JP4302504B2 - 射出成形方法及び射出成形機 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂製品の射出成形方法及び射出成形機に関し、特に、溶融材料の充填孔を複数有する多点ゲート式の金型を用いて、比較的薄肉で大型な樹脂成形品の成形を行うに適した射出成形方法及び射出成形機に関する。
一般にTVキャビネットや、コンピュータディスプレイ及び、自動車のバンパーなど、その大きさに対して比較的肉厚が薄く、大型の樹脂成形品を射出成形にて成形を行う場合、樹脂をキャビティ全体に過不足なく行き渡らせる為に複数のゲートから樹脂を注入するいわゆる多点ゲート方式が公知である。
この方式の場合、複数のゲートから同時に樹脂をキャビティに注入すると、各ゲートからの樹脂が合流する位置に於いて、溝状の外観不良であるウェルドラインが発生するという欠点がある。このウェルドラインは、成形品に形成されると強度がこの部分で小さくなり、破断しやすくなったり、また、外観上からも、溝状の後が残るため、好ましくない。また、このウェルドラインを生じさせない為に、1点のゲートのみで充填すると、末端まで十分な圧力が伝わらないため、充填が不十分であったり、流動末端部にヒケが生じる。さらには、ゲート部と流動末端部の圧力の差が大きいため、樹脂の収縮が不均一となり、反り変形が生じやすくなる。
このため、このような欠点を解消する射出成形法として、キャビティに接続した多点ゲートの注入順位をあらかじめ定めておき、第1番目のゲートからキャビティ内に注入された溶融樹脂の流頭が、第2番目のゲートの位置に達した後に第2番目のゲートから樹脂を注入する成形法が、知られている(例えば特開平11−348078号公報、特開平7−144340号公報)。
特開平11−348078号公報 特開平7−144340号公報
しかし、上記特許文献1、2に記載の成形法は、バルブの開閉制御、及びゲートピンの開閉を制御することにより行われている。従って、溶融材料がガラス繊維を含有している場合には、バルブ開閉に伴う摺動部や、ゲートとゲートピンとの隙間にガラス繊維が入り込み、このような状態で開閉摺動すると、バルブやゲートにおける摺動部の摩耗の原因となる。そして、摩耗が大きくなると、バルブ内周囲と摺動部との隙間や、ゲートとゲートピンとの隙間が大きくなり、溶融材料の充填の制御ができなくなる。その結果、成形品にウェルドラインが発生したり、ヒケや、反り変形が生じる。
要約すれば、特許文献1、2に記載の成形法は、あくまでも、ガラス繊維を含有しない溶融材料を用いる場合に適用される成形法であって、ガラス繊維を含有する溶融材料を用いる場合は不良成形品が生じるため、現実的には使用できないという課題がある。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、ガラス繊維を含有する溶融材料を用いた場合でも、ランナ分岐位置での摺動面の摩耗をなくし、ウェルドラインが発生しない良好な成形品を得ることができる射出成形方法及びこの方法を実施する射出成形機を提供することである。
上記目的を達成するための本発明射出成形方法は、スプルとキャビティとの間に、スプルから分岐した複数のランナが設けられ、前記複数のランナに夫々続く複数のゲートキャビティに設けられると共に、エジェクタロッドの前進後退に伴って前進後退するランナ切替用部材がその先端部を前記分岐位置に位置させて配置された射出成形機用金型装置を用いて、前記複数のランナにかかる第1番目のゲートからキャビティ内に充填した溶融材料の流頭が、第2番目のゲートを通過した後に、第2番目のゲートからキャビティ内に溶融材料の注入を開始し、以下順番にこの充填タイミングで降順位のゲートから溶融材料を順次に注入し成形する射出成形方法であって、固定側型板(10a)と可動側型板(13a)とでキャビティ(20)を形成する型閉工程と、エジェクタロッド(37)を前進させることによりランナ切替用部材(25)を前進させ、その先端により第2ランナ(24・24)を閉じ且つ第1ランナ(23)を開いた状態とするエジェクタロッド前進工程と、
前記エジェクタロッド前進工程で開いた前記第1ランナ(23)を介して溶融材料を前記キャビティ(20)内に射出させる射出工程と、前記射出工程の後、前記エジェクタロッド(37)を後退させランナ切替用部材(25)を後退させることにより、ランナ切替用部材の先端により閉じていた前記第2ランナ(24・24)をも開いた状態とし、前記第1ランナ(23)及び当該第2ランナ(24・24)の双方を介して溶融材料を前記キャビティ(20)内に射出させるエジェクタロッド後退工程と、エジェクタロッド後退工程の後、前記キャビティを開く型開工程と、前記型開工程の後、前記エジェクタロッド(37)を前記エジェクタロッド前進工程におけるよりも前方に前進させ、これに伴って前進する成形品用エジェクタピン()により前記キャビティで成形された成形品を突き出すと共に、当該エジェクタロッド(37)の前進に伴って前進する前記ランナ切替用部材(25)により、前記分岐位置に残留した残留固化物を突き出して排出させる成形品突出工程と、を備えることを特徴とする
