JP4303219B2 - 遊離塩素除去剤、遊離塩素除去方法、および、遊離塩素除去剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生活用水(特に水道水)に含まれている遊離塩素を水中から除去するために用いられる遊離塩素除去剤と、その遊離塩素除去剤を用いた遊離塩素除去方法、および、前記遊離塩素除去剤の製造方法に関する。
一般に、生活用水(特に水道水)は、病原菌の繁殖を防ぐために塩素消毒を施すことが義務付けられている。しかし、塩素消毒が施された水を飲料や炊事や風呂に使う場合、塩素臭がするために不快感を与えたり、人によってはアレルギーを起こす原因となったりするため、残留塩素を除去することが望まれている。
水中の遊離塩素を除去する方法については、既に様々な方法が提案されており、代表的な方法としては、亜硫酸カルシウムを代表とする溶出型還元剤を通水路内に配置することによって残留塩素を分解除去する方法や、吸着剤やイオン交換体で残留塩素を吸着ないし固定する方法などが提案されている。
また、下記特許文献1では、溶出型還元剤で残留塩素を分解除去する方法と、吸着剤やイオン交換体で残留塩素を吸着ないし固定する方法とを併用することも提案されている。この特許文献1によれば、溶出型還元剤の能力が維持できる間は、主に溶出型還元剤の能力で残留塩素を分解除去し、溶出型還元剤の能力が低下したら、吸着剤やイオン交換体で残留塩素を吸着ないし固定することにより、塩素除去能力をより長期にわたって維持できるとされている。
特開2002−143869号公報
しかし、上記特許文献1の段落[0004]にも記載されている通り、溶出型還元剤は、連続的に通水される環境下(例えば浄水器、シャワー等)で使用されると、水中の残留塩素量とは無関係に水中へ溶出して消費されてしまう傾向があるため、実質的には脱塩素に寄与しないまま無駄に消費されることになり、効果の持続性に劣るという問題があった。
また、吸着剤やイオン交換体で残留塩素を吸着ないし固定する方法は、水中のpH変化その他の要因により、吸着ないし固定していた遊離塩素(次亜塩素酸イオン)を、再び脱着ないし遊離させてしまうことがあるため、残留塩素を分解除去する方法とは異なり、吸着剤やイオン交換体そのものが残留塩素の放出源になってしまうおそれがあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、連続的に通水される環境下で使用しても長期にわたって残留塩素を分解除去する効果が持続する遊離塩素除去剤と、その遊離塩素除去剤を用いた遊離塩素除去方法、および、前記遊離塩素除去剤の製造方法を提供することにある。
以下、本発明において採用した特徴的構成について説明する。
請求項1に記載した遊離塩素除去剤は、マグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩」と合成シリカとを含有する原料組成物を成型し、その成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体とし、さらに、当該成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換してなる遊離塩素除去剤であって、前記原料組成物中には、前記原料組成物全体に対する重量比で20重量%〜60重量%の前記合成シリカが配合されていることを特徴とする。
請求項2に記載した遊離塩素除去剤は、請求項1に記載の遊離塩素除去剤において、前記複合炭酸塩または複合酸化物中のマグネシウムとアルミニウムの比率が、原子比(マグネシウム/アルミニウム)で2〜5であることを特徴とする。
請求項3に記載した遊離塩素除去剤は、請求項1または請求項2に記載の遊離塩素除去剤において、前記原料組成物中にセピオライトが配合されていることを特徴とする。
請求項4に記載した遊離塩素除去剤は、請求項3に記載の遊離塩素除去剤において、前記原料組成物中にはアルギン酸ソーダが配合されており、当該原料組成物を塩化カルシウム水溶液中に滴下してアルギン酸ソーダをゲル化させることにより、球状の成型体を成型し、その成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体とし、さらに、当該成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換してなることを特徴とする。
