JP4301142B2 - デフの組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、デフの組立装置とその組立方法に係り、特に、ピニオンギヤワッシャ(のシャフト孔)やピニオンシャフトが組付け時に位相合わせを要求される形状の場合であっても、比較的低コストの装置で効率的な組付けをおこなうことのできるデフの組立装置とその組立方法に関するものである。
車両のデファレンシャルケース(以下、「デフケース」と略称する)に、サイドギヤおよびサイドギヤワッシャ、ピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャ、ピニオンシャフト、止めピンを組付けることによってデファレンシャル(以下、「デフ」と略称する)を組立てるデフの組立装置に関しては、これまでに幾つも提案されている。
例えば、特許文献1,2に開示のデフの組立装置および組立方法などがある。かかる組立装置は、ロータリーテーブル上にデフケースを載置し、サイドギヤの組付けやピニオンギヤの組付け、ピニオンシャフトの組付けなどがそれぞれ独立した作業ステーションでおこなわれる構成とし、複数の作業ステーションが作業手順に沿ってロータリーテーブルの回転方向に設けられている。ここで、各作業ステーションには、それぞれ専用の組付けロボットが備えてある。
上記組立装置を使用した組立方法は、一方のサイドギヤを回転可能に支持するとともに他方のサイドギヤを一方のサイドギヤとの間に回転差を与えた状態で回転させることにより、一対のピニオンギヤを両サイドギヤに噛合わせる工程と、両ピニオンギヤの外側に配設されるワッシャおよびダミーシャフトを挿通させる工程と、一方のサイドギヤを固定しつつ他方のサイドギヤを回動させ、両ピニオンギヤをダミーシャフトに軸支された状態でデフケース内の正規位置まで回動変位させる工程と、ピニオンシャフトをデフケースに挿通固定するとともにダミーシャフトを取り出す工程とからなるものである。
特許第3044116号公報 特許第3253728号公報
特許文献1,2のデフの組立装置および組立方法によれば、サイドギヤとピニオンギヤを適正に噛合わせることができ、結果としてデフの組立を精度よく、しかも簡易におこなうことを可能としている。しかし、ピニオンギヤワッシャに穿設されたシャフト孔の形状やピニオンシャフトの断面形状が円形ではなく、したがってこれらの組付け時に位相合わせが要求される場合については、上記文献に開示の発明では組付けが極めて困難である。また、ロータリーテーブルの回転方向に沿って、複数の作業ステーションが設けられていて、各作業ステーションごとに専用の組付けロボットが備えてある組立装置では、広範な作業スペースを要すること、組立装置自体が極めて高価なものとなってしまうことなどの問題がある。ピニオンギヤを正規位置まで回動変位させるために、一方のサイドギヤを固定しながら他方のサイドギヤを回動させることにしているが、かかる機構では上下のサイドギヤをそれぞれチャック、回転させる必要があり、制御装置等に要するコストが高くなってしまう。コストの高騰については、専用のダミーシャフト回収ユニットを必要とすることからもより助長される。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、ピニオンギヤワッシャのシャフト孔やピニオンシャフトが組付け時に位相合わせを要求される形状の場合であっても、比較的低コストの装置で効率的な組付けをおこなうことのできるデフの組立装置とその組立方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるデフの組立装置は、デフケースに歯車機構を構成する複数のデフ部品を組付けることでデフを組立てるデフの組立装置であって、前記デフの組立装置は、2つのロボットアームと、デフ部品に応じて選択的に該2つのロボットアームに装着されて該デフ部品をデフケース内の所定位置に搬送設置する少なくとも2つ以上のロボットハンドと、デフケースを載置する治具と、デフ部品を載置する載置台と、から少なくとも構成されていることを特徴とする。
ここで、2つのロボットアームとは、それぞれが独立した2つのマニピュレータであっても、2つのアームを備えた双腕ロボットであってもよい。2つのマニピュレータから構成される場合には、双方をインターフェース回路で繋いだ構成とすることで2つのアームが協調動作することができる。一方、双腕ロボットとは、例えば6自由度の多関節構造ないしスカラー構造のロボットアームを一対備えた産業用ロボットのことであり、かかる一対のロボットアームを協調動作させることが可能である。ロボットアームの先端には自動工具交換装置(ATC)を備えることもでき、この場合にはロボットハンドを自動交換することが可能となる。
複数のデフ部品が双腕ロボットに装着されたロボットハンドにてデフケース内に搬送され、所定位置に設置(仮設置を含む)される。ロボットハンドは、デフ部品の種類に応じて選択的にロボットアームに装着されるように複数種類用意されており、例えば双腕ロボットのアームの可動範囲内の適宜位置に載置されている。
2つのロボットアームの前方位置には、デフケースを載置しておく治具が備えてあり、ロボットアームの可動範囲内の適宜位置にはデフ部品が載置された載置台が備えてある。
例えば、双腕ロボットには、デフ部品の組付け順序や、部品に応じた適宜のロボットハンドの選択などがティーチングされており、場合によっては、双方のハンドを協働させながら組付け作業をおこなうことができる。デフケースへデフ部品を組付ける一連の作業は、すべて自動化され得る。
上記する本発明によれば、2つのロボットアームに、デフ部品に応じた適宜のロボットハンドを装着しながら部品の組付けをおこなうことができるため、広範な作業スペースを要することもなく、比較的低コストの装置で効率的なデフの組立てを実現することができる。
