JP4301369B2 - 磁石体及びその磁石体を用いた箱又は磁選機 - Google Patents

磁石体及びその磁石体を用いた箱又は磁選機 Download PDF

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Description

本発明は、食品、薬品、飼料、その他の加工品の原材料から、永久磁石によって金属異物を除去する磁選機(マグネット・セパレーター)に関し、より詳しくは、粉粒体その他の流体が流動するシステムに装着することにより、その流体に混入している金属異物を除去する筒形磁選機に関する。
近年、食品業界では、衛生面、安全面から高い品質の保証が求められており、品質管理工程の見直しが絶えず行われている。その背景には、製造物責任法の施行(1995年7月)や、厚生省による、HACCP(危害分析重要管理点)システムに基づく総合衛生管理製造過程における承認制度の施行(1996年5月)があることも見逃せない。危害分析を行い、HACCPシステムの構築を進めていく中で、食品産業において、依然、物理的危害の問題は回避できないものとなっている。
物理的危害によって、異物混入や容器破損が引き起こされるが、特に異物混入が深刻な問題であることは、食品製造業者に寄せられる苦情の多さからも明らである。その対策として、原材料に混入した様々な異物を排除するために、各種の検出機、選別機および検査システムが開発されている。そういった選別機の一種として、金属異物の確実な除去を行い、保守、点検も容易である磁選機(マグネット・セパレーター)がある。磁選機は、永久磁石を用いて磁性金属を捕捉する装置であるが、高磁力の希土類磁石を用いることで、原材料から、弱磁性の微粒子までも捕捉できるため、食品業界においても広く普及している。
筒形磁選機は、筒形の筐体を備えていて、粉粒体その他の流体が流動するシステムに装着できる磁選機である。従来の筒形磁選機の一例を、図3A乃至図3Cに示す。図3Aおよび図3Bは、いずれも筒形磁選機51の正面図であるが、図3Aでは、扉55が閉じられており、図3Bでは、扉55が開けられている。図3Cは、扉55が閉じられているときの筒形磁選機51の断面図であり、中心軸に沿った筒形磁選機51の断面を示している。
図3Aおよび図3Bを参照すると、筒形磁選機51は、内部に磁石体52を備える筒形の筐体53で構成されている。筐体53の正面側の開口が、取手56の付いた扉55で覆われる。この扉55は、取手56を持って開閉できるように、蝶番57によって筐体53に取り付けられている。更に、筐体53には、バックル62が2つ取り付けられており、一方、扉55には、フック63が2つ取り付けられている。扉55を閉じた状態で、各バックル62を各フック63に引っ掛け、バックル62を締めることができるように、これらバックル62とフック63が配置されている。
更に、図3Cを参照すると、筐体53の上部には、外部から筐体53の内部に通じる流入口58が設けられており、一方、筐体53の下部には、筐体53の内部から外部に通じる流出口59が設けられている。流入口58および流出口59は、それぞれ、フランジ60および61によって、配管への取り付けが可能となっている。
磁石体52は、L字型の支持棒54を2本用いて、扉55に取り付けられている。すなわち、2本の支持棒54は、いずれも、一端が磁石体52の底板67に溶接され、他端が扉55の内壁に溶接されている。これによって、扉55を閉じるとき、磁石体52の周囲が、筐体53または扉55とほぼ均等な距離を保つように、磁石体52が筐体53内に保持されている。
磁石体52は、底板67で支持される5枚のネオジム磁石68と6枚のヨーク69とで構成されている。底板67、ネオジム磁石68およびヨーク69は、いずれも円板(高さが小さい円柱)形であり、これらの側面は全て、円筒形の、箱64の側壁の内側に接触している。箱64の上壁は、底面を有さない円錐形で、その底部の周囲が、円筒形の側壁の上部と接合している。ここで、箱64および底板67は、いずれも非磁性体のステンレス鋼で作られている。また、ヨーク69は、軟鉄板で作られている。
