JP4302928B2 - 電圧印加装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成機に装備されるファーブラシクリーニングローラや感光体の表面を帯電するための帯電ローラ等の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
画像形成機に装備されるファーブラシクリーニングローラや感光体の表面を帯電するための帯電ローラ等の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置としては、例えば特許第３１９２５７５号公報に開示されている。この公報に記載された電圧印加装置は、板バネからなる給電部材の一端部に電気接点部材を装着し、この電気接点部材を回転体の回転軸の端面に上記給電部材のバネ力によって押圧するように構成されている。また、回転体の回転軸を回転自在に支持する軸受を導電性材料によって形成し、この導電性軸受を介して回転体の回転軸に電圧を印加する電圧印加装置も実用化されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記電気接点部材および導電性軸受は回転軸と摺接しているために使用により磨耗して比較的短期間で接触不良が発生する。
【０００４】
本発明は、上記の事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、接点部材が回転軸との摺接によって摩耗しても長期間良好に接触状態を維持することできる電圧印加装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記主たる技術的課題を解決するために、本発明によれば、導電性材料によって形成され軸受によって回転自在に支持された回転軸を有する回転体に電圧を印加するための電圧印加装置において、
導電性材料によって形成され該回転軸に嵌合する嵌合穴を備えた接点部材と、該接点部材を支持する導電性材料からなる弾性支持部材と、を具備し、
該弾性支持部材は該接点部材を装着する接点部材装着部と該接点部材装着部と連続して形成された支持部を備えており、該接点部材は該弾性支持部材の該接点部材装着部を該支持部に対して弾性変形した状態で該嵌合穴が該回転軸に嵌合せしめられている、
ことを特徴とする電極印加装置が提供される。
【０００７】
上記弾性支持部材を取り付けるカバー部材を備えており、上記カバー部材には上記接点部材を嵌合する支持筒部が設けられている。上記接点部材は、上記支持筒部に嵌合する嵌合部と、該嵌合部の一端部に嵌合部の外周面より径方向外方に突出して形成されたフランジ部とを有し、その中央部に上記回転軸と嵌合する嵌合穴が形成されている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成され電極印加装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【０００９】
図１には、本発明に従って構成された電極印加装置を適用したクリーニング機構を装備した画像形成機としてのレーザビームプリンタの概略構成断面図が示されている。
図示のレーザビームプリンタは、合成樹脂によって形成された直方体形状のハウジング２を備えている。ハウジング２の略中央部には、ハウジング２内に前後方向（図１において紙面に垂直な方向）に所定の間隔をおいて配置された図示しない金属板からなる前側および後側側板との間にトナー像形成体としての感光体ドラム３が回転自在に配設されている。この感光体ドラム３は、図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に帯電域、静電潜像形成域、現像域、画像転写域、クリーニング域を順次通して回転駆動せしめられる。この感光体ドラム３の周囲には、帯電域に帯電用のコロナ放電器４、現像域に現像装置５、画像転写域にトナー像形成体としての中間転写体６、クリーニング域に感光体ドラム用のクリーニング機構７がそれぞれ配設されている。また、中間転写体６の図１において左下部には中間転写体用のクリーニング機構８が配設されている。
【００１０】
上記現像装置５は、図示の実施形態においてはイエロートナー用現像ユニット５ａと、マゼンタトナー用現像ユニット５ｂと、シアントナー用現像ユニット５ｃと、黒トナー用現像ユニット５ｄを具備している。また、中間転写体６は、上記感光体ドラム３と同様にハウジング２内に前後方向（図１において紙面に垂直な方向）に所定の間隔をおいて配置された上記前側および後側側板との間に回転自在に配設され、図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に回転駆動せしめられる。
【００１１】