請求項5に記載した遊離塩素除去方法は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊離塩素除去剤を用いて、水中の遊離塩素を除去することを特徴とする。
請求項6に記載した遊離塩素除去方法は、請求項5に記載の遊離塩素除去方法において、粒子状に成型された前記遊離塩素除去剤を通水可能な容器に充填して、前記容器内に水を通すことにより、水中の遊離塩素を除去することを特徴とする。
請求項7に記載した遊離塩素除去剤の製造方法は、「マグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩」と合成シリカとを含有する原料組成物であって、しかも、前記合成シリカが、前記原料組成物全体に対する重量比で20重量%〜60重量%配合されてなる原料組成物を成型する第1の工程と、前記第1の工程で得られた成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体を得る第2の工程と、前記第2の工程で得られた成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換する第3の工程とを有することを特徴とする。
請求項8に記載した遊離塩素除去剤の製造方法は、請求項7に記載の遊離塩素除去剤の製造方法において、前記原料組成物中にはセピオライトおよびアルギン酸ソーダが配合されており、前記第1の工程においては、前記原料組成物を塩化カルシウム水溶液中に滴下してアルギン酸ソーダをゲル化させることにより、球状の成型体を成型することを特徴とする。
以下、上記のような構成を備える本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の遊離塩素除去剤は、アスコルビン酸イオンの作用により、残留塩素を分解除去するものであるが、この遊離塩素除去剤において、アスコルビン酸イオンは、イオン交換体が有するイオン交換基とイオン交換されることにより、イオン交換生成物上に固定されている。そのため、この遊離塩素除去剤を水中に配置しても、アスコルビン酸イオンが水中に遊離することはなく、イオン交換生成物そのものも水に溶解しないので、遊離塩素がイオン交換生成物上のアスコルビン酸イオンと接触してはじめて、遊離塩素の分解反応が起きる。
したがって、この遊離塩素除去剤によれば、連続的に通水される環境下で使用されても、水中の残留塩素量とは無関係に水中へ溶出して無駄に消費されてしまうことがなく、アスコルビン酸イオンを有効利用して、溶出型還元剤よりも塩素除去効果を持続させることができる。
しかも、イオン交換体を利用しているものの、残留塩素をイオン交換によって固定するものではなく、あくまでもイオン交換体に固定したアスコルビン酸イオンの作用で残留塩素を分解するものなので、吸着剤やイオン交換体で残留塩素を固定する技術とも異なり、一度固定した遊離塩素を再び放出してしまうことがない。
なお、本発明で用いるマグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩は、一般にハイドロタルサイトと呼ばれるものであり、一般式MgaAlb(OH)x(CO3y(H2O)zで表される。
本発明においては、複合炭酸塩または複合酸化物中のマグネシウムとアルミニウムの比率が、原子比a/b=2〜5の範囲であると、イオン交換性が高くなるので望ましい。この原子比が2未満の場合には、水酸化アルミニウムが共存するため、イオン交換性が低下する傾向がある。また、この原子比が5超過の場合には、塩基性炭酸マグネシウムが共存するため、やはりイオン交換性が低下する。
一般式中において、(OH)、(CO3)が交換性のアニオンであるが、どのイオンがどの程度交換するかについては明らかではない。
この複合炭酸塩は天然にも存在するが、天然物の場合は不純物も多く含まれ、純品は化学合成によって製造される。合成は比較的容易であり、Mgの水可溶性塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩と、Alの塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの水溶液に過剰の炭酸ソーダ水溶液を加えることで沈殿として得られる。炭酸ソーダの使用量は、理論中和量の1.2〜2.0が普通である。