ネオジム磁石68とヨーク69とは、交互に積層されるが、ここで、隣り合うネオジム磁石68について、N極同士、S極同士がヨーク69を介して相互に向き合っていることに注意する。ネオジム磁石68とヨーク69は、全て中央に穴が開けられていて、シャフト65が通されている。シャフト65の両端には、ネジが切られていて、ナット66がネジ止めされている。そうすると、隣り合うネオジム磁石68が反発する力に逆らって、これらのネオジム磁石68は相互に積層されている。
以上のように構成される筒形磁選機51は、食品、薬品、飼料、その他の加工品の原材料が流動するシステムに取り付けられる。ここで、これらの原材料は、粉粒体、液体その他の流体であることに注意する。すなわち、流入口58から流入する流体が、流出口59から流出するように、筒形磁選機51を、フランジ60および61を用いて、垂直に配置される配管の中途に挿入する。そうすると、流体が筒形磁選機51を通過する間に、その流体に混入している金属異物の除去が行われる。もちろん、筒形磁選機51を使用する間、扉55は閉められており、2つのバックル62も締められている。
流入口58から流体が流入すると、円錐形の箱64の頂部で、360度全ての方向に分散される。そうして、流体が、磁石体52と筐体53または扉55との間の隙間を通って更に下降する間に、金属異物が、磁石体52の側壁に吸着される。このとき、各ネオジム磁石68から発せられる磁束は、相互に反発し合うため、全てのヨーク69に対して磁束が出入していることに注意する。すなわち、流体は、磁性体52を通り過ぎるまでに、6つのヨーク69のいずれにも吸着されるような多数の磁束に晒される。したがって、流体に金属異物が混入しているならば、そのような金属異物は、確実に磁石体52に吸着される。
筒形磁選機51の保守、点検の一環として、定期的に磁石体52に吸着された金属異物を取り除く必要がある。そのためには、まず、流体の流れを止めてから、2つのバックル62を緩め、これらをそれぞれのフック63から外す。そうして、取手56を保持して、扉55を開ける。磁石体52は、支持棒54によって扉55に取り付けられているので、扉55を開けると同時に筐体53から引き出される。この状態で、その磁石体52の表面に吸着している金属異物を取り除けばよい。金属異物は、布で拭き取ったり、空気を噴射して吹き飛ばしたり、粘着テープを使用して取り除くことができる。あるいは、金属異物を、更に強力な磁力を有するマグネット棒に吸着させることも可能である。
図3A乃至図3Cに開示されている従来の筒形磁選機51においては、例えば、以下(1)乃至(4)のような問題があった。
(1)流体は、円錐形の箱64の頂部まで下降してから、箱64の上面を流れる間に、著しく流速が低下する。極端な場合は、箱64の上面に滞った流体が、流入口58から流入する流体の流速にまで影響を及ぼしてしまう。このような流体の滞りを無くすためには、箱64の上壁を、頂部がより鋭角の円錐形のものと置き換えればよいが、そのためには、筐体53の全長をより大きくする必要があり、望ましいものとは言えなかった。
(2)ある一定のレベルで異物の捕捉効果が確保できるように、ネオジム磁石68の大きさが定められるが、全ての異物に対して同じだけの大きさの磁束が必要な訳ではない。すなわち、より小さな磁力で大半の異物が捕捉できるにもかかわらず、全ての異物を同じ大きさのネオジム磁石68で補足するのは、言わば磁石の無駄遣いであった。
(3)仮に、前記(1)および(2)の点を充分に踏まえることがでるならば、ネオジム磁石68のうち、いくつかを小さくし、その分、流体の流れる空間を大きくしようという考えに至ることが可能であるかもしれない。しかし、単純にこのようなものを実現すると、ネオジム磁石68の間に段差が生じて、却って流体の流れが悪くなったり、ヨーク間において箱の中に隙間が生じて、磁束が有効に働かなくなったりしてしまう。もちろん、それらは望ましいものではなかった。