上記クリーニング機構８は、クリーニングハウジング８１内に配設されたファーブラシクリーニングローラ８２を具備している。ファーブラシクリーニングローラ８２は、導電性材料によって形成されクリーニングハウジング８１に回転自在に支持された回転軸８２１と、該回転軸８２１に装着された導電性の円筒状のブラシ８２２とから構成されており、回転軸８２１が図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に回転駆動せしめられる。ブラシ８２２は、例えば導電性の布に導電性のポリエステル繊維を植毛して構成されており、導電性の両面接着テープによって回転軸８２１の周表面に装着されている。このように構成されたファーブラシクリーニングローラ８２には、上記トナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加されるようになっている。このファーブラシクリーニングローラ８２にバイアス電圧を印加する電圧印加装置については、後で詳細に説明する。
【００１２】
上記ハウジング２内の上部には、静電潜像形成手段としてのレーザユニット９１配設されている。このレーザユニット９は、例えばコンピュータから出力された画像情報に基いたレーザ光を上記帯電域と現像域との間の静電潜像形成域にて感光体ドラム３の周表面に投射する。また、上記ハウジング２内の下部には、上記中間転写体６の下側に２次転写ローラ１０が配設されており、この２次転写ローラ１０の下流側（図１において左側）には搬送ベルト機構１１および定着ユニット１２が配設されている。
【００１３】
次に、上記ファーブラシクリーニングローラ８２にバイアス電圧を印加する電圧印加装置について、図２および図３を参照して説明する。
図２には上記ファーブラシクリーニングローラ８２の一端部の支持構造が示されている。ファーブラシクリーニングローラ８２を構成する回転軸８２１は、その一端部がクリーニングハウジング８１の端壁８１１に合成樹脂からなる軸受８３によって回転自在に支持されている。この回転軸８２１は、軸受８３より側方に突出する接点部材嵌合部８２１ａを備えている。上記クリーニングハウジング８１の端壁８１１の側面に、ファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１に電圧を印加する電圧印加装置２０が装着される。この電圧印加装置２０は図３に示すようにユニット化されており、カバー部材２１と、上記回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに嵌合する接点部材２２と、該接点部材２２を支持する弾性支持部材２３とを具備している。
【００１４】
上記カバー部材２１は、適宜の合成樹脂によって形成されており、その中央部には接点部材２２を支持する支持筒部２１１が設けられている。上記接点部材２２は、導電性の合成樹脂によって形成され、上記支持筒部２１１に嵌合する嵌合部２２１と、該嵌合部２２１の一端部に嵌合部２２１の外周面より径方向外方に突出して形成されたフランジ部２２２とを有し、その中央部には上記回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａと嵌合する嵌合穴２２３が形成されている。上記弾性支持部材２３はバネ板等の導電性板材によって形成され、上記接点部材２２における嵌合部２２１の外周面に嵌合する穴２３１ａを備えた接点部材装着部２３１と、該接点部材装着部２３１と連続して形成され上記支持筒部２１１に沿って延びる支持部２３２と、該支持部２３２と連続して形成され上記カバー部材２１の側面および外周面に沿って延びる取付部２３３とを具備している。なお、接点部材装着部２３１は図３に示す自由状態において支持部２３２に対して所定の角度θをもって折り曲げ形成されており、この角度θは図示の実施形態においては６０〜８０度に設定されている。このように構成された弾性支持部材２３は、接点部材装着部２３１の穴２３１ａに上記接点部材２２の嵌合部２２１を嵌合し、フランジ部２２２の側面を導電性の接着剤によって固着する。このように接点部材２２の嵌合部２２１に接点部材装着部２３１の穴２３１ａを嵌合するとともに、フランジ部２２２の側面を固着することにより、接点部材２２を弾性支持部材２３によって確実に支持することができる。以上のようにして弾性支持部材２３に支持された接点部材２２は、図３に示すように嵌合穴２２３の軸線Ｌ１が該嵌合穴２２３と嵌合する状態での上記回転軸８２１の軸線Ｌ２に対して所定の角度α（図示の実施形態においては１０〜３０度）をもって交差して支持されている。
【００１５】
上記のように構成された電圧印加装置２０は、図２に示すように上記クリーニングハウジング８１の端壁８１１の側面に装着される。このとき、電極部材２２の嵌合穴２２３をファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１の一端部に設けられた接点部材装着部８２１ａに嵌合するとともに、接点部材２２の嵌合部２２１を支持筒部２１１に嵌合する。このように接点部材２２の嵌合部２２１を支持筒部２１１に嵌合するためには、弾性支持部材２３の接点部材装着部２３１は支持筒部２１１の図２および図３における右端面に対して図示の実施形態においては１０〜３０度弾性変形する。従って、図２に示す装着状態においては、接点部材装着部２３１に装着された接点部材２２は、嵌合穴２２３の内周面の一部が弾性支持部材２３の弾性力によって回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに押圧された状態が維持される。