また、複合酸化物は、上記複合炭酸塩を500℃以上で焼成することによって得られる。500℃未満では炭酸塩の分解が不完全である。また、600℃以下の焼成物は、再度炭酸ソーダなどの水溶液に浸漬すると、元の複合炭酸塩に戻る。600℃より高温で焼成するとマグネシアやアルミナが結晶成長し、炭酸ソーダなどの水溶液中で炭酸塩には戻らなくなる。従って、本発明においては、「マグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩」と合成シリカとを含有する原料組成物を成型したら、その成型体を500℃〜600℃で焼成する
アスコルビン酸は、水中では一部解離してアスコルビン酸イオンを生成する。このようにアスコルビン酸はアニオンを生成するため、ハイドロタルサイトおよび複合酸化物とは、アニオン交換により固体中に固定される。イオン交換の方法としては、アスコルビン酸の水溶液に複合炭酸塩を投入し所定時間攪拌しながら交換する方法が一般的である。複合炭酸塩を含有する成型体を使用する場合には、予め成型した上記化合物をカラムに充填し、アスコルビン酸の水溶液を循環流通させる方法が好ましい。
イオン交換時のアスコルビン酸濃度は1重量%以下が好ましく、これより濃度が高いと強い酸性のため複合酸化物が溶解するおそれがある
出来るだけ長期にわたって効果を持続させるためには、イオン交換量は多いほど良いが、複合酸化物、各イオンに対して飽和交換量を持つため、上限は飽和交換量で決まる。実験的に確認した範囲では、アスコルビン酸イオンの場合、飽和交換量は約100mg/g(PH=7の時)であった。
水中の遊離塩素除去を目的として長期間にわたって効果を持続させるためには、何らかの方法で成型するのが一般的である。成型は、打錠成型、押出し成型、転動造粒、ゲル化成型などで可能であるが、水中の遊離塩素との反応速度を上げるためには、出来るだけ多孔質であることが好ましく、この観点からは転動造粒、もしくは、ゲル化成型が好ましく、さらに、多孔度を高めるためには助剤の添加が好ましい。この点、種々の化合物について検討した結果、比容積が4cc/g以上の合成シリカを添加すると、多孔度が高くなるので好ましいことが分かった。なお、多孔性を付与するためにしばしば用いられる珪藻土やガンマアルミナなどでは、成型・乾燥時あるいは焼成時に収縮が大きく、多孔度の高いものは得られなかった。ゲル化成型の具体的方法について一例を挙げれば、原料組成物中にアルギン酸ソーダを配合しておき、その原料組成物を塩化カルシウム水溶液中に滴下してアルギン酸ソーダをゲル化させることにより、球状の成型体を成型する、といった方法を採用することができる(後述する段落[0025]参照)。
なお、複合酸化物として用いる場合には、複合炭酸塩の状態で成型し、これを焼成して複合酸化物とするが、焼成後の強度を高めるための焼結助剤として10〜20%のセピオライトの添加が有効であった。
成型体の粒子径については小さい方が接触効率の面からは好ましいが、小さすぎると通水時の流通抵抗が増すため、平均粒子径0.5〜2.0mm程度の粒状体となるように造粒するのが好ましい。
以上説明した遊離塩素除去剤は、任意の方法で利用できるが、例えば、成型体を適当な材質、サイズのカラム(円筒体)に詰め、このカラムに通水して使用するようにすると望ましい。この場合、成型体には腐食性がないため、カラムの材質としては、通常水道水の配管などに使用される材料を用いることができる。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
(1)イオン交換体の合成
[複合炭酸塩]
塩化マグネシウム(試薬特級)の1mol/l水溶液200ccと、塩化アルミニウム(試薬特級)の1mol/l水溶液100ccを、2Lのビーカー中で混合し、70℃にて炭酸ソーダ(試薬特級)の1mol/l水溶液700ccを1時間かけて滴下し、複合炭酸塩の沈殿を作った。これを70℃で2時間母液中で熟成したのち、ろ過、乾燥して複合炭酸塩を得た。
以上の手順で複合炭酸塩を製造した場合、Mg/Alの原子比は2、アルカリの過剰率=2であるが、同様の方法でMg/Alの原子比5のものも合成した。また、比較のため、Mg/Alの原子比1.5、6のものも合成した。
複合炭酸塩の確認はX線回折、Mg/Al比の確認は蛍光X線分析による定量法にて行った。
[複合酸化物]
上記手順で得た複合炭酸塩(Mg/Alの原子比2のもの、および5のもの)を500℃で4時間焼成して、複合酸化物を得た。
(2)成型方法
100μm以下に粉砕した複合炭酸塩6g、合成シリカ(東ソー製ニップシール)2g、セピオライト(和光純薬、微粒品)2gに、アルギン酸ソーダ(紀文フード製NPSLL)の1%水溶液70ccを加えてスラリーとし、これをノズルより塩化カルシウムの10%水溶液に滴下してゲルとし、水洗、乾燥して球状の成型体を得た。この成型体を500℃で焼成して複合酸化物の成型体を得た。
