとも1つがArとの結合部位であり、また、少なくとも1つがヒドロキシル基であり、それら以外は、水素、脂環式構造を有する基、該脂環式構造を有する基以外の炭素数1以上10以下の有機基およびカルボキシル基のいずれかを示す。また、R11、R1からR5およびR6からR10は、少なくとも1つが脂環式構造を有する基を示す。qは、0以上の整数である。Xは、−O−、−NHCO−、−CONH−、−COO−および−OCO−のいずれかを示す。]
[式中、Yは、−O−、−S−、−OCO−および−COO−のいずれかを示す。R12とR13は、水素、炭素数1以上10以下の有機基である。nは1以上4以下の整数である。]
(4) 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)におけるXとして−NHCO−を有し、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてカルボキシル基を有するものである第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
(5) 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)におけるXとして−NHCO−を有し、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてヒドロキシル基を有するものである第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
(6) 前記ヒドロキシル基末端の溶解促進化合物で構成される基は、50℃以上400℃以下の温度で脱離するものである第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
(7) 第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
(8) 第(7)項に記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して得られることを特徴とする絶縁膜。
(9) 第(8)項に記載の絶縁膜からなる層間絶縁膜および/又は表面保護層を有することを特徴とする半導体装置。
発明によれば、ポリイミド樹脂とした場合に耐熱性と溶解性に優れるポリイミド樹脂前駆体を得ることができる、また、ポリベンゾオキサゾール樹脂とした場合に耐熱性と溶解性に優れるベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得ることができる。
また、本発明によれば、耐熱性および低誘電率であるポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、樹脂膜およびそれを用いた半導体装置を得ることができる。
本発明の絶縁膜用材料は、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物と、前記化合物中のヒドロキシル基と反応する溶解促進化合物とを反応させて得られた化合物を含むものであって、該反応させて得られた化合物は、前記ヒドロキシル基末端に、前記溶解促進化合物で構成される基を有することにより、耐熱性に優れ、低誘電率である絶縁膜を得ることができる。また、これを用いたワニスなどの製造においては、溶剤に溶解する際に、溶剤溶解性に優れる絶縁膜用材料を得ることができる。
前記多環式構造を有する基としては、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、ノルボルネン構造、アダマンタン構造を有する基などが挙げられ、特にアダマンタン構造を有する基であることが好ましい。前記アダマンタン構造を有する基とは、アダマンタン構造を最小単位とする構造を有するものであり、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基およびウンデカマンチル基など(脂肪族)多環式骨格構造を有する基が挙げられ、更には、前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基などが挙げられる。前記多環式骨格構造を有する基を複数個有する基としては、オリゴ構造やポリ構造を有する基などが挙げられるが、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基の場合、例えば、ジ(1,3−アダマンタン)基およびジ(2,2−アダマンタン)基などのビアダマンチル基、トリ(1,3−アダマンタン)基およびトリ(2,2−アダマンタン)基などのトリアダマンチル基、テトラ(1,3−アダマンタン)基およびテトラ(2,2−アダマンタン)基などのテトラアダマンチル基、ペンタ(1,3−アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基などのペンタアダマンチル基、ヘプタ(1,3−アダマンタン)基およびヘプタ(2,2−アダマンタン)基などのヘプタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカアダマンチル基などのオリゴアダマンタン構造を有する基や、更にアダマンチル基の個数の多いポリアダマンタン構造を有する基などが挙げられ、また、前記多環式骨格構造を有する基としてアダマンチル基以外の基の場合、前記オリゴアダマンタン構造を有する基やポリアダマンタン構造を有する基において該アダマンチル基を置換した基が挙げられ、例えば、ビ−(ジアマンタン)基、トリ−(ジアマンタン)基、テトラ−(ジアマンタン)基、ペンタ−(ジアマンタン)基、ヘキサ−(ジアマンタン)基、ヘプタ−(ジアマンタン)基、オクタ−(ジアマンタン)基、ノナ−(ジアマンタン)基、デカ−(ジアマンタン)基およびウンデカ−(ジアマンタン)基、などのジアマンタン基を複数個有する基、ビ−(トリアマンタン)基、トリ−(トリアマンタン)基、テトラ−(トリアマンタン)基、ペンタ−(トリアマンタン)基、ヘキサ−(トリアマンタン)基、ヘプタ−(トリアマンタン)基、オクタ−(トリアマンタン)基、ノナ−(トリアマンタン)基、デカ−(トリアマンタン)基およびウンデカ−(トリアマンタン)基、などのトリアマンタン基を複数個有する基、ビ−(テトラアマンタン)基、トリ−(テトラアマンタン)基、テトラ−(テトラアマンタン)基、ペンタ−(テトラアマンタン)基、ヘキサ−(テトラアマンタン)基、ヘプタ−(テトラアマンタン)基、オクタ−(テトラアマンタン)基、ノナ−(テトラアマンタン)基、デカ−(テトラアマンタン)基およびウンデカ−(テトラアマンタン)基、などのテトラアマンタン基を複数個有する基、などが挙げられる。