この構成であると、成形品離型時に、分岐位置に残留し固化した材料が排出されるので、従来例のように摺動面に入り込んだ残留樹脂に含まれるガラス繊維によって摺動面が摩耗するというを事態を防止することができる。即ち、本発明では、1成形サイクル毎に分岐位置に残留し固化した材料が排出されるので、残留固化した材料に摩耗要因となるガラス繊維が含まれていても、1成形サイクル毎に排出されて、次の成形サイクル時には摩耗要因となるガラス繊維が残留することがない。そのため、摺動面が摩耗することが防がれる。この結果、ウェルドラインが発生しない良好な成形品を得ることができる。
なお、本発明は、固化した材料が、ガラス繊維、炭素繊維、及び無機フィラーの何れかを含む場合に使用するのが好ましい。ただし、ガラス繊維等を含有していない場合にもウェルドラインが発生しない良好な成形品を得ることができることは勿論である
また、ランナの切替えタイミングは、(1)スクリュの位置を検出する検出手段を設け、この検出手段によってスクリュの位置が予め定めた切換位置に達したときに、ランナ切替用部材を後退させて行うようにしてもよく、(2)ランナ切替えタイミングを計測するタイマを設け、このタイマによって計測されたランナ切替えタイミング時にランナ切替用部材を後退させて行うようにしてもよい。
上記の本発明に係る射出成形方法は、次の構成を備えた射出成形機によって実現される。
すなわち、スプルとキャビティとの間に、スプルから分岐した複数のランナが設けられ、前記複数のランナに夫々続く複数のゲートがキャビティに設けられており、前記複数のランナにかかる第1番目のゲートからキャビティ内に充填した溶融材料の流頭が、第2番目のゲートを通過した後に、第2番目のゲートからキャビティ内に溶融材料の注入を開始し、以下順番にこの充填タイミングで降順位のゲートから溶融材料を順次に注入することができる射出成形機用金型装置と、スクリュー式射出装置と、を備える射出成形機であって、
前記射出成形機用金型装置が、固定側取付板(10b)および固定側型板(10a)と構成される固定側金型(10)と、可動側取付板(13b)および、一対のスペーサブロック(30)を介して前記可動側取付板(13b)に固定された可動側型板(13a)とで構成される可動金型(13)とを有してなる金型装置と、前記可動側取付板(13b)の前端面側に配置されたリンク部材32Aと、前記リンク部材32Aに間隔を空けて対向配置されたリンク部材32Cと、前記一対のリンク部材32A・32Cのそれぞれの端部同士をそれぞれ連結する一対のリンク部材32B・32Bとで形成されるリンク部材枠組と、前記可動側取付板(13b)に設けられた挿通孔(36)を挿通した先端が前記リンク部材32Aの後端面に当接し前記リンク部材32Aを押圧して前記リンク部材枠組全体を前方に押し出すことができる、前進後進自在なエジェクタロッド(37)と、前記一対のスペーサブロック(30)の内方側でかつ、可動側取付板(13b)と可動側型板(13a)との間でかつ前記リンク部材32Aの前端面側に配置された部材であって、当該部材と前記リンク部材32Aの間に介装された一対のコイルバネ(33)により、リンク部材32Aを可動側取付板13b側に向けて付勢しているエジェクタプレート(31)と、前記エジェクタプレート(31)にそれぞれ固着された成形品用エジェクタピン(34)及びリターンピン(35)と、前記リンク部材32Cの前端面に固着され、前記エジェクタロッド(37)の前進後退により前記リンク部材枠組を介して前進後退するランナ切替用部材(25)と、前記ランナ切替用部材(25)の先端側に設けられたスプル(21)と、前記スプル(21)から分岐した複数のランナであって、前記ランナ切替用部材(25)の先端が前記スプル(21)と前記ランナの分岐位置を前後することにより前記スプルと分岐ランナとの連通状態が選択される複数のランナと、を有することを特徴とする射出成形機を用いることによって実現される。
ここで上記射出成形機においては、前記射出成形機がエジェクタロッドの前進後退動作を制御する制御手段を有し、前記複数のランナが第1ランナ(23)と第2ランナ(24・24)とからなり、前記ランナ切替用部材(25)が、前記制御手段の制御に基づいて前進するエジェクタロッド(37)の動きに伴ってその先端が前進位置にまで進み、前記第1ランナ(23)を開き、前記第2ランナを閉じた状態とし、他方、前記制御手段の制御に基づいて後進するエジェクタロッド(37)の動きに伴ってその先端が後退位置にまで戻り、閉じられていた前記第2ランナをも開く構成とすることができる。
また、上記射出成形機においては、前記スクリュー式射出装置のスクリュの位置が予め定められた切換位置に達したときに切換位置信号を発する検出手段を有し、前記検出手段からの信号を受けて、前記制御手段が、前記エジェクタロッドを後退させることにより、前記ランナ切替用部材の先端を前記後退位置にまで戻す、構成とすることができる。