また、上記セピオライトを配合せず、且つ、上記合成シリカの配合量を2gから4gに変更し、その他の成型条件および成型手順は上記の通りとして、複合炭酸塩の成型体を得た。
(3)イオン交換法
内径20mm,長さ300mmのガラス製カラムに成型した複合炭酸塩、あるいは、複合酸化物50gを充填し、定量ポンプにて下部よりアスコルビン酸(試薬特級)の0.1%水溶液を供給し、上部からの流出液はアスコルビン酸溶液槽に戻す方法(循環法)でイオン交換を行い、アスコルビン酸溶液槽pHを監視することでイオン交換の進捗状況を把握し、pHが6を超えるたびにアスコルビン酸を溶液に追加しながら溶液のpH変化がなくなるまでイオン交換した。
Mg/Al原子比2の複合炭酸塩の場合、アスコルビン酸の交換量は60mg/g成型体であった(イオン交換体当りでは100mg/g)。
亜硫酸イオンでイオン交換する場合は、亜硫酸ソーダの1%水溶液を使用した以外は上記と同じ方法でイオン交換を行った。ただし、イオン交換の進捗状況は、酸化還元電位を測定して、酸化還元電位の変化が無くなった時点で終了した(参考:1% 亜硫酸ソーダ水溶液の酸化還元電位は約200mV)。
(4)遊離塩素除去試験
前述のカラムにアスコルビン酸イオンまたは亜硫酸イオンでイオン交換した成型体10gを充填し、カラム下部より水道水(遊離塩素0.5ppmを含む)を10リットル/hの速度で供給し、上部流出液中の遊離塩素の有無はo−トリジンによる着色で確認し、イオン交換体当たり処理可能な水量を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0004303219
上記表1の結果から、いずれも遊離塩素を除去する効果を示し、遊離塩素除去剤として使用できることが確認された。また特に、Mg/Alの原子比2〜5のものは、Mg/Alの原子比1.5や6のものに比べ、処理した水道水量が多くなることが確認された。これは、Mg/Alの原子比2〜5の範囲であると、イオン交換体のイオン交換性が高くなり、その結果、より多くのアスコルビン酸イオンがイオン交換体に固定されるからではないかと推察される。
なお、本実施形態において、アスコルビン酸イオンまたは亜硫酸イオンが溶出して遊離塩素を除去しているのではないことは、成型体を水に浸漬したのちろ液をとり、これを水道水に添加しても遊離塩素が除去されなかったことで確認した。
次に、遊離塩素との反応速度改善のため成型体に添加する添加剤について検討した。添加剤の種類と、その添加剤による反応速度改善効果の実験結果を表2に示す。
Figure 0004303219
上記実験において、添加剤の添加量は全て40%とした。
バッチ法で求めた反応速度(遊離塩素が無くなるまでの時間)は、合成シリカの場合が最も早く(=遊離塩素が無くなる時間が短い)、γアルミナや添加剤無しでは遅かった。このような傾向が現れるのは、γアルミナや添加剤無しでは、合成シリカを配合した場合に比べ、より緻密な成型体が得られるため、成型体粒子内への遊離塩素の拡散が遅くなり、その結果、遊離塩素とアスコルビン酸の反応が起き難くなるからではないかと考えられる。
反応速度の遅い成型体であっても遊離塩素の分解除去はできるが、通水速度が同じ場合には、より多くの成型体を用いる必要があり、あるいは、同じ成型体量で遊離塩素を除去するには通水量を減らす必要があり、どちらでもコスト的に不利である。したがって、成型体の量を過大にすることなく、通水量を十分に多くするためには、合成シリカの添加が効果的であると言える。
次に、シリカ含有量の反応速度への影響について検討した。結果を表3に示す。
Figure 0004303219
上記実験において用いたシリカは、全て合成シリカ(東ソー製ニップシール)である。
表3に示すように、シリカ量10%と80%では反応速度(=遊離塩素が無くなる時間)が遅かった。このような傾向が現れるのは、シリカ量10%の場合は、シリカの助剤としての効果(粒子内の拡散を促進する効果=多孔質にする効果)が不十分であることに原因があると考えられる。また、シリカ量80%の場合は、相対的にイオン交換体の含有量が少なくなってしまうため、イオン交換体に固定されるアスコルビン酸も少なくなり、その結果、反応速度が低下するものと考えられる。