これらの中でも、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、ビアダマンチル基、トリアダマンチル基、テトラアダマンチル基、ペンタアダマンチル基、ヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基およびウンデカアダマンチル基が好ましく、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ジ(1,3−アダマンタン)基、トリ(1,3−アダマンタン基)、テトラ(1,3−アダマンタン)基、ペンタ(1,3−アダマンタン)基、ジ(2,2−アダマンタン)基、トリ(2,2−アダマンタン)基、テトラ(2,2−アダマンタン)基およびペンタ(2,2−アダマンタン)基がより好ましい。本発明において、上記多環式構造を導入することにより、耐熱性、溶媒への溶解性を低下させることなく、低誘電率化、耐湿性を向上することができる。上記アダマンタン構造を有する基は、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基などのアルキル基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基およびフルオロブチル基などのフルオロアルキル基などが結合していても良い。
前記一般式(2)におけるYとしては、−O−、−S−、−OCO−、−COO−が挙げられるが、特に−O−が溶剤への溶解性、耐熱性の点で好ましい。
上記構造において、特に、ポリアミドの場合は、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてカルボキシル基を有する場合、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、ポリイミド樹脂前駆体の構造となる。また、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてヒドロキシル基にした場合、一般式(1)で表される構造を有する化合物は、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体構造となる。これらの構造を選んだ場合は、より耐熱性を向上させることができる。
また、ポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体構造となる場合は、これを脱水閉環することにより、ポリベンゾオキサゾール樹脂することができる。
前記テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの組み合わせにおいて、より誘電率を低下させると共に、耐熱性に優れたポリイミド樹脂を得る上で、両方に脂環式構造を有する基を有することが好ましい。
前記ビス−o−アミノフェノールとしては、脂環式構造を有するものとして、上記一般式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
前記脂環式構造を有するビスo−アミノフェノールの具体例としては、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジアダマンチル−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−アダマンチルフェニル)−フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−フェニル)−2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−フルオレン、9,9−ビス[(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−フェニル]−フルオレン、9,9−ビス[(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−フェニル]−2,7−ジアダマンチル−フルオレンおよび9,9−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)−フェニル]−2,7−フルオレンなどのアダマンタン構造とフルオレン構造を有するビスアミノフェノール、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−4,6−ジアダマンチル−ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−ベンゼン、4,6−ジ(1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,6−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,6−ジ(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)ベンゼンおよび4,6−ジ(1−アダマンチル)−1,3−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル−フェノキシ)ベンゼンなどのアダマンタン構造とベンゼン構造を有するビスアミノフェノール、アダマンタン構造とナフタレン構造を有するビスアミノフェノール、アダマンタン構造とアントラセン構造を有するビスアミノフェノール、