本発明によれば、ウエルドラインが発生しない良好な成形品が得られるとともに、ガラス繊維、炭素繊維、及び無機フィラーの何れかを含む溶融材料を用いた場合でも、成形品離型時に、分岐位置に残留し固化した材料が排出されるので、残留樹脂に含まれるガラス繊維等によって摺動面が摩耗するというを事態を防止することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の射出成形が使用される金型装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図であり、図2は金型装置の断面図であり、図3は図2の一部拡大図であり、図4はランナ切替えの動作を説明するための図であり、図5はランナの分岐経路を示す図であり、図6はキャビティの平面図である。本実施の形態1に係る射出成形機1は、インラインスリクュ式射出装置2と、電動トグル式型締装置3と、制御装置4とから構成されている。射出装置2は電動式射出装置であって、射出用モータ100及びスクリュ回転駆動用モータ101が備えられている。射出用モータ100の出力軸はボールネジ102で構成され、このボールネジ102の回転によって射出アクチュエータ103が前進・後進するようになっている。この射出アクチュエータ103には連結部材104が回転可能に連結されており、この連結部材104の端部にはスクリュ5が固着されている。このような構成により、射出用モータ100の回転により、射出アクチュエータ103及び連結部材104を介して、スクリュ5が加熱筒6の内周面に沿って前後進自在となっている。
また、スクリュ回転駆動用モータ101の出力軸には、プーリ105が装着されている。このプーリ105と、連結部材104の外周に装着されているプーリ106間には、ベルト107が巻き掛けられている。このような構成により、スクリュ回転駆動用モータ101の回転駆動力はベルト107を介して連結部材104に伝達される。この連結部材104の回転によって、スクリュ5が加熱筒6の内周面に沿って回転自在となっている。
スクリュ5の回転に伴なって、ホッパ8内に供給された樹脂ペレットはスクリュ5の前方へ送られ、この間に加熱筒6の外周面に取付けられているヒータ(図示せず)による加熱を受けると共に、スクリュ5の回転による混練作用を受けることにより樹脂ペレットが溶融する構成となっている。
スクリュ5の前方へ送られた溶融材料の量が、予め設定された量に達した時点でスクリュ回転駆動用モータ101の回転駆動を停止すると共に、射出用モータ100を駆動してスクリュ5を前進させることにより、スクリュ5前方に貯えられた溶融樹脂は、ノズル9を経由して金型装置の金型キャビティ内へ射出される。
なお、射出アクチュエータ103には、ラック108が固着されている。このラック108に噛合うピニオン109の回転軸には、ロータリーエンコーダ110が装着されている。このような構成により、スクリュ5の位置がロータリーエンコーダ110によって検出され、スクリュ5の位置データは制御装置4に与えられるようになっている。
一方、型締装置3は、固定金型10を支持する固定盤11に対し、タイバー12を介して可動金型13を支持する可動盤14を前進・後退自在に設けると共に、金型の開閉および型締めを行う型締め手段としてトグル式型締機構15をエンドプレート16を介して可動盤14に対して取付け、前記トグル式型締機構15を駆動するための型締用サーボモータ17が設けられている。この型締用サーボモータ17の出力軸はボールネジ51として構成されており、このボールネジ51に螺合するボールナット52がトグル式型締機構15の中央リンクプレート15aに連結されている。そして、サーボモータ17の回転力が、ボールネジ51の回転力として伝達され、次いで、ボールナット52を介して直線運動に変換されて、トグル式型締機構15を駆動するように構成されている。
本実施の形態1における図2に示す金型装置は、3プレート型の金型装置であって、固定金型10と可動金型13とからなり、固定金型10は固定側型板10aと固定側取付板10bとから構成され、可動金型13は可動側型板13aと可動側取付板13bとから構成されている。また、固定側型板10aと固定側取付板10bとの間には、ランナストリッパプレート10cが介在している。固定側型板10aと可動側型板13aの間にはキャビティ20が設けられている。また、このキャビティ20とスプル21との間には、図4に示すように、スプル21から分岐した第1ランナ23と第2ランナ24,24が設けられており、第1ランナ23は第1ゲートG1を介してキャビティ20に連通して、各第2ランナ24はそれぞれ第2ゲートG2を介してキャビティ20に連通している。そして、後述するように、第1ランナ23と第2ランナ24,24とを、分岐位置で所定のタイミングで選択的に切替えることにより、各ゲートG1,G2,G2の充填タイミングの切替えを行うように構成されている。
本実施の形態では、ランナの切替えは、ランナ切替用部材25の前進・後退により行うようになっている。具体的に説明すると、固定側型板10aには、スプル21の先端部(図2、図3の左側端部)が挿入している穴26が形成されている。穴26は、角穴であっても、丸穴であってもよい。この穴26は、小径部26aと、大径部26bとからなり、この穴26内をランナ切替用部材25が挿通している。このランナ切替用部材25は、穴26に対応して、小径部26aとほぼ同様の小径部25aと、大径部26bとほぼ同様の大径部25aとからなる。そして、この穴26の大径部26bには、第1ランナ23と第2ランナ24,24とが連通している。第1ランナ23の連通口と、第2ランナ24,24の連通口とは、図4(2)、(4)に示すように穴26の周方向に90度ずれた位置に形成されている。