【００１６】
一方、上記弾性支持部材２３の取付部２３３にはハウジング２の奥側側面２ａに装着された給電部材２５に接触しており、この給電部材２５が導線２６を介して直流電源２７に接続された定電流制御器２８に接続されている。従って、直流電源２７の電力は定電流制御器２８によって所定の電圧および所定の電流に制御され、導線２６、弾性支持部材２３および接点部材２２を介してファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１に印加される。この結果、回転軸８２１の外周面に装着されたブラシ８２２は、上記トナーの帯電極性と逆極性（図示の実施形態においてはプラス（＋）極性）に帯電せしめられる。なお、クリーニング時にはファーブラシクリーニングローラ８２は回転するため、該回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａと嵌合する接点部材２２の嵌合穴２２３の内周面は使用により磨耗する。しかるに、接点部材２２は嵌合穴２２３が回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに嵌合し、しかも、弾性支持部材２３の弾性力によって回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに押圧された状態が維持されているので、嵌合穴２２３の内周面が磨耗しても回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａとの接触は長期に渡って良好に維持される。また、図示の実施形態における電圧印加装置２０は、カバー部材２１と電極部材２２および弾性支持部材２３とによってユニット化されているので、回転軸８２１との組み付け性が極めて良好となる。
【００１７】
次に、上述したレーザビームプリンタの作用について簡単に説明する。
上記感光体ドラム３が矢印で示す方向に回転せしめられる間に、帯電用のコロナ放電器４が感光体ドラム３の感光層を特定極性に帯電せしめる。次いで帯電用のコロナ放電器４が配設された帯電域と現像装置５が配設された現像域との間の静電潜像形成域においてレーザユニット９からレーザ光が感光体ドラム３上に投射され、感光体ドラム３の周表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。しかる後、現像装置５により感光体ドラム３上の静電潜像にトナーを作用せしめて、静電潜像を顕像化する。このようにして感光体ドラム３に形成されたトナー像は、トナー像形成体としての中間転写体６に転写される。なお、カラー印刷する場合は、各色毎に帯電用のコロナ放電器４による感光体ドラム３の帯電、レーザユニット９による露光、イエロートナー用現像ユニット５ａとマゼンタトナー用現像ユニット５ｂとシアントナー用現像ユニット５ｃおよび黒トナー用現像ユニット５ｄによる現像を実行するとともに、中間転写体６にその都度転写する。これにより、中間転写体６には１枚分の画像信号に対応した多色トナー像が転写される。
【００１８】
一方、図示しない給紙装置から送給された用紙Ｐは、図示しないレジストローラ対で一時停止し、上記のようにしてトナー像が転写された中間転写体６とタイミングをとって中間転写体６と２次転写ローラ１０とが対向する２次転写域に搬送される。２次転写域に搬送された用紙Ｐの表面には、転写ローラ１０の作用によって中間転写体６の周表面に形成されたトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Ｐは中間転写体６から剥離され、搬送ベルト機構１１によって定着ユニット１２に搬送されて、ここでトナー像が用紙の表面に加熱定着された後、ハウジング２外に排出される。
【００１９】
なお、上記のように感光体ドラム３から中間転写体６にトナー像を転写した後に感光体ドラム３の表面に付着している残留トナーは、クリーニング機構７によって除去される。一方、中間転写体６から用紙Ｐにトナー像を転写した後に中間転写体６の表面に付着している残留トナーは、クリーニング機構８のファーブラシクリーニングローラ８２を構成するブラシ８２２によって剥離される。このときブラシ８２２が上述したようにトナーの帯電極性と逆極性に帯電せしめられているので、ブラシ８２２によって剥離された残留トナーはブラシ８２２に吸引され感光体ドラム３の表面から確実に除去される。
【００２０】