(4)流体が、筐体53と磁石体52との間に流れ込むとき、流体の一部は、磁石体52に沿うよりもむしろ、筐体53に沿って下降し始める。磁石体52が備える磁力は、このようにして、筐体53に沿って下降し始めた金属異物を、流体の流れに抗しつつ磁石体52に引き付けるものでなければならない。流体が、確実にネオジム磁石68およびヨーク69の側面に沿って流れる構造を用いて、その分磁石を小さくすることが望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決するために提供されたもので、本発明の第1の観点によると、3枚以上の板状のヨークおよび2枚以上の磁石を交互に積層して構成される磁石体が提供される。この磁性体において、各磁石は、相互に平行な頂面と底面を有し、各磁石の底面は、ヨークを介して、その下層の磁石の頂面に重なっている。また、各磁石は、頂面をN極およびS極の一方とし、底面をN極およびS極の他方とするが、各磁石の底面は、その下層の磁石の頂面と、同一の極を有している。
そうして、本発明による磁石体は、側面が、頂面から底面に向かうにつれて、連続して側方に広がる形状を有している。ただし、この側面は、頂面および底面に垂直な面を含んでいてもよい。典型的には、本発明による磁石体は、錐台または、錐台と柱を組み合わせて構成される形状を有している。より典型的には、本発明による磁石体は、円錐台または、円錐台と円柱を組み合わせて構成される形状を有している。
本発明による磁石体の、より一般的な形状を記述するために、磁石体の頂面および底面に平行な任意の平面で、この磁石体を切る。そのときの断面は、常に、一つの閉じた平面図形である。この断面を、この断面に垂直な光でその磁石体の底面上に投影すると、この投影された断面は、はみ出すことなくその底面に重なる。かつ、磁石体の頂面を、同じ光でその断面上に投影すると、その投影された頂面は、はみ出すことなくその断面に重なる。
そうすると、この磁石体の側面は、頂面および底面に垂直な面を含んでいてもよいことになるが、磁石体の底面は、頂面よりも面積が大きいので、側面全てが垂直な訳ではなく、どこかに斜面を有している。ただし、この磁石体は、その頂面および底面以外に、これらの面に平行な面を有していない。
本発明による磁石体は、更に、非磁性体からなる箱を備えて使用される。この箱は、その磁石体の頂面よりも高い位置に頂点を一つだけ有する形状であって、この磁石体の側面は、周囲に渡って、その箱の内壁に接触している。
本発明による磁石体は、このように構成されているため、その磁石体の頂面および底面に垂直な方向に重力が働くとき、あるいはその方向に流体が流れているとき、箱の頂部へと流入する流体は、必ずその箱(および磁石体)の側面を伝って底面の周囲まで流れ着く。また、その側面上には、流体の流れを完全に滞らせてしまうような段差も存在していない。注意すべきは、この、流体が流れる斜面において、磁束が出入していることである。
本発明による磁石体は、好ましくは、更に、非磁性体からなるカバーを備えている。このカバーは、前述の箱の少なくとも上面および側面を覆うように、その箱に被せられる。これによって、この磁石体に付着した金属異物の取り除き作業が容易になり得る。すなわち、金属異物は、カバー表面に付着されるので、保守、点検時に、カバーを磁石体から外せば、磁力の無い状態で、金属異物を除去できる。
本発明による磁石体は、典型的には、上部に流入口、下部に流出口を有する筒形の筐体内に収容されて、磁選機を構成する。このような筒形磁選機は、前述のように、食品、薬品、飼料、その他の加工品の原材料が流れる配管の中途に挿入して使用する。更に、この筐体の側部に扉が設けられていて、この扉に磁石体が取り付けられていることが好ましい。このような扉を有する構造によって、前述のとおり、保守、点検作業が容易となるからである。更に、本発明によって、このような磁石体を備える磁選機も提供される。
本発明の第2の観点によると、非磁性体で構成され、3枚以上の板状のヨークおよび2枚以上の磁石を収容する箱が提供される。この箱は、底面および一つの頂点を有する形状であり、その側面は、頂点から底面に向かうにつれ、連続して側方に広がっている。ただし、この側面は、底面に垂直な面を含んでいてもよい。典型的には、本発明による箱の形状は、錐または、錐と柱を組み合わせて構成される図形である。より典型的には、本発明による箱の形状は、円錐または、円錐と円柱を組み合わせて構成される図形である。