また、本発明によるデフの組立装置の他の実施形態において、前記デフ部品は、少なくとも、一対のサイドギヤおよびサイドギヤワッシャと、一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャと、ピニオンシャフトと、止めピンと、からなり、前記ロボットハンドは、サイドギヤおよびサイドギヤワッシャと止めピンを組付ける第一ハンドと、ピニオンギヤおよびピニオンワッシャとピニオンシャフトの組付けをおこなう2つの第二ハンドと、からなることを特徴とする。
通常、デフケースの側面にはデフ部品搬入用の2つの開口が対向する位置に穿設されており、さらにはピニオンシャフトを軸支するための2つのシャフト孔も対向する位置に穿設されている。この開口とシャフト孔は、例えば90度の位相をもってデフケースの側面に穿設されている。本発明では、第一ハンドおよび第二ハンドにて適宜のデフ部品をチャックした姿勢で、上記開口からデフ部品を所定位置に搬送設置する。
第一ハンドは、例えば、シリンダと、シリンダロッドに装着されたチャック部材と、サイドギヤの受け台などから構成することができ、この受け台にサイドギヤを載置した状態でロッドを伸張させてチャック部材にてサイドギヤをチャック可能な構成とすることができる。なお、第一ハンドに公知のセンサを装着しておくことで、サイドギヤおよびサイドギヤワッシャが確実にチャックされたか否かの確認をおこなうことができる。デフケース内の所定位置にサイドギヤを設置する際には、ロッドを縮めることでサイドギヤをアンチャックすればよい。なお、第一ハンドには、最終的にピニオンシャフトをデフケースにピン固定するために、このピンをチャックしておくチャック部材と、このピンを押し出すためのシリンダロッドを備えた構成とすることもできる。
一方、第二ハンドは、ピニオンギヤをチャックするためのシリンダおよびシリンダロッドに装着されたチャック部材と、ピニオンシャフトを押し出し可能なシリンダなどから構成することができる。
デフケースへのピニオンギヤ、ピニオンギヤワッシャ、ピニオンシャフトの組付け方法は適宜の方法でよいが、例えば、ピニオンシャフトに一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを取り付ける際や、ピニオンシャフトをデフケースに取り付ける際には、双方のロボットアームに装着された2つの第二ハンドを協働させながら組付けをおこなうことが効果的である。
また、本発明によるデフの組立装置の他の実施形態は、デフの組立に際して、少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトが組付け時の位相合わせを必要とする場合に使用されるデフの組立装置であって、前記載置台に載置される組付け部品のうち、少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトは、組付け時の位相決めがなされた姿勢で載置されていることを特徴とする。
例えば、ピニオンギヤワッシャのシャフト孔が単純な円形ではなく、円弧部と直線部とが組み合わされた形状の場合がある。この場合には位相合わせが要求されるため、ピニオンシャフトの外郭形状もこのシャフト孔の形状と同一に成形される必要がある。
このようにピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトに組付け時の位相が要求される場合においては、組付け精度を確保しつつ、しかも効率的におこなうことが極めて困難である。そこで、本発明においては、予めピニオンギヤワッシャやピニオンシャフトを位相決めした状態で載置台に載置しておき、それらをチャックするロボットハンドもチャック時の位相を維持するようにティーチングを施しておく。このようにすることで、例えば、第二ハンドにてまずピニオンシャフトをチャックし、そのピニオンシャフトの位相を確保した姿勢で、該ピニオンシャフトを載置台上のピニオンギヤ(のシャフト孔)およびピニオンギヤワッシャ(のシャフト孔)に貫通させ、第二ハンドのチャック部材にてピニオンギヤをチャックすることができる。
なお、その他のデフ部品であるサイドギヤやピニオンギヤなどについても予め位相決めした状態で載置台に載置しておくことが望ましい。ここでの位相は、既にデフケース内に設置されているサイドギヤに対して、後から設置されるピニオンギヤが噛合い不可にぶつかることなくスムーズに設置できるような位相である。ここで、第二ハンドのチャック部材にはピニオンギヤの位相決めを確保するための固定ピンを設けておき、第一ハンドのチャック部材にもサイドギヤの位相決めを確保するための固定ピンを設けておくこともできる。サイドギヤおよびピニオンギヤも位相決めされた状態で載置台に載置され、2つのロボットアームにて位相を確保された状態で各デフ部品がデフケース内に搬送設置されることにより、デフの組立作業の効率性をさらに高めることができる。
また、本発明によるデフの組立装置の他の実施形態において、前記第二ハンドには、さらに、第一ハンドにてサイドギヤを組付ける際に該サイドギヤの落下を防止するための補助具が備えてあることを特徴とする。
例えば、一対のサイドギヤが、デフケース内における鉛直方向の対向する位置に設置される場合には、上側に設置されるサイドギヤの落下を防止する必要がある。そこで、第一ハンドにてサイドギヤをデフケース内の所定位置に支持させた状態で、他方のロボットアームに装着された第二ハンドにてサイドギヤを仮止めすることとする。この第二ハンドには、サイドギヤ落下防止用の適宜の補助具を備えることができる。例えば、ばねを内部に備えたプランジャが補助具の先端に装着されていて、ばねの先端に球体が装着され、この球体がプランジャの先端から出入り可能な構成としておく。このプランジャをデフケースの上側に設置されるサイドギヤの一部に仮固定した後(プランジャのばねの付勢で固定)、第二ハンドから補助具を外し、補助具をデフケースの上部に残置した状態とすればよい。なお、デフケース上に残置された補助具は、デフの組立て完了後に撤去される。先端にばね付プランジャを装着した補助具を使用する場合には、サイドギヤの落下防止に際して何らの動力も必要としないため、経済的である。