以上、図示の実施形態においては、本発明を中間転写体６の表面に付着している残留トナーを除去するためのファーブラシクリーニングローラ８２の電圧印加装置に適用した例について説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム３の周表面を特定極性に帯電せしめる帯電器として接触式の帯電ローラを用いた場合には、この帯電ローラに電圧を印加するための電圧印加装置に本発明を適用してもよく、その他種々の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置に本発明を適用することができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明による電圧印加装置は以上のように構成されており、弾性支持部材は接点部材を装着する接点部材装着部と該接点部材装着部と連続して形成された支持部を備えており、接点部材は弾性支持部材の接点部材装着部を支持部に対して弾性変形した状態で嵌合穴が回転軸に嵌合せしめられているので、嵌合穴の内周面が使用により磨耗しても回転軸との接触は長期に渡って良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に従って構成された電極印加装置を適用したクリーニング機構を装備した画像形成機としてのレーザビームプリンタの概略構成断面図。
【図２】図１に示すクリーニング機構を構成するファーブラシクリーニングローラにバイアス電圧を印加する電圧印加装置の断面図。
【図３】図２に示す電圧印加装置を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
２：画像形成機のハウジング
３：感光体ドラム
４：帯電用コロナ放電器
５：現像装置
５ａ：イエロートナー用現像ユニット
５ｂ：マゼンタナー用現像ユニット
５ｃ：シアントナー用現像ユニット
５ｄ：黒トナー用現像ユニット
６：中間転写体
７：感光体ドラム用のクリーニング機構
８：中間転写体用のクリーニング機構
８１：クリーニングハウジング
８２：ファーブラシクリーニングローラ
９：レーザユニット
１０：２次転写ローラ
１１：搬送ベルト機構
１２：定着ユニット
２０：電圧印加装置
２１：カバー部材
２１１：支持筒部
２２：接点部材
２２１：嵌合部
２２２：フランジ部
２２３：２２３
２３：弾性支持部材
２３１：接点部材装着部
２３２：支持部
２３３：取付部
２４：給電部材
２６：導線
２７：直流電源
２８：定電流制御器
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成機に装備されるファーブラシクリーニングローラや感光体の表面を帯電するための帯電ローラ等の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
画像形成機に装備されるファーブラシクリーニングローラや感光体の表面を帯電するための帯電ローラ等の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置としては、例えば特許第３１９２５７５号公報に開示されている。この公報に記載された電圧印加装置は、板バネからなる給電部材の一端部に電気接点部材を装着し、この電気接点部材を回転体の回転軸の端面に上記給電部材のバネ力によって押圧するように構成されている。また、回転体の回転軸を回転自在に支持する軸受を導電性材料によって形成し、この導電性軸受を介して回転体の回転軸に電圧を印加する電圧印加装置も実用化されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
而して、上記電気接点部材および導電性軸受は回転軸と摺接しているために使用により磨耗して比較的短期間で接触不良が発生する。
【０００４】
本発明は、上記の事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、接点部材が回転軸との摺接によって摩耗しても長期間良好に接触状態を維持することできる電圧印加装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記主たる技術的課題を解決するために、本発明によれば、導電性材料によって形成され軸受によって回転自在に支持された回転軸を有する回転体に電圧を印加するための電圧印加装置において、
導電性材料によって形成され該回転軸に嵌合する嵌合穴を備えた接点部材と、該接点部材を支持する導電性材料からなる弾性支持部材と、を具備し、
該弾性支持部材は該接点部材を装着する接点部材装着部と該接点部材装着部と連続して形成された支持部を備えており、該接点部材は該弾性支持部材の該接点部材装着部を該支持部に対して弾性変形した状態で該嵌合穴が該回転軸に嵌合せしめられている、
ことを特徴とする電極印加装置が提供される。
【０００７】
上記弾性支持部材を取り付けるカバー部材を備えており、上記カバー部材には上記接点部材を嵌合する支持筒部が設けられている。上記接点部材は、上記支持筒部に嵌合する嵌合部と、該嵌合部の一端部に嵌合部の外周面より径方向外方に突出して形成されたフランジ部とを有し、その中央部に上記回転軸と嵌合する嵌合穴が形成されている。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成され電極印加装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【０００９】