本発明による箱の、より一般的な形状を記述するために、この箱を、底面に平行な任意の2つの平面で切る。このときの断面を、頂点に近いほうからそれぞれ第1および第2の断面とする。第1および第2の断面は、いずれも一つの閉じた中空の平面図形である。そして、第1の断面を、底面に垂直な光で第2の断面上に投影するとき、その投影された第1の断面は、はみ出すことなくその第2の断面および/またはその内部の領域に重なる。そうすると、この箱の側面は、底面に垂直な面を含んでいてもよいが、もちろん、必ず斜面を有している。ただし、この箱は、底面以外に、その底面に平行な面を有していない。
本発明による箱内では、前述の3枚以上のヨークおよび2枚以上の磁石は、交互に積層されている。ここで、各磁石は、相互に平行な頂面と底面を有し、各磁石の底面は、ヨークを介して、その下層の磁石の頂面に重なっている。また、各磁石は、頂面をN極およびS極の一方とし、底面をN極およびS極の他方とするが、各磁石の底面は、その下層の磁石の頂面と、同一の極を有している。
そうして、各ヨークおよび各磁石の側面が、周囲に渡って、前記箱の底面以外の内壁に接触している。このとき、少なくとも1つの磁石の側面が、その磁石の頂面および底面に対して傾斜する面を有している。すなわち、この箱は、磁束が出入りする側面の少なくとも一部が、その底面に対して垂直でない構造を有する。
本発明による箱は、以上のとおり構成されており、前述の箱を備えた磁石体と同様な機能を有する。本発明による箱は、好ましくは、更に、非磁性体からなるカバーを備えていてもよく、あるいは、好ましくは、筒形の筐体内に収容されて、磁選機を構成するが、これらの機能についても、前述の磁石体と同様である。更に、もちろん、本発明によって、このような箱を備える磁選機が提供されてもよい。
本発明による磁石体は、箱に収容されたり、カバーを設けたりして、磁選機として使用可能である。また、本発明による箱も、磁選機として使用できる。すなわち、本発明による磁石体または箱を、頂点を上流に向け、底面を下流に向けて、食品、薬品、飼料、その他の加工品の原材料の流れの中に置くと、効率よく金属異物が捕捉される。更に、本発明による磁石体または箱を備えた、筒形磁選機も提供されており、配管への取り付けが可能となっている。加えて、箱にはカバーが備えられてもよいし、筐体には扉が備えられてもよい。それによって、磁選機の保守、点検も容易になり得る。
以上のような磁選機は、従来のものに比べて、原材料などを流体として流すときの、流速の低下を防止するのが容易である。また、流体が、小さな磁石の磁束から、順次大きな磁石の磁束へと晒されるので、全磁石が有効に利用され、かつ金属異物は、取りこぼし無く捕捉される。そして、流体の通る斜面が、少なくとも一部、磁束を有しているので、磁石の総量に対する異物の捕捉効果が高められる。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図1Aおよび図1Bは、本発明の第1の実施例による筒形磁選機を示す。図1Aは、筒形磁選機11の正面図であり、この図において、筐体13の扉15が開けられている。図1Bは、扉15が閉められているときの筒形磁選機11の断面図であり、中心軸に沿った筒形磁選機11の断面を示している。
図1Aを参照すると、筒形磁選機11は、内部に磁石体12を備える筒形の筐体13で構成されている。この筐体13の構造は、前述の従来技術による筒形磁選機51の筐体53と同様である。すなわち、筐体13の扉15、取手16、蝶番17、バックル22、フック23は、前述の筐体53の扉55、取手56、蝶番57、バックル62、フック63にそれぞれ対応し、それらと同様に構成されている。
更に、図1Bを参照すると、筐体13には、流入口18、流出口19、フランジ20および21が設けられている。これらについても、前述の筐体53の流入口58、流出口59、フランジ60および61にそれぞれ対応し、それらと同様に構成されている。また、磁石体12を扉15に取り付けるためのL字型の支持棒14の構造も、前述の支持棒54と同様である。前述の磁石体52と同様、磁石体12も、扉15を閉じるとき、周囲が、筐体13または扉15とほぼ均等な距離を保つように、筐体13内に保持されている。
磁石体12は、底板27で支持される5枚のネオジム磁石31乃至35と6枚のヨーク41乃至45とで構成されている。ネオジム磁石31乃至35とヨーク41乃至45は、交互に積層されている。また、ネオジム磁石31乃至35は、全て同じ厚さを有する。底板27、ネオジム磁石31およびヨーク41は、いずれも円板(高さが小さい円柱)形であり、これらの側面は全て、円筒形の、箱24の側壁の内側に接触している。