また、本発明によるデフの組立装置の他の実施形態において、前記2つの第二ハンドのうち、ピニオンシャフトを保持しない側の第二ハンドには、ダミーシャフトが装着可能とされていることを特徴とする。
本発明は、ピニオンシャフトをデフケースに取り付ける際に、一方の第二ハンドにてピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャが取り付けられたピニオンシャフトをチャックし、他方の第二ハンドにてピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャが取り付けられたダミーシャフトをチャックし、双方をデフケース内に交互に搬送しながら最終的には該デフケース内に一対のピニオンギヤ(およびピニオンギヤワッシャ)とピニオンシャフトを組付ける際に使用される組立装置に関するものである。
ここで、ダミーシャフトは、第二ハンドに設けられたシリンダロッドによって押し出し可能に該第二ハンドに装着されている。
ダミーシャフトを使用する理由は、デフ部品挿入用の対向する開口同士を繋ぐ軸線上に仮配置された一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを、ピニオンギヤワッシャを脱落させることなく、かかる開口を繋ぐ軸線と直交する軸線上のデフケース側面に設けられた一対のシャフト孔に位置決めするためである。ダミーシャフトの長さは、せいぜい一対のシャフト孔間距離(であってデフケースの内壁間距離)分の長さに成形されており、したがってデフケース内でダミーシャフトが回転できるように構成されている。
一方の第二ハンドでピニオンシャフトをデフケースの開口を通してデフケース内の所定位置まで挿入する。この際、ピニオンシャフトにはピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャが取り付けられており、これらが所定の位置に設置された状態となっている。次に、対向する開口を通して、他方の第二ハンドにてダミーシャフトを所定位置まで挿入する。このダミーシャフトにもピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャが取り付けられており、このダミーシャフトの挿入方向の軸線と既に挿入されているピニオンシャフトの軸線を一致させながらダミーシャフトを挿入するとともに、ピニオンシャフトをダミーシャフトの先端で押し返しながら、ピニオンシャフトに取り付けられていたピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャのそれぞれのシャフト孔にダミーシャフトを貫通させる。この時点では、ピニオンシャフトがデフケース外に押し出され、デフケース内に挿入されたダミーシャフトの両端部に一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャが取り付けられた状態となっている。
次に、このダミーシャフトを該ダミーシャフトの位相決めを保持した状態で90度回転させ、ダミーシャフトの両端部に取り付けられた一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを、それぞれピニオンシャフト用のシャフト孔に位置決めする。かかる方法により、一対のピニオンギヤワッシャの位相を変化させることなく、該ピニオンギヤワッシャをシャフト孔に組付けることができる。
最後に、デフケース全体を90度回転させることで、ピニオンシャフト用のシャフト孔が2つの第二ハンドのピニオンシャフトおよびダミーシャフト押し出し時の軸線上に位置決めされる。ここで、既にデフケース外に押し出されていたピニオンシャフトをシャフト孔を通してデフケース内に挿入するとともに、ダミーシャフトを他方のシャフト孔を通してデフケース外に押し出す。ここで、ピニオンシャフトの長さは、一対のシャフト孔間距離であってデフケースの外壁間距離程度の長さに成形されており、したがってピニオンシャフトの両端をデフケースに軸止することができる。なお、デフケース外に押し出されたダミーシャフトを、再度、第二ハンドに収容させる構成とすることで、ダミーシャフト回収用の装置が不要となる。
また、本発明によるデフの組立装置の他の実施形態において、前記治具には、該治具に載置されたデフケース内に仮設置されたダミーシャフトを回転させる第一回転機構と、デフケースを回転させる第二回転機構が備えてあることを特徴とする。
本発明は、上記するようにダミーシャフトを使用してピニオンシャフトを組付ける際に、ダミーシャフトを回転させる回転機構と、デフケースを回転させる回転機構が治具に備えてある組立装置に関するものである。
第一回転機構、第二回転機構ともに、例えば、制御を可能としたサーボモータから構成することができる。ここで、ダミーシャフトを回転させる第一回転機構においては、ダミーシャフトをチャックするチャック部材がサーボモータに回転可能に装着されている。また、ダミーシャフトを回転させる際にこのチャック部材が上昇しながらダミーシャフトをチャックできるように、サーボモータおよびチャック部材がシリンダロッドに取り付けられた構成とすることもできる。
また、2つの第二ハンドには、デフケースの開口を塞ぐとともに、ダミーシャフトの回転奇跡に応じた輪郭を備えた球面ガイド部材が装着されている。球面ガイド部材によって、ダミーシャフトの回転の際に、該ダミーシャフトの両端部に取り付けられているピニオンギヤやピニオンギヤワッシャがデフケースの開口から脱落することを防止することができる。
本発明のように、ダミーシャフトおよびデフケースを回転させるための回転機構が治具に備えてあることにより、ダミーシャフトを使用してピニオンシャフトをデフケースへ組付ける組付け作業の効率化を図ることができる。