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−ビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノ−5,5’−ビス(3−(5,7−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))ビフェニル、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ−5−アダマンチルフェノキシ)−ビフェニル、2,2’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ)フェノキシ]−5,5’−ビス(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)ビフェニル)、2,2’−ビス[4−(3−ヒドロキシ−4−アミノ)フェノキシ−フェニル]−5,5’−ビス(3−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル)フェノキシ]−ビフェニルおよび2,2’−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−アダマンチル)フェノキシ]−5,5’−ビス(1−アダマンチル)ビフェニルなどのアダマンタン構造とビフェニル構造を有するビスアミノフェノールなどが挙げられ、アダマンタン構造としては、上記に記載のアダマンタン構造を最小単位とする構造を選ぶことができる。アダマンタン構造の結合位置も、一般式(1)に含まれる範囲で任意に選んでかまわない。
前記脂環式構造を有するジカルボン酸の具体例としては、2,7−ジアダマンチルフルオレン−9,9−ビス安息香酸、9,9−ビス(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェニル)フルオレン、2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)フルオレン−9,9−ビス安息香酸、9,9−ビス(4−カルボキシ−フェニル)−2,7−ジアダマンチル−フルオレン、9,9−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジアダマンチル−フルオレン、9,9−ビス[(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェノキシ)−フェニル]−フルオレンおよび9,9−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−2,7−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−フルオレンなどのアダマンタン構造とフルオレン構造を有するジカルボン酸、1,3−ビス(4−カルボキシル−フェノキシ)−4,6−ジアダマンチル−ベンゼン、1,3−ジカルボキシ−4,6−ジアダマンチル−ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェノキシ)ベンゼン、4,6−ジ[(3−(5,7−ジメチル−1−アダマンチル)−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル))−1,3−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)ベンゼンおよび1,3−ビス(4−カルボキシル−フェノキシ)−4,6−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−ベンゼンなどのアダマンタン構造とベンゼン構造を有するジカルボン酸、アダマンタン構造とベンゼン構造を有するジカルボン酸、アダマンタン構造とナフタレン構造を有するジカルボン酸、アダマンタン構造とアントラセン構造を有するジカルボン酸、2,2’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ジカルボキシ−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニル、2,2’−ビス[(4−カルボキシ−フェノキシ)−フェニル]−5,5’−ビス[3−(1−アダマンチル)−(1−アダマンチル)]−ビフェニル、2,2’−ビス[(4−カルボキシ−3−アダマンチルフェノキシ)−フェニル]−ビフェニル、2,2’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5,5’−ジアダマンチル−ビフェニルおよび2,2’−ビス(4−カルボキシ−フェノキシ)−5,5’−ジ(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−ビフェニルなどのアダマンタン構造とビフェニル構造を有するジカルボン酸などが挙げられ、アダマンタン構造としては、上記に記載のアダマンタン構造を最小単位とする構造を選ぶことができる。結合位置も式(1)に含まれる範囲で任意に選んでかまわない。
前記ビスo−アミノフェノールとジカルボン酸との組み合わせにおいて、より誘電率を低下させると共に、耐熱性に優れたポリベンゾオキサゾール樹脂を得る上で、両方に脂環式構造を有する基を有することが好ましい。
これらの化合物のうち、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物と反応させて得られた化合物における、ヒドロキシル基末端に、前記溶解促進化合物で構成される基が、絶縁膜形成時に、プリベークする温度以上で、該反応させて得られた化合物が加熱により閉環反応を示す温度以下で、脱離するものが好ましく、更には、ジ−t−ブチルジカーボネートは150〜200℃の温度領域で脱離し、ヒドロキシル基を再生することができるので、特に好ましい。