ヨーク41の上に更に積層されているネオジム磁石32乃至35の形状は、いずれも円錐台である。ネオジム磁石32乃至35の各々の底面は、その下層のネオジム磁石31乃至34の各々の頂面と同じ大きさであって、円板形のヨーク41乃至44を介して、相互に重ねられている。ヨーク41乃至45は、ネオジム磁石31乃至35と比べて相当に薄い(厚さが小さい)ため、ネオジム磁石32乃至35が相互に積層された全体の形状は、実質的に円錐台である。
箱24の上壁は、底面を有さない円錐形で、その底部の周囲が、円筒形の、箱24の側壁上部と接合している。そうして、ネオジム磁石32乃至35およびヨーク42乃至45の側面は、この円錐形の、箱24の上壁の内側に接触している。ここで、箱24および底板27は、いずれも非磁性体のステンレス鋼で作られている。また、ヨーク41乃至45は、軟鉄板で作られている。
隣り合うネオジム磁石31と32および33と34は、それぞれヨーク41および43を介して、N極同士が相互に向き合っており、また、隣り合うネオジム磁石32と33および34と35は、それぞれヨーク42および44を介して、S極同士が相互に向き合っていることに注意する。ネオジム磁石31乃至35とヨーク41乃至45は、全て中央に穴があけられていて、シャフト25が通されている。シャフト25の両端には、ネジが切られていて、ナット26がネジ止めされている。そうすると、隣り合うネオジム磁石が反発する力に逆らって、これらのネオジム磁石31乃至35は相互に積層されている。
以上のように構成される筒形磁選機11は、前述の筒形磁選機51と同じく、食品、薬品、飼料、その他の加工品の原材料が流動するシステムに取り付けられ、金属異物を補足するのに用いられる。基本的には、筒形磁選機11は、重力を利用する場合が多く、原材料である流体が、垂直に落下するような配管に取り付けて使用される。特に、原材料が、粉粒体であるときに、このような方向での取り付けが好まれる。しかし、流体が、流入口18から流入し、流出口19から流出しさえすれば、どのような方向の配管に取り付けられてもよいことは明らかである。例えば、原材料の流体が液体である場合には、配管の方向に制限は無いと言える。
原材料である流体の流れと、それに混入している金属異物に作用する磁束の働きを、以下に詳細に記述する。まず、フランジ20を用いて配管に取り付けられた流入口18から、流体が流入してくる。この流体は、箱24の頂部において、その円錐形の上壁で360度全ての方向に分散される。箱24の上壁では、ネオジム磁石32乃至35による磁束が出入しているので、流体が分散される間に、異物の捕捉が行われる。流体は、磁石体12と筐体13または扉15との間の隙間を通って更に下降し、フランジ21を用いて配管に取り付けられた流出口19から流出する。
磁性体12の形状を、前述の磁性体52の形状と比較して分かるとおり、筒形磁選機11においては、筐体13内で、原材料の流体が流動し易くなっている。更に、2つの筒形磁選機11および51の筐体13および53の大きさ、形状が同じであるとすると、筒形磁選機11のほうが、流体が磁束に晒される距離も少し増大している。加えて、筒形磁選機11では、流体が磁束に晒されながら自由に下降する距離はごく僅かでしかない。すなわち、流体は、ほとんど磁石体の側壁を伝って下降するため、側壁のすぐ表面で磁束に晒される流体の割合が大きい。また、自由な下降と比べて、斜面を伝う分流速が小さくなるので、異物が磁束に捕捉され易いと言える。
ネオジム磁石35は、磁石体12の中で、最も小さいネオジム磁石であり、かつ一番端に積層されているので、最も磁力が弱い。加えて、流体が、このネオジム磁石35の磁束に晒されるのは、流体が分散され始めて間もないところであるので、このネオジム磁石35の側面では、異物の捕捉率も比較的低いと言える。しかしながら、磁石体12においては、流体が下降するにつれ、流体はより分散されており、かつ流体が晒される磁束もより強いものとなっている。このような、ネオジム磁石の配置は、所定の容量の磁石に対して、異物の取り損ねを防ぐために効果的であると言える。