また、本発明によるデフの組立方法は、2つのロボットアームと、デフ部品に応じて選択的に該2つのロボットアームに装着されて該デフ部品をデフケース内の所定位置に搬送設置する少なくとも2つ以上のロボットハンドと、デフケースを載置する治具と、デフ部品を載置する載置台と、から少なくとも構成されていて、該ロボットハンドは、サイドギヤおよびサイドギヤワッシャと止めピンを組付ける第一ハンドと、ピニオンギヤおよびピニオンワッシャとピニオンシャフトの組付けをおこなう2つの第二ハンドと、からなり、ピニオンシャフトを保持しない側の第二ハンドには、ダミーシャフトが装着可能とされている、デフの組立装置を使用したデフの組立方法であって、前記2つのロボットアームの一方のアームに装着された第一ハンドにて一対のサイドギヤおよびサイドギヤワッシャをデフケース内に組付ける第一工程と、前記2つのロボットアームの双方のアームにそれぞれ第二ハンドを装着し、一方の第二ハンドによってピニオンシャフトにピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを組付け、他方の第二ハンドによってダミーシャフトにピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを組付ける第二工程と、双方の第二ハンドにてダミーシャフトに一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを装着させた後に、ダミーシャフトと一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャをデフケース内に収容させる第三工程と、ダミーシャフトの軸心をデフケースに穿設されたシャフト孔に位置決めさせた後に、該シャフト孔にピニオンシャフトを挿入しながらダミーシャフトを取り除く第四工程と、ピニオンシャフトとデフケースをピン止めする第五工程と、からなることを特徴とする。
第一工程では、サイドギヤの一方をデフケースの上側に設置する際には、他方のロボットアームに第二ハンドを装着しておき、この第二ハンドにサイドギヤ落下防止用の補助具を備えておいて、かかる補助具にて落下防止を施しておくことができる。
第二工程では、まず、第二ハンドにてピニオンシャフトをチャックし、次に、ピニオンシャフトの先端を載置台に載置されたピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャのそれぞれのシャフト孔に貫通させた後に該ピニオンギヤをチャックすることで、これら3つのデフ部品を第二ハンドにてチャックすることができる。また、他方の第二ハンドにはダミーシャフトが装着されており、該ダミーシャフトの先端もピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャのそれぞれのシャフト孔に貫通させる。
第五工程でピニオンシャフトをデフケースにピン止めする際には、例えば、第一ハンドを使用することができる。ここで、第一ハンドには、ピンをチャックしておくチャック部材と、このピンを押し出すためのシリンダロッドが備えてあり、デフケースの側面とピニオンシャフトに穿設されたそれぞれのピン孔にピンを貫通設置させることができる。なお、ピンのチャック部材としては、上記する補助具の先端に備えられたばね付プランジャを使用できる。
また、本発明によるデフの組立方法の他の実施形態は、少なくともピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトが組付け時の位相合わせを要する際に使用される前記デフの組立方法であって、少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトは、組付け時の位相決めがなされた姿勢で載置台に載置されており、前記第二工程においては、少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトの位相決めを確保しながらピニオンシャフトをピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャに組付け、他方の第二ハンドによって、少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトの位相決めを確保しながらダミーシャフトをピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャに組付けることを特徴とする。
本発明は、ピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトが組付け時の位相合わせを要する場合のデフの組立方法に関するものである。予めピニオンギヤワッシャやピニオンシャフトを位相決めされた状態で載置台に載置しておき、それらをチャックするロボットハンドもチャック時の位相を維持するようにティーチングを施しておけばよい。
以上の説明から理解できるように、本発明のデフの組立装置および組立方法によれば、ピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトとの間に組付け時の位相合わせが要求される場合であっても、極めて効率的に両者を組付けながらデフの組立をおこなうことができる。また、本発明のデフの組立装置および組立方法によれば、組立装置が占有するスペースを比較的小さなスペースとすることができるとともに、比較的低コストで組立装置を製作することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の組立装置を示した平面図であり、図2は、デフケースとデフ部品を示した分解斜視図である。図3aは、位相合わせを要するピニオンシャフトを示した断面図を、図3bは、位相合わせを要するピニオンギヤワッシャを示した平面図をそれぞれ示している。図4は、載置台を示した平面図を、図5は、図4のV−V矢視図を、図6は、図4のVI−VI矢視図をそれぞれ示している。