そして、ランナ切替用部材25が前進位置(図4(1)、(2))に位置するときには、ランナ切替用部材25の大径部25bによって、第2ランナ24,24の連通口が閉じられた状態となるため、溶融材料は第1ランナ23のみを流れる。
ランナ切替用部材25が後退位置(図4(3)、(4))に位置するときには、第2ランナ24,24の連通口が開かれた状態となるため、溶融材料は第1ランナ23に加えて、第2ランナ24,24にも流れる。これにより、溶融材料が、第1ゲートG1からの充填に加えて、第2ゲートG2,G2からも充填されることになり、この結果、ウェルドラインのない成形品が得られることになる。
また、可動側型板13aは一対のスペーサブロック30を介して可動側取付板13bに固定されている。スペーサブロック30は、段差面30aを有する段差状に形成されている。この一対のスペーサブロック30の内方側でかつ、可動側型板13aと可動側取付板13bとの間には、エジェクタプレート31が配設されている。エジェクタプレート31は、プレート部31Aと、プレート部31Aに固着されたプレート部31Bとからなる。このエジェクタプレート31には、成形品用エジェクタピン34と、リターンピン35とが固着されている。リターンピン35の外周には、コイルバネ35aが装着されており、このコイルバネ35aによって、エジェクタプレート31は、その後端面(図2の左端面)がスペーサブロック30の段差面30aに当接するように付勢されている。
また、エジェクタプレート31とリンク部材32A間には、一対のコイルバネ33が介装されており、このコイルバネ33によってリンク部材32Aは可動側取付板13b側に向けて付勢されている。このリンク部材32Aの両端部には図2の左右方向に延びるリンク部材32Bの一端部がそれぞれ固着されており、このリンク部材32Bの他端部にはリンク部材32Cが固着されている。このリンク部材32Cには、ランナ切替用部材25が固着されている。そして、リンク部材32Aの後端面(図2の左端面)には、エジェクタロッド37の先端が当接可能となっている。従って、エジェクタロッド37の前進により、リンク部材32Aが前進すると、リンク部材32Cを介してランナ切替用部材25が前進し、スプル21と第1ランナ23とが連通状態で、スプル21と第2ランナ24,24とはランナ切替用部材25によって遮断状態とすることができる。また、エジェクタロッド37の後退により、コイルバネ33のバネ力によって、リンク部材32Aが可動側取付板13bに接触する位置まで後退すると、リンク部材32Cを介してランナ切替用部材25も後退し、スプル21と第1ランナ23との連通状態に加えて、スプル21と第2ランナ24,24とが連通状態とすることができる。
また、可動側取付板13bの中央部には挿通孔36が形成されており、この挿通孔36をエジェクタロッド37が挿通している。このエジェクタロッド37は電動式エジェクタ駆動機構38によって前後進方向(図1の左右方向)に移動自在となっている。
電動式エジェクタ駆動機構38はサーボモータ40を有している。このサーボモータ40の出力軸はボールネジ41として構成されており、このボールネジ41に螺合するボールナット42が連結部材43を介して可動盤44に連結されている。そして、可動盤44には前記エジェクタロッド37が固着されている。なお、サーボモータ40はサーボモータ用コントローラ45によって正転・逆転が制御されている。そして、サーボモータ40の回転力が、ボールネジ41の回転力として伝達され、次いで、ボールナット42を介して直線運動に変換されて、可動盤44を駆動し、エジェクタロッド37が前後進できるように構成されている。なお、図2において、200はランナロックピンである。
また、この射出成形法で使用されるプラスチック材料としては、従来から使用されている射出成形可能な全ての種類の材料が使用できる。これらには、低密度ポリエチレン、ポリエチレン−酢酸ビニルコポリマーなど各種エチレンコポリマー、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、一般用ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、各種ポリアミド例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6T、ナイロンMXD6など、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケント、ポリアミドイミド、ポリイミド、液晶ポリマー(LCP)などがある。また、これらをベースにしたポリマーアロイ、例えばポリカーボネート/ABS、ナイロン6/ABS、ポリブチレンテレフタレート/ABS、ナイロン6/変形ポリエチレン、ポリアセタール/熱可塑性ポリウレタン、ナイロン66/ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレートなどが使用できる。