この反応に用いる、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物としては、該化合物を合成し反応容器から回収した生成物を、乾燥済みの物を用いて、溶解促進化合物と反応させてもよいし、あるいは、反応終了後、反応容器から回収することなく、同一反応容器を用いて、生成物溶液をそのまま、溶解促進化合物と反応させてもよい。
前記塩基としては、例えば、4−ジメチルアミノピリジン、ピペリジン、ピリジン、トリエチルアミン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の絶縁膜は、前述したような絶縁膜用材料を用いて得られるものである。これにより、密着性および寸法安定性に優れる。
前記絶縁膜としては、例えば、半導体用の層間絶縁膜や表面保護膜、多層回路の層間絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜、エッチング保護膜(エッチングストッパー)、接着剤等が挙げられる。これらの中でも、半導体用の層間絶縁膜および表面保護膜、エッチング保護膜として好適に用いられる。
図1は、本発明の半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置100は、素子が形成された半導体基板1と、半導体基板1の上側(図1上側)に設けられた窒化珪素膜2と、窒化珪素膜2の上に設けられた層間絶縁膜3およびバリア層6で覆われた銅配線層4を有している。
層間絶縁膜3には、配線すべきパターンに対応した凹部が形成されており、その凹部内には銅配線層4が設けられている。
また、層間絶縁膜3と、銅配線層4との間には、改質処理層5が設けられている。
また、層間絶縁膜3の上側(窒化珪素膜2と反対側面)には、ハードマスク層7が形成されている。
また、上述したような層間絶縁膜は、配線層との密着性に優れるので、半導体装置の接続信頼性をさらに向上できる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、半導体装置の信号損失を低下することができる。
また、上述したような層間絶縁膜は、誘電特性に優れているので、配線遅延を低下することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
温度計、ジムロート冷却管、および攪拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、窒素ガスフロー下で、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル20.6g(0.095mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン800gに溶解し、ピリジン17.4g(0.22mol)を添加した後、−15℃に冷却し、5−アダマンチル−1,3−イソフタル酸クロリド33.7g(0.10mol)を、少しずつ添加した。滴下終了後、−15℃で、1時間撹拌後、室温まで戻し、室温で5時間撹拌した。その後、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、ジ−t−ブチルジカーボネート48.0g(0.22mol)を、この順に添加して、さらに1時間撹拌した。その後、反応液を蒸留水4リットルに小さな液滴で滴下し、沈殿物を集めて乾燥することにより、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、10,000であった。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、13,000であった。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、11,000であった。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、19,000であった。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、15,000であった。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、16,000であった。
得られたポリイミド樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、16,000であった。
得られたポリイミド樹脂前駆体の数平均分子量(Mn)を、東ソー株式会社製GPCを用いてポリスチレン換算で求めたところ、17,000であった。
実施例1のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例2のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例3のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例4のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例5のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例6のベンゾオキサゾール樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ベンゾオキサゾール樹脂前駆体を得た。
得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例7のポリイミド樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ポリイミド樹脂前駆体を得た。
得られたポリイミド樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
実施例8のポリイミド樹脂前駆体の製造において、4−ジメチルアミノピリジン2.4g(0.02mol)、二炭酸ジ−t−1ブチル48.0g(0.22mol)を用いない以外はすべて同様に実施し、ポリイミド樹脂前駆体を得た。