図7は、治具を示した正面図を、図8は、治具を示した縦断図をそれぞれ示している。図9は、第一ハンドを示した平面図を、図10は、第一ハンドを示した縦断図を、図11は、一方の第二ハンドを示した平面図を、図12は、一方の第二ハンドを示した縦断図を、図13は、他方の第二ハンドを示した平面図を、図14は、他方の第二ハンドを示した縦断図をそれぞれ示している。図15〜25は、本発明のデフの組立方法の第一工程を順を追って示した図である。図26〜29および30〜31は、デフの組立方法の第二工程を順を追って示した図である。図32〜33は、デフの組立方法の第三工程を、図34〜36は、デフの組立方法の第四工程を、図37〜39は、デフの組立方法の第五工程をそれぞれ順を追って示した図である。なお、図示する実施形態は、ピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトが位相合わせを必要とする場合を示しているが、これらが位相合わせを要しない場合にも本発明のデフの組立装置および組立方法が適用できることは勿論のことである。また、2つのロボットアームは、双腕ロボットのアームとして説明しているが、相互にインターフェース回路で接続された2つのマニピュレータであってもよいことは勿論のことである。
図1は、デフの組立装置10を示している。組立装置10は、双腕ロボット1と、デフケース載置用の治具2、3つのロボットハンド3,4,5と、複数のデフ部品が位相決めされた状態で載置された載置台6とから大略構成されている。双腕ロボット1は、本体11に2つのロボットアーム12,12が昇降可能に接続されており、多自由度を有するロボットアーム12,12の先端にはATC13,13が設けられていて、部品の組付けに応じて選択的にロボットハンド3,4,5がATC13,13に装着される。なお、図示しないが、治具2上に載置されるデフケース(を載せたパレット)が、コンベアにて所定位置まで搬送され、図示しない移載装置にてコンベア上から治具まで自動的に移載される構成であってもよい。
かかる組立装置10を使用して、本実施形態においては、図2に示すデフケースaに、デフ部品b〜gが組み付けられる。デフケースaには、図示しないリングギヤが取り付くリングギヤ取り付きフランジa1と本体a2から構成されており、この本体a2には、複数のデフ部品をデフケースa内に搬送するための側面開口a3,a3が対向する位置に開設されており、かかる側面開口a3,a3に対して90度の位置にシャフト孔a4,a4が開設されている。また、デフケースaの天端には天端開口a5が開設されており、後述する補助具58の先端に装着されたプランジャ59が挿入可能となっている。
ここで、ピニオンギヤワッシャe,eのシャフト孔とピニオンシャフトfは、組付け時に位相合わせが要求されるような形状に成形されている。例えば、図3aに示すように、ピニオンシャフトfの断面形状は円弧部f1、f1と直線部f2、f2が組み合わされた形状に成形されている。一方、ピニオンギヤワッシャeのシャフト孔e1の形状もこのピニオンシャフトfの形状と同一形状(円弧部e11、e11と直線部e12、e12)に成形されている。
これらのピニオンギヤワッシャeおよびピニオンシャフトfをはじめ、ピニオンギヤd、サイドギヤb、サイドギヤワッシャc、止めピンgが、図4〜図6に示すように、載置台6を構成する台座61上に突出した係止部材62,62,…に位相決めされた状態で係止されている。ここで、サイドギヤbにはサイドギヤワッシャcが当接され、ともに位相決めされた状態で係止部材62に係止されており、ピニオンギヤdにはピニオンギヤワッシャeが当接され、ともに位相決めされた状態で係止部材62に係止されている。さらに、各デフ部品の位相決めは、固定ピン63にて保持された状態となっている。
次に、治具2の構成を図7,8に基づいて説明する。治具2は、台座21とフレーム部材22と2つのサーボモータ24,25とから大略構成されている。一方のサーボモータ24は、後述する第四工程でダミーシャフトhを回転させるためのモータであり、このサーボモータ24は、鉛直方向に配設されたシリンダ26によって昇降するシリンダロッド27に接続されており、ガイド部材23に案内されながら昇降可能な構成となっている(図8の矢印X方向)。サーボモータ24の回転シャフトに回転ロッド24aが装着されており、回転ロッド24aの先端にダミーシャフトを把持するチャック部材24bが装着されている。また、他方のサーボモータ25は、第四工程にてデフケースaを回転させるためのモータであり、該モータの回転シャフトには回転台座25aが回転可能に連接されている。
次に、ロボットハンドについて説明する。
図9,10には、サイドギヤdや止めピンgを組付けるための第一ハンド3が示されている。第一ハンド3は、シリンダ31と、サイドギヤdを載置する台座35と、ハンド回転用のアクチュエータ39と、止めピン固定部材37および止めピン押し込み用の軸部材36から構成されている。このアクチュエータ39で第一ハンド3を反転させることができ、例えば、デフケースaの下側に取り付けられるサイドギヤdの組付けを可能としている。台座35にはサイドギヤdの一部を落とし込むための開口35cと、ストッパー35a、および固定ピン35bが備えてあり、固定ピン35bによってサイドギヤdの位相決めが保持される。サイドギヤdが台座35上に載置されると、シリンダロッド32がシリンダ内から伸張し、このシリンダロッド32の先端に装着されたラム33が同期作動する(図10の矢印X方向)。ラム33の先端にはチャック部材34が装着されており、サイドギヤdをチャックすることができる。
なお、このラム33には止めピン押し込み用の軸部材36も装着されており、止めピン固定部材37に設けられたピン孔37aに貫通しながらプランジャ38にて仮止めされた止めピンgを、この止めピン押し込み用の軸部材36の移動で押し込むことが可能である。