さらに、これらのプラスチックやポリマーアロイに強化用繊維例えばガラス繊維、炭素繊維、無機フィラーなどを配合した材料が用いられる。例えば、ガラス繊維強化ポリプロピレン、ガラス繊維強化ABS、ガラス繊維強化ポリアミド、ガラス繊維強化ポリカーボネート、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリカーボネート/ABSなどがある。
無機フィラー の例としては、炭素材料、および金属(例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、窒化物(例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素)などが挙げられる。これらは、単独で、または2種またはそれ以上の混合物として使用することができる。
酸化物としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、フェライト類が挙げられる。
水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムが挙げられる。
炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイトが挙げられる。
硫酸塩としては、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維が挙げられる。
珪酸塩としては、例えば、珪酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ペントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサリト、ガラスビーズ、シリカ系バルンが挙げられる。
窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素が挙げられる。
その他の無機フィラー としては、例えば、各種金属粉、チタン酸カリウム、MOS(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムポレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、各種磁性粉、スラグ繊維が挙げられる。
さらに、この成形法は各種熱可塑性エラストマー、例えばポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマーなどが使用できる。また、射出成形可能な熱硬化性プラスチック例えばフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂(BMC)なども使用できる。
図7は実施の形態1の成形サイクルを示すフローチャートである。図7を参照して、成形サイクルの動作について説明する。なお、ランナの切替えはエジェクタロッド37の前進・後進駆動により行うものである。
先ず、型閉工程が行われる(ステップS1)。そして、型閉が完了すると、エジェクタロッド37が前進駆動を開始する(ステップS2)。なお、初期状態では、リンク部材32Aはコイルバネ33によって可動側取付板13bに接触した状態となっており、このような状態でエジェクタロッド37の前進によってリンク部材32Aが押圧され、リンク部材32Aは前進する。そして、リンク部材32Aがエジェクタプレート31に当接すると、エジェクタロッド37は前進駆動を停止する(ステップS3)。また、リンク部材32Cに固着されたランナ切替用部材25が図2の状態で停止し、これにより第1ランナ23のみが選択された状態となる。
このような状態で、射出工程が開始される(ステップS4)。これにより、溶融樹脂がスプル21→第1ランナ23→第1ゲート23G→キャビティ20を辿り、キャビティ20に充填されていく。また、射出開始ともに、スクリュ5の位置がロータリーエンコーダ102によって計測される。そして、スクリュ5が切換位置(或いは予め設定された指定位置)に達すると、エジェクタロッド37を後退させる(ステップS5)。なお、このスクリュ5が切換位置(或いは予め設定された指定位置)に達した時点は、第1ゲートG1からキャビティ20内に充填された溶融樹脂の流頭が、図6のラインL1で示すように第2ゲートG2を通過した直後である。
エジェクタロッド37の後退により、リンク部材32Aはコイルバネ33の付勢力によって後退し、これに同伴してランナ切替用部材25も後退する。そして、リンク部材32Aの後端面が可動側取付板13bの前面に当接し、リンク部材32Aの後退が停止する。これにより、ランナ切替用部材25は図3の状態から後退し、スプル21と第1ランナ23との連通状態に加えて、スプル21と第2ランナ24,24とが連通状態となる。この結果、第1ゲートG1から注入された溶融材料の流れに加えて第2ゲートG2,G2から注入される新たな溶融材料の流れにより付勢されて充填されることになり、この結果、ウェルドラインの発生を防止すると共に、キャビティには充分な流動性と流動圧で充填されることにより、ヒケ等の不良をなくした成形品を得ることができる。
次いで、保圧終了後、冷却工程(ステップS6)を経て、型開工程(ステップS7)となる。この型開工程においては、先ず、ランナストリッパプレート10cと固定側型板10aの合わせ面が開かれ、次いで、可動側型板13aと固定側型板10aの合わせ面が開かれる。