既に説明した通り、反応速度の遅い成型体であっても遊離塩素の分解除去はできるが、コスト的には不利なので、成型体の量を過大にすることなく、通水量を十分に多くするためには、合成シリカの添加量を20〜60%にすると効果的であると言える。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、複合炭酸塩または複合酸化物中のマグネシウム/アルミニウム比を、2または5にすると効果的であることを示したが、これは、マグネシウム/アルミニウム比を2〜5の範囲内とすれば効果的であることを示唆する結果であり、マグネシウム/アルミニウム比を3あるいは4などとしてもよい。
また、上記実施形態では、複合酸化物を得るために、複合炭酸塩を500℃で焼成する例を示したが、焼成温度は500〜600℃の範囲内で任意に設定すればよい。
また、成型体を得るための造粒方法も任意であり、打錠成型、押出し成型、転動造粒、ゲル化成型などを任意に利用できる。
さらに、上記実施形態では、複合酸化物の成型体について、焼成後の強度を高めるための焼結助剤としてセピオライトを添加したが、セピオライトを添加するか否かは任意である。

Claims (8)

  1. マグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩」と合成シリカとを含有する原料組成物を成型し、その成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体とし、さらに、当該成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換してなる遊離塩素除去剤であって、
    前記原料組成物中には、前記原料組成物全体に対する重量比で20重量%〜60重量%の前記合成シリカが配合されている
    ことを特徴とする遊離塩素除去剤。
  2. 前記複合炭酸塩または複合酸化物中のマグネシウムとアルミニウムの比率が、原子比(マグネシウム/アルミニウム)で2〜5である
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊離塩素除去剤。
  3. 前記原料組成物中にセピオライトが配合されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊離塩素除去剤。
  4. 前記原料組成物中にはアルギン酸ソーダが配合されており、当該原料組成物を塩化カルシウム水溶液中に滴下してアルギン酸ソーダをゲル化させることにより、球状の成型体を成型し、その成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体とし、さらに、当該成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換してなる
    ことを特徴とする請求項3に記載の遊離塩素除去剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊離塩素除去剤を用いて、水中の遊離塩素を除去する
    ことを特徴とする遊離塩素除去方法。
  6. 粒子状に成型された前記遊離塩素除去剤を通水可能な容器に充填して、前記容器内に水を通すことにより、水中の遊離塩素を除去する
    ことを特徴とする請求項5に記載の遊離塩素除去方法。
  7. マグネシウムおよびアルミニウムの複合炭酸塩」と合成シリカとを含有する原料組成物であって、しかも、前記合成シリカが、前記原料組成物全体に対する重量比で20重量%〜60重量%配合されてなる原料組成物を成型する第1の工程と、
    前記第1の工程で得られた成型体を500℃〜600℃で焼成して前記複合炭酸塩を「マグネシウムおよびアルミニウムの複合酸化物」とすることにより、前記複合酸化物および前記合成シリカが含まれる成型体を得る第2の工程と、
    前記第2の工程で得られた成型体中に含まれる前記複合酸化物をイオン交換体として用いて、前記イオン交換体の有するイオン交換基をアスコルビン酸イオンでイオン交換する第3の工程とを有する
    ことを特徴とする遊離塩素除去剤の製造方法。
  8. 前記原料組成物中にはセピオライトおよびアルギン酸ソーダが配合されており、
    前記第1の工程においては、前記原料組成物を塩化カルシウム水溶液中に滴下してアルギン酸ソーダをゲル化させることにより、球状の成型体を成型する
    ことを特徴とする請求項7に記載の遊離塩素除去剤の製造方法。
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