図11,12には、一方の第二ハンド4が、図13,14には他方の第二ハンド5がそれぞれ示されている。2つの第二ハンド4,5の相違は、第二ハンド5には、ダミーシャフトhが装着されている(装着可能である)ことと、補助具58が着脱可能に装着されていることである。
一方の第二ハンド4は、シリンダ41と、長さ調整用のロッド43,43、ピニオンギヤdをチャックするためのチャック部材48を移動可能なシリンダ47、球面ガイド44、さらにはピニオンシャフトfをチャックするためのシリンダ45などから構成されている。このシリンダ41は、最終的にピニオンシャフトfをデフケースaのシャフト孔a4に嵌め込む際に使用される。後述する第二工程においては、まず載置台6に載置されたピニオンシャフトfを長さ調整用のロッド43,43内に案内し、ピニオンシャフトfの所定位置をシリンダ45から出入りする(図12の矢印X方向)シリンダロッド46でチャックする。次に、ピニオンシャフトfの一端を、載置台6上に載置されたピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeのシャフト孔に位置合わせした状態で、チャック部材48がシリンダ47によって移動し(図11の矢印X方向)、ピニオンギヤdをチャックする。なお、ピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeの位相決めを保持するために、チャック部材48にも固定ピン49が備えてある。
他方の第二ハンド5は、ダミーシャフト押し込み用のシリンダ51と、長さ調整用のロッド53、ピニオンギヤdをチャックするためのシリンダ54と、シリンダロッドの先端に装着されたチャック部材55、球面ガイド57などから構成される。このチャック部材55においても固定ピン56が備えてある。また、第二ハンド5の先端には着脱可能な補助具58が装着している。補助具58の先端にはサイドギヤbを仮固定するためのプランジャ59が備えてある。
ダミーシャフトhは、シリンダロッド52の先端に載置されるとともに、球面ガイド57に開設された貫通孔を貫通した状態で第二ハンド5に装着されている。
次に、図15〜図39に基づいて、デフの組立方法を説明する。
図15〜図25は、デフの組立方法の第一工程のフローを順に示している。第一工程では、デフケースa内に2つのサイドギヤb、b(およびサイドギヤワッシャc、c)を組付ける工程である。サイドギヤb、bの組付けは、デフケースaの下側に組付けた後に上側に組付ける順でおこなうこととする。
まず、載置台6の係止部材62に位相決めされた状態で載置されたサイドギヤb(およびサイドギヤワッシャc)を、ロボットアーム12に装着された第一ハンド3の台座35上に載置し(図15参照)、チャック部材34でサイドギヤbをチャックする(図16参照)。
サイドギヤbが第一ハンド3にチャックされた姿勢で、アクチュエータ39を作動して第一ハンド3を反転させ(図17参照)、この姿勢で第一ハンド3をデフケースaの開口a3からデフケースa内に挿入する(図18参照)。チャック部材34を後方に引いてサイドギヤbをアンチャックすることにより(図19参照)、下側のサイドギヤb(およびサイドギヤワッシャc)の組付けが完了する(図20参照)。
次に、他方のサイドギヤb(およびサイドギヤワッシャc)も同様に、第一ハンド3の台座35上に載置し(図21参照)、チャック部材34でサイドギヤbをチャックした姿勢(図22参照)で、第一ハンド3をデフケースaの開口a3からデフケースa内に挿入する(図23参照)。
ここで、サイドギヤbをアンチャックしつつ第一ハンド3にてサイドギヤbを設置位置に位置決め固定しておき(図24参照)、他方のロボットアーム12に装着された第二ハンド5に装着されている補助具58をデフケースaの天端開口a5に挿入する(図25参照)。この補助具58の先端に装着されたプランジャをで天端開口a5にサイドギヤbを仮固定させた後に、第一ハンド3を開口a3から引き抜く。
補助具58を第二ハンド5から外し、デフケースa上に残置させることで、一対のサイドギヤb、bおよびサイドギヤワッシャc、cの組付けが完了する(第一工程の終了)。
次に、図26〜図29、および図30,31に基づいて第二工程を説明する。
第二工程は、双方のロボットアーム12,12にそれぞれ第二ハンド4,5を装着した姿勢で、一方の第二ハンド4にてピニオンシャフトfとピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeを組付け、他方の第二ハンド5にてダミーシャフトhにピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeを組付ける工程である。
図26〜図29には、一方の第二ハンド4にてピニオンシャフトfとピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeを組付けるフローが順に示されている。なお、図26,27は側面図であり、図28,29は正面図で示している。まず、載置台6の係止部材62上に位相決めされた状態で係止されたピニオンシャフトfを、ピニオンシャフト固定用のシリンダロッド46で仮固定し(図26参照)、シリンダロッド46の仮固定位置の位置合わせをおこなった後に再度の仮固定をおこなう(図27参照)。
ピニオンシャフトfを第二ハンド4にてチャックした姿勢で、該ピニオンシャフトfの先端を載置台6の係止部材62に位相決めされた状態で係止されたピニオンギヤdのシャフト孔およびピニオンギヤワッシャeのシャフト孔に位置決めする(図28参照)。
次に、シリンダ47を作動させてチャック部材48をスライドさせ(図29の矢印X方向)、チャック部材48にて、ピニオンギヤdのシャフト孔およびピニオンギヤワッシャeのシャフト孔にピニオンシャフトfを貫通させながらこれらをチャックする。ここで、固定ピン49にて、ピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeの位相決めが保持されている。