次いで、成形品の突き出し工程(ステップS8)となる。この突き出し工程においては、エジェクタロッド37が前進し、リンク部材32Aの前面がエジェクタプレート31に当接し、この状態でさらに前進する。これにより、エジェクタプレート31が前進する。この結果、成形品用エジェクタピン34が前進して、成形品が突き出される。この際、リンク部材32Cも前進し、リンク部材32Cに固着されていランナ切替用部材25も前進し、この結果、分岐位置に残留し固化した材料(固化材料はガラス繊維、炭素繊維、及び無機フィラーを含む)は、成形品と伴に突き出されて排出される。従って、摩耗要因となるガラス繊維、炭素繊維、無機フィラーは、成形サイクル毎に突き出されて排出されことになり、従来技術のように摩耗要因が生じることがなく、耐磨耗性が向上する。その後、成形品用エジェクタピン34は後退して元の状態に復帰する。そして、ステップS1に戻り、次の成形サイクルに移る。
上記の例では、ランナ切替えタイミングをロータリーエンコーダ110によるスクリュの位置を計測することにより行ったけれども、タイマを用いて射出開始からタイマで計測してタイムアウトでランナ切替用部材25を後退させるようにしてもよい。
なお、スプル21、第1ランナ23および第2ランナ24,24によって構成される溶融材料の供給経路は、図5に限られものではない。即ち、図5では、スプル21に対して距離aだけ偏心した位置に成形品300の中心がくる場合の例であったけれども、図8に示すように、スプル21の中心と成形品300の中心を同一にするような場合であってもよい。
(実施の形態2)
図9は実施の形態2に係る金型装置の断面図であり、図10はランナの分岐経路を示す図であり、図11はキャビティ内に溶融材料が充填されていく状態を示す図である。上記実施の形態1では、第1ゲートG1および第2ゲートG2,G2はキャビティ20の上部に設けられたけれども、本実施の形態2では第1ゲートG1および第2ゲートG2,G2はキャビティ20の側方に設けられた、所謂サイドゲート型の金型装置が使用される。本実施の形態2では、ランナ切替用部材25が挿入される穴26は可動側型板13aに形成されている。ランナ切替用部材25はエジェクタプレート32に固着されている。なお、エジェクタプレート32は、プレート部32Aとプレート部32Bとからなる。このエジェクタプレート32には、ガイドピン40が固着されている。
本実施の形態2では、スプル21から共通ランナ49を経て、ランナ分岐部Aに導かれ、このランナ分岐部A(図10参照)において、第1ランナ23および第2ランナ24,24に分岐するようになっている。なお、図9において、50はパーティングロックセット、51は引張りリンクである。
このような構成の金型装置における溶融材料の充填動作は、基本的には実施の形態1と同様である。以下、その動作の概要を説明する。先ず、エジェクタロッド37が前進し、エジェクタプレート32に当接した後、さらにエジェクタロッド37が前進すると、エジェクタプレート32も前進する。これにより、ランナ切替用部材25も前進し、エジェクタロッド37が前進を停止したとき、ランナ切替用部材25は図9に示す状態となり、第1ランナ23のみが選択された状態となる。これにより、溶融材料は、スプル21→共通ランナ49→第1ランナ23→第1ゲートG1を経てキャビティ20内に流れ込む(図11(1)参照)。次いで、スクリュ5が切換位置に達すると、エジェクタロッド37が後退し、これにより、ランナ切替用部材25も後退し、スプル21と第1ランナ23との連通状態に加えて、スプル21と第2ランナ24,24とが連通状態となる。これにより、第2ゲートG2,G2からも溶融材料が充填されていく(図11(2)参照)。そして、キャビティ20内が溶融材料で完全に充填されると(図11(3)参照)、射出工程が終了する。
(実施の形態3)
図12は実施の形態3に係る金型装置の断面図であり、図13はランナの分岐経路を示す図である。本実施の形態3は、2プレート型金型装置を使用すること、及び、成形品を2個取りするために分離した2つのキャビティ20A,20Bを使用することを特徴とするものである。ランナ分岐部Aは、上記実施の形態1と同様にスプル21の先端に設けられている。ランナ分岐部Aにおいて、穴26に挿入するランナ切替用部材25はエジェクタプレート32に固着されている。従って、エジェクタロッド37の前進・後退によるランナ切替用部材25の前進・後退によって、ランナの切替えが制御される。なお、ランナ切替えのタイミングは、上記実施の形態1、2と基本的に同様である。
(実施の形態4)
図14は実施の形態4に係るランナの分岐経路を示す図であり、図15は図14の矢視X−X断面図であり、図16はキャビティ内に溶融材料が充填されていく状態を示す図である。本実施の形態4は、厚肉部70と薄肉部71とからなる成形品を成形する場合の例である。第1ゲートG1はキャビティ20の一辺72に備えられ、第2ゲートG2はキャビティ20の一辺72と隣り合う一辺73に備えられている。