図１には、本発明に従って構成された電極印加装置を適用したクリーニング機構を装備した画像形成機としてのレーザビームプリンタの概略構成断面図が示されている。
図示のレーザビームプリンタは、合成樹脂によって形成された直方体形状のハウジング２を備えている。ハウジング２の略中央部には、ハウジング２内に前後方向（図１において紙面に垂直な方向）に所定の間隔をおいて配置された図示しない金属板からなる前側および後側側板との間にトナー像形成体としての感光体ドラム３が回転自在に配設されている。この感光体ドラム３は、図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に帯電域、静電潜像形成域、現像域、画像転写域、クリーニング域を順次通して回転駆動せしめられる。この感光体ドラム３の周囲には、帯電域に帯電用のコロナ放電器４、現像域に現像装置５、画像転写域にトナー像形成体としての中間転写体６、クリーニング域に感光体ドラム用のクリーニング機構７がそれぞれ配設されている。また、中間転写体６の図１において左下部には中間転写体用のクリーニング機構８が配設されている。
【００１０】
上記現像装置５は、図示の実施形態においてはイエロートナー用現像ユニット５ａと、マゼンタトナー用現像ユニット５ｂと、シアントナー用現像ユニット５ｃと、黒トナー用現像ユニット５ｄを具備している。また、中間転写体６は、上記感光体ドラム３と同様にハウジング２内に前後方向（図１において紙面に垂直な方向）に所定の間隔をおいて配置された上記前側および後側側板との間に回転自在に配設され、図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に回転駆動せしめられる。
【００１１】
上記クリーニング機構８は、クリーニングハウジング８１内に配設されたファーブラシクリーニングローラ８２を具備している。ファーブラシクリーニングローラ８２は、導電性材料によって形成されクリーニングハウジング８１に回転自在に支持された回転軸８２１と、該回転軸８２１に装着された導電性の円筒状のブラシ８２２とから構成されており、回転軸８２１が図示しない歯車伝動装置によって矢印で示す方向に回転駆動せしめられる。ブラシ８２２は、例えば導電性の布に導電性のポリエステル繊維を植毛して構成されており、導電性の両面接着テープによって回転軸８２１の周表面に装着されている。このように構成されたファーブラシクリーニングローラ８２には、上記トナーの帯電極性と逆極性のバイアス電圧が印加されるようになっている。このファーブラシクリーニングローラ８２にバイアス電圧を印加する電圧印加装置については、後で詳細に説明する。
【００１２】
上記ハウジング２内の上部には、静電潜像形成手段としてのレーザユニット９１配設されている。このレーザユニット９は、例えばコンピュータから出力された画像情報に基いたレーザ光を上記帯電域と現像域との間の静電潜像形成域にて感光体ドラム３の周表面に投射する。また、上記ハウジング２内の下部には、上記中間転写体６の下側に２次転写ローラ１０が配設されており、この２次転写ローラ１０の下流側（図１において左側）には搬送ベルト機構１１および定着ユニット１２が配設されている。
【００１３】
次に、上記ファーブラシクリーニングローラ８２にバイアス電圧を印加する電圧印加装置について、図２および図３を参照して説明する。
図２には上記ファーブラシクリーニングローラ８２の一端部の支持構造が示されている。ファーブラシクリーニングローラ８２を構成する回転軸８２１は、その一端部がクリーニングハウジング８１の端壁８１１に合成樹脂からなる軸受８３によって回転自在に支持されている。この回転軸８２１は、軸受８３より側方に突出する接点部材嵌合部８２１ａを備えている。上記クリーニングハウジング８１の端壁８１１の側面に、ファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１に電圧を印加する電圧印加装置２０が装着される。この電圧印加装置２０は図３に示すようにユニット化されており、カバー部材２１と、上記回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに嵌合する接点部材２２と、該接点部材２２を支持する弾性支持部材２３とを具備している。
【００１４】