一方、他方の第二ハンド5に装着されているダミーシャフトhの先端を、載置台6の係止部材62に位相決めされた状態で係止された別途のピニオンギヤdのシャフト孔およびピニオンギヤワッシャeのシャフト孔に位置決めする(図30参照)。次に、シリンダ54を作動させてチャック部材55をスライドさせ(図31の矢印X方向)、ピニオンギヤdのシャフト孔およびピニオンギヤワッシャeのシャフト孔にピニオンシャフトfを貫通させながらこれらをチャックする(図31参照)。なお、ここでも固定ピン56により、ピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeの位相決めが保持されている。
ロボットアーム12,12の同時作動により、上記の作業は同時におこなわれ得る(第二工程の終了)。
次に、図32,33に基づいて第三工程を、図34〜36に基づいて第四工程を、図37〜39に基づいて第五工程を説明する。
第三工程は、ダミーシャフトhの両端に一対のピニオンギヤd、dおよびピニオンギヤワッシャe,eを組付ける工程である。まず、第二ハンド4にてチャックされたピニオンシャフトfの先端のピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeを開口a3を通してデフケースa内に挿入する(図32参照)。次に、他方の開口a3を通して、第二ハンド5に装着されたダミーシャフトhの先端のピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeを、デフケースa内に挿入する(図33参照)。ここで、ダミーシャフトhは、図33の矢印X方向に押し込まれ、ピニオンシャフトfの先端に当接する。さらにダミーシャフトhが押し込まれることにより、このダミーシャフトhはピニオンシャフトfを開口a3の外に押し出すとともに(矢印Y方向)、ピニオンシャフトfに取り付けられていたピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャeのそれぞれのシャフト孔に貫通する。なお、これまでの作業の中で、各デフ部品は当初の位相決めが保持された状態であるため、ダミーシャフトhのシャフト孔への貫通もスムーズにおこなわれることになる。
ダミーシャフトhの両端に一対のピニオンギヤd、dおよびピニオンギヤワッシャe,eが取り付けられた状態で該ダミーシャフトhがデフケースa内に載置され、第三工程は終了する。
次に、第四工程に移行する。第四工程は、ピニオンシャフトfの両端に一対のピニオンギヤd、dおよびピニオンギヤワッシャe,eが取り付けられた状態で、該ピニオンシャフトfをデフケースa内に設置する工程である。まず、図8のサーボモータ24を上昇させ、該サーボモータの回転軸に取り付けられた回転ロッド24aの先端に装着されたチャック部材24bでダミーシャフトhをチャックする。
次に、チャック部材24bでダミーシャフトhをチャックした姿勢で(ここで、ダミーシャフトhおよびピニオンギヤワッシャeのそれぞれの位相決めが保持されている)、ダミーシャフトhを90度回転させ(図34の矢印X方向)、ピニオンギヤdおよびピニオンギヤワッシャeをデフケースaのシャフト孔a4の位置に位置決めする。なお、ダミーシャフトhの回転の際に、一対のピニオンギヤd、dは球面ガイド44,57によって開口a3,a3から脱落しないように防護されている。
次に、デフケースaが載置される回転台座25aを90度回転させる(図35の矢印X方向)ことで、対向するシャフト孔a4,a4を通る軸線と、デフケースaの外に押し出されているピニオンシャフトfの軸線を一致させる。
次に、ピニオンシャフトfをデフケースa内にシャフト孔a4を通して押し込むことにより、ピニオンシャフトfの先端はダミーシャフトhの一端と当接し、さらにピニオンシャフトfを押し込むことにより(図36の矢印X方向)、ピニオンシャフトfはダミーシャフトhをデフケースa外に押し出すとともに(矢印Y方向)、該ピニオンシャフトfは一対のピニオンギヤd、dとピニオンギヤワッシャe,eのそれぞれのシャフト孔に貫通する。ピニオンシャフトfはデフケースaのシャフト孔a4,a4に軸支され、ダミーシャフトhは第二ハンド5に回収される(第四工程の終了)。したがって、別途のダミーシャフト回収用装置を必要としない。
最後に、第五工程では、止めピンgにてピニオンシャフトfをデフケースaに差し込んでピニオンシャフトfの止め付けをおこなう。まず、第一ハンド3の止めピン固定部材37に止めピンgを差し込み、該止めピン固定部材37に装着されたプランジャ38で止めピンgを仮固定する(図37参照)。また、止めピン押し込み用の軸部材36がラム33に固着されており、ラム33のスライドに応じてこの軸部材36もスライド可能な構成となっている。止めピンgは軸部材36と同一軸心となるように双方が位置決めされており、軸部材36がスライドすることにより、止めピンgが押し込まれることになる。
止めピンgを仮固定した状態で、止めピンgの先端をデフケースaのピン孔a6(このピン孔a6とピニオンシャフトfのピン孔f3も位置決めされている。)に位置決め後(図38参照)、止めピンgを押し込むことによって(図39の矢印X方向)、ピニオンシャフトfとデフケースaの止め付けが完了する。この止め付け完了後に、デフケースa上に残置された補助具58をデフケースaから取り外すことにより、デフケースaへのデフ部品の組付けが完了する(第五工程の終了)。