第1ゲートG1から溶融材料が充填され、その溶融材料の流頭が、第2ゲートG2を通過した後に、第2ゲートG2からキャビティ20内に溶融材料の注入を開始すると、図16(1)の状態、図16(2)の状態、図16(3)の状態と、充填されていく。従って、ウェルドの発生を防止できる。
なお、参考までに述べると、ゲートが1個の場合には、図17(1)の状態、図17(2)の状態、図17(3)の状態と、充填されていく。従って、ウェルド250が発生する。本実施の形態4では、このような厚肉部70と薄肉部71とからなる成形品においてウェルドの発生を防止することができるという効果を奏する。
参考例5)
図18は参考例5に係る金型装置の一部を示す図であり、図19は参考例5に係る金型装置におけるランナ切り替えの駆動機構を示す図である。参考例5は、成形品の形状が大きく、また成形品の形状によりゲート位置が対称位置に設けられない場合の射出成形法の例である。上記実施の形態1〜4では、油圧エジェクタロッド37により、ランナ切替用部材25を前・後進して使用したが、本例では金型内にアクチュエータを設けてランナ切替用部材25を前進・後退させる方式とした。アクチュエータは油圧シリンダ、空圧シリンダ、機械的機構等で行うこともある。この例では、一対のアクチュエータ80a,80bのロッドがランナ切替用部材25A,25Bを夫々駆動する構成となっている。
溶融材料の注入に際しては、先ず、アクチュエータ80a,80bが図19に示す前進位置にあり、第1ランナ23のみが選択され、溶融材料は第1ランナ23を介して第1ゲートG1から充填される。次いで、アクチュエータ80aを後退させると、第1ランナ23及び第2ランナ24aが選択され、溶融材料は第1ランナ23を介して第1ゲートG1から充填されることに加えて、第2ランナ24aを介して第2ゲートG2からも充填される。さらに、アクチュエータ80bを後退させると、第1ランナ23、第2ランナ24a及び第2ランナ24bが選択され、第1ランナ23を介して第1ゲートG1からの充填、第2ランナ24aを介して第2ゲートG2からの充填に加えて、第2ランナ24bを介して第3ゲートG3からも充填される。
このようにして、タイミングを変えて多段に充填することにより、ゲート位置が対称位置に設けられない場合においても、ウェルドラインのない良好な成形品を得ることができる。
なお、この例では、2段構成であったけれども、勿論3以上の複数段構成も可能である。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態では、射出装置2としては電動式射出成形装置を用いたけれども、油圧式射出成形装置を用いてもよい。また、型締装置3としては電動トグル式型締装置を用いたけれども、電動直圧式型締装置、油圧トグル式型締装置、及び、油圧直圧式型締装置のいずれを用いてもよい。
本発明は、溶融材料の充填孔を複数有する多点ゲート式の金型を用いて、比較的薄肉で大型な樹脂成形品の成形を行うに適した射出成形方法および射出成形機用金型装置に、好適に実施することができる。特に、溶融材料としては、ガラス繊維、炭素繊維及び無機フィラーの何れかを含む場合に最適である。
本発明の射出成形が使用される金型装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図である。 実施の形態1に係る金型装置の断面図である。 図2の一部拡大図である。 ランナ切替えの動作を説明するための図であって、図4(1)(2)はランナ切替用部材が前進位置にある場合、図4(3)(4)はランナ切替用部材が後退位置にある場合を示す。 実施の形態1に係る金型装置におけるランナの分岐経路を示す図である。 実施の形態1に係る金型装置におけるキャビティの平面図である。 実施の形態1の成形サイクルを示すフローチャートである。 実施の形態1に係る金型装置におけるランナの分岐経路の変形例を示す図である。 実施の形態2に係る金型装置の断面図である。 実施の形態2に係る金型装置におけるランナの分岐経路を示す図である。 実施の形態2に係る金型装置のキャビティ内に溶融材料が充填されていく状態を示す図である。 実施の形態3に係る金型装置の断面図である。 実施の形態2に係る金型装置におけるランナの分岐経路を示す図である。 実施の形態4に係るランナの分岐経路を示す図である。 図14の矢視X−X断面図である。 実施の形態4に係る金型装置のキャビティ内に溶融材料が充填されていく状態を示す図である。 ゲートが1個数の場合に、キャビティ内に溶融材料が充填されていく状態を示す図である。 参考例5に係る金型装置の一部を示す図である。 参考例5に係る金型装置におけるランナ切り替えの駆動機構を示す図である。
符号の説明
20:キャビティ
21:スプル
23:第1ランナ
24:第2ランナ
25:ランナ切替用部材
26:穴
31,32:エジェクタプレート
37:エジェクタロッド
G1:第1ゲート
G2:第2ゲート
G3:第3ゲート
A:ランナ分岐部

Claims (5)

  1. スプルとキャビティとの間に、スプルから分岐した複数のランナが設けられ、前記複数のランナに夫々続く複数のゲートキャビティに設けられており、前記複数のランナにかかる第1番目のゲートからキャビティ内に充填した溶融材料の流頭が、第2番目のゲートを通過した後に、第2番目のゲートからキャビティ内に溶融材料の注入を開始し、以下順番にこの充填タイミングで降順位のゲートから溶融材料を順次に注入することができる、射出成形機用金型装置とスクリュー式射出装置とを備える射出成形機であって、