上記カバー部材２１は、適宜の合成樹脂によって形成されており、その中央部には接点部材２２を支持する支持筒部２１１が設けられている。上記接点部材２２は、導電性の合成樹脂によって形成され、上記支持筒部２１１に嵌合する嵌合部２２１と、該嵌合部２２１の一端部に嵌合部２２１の外周面より径方向外方に突出して形成されたフランジ部２２２とを有し、その中央部には上記回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａと嵌合する嵌合穴２２３が形成されている。上記弾性支持部材２３はバネ板等の導電性板材によって形成され、上記接点部材２２における嵌合部２２１の外周面に嵌合する穴２３１ａを備えた接点部材装着部２３１と、該接点部材装着部２３１と連続して形成され上記支持筒部２１１に沿って延びる支持部２３２と、該支持部２３２と連続して形成され上記カバー部材２１の側面および外周面に沿って延びる取付部２３３とを具備している。なお、接点部材装着部２３１は図３に示す自由状態において支持部２３２に対して所定の角度θをもって折り曲げ形成されており、この角度θは図示の実施形態においては６０〜８０度に設定されている。このように構成された弾性支持部材２３は、接点部材装着部２３１の穴２３１ａに上記接点部材２２の嵌合部２２１を嵌合し、フランジ部２２２の側面を導電性の接着剤によって固着する。このように接点部材２２の嵌合部２２１に接点部材装着部２３１の穴２３１ａを嵌合するとともに、フランジ部２２２の側面を固着することにより、接点部材２２を弾性支持部材２３によって確実に支持することができる。以上のようにして弾性支持部材２３に支持された接点部材２２は、図３に示すように嵌合穴２２３の軸線Ｌ１が該嵌合穴２２３と嵌合する状態での上記回転軸８２１の軸線Ｌ２に対して所定の角度α（図示の実施形態においては１０〜３０度）をもって交差して支持されている。
【００１５】
上記のように構成された電圧印加装置２０は、図２に示すように上記クリーニングハウジング８１の端壁８１１の側面に装着される。このとき、電極部材２２の嵌合穴２２３をファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１の一端部に設けられた接点部材装着部８２１ａに嵌合するとともに、接点部材２２の嵌合部２２１を支持筒部２１１に嵌合する。このように接点部材２２の嵌合部２２１を支持筒部２１１に嵌合するためには、弾性支持部材２３の接点部材装着部２３１は支持筒部２１１の図２および図３における右端面に対して図示の実施形態においては１０〜３０度弾性変形する。従って、図２に示す装着状態においては、接点部材装着部２３１に装着された接点部材２２は、嵌合穴２２３の内周面の一部が弾性支持部材２３の弾性力によって回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに押圧された状態が維持される。
【００１６】
一方、上記弾性支持部材２３の取付部２３３にはハウジング２の奥側側面２ａに装着された給電部材２５に接触しており、この給電部材２５が導線２６を介して直流電源２７に接続された定電流制御器２８に接続されている。従って、直流電源２７の電力は定電流制御器２８によって所定の電圧および所定の電流に制御され、導線２６、弾性支持部材２３および接点部材２２を介してファーブラシクリーニングローラ８２の回転軸８２１に印加される。この結果、回転軸８２１の外周面に装着されたブラシ８２２は、上記トナーの帯電極性と逆極性（図示の実施形態においてはプラス（＋）極性）に帯電せしめられる。なお、クリーニング時にはファーブラシクリーニングローラ８２は回転するため、該回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａと嵌合する接点部材２２の嵌合穴２２３の内周面は使用により磨耗する。しかるに、接点部材２２は嵌合穴２２３が回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに嵌合し、しかも、弾性支持部材２３の弾性力によって回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａに押圧された状態が維持されているので、嵌合穴２２３の内周面が磨耗しても回転軸８２１の接点部材嵌合部８２１ａとの接触は長期に渡って良好に維持される。また、図示の実施形態における電圧印加装置２０は、カバー部材２１と電極部材２２および弾性支持部材２３とによってユニット化されているので、回転軸８２１との組み付け性が極めて良好となる。
【００１７】
次に、上述したレーザビームプリンタの作用について簡単に説明する。
上記感光体ドラム３が矢印で示す方向に回転せしめられる間に、帯電用のコロナ放電器４が感光体ドラム３の感光層を特定極性に帯電せしめる。次いで帯電用のコロナ放電器４が配設された帯電域と現像装置５が配設された現像域との間の静電潜像形成域においてレーザユニット９からレーザ光が感光体ドラム３上に投射され、感光体ドラム３の周表面に画像情報に対応した静電潜像が形成される。しかる後、現像装置５により感光体ドラム３上の静電潜像にトナーを作用せしめて、静電潜像を顕像化する。このようにして感光体ドラム３に形成されたトナー像は、トナー像形成体としての中間転写体６に転写される。なお、カラー印刷する場合は、各色毎に帯電用のコロナ放電器４による感光体ドラム３の帯電、レーザユニット９による露光、イエロートナー用現像ユニット５ａとマゼンタトナー用現像ユニット５ｂとシアントナー用現像ユニット５ｃおよび黒トナー用現像ユニット５ｄによる現像を実行するとともに、中間転写体６にその都度転写する。これにより、中間転写体６には１枚分の画像信号に対応した多色トナー像が転写される。