上記するように、本発明のデフの組立方法によれば、すべての工程で各デフ部品の位相決めが保持された状態で作業が進められるため、ピニオンシャフトとピニオンギヤワッシャなどの形状が位相合わせを必要とするような組み付け作業であっても、極めてスムーズに組付け作業をおこなうことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明の組立装置を示した平面図。 デフケースとデフ部品を示した分解斜視図。 (a)は位相合わせを要するピニオンシャフトを示した断面図。(b)は位相合わせを要するピニオンギヤワッシャを示した平面図。 載置台を示した平面図。 図4のV−V矢視図。 図4のVI−VI矢視図。 治具を示した正面図。 治具を示した縦断図。 第一ハンドを示した平面図。 第一ハンドを示した縦断図。 一方の第二ハンドを示した平面図。 一方の第二ハンドを示した縦断図。 他方の第二ハンドを示した平面図。 他方の第二ハンドを示した縦断図。 本発明のデフの組立方法の第一工程を示した図。 図15に続き、第一工程を示した図。 図16に続き、第一工程を示した図。 図17に続き、第一工程を示した図。 図18に続き、第一工程を示した図。 図19に続き、第一工程を示した図。 図20に続き、第一工程を示した図。 図21に続き、第一工程を示した図。 図22に続き、第一工程を示した図。 図23に続き、第一工程を示した図。 図24に続き、第一工程を示した図。 本発明のデフの組立方法の第二工程における一方の第二ハンドの動きを示した図。 図26に続き、第二工程を示した図。 図27に続き、第二工程を示した図。 図28に続き、第二工程を示した図。 本発明のデフの組立方法の第二工程における他方の第二ハンドの動きを示した図。 図30に続き、第二工程を示した図。 本発明のデフの組立方法の第三工程を示した図。 図32に続き、第三工程を示した図。 本発明のデフの組立方法の第四工程を示した図。 図34に続き、第四工程を示した図。 図35に続き、第四工程を示した図。 本発明のデフの組立方法の第五工程を示した図。 図37に続き、第五工程を示した図。 図38に続き、第五工程を示した図。
符号の説明
1…双腕ロボット、2…治具、3…第一ハンド、4,5…第二ハンド、6…載置台、10…組立装置、11…本体、12…ロボットアーム、13…ATC、24…サーボモータ(第一回転機構)、24a…回転ロッド、24b…チャック部材、25…サーボモータ(第二回転機構)、25a…回転台座、26…シリンダ、31…シリンダ、32…シリンダロッド、33…ラム、34…チャック部材、35…台座、35a…ストッパー、35b…位相決めピン、35c…開口、36…軸部材、37…止めピン固定部材、38…プランジャ、41…シリンダ、42…シリンダロッド、43…長さ調整用のロッド、44…球面ガイド、46…シリンダロッド、47…シリンダ、48…チャック部材、49…固定ピン、51…シリンダ、52…シリンダロッド、54…シリンダ、55…チャック部材、56…固定ピン、57…球面ガイド、58…補助具、59…プランジャ、61…台座、62…係止部材、63…固定ピン、a…デフケース、a1…リングギヤ取り付きフランジ、a2…本体、a3…側面開口、a4…シャフト孔、a5…天端開口、b…サイドギヤ、c…サイドギヤワッシャ、d…ピニオンギヤ、e…ピニオンギヤワッシャ、e1…シャフト孔、f…ピニオンシャフト、g…止めピン、h…ダミーシャフト

Claims (2)

  1. 2つのロボットアームと、デフ部品に応じて選択的に該2つのロボットアームに装着されて該デフ部品をデフケース内の所定位置に搬送設置する少なくとも2つ以上のロボットハンドと、デフケースを載置する治具と、デフ部品を載置する載置台と、から少なくとも構成されていて、該ロボットハンドは、サイドギヤおよびサイドギヤワッシャと止めピンを組付ける第一ハンドと、ピニオンギヤおよびピニオンワッシャとピニオンシャフトの組付けをおこなう2つの第二ハンドと、からなり、ピニオンシャフトを保持しない側の第二ハンドには、ダミーシャフトが装着可能とされている、デフの組立装置を使用して、少なくともピニオンギヤワッシャのシャフト孔とピニオンシャフトが組付け時の位相合わせを要する、デフの組立方法であって、
    前記2つのロボットアームの一方のアームに装着された第一ハンドにて一対のサイドギヤおよびサイドギヤワッシャをデフケース内に組付ける第一工程と、
    少なくともピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトは、組付け時の位相決めがなされた姿勢で載置台に載置されており、前記2つのロボットアームの双方のアームにそれぞれ第二ハンドを装着し、一方の第二ハンドによって、ピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトの位相決めを確保しながら、ピニオンシャフトにピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを組付け、他方の第二ハンドによって、ピニオンギヤワッシャとピニオンシャフトの位相決めを確保しながら、ダミーシャフトにピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを組付ける第二工程と、
    双方の第二ハンドにてダミーシャフトに一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを装着させ、チャック部材でダミーシャフトをチャックすることで、ダミーシャフトおよびピニオンギヤワッシャのそれぞれの位相決めを保持する、第三工程と、
    ダミーシャフトおよびピニオンギヤワッシャのそれぞれの位相決めを保持しながら、ダミーシャフトを回動させて、ダミーシャフトの軸心をデフケースに穿設されたシャフト孔に位置決めさせた後に、該シャフト孔に該ダミーシャフトと位相決めされたピニオンシャフトを挿入しながらダミーシャフトをデフケース外に押し出して、該ピニオンシャフトに前記一対のピニオンギヤおよびピニオンギヤワッシャを装着させる、第四工程と、
    ピニオンシャフトとデフケースをピン止めする第五工程と、からなることを特徴とするデフの組立方法。
  2. 前記第四工程において、デフケース外に押し出されたダミーシャフトは、押し出される前の位相を保持した姿勢で前記第二ハンドに回収される、請求項1に記載のデフの組立方法。
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