筒形磁選機11の保守、点検についても、前述の筒形磁選機51と同様に行えばよい。更に、磁石体12の表面に吸着している異物をより徹底して取り除けるように、箱24の少なくとも上面と側面を覆うカバーを備えてもよい。そうすると、保守、点検の際に、そのカバーを取り外せばよく、磁力が作用しなくなる分、そのカバーの表面からの異物の取り除き作業が行い易くなる。
図2は、本発明の第2の実施例による磁石体30の断面図であり、磁石体30の中心軸に沿った断面を示している。磁石体30は、底板29で支持される、3枚の円錐台形のネオジム磁石36、38、40と、2枚の円柱形のネオジム磁石37、39と、6枚の円板形のヨーク46乃至49とで構成されている。ここで、ネオジム磁石36乃至40とヨーク46乃至49は、交互に積層されている。また、ネオジム磁石36乃至40は、全て同じ厚さを有する。
ネオジム磁石37乃至40の各々の底面は、その下層のネオジム磁石36乃至39の各々の頂面と同じ大きさであって、円板形のヨーク47および48を介して、相互に重ねられている。各ネオジム磁石のN極同士、S極同士が対峙している点、かつシャフト25とナット26によって、これらのネオジム磁石がネジ止めされている点については、磁石体30は、前述の磁石体12と同様の構造を有している。
ネオジム磁石36乃至40とヨーク46乃至49とを収容する箱28は、上壁が、底面を有さない円錐形である。この、円錐形の上壁の内側に、ネオジム磁石40の側面が接触している。ネオジム磁石36および38の側面を覆う箱28の側壁は、この円錐形と同じ傾きを持つ円錐台の側面を形成している。また、ネオジム磁石37および39の側面を覆う箱28の側壁は、円筒形である。以上のような、円錐形、円筒形および円錐台の側面形の上壁および側壁が相互に結合され、かつ底部を底板29で塞ぐことによって、箱28が構成されている。前述の磁石体12と同様、箱28および底板29は、いずれも非磁性体のステンレス鋼で作られており、ヨーク46乃至49は、軟鉄板で作られている。
以上のように構成される磁石体30は、金属異物を除去する必要のある流体中に適宜配置して用いることが可能である。また、前述の磁石体12と同様に、磁石体30を筒形の筐体に収容して、筒形磁選機を構成してもよい。磁石体30を構成するネオジム磁石の数は、前述の磁石体12と同様、5枚であるが、円錐台形の磁石の数が1枚少なく、代わりに、円柱形の磁石が1枚増えている。
前述の第1および第2の実施例から分かるとおり、本発明による磁石体は、あらゆる形で実現が可能であり、その構成要素となる磁石の形状、大きさも様々なものが使用でき、また、組み合わせも多数存在することが明らかである。更に、これらの実施例においては、従来技術による筒形磁選機と同様、ネオジム磁石を用いているが、その他の種類の永久磁石を用いても、本発明による磁石体および磁選機が構成できることも明白である。
以上のとおり、本発明は、第1および第2の実施例に基づいて説明されているが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本明細書の記述に基づいて、これら第1および第2の実施例を更に変形することは、当業者であれば任意に行い得ることは明らかである。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって定義されており、特許請求の範囲の記載と意味が均等である発明および、発明の範囲内に含まれる実施例および変形例を全て含むことを意図するものである。
本発明の第1の実施例による筒形磁選機の正面図であり、扉が開いている状態を示す。 本発明の第1の実施例による筒形磁選機の、中心軸に沿った断面図を示す。 本発明の第2の実施例による磁石体の、中心軸に沿った断面図を示す。 従来技術による筒形磁選機の正面図であり、扉が閉じられている状態を示す。 従来技術による筒形磁選機の正面図であり、扉が開いている状態を示す。 従来技術による筒形磁選機の、中心軸に沿った断面図を示す。
符号の説明
11、51 筒形磁選機
12、30、52 磁石体
13、53 筐体
14、54 支持棒
15、55 扉
16、56 取手
17、57 蝶番
18、58 流入口
19、59 流出口
20、21、60、61 フランジ
22、62 バックル
23、63 フック
24、28、64 箱