得られたポリイミド樹脂前駆体は溶媒に不溶のため、数平均分子量(Mn)を得ることは出来なかった。
1. 溶解性
上記で得たポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体またはポリイミド樹脂前駆体1gと、N−メチル−2−ピロリドン3gを、ふた付きのガラス製サンプル容器に精秤し、撹拌子で1時間撹拌後の不溶物の有無により判断した。
耐熱性は、ガラス転移温度および熱分解温度で評価した。ガラス転移温度は、得られた樹脂膜を動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製DMS6100)で窒素ガス300mL/min.フロー下、昇温速度3℃/min.、周波数1Hzの条件により測定し、tanδのピークトップ温度をガラス転移温度とした。
また、熱分解温度は、得られた樹脂膜をTG/DTA測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)製TG/DTA220)を用いて、窒素ガス200mL/min.フロー下、昇温速度10℃/min.の条件により測定し、重量の減少が5%に到達した温度を熱分解温度とした。
JIS−K6911に準拠し、周波数100kHzで、ヒューレットパッカード社製HP−4284A Precision LCRメーターを用いて半導体用接着フィルムの容量測定を行い下記計算式により比誘電率を算出した。
比誘電率=(容量測定値×フィルムの厚み)/(真空の誘電率×測定面積)
また、実施例1乃至8は、溶剤に溶解可能であり、かつ誘電率が低く、作業性および誘電特性に優れていることが示された。
また、比較例1乃至8は、溶解性が悪く、樹脂膜を作製することができず、ガラス転移温度、熱分解温度、誘電率が測定できなかった。
実施例1で得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用ワニスを得た。
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に上記で得られたコーティング用ワニスを塗布して、窒素雰囲気のオーブン中で、90℃/1分間、400℃/1時間で加熱処理して、厚さ0.3μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、前記層間絶縁膜に所定のパターンを形成するように金属配線を形成して、半導体装置を得た。
実施例2で得られたベンゾオキサゾール樹脂前駆体を、N−メチル−2−ピロリドンに溶解し、テフロン(登録商標)フィルターで濾過して、コーティング用ワニスを得た。
半導体基板の上に窒化珪素層を形成し、該窒化珪素層上に上記で得られたコーティング用ワニスを塗布して、窒素雰囲気のオーブン中で、90℃/1分間、400℃/1時間で加熱処理して、厚さ0.3μmの層間絶縁膜を形成した。
次に、前記層間絶縁膜に所定のパターンを形成するように金属配線を形成して、半導体装置を得た。
実施例9,10の層間絶縁膜を用いて得られた半導体装置と、この半導体装置と同様な構成でSiO2絶縁膜を有する半導体装置との配線遅延の程度を比較した。評価の基準には、リングオシュレータの発信周波数から換算して求めた信号遅延時間を採用した。両者を比較した結果、本発明で得られた半導体装置では、配線遅延が少なく、実施例9では約10%の速度が向上し、実施例10では約12%の速度が向上することが確認された。
2 窒化珪素膜
3 層間絶縁膜
4 銅配線層
5 改質処理層
6 バリア層
7 ハードマスク層
100 半導体装置
Claims (9)
- 一般式(1)で表される構造を有する化合物と、前記化合物中のヒドロキシル基と反応する溶解促進化合物とを反応させて得られた化合物を含む絶縁膜用材料であって、該反応させて得られた化合物は、前記ヒドロキシル基末端に、前記溶解促進化合物で構成される基を有するものであり、前記溶解促進化合物が、酸塩化物、酸無水物、ジカーボネート化合物、又はクロロホルメート化合物であることを特徴とする絶縁膜用材料。
- 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)におけるArとして一般式(2)で表される構造から選ばれる基を有するものである請求項1記載の絶縁膜用材料。
- 前記一般式(1)における脂環式構造を有する基は、アダマンタン構造を有する基である請求項1または2記載の絶縁膜用材料。
- 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)におけるXとして−NHCO−を有し、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてカルボキシル基を有するものである請求項1乃至3のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 前記一般式(1)で表される構造を有する化合物は、一般式(1)におけるXとして−NHCO−を有し、R2もしくはR3、およびR7もしくはR8としてヒドロキシル基を有するものである請求項1乃至3のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 前記ヒドロキシル基末端の溶解促進化合物で構成される基は、50℃以上400℃以下の温度で脱離するものである請求項1乃至5のいずれかに記載の絶縁膜用材料。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の絶縁膜用材料と、該絶縁膜用材料を溶解若しくは分散させることが可能な有機溶媒を含むことを特徴とする絶縁膜用コーティングワニス。
- 請求項7に記載の絶縁膜用コーティングワニスを、加熱処理して得られることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項8に記載の絶縁膜からなる層間絶縁膜および/又は表面保護層を有することを特徴とする半導体装置。
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