【００１８】
一方、図示しない給紙装置から送給された用紙Ｐは、図示しないレジストローラ対で一時停止し、上記のようにしてトナー像が転写された中間転写体６とタイミングをとって中間転写体６と２次転写ローラ１０とが対向する２次転写域に搬送される。２次転写域に搬送された用紙Ｐの表面には、転写ローラ１０の作用によって中間転写体６の周表面に形成されたトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙Ｐは中間転写体６から剥離され、搬送ベルト機構１１によって定着ユニット１２に搬送されて、ここでトナー像が用紙の表面に加熱定着された後、ハウジング２外に排出される。
【００１９】
なお、上記のように感光体ドラム３から中間転写体６にトナー像を転写した後に感光体ドラム３の表面に付着している残留トナーは、クリーニング機構７によって除去される。一方、中間転写体６から用紙Ｐにトナー像を転写した後に中間転写体６の表面に付着している残留トナーは、クリーニング機構８のファーブラシクリーニングローラ８２を構成するブラシ８２２によって剥離される。このときブラシ８２２が上述したようにトナーの帯電極性と逆極性に帯電せしめられているので、ブラシ８２２によって剥離された残留トナーはブラシ８２２に吸引され感光体ドラム３の表面から確実に除去される。
【００２０】
以上、図示の実施形態においては、本発明を中間転写体６の表面に付着している残留トナーを除去するためのファーブラシクリーニングローラ８２の電圧印加装置に適用した例について説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム３の周表面を特定極性に帯電せしめる帯電器として接触式の帯電ローラを用いた場合には、この帯電ローラに電圧を印加するための電圧印加装置に本発明を適用してもよく、その他種々の回転体に電圧を印加するための電圧印加装置に本発明を適用することができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明による電圧印加装置は以上のように構成されており、弾性支持部材は接点部材を装着する接点部材装着部と該接点部材装着部と連続して形成された支持部を備えており、接点部材は弾性支持部材の接点部材装着部を支持部に対して弾性変形した状態で嵌合穴が回転軸に嵌合せしめられているので、嵌合穴の内周面が使用により磨耗しても回転軸との接触は長期に渡って良好に維持される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に従って構成された電極印加装置を適用したクリーニング機構を装備した画像形成機としてのレーザビームプリンタの概略構成断面図。
【図２】図１に示すクリーニング機構を構成するファーブラシクリーニングローラにバイアス電圧を印加する電圧印加装置の断面図。
【図３】図２に示す電圧印加装置を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
２：画像形成機のハウジング
３：感光体ドラム
４：帯電用コロナ放電器
５：現像装置
５ａ：イエロートナー用現像ユニット
５ｂ：マゼンタナー用現像ユニット
５ｃ：シアントナー用現像ユニット
５ｄ：黒トナー用現像ユニット
６：中間転写体
７：感光体ドラム用のクリーニング機構
８：中間転写体用のクリーニング機構
８１：クリーニングハウジング
８２：ファーブラシクリーニングローラ
９：レーザユニット
１０：２次転写ローラ
１１：搬送ベルト機構
１２：定着ユニット
２０：電圧印加装置
２１：カバー部材
２１１：支持筒部
２２：接点部材
２２１：嵌合部
２２２：フランジ部
２２３：２２３
２３：弾性支持部材
２３１：接点部材装着部
２３２：支持部
２３３：取付部
２４：給電部材
２６：導線
２７：直流電源
２８：定電流制御器
Claims (3)
- 導電性材料によって形成され軸受によって回転自在に支持された回転軸を有する回転体に電圧を印加するための電圧印加装置において、
導電性材料によって形成され該回転軸に嵌合する嵌合穴を備えた接点部材と、該接点部材を支持する導電性材料からなる弾性支持部材と、を具備し、
該弾性支持部材は該接点部材を装着する接点部材装着部と該接点部材装着部と連続して形成された支持部を備えており、該接点部材は該弾性支持部材の該接点部材装着部を該支持部に対して弾性変形した状態で該嵌合穴が該回転軸に嵌合せしめられている、
ことを特徴とする電圧印加装置。 - 該弾性支持部材を取り付けるカバー部材を備えており、該カバー部材には該接点部材を嵌合する支持筒部が設けられている、請求項１記載の電圧印加装置。
- 該接点部材は、該支持筒部に嵌合する嵌合部と、該嵌合部の一端部に該嵌合部の外周面より径方向外方に突出して形成されたフランジ部とを有し、その中央部に該回転軸と嵌合する嵌合穴が形成されている、請求項２記載の電圧印加装置。
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