25、65 シャフト
26、66 ナット
27、29、67 底板
31乃至40、68 ネオジム磁石
41乃至49、69 ヨーク

Claims (10)

  1. 非磁性体からなる箱に入った磁石体と、
    この磁石体を箱ごと収容する筒形の筐体と
    を備える磁選機であって、
    前記磁石体は、
    3枚以上の板状のヨークおよび2枚以上の磁石を上下に交互に積層して構成され、
    各磁石は、相互に平行な頂面と底面を有し、
    各磁石の底面は、ヨークを介して、その下層の磁石の頂面に重なっており、
    各磁石は、頂面をN極およびS極の一方とし、底面をN極およびS極の他方とし、
    各磁石の底面は、その下層の磁石の頂面と、同一の極を有しており、
    前記磁石体は、その頂面および底面以外に、これらの面に平行な面を有しておらず、
    前記磁石体の頂面および底面に平行な任意の平面で、この磁石体を切るときの断面は、一つの閉じた平面図形であって、この断面を、この断面に垂直な光でその磁石体の底面上に投影すると、この投影された断面は、はみ出すことなくその底面に重なり、かつその磁石体の頂面を、同じ光で前記断面上に投影すると、その投影された頂面は、はみ出すことなくその断面に重なり、
    前記磁石体の底面は、前記磁石体の頂面よりも面積が大きく、
    前記箱は、
    前記磁石体の頂面よりも高い位置に頂点を一つだけ有する形状であって、
    前記磁石体の側面が、周囲に渡って、その箱の内壁に接触しており、
    前記筐体は、
    上部に流入口、下部に流出口を有する
    磁選機。
  2. 各磁石の形状は、錐台または柱である請求項1に記載の磁選機。
  3. 各磁石の形状は、円錐台または円柱である請求項2に記載の磁選機。
  4. 前記箱は、更に、非磁性体からなるカバーを備え、
    このカバーは、前記箱の少なくとも上面および側面を覆うように、前記箱に被せられる請求項1乃至3のいずれかに記載の磁選機。
  5. 更に、前記筐体の側部に扉が設けられ、前記が、この扉に取り付けられる請求項1乃至4のいずれかに記載の磁選機。
  6. 非磁性体で構成され、3枚以上の板状のヨークおよび2枚以上の磁石を収容する箱と、
    この箱を収容し、上部に流入口、下部に流出口を有する筒形の筐体と
    を備える磁選機であって、
    前記箱は、底面および頂点を一つ有する形状であり、かつ底面以外に、その底面に平行な面を有しておらず、
    前記箱は、その底面に平行な任意の2つの平面でその箱を切るときの断面が、頂点に近いほうからそれぞれ第1および第2の断面であるならば、第1および第2の断面はいずれも、一つの閉じた中空の平面図形であって、第1の断面を、底面に垂直な光で第2の断面上に投影するとき、その投影された第1の断面は、はみ出すことなく前記第2の断面および/またはその内部の領域に重なり、
    前記3枚以上のヨークおよび2枚以上の磁石は、前記箱内で上下に交互に積層されており、
    各磁石は、相互に平行な頂面と底面を有し、
    各磁石の底面は、ヨークを介して、その下層の磁石の頂面に重なっており、
    各磁石は、頂面をN極およびS極の一方とし、底面をN極およびS極の他方とし、
    各磁石の底面は、その下層の磁石の頂面と、同一の極を有しており、
    各ヨークおよび各磁石の側面が、周囲に渡って、前記箱の底面以外の内壁に接触し、
    少なくとも一つの磁石の側面が、その磁石の頂面及び底面に対して傾斜する面を有する
    磁選機。
  7. 前記箱の形状は、錐または、錐と柱を組み合わせて構成される図形である請求項に記載の磁選機。
  8. 前記箱の形状は、円錐または、円錐と円柱を組み合わせて構成される図形である請求項に記載の磁選機。
  9. 前記箱は、更に、非磁性体からなるカバーを備え、
    このカバーは、前記箱の少なくとも上面および側面を覆うように、前記箱に被せられる請求項6乃至8のいずれかに記載の磁選機。
  10. 更に、前記筐体の側部に扉が設けられ、前記箱が、この扉に取り付けられる請求項6乃至9のいずれかに記載の磁選機。
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