    前記射出成形機用金型装置は、
    固定側型板(10a)と固定側取付板(10b)で構成される固定側金型(10)と、一対のスペーサブロック(30)を介して前記可動側取付板(13b)に固定された可動側型板(13a)と、可動側取付板(13b)とで構成される可動金型(13)とを有してなる金型装置と、
    前記可動側取付板(13b)の前端面側に配置されたリンク部材32Aと、前記リンク部材32Aに間隔を空けて対向配置されたリンク部材32Cと、前記一対のリンク部材32A・32Cのそれぞれの端部同士をそれぞれ連結する一対のリンク部材32B・32Bとで形成されるリンク部材枠組と、
    前記可動側取付板(13b)に設けられた挿通孔(36)を挿通した先端が前記リンク部材32Aの後端面に当接し前記リンク部材32Aを押圧して前記リンク部材枠組全体を前方に押し出すことができる、前進後進自在なエジェクタロッド(37)と、
    前記一対のスペーサブロック(30)の内方側でかつ、可動側取付板(13b)と可動側型板(13a)との間でかつ前記リンク部材32Aの前端面側に配置された部材であって、当該部材と前記リンク部材32Aの間に介装された一対のコイルバネ(33)により
    リンク部材32Aを可動側取付板13b側に向けて付勢しているエジェクタプレート(31)と、
    前記エジェクタプレート(31)にそれぞれ固着された成形品用エジェクタピン(34)及びリターンピン(35)と、
    前記リンク部材32Cの前端面に固着され、前記エジェクタロッド(37)の前進後退により前記リンク部材枠組を介して前進後退するランナ切替用部材(25)と、
    前記ランナ切替用部材(25)の先端側に設けられたスプル(21)と、
    前記スプル(21)から分岐した複数のランナであって、前記ランナ切替用部材(25)の先端が前記スプル(21)と前記ランナの分岐位置を前後することにより前記スプルと分岐ランナとの連通状態が選択される複数のランナと、
    を有することを特徴とする射出成形機。
  2. 請求項1に記載の射出成形機において、
    前記射出成形機はエジェクタロッドの前進後退動作を制御する制御手段を有し、
    前記複数のランナは第1ランナ(23)と第2ランナ(24・24)とからなり、
    前記ランナ切替用部材(25)は、前記制御手段の制御に基づいて前進するエジェクタロッド(37)の動きに伴ってその先端が前進位置にまで進み、前記第1ランナ(23)を開き、前記第2ランナを閉じた状態とし、他方、前記制御手段の制御に基づいて後進するエジェクタロッド(37)の動きに伴ってその先端が後退位置にまで戻り、閉じられていた前記第2ランナをも開く、
    ことを特徴とする射出成形機。
  3. 請求項2に記載の射出成形機において、
    前記射出成形機は、前記スクリュー式射出装置のスクリュの位置が予め定められた切換位置に達したときに切換位置信号を発する検出手段を有しており、
    前記検出手段からの信号を受けて、前記制御手段が、前記エジェクタロッドを後退させることにより、前記ランナ切替用部材の先端を前記後退位置にまで戻す、
    ことを特徴とする射出成形機。
  4. 請求項1ないし3に記載の射出成形機を用いる射出成形方法であって、
    固定側型板(10a)と可動側型板(13a)とでキャビティ(20)を形成する型閉工程と、
    エジェクタロッド(37)を前進させることによりランナ切替用部材(25)を前進させ、その先端により第2ランナ(24・24)を閉じ且つ第1ランナ(23)を開いた状態とするエジェクタロッド前進工程と、
    前記エジェクタロッド前進工程で開いた前記第1ランナ(23)を介して溶融材料を前記キャビティ(20)内に射出させる射出工程と、
    前記射出工程の後、前記エジェクタロッド(37)を後退させランナ切替用部材(25)を後退させることにより、ランナ切替用部材の先端により閉じていた前記第2ランナ(24・24)をも開いた状態とし、前記第1ランナ(23)及び当該第2ランナ(24・24)の双方を介して溶融材料を前記キャビティ(20)内に射出させるエジェクタロッド後退工程と、
    エジェクタロッド後退工程の後、前記キャビティを開く型開工程と、
    前記型開工程の後、前記エジェクタロッド(37)を前記エジェクタロッド前進工程におけるよりも前方に前進させ、これに伴って前進する成形品用エジェクタピン(34)により前記キャビティで成形された成形品を突き出すと共に、当該エジェクタロッド(37)の前進に伴って前進する前記ランナ切替用部材(25)により、前記分岐位置に残留した残留固化物を突き出して排出させる成形品突出工程と、
    を備えることを特徴とする射出成形方法。
  5. 請求項4に記載の射出成形方法において、
    前記溶融材料が、ガラス繊維、炭素繊維、及び無機フィラーの何れかを含むものである、
    ことを特徴とする射出成形方法。
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